真姫「にこちゃんと付き合いたい」 (121)
絵里「……あの、真姫?」
真姫「なに?」
海未「それを私たちに言ってどうするんですか」
真姫「だって、二人が一番こういうこと話しやすかったから…」
絵里「それは嬉しいけど…」
海未「直接にこに言ってみたらいいんじゃないでしょうか」
真姫「そ、それってつまり告白ってことじゃない」
海未「そうですが」
真姫「それが無理だから二人に相談しにきたんじゃない!」
絵里(あ、相談に来てたのね)
海未(初耳ですよ…)
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海未「えっと……つまり、真姫はにこと付き合いたい」
海未「そのためにはどうすればいいかを私たちに相談したいと、そういうわけですね」
真姫「うん」コクリ
絵里「んー……にこは真姫のことどう思ってるのかしら」
真姫「それが分かれば苦労しないわ…」
絵里「じゃぁ好きな人とかは?」
真姫「それもよく分からないの……にこちゃんとそういう話をすることないから…」
絵里「そう……じゃぁいっそ本人に聞いてみましょうか」
真姫「わ、私が?」
絵里「いや、さすがにそれは厳しいだろうから……私か海未?」
海未「恐らく私が聞いたら違和感があるかと…」
海未「学年もユニットも違いますし、普段も二人きりではあまり話しませんし…」
絵里「つまり、学年もユニットも同じ私が適役というわけね」
真姫「エリー……お願いしてもいい…?」
絵里(可愛い後輩に頼まれたんじゃしょうがないわね…。真姫からのお願いなんて貴重だし、なおさら)
絵里「分かったわ。私に任せなさい」
真姫「ありがとう!」パァッ
―――――
絵里「にこ、ちょっといいかしら?」
にこ「なに?」
希「?」
絵里(希が一緒じゃ聞きにくいわね……変な誤解されても困るし)
絵里「二人きりで話したいんだけど……今、時間大丈夫?」
にこ「別にいいけど……」
希「珍しいなぁ、エリちがにこっちに話なんて」
絵里「まぁたまにはね」
希「じゃぁウチは一人でお留守番やね」
絵里「ごめんなさいね、希」
希「ううん。けど、寂しいから早く帰って来てね…? …なんて、冗談やけど」
絵里(可愛い……って、そんなこと思ってる場合じゃないわね)
絵里「じゃぁ行きましょ、にこ」
にこ「はいはい」
―――――
にこ「んで、話って?」
にこ(絵里がにこに話っていうと……やっぱりμ’s関連…アイドル関連の話かしら)
絵里「直球で聞くわよ。にこは誰が好きなの?」
にこ「えっ?」
にこ(す、好きって、なにいきなり………、あ、ひょっとして、好きなアイドルってことかしら)
にこ(多分そうよね……わざわざこんなとこまで呼び出して恋バナなんて、絵里のキャラじゃないし)
にこ(でもにこの好きなアイドルなんて知ってどうすんのかしら……今後の活動の参考にするとか?)
にこ「んー……ツバサかしら」
絵里「!?」
にこ「あ、A-RISEのね」
絵里「そ、それは分かってるわ。ツバサさんって……本気で言ってるの?」
にこ「にこはいつだって本気よ」
絵里「えええぇ……」
にこ「なによその顔…。言っとくけど、花陽だってツバサのこと好きなのよ」
絵里「えぇっ!? 花陽も!?」
にこ(なんでそんな驚くのかしら…。ツバサは人気のスクールアイドルだし、好きになったっておかしくないと思うんだけど)
にこ(それにしても、好きなアイドルの中から一人選ぶのって結構辛いわね…)
絵里「……にこ、本気なの?」
にこ「しつこいわね……ツバサへの愛なら負けない自信があるわ」
にこ(ファンとして)
絵里「そう……分かったわ」
にこ「?」
―――――
絵里「……と、いうわけなの」
真姫「」
海未「…ま、真姫、大丈夫ですか?」
真姫「……なんとかね…。まさかにこちゃんの好きな人がA-RISEのリーダーだとは思いもしなかったけど…」
海未「そうですね……意外でした」
絵里「憧れが恋愛に変わったって感じかしら」
真姫「……なんか、悪いわね…二人のこと巻き込んじゃったのに、こんな終わり方で…」
海未「真姫……」
絵里「……私、決めたわ。真姫とにこのことを徹底的に応援する」
真姫「え?」
絵里「にこがツバサさんを好きだとしてもいいじゃない。にこのこと、振り向かせましょう」
真姫「絵里……!」
絵里「……」チラ
海未「……分かりました。私も協力します」
真姫「海未、ありがとう!」
絵里「三人で頑張りましょう!」ガシッ
―――――
絵里「やっぱり大切なのは積極性よ」
真姫「積極性…?」
絵里「そう。にこの気持ちが他人にある以上、真姫のほうに振り向くようアタックを仕掛けないと」
真姫「アタックっていうと…」
海未「デートに誘ったり、いつも以上に声をかけたりとか、そういうことですよね」
絵里「ええ」
真姫「で、デートって……私、にこちゃんと二人で遊んだことないんだけど…」
絵里「だからこそよ。これを機に頑張ってみましょう」
真姫「……分かったわ」
真姫(せっかく二人が協力してくれてるんだし、私も勇気出さないと…)
絵里「じゃぁ早速にこをデートに誘いましょう」
真姫「うぇっ……い、いきなり?」
海未「頑張ると言ったじゃないですか」
真姫「……が、頑張る、けど……でも、私がいきなり誘ったら不自然じゃない? 普段が普段だし…」
絵里「それもそうね…」
海未「…では、こうしましょう」
―――――
絵里「にこ、ちょっといいかしら?」
にこ(なんかデジャヴ…)
にこ「なに?」
絵里「…」チラ
希「?」
絵里(どうでもいいけど、にこと希って一緒にいる確率高くない…?)
