海未「姉妹丼…いいじゃないですか」 (159)
雪穂「おねぇちゃん…おねぇちゃん…」コソコソ
雪穂「あっ…おねぇちゃん…すき…」クチュクチュ
コンコン
海未「穂乃果、入りますよ」
雪穂「!?」
ガチャ
海未「穂乃果?返事くらい…」
海未「!」
雪穂「あっ…」
海未「雪穂…ですか」
雪穂「う、海未ちゃん…これは…その…」
海未「穂乃果の下着…ですね」
雪穂「はわわわわわ!」
雪穂「み、見なかったことには…」
海未「しませんよ」
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雪穂「ひぃぃぃぃ!」
海未「まさか…雪穂が」ジロジロ
雪穂「見ないでぇ…」
海未「穂乃果の下着で自分を慰めてたなんて…」
雪穂「言わないでぇ…」
海未「姉ですよ?実の…」
雪穂「うぅ…」
海未「女同士でしかも近親だなんて…」
雪穂「うっ…うぅ…」
海未「あなたは変態ですか?」
雪穂「うっ…うう…」ジワッ
海未「うっ!?」
雪穂「ふぇぇぇぇ…」ポロポロ
海未(しまった…言い過ぎました)
海未「あ、あの…」
雪穂「うぇぇぇぇ…うぅぅぅ…」ポロポロ
海未「ごめんなさい、本気で責めた訳では…」
雪穂「びくっ…びくっ…うわぁぁぁぁぁ!!!!」
海未「ごめんなさいって…雪穂」
雪穂「う…」
雪穂「うみちゃん…きっと…おねぇちゃんに…グスッ」
雪穂「言い付けて…グスッ…」
雪穂「きらわれて…しまいのえんを…」
雪穂「うぇぇぇぇぇぇぇん!」
海未「ごめんなさいって!」
海未「い、言いませんよ!」
海未「さっきのは冗談ですから!」
雪穂「…ほんと?」
海未「ごめんなさい…脅かし過ぎました…」
雪穂「…」
海未「この事は誰にも言いません!」
海未「約束します」
雪穂「よかった…」
海未「はぁぁ…まさかあんなに泣くとは…」
雪穂「海未ちゃん…」
雪穂「幻滅…したよね」
雪穂「わたしのこと」
海未「えっ…」
雪穂「実の姉で…自慰を…」
海未「げ、幻滅なんて…」
雪穂「汚らわしいって…思ってるんだよね…」
海未「そんなことありません!」
海未「ああ、もう!」
海未「私はそんなことで幻滅したりしません!」
海未「だって!」
ドン
海未「いいですか!」
海未「私だって!」ガバッ
海未「穂乃果の下着で…くんくん」
雪穂「えっ…」
海未「はぁぁ…」
海未「最高です…」
雪穂「う、海未ちゃん?」
海未「穂乃果の下着で!」
海未「楽しんでるんですから!」ドン
雪穂「あっ…」
海未「だから、あなたの事…軽蔑したりしません」
海未「さっき酷い事を言ったのはつい流れで言ってしまっただけです!」
雪穂「海未ちゃん…」
海未「雪穂…」
海未「今まで、気持ちを一人で抱え込んで辛かったでしょう…」
海未「言えるわけありませんもんね…誰にも」
雪穂「うん…」ウルウル
海未「これからは私にぶつけていいですよ」
雪穂「海未ちゃん…」
海未「雪穂は産まれた時から知ってます」
海未「私にとっても妹みたいなものです」
海未「おいで」
雪穂「うみちゃゃゃゃゃゃ!」ダキッ
海未「あっ…いい匂い…」
海未「穂乃果と同じような匂い…」
海未「でも…きっと私にしか、わからない微かな違いがありますね…」
海未「素晴らしいです…」
雪穂「うみちゃゃ…」グスグス
海未「よしよし」
雪穂「あのね…」
海未「はい」
雪穂「おねぇちゃんはね…馬鹿でね」
雪穂「ドジで、間抜けで、無神経で、うるさくて…」
雪穂「でも、とっても可愛くてカッコよくてね…」
海未「そうですね、わかりますよ」
雪穂「わたし、大好きで…」
海未「いいんですよ…それで」ナデナデ
海未「我慢したって、ダメです」
海未「好きなものは好きなままであるべきです」
海未「私も…そう、穂乃果から学びました」
海未「私も…穂乃果は幼なじみですが」
海未「穂乃果の事は結婚したいくらい好きです」
雪穂「うん」
海未「まあ、出来ませんけど」
海未「だから…」
海未「せめて…下着くらいは」
雪穂「だよね」
『おーい!海未ちゃん、来てる~?』
海未「はっ!穂乃果です」
雪穂「隠さないと…」
ガチャ
穂乃果「あー、やっぱり!海未ちゃん来てた!」
穂乃果「お店の方に声かけてよ~」
穂乃果「ありゃ?雪穂?」
穂乃果「どうしたの?穂乃果の部屋で…」
園田家
海未「雪穂がね…」
海未「やっぱりというか…なんというか…」
海未「穂乃果の魅力は実の妹すら魅了するって事ですかね…」
ブブブブブブ
海未「ん?メール…ですか」
海未「…!」
海未「雪穂…」
海未ちゃん、今日は変な所見せてごめんなさい。
見られた時は『終わった…』って思ったけど、海未ちゃんが優しく抱き締めてくれて…心が軽くなりました
これからも、相談とかのってくれると嬉しいな。
今日のお礼にお風呂上がりのおねぇちゃんの写メあげる!
