まどか「………」

さやか「ふぅー……」

まどか「……」

さやか「ふ〜……」

さやか「へへ……ありゃ傑作だ……」ｸｽｸｽ…

まどか「どうかしたの…？」

さやか「あー、でもありゃーなー……」ｽﾞｰﾝ…

まどか（また落ち込んだ……）

まどか「さやかちゃん！」

さやか「キャイン！？あ、まどか！？いつの間に！？」

まどか「いや、さっきから居たんだけど……」

さやか「何か用？」

まどか「いや、さやかちゃんが何か落ち込んでる様に見えて……」

さやか「あぁ……うん、まぁね……」

まどか「どうかしたの？てゆうかどこに行こうとしてたの？」

まどか「どうしてそんな虫取り少年みたいな格好なの？」

さやか「あ、これ？これは、杏子を捕まえる為の網だ！」ﾊﾞｧｰﾝｯ！

まどか「網…網は分かるけど、どうしてその格好……」

さやか「これで杏子を捕まえてやるんだ！」

まどか「杏子ちゃん捕まえてどうする気なの？」

さやか「え？そりゃ、あれだよ……」

さやか「高く売れるかなーって」

まどか「人身売買するつもりだったの！？」

さやか「杏子ぐらいなら、まぁそこそこの金に……」

まどか「駄目だよさやかちゃん！そんな事したら捕まるよ！？」

さやか「そっかー……」ﾁｯ

まどか「どうしてそんな事しようと……？」

さやか「あぁ……実は……」

ＱＢ「やぁ、まどか」ﾇｯ

まどか「キュゥべえ！？」

ＱＢ「そろそろ契約してもいいんじゃない？みーんな魔法少女になってるのに、まどかだけ時代に取り残されてるよ？」

さやか「！」

まどか「えぇっと……」



さやか「この野郎！」ｶﾞｯ！

ＱＢ「ぐぇっ！？」ｷﾞｭｯ

さやか「アレをどこにやった！？」ｷﾞﾘｷﾞﾘ…

ＱＢ「あ、アレ？何の事か……訳がわからなry」ｸﾞｸﾞ…

さやか「答えろッ！」ｸﾜｯ！

ＱＢ「知らない知らない！目が怖いよさやか！止めてよ！苦し……」

まどか「止めてよ！さやかちゃん！」

さやか「アレをどこにやったと聞いてるのよ！」

ＱＢ「だ、だから知らな———ゲフゥッ！？」ｺﾞｽｯ

ほむら「さやか姉御がご乱心だ！」

ほむら「鎮ませる為には生贄が必要！」ﾊﾞｷｯ！

ＱＢ「げぶぅっ！？」

まどか「ほむらちゃん！？いつの間に！？」

３０分後


さやか「あんたいつの間に居たのよ」

ほむら「ついさっき」

ＱＢ「……」ﾋﾟｸﾋﾟｸ…

まどか「あぁ…キュゥべえが……」

ほむら「触っちゃ駄目よまどか、ばっちいから」

さやか「う〜ん……キュゥべえは本当に知らなそうだなぁ……」

さやか「また振り出しに戻るのかー…」ｽﾞｰﾝ…

ほむら「美樹さんどうかしたの？」

まどか「うん、何か探してるみたいだけど……」


さやか「よし！恭介に聞いてみるか！」ﾀﾞｯ

まどか「あ、待ってよさやかちゃん！」

ほむら「………」

———————


さやか「おーい！恭介ー！」

恭介「さやか？どうかした？」

さやか「あのさ！あのさ！えっとえっと……こう…その……」

恭介「？」

さやか「こうバーンッて！ズビャーッて感じの物知らない？」

恭介「？？？」

さやか「知ってたら教えて欲しいんだけど…！」

恭介「ご、ごめん、さやか、その、よくわかry」

さやか「あ、やっぱり知らない……？」

さやか「あはは……そう、だよね…恭介が知ってるハズ無いもんね……」

恭介「い、いや、違うよ、そういう、ごめんじゃなくて、意味が——」

さやか「さよなら！」ﾀﾞｯ

恭介「ちょっ、待って！さやかぁー！」

ＱＢ「探し物かい？さやry」ﾋｮｺ

さやか「うるさい！黙れ！」

さやか「お前なんか用済みだ！」

さやか「死ね！」

さやか「くたばれ！」

さやか「このペテン師が！」

ＱＢ「」



まどか「あの数秒で暴言の嵐を……」

ほむら「いい気味よ、追いましょう」

ほむら（……この時間軸の美樹さやかは妙におかしい）

ほむら（上条恭介の見舞いには週に二回ぐらいしか行ってないし……）

ほむら（それに、『ねぇ、あたしって別荘持ってるのよ（ﾄﾞﾔｧ』とか、腹立つドヤ顔されたし……）

ほむら（この前、電車に駆け込みしてドアに挟まれた時、『ぐわぁ！？は、嵌めたな！？』とかなんとか言って喚いてたし……）

ほむら（……一体、何を探してるのかしら…？）

運動場


まどか「あれ？ここって学校の運動場だよね？」

ほむら「何しに来たのかしら……」


さやか「…………」ｻﾞｯｸｻﾞｯｸ…


まどか「あ！穴を掘り始めた！」

ほむら「………」

さやか「……あたしの記憶が正しければ、確かこの、辺りに！」

ガッ！

さやか「おっ！？ビンゴ！」