絵里「希、ちょっとにこを借りてもいい?」
希「うん、どうぞどうぞ」
にこ「ちょっと、人を物みたいに扱わないでよ」
にこ「というか、絵里はなんなの? さっきの休み時間も話したばっかりじゃない」
絵里「いいからとりあえず来て」グイ
にこ「ええー…」
―――――
にこ(なんでこんな人気のないとこに…)キョロキョロ
絵里「にこは今週の日曜日、暇?」
にこ「まぁ暇だけど…」
絵里「そう、私も暇なの」
にこ「へえ」
絵里「よかったら一緒に遊ばない?」
にこ「……」
絵里「な、なによ、その訝しむような目は…」
にこ「いや、だって絵里がにこを誘うなんて珍しいし…」
絵里(…そういえばそうだった。真姫一人で誘ったら怪しまれそうだからって理由で三人で遊ぶことにしたけど…私も普段休日はにこと遊んだりしてないわね…)
絵里「えっと……ほら、あれよ。同じユニットなんだから、たまには交流会でもって思って」
にこ「ふーん……まぁいいけど。…同じユニットってことは、ひょっとして真姫ちゃんも一緒?」
絵里「ええ、そのつもりよ」
にこ「…そう」
絵里「?」
―――――
絵里「というわけで、日曜日は駅前に集合ね」
真姫「分かったわ」
絵里「一応言っておくけど、日曜日は出来るだけ素直な態度でいるのよ」
真姫「……どういう意味?」
絵里「ツンケンした態度は控えなさいってこと。キモチワルイとか、そういうの」
真姫「………善処するわ」
海未「頑張ってくださいね、真姫、絵里」
絵里「海未、他人事のように言ってるけど、あなたもついてくるのよ」
海未「……えっ? しかし、にこには三人で遊ぶと言っているんですよね?」
絵里「ええ。まぁそこは色々考えてるから……ね?」
うみまき「?」
―日曜日―
真姫「……」ソワソワ
真姫「……」キョロキョロ
真姫(にこちゃんが集合時間ぴったりに来ないのはいつものことだけど、エリーが遅いのは珍しいわね…)
にこ「あ、真姫ちゃーんっ」
真姫「! に、にこちゃん!」
真姫(私服……か、可愛い…)
にこ「ごめんね、待った? ……って、あれ? 絵里は?」
真姫「それがまだ来てなくて……」
にこ「絵里が遅刻なんて珍しいわね…なにかあったのかしら」
真姫「さあ…?」
にこ「んー……とりあえずちょっと待ってよっか」
真姫「うん」
◇ ◇ ◇
海未「……で?」
絵里「ん?」
海未「絵里はどうしてここにいるんですか」
絵里「海未と一緒に二人を尾行するために決まってるじゃない」
絵里「せっかくのデートなんだから、二人でしないと意味がないでしょ」
海未「ちなみにこのことを真姫には?」
絵里「言ってないわ。言ったら恥ずかしがるかと思って」
海未「…後で怒られても知りませんよ」
絵里「平気よ。にこと上手くいけば怒られることもないわ」
海未「まぁそうなったらいいんですけど…」チラ
~♪
にこ「真姫ちゃん、メール?」
真姫「そうみたいね。ちょっとごめん」ピ
真姫(……エリーから? なになに……って、はぁっ!?)
にこ「どうかした?」
真姫「…エリー、急に用事が出来て来れなくなったんだって」
にこ「はぁ? 人を誘っといて…まったく…」ハァ
真姫(…これって…多分わざとよね。二人きりで頑張れってこと…? でも、にこちゃんはエリーと三人だから来てくれただけかもしれないし…)
真姫(…私と二人だけじゃ、遊んでくれるかどうかすら…)
にこ「じゃぁ真姫ちゃん、どうする?」
真姫「え?」
にこ「この後」
真姫「この後って……えっと……か、帰る…?」
にこ「いや、なんでそうなるのよ」
真姫「え」
にこ「そんな不思議そうな顔しなくても…。せっかくここまで来たんだし、二人で遊びましょうよ」
真姫「い、いいの? 嫌じゃないの?」
にこ「嫌なわけないでしょ。…真姫ちゃんは嫌なの?」
真姫「!」ブンブンッ
にこ「よし。じゃ、どこ行くか決めよ」
真姫「う、うんっ」
◇ ◇ ◇
絵里「とりあえず二人で遊ぶことになったみたいね」
海未「真姫、嬉しそうですね」
絵里「ちゃんとツンケンした物言いも封印してるわね。さて、じゃぁ海未、これ」ス
海未「…なんですか、このマスクは」
絵里「変装用。万が一にこにバレたら大変でしょ」
海未(絵里はともかく、私はバレても言い訳のしようがあると思うのですが……まぁ細かいことはツッコミません)ス
絵里「あ、サングラスもいる?」
海未「随分と用意がいいですね……お借りします」スチャ
絵里「これで準備完了ね」スチャッ
海未(それにしてもサングラスにマスクとは……いつの日かのことを思い出しますね。変装の定番なのでしょうか)
絵里「あ、にこたちが動き出したわ。私たちも行きましょう」
海未「はい」
―――――
にこ「それにしても、真姫ちゃんが映画館に行きたいなんてちょっと意外ね」
真姫「そう? 私は映画、結構好きよ」
真姫(…昨日の夜たまたま見てたテレビで、おすすめのデートスポットはやっぱり定番の映画館って言ってたからなんだけどね…)
にこ「まぁにこも映画好きだよ」
真姫「それならよかったわ」
にこ「にしても、絵里の用事ってなんなのかしらね」
真姫「い、家の用事とかじゃないかしら」
にこ「ふーん……仕方ないとはいえ、このにこにーとの約束を放棄するなんて……明日学校で文句言ってやるわ」
真姫「まぁエリーも悪気があったわけじゃないから…」
真姫(どちらかというと、気を使ってくれたんだろうし)
~♪
真姫「?」
にこ「真姫ちゃん、またメール? ひょっとして絵里からとか」
真姫「どうかしら……ちょっと待ってて」ピ
真姫(…って、ホントにエリーからじゃない。何かしら…)
【せっかく二人で歩いているんだから、手を繋いでみたら?】
真姫「!?」キョロキョロ
にこ「? なにか探し物?」
真姫「あ、いや、なんでも……ちょっとメールの返信うつから待っててくれる?」
にこ「うん」
【もしかして、どこかで見てる?】
【遠慮なく後をつけさせてもらってるわ。海未と一緒に】
真姫(海未まで一緒になって何やってんのよ……いや、エリーが色々考えてるって言ったときから、なんとなく嫌な予感はしてたけど…)
【別にそこまでしてくれなくても大丈夫よ】
【順調そうなら口出しはしないから】
真姫(実際今口出ししてるじゃない…って、ツッコミは無粋なのよね…)
真姫(まぁあの二人も私のために協力してくれてるんだし……無碍にするのは悪いわ)
【分かった。ただ、にこちゃんにはバレないようにしてね】
【了解】
真姫「……はぁ」
にこ「真姫ちゃん、メール終わった?」
真姫「あ、うん、待たせてごめんなさい」
にこ「ううん。じゃぁいこ」
真姫「うん」
テクテク
真姫(……あ、そうだ。手だっけ)チラ
にこ「そういえば昨日さー」
真姫(手を繋ぐのってかなりハードルが高いんだけど……。私のキャラじゃないし、何より相手がにこちゃんって時点でもう無理そう…)
真姫(そもそもいきなり理由もなしに手なんか繋いだらにこちゃんにヒかれるかもしれないし……そうなったら絶望しかないわ)
にこ「…って、ことがあってー……って、真姫ちゃん聞いてる?」
真姫「え、あ……ごめん、聞いてなかった…」
にこ「もー、ちゃんと聞いてよ! …ボーッとして、どうかしたの?」
真姫「う、ううん、何でもない」
にこ「ならいいけど……なにかあったならちゃんと言いなさいよ。にこ、先輩なんだから」
真姫(心配してくれてる…)キュン
真姫「……ま、まぁ、見た目は全然先輩っぽくないけどね」
にこ「なっ……人が素直に言ってるときくらい素直に返しなさいよ! まったく…」スタスタ
真姫「あ、にこちゃん……」
真姫(ああ、何言ってるのよ私………せっかく今日は素直にいくって決めたのに…)シュン
◇ ◇ ◇
海未「……見るからに落ち込んでいますね」
絵里「後ろから見ても分かるほどにね」
海未「やはり真姫にはまだ手を繋ぐという行為は早かったんじゃないでしょうか」
絵里「でも、ここで躓いたら進展なんて夢のまた夢だと思うんだけど…」
海未「しかし相手が意中の人ですからね……絵里だって、希相手では手を繋げないでしょう?」
絵里「な、なんでここで希が出てくるのよ!」
海未「自然な流れだと思うのですが」
絵里「っ……つ、繋げるに決まってるじゃない! この私にかかればそれくらい簡単だわ!」
海未「……まぁ、そういうことにしておきましょう」
絵里「その顔は絶対信じてないわよね…?」
海未「ほら、早く追いかけないと真姫たちを見失ってしまいますよ」
絵里(うぅ……海未だって似たような感じのくせに……あ、でも海未の場合は相手のほうから繋いできそうね…)
―映画館―
にこ「真姫ちゃん、どれ見たい?」
真姫「えっと……」
真姫(放映時間的に見られそうなのは、恋愛映画とホラー映画と…なんか、子犬の物語みたいなやつ…ハートフル映画とでもいうのかしら)
真姫(デートといえば定番は恋愛映画……けど、私たちは女の子同士。男女の恋愛を見るのは正直プラスになるとは思えない。見終わった後に「あの俳優さんカッコよかったねー」なんて言われた日には、ショックで寝込む)
真姫(ハートフル映画のほうは……広告的に多分子供向けの映画。提案したら「真姫ちゃんお子様ー」なんて言ってバカにされる……それは純粋に腹が立つ)
真姫(ということは、残る選択肢は一つ)
真姫「あれが見たいわ」ス
にこ「えっ……あ、あれってホラーよ?」
真姫「知ってるけど」
真姫「別に平気よ。私はお化けとかそういうの信じてないから」
にこ「そ、そう? ならいいけど……ほ、ホントにいいのね?」
真姫「いいわよ、しつこいわね」
にこ「うぅ…」
真姫「…なんかにこちゃん、あんまり乗り気じゃない…?」
にこ「えっ、べ、別にそんなことないわよ! ほら、さっさと行こ!」
真姫「う、うん」
真姫(やっぱりおかしい……もしかして既に見たことがあるとか…?)