海未「…」
海未「…」タラー
海未「…」ガッツポ
海未「まぁ…でも」
海未「私も、気持ちを誰かに漏らしたのは初めてですね」
海未「少しだけ…私も心が軽くなりました」
海未「叶うはずのない恋ですからね…抱え込む事しか出来ませんでした…」
海未「雪穂も私も…」
海未「いい形でこの気持ちを昇華できるといいですね」
・・・・・
翌朝
海未「穂乃果、朝ですよ」ユサユサ
ことり「穂乃果ちゃん!起きて!」
穂乃果「んん~」
海未「遅刻しますよ」
穂乃果「!!!」ガバッ
穂乃果「何時!?」
海未「7時半です」
穂乃果「はぁぁ…まだ大丈夫だよ」
穂乃果「二人ともありがとうね」
海未「いい加減、自分で起きれるようになってくださいね」
ことり「ふふふ、海未ちゃんたら起こすの楽しみなくせに」
海未「なっ…!」
穂乃果「準備しなきゃ!」
海未「私達は下で待ってます」
穂乃果「うん!」
雪穂「海未ちゃん」
海未「雪穂」
雪穂「今朝もご苦労様」
海未「いえいえ」
雪穂「少しだけ羨ましいな」
海未「えっ、何がですか?」
雪穂「おねえちゃんね、わたしが起こそうとしてもなかなか起きてくれなくて…」
雪穂「今日でも、あんなにバッと起きるのは海未ちゃんが起こすからだよ」
雪穂「嫉妬しちゃう」
海未「そんな…」
穂乃果「おーい!おまたせー!」
ことり「穂乃果ちゃん、カバン!」
穂乃果「あっ!」
雪穂「ふふっ、じゃ」
雪穂「私は先に…」
海未「ああ、行ってらっしゃい…」
ブブブブブブ
海未「メール…雪穂ですか」
海未ちゃん、今日の放課後…いきなりだけど相談にのってくれないかな
昨日も言ったけど、海未ちゃんにしか話せないから…
海未「雪穂…」
海未「『もちろんいいですよ』っと… 」ポチポチ
海未(何と言うか…なつかれたのですかね)
海未(彼女の苦しみは分かるつもりです)
海未(出来るだけ、協力してあげたい…)
海未(少し昔に戻った気持ちがします)
海未(私は穂乃果の家に預けられることが多かった)
海未(その時はよく雪穂とも遊びましたね)
ガチャ
海未「雪穂、来ましたよ」
雪穂「えへへ、海未ちゃんいらっしゃい」ニコッ
海未「うっ…」ドキッ
雪穂「?」
雪穂「どうしたの?」
海未「雪穂は…その…」
海未「やっぱり、穂乃果に似てますね」
雪穂「そうかな」
海未「さすが、妹です」
雪穂「妹…か」
海未「あっ…」
海未「ごめんなさい…」
雪穂「いいの」
雪穂「事実だし…どうしようもないし」
海未「でも、その…少しドキッとしました」
海未「あなたの笑顔」
雪穂「えっ…」
海未「い、いや!何でもないです!」
海未「聞かなかったことに!」
雪穂「いや、ちゃんと聞いたから」
雪穂「ドキッとしただなんて…」
海未「忘れなさい!」
雪穂「おねえちゃんの事、好きなくせに…」
雪穂「浮気ものだなぁ…海未ちゃんは」
海未「浮気ものだなんて…」
海未「素直に思ったんですよ…雪穂の笑顔は」
海未「穂乃果に負けないくらい素敵だって…」
雪穂「///」
雪穂「海未ちゃんってさ…」
海未「はい?」
雪穂「タラシとかよく言われない?」
海未「なっ!」
海未「言われたことないですよ!」
海未「失礼ですっ!」
雪穂「あはは、ごめん」
雪穂「でも、素敵だって言ってくれて…嬉しいよ」
雪穂「海未ちゃんみたいなカッコいい女の人に言われると…特に」
海未「カッコいいだなんて…そんな」
雪穂「うちの中学では凄い人気だよ?海未ちゃん」
海未「え?」
雪穂「カッコいい!って…クラスの子も言ってるし」
雪穂「幼なじみとして鼻が高いよ!」
海未「ふふっ、それはあなたが誇ることですか?」
雪穂「海未ちゃんは、おねえちゃんみたいなものじゃん」
海未「やっぱり、雪穂は穂乃果にそっくりです」
雪穂「またそれ?」
海未「だって本当に似てるんですもん」
雪穂「もういいよ!」
海未「そうですね」
海未「ところで、相談があるって…」
雪穂「それなんだけど…」
雪穂「あのね」
雪穂「この年で…おねえちゃんと二人でお出かけするのって変かな?」
雪穂「誘ってもおねえちゃんに変に思われないかな?」
海未「お出かけですか…」
海未「別に…問題は無いと思いますが」
海未「でも、私には近い歳の姉妹がいないので…」
海未「わかりかねます…」
雪穂「そっか…」
海未「ああっ、でも!」
海未「これは、絵里の話なんですけど…」
雪穂「絵里さん?ああ…一丁目の…」
海未「彼女にも、妹がいるらしくて…」
~
絵里「そう、今度ね」
絵里「妹の亜里沙がね、ロシアから遊びに来るのよ!」
絵里「まずわね、東京を案内するのよ!」
絵里「久しぶりに亜里沙に会えるのとても楽しみだわ!ハラショー!」
絵里「会ったら何してあげようかしら…」
絵里「一緒にお風呂に入るでしょ」
絵里「歯を磨いてあげましょうか!」
絵里「そしたら、もちろん一緒に寝て…」
絵里「いっぱい、ちゅーするわ!」
~
雪穂「…」
海未「仲のいい姉妹ってこんな感じですかね」
雪穂「あの人、そんなんだったんだ…」
海未「でも、出かけるくらいは普通でしょうね」
雪穂「そうなのかなぁ…」
海未「とりあえず誘ってみては?」
雪穂「う、うん」
雪穂「で、でもね…」
