京太郎「俺は女だぁ!」 (350)
京太郎「なあなあ、咲ー悪いけどまたレディースランチ頼んでくれよ!この通り!」
咲「京ちゃんまた?いい加減女子の制服着なよー」
京太郎「そんなこと言っても親父が直ぐに処理しちまうしよー……」
咲「京ちゃんのお父さん相変わらずだね……」
京太郎「ふん!ちょっとデカイ会社の長やってるからって『跡継ぎは男以外認めん!お前は男として生活するのだ!』は無いだろ!」
咲「あはは……もしかして下着もまだ?」
京太郎「サラシとトランクス、まあトランクスは楽でい?けどな?」
咲「話はレディースランチに戻るけどさ、京ちゃん顔綺麗なんだから説明したら分かってもらえると思うよ?」
京太郎「それが面倒くさいんだよ」
咲「そういうところが男の子っぽいんじゃないかなー?」
京太郎「なんだと咲!俺は女だぁ!」
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咲「そういえば京ちゃんって部活なにやってるの?またハンドボール?」
京太郎「ん、いや。ここの高校ハンドボール部ねーし。これだよこれ」
咲「ケータイ?ケータイ部……そんなのあるんだ!」
京太郎「違ーよぽんこつ!画面をよくみろ、麻雀だよ!麻雀!」
咲「……麻雀」
京太郎「そういえば咲は麻雀打てたよな。よっし、放課後予定ないだろ。付き合えよ」
咲「ちょ、ちょっと待ってよ!なんで疑問系じゃなくて断定なの!?」
京太郎「だってお前ボッチじゃん……俺以外に話してるヤツ見たことねーぞ」
咲「うう……言い返せない……」
京太郎「ともかく放課後付き合えよー」
そのころクラスメイトの読太(ヨメタ)「京太郎のやつ、咲ちゃんに向かって『付き合え』なんて……イケメン爆発しろ!」
放課後
京太郎「カモ連れてきたぞー!」
咲「京ちゃん待って離して流石にもち
抱えられて全力疾走は吐くから」
優希「のどちゃんのどちゃん、部員が犯罪しながら扉を蹴破ったときってどうすればいいんだじぇ?」
和「……とりあえずあの抱えられている子を救出しましょう」
で
和「大丈夫ですか?」
咲「あ、ありがとうございます……えーと」
和「私は和、原村和です。今怒っているのが片岡優希、同じ一年です」
優希「京太郎はバカバカの大バカだじぇ!」
京太郎「悪かったって言ってるだろー、それにあの方が早いんだよ」
優希「お前ほんといつか刺されるじょ」
咲「私は宮永咲っていいます、京ちゃんとは幼馴染みで――」
京太郎「あーうるせー!とにかく麻雀だ麻雀!咲も座れ!」
和「あなたは……優希も言ってください」
優希「そうだ!麻雀で決着つけるじぇ!」
和「……」
で、で
京太郎「ま、負けた……」
優希「うー、のどちゃんやっぱり強いじぇ……」
和「……」
咲「えっと、それじゃあ京ちゃん私そろそろ帰るね?……皆さん、ありがとうございました」
優希「うーん、犬よりは強いけど……って感じだな!犬よりは!」
和「そう……ですね」
京太郎「ぐっ……うっせーな、咲に勝てるわけねーだろ!」
優希「カモ連れてきたぞっていってたの自分だじぇ……」
久「あなた達、さっきの娘は?」
和「おはようございます部長、それが須賀君が連れてきた一年生で――」
京太郎「部長あと一人欲しいって言ってたじゃないですか」
久「そうね、このままだと大会には須賀君を女装させて出ることになりそうだし」
京太郎「いいですねそれ」
優希「!?」和「!?」久「!?」
京太郎(やっぱり大会ともなると服装チェックとかあるんだろーなー、これは女らしい格好するチャンスか)
久(須賀君って変態なのね……でもハスキーボイスだし顔も整ってるし……いけないことはないかな?)