◇ ◇ ◇
海未「真姫たちはあの映画を見るようですね。では私たちもチケットを購入して…」
ガシッ
海未「……あの、絵里」
絵里「何かしら」
海未「服の裾を掴まれると、歩けません」
絵里「海未、私ね、思うの」
海未「?」
絵里「別に尾行してるからって必ずしも同じ映画を見なくてもいいじゃない、と。同じ時間帯に放映している別の作品にしましょう?」
海未(……あ、そういえば絵里は幽霊とかそういうのが苦手でしたね)
海未「分かりました、別のにしましょう。何がいいですか?」
絵里「!」パァッ
絵里「私、あの子犬のお話がいい!」
海未「では買いに行きましょうか」
絵里「うんっ。あ、あと、ポップコーンも買っていい?」
海未「ええ」
絵里「キャラメル味のでもいい?」
海未「どうぞ」
一旦更新止めます
お付き合いいただき、ありがとうございました
にこ「……」ガタガタ
真姫「……?」
真姫(にこちゃんがなんか震えてる……寒いのかしら)
にこ「い、いやー、あれね。この映画館、なかなか椅子がフカフカね」
真姫「そうね」
にこ「あー……あの、真姫ちゃん」
真姫「なに?」
にこ「もしも恐かったら、その……にこにくっついてもいいよ?」
真姫「くっつく…?」
真姫「………!」ハッ
真姫(その発想はなかったわ……。そういえばドラマとかでよはよくお化け屋敷に入った女の子が「キャー」なんて悲鳴あげて人に抱きついてるわよね…)
真姫(つまりこのタイミングなら、自然とにこちゃんに抱きつける…!)グッ
にこ「真姫ちゃん…?」
―上映中―
ヒィッ、コ、コナイデ!
真姫(…しかしこれ、あんまり怖くないわね。お化けも安っぽいCGだし……だからあんまりお客さんも入ってないのね)
真姫(しかしこれじゃぁどのタイミングで抱きつけばいいのか分からないじゃない…)
真姫(とにかくもうすぐお化けが出てくるはずだから、そのタイミングでいってみよう…)ソワソワ
オマエヲノロッテヤロウカアアアアァァッ!
真姫(きたっ!)
にこ「ひゃぁっ!!」ギュッ
真姫「!?」
にこ「う、うぅ………お化け……」ギュー
真姫「え、あ、に、にこちゃん…?」
にこ「……」フルフル
真姫(……あ、そっか。そういえばにこちゃんってこういうの苦手なんだった…)
真姫(私としたことが、そんなことを忘れていたなんて…)
真姫「にこちゃん、大丈夫…? 怖いなら出る?」ヒソヒソ
にこ「こ、怖くなんかないわよ……た、ただ、真姫ちゃんが怖いかもって思ってくっついてるだけで…」
真姫「…そう」
真姫(そういえばにこちゃんって意地っ張りだっけ…)
にこ「……」ギュー
真姫(…狙ってたのとは違うけど、これはこれでいっか)
ノロッテヤルウウウウッ
にこ「っ……!」ビクッ
イヤアアアアアアァァッ
にこ「ひぃっ…!」ビクゥッ
真姫(可愛い…)
◇ ◇ ◇
絵里「いい、話だったわね…」グスッ
海未「そうですね……最後のシーンは感動しました…」
絵里「あ、パンフレット売ってる。せっかくだし買っていかない?」
海未「いいですね。あ、グッズもありますよ。これとか可愛いです」ヒョイ
絵里「ホントね、可愛い! おそろいで買う?」
海未「そうしましょうか」
海未「……って、こんなことやってる場合じゃないですよ!!」
絵里「な、なによ、急に……ビックリするじゃない」
海未「素晴らしい映画のせいでつい忘れてしまっていましたが、今日の目的は真姫のサポートです!」
絵里「……あっ、そうだったわね」
海未(二人そろって忘れてしまうとは……情けないです)
絵里「で、肝心の二人は?」キョロキョロ
海未「えっと……あ、いました、あそこです」
絵里「ホントだわ。じゃぁバレないように近づきましょう」
海未「はい」
真姫「……」チラ
にこ「……」グスッ
真姫(涙目になってる……そんなに怖かったのかしら…)
真姫(…やっぱり無理言ってでも途中で出ればよかったかな)
真姫「……あ、あの、にこちゃん」
にこ「…笑ってもいいわよ」
真姫「え?」
にこ「この歳になってお化けが苦手なんて…おかしいでしょ」
真姫「そ、そんなことないわよ。私だって苦手なものはあるし……その、気にすること、ないと思うわ」
にこ「……ありがとう」
真姫「う、うん」
にこ「……よしっ、じゃぁ気を取り直して、次はどこ行く?」
真姫「えっと……次はにこちゃんに任せるわ。映画館は私の提案だし」
にこ「そう。じゃぁ……アイドルショップとか」
真姫「いいわよ」
にこ「えっ、いいの? 真姫ちゃん、あんまり興味なさそうだから反対されるかと思ってた」
真姫「にこちゃんに任せるって言ったでしょ」
にこ「……なんか今日の真姫ちゃん、優しいね」
真姫「…私はいつだって優しいわよ」
にこ「んー…なんか企んでたりしない?」
真姫「す、するわけないでしょ」
にこ「ならいいけど……じゃ、いこっか。この近くにおすすめのお店あるんだ。早く行かないと混みあっちゃう」ギュッ
真姫「っ」ビクッ
真姫(て、手っ……)
にこ「? どうかした?」
真姫「あ、い、いや、なんでも。行きましょ」
にこ「うん」
◇ ◇ ◇
絵里「無事、手を繋げたみたいね」
海未「そうですね。にこから繋いだようにも見えましたが、真姫なら振り払わなかっただけで十分な進歩です」
海未(…って、ものすごく上からの言い方になってしまいましたね…)
絵里「手を繋いで仲良く歩いて一緒に買い物……デートとしては満点だわ」
海未「はい。ところで、真姫はにこと付き合いたいと言っていましたが、それは告白をしたいという意味でいいんでしょうか」
絵里「そうじゃないかしら。まぁあんまり細かいことは考えてなさそうだったけど」
海未「……上手くいくといいですね」
絵里「そうね」
絵里(……なんて、本当は人の心配をできる立場でもないんだけど…)
―――――
真姫「……」
にこ「で、そのお店はとにかく品揃えがよくてねー」
真姫(にこちゃん楽しそう……やっぱりアイドルが好きなのね)
真姫(…それにしても、にこちゃんの手って想像以上にちっちゃい。細いし、力入れたら折れちゃいそう)
にこ「……真姫ちゃーん」
真姫「……!」ハッ
真姫「なに?」
にこ「またボーッとしてたわよ。やっぱりなにか悩み事があるんじゃ…」
真姫「だ、大丈夫、平気だから」
にこ「んー……」
真姫(に、にこちゃんが怪しんでる…)
真姫「えっと……に、にこちゃんのおすすめのアイドルとか、教えてくれない? 今後の参考にしたいから」
