海未「安価で日本一を目指します!」 (99)
――アイドル研究部 部室――
ことり「はい、穂乃果ちゃん。あーん♪」
穂乃果「あーん♪」パク
穂乃果「ことりちゃんのクッキーおいしー!」モグモグ
ことり「ウフフ」ニコニコ
海未「……」
花陽「ほら凛ちゃんも、あーんして」ズズズ…
凛「も、もうこれ以上おにぎり食べれないよお…」
真姫「よくそんなにたくさんおにぎり持って来れたわね…」
花陽「さっき作ったんだよ? 炊飯器あるからね、ここ」ニコニコ
にこ「あるからね、じゃないわよ! そんなでかいもの棚に入れて! アイドルグッズが置けなくなるじゃない!」
絵里「にこだって部活に関係ない私物置いてるじゃないの」
にこ「ぶ、部長なんだからいいでしょ少しくらいっ!」
希「まあまあにこっち」ウフフ
海未「……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404225709
海未「あの、皆さん」
穂乃果「今度は私の番だよー」
ことり「あーん♪」
花陽「ほら、凛ちゃん食べて食べて」ズズズズ…
凛「お腹いっぱいにゃー…真姫ちゃん助けてー」
真姫「難しいわ…」
絵里「それで亜里沙ったら『そこは巻くんだよお姉ちゃん!』なんて言ってくるのよ。私そんなに発音おかしいかしら」
にこ・希「さ、さあ…」
海未「皆さん!!!」
穂乃果「わっ!」ビク!
ことり「!!」
真姫「ど、どうしたのよ海未!?」
にこ「ちょっと。いきなり大声出さないでよ海未?!」
絵里「海未? なにかあるの?」
海未「さっきから見ていてどうしても言わなきゃいけないと思ったんです…」
海未「たるみすぎです!!」
凛「ほぇ……?」モグモグ…
希「また穂乃果ちゃんと花陽ちゃんが……?」ムニムニ
穂乃果「わわわっ!?」
花陽「つ、つままないで希ちゃんっ!」
海未「お腹のことじゃありません!!」
海未「精神的な意味でです!」
穂乃果「精神的な意味?」
海未「そうです! ライブも一段落ついて、テストもしばらくありません。だからといって皆さん気が抜けすぎじゃないですか!?」
ことり「そ、そうかなー?」
海未「そうです!!」
海未「さっきから餌付けと雑談しかしていないじゃないですか? この状況を見てどう思いますか、部長?」ジロ
にこ「にこぉ!? え、えっとー、にこはー、みんなが楽しそうならそれでいいニコー!」ニコォ!
海未「何を言ってるんですあなたは!!」
海未「大体あなたに関しては受験を控えながら常に赤点すれすれでそんな悠長なこと特に言ってられないんですよ!」ガミガミ…
にこ「うぐぐ…」ニコォ…
希(にこっち火つけたね……)
凛(ユニット練習の空気にゃ……)モグモグ
海未「とにかくですね。私はこのたるんだ空気を引き締めなければいけないと考えているのです」
海未「またライブを始めるとき、いざ練習しようにもこれでは中々エンジンがかかりません」
穂乃果「引き締めるったって何するのー? まさか筋トレ!?」
海未「いえ。筋トレやランニングもいいですが、単調でマンネリになりがちです」
海未「ですのでライブとは別の新しいことを何か目標にして、みんなで努力しようと思うのです」
絵里「ライブとは別のこと?」
花陽「新しいこと?」
海未「はい、日本一を目指そうと思っています」
穂乃果「え? 日本一?」
海未「やるからには全力です」
真姫「…まあ、その意気込みはともかく、そもそも何をしようっていうのよ?」毛先イジイジ…
海未「>>7です」
※エロなしでお願いします。
着ぐるみの中の人
海未「着ぐるみです」
ことり「着ぐるみ…?」
凛「海未ちゃんはたまにわけわかんないこと言いだすにゃー」
希「着ぐるみ……でどうやって日本一を目指すの?」