雪穂「最近は恥ずかしくて…おねえちゃんと一緒に歩けないの…」
雪穂「その…あのね」
雪穂「海未ちゃんも一緒に遊びに行ってくれない?」
海未「えっ…でも…いいんですか?」
雪穂「海未ちゃんに来て欲しい」
海未「まあ、雪穂がいいなら…」
雪穂「やった…」
雪穂「うん!じゃあおねえちゃんに言っとくね!」
雪穂「今度の日曜ね!」
海未「はぁ」
・・・・
日曜日
雪穂「おーい!海未ちゃーん!」
海未「雪穂」
雪穂「どうかな…?この服」
雪穂「可愛い?」
海未「ええ、可愛いですよ」
雪穂「えへへ、ありがとう」
穂乃果「雪穂ー!待ってよー!」
海未「!」
海未「穂乃果!」
穂乃果「はぁ…はぁ…お待たせ…」
海未「…」ジー
穂乃果「ん?どうしたの?」
穂乃果「ああ、この服?」
穂乃果「可愛いでしょ?買ってもらったんだ!」
海未「凄く可愛いです!」
穂乃果「えへへ、ありがとう」
穂乃果「海未ちゃんの服もお洒落だよ」
海未「…」ジーッ
雪穂「…」
雪穂「海未ちゃん!」
海未「はひっ!」
雪穂「おねーちゃんに見とれてないで!早く行こうよ!」
海未「なっ…!」
穂乃果「ええー?なになに?海未ちゃん、穂乃果に見とれてたの?」
海未「み、見とれてなんて!」
穂乃果「この服が可愛いからだね!きっと!」
穂乃果「ほらほら!ここ見てよ!」
海未(む、胸元が…)
海未「ほ、穂乃果…」タラー
穂乃果「あっ、海未ちゃん鼻血が!」
雪穂「もう!何してるの!」フキフキ
海未「ゆ、雪穂…」
雪穂「二人の世界に入らないでよ…」フキフキ
海未「へ?」
雪穂「今日は三人で遊ぶの!」グイッ
海未(か、顔がちか…いい匂いが…)
海未「ぶはっ!」
穂乃果「海未ちゃん!?」
雪穂「大丈夫!?」
海未「んっ…」
穂乃果「鼻血、もう止まった?」
雪穂「ごめんね、海未ちゃん…鼻弱かったんだね」
穂乃果「穂乃果も初耳だよー」
海未「別にそういうことでは…」
海未「そろそろ、行きますか…時間が…」
穂乃果「もう大丈夫なの?」
海未「はい」
海未「穂乃果の服を鼻血で汚さないうちに…」
海未(穂乃果の太股…名残惜しいですが…)
バッ
海未「さっ、行きましょう」
穂乃果「うん!」ガシッ
海未「ちょっ!腕を!」
穂乃果「いいでしょー!デートなんだし!」
ガシッ
雪穂「わたしもいるんだからね!」
海未「ゆ、雪穂まで!」
海未(ダメです…この姉妹は…!)
海未(というか、雪穂は穂乃果の方へ行けば良かったのに)
海未(どうして?)
喫茶店
穂乃果「あーむ…むぐむぐ…」
穂乃果「このパフェおいしー!」
雪穂「おねえちゃん、いちいち、うるさいよ」
穂乃果「だって美味しいんだもん!」
穂乃果「ほら、雪穂も食べてみて!」
穂乃果「はいっ、あーん…」
雪穂「あ、あーん…」
雪穂「ん!本当だ!おいしい!」
穂乃果「でしょう、ほら言ったじゃん!」
穂乃果「このパフェは穂乃果のお気に入りに登録しよう…」
雪穂「次は、わたしのも食べてよ!」
穂乃果「あーん…」
穂乃果「おいしー!!こっちにすれば良かった!」
雪穂「浮気はやっ!」
海未「ふふっ」
海未(まるで昔に戻ったみたい)
海未(元気いっぱいの姉妹を見て微笑む私…)
海未(二人の仲の良さに少しだけ嫉妬しつつも…)
海未(楽しかった)
海未(でも…)
海未(穂乃果への気持ちを自覚して…)
海未(雪穂の気持ちを知って…)
海未(今は何だか…少し複雑な気持ち…)
グイッ
穂乃果「はいっ、海未ちゃん、あーんっ!」
雪穂「こっちのが美味しいんだから!海未ちゃん!あーんっ!」
海未「むぐっ!?」
穂乃果「ねぇ!ねぇ!プリクラとろう!プリクラ!」
雪穂「いいね!」
海未「プリクラですか…あんまり慣れてませんが…」
穂乃果「大丈夫だよ!ほら、穂乃果の隣に!」
海未「は、はい…」
雪穂「あっ、海未ちゃん…」
雪穂「…」ムッ
グイッ
雪穂「私が真ん中!」
海未「おっと…」
穂乃果「お?」
穂乃果「雪穂~、センター狙ってきたね」
雪穂「何いってんの!」
雪穂「撮るよ!」
カシャッ
・・・・・・
穂乃果「あはは!海未ちゃん、ぎゅっと目を閉じてるよ!」
海未「ど、どうしても、こういうのは苦手で…」
穂乃果「普通の写真の取り方でいいのにねぇ?雪穂?」
雪穂「…」
穂乃果「雪穂?」
雪穂「はっ!えっ?なに?」
穂乃果「いや、だからプリクラの取り方…」
穂乃果「あっ…ごめんね、トイレに…」
海未「トイレはあっちですよ」
穂乃果「うん!ありがとう!ちょっと行ってくる!」タタタッ
雪穂(おねえちゃん、ごめんね)
雪穂「海未ちゃん!こっち来て!」グイッ
海未「はいっ!?」
雪穂「私ともう一枚!」
海未「もう一枚!?何ですか!?」
雪穂「プリクラ!」
雪穂「二人で!」
海未「ええっ!?」
雪穂「もっとくっついて!」ダキッ
海未「ええっと…」ドキドキ
カシャッ
・・・・・・
穂乃果「ごめーん、トイレ混んでて」
海未「そ、そうですか…///」
穂乃果「?」
雪穂(やった…)
穂乃果「二人ともどうしたの?」
海未「な、何でもないですよ!」
今日ここ
雪穂「えへへ…」ニヤニヤ
穂乃果「雪穂、何プリクラみてニヤニヤしてるの?」