にこ「うん、もちろん!」パァッ
にこ「あのね、最近のにこのおすすめは、やっぱりー」
真姫(何とか誤魔化せたみたいね…)ホッ
―アイドルショップ―
にこ「あぁー……可愛い! 見て見て真姫ちゃん、あのポスター!」クイクイ
真姫「引っ張らなくても見てるわよ」
にこ「ああぁっ!」
真姫「な、なによ!?」ビクッ
にこ「見てあれ! ツバサの新しいグッズ! 初めて見た!」
真姫「ツバサ…?」ピク
にこ「可愛いっ…! この間お小遣い出たばかりだし……買おうかしら…」
真姫「……やめときなさいよ」
にこ「まぁ確かにこんな序盤でお小遣いを使うのはちょっとね…」
にこ「でもあのグッズのツバサの写真、見たことないし、多分撮り下ろしなのよね……ほしい」ジーッ
真姫(……私は写真にすら勝てないってことね…)
真姫「……ねぇ」クイ
にこ「ん?」
真姫「あっちのコーナーには何が置いてあるの?」
にこ「え? あー……行ってみる?」
真姫「うん」ギュ
にこ「ま、真姫ちゃんから手繋いでくるなんて珍しいわね」
真姫「いいでしょ、別に。ほら、行きましょ」
にこ「あ、うん。……まぁ、ツバサのグッズはまた今度買いに来ればいっか…」
真姫「……」
真姫「ここは……CDコーナーね」
にこ「正解。ほら、あの新曲いい歌なのよ。聞いてみない?」
真姫「ん」
にこ「じゃぁはい、真姫ちゃん」ス
真姫「…ヘッドホンをつけるだけで聞けるの?」
にこ「あれ、真姫ちゃんってあんまり外でCD買ったりしない? 試聴コーナーって割とどこでもあると思うけど…」
真姫「基本的にはネットで買ってるわ。お会計も楽だし」
にこ「さすがブルジョワ…」
真姫「嫌な言い方しないでよ…」
にこ「褒めてるのよ。それよりほら」ズイ
真姫「っ……な、なによ、急に近付いてきて」
にこ「いや、ヘッドホンつけてあげようと思ったんだけど…」
真姫「あ、そういうことね…」
にこ「ほら、ジッとしてて」ス
真姫「う、うん…」
真姫(というか、なんでわざわざつけてもらってるのかしら、私…)
にこ「……」ジー
真姫「……顔に何かついてる?」
にこ「いや、真姫ちゃんって近くで見ても綺麗だなって」
真姫「!?」ズサササササッ
にこ「!?」
にこ「そんな勢いよく離れなくても…」
真姫「に、にこちゃんが変なこと言うからでしょ!?」
にこ「えー、ホントのこと言っただけなのに」
真姫「ほ、ほんとのことって……///」
にこ「それよりほら、さっさとヘッドホンつけて。もうにこは余計なことしないから」
真姫「うん…」スチャ
真姫(あ、ホントに聞こえる…)
真姫(……さすがにこちゃんが勧めるだけあって、いい曲ね)
にこ「……どう?」
真姫「うん、すごく良い。作曲の参考にもなるし」
にこ「ならよかった。あっちにもいい曲いっぱいあるから、聞きに行かない?」
真姫「ええ」
◇ ◇ ◇
絵里「……いい感じね」
海未「そうですね。…あの、もしかして私たち、もう帰っても平気なんじゃないですか?」
絵里「私もそんな気がしてきたわ」
海未「…まぁせっかくですし、最後まで見届けましょうか」
絵里「そうね。あっ、あのポスター可愛くない? 買おうかしら…」
海未(絵里はなんだかんだで買い物を楽しんでますね…)
―――――
にこ「そろそろいい時間だし、帰りましょうか」
真姫「そ、そうね」
真姫(あの後はお昼ご飯食べたりとか、町中ぶらぶらしたりとかして、すごく楽しかった……けど、やっぱりドキドキしてるのは私だけで、にこちゃんはいたって普通なのよね……まぁ当たり前だけど…)
にこ「…あー、あの、真姫ちゃん」
真姫「ん?」
にこ「……」ギュッ
真姫「にこちゃん…?」
真姫(急に手なんか握ってきて、どうしたのかしら…)
にこ「えっと……きょ、今日はすごく楽しかったわ」
にこ「真姫ちゃんさえよければ、また二人でも遊んだりしよ」
真姫「っ……う、うんっ///」
にこ「ん。じゃぁまた学校でねー」バイバイ
真姫「うん、また!」ブンブンッ
真姫(…………幸せ…)
絵里「真姫、お疲れ様」
海未「お疲れ様です」
真姫「エリー、海未……最後まで見てたのね。あれからメールがなかったから、飽きて帰ったのかと思ってたわ」
絵里「そんな無責任なことしないわよ。最初から最後までバッチリ見守ってたわ。二人の微笑ましい姿を」
真姫「それはそれでなんか嫌ね…」
海未「順調だったようでなによりです」
真姫「うん、ありがと」
海未(…私たちは本当に何もしていないので、お礼を言われても複雑なものがありますね…)
真姫「…とはいっても、にこちゃんが完全に私のことを意識していないのを思い知らされたけどね…」
絵里「意識されてたら私たちの協力の意味がなくなっちゃうじゃない」
海未「これから関係が進展していけばいいんですよ」
真姫「…そうね……ありがとう二人とも」
絵里「可愛い後輩のためだもの、これくらいどうってことないわ」
海未「私も絵里と同じ気持ちですよ」
真姫「二人とも……」ジーン
真姫(ありがたいけど、私ばっかり二人にお世話になるのは不公平よね…)
真姫「……決めたわ」
海未「何をですか?」
真姫「私も二人に協力する」
うみえり「え?」
真姫「二人にも好きな人がいるでしょ。お互い協力し合ったほうが効率がいいと思わない?」
絵里「確かにそうかもしれないわね……」
絵里「……うん、その話乗ったわ。改めてよろしくね、二人とも」
真姫「ええ」
海未「ちょ、ちょっと待ってください!」
真姫「何よ」
海未「盛り上がっているところ申し訳ないのですが……私にはそういう相手がいないんですけど…」
えりまき「えっ!?」
海未「…なんですか、その意外そうな顔は」
絵里「い、いや、だって……穂乃果は?」
真姫「えっ、ことりじゃないの?」
海未「二人とも大切な幼なじみですよ!」
えりまき「えぇー……」
海未「なんなんですかその不満そうな顔は…」
絵里「……まぁ、あれね」
真姫「海未の場合、好きな人を見つけていくところから協力する必要がありそうね」
真姫(まぁ多分、ことりだろうけど)
絵里「そうね」
絵里(絶対穂乃果でしょうけど)
海未「いえ、どうか私のことはお気になさらず…」
絵里「とにかく全員の目標は卒業するまでに好きな相手と付き合うことね」
真姫「ええ。お互い頑張りましょう。エリー、海未」
海未「いや、ですから私は……」
―完―
書き溜めていた分が想像以上にあっさり終わってしまったので、いったん区切ります
