ジャン「というわけだアルミン! お前の力も貸してくれ!」
アルミン「ジャン……勇気と無謀は別物だよ」
ジャン「うるせえな。俺は本気だ! ミカサとつきあえたら、翌日巨人の餌になっても構わない覚悟もある!」
アルミン「うーん……まあ、少しなら考えてあげてもいいけど……」
ジャン「安心しろアルミン。お前だけに押し付けるつもりはない」
アルミン「え?」
ジャン「俺も、必死に色々考えたんだ。んで、>>2から始めようと思うんだよ」
1・当たって砕けろ
2・外堀から埋める
1
ジャン「男は度胸! とにかくミカサに俺のこの熱い思いをぶちまけるぜ!」
アルミン「それ、作戦でもなんでもないよね!?」
ジャン「いくぜぇ!」
~~食堂~~
ジャン「うおおおおおおおおおおお! ミカサアアァァァァ! 俺だ、結婚しt
ミカサ「ジャン!?」
エレン「うおっ!? なに大声出してんだジャン!?」
ミカサ「あ、エレン。一緒にあっちの席で食べましょう」スッ
ガシャーン!
エレン「ジャン!?」
アルミン(極自然に無視された挙句かわされたね……当たり前だけど)
ジャン「いってぇ……くそ、まだだ! ここから>>5する!」
この際エレン込みで食事
エレン「お、おい大丈夫かジャン?」
ジャン「悪いなエレン……ちょっと滑っちまっただけだ。それより、俺も一緒に飯食っていいか?」
エレン「ん? ああ、別にいいぜ」
ミカサ「……」
ジャン(本当はミカサと二人きりがいいんだが……仕方がないか)
ミカサ「ジャン、あなたとエレンはそれほど仲はよくなかったはず。何を企んでいるの?」
ジャン「いや……そうだったからこそ、少しは(ミカサと)仲良くなろうと思ってな」
ミカサ「……エレンのお尻を狙ってるの?」
ジャン「え!?」
エレン「え!?」
アルミン(不味い! ミカサの目が邪魔者を駆逐する目だ! ここは>>10するんだジャン!)
土下座
アルミン(ジャン! 一回退くんだ! 土下座でもなんでもして!)
ジャン「す、すまんミカサ! 決してそんなつもりじゃないんだ! 前にエレンに掴みかかったのは悪かったと思ってる!」
ミカサ「……」
ジャン「こ、これでどうか許してくれ!」ドゲザ
エレン「おいジャン、別に俺もそこまで
ミカサ「エレン、少し黙って」
エレン「」
ジャン「い、いきなり食事の邪魔して……悪かった。今日のところは……遠慮してくぜ」
エレン「あ、おい! ……ったく、ミカサが変なこと言うからだぞ」
ミカサ「安心してエレン。私があなたを守るから」
エレン(今のジャン、別に何も悪いことしてないよな……?)
~~~~
ジャン「危うく眼力だけで死ぬかと思ったぜ……でも睨みつけてくるミカサもかわいかったな!」
アルミン「君も相当重症だね……」
ジャン「しかしまいったな。どうやってミカサに次のアタックをかけるか……」
アルミン「基本ミカサは、エレンから離れない。そしてエレンに近づく者をまず排除する」
ジャン「俺が近づきたいのはミカサなんだが……エレンをどうにかミカサから離せたら……」
アルミン「ジャン、くれぐれも物理的な方法はとらないでね?」
ジャン「そんなことはわかってるよ。ん、エレンとミカサを離す……そうだ!」
アルミン「どうしたんだい?」
ジャン「>>13を使って、ミカサとエレンを一度引き離すんだよ!」
クリスタ
アルミン「ちょ!? 僕らの女神をどうするつもりさ!?」
ジャン「エレンの野郎とくっつけてやるんだよ」
アルミン「!!??」
ジャン「いくらエレンの野郎が頭ん中巨人で埋まってても、男には違いない」
ジャン「ミカサ一筋の俺でさえ時々ぐらつく女神の微笑み……あれならエレンにも通用するはずだ」
アルミン「微笑みというか、もう全てが神だけどね、クリスタは」
ジャン「エレンも死に急ぎ野郎だが、悪い奴じゃない。クリスタもそんな不幸にはならないだろう」
アルミン「待ってくれジャン! クリスタは僕が
ジャン「失恋のショックで落ち込むミカサ、そこを俺が優しく慰めて……完璧すぎる」
アルミン(あのミカサが、そんなやわな精神なわけがないだろ……!)
ジャン「よし、午後の訓練の時に細工して、早速エレンにクリスタをぶつけるぞ!」
アルミン(最悪の場合……僕らの女神がミカサに駆逐されてしまう……!)