海未「皆さん、「ゆるキャラ」ってご存知ですよね」
絵里「あら? テレビとかでよく見るやつね。この前、梨をモチーフにしたゆるキャラの特集がやってたわ」
にこ「そいつは“ゆる”キャラなのか怪しいところの奴よ…」
海未「ご当地キャラとも言われますね。近年になって日本各地域ごとのゆるキャラ人気を占うグランプリも開催されています」
海未「実はですね、全国高校ゆるキャラグランプリなるものがあるのです」
穂乃果「なにそれー?」
花陽「あ、私聞いたことあるよ。全国の高校ごとのマスコットキャラクターが集まるんだよね」
海未「はい。ゆるキャラにとどまらず高校そのものもPRする場を兼ねています」
凛「凛たちそれに出るのー?」
海未「ええ、ラブライブの時期とは被りませんし、音ノ鬼坂学院の知名度アップにもつながると思います」
海未「今までのグランプリは遠方の地域でばかり開催され、移動費だけで学校の予算が圧迫されるほどでした」
海未「しかし今年のグランプリはこの辺りの地域で行われるらしいのです」
真姫「それを知って急に言いだしたのね」
海未「それに何より、今年のグランプリは……」
真姫「……?」
にこ「……A-RISEも参加するのよ」
花陽「ええ!A-RISEの皆さんも!?」
海未「知っていたのですか、にこ」
にこ「ええ。海未が知ってることくらい部長の私が知ってて当然よ」フフン
凛「にこちゃん物知りだにゃー」
希「スマートフォンって便利やね」ウフフ
穂乃果「あ、机の下で調べてる!」
にこ「うわっ!ちょっと希! せっかくカッコつけたのに!」
ことり「にこちゃん…」
凛「なーんだ、やっぱりにこちゃんはにこちゃんだったにゃー」
絵里「かしこくないわね」ハラショ…
なんとか方向性が決まったので一旦切ります
明日か、少なくとも明後日には再開したいです
また安価する予定でいるので書き溜めしないことと遅筆が相まって進行は遅くなると思います…
他のSSをいくつか読む合間にたまに目を向けてくれたら嬉しいです
それでは凛ちゃんが待ってるので寝ます
穂乃果「でもさ、着ぐるみ被るわけだから、中の人がA-RISEでも誰でもあんまり関係無いよね」
海未「違うんですよ穂乃果。……にこ、ちょっと今開いてるそのサイトをみんなに見せてみてください」
にこ「ん? 別にいけど……」
海未「前大会での表彰式の写真があります。優勝グループの代表が表彰台に見えますね?」
穂乃果「うんうん……あっ!」
希「着ぐるみから顔を出して写ってる!」
にこ「!? しかもこの人、笑顔なのに口から血い出してない!?」
海未「そうです。このグランプリ、実は、ゆるキャラの外側以上に、内側、すなわち“中の人”の質が求められるのです」
海未「その“質”を測るため、過酷な競技によって参加者はふるいにかけられます」
凛「血が出るほど過酷なの!?」
絵里「普通にゆるキャラがパフォーマンスして人気投票が行われるだけかと思っていたのだけど……」
海未「確かに、大会が始まった当初はそのような形式でした。しかし開催を重ねるごとにより過激でより過酷なパフォーマンスが求められるようになり……」
海未「いつしかゆるキャラのデザインやコンセプト以上に、中の人の能力がものを言うようになったのです」
花陽・穂乃果「は、はわわわ……」
凛「なんでそんなのに出たがるの海未ちゃん……」
海未「ですから言っているじゃないですか」
海未「たるんだ空気を引き締める、と」ニッコリ
8人(ガチだ……。園田はガチなんだ…)ブルブル…
ことり「ことり、ちょっと怖いかも……」
海未「大丈夫です!9人いれば向かうところ敵なしです!」
海未「それにことりだけは私が必ず守りますから」キリッ