続きを書くかどうかはまた後で決めたいと思います
お付き合いいただきありがとうございました
1です
ありがたいことにレスいただいたので、続き書いていきます
ソルゲ三人がメインになると思いますが、とりあえずカップリングとしてはにこまきがメインになると思います
海未ちゃんのカップリングはまったく決めてません、すみません
夜くらいから書き溜めたのを更新していきます
―――――
絵里「私が思うに、にこは恋愛事には疎いと思うの」
海未「でしょうね」
絵里「だからまずは、真姫がにこのことを恋愛対象として意識してるってことを伝えないといけないと思うのよ」
真姫「……それって、告白とどう違うの?」
絵里「一緒のことよ。告白してみるのが一番だと思うわ」
真姫「…前も言った気がするけど、それが出来るなら二人に協力してもらったりしないんだけど…」
絵里「ええ、それは分かってる。だから今すぐとは言わないけど……チャンスがあったら勢いで言うくらいの気持ちでいたほうがいいかも」
真姫「勢い……」
海未(勢い……それで大丈夫なんでしょうか…)
―――――
にこ「ああ……ツバサ可愛い…」ホワー
花陽「このシーンのツバサさん、本当に素敵だよね~」ホワー
にこ「あーもう、放課後が楽しみで仕方ないわ!」
花陽「だよね!」
凛「かよちんたち、楽しそうだにゃー」
穂乃果「にこちゃんたちは本当にアイドルが好きだねー」
ことり「そうだねぇ」
真姫「……」
海未(真姫の機嫌が分かりやすく悪いですね……何とかしないと。絵里、どうしましょうか…)チラ
希「じゃぁエリちの今日の運勢はーっと」メクリ、メクリ
絵里「ふふ、やっぱり希はタロットカードをいじってるときが一番楽しそうね」
希「まぁ好きなことやからね。あ、エリちと話してるのも楽しいよ」
絵里「希…」
海未「」
海未(…今の絵里はあてにしないほうがよさそうですね)ハァ
海未「ところで、今日はどうしますか?」
穂乃果「どうって?」
海未「練習ですよ。外は雨ですし、室内で出来ることも限られていますし…」
穂乃果「それもそうだねー……んー…お休み、かな?」
凛「えー、じゃぁもう解散?」
ことり「なんだかそれも寂しいから……せっかく集まったし、みんなでなにかする?」
穂乃果「いいねそれ! なにかしよう!」
真姫「…でも、何かって何よ?」
穂乃果「考えてない!」
海未「そんな堂々と……。では、みんなで何をするか考えるところから始めましょうか」
穂乃果「うんっ。あ、にこちゃんたちも話に混じってよー。あと絵里ちゃんたちも」
にこ「はいはーい。花陽、また今度見ましょ」
花陽「うん」
凛「わーいっ、やっとかよちんが戻ってきてくれたにゃー」ギューッ
花陽「わ、り、凛ちゃん///」
にこ「相変わらず仲良いわね、あんたたち…。あ、真姫ちゃん、隣座ってもいい?」
真姫「べ、別にいいけど…」
にこ「ありがと」
真姫「……」チラチラ
にこ「?」
海未(…嬉しそうで何よりです)ホッ
絵里「けど、何をするかって言われても……すぐには思いつかないわね」
希「せやねぇ……みんなでかくれんぼでもする?」
にこ「いや、そんな子供じゃないんだから…」
穂乃果「え、でも穂乃果、かくれんぼやりたい!」
凛「凛もーっ」
ことり「ことりも」
花陽「じゃ、じゃぁ、私も…」
にこ「……あんたら、いくつなのよ…」
凛「もしかしてにこちゃん、かくれんぼ苦手なの?」
にこ「なっ……そんなわけないでしょ!」
真姫「そうよ。にこちゃん小さいし、隠れるのとか得意そうじゃない」
にこ「真姫ちゃんそれフォローしてるの!?」
絵里「まぁそれはさておき、かくれんぼ、いいんじゃない。楽しそうで」
海未「しかし、校内でそんなことをして怒られたりはしないんですか?」
希「立ち入り禁止の場所とか入らへん限りは平気やと思うよ」
穂乃果「じゃぁ決定でいいかな?」
にこ「……まぁ、みんながそれでいいなら」
穂乃果「よーしっ、けってーい!」
―――――
真姫(……まさか本当にかくれんぼになるとは思わなかったわ)
真姫(…でもこういう遊びを同学年の子とやるのって初めてかも。小さい頃はよくお手伝いさんと家の中でやってたけど)
真姫(ちょっと楽しみ……だけど、学校って一体どこに隠れればいいのかしら…)
にこ「真姫ちゃん?」
真姫「あ、にこちゃん」
にこ「そんなところで突っ立ってたら、すぐに凛たちに見つかっちゃうわよ。花陽はともかく、凛はこういう遊び得意そうだし」
真姫「えっと……どこに隠れればいいか、よく分からなくて…」
にこ「へ? ……あ、ひょっとしてあんまりかくれんぼとかやったことないの?」
真姫「昔、家の中でちょっとやったくらいで…」
にこ「なるほど……ってか、家の中でかくれんぼって…相変わらずスケールが違うわね」
真姫「別に普通よ」
にこ「下手すれば嫌味に聞こえるわよ、それ…。まぁいいや、じゃぁにこと一緒に隠れる場所探す?」
真姫「い、いいの?」
にこ「うん。にこも一人よりは真姫ちゃんと一緒のほうが楽しいし」
真姫「っ……し、仕方ないわね。なら一緒に行動してあげるわ」
にこ「はいはい。じゃ、いこ」
真姫「ん」
◇ ◇ ◇
絵里「…」ジー
海未「…あの、絵里。真姫が心配なのは分かるんですが、私たちも早く隠れないと二人が探しに来てしまいますよ」
絵里「分かってるわよ。まぁ無事にこと一緒に行動するみたいだし、よかったわ」
海未「ですね。では私は隠れてきます」
絵里「あ、海未」
海未「なんですか?」
絵里「せっかくだし、海未も穂乃果と一緒に隠れる場所探したら?」
海未「何故ですか?」
絵里「何故って……、…その顔は本気で分かってないのね…」
海未「?」
絵里(もしかして海未って本当に好きな人いないのかしら…)
海未(…しかし、範囲が全校内って広すぎじゃないですかね。凛と花陽は大丈夫でしょうか……って、鬼の心配をしてどうするんですか)テクテク
―更衣室前―
海未(……更衣室のロッカーの中……なんとも定番ですね。ここは部室から一番近い更衣室ですし、見つかる可能性は高いですけど…)
海未(しかしまぁ、あまり凝ったところに隠れて見つけられないのも寂しいですし、ここにしましょう)
ガチャ
海未(幸い今日は運動部系の部活はお休みですし、ここは使用されてないみたいですね)
海未(雨だからってすべての運動部が活動休止になるというのも、どうかと思いますが。……私たちも人のこと言えませんね)