~~対人格闘訓練~~
ジャン「おーい、クリスタ」
クリスタ「ん、どうしたのジャン?」
ジャン「対戦相手、エレンと組んでみるといいんじゃないか? ミカサ相手はきっついだろ?」
クリスタ「う、うん……実はちょっとね……」
ジャン「おいエレン、次クリスタと組んでやれよ。お前らまだ戦ったことなかっただろ?」
エレン「そういやそうだったな。んじゃ、早速始めるかクリスタ」
クリスタ「よ、よろしくねエレン」
アルミン(エレンなら、手加減はすると思うけど……心配だ)
ジャン「よし。アルミンは俺とだな」
ジャン(本当はミカサと組みたいが……まずは俺の戦闘技術を磨かないと……)
ミカサ「ふん!」
ライナー「ごぼっ!?」
ジャン(ああなるからな……)
~~訓練中~~
クリスタ「やっ!」
エレン「おっと」ヒラリ
エレン(クリスタってこんなに小さかったのか……ライナーと比べるとさらに小さく感じるぞ)
クリスタ「くっ!」
エレン(……腕も細いな。これ掴んで大丈夫なのか? とりあえず訓練だし短刀をとりあげないと)
クリスタ「!?」グルリ
アルミン「や、やめるんだエレン! ライナー相手の技を使っちゃ駄目だ!」
サシャ「おおぅ!? 女神が!」
コニー「空を舞った!?」
アルミン「いや投げ飛ばされてるんだよ!」
エレン「やべっ! また力の加減間違えた!?」
ぽすっ
クリスタ「!?」
エレン「ふぅー……危なかったぜ……」
ライナー「なっ……」
ベルトルト「エレンが……」
アルミン「女神をキャッチした……それもお姫様抱っこだと……!?」
クリスタ「――――!!??」
エレン「悪いクリスタ。お前が軽いこと全く考えてなかった。怪我しなかったか?」
クリスタ「う、うん大丈夫だよエレン……それよりその、恥ずかしいから降ろして……?」
エレン「お、おう……顔赤いけど、本当に大丈夫か?」
ジャン(これだ! 女の子の憧れお姫様抱っこ! ミカサにもこれをすれば……!)
アルベルライ(羨ましい……!!)
ジャン(だが、どのタイミングで行く!? やはり>>20のタイミングか……!?)
ああ、死んだ
ライナーが
ミカサ「――――」
ライナー「!?」
ゴギャアァ!
アルミン(ラ、ライナーが上空10メートルまで蹴り飛ばされた!?)
ベルトルト(ミカサから異常な気迫を感じる! このままじゃ……!)
ベルトルト「や、やめるn」ボギィ
アルミン(ベルトルトまで!? こ、こうなったら僕がクリスタを守るんだ……!」
ミカサ「ふしゅー……」
ジャン(よし、ライナー達が蹴散らされてミカサがフリーになったぞ! 今しかない!)
ジャン「な、なあミカサ。俺達もエレンと同じことをしてみないか!?」
ミカサ「……わかった」
ジャン(キター!)
ガシッ
ジャン「え?」
ミカサ「―――せいっ!」
ジャン「え?」
サシャ「おお!? 女神に続いてジャンまで空を飛びましたよ!」
コニー「しかも、さっきよりずっと高いぞ!」
ジャン(ミカサ……違うんだ。俺は抱っこされたいんじゃなくて、お前を……)
サシャ「ああっと、しかしミカサ、落下予測地点を見誤ってます! もっと後ろですよ!」
ジャン「え?」
グシャァ……!
アルミン「うわあああああ!? ジャンンンンン!?」
サシャ「失敗! 失敗です! お姫様抱っこ失敗ですよ!」
ジャン(い……いしき……が……)
~~~~
ジャン「うっ……ここは……?」
アルミン「よかった、ジャンが目覚めたよ!」
ジャン「ぐっ……俺、は……」
ライナー「ミカサを止めに入って、頭から地面に叩きつけられたんだ」
ベルトルト「君は英雄だよ。君のおかげで、ミカサの足止めに成功したんだ」
ライナー「全く情けない……クリスタ親衛隊の俺達が、まるで役に立てなかった!」
アルミン「あの死をも恐れぬジャンの行動、尊敬するよ……」
ベルトルト「僕らも、ミカサに立ち向かえる勇気と肉体を身につけないとね」
ライナー「ああ……改めてクリスタを守ってくれて、ありがとうなジャン」
ジャン「お、おお……(本当は違うんだがな……)」
ベルトルト「困ったことがあったら、今度は僕らがジャンを助ける番だね」
ジャン「……なら、早速助けてくれないか?」
ライベル「?」
ジャン「俺は、なんとしてでもミカサを手に入れたいんだ。その手助けをしてくれないか?」
アルミン「乗りかかった船だし、僕はまだ手伝うよ!(エレンは鈍感だ。クリスタを取り戻しつつミカサ問題を解決できれば……)」
ライナー「俺に任せろ!(ジャンはクリスタ狙いじゃない。なら味方だ……! 理不尽な暴力も半減する!)」
ベルトルト「どこまで手伝えるかは、自信ないけどね。(ジャン……痛めつけられるのがそんなに好きなのか……)」
ジャン「お、お前ら……!」ジーン
アルミン「とにかくだ、ジャン。闇雲にミカサに突撃してもまた投げられるだけだ」
アルミン「だからここは、僕らも手伝うから、焦らずじっくりいこう」
ライナー「万が一に備えて、ミカサの一撃に耐えうる肉体を作る!」
ベルトルト「それから……そうだな、>>30をしてミカサに自分をアピールしてみるのはどうかな?」
格闘訓練でエレンに勝つ
ジャン「エレンに勝つ……か。悔しいがあの野郎、対人格闘の成績はすごいからな」
ベルトルト「だからこそ、勝てたらジャンの株価が上がるわけさ」
ライナー「とはいえ、今のお前ではエレンには到底勝てない。俺達と一緒に基礎からやり直しだな」
ジャン「その方がよさそうだな。くっそ、最初から真面目に訓練しとくんだった……」
アルミン「でも、一つ問題がある。ミカサだよ」