ことり「海未ちゃん…かっこいい……」キラキラ
凛「海未ちゃんもたるんでないかにゃー?」
穂乃果「ところで、優勝したら何か賞品貰えるの?」
海未「ええ、もちろんです。日本一、すなわち優勝を目指す私たちには重要なことでしたね」
海未「優勝賞品は>>29です!」
8人「……!!」
武道館での三日間ライブ権
海未「なんと、武道館での三日間ライブ権です!!」
8人「!!!」
にこ「ぶ、武道館で!!?」
穂乃果「三日間も!!?」
凛「す、すごいにゃー……」ポカーン
絵里「ハラショー……」
花陽「……」
ことり「あれ? 花陽ちゃん?」
真姫「やけに静かね、花陽」
凛「おーいかよちん? かーよち……」
花陽「 」
8人「気絶してる!?」
花陽「……はっ!?」ビクッ
花陽「わ、わたし気失ってた!!? 夢の中で素晴らしい言葉が聞こえたような!?」アセアセ…
凛「夢じゃないにゃー」
花陽「じゃあほんとに武道館で!?」
海未「え、ええ…」
花陽「三日間!?」
ことり「うん♪」
花陽「コシヒカリ1年分も!!? コンバインと10ヘクタールの農地も!?」
にこ「途中から夢が混じってるわよ!?」
花陽「ハラショー!!!!!!!!!」
絵里「ハラァ!? (と、とられた!?)」
希「よっぽど嬉しいんやね、花陽ちゃん」
真姫「にしても、そこまで豪華となると中々魅力的ね……」
海未「はい。A-RISEが参戦を表明したのも納得できます」
穂乃果「毎年こんなにすごいの?」
海未「いえ、後から調べてみましたら、昨年までは食べ物1年分とか、ありきたりなものでした」
絵里「さすがに武道館の利用権と比べると見劣りするわね……」
穂乃果「よくこんなイベントがあるって知ってたね、海未ちゃん!」
海未「実は私も今年知りました……。それも、このイベントのことはUTXの生徒に教えられたんですよ」
花陽「UTXの生徒に?」
穂乃果「ええ!? 海未ちゃんUTXに友達いるの!? なんかずるーい!」
海未「違いますよ。知らない人です。『μ'sの園田海未さんですよね?』って帰り道に声を掛けられて……」
穂乃果「でも知らない子から声掛けられるだけでもいいなー」グテー
ことり「海未ちゃん、かっこいいから」
穂乃果「私も商店街のおばちゃん達にはやたら話しかけられるけど……なんか違う……」
海未「……えっと、続けますよ?」
海未「それでその生徒が言うには、自分の通ってる学校のスクールアイドルA-RISEが、これこれこういうイベントに参加する。賞品が豪華だからμ'sの皆さんも参加するといい、と」
凛「親切なファンの子だね!」
海未「別にサインや握手を求められたわけではなかったので、ファンかどうかは分かりませんが、とても親切な方ですね」
穂乃果「ねえみんな! せっかくだから参加しようよ! 武道館でライブできたらきっと楽しいよ!」
絵里「優勝したらの話でしょう? でも確かにスクールアイドルにとってはとても魅力的な賞品ね。私はいいと思うわ」
希「うちもいいと思うよ」
凛「凛も賛成だよ! ちょうど最近、みんなで一緒に何かしたいなーって思ってたし!」
花陽「わ、私も!」
真姫「は、花陽と凛が言うなら私もいいけど……」モジモジ…
にこ「何言ってんのよ真姫! 優勝したら武道館でライブよ!? もっとやる気見せなさいよ!」
真姫「も、もう! 分かってるわよ!」
ことり「ふふふ、穂乃果ちゃん」チラ
穂乃果「うん。そうだねことりちゃん」チラ
海未(まとまってきましたね)フフ
海未「それでは参加ということのようなので、みなさん競技を確認してから対策を練ったゆるキャラを考えましょう」
凛(対策?)
海未「まず予選の競技は2つ」
海未「皆さん覚悟してください」
絵里(覚悟?)