海未(どのロッカーでもいいんですが……出来れば誰も使っていない物にしましょう。無断で隠れるのに使用するのは気が引けますし)
海未(えっと……ここでいいですかね)ガチャ
穂乃果「あっ………なんだ、海未ちゃんだったんだね、よかったー」
海未「……」パタン
穂乃果「ちょっ、無言で閉めないでよー」ガチャ
海未「まさか穂乃果と同じ発想をしてしまっていたとは思いませんでした…」
穂乃果「さすが幼なじみって感じだね!」
海未「あまり嬉しくないです」
穂乃果「むー、海未ちゃんってば冷たーい。ね、せっかくだから一緒に隠れようよ!」
海未「そうですね。恐らくもう凛たちが探しに来る頃でしょうし、時間もありませんから」
穂乃果「やった! じゃぁ早く早く!」グイッ
海未「え、ちょっと……何故引っ張るんですか」
穂乃果「へ? だって一緒に隠れるんでしょ? ほら、入って入って」
海未「いや、ちょっと穂乃果!」
ガタン、バタン
海未「……で?」
穂乃果「え?」
海未「何故二人で同じロッカーに入っているんですか」
穂乃果「一緒って言ったでしょ」
海未「私が言ったのは更衣室という場所が一緒ということです。一つのロッカーに二人なんて、普通に考えて狭いでしょう」
穂乃果「確かに狭いね」
海未「では私は出ます」
穂乃果「いやいや、狭くてもいーじゃん! くっつけば問題ないよー」ギューッ
海未「……普通に暑いのですが」
穂乃果「ファイトだよ!」
海未「はぁ……」
◇ ◇ ◇
にこ「んー……どうせなら最後まで見つからないような場所がいいわね」
真姫「乗り気じゃなかった割に、今は結構ノリノリね」
にこ「やるからには勝ちたいじゃない」
真姫「…まぁ否定はしないけど」
にこ「でしょ。となると、教室や部室は論外ね。真っ先に探しに来るだろうし」
真姫「でもそうなると場所が限られてこない?」
にこ「そうねー……準備室とかは鍵が開いてないだろうし、隠れる場所があるようなところといえば……あっ!」
真姫「なに?」
にこ「更衣室!」
真姫「ああ、なるほど……ロッカーの中ね」
にこ「まぁ王道といえば王道だけど、だからこそ意外と盲点になるかもしれないわ」
真姫(ロッカーの中……ちょっと楽しそう)
真姫「じゃぁ更衣室にしましょうか」
―更衣室前―
にこ「よし、ここね」
真姫「え、ここでいいの? 部室から一番近いし……見つかる可能性高くない?」
にこ「それもあえてよ。灯台下暗しって言うでしょ」
真姫「なるほど……じゃぁ入りましょうか」
にこ「ええ」
ガチャ
真姫「…ロッカーがいっぱいあるわね」
にこ「まぁ当たり前っちゃ当たり前よね。真姫ちゃんはどこにする?」
真姫「別にどこでも一緒だと思うけど……」
真姫(とりあえず隅のほうの……この誰の名前も書いてないロッカーとか…)ガチャ
穂乃果「あ、真姫ちゃん、奇遇だねー」
海未「ま、真姫、これはですね、別に好きで一緒に隠れてるわけではなくて…」
真姫「……」パタン
真姫(見なかったことにしよう…)
にこ「真姫ちゃん、どうかしたの?」
真姫「あ、いや、なんでも。にこちゃん、隠れる場所決まった?」
にこ「んー……人が使ってるやつはなんとなく使ったら悪いかなって思って、空いてるロッカーを探してるんだけど……ほとんど用具入れになってるのよね」
真姫「入れないってこと?」
にこ「うん。あ、そのロッカーはどうだった?」
真姫「え、あ、こ、ここも同じ感じ」
にこ「そっかー…」
真姫(…って、別に二人のことを隠す必要なんてなかったのに、つい思わず…)
にこ「この向かいのロッカーは空いてるんだけど……」
真姫「空いてるならそこに隠れればいいじゃない」
にこ「いや、一つしかないのよ」
真姫「……じゃ、じゃぁ、一緒に入る?」
にこ「え?」
真姫「……」
にこ「……」
真姫「……ご、ごめん、忘れて、気の迷いだから!///」
真姫「私は別の場所探すから、にこちゃんがそこどうぞ!」
にこ「あ、いやいや、真姫ちゃんストップ」パシ
にこ「ごめんね、ビックリしちゃっただけだから。このロッカーの大きさなら二人入れると思うし、一緒に隠れましょ」
真姫「……いいの?」
にこ「元々にこから誘ったんだもん。ただ、ちょっと狭いかもしれないけど…」
真姫「全然平気!」
にこ「そ、そう。じゃぁ凛たちが来る前にさっさと隠れよっか」
真姫「うん」
真姫(にこちゃんと一つのロッカー……にこちゃんとロッカー…)ドキドキ
◇ ◇ ◇
海未「……はぁ…」
穂乃果「海未ちゃん、どうしたの?」
海未「…真姫に見られたこと、穂乃果はなんとも思わないのですか?」
穂乃果「?」
海未「いえ……まぁ、いいんですけどね」
海未(ただ抱きつかれてるところを見て、私が勝手に恥ずかしがっていただけですし…)
穂乃果「それにしても、真姫ちゃんと…多分、声的ににこちゃんもいたよね。みんな考えることは一緒なんだね」
海未「ですね。…凛たちがここに来たら一気に見つけられますね」
穂乃果「まぁその時はその時ってことで」
海未(……それにしても狭いですね、このロッカー。にこのような体型ならともかく、私たち二人だと余計にキツいですし…)
海未(…にこといえば、真姫はきちんとにこを誘えてましたし、やはり私たちの協力は必要ないような気もしますが…)
海未(むしろ絵里のほうが心配ですね……三年も一緒にいて進展がなかったくらいですし…)
海未(……二人にはきちんと好きな人がいるのに、私ときたら…)
穂乃果「…うーみちゃんっ」ツン
海未「っ……へ、変なところをつつかないでください!」
穂乃果「だって海未ちゃんボケーッとして、話しかけても無視するんだもん」
海未「え、あ……すみません、気付いてませんでした…」
穂乃果「何か考え事?」
海未「あー………いえ、穂乃果には縁遠そうなことなので」
穂乃果「えぇー、なにそれ、気になるよー」
海未「気にしないでください」
穂乃果「むぅ…」
―――――
にこ「思ったより狭くないわね」
真姫「そ、そうね」
真姫(私はかなり狭いと思うんだけど……にこちゃんの体型が標準サイズだったら間違いなく入れなかったわね)
真姫(……そう思うと海未たちはよく入れたわね……あ、だからあんなにくっついてたのね)
にこ「真姫ちゃん狭くない?」
真姫「あ、うん、大丈夫」
にこ「そう。苦しくなったらすぐ言うのよ」
真姫(優しい……って、そっか。よく考えれば、この状況ってチャンスなんじゃない…?)