ライナー「」
アルミン「クリスタにはユミルもついてるから、ミカサもまだ手を出しにくい」
アルミン「では行き場を失った怒りはどこに向けられるか……?」
ライナー「まず俺だな。そして俺が場外まで飛ばされると、ベルトルトが犠牲になる」
アルミン「いや違う。ミカサと、そしてアニの手で、君らはそれぞれ同時に……惨い目に遭うだろう」
ベルトルト「はは……そういえば最近アニも、よくエレンと一緒に仲良く訓練してたっけ……」
アルミン「君たちが徹底的に苛められた後で、ジャンと満足に訓練できるかい?」
ライナー「……無理だ」
ジャン「ぬかったぜ。アニをエレンとくっつける作戦をとってれば……」
ベルトルト「どちみち、ミカサの脅威は残るけどね」
アルミン「だから、僕がアニの相手をするよ」
ライナー「!? やめろアルミン! 殺されるぞ!?」
アルミン「だ、大丈夫さ。アニはああ見えて優しいし、僕相手なら多少は手加減してくれるだろう」
ライナー「や、優しい……?」
アルミン「もし怪我をしても、僕は本望さ(もしかしたらクリスタに看病してもらえるかも……)」
ジャン「アルミン……お前って奴は、俺達のためにそこまで……!」
ベルトルト「残るはミカサ……」
ライナー「一人なら、俺かベルトルトどちらかはジャンの訓練につきあえるな」
マルコ「その必要はないよ! ミカサの相手は、僕がやろう!」
ジャン「マ、マルコ!? どうしてお前が!?」
マルコ「話は聞かせてもらった。まったく水臭いなジャン。君と僕の仲じゃないか」
ジャン「やめろマルコ! 相手はあのミカサだぞ!」
マルコ「確かに、僕ごときの力じゃ彼女には到底敵わない。けれど、対戦を続けることはできる」
ライナー「ど、どういう意味だ?」
マルコ「今まで黙ってたけど……実は僕、昔から『不死鳥』の二つ名を持っているんだ」
ジャン「ふ、不死鳥……?」
マルコ「そうさ。何度倒れても蘇る伝説の鳥。どれだけ殴られても意識を失わず立っていられるからこその二つ名だ」
ライナー「……ミカサの攻撃はもはや、理不尽の域を超えてるぞ?」
マルコ「僕じゃ、格闘術をジャンに教えるのは難しい。でも、僕だって役に立ちたいんだよ」
ベルトルト「本気……なのか……」
マルコ「ああ。いざとなれば、痛みを快楽に変換できるよう頑張ってみるよ」
アルミン「マルコにそんな力があったなんて……。これで当面の問題はクリアだ!」
ジャン「ありがとう、マルコ……! それにライナー、ベルトルト、アルミン……! 俺、絶対にミカサを手に入れるからな!」
~~そして~~
ライナー「どうしたジャン! その程度か!」
ジャン「まだまだぁ!」
ベルトルト「これが終わったら、次の訓練に移ろう!」
~~ジャン達の血の滴る~~
ミカサ「どいてマルコ。エレンにまとわりつく虫を駆逐できない……!」
マルコ「あばばばばばばば……! あ、甘いよミカサ。もっと強く打ってもごぉ!?」
~~地獄の特訓の日々が~~
アニ「あんた……意外と根性あるね。……見直したよ」
アルミン「いたた……僕にだって、目的があるからね……」
~~瞬く間に過ぎ去った~~
エレン「……相変わらずクリスタはいい匂いがするな」
クリスタ「!?」
ユミル「当たり前だろ? なんたって私のクリスタだからな! わかったら早く代われ!」
~~~~
ミカサ「マルコ(ドゴ)あなた(ドゴォ)サンドバッグの(ドゴォン)才能あると思う……!(ドゴォム!)」
マルコ「ぐふっ……これは……未知なる領域の……」ガクガク
ライナー「ジャン、さすがのマルコも毎日十数時間も殴られ続けて、限界が近い! 今日作戦を決行するぞ!」
ジャン「ああ……今の俺ならやれる! おいエレン!」
エレン「ん、ジャンじゃないか。どうした?」
ジャン「今日は久々に俺と組んでくれ。自分で言うのもあれだが、前の俺とは一味違うぜ?」ニヤリ
エレン「へぇ……おもしれえ。よし、来い、ジャン」
ジャン「手加減すんなよな……!」
エレン「するわけないだろ……?」
ミカサ(! 一時とはいえクリスタがエレンから離れた! ……ありがとうジャン)
マルコ(ミカサの注意がエレンの方に向いた! ジャン……ミカサに君の勇姿を見せるんだ……!)
ジャン「うおおぉぉぉぉ!」
エレン「おっと!」
ジャン「くっ……!」
エレン「でああああ!」
ジャン(ちっ! わかってはいたが、やっぱりこいつ強え!)
エレン(なんなんだ、あのジャンがまるで別人のようだぞ!?)
ジャン(だが、俺だって……あいつらの分を背負っているんだ!)
エレン「まだだ!」
ジャン「っ! ここだぁ!!」
エレン「!? しまっ……!?」
ミカサ「エレン!?」
ズダァン!
エレン「ってぇぇ……!」
ジャン「や、やったぞ……!」ゼェゼェ
ライナー「ジャンが……」
ベルトルト「エレンに、勝った……」
ミカサ「――!」
マルコ(のはいいけど、ミカサのあの反応は!?)
アルミン(あれは、エレンを傷つけた者を抹殺する時の目だ……! 逃げるんだジャン!)
ジャン「」
エレン「くっそぉ……! やるじゃないかジャン! どうしちまったんだよお前!?」
ジャン「え? いや……俺もお前に遅れをとらないよう、死ぬ気で特訓したのさ!」
エレン「凄かったぞ今の投げ技! なあ、ミカサもそう思うだろ!?」
ミカサ「え!? その……確かに、今のジャンの動きは、見事だったと思う……」
ジャン「!! あ、ありがとよ、二人とも……」
アルミン(エレンの言葉でミカサの覇気が消えた! ナイスだよエレン!)
ジャン(ミカサが、初めて俺を認めてくれた……!)
