穏乃「入院かぁ……」(22)

ガチャ

憧「こんちわー」

穏乃「あ、憧」モグモグ

憧「なんだ、まだしずだけ? っていうか何食べてるの?」

穏乃「部室の隅っこにお菓子があったんだ」モグモグ

憧「ふぅん、どれどれ……前に蒲原さんから送られてきたやつね」ヒョイ

憧「って、賞味期限だいぶ過ぎてる!? 食べちゃダメじゃない!」

穏乃「でもせっかく頂いたのに捨てるのもったいないし……」

憧「お腹こわすわよ!」

穏乃「大丈夫だって、私頑丈だから。憧は心配性だなぁ」

――――
――

穏乃「おなかいたいよう」ヒーン

憧「すみませんこの子あきらかにヤバいもの食べまして」

病院受付「あきらかにヤバいもの食べさせないでください!」

――翌日

穏乃「しかしまさか入院するとは思わなかった……」

穏乃「……」

穏乃「……」

穏乃「……入院ってヒマだなぁ」

コンコン

穏乃「はーい」

晴絵「おーす」ガチャ

穏乃「赤土先生? どうしたんですか?」

晴絵「おいおい、せっかく見舞いに来たのにどうしたはないだろ」

晴絵「憧から入院したって聞いてね。退屈してるだろうと思って色々持ってきたから」ドサッ

穏乃「麻雀の本に……あ、漫画もある。ありがとうございます!」

コンコン

看護士「高鴨さーん、検温の時間よー」

穏乃「あ、はーい」

晴絵「さて、じゃあ私は行くよ」

穏乃「もう行っちゃうんですか?」

晴絵「うん、私がいたら看護士さんのお仕事の邪魔になるだろうし」

晴絵「それじゃあ、早く治して部活おいでよ。待ってるから」

穏乃「はい! わざわざありがとうございました!」

穏乃「……」ペラッ

穏乃「……」

穏乃「……」ペラッ

穏乃「鷲巣麻雀……」

穏乃「……」グゥー

穏乃「……おなか空いたなぁ。もうお昼か」

コンコン

穏乃「はーい」

灼「失礼します」ガチャ

穏乃「灼さん! お見舞いに来てくれたんですね!」

灼「ん」コクリ

灼「大丈夫?」

穏乃「はい」

灼「これ、お見舞い」スッ

穏乃「あ、飴ですか?」

灼「これならおなかに負担かけないかなと思って」

穏乃「ありがとうございます! おいしー」パクッ

穏乃「ところでまだ学校終わってないんじゃないですか?」

灼「うん。放課後は家の手伝いがあってこれそうになかったからお昼休みの間にと思って」

穏乃「ボウリング場ですね。でもそれなら無理に来て頂かなくても……」

灼「見ておきたかったから。穏乃の様子」

穏乃「あ……ありがとうございます」ジーン

灼「それ、漫画?」

穏乃「あ、はい。退屈だろうからって赤土先生が貸してくれました」

灼「ハルちゃんが? ということは、それはハルちゃんの……?」

穏乃「多分そうだと思いますけど」

灼「それ、読み終わったら貸して欲しい」

穏乃「えっと……赤土先生の許可を貰ってからでよければ」

灼「わかった」コクリ

灼「じゃあ、そろそろ戻らないと午後の授業に遅刻するから」

穏乃「はい、お見舞いありがとうございました」

灼「うん」フリフリ

穏乃「パインアメおいしいなぁ」コロコロ

穏乃「そろそろ夕方かぁ。みんな授業終わってるかなぁ」

コンコン

穏乃「どうぞー」

玄「こんにちわ」ガチャ

宥「こんにちわ~」

穏乃「玄さん、宥さん!」

玄「しずちゃん大丈夫?」

穏乃「はい! 早ければ明日には退院できますよ!」

宥「よかった~」

穏乃「ご心配をおかけしてすみません」

玄「ううん、元気な顔を見れて安心したよ」フルフル

宥「これ、お見舞い」スッ

穏乃「水筒? 飲み物ですか?」

宥「生姜湯だよ~。おなかに良くて、体があったまるの~」

玄「おねーちゃん特製なのです!」

穏乃「わー、ありがとうございます」

穏乃「はぁ……いい香り。おいしいです」フゥ

宥「ふふ、よかった」

穏乃「玄さんと宥さんも一緒に飲みませんか?」

玄「いいの?」

穏乃「もちろんですよ!」

宥「ありがと~」コクコク

玄「いただきまーす」コクコク

穏乃「ふぅ……」コクコク

「「「あったか~い」」」

穏乃「あ……」

玄「えへへ」

宥「ふふっ」

穏乃「ん……」ウツラウツラ

玄「しずちゃん、眠い?」

穏乃「はい……ちょっと」

玄「じゃあ私達はそろそろ帰ろうか」

宥「そうだね。じゃあ穏乃ちゃん、ゆっくり休んでね~」

穏乃「はい……ありがとうございました……」ウツラウツラ

穏乃「ん……寝る前におしっこ行かなきゃ……でももう動きたくないなぁ」

穏乃「そういえば尿瓶があったっけ」

穏乃「よいしょっと」モゾモゾ

穏乃「んっ……」

穏乃「……ふぅ」

穏乃「じゃあ……おやすみなさい……」

コンコン

穏乃「zzz……」

コンコン

憧「ちょっとしずいないのー?」ガチャ

憧「って、寝ちゃってたのか」

憧「せっかくあたしが来てあげたってのにまったく……」

憧「……」

憧「ふふっ、可愛い寝顔しちゃって」ニコッ

憧「それにしても色々置いてあるわね……」

憧「漫画に飴に水筒に……?」

憧「みんなもお見舞いに来たのね」

憧「愛されてるわね、大将さん」クスクス

憧「さて……起こすのも悪いし、あんまり長居しても仕方ないから私も帰るわ」

憧「また明日ね、しず」ナデナデ

穏乃「もう食べられないよー」ムニャムニャ

穏乃「……はっ」パチッ

穏乃「うわぁ、外暗っ。けっこう寝ちゃってたんだ」

穏乃「あれ? プリントが置いてある」

『しずへ
今日の授業で配られたプリント持ってきてあげたわよ。
漫画ばっかり読んでないでちゃんと勉強もしないとだめよ!
わからなかったら教えてあげるからメールなり電話なりしてきなさい。
あと、体に気をつけて無理はしないこと』

穏乃「憧……来てくれたんだ。起こしてくれてもよかったのに」フフッ

穏乃「メールでお礼いっとかなきゃな」

穏乃「お見舞い……ありがと……っと」ポチポチ

穏乃「それにしても、麻雀部のみんな来てくれたなぁ」

穏乃「なんていうかこう……」

穏乃「うん、すっごく嬉しかった」

穏乃「みんなにありがとうって言いたいな」

穏乃「……そうと決まれば早く治して部活に行かなきゃ!」

穏乃「それでみんなにお礼を言って……」

穏乃「遊ぶんだ! みんなと!」

おわり

看護士「あら? 高鴨さんの尿瓶、使った跡はあるのに中身は入ってないわ」

おわり

idが憧だったからやった。反省はしていない。
読んでくれた人ありがとう。おかしなところとかあったらすまん。

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