穂乃果「久しぶりにおねえちゃんとプリクラ撮れて嬉しいのか~?」
雪穂「ちょっ!そんなんじゃないから!」
穂乃果「じゃあ海未ちゃんだ~!」
海未「えっ!?」
穂乃果「昔は海未ちゃんにもべったりだったもんね~」
穂乃果「プリクラ一緒撮れて嬉しいんでしょ!」
穂乃果「妬けちゃうなぁ」
雪穂「…おねえちゃん」
海未「も、もう行きましょう!」
海未「時間、無いですよ」
・・・・・・
穂乃果「はぁぁ!今日は楽しかった!」
海未「そうですね」
穂乃果「昔を思い出したよ」
雪穂「うん…」
穂乃果「海未ちゃんはさ、よくうちに預けられてたじゃない?」
海未「はい」
穂乃果「その時はずっと穂乃果と雪穂と海未ちゃんでいたよね」
穂乃果「ずっと三人で遊んで」
穂乃果「最近はもうあんまり…無いから」
雪穂「うん…」
海未「…」
海未「寂しい…ですね」
海未(時を経れば町が変わっていくように)
海未(人との関係も常に変わっていく)
海未(それが…お腹の中からの幼なじみである私たちでさえ)
海未(あの頃に戻りたい…そう思うわけじゃないけど…)
海未(雪穂の思い…)
海未(私の思い…)
海未(色んなことを知ってしまって…)
海未(昔の私たちを思うと…)
海未(心が切なさで溢れてきます)
海未(この感覚…どこかで…)
穂乃果「海未ちゃん」
ダキッ
海未「穂乃果…」
穂乃果「そんなに悲しい顔しないで」
穂乃果「穂乃果は海未ちゃんの側にいるから」
穂乃果「穂乃果…変わっちゃっても…側にいるから」
海未「穂乃果」
穂乃果「側にいて…海未ちゃんがまた寂しくなっちゃったら」
穂乃果「こうやって抱き締めてあげる」
穂乃果「ぎゅー!」
海未「い、痛いですよ」
海未(また、染められていく…)
海未(どうしようもなくて…切なくて…暴れだしそうだった気持ちが)
海未(ずっとこうやって…抱き締められていたい…)
海未「穂乃果…」
雪穂「……」
穂乃果「ほら、雪穂も…」グイッ
雪穂「えっ…」
穂乃果「雪穂も…穂乃果が抱き締めてあげる」
雪穂「おねえちゃん…」
・・・・
海未「やっぱり、穂乃果って…天使ですよね」
雪穂「うん…」
雪穂「モヤモヤしてた気持ちがふっ飛んじゃった…」
海未「これからも穂乃果と一緒にいれる…」
海未「そう思ったら、この気持ち…昇華出来そうです」
雪穂「…」
雪穂「海未ちゃん」
海未「はい?」
雪穂「ほら、これ見て」
海未「はっ!それは…」
雪穂「おねえちゃんの寝顔の写メ」
雪穂「ほしい?」
海未「欲しいです!!」
雪穂「ほらほら」
海未「あぁぁぁぁぁ…」
雪穂「あげようか?」
海未「ください!送って!」
雪穂「なら、お願いがあるの」
海未「なんですか!」
海未「私、何でもしますよ!」
雪穂「ちゅーして」
海未「は?」
雪穂「だからちゅー!キス!」
海未「キ、キス!?」
雪穂「何でもするって言ったよね…」
海未「で、でもキスは…」
海未「というか何でキス?」
雪穂「だって海未ちゃんが好きだから」
海未「え…?」
雪穂「おねえちゃんに負けないくらい…海未ちゃんが好き」
雪穂「壊れそうで…苦しかったわたしを救ってくれた海未ちゃんが好き」
雪穂「だからね、キスを…」グイッ
海未「ちょ!ちょっと!まってください!」
雪穂「なに?先に写メが欲しいとか?」
海未「写メ欲しいですけど!違います!」
海未「私の気持ちは…」
雪穂「キスくらい…いいじゃん…」
雪穂「どうせおねえちゃんには出来ないんだよ?」
海未「そ、そんな…」
海未「雪穂…」
雪穂「海未ちゃん…わたしたち…付き合っちゃおうよ」
雪穂「わたし…海未ちゃんが恋人になってくれたら…」
雪穂「おねえちゃんの事…忘れられる」
海未「そんな…」
雪穂「海未ちゃんも…」
雪穂「おねえちゃんの事、諦めようよ…」
海未「そんな…」
海未「そんなこと言わないで…」
雪穂「海未ちゃん」ガバッ
海未「ああっ!」
雪穂「んっ…」チュゥゥゥ
海未「んんっ!」
ガチャ
穂乃果「海未ちゃん?雪穂の部屋にいる…」
雪穂「んっ…」
海未「んんっ!?」
穂乃果「え?」
穂乃果「な、何してるの?二人とも…」
テンポ悪くてすまんが、出かけるチカ
海未「ほ、穂乃果!」
海未「こ、これは…!」
雪穂「ちゅーだよ」
穂乃果「ちゅーって…!」
穂乃果「そ、そんなの見たら分かるよ!」
雪穂「おねえちゃんが聞いたんじゃない」
穂乃果「…!」
穂乃果「そ、そんなことはいいの!」
穂乃果「何でキスしてたの!?…」
雪穂「だって…」
雪穂「わたしたち…愛し合ってるから」
穂乃果「…!?」
穂乃果「愛し合ってるって…どういう」
雪穂「わたしたち付き合ってるの」
穂乃果「!」
雪穂「ねぇ?海未ちゃん」
海未「…」
雪穂「ごめんね、内緒にしてて」
穂乃果「そ、そんな…」
穂乃果「付き合ってるって!女の子同士じゃん!」
穂乃果「そんなこと…おかしいよ…」
海未「…!」ズキッ
雪穂「おかしくないよ!」
雪穂「性別とか…血が繋がってるとか…そんなの!」
雪穂「関係ない!」
雪穂「あのね、おねえちゃん」
雪穂「今…せっかく海未ちゃんと二人きりだったんだから…出てってよ」
穂乃果「…っ!」
穂乃果「~!」
ガチャ バン!