ベルトルト(どうやら作戦はうまくいったみたいだね……)
ジャン(いい感じだ! でも、ここで焦ったら駄目だとアルミンに釘をさされてるしな)
ジャン(次は……そうだ、>>45してみるのがいいんじゃないか?)
エレンと仲良くなって見る
ジャン(今も、エレンのおかげでミカサに認められたようなもんだしな……)
ジャン(ミカサのことも、アルミン以上に知ってるだろうし……今更だがこいつと仲良くなるのも……悪くないか)
エレン「どうしたんだジャン?」
ジャン「……なあ、エレン。悪いが今夜、空いてるか?」
エレン「特に予定はないけど……お、もしかしてさっきの技教えてくれんのか!?」
ジャン「あー……教えると不利になりそうだが、まあいい。とにかく詳しい話は今夜にな……」
~~夜・とある一室~~
アルミン「それで、エレンにも声をかけたの?」
ジャン「ああ。正直、あいつがこっちについてくれると凄く助かる。来てくれるかはわかんねえが……」
ライナー「いい作戦だぞ、ジャン!(エレンを味方に引き入れれば、もうクリスタ作戦の必要もない!)」
ベルトルト「神の一手だよ!(これで僕らにもクリスタを手に入れるチャンスが!)」
コンコン
エレン「おーい、ジャン? 来たぞー?」
ジャン「おお、わざわざ呼び出して悪かったなエレ
クリスタ「お、お邪魔します……」
ジャン一同「「!?」」
アルミン「ク、クリスタ!? どうしてこんなむさ苦しい空間に!?」
エレン「どうしてって、これから皆で夜の秘密特訓するんだろ? 話したらクリスタも特訓するって言うからさ」
クリスタ「私、馬術以外はどうも苦手だから、人一倍頑張らないといけないし……それに、部屋は今怖いし……」
ジャン「怖い?」
クリスタ「その……ミカサが、簀巻きにしたマルコを天井から吊るして……ボコボコにしてるの」
クリスタ「アニやユミルまでそれに加わって、でも何故かマルコは一言も文句を言わなくて……!」シクシク
ジャン(マルコ……! すまん……!)
アルミン(姿が見えないと思ったら、まさかそんなことになってるなんて……!)
ベルトルト(あの三人相手じゃ、脱出は無理だね……)
ライナー(涙目女神……結婚しよ)
~~その頃、女子寮~~
マルコ「oh! oh! oh! oh! oh! oh! oh! oh! oh!」
アニ「助かったよマルコ。アルミン相手じゃ、どうしても全力で蹴りをぶち込めないからね」
ミカサ「マルコ、あなたは誇るべき。この頑丈な肉体、一人で不死鳥騎士団を立ち上げられる」
マルコ「いや、僕なんかじゃそんなおおそれたごほぉ!?」
ユミル「いやー……しかしお前すごいな。両親巨人じゃないのかって思うほどタフだわ。なんか楽しくなってきた」
ミカサ「……よし、エレンのために次の新技を作ろう」パンパンパンパンパンッ!
マルコ(ジャン……ミカサはとても刺激的な女性だよ……)
サシャ「うへへ……パァンが一杯ですよぉ……」
~~~~
ジャン「それで実はかくかくしかじか……」
エレン「なるほどな……まさかジャンがミカサのことを好きだったなんて……」
アルミン(気づいてなかったのはエレンだけだよ……)
エレン「でもそういうことなら、喜んで俺も協力するぜ!」
ジャン「ほ、本当かエレン!? でも、お前とミカサは……」
エレン「ああ、ミカサは大切な家族だからな。ミカサには幸せになって欲しい」
エレン「今の頑張っているジャンなら、安心してミカサを任せられるってもんだ」
ジャン「エレェン……今まで色々悪かったなぁ……」ジーン
エレン「な、なんで泣くんだよ。けどよジャン、ミカサとつきあうってきっと大変だぜ?」
アルミン「だからこそ、あの手この手を考えているんだけどね」
エレン「いやそれもあるけど、きっと俺と同じかそれ以上に過保護に扱われるぞ?」
ジャン「それはむしろご褒美だ」
エレン「そ、そうか……」
クリスタ「……」
エレン「どうしたクリスタ? ってそうか、訓練じゃないのに連れてきちゃって悪かったな」
クリスタ「え、あ
アルミン「! 待つんだエレン! クリスタにも手伝って貰おう!」
ライナー「その通りだ! 女の子目線の意見も必要だ!」
ベルトルト「今クリスタを帰すと、マルコの無惨な姿を見せることになってしまう!」
ジャン「お前ら急にテンション上がったな……」
クリスタ「う、うん。私も、邪魔じゃなかったらジャンの応援しようかな……?」
アルミンズ「「ヒャホォォォォウ!」」
ジャン「うるせぇ! とにかく。エレンとクリスタを加えたところで、もう一回作戦会議だ」
アルミン「格闘訓練の作戦はうまくいったけど……」
エレン「おいおい、いくら手伝うったって、訓練の手は抜かないからな?」
ライナー「エレンが常にジャンと一緒にいれば、ミカサも嫌でもジャンを見るんじゃないか?」
アルミン「それは二人にあらぬ疑いがかかりそうだよ……」
クリスタ「うーん……>>55とか、どうかな?」
↑
ジャン「ダブルデート……だと……?」
クリスタ「うん」
アルミン「待ってくれクリスタ。書物通りならその作戦は男女二人ずつ……計4人でのデートのはず……」
ライナー「いったい誰と誰で作戦を実行するつもりなんだ?」
クリスタ「それは……>>58ペアと>>59ペアかな?」
アニ
男女の組み合わせ限定?