海未「一つ目は>>41、二つ目は>>43です」
(※エロ、グロなどでも特にかまいません)
着ぐるみ着て保育園児と半日戯れて人気者を選んでもらう
着ぐるみのまま運動会
海未「一つ目は、保育園児からの人気投票です」
穂乃果「保育園児からの……?」
絵里「人気投票……?」
海未「着ぐるみを着た状態で半日ほど園児たちと戯れ、その後園児からの人気投票で順位をつけるのです」
凛「なーんだ簡単そうにゃー」ケラケラ
海未「簡単ではありません!!」
凛「ひっ!」ビクッ
海未「あなた幼稚園児舐めてるんですか!」
凛「ええっ?」
海未「これはメンタル面で中の人を選別する競技なんです。子供というのは……時に大人より残酷です……。」
海未「大人なら気を使ったり、あえて黙っているところでも、気にせず心無い言葉をかけることがあります」
海未「そんな楽観していたら痛い目見ますよ」
にこ「海未の言うとおりよ。子供と遊ぶってのは“楽しい”だけじゃ務まらないの。結構大変なんだから」
凛(子供……心無い言葉……。うぅ……、確かに……)
凛「う、うん……。そうだね……」シュン
海未「あっ……。そ、そんなに落ち込まないで下さい……」
にこ「なーに縮こまってんのよ、凛。子供の言うことなんてそこまで気にする必要無いわ。気持ちで負けずに明るくふるまってればいいのよ。あんたならきっと上手く出来るわ」
凛「そ、そーお?」
にこ「ええ。勇気りんりん星空凛!でしょ? ほら、元気出しなさい」
凛「えへへ、にこちゃんありがとう」
海未「あの、凛、ごめんなさい……。少し言い過ぎでした。凛のように気楽に構えるのも大事なことです」
凛「ううん、平気平気、全然落ち込んでないよ」
凛「むしろ海未ちゃんが凛のこと心配してくれてるって分かって嬉しいにゃー」
海未「凛……(私はかわいい後輩と頼もしい先輩を持ちましたね…)」
ことり・花陽「はうぅ/// にこりん、うみりん、いいよお……」キュンキュン
絵里「ハラショ……」
海未「二つ目は運動会です」
希「着ぐるみのままやから動きづらそうやね」
海未「はい、ですからこちらはフィジカル面でのパフォーマンスが要求されます」
花陽「た、大変そう……」
海未「定番の競走やら綱引きやら障害物やらですね」
真姫「A-RISEみたいな少人数の参加もあるから、各競技の合計点じゃなくて平均点で順位を決めるのかしら?」
海未「そうです。また、自分たちの得意な競技を好きな数だけを選択してできます。最低2つはやらなければいけないそうですが」
海未「さて、そろそろゆるキャラのデザインや名前を決めていきましょう」
真姫「ところで、私たちが勝手に音ノ木坂学院のゆるキャラを決めちゃっていいの?」
穂乃果「あ、確かに」
海未「一応、後で生徒会と理事長の認可をもらう予定でいます」
にこ(2つともコネでどうにかなるでしょそれ……)
海未「まあぶっちゃけ、理事長にはことりが「おねがい!」して、生徒会では私と穂乃果が書類を作ってハンコを押せば終わると思いますが」
海未「そもそも“非公認”キャラとしても参加できますので大丈夫です。イロモノ感が付きますが」
穂乃果「よし! じゃあ決めていこう!」
名前:>>52(※下のデザインに影響するかもしれません)
全体的なデザイン:>>56(※「可愛い」のような曖昧、もしくは「梨みたい」のようなやや具体的な表現でも何でもかまいません)
強さ:>>60
おとのっぴー
かわいくめ攻撃翌力がものすごく高い
――1時間後
海未「……さて。とりあえず名前は決まりましたね」
絵里「『おとのっぴー』なんて、中々可愛い名前じゃない」
真姫「花陽でしょ?考えたの」
花陽「あ、あれ? なんで分かったの!? みんな無記名で案出し合って投票したのに……」
真姫「やっぱりそうなのね、鎌かけただけよ。花陽じゃなかったら次はことりに聞くつもりだったけど」フフ
海未「というか他の案が適当すぎます……。『ほのっしー』とか、『ほのモン』とか、なんですかこれ……」
絵里・ことり(!!)ビクッ
海未「他にもこの『塩ラーメン』とか……。一体誰が自分の食べたいものを紙に書けって言いましたか!? 凛!!」