真姫(今なら抱きしめても不審に思われないはず…)ソロ…
真姫(にこちゃんに拒絶されたらって考えると怖いけど…)
真姫(…でも、にこちゃんに好きな人がいるって分かった以上、絵里たちの言う通り積極的にならないと…)スル
にこ「っ」ビクッ
にこ「真姫ちゃん? どうかした?」
真姫「ちょっと狭いから……にこちゃんのほうに寄ってもいい?」
にこ「う、うん、いいけど…」
真姫「…ありがと」ギュ
にこ「いや、別に…」
にこ(……にこ、なんで抱きしめられてんのかしら…、…まぁいっか)
◇ ◇ ◇
凛「にしても絵里ちゃん、教卓に隠れるなんて単純だにゃー」
絵里「ぎゃ、逆転の発想で見つからないかなって思ったんだけど…」
花陽「あはは……でも絵里ちゃん、頭の部分が教卓からはみ出してたよ」
絵里「嘘っ!?」ガーン
凛「だからすぐ分かったにゃ」
絵里「うぅ…」
絵里(私としたことが情けない……。こんなことなら希と一緒に隠れればよかったわ…)
凛「かよちん、次はどこ探す?」
花陽「んー…教室は一通り回ったし、他に隠れられそうな場所といえば…」
凛「部室はないだろうし………、ん?」ピタ
花陽「凛ちゃん、どうかした?」
凛「そういえばここ、探してないにゃ」
絵里「ここって……更衣室?」
花陽「ロッカーの中とかかな」
絵里「あ、なるほど」
凛「よし、探してみるにゃー」
ガチャ
絵里「…ロッカーがいっぱいあるわね」
凛「絵里ちゃんも探すの手伝ってね」
絵里「じゃぁ私は窓際から探していくわ」
花陽「なら私はその向かいから」
凛「はいはーい」
絵里(それにしても、ロッカーなんて王道なところに隠れる人なんているのかしら)ガチャ
絵里(ああ、でも穂乃果とかならそんな感じのことしそうだけど…)ガチャ
穂乃果「あ」
海未「」
絵里「!?」
絵里(えっ、ほ、穂乃果…と、海未!? なんでこんなとこに二人で……)
絵里「え、えっと……ご、ごゆっくり!」パタン
海未「なんでそうなるんですか!」バタン
凛「あ、海未ちゃん! あと穂乃果ちゃんもみーっけ!」
花陽「な、なんで二人で一つのロッカーに?」
海未「特に意味はないですが、なんとなく…」
凛「仲良しさんだにゃー」
穂乃果「うん、仲良しさんだよー」
絵里「ふふ、本当に仲良しね」ニコニコ
海未(…絵里のあの顔は絶対に誤解している気がしますが……後で否定しておきましょう)
花陽「あとは真姫ちゃんとにこちゃんと、ことりちゃんと希ちゃんだね」
凛「よし、じゃぁ四人を探しにレッツゴー!」タッ
海未「あ……」
穂乃果「ほら、海未ちゃん、いこ!」グイッ
海未「え、でも穂乃果…」
穂乃果「穂乃果たちが教えたら不公平だよ」ヒソヒソ
海未「…それもそうですね。では、行きましょうか」
穂乃果「うん」
―――――
パタン
にこ「……行ったみたいね」
真姫「さ、さすがに同じ場所に四人も隠れているとは思わなかったみたいね」
にこ「しかし、まさか穂乃果たちもここに隠れてたなんて……どこにいたのかしら」
真姫「さ、さあ?」
にこ「まぁとりあえず、これでにこたちの勝利はゆるぎないわね」フフン
真姫「そ、そうね」
にこ「…というか真姫ちゃん、なんでさっきからどもってんの?」
真姫「べ、別に深い意味はないわ…」
真姫(にこちゃんとの距離が思った以上に近くて心臓が痛い……)ドキドキ
真姫(離れたらいいじゃないって話だけど…自分から近づいた以上、離れるのも変だし……そもそも狭くて身動きとりにくいし…)
にこ「……ねぇ、真姫ちゃん」
真姫「ん?」
にこ「ひょっとして調子悪い?」
真姫「え、いや、そんなことないけど…」
にこ「その割に心臓すごいドキドキいってるわよ」
真姫「」バッ
ガタタッ
にこ「うわっ……って、ちょっと、急に動いたら危ないじゃない!」
真姫「ご、ごめ………というか、ドキドキってなによ! 別に私、そんなこと…///」
にこ「いや、体くっつけてると相手の鼓動も聞こえてくるから」
真姫「うぇっ……そ、そうなの?」
真姫(全然気付かなかった…)
にこ「いやー、でも真姫ちゃんも意外と可愛いとこあるのね。まぁこのにこにーと密着してたんだから、恥ずかしがる気持ちもよーく分かるけど」
真姫「べ、別にそんなんじゃ……」
にこ「はいはい、分かってるわよ。それより真姫ちゃん」
真姫「…何よ」
にこ「にこから離れるのはいいけど、それ以上扉のほうに体重かけてたら危ないと思うんだけど…」
真姫「え?」
にこ「いや、だからその扉、軽くロックされてるだけだから、もし何かの拍子にそれが外れちゃったら…」
カチャッ
真姫「え」グラッ
バタンッ!!