ならエレンクリスタ
ライナー「」
ベルトルト「あぁ! ライナーが真っ白に!?」
アルミン「やめるんだクリスタ! 色々な意味で!」
ジャン「俺とミカサのデート……やばい緊張してきて、唾液の粘度があがってきた」
アルミン「落ち着くんだジャン! 下手をすれば、今度は君がミカサに狩られるよ!?」
クリスタ「アルミンも落ち着いて! そうならないように、私も一緒に行くんだよ!」
エレン「どういう意味だ?」
クリスタ「多分現状だと、ジャンがミカサをデートに誘ってもエレンを理由に断ると思うの」
ジャン「」ゴハァ
クリスタ「だから、エレンも一緒にでかける。でもそれだけだとジャンが浮いちゃうと思うから……」
ジャン「」グハァ
クリスタ「私も一緒にいけば……多分、ミカサの矛先は私に向かう。ジャンは安全になるんだよ!」
エレン「矛先?」
アルミン「た、確かにジャンの身に降りかかる災厄は減るかもだけど、今度はクリスタが危ないじゃないか!」
クリスタ「それは……エレンに守ってもらえれば大丈夫かも……」
エレン「ん? なんかよくわかんないけど俺に任せとけ!」
ベルトルト「確かに、エレンがいればミカサも攻撃できないけど……」
アルミン「綱渡りにも程があるよ……なんかもう僕早くも胃痛が……」
ジャン「だが、このデート作戦を成功させれば……ミカサとの距離はぐっと近づくはずだ!」
アルミン「成功するつもりでいるの!?」
クリスタ「アルミン……私の作戦、駄目だったかな……?」ウルウル
アルミン「よし、こんな見事な作戦は即実行しないといけないね!」
ジャン「俺はやってやるぜ……!」
アルミン(女神の上目遣いに敵う人類なんているわけないじゃないか……! あぁ、さよならジャン……)
ライナー「」
~~数日後・訓練兵休暇日~~
エレン「……」ダラダラ
クリスタ「……」ダラダラ
ジャン「……」ダラダラ
ミカサ「……」ゴゴゴゴゴゴ…
アルミン(わかってはいたけど、街へ出るなりこの様だよ!)ビコウチュウ
ジャン(くそ、折角ミカサと出かけられたのに、予習した内容全部忘れちまいそうだぜ……!)
クリスタ(覚悟はしていたけど、やっぱり怖いよ!)ブルブル
エレン(なんだこの感じ……超大型巨人並みの威圧感だ……)
ジャン(予定ではこの後二人には離脱してもらって、俺とミカサの二人きりになるはずだったが……)チラリ
アルミン(これ以上の膠着状態は危険だ! ジャン、あのプランを使うんだ!)ジェスチャー
ジャン(>>68か! 了解だ!)
ミカサに
ジャン×クリスタ
エレン×ミカサ
と錯覚させる
ジャン(口惜しいが、ここは一時エレンに任せるしかねぇよな……!)
クリスタ(エレン、この場はお願い!)
ジャン「わりぃエレン、ミカサ! 俺らちょっと用事思い出したわ!」ダッシュ
クリスタ「また後でね、二人とも!」ダッシュ
エレン「あ、おい!? はえぇ……もう見失っちまったぜ」
ミカサ「……」
エレン「どうした、ミカサ?」
ミカサ(……ジャンがクリスタを連れていった? どういうことなの? なんであの二人が……)
エレン「おーい」
ミカサ(最近クリスタはよくエレンと一緒にいたから警戒していたのだけど……私の気のせい?)
ミカサ(そんなはずは……でも事実今、エレンはフリー……いや、私と二人きりじゃないか)
エレン「ミカサ……?」
ミカサ「はっ!? ごめんなさいエレン。……私は大きな勘違いをしていた」
エレン「??」
エレン(ジャンとクリスタが全力疾走……確かこれは、緊急回避作戦の合図だ)
エレン(あとは、俺一人でなんとかミカサを言いくるめて、ジャンとミカサだけの状態に持っていく作戦だが……)
ミカサ「エレン、一人で買い物するのが怖かったなら、最初から言って欲しい。ジャン達を呼ぶ必要もない」
エレン(怖くねーよ! くっそまたミカサの過保護が始まるぞ!?)
エレン(ジャンのためにも、俺のためにも! なんとかして当初の予定通りにしねえと……!)
アルミン(エレン! ここで選択を誤れば、ジャンとクリスタがどうなるかわからない! くれぐれも頼んだよ!)
エレン(どうする……なんて言えばいい……!?)
ミカサ「? どうしたのエレン?」
エレン「え、あ、いや実はな……>>73なんだ!」
クリスタにアルミンをどう思ってるか聞きたいんだ。
ミカサ「……エレン、もう一度言ってくれる?」
エレン「ク、クリスタにアルミンをどう思ってるか聞きたいんだ」
アルミン(!? わけがわからないよエレン! どうしてそこで僕の名前を出すの!?)
ミカサ「……わかった。エレンがそれをのぞむなら、探してすぐに聞いてくる」
エレン「ま、待てミカサ! こ、これは俺とアルミンの、男の約束なんだ。俺が聞かないと意味がないんだ」
ミカサ「アルミンとの……?」
エレン「お、おう。ただ今までもなかなかそれを聞くタイミングがなくてさ……でも、手伝ってくれるなら助かるぜ」
ミカサ「手伝う?」
エレン「クリスタに聞きやすい状況で、情報の機密性を高めるためにも……ジャンを捕まえてしばらく監視しておいて欲しいんだ」
ミカサ「……両足の腱を切っておけばいいの?」
エレン「なんでだよ!? 適当にどっかの店で飯でも食いながら、雑談しといてくれ。あいつなら食いつくし、お前の負担にもなんないだろ?」
アルミン(エ、エレン……! まさかそうもっていくとは……)
ミカサ(……なるほど、やっと理解できた。ここ最近エレンとクリスタの距離が近かったのは、全てアルミンのため……)
ミカサ(クリスタを狙っているのはジャンとアルミンで、エレンはアルミンの味方……さすがエレン優しい)
エレン「おいミカサー?」
ミカサ「わかった、任せて。エレンとアルミンのためにジャンを捕獲してくる」シャ!