凛「にゃにゃ!!? 凛じゃないにゃー!」
海未「あなた以外に誰がこんな馬鹿げたこと書くんです!?」
凛「うーん……。そう言われると凛が書いたような気がしてきたにゃ……」ムムム
海未「実際そうなんでしょう!」
凛(でもほんとは凛は『あるぱかよちん』って書いたのにー! 凛に見せかけた別の誰かの犯行にゃ…!)プンスカ
希(ふふふ)ニマニマ
にこ(希ね……)
――
――――
――――――
穂乃果「こういう感じの見た目がいいと思う!!」スッ
スマホ「http://imepic.jp/20140710/840050」
花陽「なんだか妖精さんみたいだね」
絵里「あら、亜里沙がやってたゲームで見たわそのキャラ」
真姫「“かちき”も“おみとおし”も気色は違うけど優れた特性よ」
希「耐久振りは物理と特殊どっちを意識するかで大きく変わってくるから注意しようなー」
にこ「高校生以上でやりこんでる人も結構いるって聞いたけど、まさかここに……」
海未「ではことり、お願いします」
ことり「うん! ちょっと待っててね」
カキカキカキ……
……
ことり「こんなデザインでどうかな!」
穂乃果「わあ! ことりちゃん絵上手ー!!!」
にこ「さすがに元のデザインからはだいぶ離れてるわね」
海未「ウサギをモチーフにしたって感じですね」
凛「丸っこいにゃー」
ことり「額の音符マークがチャームポイントなんだよ♪」
――
――――
――――――
絵里「工業用スプリング調達してきたわよー」ガタガタ……
海未「ありがとうございます、絵里」チュイーーーーン
凛「ここに火薬入れるのー??」ザバー
花陽「わわわ! 凛ちゃん、もっと慎重にやらなきゃダメだよっ!」
穂乃果「やっぱり火力がないとゆるキャラじゃないよねー」ジジジジ……
ことり「うん♪」バチバチバチ……
希「イリジウム合金はさすがに過剰装甲かな……?」
真姫「こっちのカーボン素材で充分よ。軽いし」
にこ「……ふう、……海未ー! ジェネレーターの接続ってこれであってるー!?」
海未「はい! 今確認します!」
……
ガガガガ……
カン!カン!カン!カン!
ドドドドド……
キュイーーーーン!
ニャーニャー…
ヤンヤン……
理事長「……」
理事長「最近アイドル研究部の部室が騒がしいわね……」
――――――
――――
――
――2週間後
9人「完成だー!」
穂乃果「これが……『おとのっぴー』……!」
海未「シンプルかつ愛らしい、洗練されたフォルム!」
真姫「耐久性と機動性を両立した外装!」
花陽「そしてなにより、爆発的な攻撃力を放つ腕部機構……!」
凛「メガトンパンチだにゃー!」
絵里「おおハラショ―!」
一方その頃……
――UTX学院 第17研究室――
綺羅ツバサ「ふっふっふ……。ついに完成よ……!」
統堂英玲奈「やったな。ツバサ、あんじゅ」
優木あんじゅ「うふふ♪」カミノケクルクル
ツバサ「UTX学院代表のゆるキャラ! その名も『>>70』!!」
(及びデザイン>>73 ※前述した通り適当な表現でいいです)
UTたん
プリキュアの着ぐるみみたいな人型
ツバサ「その名も『UTたん』よ!!」ババーン!
ツバサ「人型タイプの着ぐるみだから運動性能は抜群!!」クルンッ
ツバサ「もちろんある程度の耐久性も確保しているわ!!」キュッ!
あんじゅ「ふふふ」ニコニコ
ツバサ「おまけに『UTたん』の着ている服は私たちがラブライブ予選で使う予定の衣装を模したもの!!」ビシッ!
ツバサ「デザイン性も高いし、宣伝にもなるわね!」ウインク♪
ツバサ「まさしくUTXを代表するにふさわしい出来よ!!」バババーン!
英玲奈「……」ジー
ツバサ「ふう……」
ツバサ「…………」
ツバサ「喋ってるの私だけじゃん!!!」バシーン!
ツバサ「あんじゅも英玲奈も乗ってきてよ! 一人で騒いでて恥ずかしいじゃないの!!」
あんじゅ「でもツバサったらノリノリだったから♪」カミノケクルン
ツバサ「だって急に説明しなきゃいけない気がしたんだもん!」
あんじゅ「うふふ。可愛かったわよー♪」キューティクルン
ツバサ「もうー! からかわないで!」スカプン!