海未「雪穂!」
雪穂「何?」
海未「どういうつもりですか!?」
海未「付き合ってるだなんて…」
雪穂「いいじゃん…」
海未「よく無いです…」
海未「私、穂乃果が好きなのに…」
雪穂「あの反応見たでしょ…」
海未「…」
雪穂「女の子同士なんておかしいって…」
海未「…くぅぅ」ポロポロ
海未「いわないで…ください…」ポロポロ
海未「…っく…くぅぅ…」ポロポロ
雪穂「海未ちゃん、つらいよね」
雪穂「当然だよ」
雪穂「ずっとおねえちゃんの事好きだったんだから…」
雪穂「私も同じ気持ち」
雪穂「でも…これで踏ん切りがついたんじゃない?」
雪穂「お互い…」
海未「うぅぅぅ…」ポロポロ
雪穂「大丈夫…私が抱き締めてあげる」ダキッ
海未「ゆ…き…ほ…」
雪穂「落ち着いたら…今度は」
雪穂「わたしを抱き締めて」
海未「…」コクッ
海未「雪穂…」
海未「好きです…」
雪穂「うん」
雪穂「私も好き」
穂乃果「……」ポー
『わたしたち…愛し合ってるから』
穂乃果「海未ちゃん…雪穂…」
穂乃果「おかしいよ…そんなの…」
穂乃果「女の子同士なんて…」
穂乃果「…」
穂乃果「寂しいよ…」
・・・・・・・
海未「もう穂乃果への思いは捨てる…」
海未「恋人が出来ましたから」
海未「可愛くて…元気で…気が利いて…」
海未「……」
海未「そうです…」
海未「穂乃果への思いと一緒に…」
海未「これまで集めた穂乃果の下着も捨てましょう」
海未「さようなら…穂乃果」
海未「一親友として、またよろしくお願いしますね…」
朝
穂乃果「な、なにこれ…」
穂乃果「大量の下着が…家の前に…」
ことり「穂乃果ちゃーん!おはよー!」
穂乃果「ああ…ことりちゃん」ササッ
穂乃果「おはよう…」
ことり「ど、どうしたの?寝不足?」
穂乃果「まあね…」
雪穂「おはよ!海未ちゃん!」
海未「おはようございます!雪穂!」
雪穂「学校、途中まで一緒に行こうね」
海未「どうせなら、中学まで送りますよ」
雪穂「ほんと?嬉しいよ!」
雪穂「手を繋いでいこうね!」
海未「は、恥ずかしいですよ!」
ことり「ん?」
ことり「あの二人、あんなに仲よかったんだ」
穂乃果「付き合ってるらしいよ」
ことり「へぇー、付き合って…」
ことり「って、ええぇぇぇぇ!?」
ことり「つ、付き合ってる!?」
ことり「女の子同士だよ!?」
穂乃果「愛し合ってるなら…関係ないって…」
ことり「そ、そうなんだ…」
ことり「いつから?」
穂乃果「知らないけど…穂乃果は昨日聞いた…」
ことり「そっか、だから寝不足だったんだ…」
ことり「やっぱり、ショック?」
穂乃果「ショック…かな」
穂乃果「驚きと…戸惑いと…寂しさが…」
ことり「まあ…親友と妹だしね…」
ことり「でも、好きなら仕方ないよね」
ことり「同性愛って珍しく無いって聞くし…」
ことり「まぁ、ことりは初めて見たけど…」
ことり「親友なんだし応援してあげようね」
穂乃果「うん…」
穂乃果「大切な妹と親友だしね…応援したい…」
穂乃果(でも…まだモヤモヤする…)
穂乃果(まだ気持ちの整理がついてないのかな…?)
雪穂「ここまででいいよ」
海未「はい」
雪穂「じゃあね」
海未「帰りも迎えにいきます」
海未「終わったらメールください」
雪穂「うん!ありがと」
海未「雪穂…んっ」チュッ
雪穂「うみひゃ…」チュッ
雪穂「こ、こんなところで…」
雪穂「騒ぎになっちゃうよ!」
海未「見せつけてやりましょうよ」
雪穂「さっき手を繋ぐのにも恥ずかしいとか言ってたのに?」
海未「うぅ…」
海未「私、キス…好きなんです」
海未「ホントに幸せなキスというものを知ってしまったから」
雪穂「そっか…」
雪穂「でも、ここじゃダメ」
雪穂「帰り、家に来て?」
雪穂「何度でもしてあげるから」
海未「はい」
放課後
穂乃果「はぁ…」
穂乃果「海未ちゃん、今日練習に来なかったな…」
穂乃果「連絡も無しに…めずらしいな」
穂乃果「ただいま」
穂乃果「ん?海未ちゃんのローファー…」
穂乃果「はぁ…来てるのか」
海未「雪穂…早く…」
雪穂「うん」
雪穂「いいよ」
海未「はむっ…」チュッ
雪穂「はぁっ…」チュッ
『ちゅっ…はぁ…はむっ…あん…れろ』
穂乃果「////////////」)
穂乃果「はぁ…はぁ…」
穂乃果「海未ちゃん…海未ちゃん…」
海未「…」スタスタ
穂乃果「う、海未ちゃん」ドキドキ
海未「穂乃果、お邪魔してます」
穂乃果「う、うん」
穂乃果「あ、あのね…さっき雪穂と部屋で…」
雪穂「海未ちゃん!」
雪穂「明日も一緒に学校いこうね!」
海未「はい!また迎えにきます」
海未「それでは…」
雪穂「ばいばーい!」
穂乃果「あっ…」
雪穂「どうしたの?おねえちゃん」
雪穂「海未ちゃんに用事だった?」
穂乃果「ううん、何でもないの」
雪穂「そう」
雪穂「~♪」
穂乃果(雪穂…最近楽しそう…)
穂乃果(女の子同士って…楽しいのかな)
穂乃果(い、いや!そういうんじゃないよね)
穂乃果(きっと、好きな人と結ばれたから…)
穂乃果「はふぅ…」
雪穂「おはよー!海未ちゃん!」
海未「おはようございます、雪穂」
海未「今日も手を繋いでいきましょうね」
雪穂「うん!」
ことり「あの二人、見るたびにラブラブになってるねー」
ことり「ねぇ?穂乃果ちゃん」
穂乃果「え…うん…」ドヨン
ことり「こ、こっちは、見るたびに元気が無くなってる…」
ことり「穂乃果ちゃん!どうしたの!?いつもの元気は!?」
穂乃果「うぅ~」
ことり「あの二人と何かあったの?」
穂乃果「そういうわけじゃ…」
ことり「じゃあどうしたの?」
穂乃果「それは…」
ことり「ことりは親友でしょ?何でも言って?力になるから…」
穂乃果「その…」
穂乃果「海未ちゃん…が…ね」
穂乃果「うーん…」
ことり「海未ちゃん?」
穂乃果「…」
ことり「?」
ことり「海未ちゃんがどうしたの?」
穂乃果「その…えっと…」
ことり「実は穂乃果ちゃん、海未ちゃんの事が好きだったりして」
穂乃果「へぁっ…!」ドキッ
ことり「えっ…」
ことり「冗談のつもりだったんだけど…」
ことり「まさか…本当なの?」
穂乃果「わ、わかんないよ!/////」
穂乃果「そんな気持ち…無いとは思ってたけど…」
穂乃果「雪穂と手を繋いだり…キスをする海未ちゃんを見てたら…」
穂乃果「胸が痛くて…苦しくて…潰れそうで…」
穂乃果「凄くつらい」
ことり「…そっか」