マチナサイジャン… ウオ、ミカサァ!? キャー!? チョットコッチニ… ヤッタ、ナゼカミカサトフタリキリ!
エレン「すげぇ、パンを前にしたサシャより早かったぞ……」
クリスタ「はぁはぁ……だ、大丈夫だったエレン!? 今、ミカサがすごい速さでジャンを連れ去って……」
エレン「俺は大丈夫だ。ちょっとひやひやしたけど、これでしばらくジャンとミカサは二人きりだ」
クリスタ「ほんとだ……とてもデートの雰囲気じゃなかったけど。ところで、エレン?」
エレン「?」
クリスタ「私達も、二人きりだし……その、一緒にお買い物とかしない……?」
エレン「そうだな、折角街まで出たんだし。ジャン達の邪魔にならないように、反対方面の店に行ってみるか」
クリスタ「……うん!」
アルミン(クリスタが僕をどう思っているのか、聞きたいような聞きたくないような……)
アルミン(しかし、まさかジャンとミカサ二人きりの状況が実現するとはね。あとはジャン次第か……)
~~~~
ジャン「い、いきなりでびっくりしたぞ、ミカサ」
ミカサ「悪かった。それよりジャン、どこかで食事をしましょう」
ジャン(! まじかよ! エレンの奴……ありがてぇ……!)
ジャン「そ、そうだな! 実は俺、いい店を知ってるんだよ! すぐ行こうぜ! ミカサのためならさっきの用事も後回しだ!」
ミカサ「場所は、ジャンに任せる」
ジャン(現実味がないが……確かに今、俺はミカサと二人きりだ……!)
ジャン(自分で言うのも悲しいが、この状況は奇跡的。絶対に無駄にできない……!)
ジャン(店に入ったら、ミカサと色々話そう……すぐになんて贅沢は言わない、少しでも距離が近づくような話をしよう……!)
ジャン(って言ってもどういったことをどんな風に話す? 確か、アルミン達が推してくれたのは……>>77)
普段のジャンとは思えない程真面目に、ありとあらゆることをシリアスっぽく言ってみる
~~とある飲食店~~
ジャン(真面目に……ああ、わかってるさ。俺のこの気持ちは、本物なんだからな)
ミカサ「ジャン、どうしたの?」
ジャン「ミカサ」
ミカサ(っ!? ジャンからかつてない気迫が!?)
ジャン「少し、俺の話を聞いてくれるか?」
ミカサ「……別に構わない(こんな表情のジャン、初めて見る……)」
ジャン「さっきお前、どうしてあんなに……殺気を放っていたんだ?」
ミカサ「最近エレンにクリスタが纏わりついていたから。でもさっき、その誤解には気がついたから安心して」
ジャン「っはぁ……なあ、ミカサ。お前にとって、エレンはなんなんだ?」
ミカサ「もちろん、大切な家族」
ジャン(エレンと同じ答え……だが……)
ミカサ「だから、私がエレンを守る。エレンには私がついていないと駄目なの」
ジャン「確かに、お前の腕前も、世話の焼きようも、見事なもんだと思う。けどよ……それじゃ駄目だ」
ミカサ「な、なぜ!?」
ジャン「俺も人のことを言えねえが……エレンの奴は直情的で、巨人全部駆逐するとか言う、とんでもない死に急ぎ野郎だ」
ミカサ「それには同意する。だから私が見ていないと」
ジャン「……たとえば、お前とエレンが調査兵団の分隊に入って、いきなり巨人数体と遭遇した場合。お前ならどうする?」
ミカサ「決まってる。全員ズタズタに削いでエレンを守る。私が」
ジャン「言うと思ったぜ。だがいくらお前でも、いずれガスも刃も底ついてやられちまう。調査兵団で生き延びたきゃ、仲間と連携することだ」
ジャン「お前だってわかるだろ? 普段から仲間のことを知っとかなきゃ、信頼がなきゃ、咄嗟の連携もできない」
ジャン「お前がエレンから誰かを遠ざける行為は、逆にあいつを早死にさせる可能性がある」
ミカサ「そんな!! 私は……!」
ジャン「……エレンを、家族を誰かに奪われないか心配だから、か?」
ミカサ「っ! それ、は……」
ジャン「大丈夫だ。あいつの口からお前は大切な家族だと聞いたし、何があってもお前を捨てるような真似はしないだろう」
ミカサ「エレン、が……?」
ジャン「ああ。まぁ……過保護すぎるのはやめて欲しいとも言っていたが……」
ミカサ「……そう」シュン…
ジャン(落ち込むミカサもかわいいな……ってそうじゃない)
ジャン「……わかってたさ。誰がどう足掻いたところで、ミカサの中では常にエレンが第一だってことぐらい」
ジャン「わかってたからこそ、エレンが忌々しかった。あいつが……羨ましかった」
ジャン「この先誰と出会っても、お前達は家族だ。俺なんかの言葉じゃ頼りないかもしれないが、保障する」
ミカサ「ジャン……」
ジャン「だから……なあ、ミカサ……」
ミカサ「なに?」
ジャン「お前が失うことを恐れてる……その家族、増えちゃ……駄目か?」
ミカサ「家族が……増える?」
ジャン「あー……その、なんだ……お、俺と……俺とも家族になってくれ、ミカサ!」
ミカサ「!? ……>>85」
dame
ジャン「ぐふぁ!」
ミカサ「dame」
ジャン「ごふっ! ちくしょう、なんでもう一度わざわざ!?」