あんじゅ「あらあら♪」
ヤイノヤイノ…
英玲奈(……)
英玲奈(こういうツバサもいい……)
――グランプリ初日 AM10:00
――会場――
ザワザワ… ニギ…ニギ…
ザワザワ… ザワザワ…
穂乃果「ほへー……」ポカーン
凛「人がいっぱいだにゃー」
花陽「うぅ……緊張してきたよお……」
にこ「ま、まだ初日なんだから気負けしちゃダメよ!」
希「なんて言っとるけど強がりやないの、にこっち?」ニヤニヤ
希「ほーら、緊張で胸がこんなに固まってるでー!」ワシワシ
にこ「ちょっ、わわわわっ!! 何すんのよ希!!」バタバタ
絵里「パンフレットによると、今日の競技は保育園児からの人気投票で、明日が運動会、三日目が決勝ね」
真姫「初日からハードじゃなくてよかったわ。ところで海未たちはまだ受付なのね」
絵里「ええ、これだけ参加人数が多いと受付もだいぶ並ぶみたい」
海未「音ノ木坂学院で応募した『おとのっぴー』です」
おとのっぴー「……」
受付係「ええと……はい、ありました、音ノ木坂学院さんで『おとのっぴー』ですね」
受付係「それでは参加が確認できましたので、競技開始までお待ちください」
受付係「それと、まだパンフレットをお持ちでないなら隣の机にありますので、お取りください」
海未「はい、どうも」ペコリ
おとのっぴー「……」ペコリ
海未「さて、穂乃果たちの所へ戻りますか」
おとのっぴー(ことり)「うん、そうだね」
「あら、久しぶりねあなたたち」
海未「ん?」クルッ
???「やっぱりあなたたちが音ノ木坂を代表して参加してくると思っていたわ」
海未「ええと、どちらのゆるキャラの方で?」
おとのっぴー(ことり)「(……?)」
受付係「学校名とゆるキャラの名前をお願いします」
英玲奈「UTX学院で『UTたん』です。あそこで喋ってるやつです」
受付係「UTXさんは……、はい、名簿に載ってますね。では競技が始まるまでお持ちください」
英玲奈「はい」
あんじゅ「はーい♪」
海未「……あそこにいるのはA-RISEの統堂さんに優木さん!」バッ
海未「ということはあなたは、綺羅ツバサさん……!?」
UTたん(ツバサ)「ご名答よ、園田さん。それと……」
おとのっぴー(ことり)「あ、南ことりです」ペコリ
UTたん(ツバサ)「南さんね。ところで高坂さんは?」
海未「穂乃果なら他のメンバーと一緒に待っていますが、何か用があるんですか?」
UTたん(ツバサ)「と、特に用はないわ……」シュン
英玲奈「久しぶりだな」スタスタ
あんじゅ「こんにちわ~♪」
海未「お二人もお久しぶりです」
あんじゅ「あら、中々可愛いデザインね」
おとのっぴー(ことり)「あっ、ありがとうございます!UTXさんのゆるキャラも素敵です」
UTたん(ツバサ)「うふふ、ありがとう。デザインだけじゃなくて性能も中々なのよ。UTXに着ぐるみを造ってる会社の社長の娘さんがいてね、その子に協力してもらっ……」
あんじゅ「ねえねえ南さん、メイド喫茶のバイトのシフト教えてくれないかしら? 私、ミナリンスキーさんの作ったパフェ食べてみたいって思ってたの♪」
おとのっぴー(ことり)「えへへ……そう言ってもらえると嬉しいです」///
UTたん(ツバサ)「……」
英玲奈「この前の新曲、よかったぞ」
海未「それはありがとうございます」
英玲奈「園田さんは毎回投げキッスをしているようだが、そういう担当なのか?」
海未「いっ、いえ! えっとあれは、その……」アタフタ
UTたん(ツバサ)「……」
UTたん(ツバサ)「はいはい、ストップ!あんじゅ、英玲奈!」パンパン
UTたん(ツバサ)「あんまり話したら二人に迷惑よ? もうすぐ競技始まるんだから」
英玲奈「……あ、ああ。すまない園田さん」
海未「いえ、かまいませんよ」
あんじゅ「うふふ、ごめんね。ツバサったら高坂さんに会えなくてちょっとすねてるのよ♪」
おとのっぴー(ことり)「そ、そうなんですか……」