ことり「穂乃果ちゃんも好きなんだね、海未ちゃんのこと…」
穂乃果「…そうみたい」
ことり「何というか…さすが姉妹というか…」
穂乃果「やっぱり変だよね…こんなの」
穂乃果「幼なじみだし…同性だし…」
ことり「確かに変だと言えばそうかも…」
穂乃果「うぅ…」
ことり「女の子に恋心を抱いちゃうってこと…ことりにはわからないよ」
穂乃果「…」
ことり「でもね」
ことり「たとえ変でも、わからなくても」
ことり「ことりは大好きな穂乃果ちゃんの気持ちは絶対に否定しない」
ことり「応援する」
穂乃果「ことり…ちゃん…」ウルウル
ことり「穂乃果ちゃん…」ダキッ
ことり「その気持ち…伝えよう」
ことり「海未ちゃんに」
穂乃果「えっ…」
ことり「つらいんでしょ?」
穂乃果「うん」
ことり「苦しいんでしょ?」
穂乃果「うん」
ことり「なら、気持ちを伝えてスッキリしよう」
穂乃果「でも…」
ことり「もう海未ちゃんと雪穂ちゃんは付き合っちゃってるんだから」
ことり「ダメでもともと!」
ことり「そう考えよう」
ことり「とにかく伝える、結果は知らない!」
ことり「帰ってきたら、ことりが慰めてあげる」
ことり「一緒にパーっと遊びにいこ?」
穂乃果「ことりちゃん…」パァァ
穂乃果「うん…!」
昼休み
ガチャ
海未「穂乃果…!」
穂乃果「あっ、海未ちゃん」
海未「やはり穂乃果でしたか」
海未「こんな手紙を寄越して…」
穂乃果「ちゃんと来てくれたんだ…」
穂乃果「よく穂乃果だってわかったね」
海未「字でわかります」ピラピラ
『大切な話があります。昼休みに屋上で待ってます。』
海未「大切な話ってなんですか」
海未「こんな所に呼び出してまでする大切な話って…」
穂乃果「海未ちゃん、あのね」
穂乃果「あのね…」
穂乃果「穂乃果、海未ちゃんの事が好きだから!」
海未「そうですか…」
海未「私も好きです。大事な幼なじみですから…」
穂乃果「そういう好きじゃなくて!」
穂乃果「好きなの!愛してるの!」
海未「えっ…」
海未「な、何を言って…」
穂乃果「穂乃果は海未ちゃんに恋してるのー!!」
海未「…!」
穂乃果「海未ちゃんが雪穂と付き合って、初めて気づいた…この気持ち」
穂乃果「穂乃果は一人の女として、海未ちゃんと結ばれたい」
穂乃果「海未ちゃんが好き」
穂乃果「好きだから!」
海未「…」
海未「ご…」
穂乃果「…」
海未「ご、ごめんなさい…」
海未「穂乃果の気持ちには…応えられません」
穂乃果「…」
海未「確かに…」
海未「私は穂乃果の事に…恋してました」
海未「でも…もう諦めたんです…」
海未「もう今更…」
海未「ご、ごめんなさい!」ダッ
穂乃果「あっ…海未ちゃん!」
ガチャ バンッ
穂乃果「あはは…フラれちゃった」
穂乃果「わかった…わかってたけど…」
穂乃果「苦しいなぁ…」ポロポロ
穂乃果「海未ちゃん…」
穂乃果「うみ…ちゃ…うわぁぁぁ…」ポロポロ
ガチャ
ことり「穂乃果ちゃん…」
穂乃果「こ…とり…ちゃ…ひっく…」
ことり「頑張ったね…勇気出したね…」ナデナデ
ことり「大丈夫、ことりが撫でててあげるから…」
ことり「元気だして…」
ことり「そしたら、またいつもみたいに笑ってね」
穂乃果「うっ…うん…ひっ…ありがと…」
ことり「皆には悪いけど、今日は練習お休みして、パーっと遊ぼうね」
穂乃果「うん…」
・・・・・・
海未「はぁ…はぁ…」
海未(思わず逃げてきてしまいました…)
海未(でも…そうでもしないと…)
海未(あのまま…穂乃果の側にいたら、心が変になりそうで…)
海未「はぁ…」
海未「雪穂に会いたい…今すぐに」
雪穂「あっ!おーい!」
雪穂「海未ちゃーん!」
海未「雪穂…!」
ギュッ
雪穂「!」
海未「雪穂…雪穂…」
雪穂「ど、どうしたの?」
海未「雪穂…ずっと会いたかった…」
雪穂「それは、わたしもだけど…」
雪穂「ふふっ、こんなところで高校生が中学生に抱きついてたら、変に思われるよ」
海未「構いません…」
雪穂「ありゃ…」
海未「雪穂…好きですよ」
雪穂「うん」
雪穂「わたしも」
海未「私には雪穂しかいない…」
海未「雪穂しか要らない…」
雪穂「…」
雪穂「何かあった…?」
海未「何も…」
雪穂「そう…」
雪穂「つらいことがあったら、わたしに言ってね…」ナデナデ
海未「…」
雪穂「その時は…こうやって抱き締めてあげるから」
海未「…」
『穂乃果は海未ちゃんの側にいるから』
『穂乃果…変わっちゃっても…側にいるから』
『側にいて…海未ちゃんがまた寂しくなっちゃったら』
『こうやって抱き締めてあげる』
海未「穂乃果…!」バッ
雪穂「えっ…」
海未「あっ…」
雪穂「おねえちゃんがどうかしたの…?」
海未「な、何でもないです」
海未「すいません…先に帰ります」ダッ
雪穂「ええっ!?海未ちゃーん!」
海未「ただいま帰りました…」
海未「すいません…」
海未「体調が悪いので、今日の稽古をお休みさせてください」
海未「夕飯も…いりません」
・・・・・・
バタッ
海未「…」
『穂乃果は海未ちゃんが好きだから!』
海未「ううっ…」
『好きなの!愛してるの!』
海未「やめて…もう…」ポロポロ
海未「せっかく…」
海未「せっかく忘れられそうだったのに…」
海未「雪穂…ごめんなさい…」
海未「あなたの声が…顔が…温度がまた…」
海未「私の中の穂乃果を呼び起こしてしまう…」
海未「私は…最低です…」
海未「ごめんなさい…」
翌朝
海未「雪穂、おはようございます」
雪穂「海未ちゃん、おはよ!」
雪穂「昨日は一体どうしたの?」
海未「あ、いや…別に」
雪穂「?」
海未「それより、早く行きましょう」
雪穂「うん!」ニコッ
海未「…!」
海未「あっ…」
海未(駄目です…どうしても穂乃果の笑顔が浮かんで…)
雪穂「う、海未ちゃんどうしたの…?」
海未「何でも!!」
雪穂「…そう」
雪穂「じゃあ行こっか」
雪穂「はいっ!」
海未「?」
雪穂「手!いつもみたいに繋いでいこ?」
海未「あ…」
雪穂「えっ…」
海未「…」
雪穂「海未ちゃん?」
海未「あっ!」
雪穂「!」ビクッ
海未「今日、日直でした…!」
海未「ごめんなさい!先に行きます!」
雪穂「ええっ!?」
海未「すいません!」ダッ
雪穂「あっ!」
雪穂「はぁ…またなの…?」
海未(このままではダメです…)
海未(雪穂を愛すると決めたのに…)
海未(私は最低…!)