ミカサ「……ジャン、何故泣くの?」
ジャン「泣くに決まってんだろ! まだ、ごめんなさいとかの方がよかったぞ!」
ミカサ「そう。じゃあ、ごめんなさい」
ジャン「」
ミカサ「……今はまだ、ジャンと家族になることはできない」
ジャン「はは……そうだよな……俺なんかじゃ……ん、今は?」
ミカサ「家族は、お互いの色々なことを知らなければ、理解しなければならない」
ミカサ「家族の悩み、不安。好み、苦手なもの。趣味や特技。その日一日何を食べたか、誰と会ったか。起床時間から就寝時間も把握しなければ……」
ミカサ「私も、そしてきっとジャンも。まだお互いのことをあまり知らないでいる。だから、まだ家族になるのはdame」
ミカサ「……さっきジャンが言った言葉だけれど、普段から仲間のことを知っとかなきゃ、信頼がなきゃ、連携できないのと同じこと」
ジャン「そ、それじゃあ、ミカサ……」
ミカサ「まずは、お互いの理解から始めるべき。……家族になるかどうかは……その後で決める」
ミカサ「……健全なおつきあいなら、別に構わない」
ジャン「」
ミカサ「ジャン?」
ジャン「い、ぃよっしゃあああああああああああああ!!!!」
ミカサ「」ビクッ
ジャン「ゆ、夢じゃないよな!? 夢じゃないんだよな!?」
ザワザワ…… ザワザワ……
ミカサ「ジャ、ジャン。店の中では静かにするべき。……さっきからかなり見られている」
ジャン「はっ!? でも、これが喜ばずにいられるかよ! これからよろしくな、ミカサ!」
ミカサ「……そこまでの反応をされると、少し恥ずかしい……」
ジャン「お前ら、近くにいるか!? 俺はやったぞぉぉぉぉぉ!」
~~店の外~~
ウオオオオオオオオ!!!
ベルトルト「ジャンの声だ……」
ライナー「あいつ、まさか成功したのか……?」
マルコ「……まだしばらく二人きりにさせとくかい?」
ライナー「もうしばらくしたら営業妨害でつまみ出されそうだがな」ソワソワ
ベルトルト「ライナー、なにをそんなにソワソワしてるんだ?」
ライナー「いや、ジャンがうまく行ったなら、もうエレン達が離れてる必要もないからな」
マルコ「早くクリスタを保護したい、と」
ライナー「ああ……」
~~~~
~~その頃~~
クリスタ「思ったより、たくさん買っちゃったね……」
エレン「んーまあ、たまにはいいだろ。さっきの服、全部クリスタに似合ってたんだからさ」
クリスタ「あ、ありがとうエレン……えへへ」
アルミン(エレン爆裂四散すればいいのになぁ……あ、ライナーからの信煙弾だ)
アルミン(色は……赤!? 嘘だろう!? ジャン、告白成功したの!?)
クリスタ「? ねえエレン、あの一際目立つ建物はなんのお店?」
エレン「あの店は俺も行ったことねえな。お、でも憩いの場所とかなんとか書いてあるぞ」
クリスタ「じゃあ休憩所かな?」
エレン「結構歩いたし、ちょっとあそこで休憩していくか」
クリスタ「うん、そうだね」
【桃色な宿】
アルミン(!!!!????)
~~翌日~~
ジャン「ふんふんふ~ん」
コニー「おい、ジャンが最悪にきっもち悪い顔してるぞ……」
ベルトルト「まあ、色々あってね……」
サシャ「ジャンの食事を勝手に食べても、全く怒らないほどですからねぇ……一体どんないいことが?」
ジャン「ふふ~んふん」
ミカサ「ジャン、楽しい気分でいるところを申し訳ないけど、気を引き締めて」
ミカサ「午後の訓練は厳しい。油断していると命を落とす」
ジャン「ふっ……俺は死なない。お前を残して死ねるかってんだ」
ミカサ「そう……」
ジャン(ああ……ミカサが俺を見ていてくれる。俺はなんて幸せなんだ……)
コニー「おい、よだれまで垂らし始めたぞ……」
サシャ「お肉の幻影でも見えてるんでしょうか?」
エレン「やばいやばい、遅れちまった」
クリスタ「ごめんね、エレン……」
コニー「どうしたんだよエレン、クリスタをおぶったりして」
エレン「いや、ちょっとクリスタが腰を痛めてたからな。軽いし、俺が運ぶって言ったんだよ」
ミカサ「……」ギリィ
ジャン「ミカサ、落ち着け。スプーンを噛み砕くな」
ミカサ「っ……危ないところだった。以後気をつける」
エレン「なにやってんだよミカサ……」チラリ
ジャン「ははは! 感謝しろよエレン?」グッb
エレン「!」グッb
エレン「ところで、アルミンとライナーはどうしちまったんだ?」
アルミン「」
ライナー「」
ベルトルト「エレン、君がクリスタを背負ってるからだよ……」
エレン「?」
~~それからさらに時は流れ……~~
ジャン(仲間達の協力もあって、俺はミカサとつきあうことに成功した)
ジャン(何故か俺がクリスタ狙いであると誤解されていたが、無事にそれも解消)
ジャン(衝突が多かったエレンとも打ち解け、それもあってかミカサの俺への反応も柔らかくなった)
ジャン(訓練は相変わらずきついが、ミカサが俺の隣にいるというだけで、苦にもならない)