UTたん(ツバサ)「ちょ、ちょっとあんじゅ何言ってんのっ!?」
あんじゅ「あらあら、慌てちゃってー」ウフフ
UTたん(ツバサ)「慌ててなんかいないわよっ! あんまり人の時間取っちゃダメって言ってるだけよ!」
UTたん(ツバサ)「……それに、きっとまた後でμ'sのメンバーとは会えるはずよ」
海未「競技でですね」
UTたん(ツバサ)「ええ、それも決勝でね」
海未「決勝……ですか」
UTたん(ツバサ)「そうよ、私はあなた達のポテンシャルを決して過小評価したりしないわ」
UTたん(ツバサ)「きっと勝ち進んでくるって信じてる。だからお互い頑張りましょ? 相見えるその時までね」
海未「は、はい……」
英玲奈「(着ぐるみ姿のせいでセリフのカッコよさだけ浮いてるな……)」
――――――
――――
――
穂乃果「あ、おかえり! 海未ちゃん、ことりちゃん!」
海未「はい、ただいま戻りました」
おとのっぴー(ことり)「……」手フリフリ
絵里「あら? やけに無口ねことり」
おとのっぴー(ことり)「あはは……なんだかあんまり喋っちゃいけないような気がして」
凛「どういうことー?」
希「もしかして、某テーマパークのマスコットみたいに、喋らない着ぐるみのイメージにのっとってるとか?」
おとのっぴー(ことり)「うーん……そうかもしれない……えへへ」
真姫「まるで着ぐるみに着“られ”てるみたいね……」
海未「それでさっきA-RISEの方々に合った時も静かだったのですね」
花陽「ええっ!? A-RISEに会ったのぉ!?」
にこ「どんなこと話したのよ!?」
海未「はい、……軽く挨拶をしたくらいですが……。別れ際で、リーダーの綺羅さんに決勝で会おうと言われましたよ……」
にこ「くうー! やっぱりツバサはかっこいいわねー!!」
希「(“ツバサ”って……推し特有の呼び方やね……)」
司会者「えー、皆さん。まもなく競技が始まります、説明もあるのでこちらの方までお集まりくださーい!」
絵里「……もう始まるのね。さあ、みんな行きましょう!」
穂乃果「よおし頑張るぞー!」
――――――
――――
――
海未「……さて、先ほどの説明の通り、競技は幼稚園の子供たちからの人気投票で、園児と触れ合う時間は5時間設けられています」
穂乃果「うんうん」
海未「その間に着ぐるみの中の人が入れ替わってもOKですが、“交代”は子供たちから見えない控え室で行うようにとのこと……」
穂乃果「うんうん(あれ、私聞いてなかった……)」
海未「そこで、今回は5人が代表して、1時間ごとに交代でおとのっぴーを動かしていきましょう」
海未「5人ともクジで決める予定でしたが、実は先ほど希と相談して、一つ提案があるのです」
ことり「提案?」
海未「はい……。このメンバーの中で、子供の相手に慣れている、にこと絵里にはまず参加してもらいたいのです」
絵里「私たちが?」
希「にこっちもエリチも、妹がいるやん? だからこういうの得意そうだなーって♪」
にこ「なるほどねー。まあ、私はいいわよ。子供達にも、このにこにーの魅力を教えてあげるわ!」フフン
絵里「私も構わないけど……本当にいいのかしら?」
海未「はい。2人とも、とても良い“お姉さん”だと私は思いますよ」
花陽「わ、私もいいと思うなー……」
凛「凛も賛成!」
真姫「まあにこちゃんなら……」
海未「では、残りの3人をクジで決めるということで……」
穂乃果「よし、そうしよう!」
ことり「そうだね!」
穂乃果「(……ん?)」
穂乃果「……!」
穂乃果「え? 私は!? 私も妹いるよ!?」
海未「あなたは妹はいますが姉らしさがまるで無いじゃないですか!」
穂乃果「そ、そんなあ……! うぅ……でも反論できない……」ガクリ
ことり「あ、あはは……」
参加者:>>96から先着3人
かよちん
このSSまとめへのコメント
俺「うみりん、いいよお……」キュンキュン
凛ちゃん