海未(こんな汚れた気持ちでは雪穂と向き合えない)
海未(ごめんなさい…)
放課後
雪穂「…」
雪穂「はぁ…」
今日は練習が長引きそうなので、一人で帰りますね
雪穂「海未ちゃんのバカ…」
・・・・
高坂家
雪穂「ただいまー」
穂乃果「お帰り、雪穂」
雪穂「あれ?練習は?」
穂乃果「え?」
雪穂「長引くって…」
穂乃果「いや、今日は早く終わった方だけど…」
雪穂「えっ…そんな…」
雪穂「海未ちゃん…」
穂乃果「えっ…海未ちゃん?」
雪穂「いや、何でも…」
雪穂(海未ちゃん…最近おかしい)
雪穂(…どうしたんだろ)
雪穂(もしかして…)
雪穂(わたし…避けられてる?)
雪穂「えぅ…」ジワッ
穂乃果「ええっ!?雪穂!?」
穂乃果「どうしたの!?」
雪穂「なっ…なんぇも…ない…グスッ」
雪穂「…グスッ」
雪穂(そういえば…あの時…)
海未『穂乃果…!』
雪穂(海未ちゃんは突然おねえちゃんの名前を呼んだ…)
雪穂「…」
雪穂「ねぇ、おねえちゃん…」
穂乃果「な、なに?」
雪穂「海未ちゃんに何かしたでしょ…」
穂乃果「えっ…!」ドキッ
穂乃果「べ、別になにも!?」
雪穂「嘘!!」
穂乃果「ひっ!」
雪穂「わかってるんだから…」
穂乃果「な、なにを…」
雪穂「あのね」
雪穂「海未ちゃんはね…」
雪穂「わたしと結ばれて…やっと忘れられたんだよ 」
雪穂「おねえちゃんの事」
穂乃果「え…」
雪穂「やっとね…おねえちゃんの呪縛から解放されたんだよ」
穂乃果「呪縛…」
雪穂「そう」
雪穂「つらそうだった…」
雪穂「そしてそのつらさはわたしが一番よくわかる」
穂乃果「それはどういう…」
雪穂「だって…わたしも同じ気持ちだったから…」
穂乃果「えっ…」
雪穂「おねえちゃんが好きだったから」
雪穂「おねえちゃんに恋してたから!」
穂乃果「…!」
雪穂「でも…」
雪穂「そんなの無理だった…」
雪穂「おねえちゃんは女の子同士に興味無いって知ってたし…」
雪穂「だから…海未ちゃんとわたしは結ばれた」
雪穂「最初はただ傷を舐め合ってただけだった…」
雪穂「でも…わたしたちは段々本気で愛し合うようになった」
雪穂「それで…わたしたちはようやくおねえちゃんの事…諦めがついた」
雪穂「なのに…!」
雪穂「また、海未ちゃんはおねえちゃんの呪縛に苦しんでるっ!」
雪穂「おねえちゃんが何かしたから!!」
雪穂「一体何を!?」
穂乃果「ほ、穂乃果は…」
穂乃果「伝えた」
穂乃果「好きって気持ちを…」
雪穂「!?」
穂乃果「海未ちゃんのこと、好きって気持ち」
雪穂「え…」
雪穂「そ、そんな…」
雪穂「…ぅ」ジワッ
雪穂「酷いよ…おねえちゃん…」ポロポロ
穂乃果「大丈夫だよ、フラれちゃったから…」
雪穂「そんなの関係ない!」
雪穂「きっと、また海未ちゃんはおねえちゃんの事…好きになっちゃう」
雪穂「しかも、今度は両想いじゃん…」
雪穂「そしたら、わたしはもう…」
雪穂「ううっ…」ポロポロ
穂乃果「雪穂…ごめんね」ダキッ
雪穂「やめて…抱き締めないで…」
穂乃果「ごめんね…雪穂…」ナデナデ
海未「はぁ…」トボトボ
海未「私はいったいどうすれば…」
海未「穂乃果が私を好いてくれてる」
海未「でも、私には雪穂がいる…」
海未「雪穂とは心から愛し合ってる」
海未「でも、穂乃果あの笑顔も忘れられない…」
海未「…」
海未「…さっきから言ってることが最低ですね」
ことり「うん、確かに」
ことり「ダメなラブコメ漫画の主人公みたい」
海未「そこまで言いますか…」
海未「…ってことり!」
ことり「遅いよ」
海未「もしかして…今の独り言…!!」
ことり「うん!バッチリ聞いてたよ!」
海未「今すぐ忘れてください!」
海未「そうしないと…この弓で…」
ことり「いいよ」
海未「えっ…そんなあっさり?」
ことり「でも忘れる前に」
ことり「一つ面白い言葉を教えてあげるよ」
海未「面白い言葉?」
ことり「うん」
海未「へ?」
ことり「あのね、姉妹丼って知ってる?」
海未「姉妹丼…ですか?」
海未「ごめんなさい…知りません」
ことり「ずっと穂乃果ちゃんの下着を集めてた変態のくせに、姉妹丼を知らないの?」
海未「なっ!何故それを!?」
ことり「まあ今はそれはどうでもよくて…」
ネルスキュラ
海未「姉妹丼…ですか」
ことり「そう」
ことり「姉妹丼っていうのはね、言葉の通り、妹と姉を両方美味しくいただいちゃうことなんだけど…」
海未「美味しくいただく…」
ことり「もちろんエッチな意味でね」
海未「////////」
海未「エッチな意味…/////」
