プリキュア×キノの旅「余っている国」 (17)

ある国に旅人が訪れました。
ピンク色の髪の毛で変身すると人類最強のフライングクロスチョップを放つことの出来て、一部では教祖とか呼ばれたりする女の子でした。
教祖様が入国審査を済ませて国に入ると皆が口々に
「ようこそ旅人さん!ゆっくりしていってくれよ!」
だとか
「案内なら私に任せて!」
だとか言って大歓迎です。
国によっては旅人に冷たいところも少なくないのでこれには凄く驚きました。
余談ですがそういう国では流星のようなフライングクロスチョップで黙らせます。
教祖様が呆気にとられていると国の代表を名乗る人が現れて、
「旅人さんは色んな国を見て我々より多くの知識を持っているだろうから相談に乗って欲しい」
と言い出しましたので教祖様は二つ返事でOKしました。
相談内容をまとめるとこうです。
この国は大変広い土地を持っているのですが、居住区は全体の1割から2割であとは田圃や畑、果樹園なので、食べ物が余りすぎて困っている。その食べ物を無駄にせず消化するアイデアが欲しいとのことでした。

教祖様はすぐに口を開いて
「だったら食べ物でお家つくっちゃおうよ!毎日ワクワクだよ♪」
と提案しました。
この教祖様はけっこうメチャクチャな事を言います。

けれど驚くことに代表の人は
「それは良いかもしれない」
と乗り気です。

こうして国をあげて食べ物の家造りが始まりました。
数週間でたくさんの家が立ち、教祖様はお菓子の家をもらいました。

数日後、お菓子の家があった場所は平地でした。
お菓子の家がなくなったので教祖様は皆に旅に戻りますと伝え、
「いっそのこと国の住人になればいいのに」
だとか、
「またいつでも来てね」
だとか言われて惜しまれながら出国しました。

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ある国に3人の旅人が訪れました。
1人はラクロス部で1人はソフトボール部、もう1人はサッカー部でした。ありえないとか絶好調なりとか、さらには直球勝負だとか騒がしい3人です。
3人が入国審査を済ませ国の中に入るとものすごい熱気と何か腐った匂いが強烈で旅の疲れも相成って倒れてしまいそうです。
「暑い、臭い、ありえない…」
ラクロス部が言って皆その場にへたりこんでしまいました。

3人があまりの暑さと臭さに参っていると、国の人達が大勢集まり歓迎の言葉もほどほどに、
「涼しいところへ案内します」
とのことだったので喜んでついていきました。

案内されたのは冷房と空気清浄機の完備されたホテルの一室でした。
3人がありがたくくつろぎ始めると国の代表という人が出てきて相談に乗って欲しいと言い出しました。
3人は役に立てるかは分からないけれどと念を押した上で聞くことにしました。
内容はこうです。
この国ではとにかく食べ物が余っている。アイデアをもらって食べ物で家を建てたけどそのうち全部腐ってしまった。今は取り急ぎ焼却処分の最中でこの有り様だということ。そしてまだまだ食べ物はたくさん余っていて、大きな倉庫にしまってある。腐らずに役に立てるアイデアが欲しいのですが何かありませんか?と。

これを聞いて3人の瞳はキラキラと輝いていました。星の2、3 個は入っているんじゃないかという輝きぶりでした。そして言います。
『そこへ案内してください』
ハモっていました。

倉庫に入ると、数えきれない程の木箱が何列も積み上げられています。全てが食べ物と飲料だそうです。
3人のうち1人がより一層瞳を輝かせて言いました。
「3日あれば大丈夫です。3日後にまた来て下さい。」
国の人達はどうするのか気になりましたが、3日後の楽しみにすることにして帰って行きました。

そして、3日後、国の人達は驚愕の光景を目の当たりにしました。
倉庫に入ると、数えきれない数の空箱と幸せそうにお腹を膨らませて横になった3人が転がっていたからです。
「あぁ皆さん、食べ物は処分できましたよ」
「無駄にもしてません」
「筋は通ってます」
などと言いながらもお金を請求されると困るので3人は皆が呆気にとられているうちにさっさと出国していきました。

ある国に旅人が訪れました。
紫のロングヘアーで、変身しなくてもバーローな声をした悪者の攻撃を受け止めた理屈抜きに強い知的な女性です。

知的な女性が入国審査を済ませ国の中に入ると、もの凄い歓迎でした。
大したものは出せませんがと食事会まで開いてくれて、知的な女性もありがたくこれを楽しみました。
そろそろお開きといったところで国の代表という人が出てきて相談に乗って欲しいというので、知的な女性は私で役に立てるならと答えました。
内容はこうです。
この国では食べ物がたくさん余っていたので、木箱に詰めて保管していた。なんとか食べ物は無駄にせず処分出来たが無数の木箱が余っていて困っているので知恵を貸して欲しい。と。
知的な女性は答えました。
「この国は発電設備があるようですし、火力発電所があるのでしたら燃やしても無駄にはならないと思いますが」と。
代表の人は
「確かにそうですね、失礼しました。ありがとうございました」
と返事をしましたがなんだかつまらなそうでした。

知的な女性はその後数日何事もなく観光だけして出国しました。

あるところに国がありました。
その国では旅人が出国したばかりでした。
住民達が所々で話をしています。

「この前の奴はつまらなかたなぁ」

「そうだな、当たり前のこと言われても面白くないからな」

「そうそう、暇潰しになりゃしない」

この国では食べ物が豊富なので、自然の恵みを食い尽くさない程度に農作業やらをやる以外、皆が暇な時間をもて余していました。

「でもさ、しばらく前に来た3人は信じられなかったよな、たったの3日だぜ!?」

「あぁ、あいつら人間じゃねぇよ。食べてるとこ見たかったけど、まさかそうくるとは思わなかったもんなぁ」

「いやいや、もっと前にきたやつのバカっぷりには勝てないわよ」

「あぁ、食べ物の家か?お伽の国じゃないんだからそりゃ腐るってなぁ」

「まぁ、俺たちも暇だから作っちゃったけどな」

『あはははは』

そのときでした。
ピーンポーンパーンポーン
国中に設置されたスピーカーが鳴りました。

「おっ、昨日出国したっていう旅人のアイデアの発表だな!」

「今度は面白いといいわね!」

国中がスピーカーからの発表に耳を傾けました。

「ねぇ、キノ?どうしてあんなアイデアだしたのさ?」

「別に深い理由なんてないよ、エルメス。強いて言うならー」

「言うなら?」

「少し意地悪してみたかったのかもね」

「えー、食事も燃料もタダだったし柔らかなベッドで寝れてキノにとっては良い国だったじゃん」

「毎回こうだとありがたいんだけどね。それでもあの国は旅人をバカにしすぎているよ。」

「かわいそうに、最寄りの国までモトラドで10日かかったんだよ?そのうえあの国は平和そうだったし、パースエイダーが珍しそうだった」

「ちょっと酷すぎたかと反省してるよ、きっと大怪我する人が出てしまうから」

「因果応報ってやつだね、怪我ですめば良いけど。」

「それを言うなら……あってるね。」


スピーカーからの発表を聴いて国は盛り上がっていました。

「今回の旅人は天才だな!」

「あー、暇潰しになるうえに金まで稼げる!」

「そうだな、猛獣を捕まえて観光客を呼ぶなんて思い付かなかったよな!餌には困らないし!」





たいしたオチもなく申し訳ないです。
最後まで読んでくれた方いましたら感謝!

レスついてる!感謝です。
教祖様=ドリーム
三人組=ブラック、ブルーム、マーチ
知的な女性=ムーンライト
で正解です。

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