ザクザクザク……

さやか「あったあった……」ｽｯ


まどか「？　あの箱何かな？」

ほむら「ま、まさか……！」

まどか「え？」

ほむら「まどかのパンツかもしれない……！」ｸﾞｯ

まどか「え？」

まどか「え？」

さやか「あはは…ようやく見つけた〜……ここに隠してたの忘れてたよ……」

ほむら「待ちなさい！」ﾊﾞｯ！

さやか「うわっ！？ほむら！？」

ほむら「その箱を大人しく渡しなさい！」

さやか「な、何で！嫌だよ！」

ほむら「いいから！」ｼﾞﾘｯ…

さやか「目が怖いよ、ほむら…！」ｼﾞﾘｯ…

ほむら「この救いようがない変態め……！」ｼﾞﾘｯ…

ほむら「それでナニをする気だったの……！？」ｼﾞﾘｯ…

さやか「な、何の事……？」ｼﾞﾘﾘｯ…

ほむら「幼馴染だがらって、パンツを盗んでいいと思ってるの！？」

さやか「は？パンツ？」

ほむら「惚けないで！その箱の中には様々な色をしたまどかの……パンツがっ……！ぎっしりとっ…！」

さやか「い、いや、そんな訳無いじゃん！？入って無いよ！」

ほむら「さっさと渡しなさい！」

「そうはさせないわ」ﾊﾞｯ

さやか「あ、あなたは……！」

さやか「マミさん！」

マミ「美樹さん、待たせたわね。ここは私が食い止めるわ、貴方は逃げなさい」

マミ「なぁに、直ぐに追いつくわよ」

さやか「あ、ありがとう！マミさん！（別に待ってなかったけど、助かったー…」ﾀﾞｯ！

ほむら「巴さ……巴マミ…何故、美樹さんを…？」

マミ「後輩だからよ…後輩を守るのは先輩の務めだから…」ﾌｯ…

ほむら「そう」

マミ「いい？暁美さん、人にはね、見られたくない、知られたくない過去があるのよ」

ほむら「？」

マミ「貴方は美樹さんの黒歴史が詰まったパンドラの箱を盗ろうとしてる事が——」

マミ「どれだけ卑劣で最低な事か、貴方分かってる？」ｷｯ！

ほむら「………」


まどか「ど、どうしよう……」ｵﾛｵﾛ…

ほむら「つまり……美樹さんは救いようがない変態ではなく、痛い子だと…」

マミ「そんな言い方はあんまりよ、だけど間違ってはいないわ」



さやか「ヘックシッ！」

——————

さやか「はっ…はっ……」ﾀｯﾀｯﾀ…

さやか「まったくもー…ほむらのヤツ、変な言い掛かり付けやがって……」

さやか「私がそんな変態みたいな真似——」

ほむら「待ちなさい」ｼｭｯ

さやか「おわっ！？」

ほむら「さぁ、早く寄越しなさい、その箱を」

さやか「い、嫌だ…これは、まどかから貰った大切な物なんだ」

ほむら「まどかから『奪った』の間違いじゃ？」

さやか「だから！話は最後まで聞けよ！お前の頭の中は７割パンツか！」

ほむら「違うわ、１０割まどかよ」

さやか「知らないよ！とにかくコレを渡す訳にはいかないの！」

ほむら「……仕方ないわね」

さやか「な、何をする気…？」

ほむら「……あ」

さやか「？」ｸﾙｯ

ほむら「ほむぅっ！」ｶﾞｼｯ！

さやか「うわっ！？」

ほむら「チッ、しくじったか」ｸﾞｸﾞ…

さやか「あ、危なかった……！」ｸﾞｸﾞ…

ほむら「大人しく渡しなさい！」ｸﾞｸﾞ…

さやか「だから！これはパンツじゃなくって——」ｸﾞｸﾞ…

マミ「待たせたわね！」ﾊﾞｰﾝｯ

さやか「マミさん！？何か顔落書きされてますけど！？」

ほむら「クッ、まだ生きていたのね……」

マミ「ゴルフクラブで殴られたぐらいで死なない事は貴方も知ってるでしょ？」

マミ「魔法少女舐めんじゃないわよ」

ほむら「……今度はソウルジェムごと粉々にしてやるわ」ﾊﾟｯ

さやか「うわぁっ！？ちょっ、いきなり離すんじゃ…」ﾌﾗﾌﾗ…

ザポーンッ！


マミ「あぁ！美樹さんが川に！」

さやか「た、助け！あぶぶ…ぶはぁ！な、流される！」

マミ「美樹さぁあああああん！！！」

ほむら「パァアアアアアアアアアアアアンツ！！！！！！！！」

マミ「そんな…美樹さん…」

ほむら「パンツが……」ｶﾞｸｯ

まどか「はぁ…はぁ…さ、さやかちゃんは！？」

マミ「流されていったわ……」

ほむら「パンツを抱えてね……」

ほむら「ごめんなさい、まどか……パンツを取り返せなかった」

まどか「ほむらちゃん……」

マミ「忌々しい過去と一緒に流されるなんて……」

ＱＢ「やれやれ、大変な事になってるみたいだね」

まどか「キュゥべえ！」

ＱＢ「まどか、キミが願いを叶えれれば、さやかを助ける事が出来る」

まどか「キュゥべえ……分かった、私、魔法少女に———」

ダァンッ！

ＱＢ「」

まどか「ほ、ほむらちゃん！？」

ほむら「人が落ち込んでる時に、コイツときたら……」