海未「ダメですっ!破廉恥ですっ!」ブンブン
ことり「…」ジトー
ことり「海未ちゃんがそれを言うの…?」
海未「うっ…」
海未「そ、それで!まさか…」
ことり「うん!姉妹丼…いってみよ?」
海未「そ、そんなの!」
海未「そんなのダメです!姉妹丼だなんて!」
海未「これって、要は二股ってことでしょ!?」
海未「そんなの許されるはずがありません!」
ことり「許される?」
海未「二股なんて…社会的に認められるはずがありません」
ことり「別にいいでしょ」
海未「え…?」
ことり「あのね、ちょっとイジワルいうけど…」
ことり「海未ちゃんたちはもう同性愛って時点で、社会的にタブーを犯しちゃってるんだよ」
海未「…!」
グイッ
海未「それは!言わないでください!」
ことり「い、痛いっ!」
海未「あっ…ごめんなさい…」
ことり「大丈夫」
ことり「落ちついて聞いて」
海未「はい…」
ことり「だからね、ことりが言いたいのは…」
ことり「あの姉妹を二人とも幸せに出来るのは海未ちゃんだけだよ」
ことり「だから、世間体とか気にしないで…」
ことり「二人とも美味しくいただいちゃって!」
海未「それで…本当に二人とも幸せにできるのですね…」
ことり「うん」
ことり「もしかして自信ない?」
海未「なっ!」
海未「…」
海未「ふふっ、そういう煽りは卑怯ですよ…」
海未「姉妹丼…いいじゃないですか」
海未「ことり、私はいきます」
ことり「うん、頑張ってね~」
雪穂「うぅぅぅ…」ポロポロ
穂乃果「ごめんね…雪穂」
雪穂「あやまらないでよ…」
雪穂「もう…ダメだよ…グスッ…」
雪穂「海未ちゃんはきっとおねえちゃんを選ぶ…」
雪穂「そしたら…わたしはまた一人になっちゃう…」
雪穂「おねえちゃんも…海未ちゃんも…離れていく…」
雪穂「…ひっく…寂しいよぉ…」
穂乃果「そんなこと…」
雪穂「寂しいよぉ…」
ドドドドドドドド
穂乃果「えっ…なに?」
『穂乃果!雪穂!待っててくださぁぁぁぁぁい!』
『二人とも、今すぐいただいちゃいますから!』
雪穂「この声…海未ちゃん…?」
ガチャ
海未「穂乃果!雪穂!」
海未「はぁ…はぁ…」
穂乃果「海未ちゃん!ど、どうしたの!?」
海未「はぁ…はぁ…姉妹丼…いただきにきました…はぁ…」
穂乃果「し、姉妹丼?」
海未「穂乃果!」
穂乃果「は、はいっ…」
海未「私の事、好きって言ってくれましたよね」
穂乃果「う、うん」
海未「今でもまだ、私の事好きですか?」
穂乃果「…」
穂乃果「好きだよ」
海未「あの…私も…好きです」
穂乃果「えっ…」
海未「あの時は気持ちに答えられなかった…」
海未「でもやっぱり…好きなんです!」
海未「穂乃果が」
海未「小さい頃から…」
海未「いつも太陽みたいに暖かくて…優しいあなたが」
穂乃果「そ、そんな…でも!」
雪穂「ほら、言った通りでしょ?」
雪穂「海未ちゃんはおねえちゃんを選ぶ…」
雪穂「わかってた」
海未「私は穂乃果を選ぶとは言っていません」
雪穂「えっ…」
海未「…穂乃果だけを選ぶとは言っていません」
雪穂「そ、それって…」
海未「雪穂」
海未「私はあなたの事も好きです」
海未「穂乃果に負けないくらい」
海未「あなたも凄く暖かい人です」
海未「それに奥ゆかしくて…小悪魔的で…とても可愛い人です」
海未「雪穂、大好きです」
雪穂「えっ…そんな…でも…うっ…」ポロポロ
海未「私は決めました…」
海未「あなたたち姉妹を幸せにするって…」
海未「浮気だとか…最低だとか…何を思われても構いません…」
海未「これは私の我が儘ですから」
海未「こんな最低な私に…どうか…」
海未「ついてきてくれませんか…」
海未「お願いします」
海未「お願いします」
穂乃果「雪穂…」
雪穂「おねえちゃんはどうすればいいと思う…?」
穂乃果「穂乃果は…」
穂乃果「海未ちゃんが好きで…」
穂乃果「ずっと一緒にいたい」
穂乃果「でも、それで雪穂が一人になるのは嫌」
穂乃果「大好きな妹だから…」
穂乃果「雪穂は?」
雪穂「…」
雪穂「私も大好きなおねえちゃんと一緒に…」
雪穂「大好きな海未ちゃんに愛されたい」
雪穂「それって凄く幸せなことだと思う…」
雪穂「うん」
穂乃果「雪穂…」
雪穂「おねえちゃん…」チュッ
穂乃果「んっ…雪穂…」
穂乃果「海未ちゃん…」
海未「はい…」
穂乃果「冷めないうちに…」
雪穂「わたしたちを食べてね…」
おわり
おわた
当初は海未ちゃんが二人を食い荒らして終わるつもりだった
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