にこ「外に倒れちゃうよって言いたかったんだけど……遅かったわね」
真姫「っ……あ、頭うった……」
にこ「だ、大丈夫? 怪我してない?」
真姫「……多分、大丈夫…」
真姫(まさか本当に扉のロックが外れるとは思わなかったけど…)
にこ「……」ナデナデ
真姫「な、なにするの」
にこ「なにって……頭撫でてんでしょ。痛いの痛いのとんでけーってことよ」
真姫「……子供あつかいしないでよ」
にこ「絵里や希が頭うってたって同じことしてるわよ。心配するのに子供も大人もないでしょ」
真姫「……」
にこ「ごめんね、にこがもっと早くに注意すれば……というか、変なこと言わなきゃよかったわね」
真姫「別に……にこちゃんのせいじゃないわ。私が勝手に転げちゃっただけだし…」
にこ「まぁともかく、もうロッカーには入らないほうがいいわね」
にこ「凛たちも二度同じ場所を探しに来たりはしないだろうし…しばらくここで待ってましょ」ナデナデ
真姫「……うん」
真姫(そういえば、にこちゃんに頭撫でられたの、初めてかも…)
―――――
にこ「……真姫ちゃん、あれから何分くらい経ったっけ?」
真姫「多分一時間くらい」
にこ「いくらなんでも遅すぎると思うのよ…」
真姫「希たちがまだ見つかってないってことじゃないかしら」
にこ「それか、にこたちのことが忘れられてるとか…」
真姫「そんなわけないでしょ」
真姫(そもそも海未と穂乃果は私たちがいる場所を知ってるわけだし、迎えに来ないってことは、やっぱりまだ他の誰かが見つかってないってことよね)
にこ「んー……どのみちもうすぐ下校時間になるし、みんなと合流する?」
真姫「! も、もう少し待ってみましょうよ」
にこ「真姫ちゃんがそう言うならそうするけど…」
真姫(せっかくにこちゃんと二人きりなんだし、少しは進展するよう頑張らないと……とはいっても、具体的に何をすればいいか分からないから、どうしようもないんだけど)
にこ「にしても、わざわざ今日雨が降るなんて、最悪ね…」
真姫「…今日、何か用事でもあったの?」
にこ「あれ、言ってなかったっけ。放課後、花陽たちと一緒にアイドルショップに行くの。ほら、この間真姫ちゃんと一緒に行ったとこ」
真姫(そういえばさっき部室で放課後がどうこう言ってたっけ…)
真姫「何か買いに行くの?」
にこ「あのとき見つけたツバサのグッズ!」
真姫「……え、なに、結局あれ買うの?」
にこ「そりゃーね! ツバサの可愛い写真は全部ゲットしたいし」
真姫「……」
にこ「…? 真姫ちゃん? どうかした?」
真姫「……別に」
にこ「いや、あからさまに不機嫌そうなんだけど…」
真姫「……」
にこ「…にこ、なにか真姫ちゃんの気に障ることしちゃった?」
真姫「……してないわよ」
真姫(私が勝手に嫉妬してるだけだし……本当はこんな風に態度に出しちゃうのもよくないんだろうけど…)チラ
にこ「?」
真姫(…でも、少しくらいは気付いてくれてもいいのに……)
にこ「真姫ちゃん?」
真姫「……この間、ママのお友達から美味しいケーキをもらったの」
にこ「…自慢?」
真姫「違うわよ。……だから、遊びに来ない? 一緒にケーキ食べましょう」
にこ「え、いいの?」
真姫「ん。ただし、今日の放課後だけど」
にこ「え゛……真姫ちゃん、さっきのにこの話聞いてた…?」
真姫「聞いてたわ。凛と花陽もちゃんと誘う」
にこ「いや、そういう問題じゃなくて……お店に行くって言ったじゃない」
真姫「……」キュ
にこ(ここで無言で服の裾を掴まれても困るんだけどなぁ…)
にこ「ええぇっと……」
真姫「……にこちゃん…」
にこ「な…なんでちょっと半泣きなのよ」
真姫「……気のせいでしょ」ゴシゴシ
にこ「今思いっきり涙拭ったわよね………、はぁ…分かったわよ」
にこ「なんかよく分からないけど、今日は真姫ちゃんを優先するわ」
真姫「え、ほ、ほんと?」
にこ(凛たちを巻き込むのは気が引けるけど……まぁあの子たちはにこの買い物に付き合ってくれるつもりだったんだろうから、そんなに問題はないわね)
にこ(それよりなんで真姫ちゃんはよりによって今日を指定したのかしら……ケーキの消費期限が危うかったとか…?)
真姫「……にこちゃん」
にこ「ん?」
真姫「……な、なんでもない」
にこ「は?」
真姫(やっぱり無理……勢いに任せて告白とか、私には無理…)
真姫(……でも、きっと明日にはにこちゃんはあのお店に行って、あのグッズを買うのよね…A-RISEのこと、大好きだし……)
真姫(……そんなに、あの人がいいのかしら…)
真姫「……」ギュッ
にこ「真姫ちゃん?」
真姫「……にこちゃん」
にこ「?」
真姫「……私のほうが、好きよ」
にこ「え?」
真姫「にこちゃんがA-RISEのリーダーのこと、どれくらい好きかは知らないけど……私のほうが、ずっと好きだから…」
にこ「真姫ちゃん…」
真姫「……」
真姫「…」
真姫「」
真姫(い、言っちゃった……! 言った、言えたわ、エリー、海未!)
にこ「あー……あの、真姫ちゃん」
真姫「な、なに?」
にこ「真姫ちゃんってA-RISEのファンだったの?」
真姫「…………………えっ?」
にこ「いや、だって今、ツバサのこと、にこよりもずっと好きだって…」
真姫「ち、ちがっ……あれはそういう意味じゃなくて!」
にこ「じゃぁどういう意味?」
真姫「え、あ……その……」
真姫「わ、私が……す、好き、なのは……」
にこ「?」
真姫「っ……、……A-RISEのリーダーじゃなくて……に、に―――
ガチャ
凛「あっ、真姫ちゃんとにこちゃん!」
花陽「わ、本当に一緒の場所にいたんだ…」
凛「へへー、凛の勘もたまには当たるんだにゃ!」
穂乃果「凛ちゃんすごい!」
真姫「」
海未「……あ、あの、真姫?」
真姫「………何よ」
海未「…いえ、なんでも……」
海未(負のオーラのようなものが見えるのは、気のせいでしょうか…)
―――――
にこ「…で、結局ことりと希は最後まで見つけられなかったわね…」
凛「希ちゃんたち一体どこに隠れてたの?」
希「それは企業秘密」
ことり「学校は隠れる場所が多いからね」
花陽「それでも何時間も見つからないなんてすごいよ」
絵里「おかげさまでもう下校する時刻になっちゃったわね」
穂乃果「じゃぁみんなで帰ろっか!」
海未「そうですね」
真姫「……」ズン…
絵里「……海未」チョイチョイ
海未「はい?」
絵里「真姫、やけに落ち込んでるみたいだけど…何かあった?」ヒソ
海未「さあ……それが私にもさっぱり分からなくて…」ヒソ
絵里「そういえば見つけた時からあんな感じだったわよね…」
海未「恐らくにこと何かあったのかと…」
絵里「ならまた今度、改めて話を聞いてみましょうか」
海未「ええ、そうですね」
ことり「……」クイ
海未「? ことり? どうかしましたか?」
ことり「早く行かないと、置いてかれちゃうよ」
海未「あ……いつの間に」
ことり「絵里ちゃんも、希ちゃんが呼んでたよ」
絵里「え、希が? じゃ、じゃぁ海未、ことり、お先に失礼するわ」
海未「あ、はい」
海未(と言っても、一緒に帰るんですけどね)
ことり「……絵里ちゃんとなに話してたの?」
海未「ただの世間話ですよ」
ことり「ふーん…」
海未「?」
ことり「…海未ちゃん、いこっ」ギュッ
海未「え、ちょ、ことり、何故手を…」
ことり「ほら、早くしないと本当に置いていかれちゃうよ」
海未「はあ…」
海未(……まぁ、別に無理に振り払わなくてもいいですかね…)
今日はここまでにします
また明日更新します
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