ジャン(ミカサの指導もあり、俺の成績はさらに上がっていっている。この調子なら上位10名入りは確実だろう)
ジャン(だが、俺はもう憲兵団に入ろうとは思わない。ミカサと同じ……調査兵団に入ろうと思っている)
ジャン(怖くないのかと言われたら、やはり怖い。内地の快適な暮らしは今も魅力的だ)
ジャン(だがミカサを、守るべきものを手に入れた今。それを失う方がずっと怖い)
ジャン(マルコも調査兵団へ希望を変更しているし、あいつの指揮下で戦えば、生存率は高そうだ)
ジャン(本当に、なんて幸せなんだろうか。これ以上の幸せはないだろう)
ジャン(……ああ、やっぱり駄目だ。どんなに納得しようとしても、目の前の残酷な世界を、受け入れることができない)
クリスタ「ぁんっ……エレン、激しいよぅ……!」
エレン「悪いクリスタ、腰が止まらねえ……!」
ジャン(これぐらいは、覚悟していた。元々エレンにクリスタをけしかけたのは俺だし、あの日のアルミン達の反応でもわかった)
ジャン(むしろこいつにミカサを寝取られる危険性がなくなったんだから、喜ばしいことのはずだ)
ジャン(それなのに……)
ガチャ
ユミル「ちくしょおぉぉぉ! 私のクリスタァァァ! うわああぁぁぁぁぁん!」
マルコ「こい、ユミル! その悲しみと苦しみを、僕にぶつけてもっと踏んでよおぅぅぅ!」
ガチャ
ライナー「うおおおおおおおん! 俺の女神がぁぁぁぁぁぁ!」
ベルトルト「もう諦めるんだライナー! もう、いいじゃないか! ライナーには僕がついているじゃないか……!」
ライナー「ベルトルトオオオオオオッ!」パンパン
ジャン(なんで、そこらじゅうで、真昼間から……!)
ガチャ
フランツ「ほら、ハンナ! ジャンが僕らを見ているよ!」
ハンナ「フランツと繋がったまま食堂を歩くなんて、頭がフットーしそうだよぉ……!」
ガチャ
ミーナ「ほら、どうですか教官? 家畜小屋の家畜以下の存在に足でしごかれるのは……?」
キース「……! ……!」ビクンビクン
ジャン(どいつもこいつも盛ってやがるんだよぉぉぉぉぉ!?)
サシャ「あれ? ジャンじゃないですか。どうしたんですか、食料庫の前でつったって?」
コニー「お前もとうとう肉を盗む決心をしたのか?」
ジャン「お、お前ら……」
ジャン(卒業間近、同期の仲間はほとんどが想い人を見つけていた)
ジャン(座学で習ったが、生物は死が迫ると子孫を残そうと躍起になるらしい。確かに人類は滅亡の危機を迎えているが……)
ジャン(ここまでモラルが崩壊するなんて、誰に予測できるってんだ。未だそういった経験がないのは、俺とこの馬鹿達ぐらいで……)
コニー「ジャン、今時肉は時代遅れだぜ。時代はサシャのメロンだな!」
サシャ「私はコニーのフランクフルトが今一番ですかねー!」
ジャン「」
~~~~
ジャン(同期が、仲間が、みんな、みんな大人になっていく)
ジャン(残されたのは、俺一人)
ジャン(なぜだろう。あれだけ幸せの絶頂にいたはずなのに、どうして今俺は泣いているのだろう?)
ジャン(ミカサは言った。健全なおつきあいをしようと。その言葉を鵜呑みにした俺が馬鹿だったのか?)
ジャン(俺はやはり夢ばかり見て、現実を見れていなかったというのか?)
ジャン(ここ連日、どこに行こうと目に入る男女の営みに喘ぎ声……俺だって我慢の限界だ、男なんだ!)
ジャン(だから、いまこそ……! ミカサとの関係をさらに深める!)
ジャン「ミカサァ! 俺と>>……もう安価なんてまどろっこしい! 俺の子供を産んでくれぇ!」
ミカサ「……ジャン、長年の謎なのだけれど、赤ちゃんはどうやって産まれるの?」
ジャン「」
~~~~
ジャン(俺には、できない)
ジャン(あんなピュアな目をしたミカサを強引に押し倒すことなんてできない……!)
ジャン(ミカサ相手なら俺が受けでもよかったのに、それ以前の問題だ……!)
ジャン(大丈夫……まだ、まだ人畜無害なあのアルミンが残っている……! 俺はまだ……!)
ガチャ
ジャン「アルミ――
アルミン「ほら、どうしたんだいアニ? 前みたいに僕を軽くいなしてごらんよ?」
アニ「くっ……はぁ……! ア、アルミン……! こんな格好……!」
アルミン「何を言ってるんだい、アニは寝技得意だろう? ほらほら、はやく僕を組み伏せないと……」
アニ「だ、駄目……! そっちの穴はちが……!」
ジャン「」
アルミン「あれ? ジャンじゃないか。どうだい? ミカサとは仲良くやれてるかい?」
ジャン「」
アニ「ジャン!? み、見るなぁ……!」
ジャン「ど、どうしてお前らまで……」
アルミン「ある意味ジャンのおかげかな? アニとよく訓練するようになってから、いつのまにか夜の訓練も……ね」
ジャン「」
アルミン「……なんで泣いてるんだい?」
ジャン「アルミン――なんとしてでもミカサと突きあいたいんだが……」
アルミン「ジャン……勇気と無謀は別物だよ」
【おしまい】
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