久「あら?咲って娘、三連続プラマイゼロね」
京太郎「ああ、それ咲の得意技ですよ」
和「なっ」
優希「で、できっこないじぇそんな……」
京太郎「いやまじまじ、あいつ昔っからあれが得意でよ。昔、あいつの姉貴と一緒にやった時は――」
和「――宮永さんっ!」
京太郎「そこで俺は華麗にぬあぉ!」
ドガッ
優希「ああ!京太郎がおっぱいに轢かれた!?」
久「――圧倒的実力が、って聞いてる?」
で、で、で
咲「……苦手なんです、麻雀」
むかしむかし
京太郎「咲、脱衣麻雀しよーぜ」
咲「ええっ!?そ、そんなのダ――」
京太郎『いいだろ?ちょっとした遊びだよ、ア・ソ・ビ』スーパーハスキーヴォイス
咲「ふ、ふつつかものですが!」
……
京太郎「負けた!クッソー!」
咲「は、早くそのシャツを脱いでよ!ルールだよ!」
京太郎「わかってるって、ホラよ」
咲「そう、その逞しい胸い――」
京太郎「ん?」ばいーん
咲「お、おもち?」
京太郎「ああ、言ってなかったか?俺は――」
咲(女)
……
咲「……あの時勝たなければ!勝たなければ!服なんか脱がさなければ私の初恋は!」
和(変なこと言いながら泣いてます……)
次の日
まこ「ほぉープラマイゼロ子のぉ」
久「絶対に誘ってみせるわ!」
まこ「どうするんじゃ?」
久「……どうしよう?」
まこ「……京太郎の幼馴染みなんじゃろ?それなら聞けばなんかわかるかもしれんぞ」
久「そっか!そうね!」
で
京太郎「咲の好きモノ、ですか?」
久「そうよ、なんでもいいから思い浮かばないかしら?」
京太郎「んー……あ!ありました」
……
咲(なんで道端にシャツが……)
久「駄目だったわ」
京太郎「おっかしーな」
久「他にないかしら?」
京太郎「うーん」
和「……」
京太郎(そういえば咲のヤツ胸のこと気にしてたよな……)
和「……」
京太郎(和の胸ぐらい欲しいのかな?俺よりは少し無いくらいだけど、あんまりあっても隠すの面倒くさいからなー)
和(京太郎君が胸をありえないくらいガン見してくるのですけどゴッ倒していいんですかねこれ)
……
咲(なんで道端にブラジャーが……)
京太郎「なあ、なんで俺は和にビンタされたんだと思う?」
優希「だから犬なんだじぇ」
咲「あの、部長さんにお願いされて来たんですけど」
久「よく来てくれたわ」
まこ(結局普通にお願いしたんかい)
久「とりあえず見せてくれるかしら」
で
咲「ロン」
京太郎「うげっ……」
まこ「ほんとうにプラマイゼロじゃ……」
久「直で見るとすごいわねこれ」
優希「ど、どうやったらこんなのができるんだじぇ」
京太郎「そういえば咲が俺と脱衣麻雀してからだよな、みんなでやってみます?」
「…………」
京太郎「や、やだな冗談ですよ冗談」
京太郎(なぜだ?スベッた……)
咲(なんで勝ったのだなんで……)
一人絶賛トラウマ中
なんやかんやあって
咲「宮永咲です、今日から麻雀部やります!よろしくお願いします!」
久「これなら行けるかもしれない……全国!」
京太郎「なあ優希、団体って何人なんだ?」
優希「ちょうど五人だじぇ」
京太郎「なら俺が出るためには少なくとも誰か一人よりも強くならなくちゃいけねーのか」
優希(こいつの女装に対する前向きな熱意はなんなんだじぇ)
咲(そういえば京ちゃんメンバーに数えられてなかったけど、そんなに弱かったっけ?)
次の日
優希「やったじぇ一位!」
久「咲、なんで今上がらなかったの?」
咲「だ、だって……」
咲「勝ったら優希ちゃんにおっぱいができちゃうから……」
優希「喧嘩売ってるなら買うし本気なら上がって欲しかったじぇ」
和(全国行けるのでしょうかこのメンツ)
京太郎「え、今の国士だったんすか?」
まこ「よく見れば予測不可能じゃないじゃろ。まずここを――」
和(むしろこっちに頑張ってもらったほうが)
京太郎「暑いっすね、下脱いでもいいですか?」
まこ「張っ倒すぞ」
京太郎「ずるいってみんな抱けスカートで!」
優希「だからその熱意はなんなんだじぇ」
>>15誤字、「みんな抱け」→「みんなだけ」
そんなこんなで京太郎女体化原作再構築モノです。
多分雀力も女性な分ちょっとあがるはず。
現時点で様々な設定の不具合がでてますが。もっとひどくなりますし、します。
須賀 京太郎
正真正銘の女だが父親の教育方針によって幼少の頃から男として育てられる。そのせいか原作より反抗的で見た目通りヤンキーっぽい。
奇跡的な勘違いによって本当の性別を知る人間は少ない。
巨乳。
宮永 咲
初恋相手が女だった女。
変なところでトラウマが入る。
>>18
即興で書くと誤字ってしまう
ワシにも覚えがある
>>19
スマホを満足に扱えないという咲のロールだと思えば乗りきれない。
もうちょい書きます。
……
京太郎「なあ、今日は咲達どこ行ったんだ?」
優希「なんでもメイド喫茶でアルバイトらしいじょ」
京太郎「へーいいなメイド喫茶」
優希「やっぱり京太郎もそーいうの興味あるんだな!」
京太郎「ああ、すげー着てみたい!」
優希「なんか違う、なんか違うって」
その頃
咲「この服可愛いですね!」
まこ「そうじゃろそうじゃろ」
咲「京ちゃんにも似合うかも」
まこ「……」
和(宮永さん……)
優希「お腹すいたじぇ?」
京太郎「ならこのタコス食うか?」
優希「いいのか!?って、そ、それは」
京太郎「ん?ああ、ちょびっと食べただけだから気にするなよ、それに」
京太郎『俺とお前――優希の仲だろう?』スーパーハスキーヴォイス
優希「そ、そうだじぇ!きょーたろーと私の、きょーたろーと私の、なななな仲だからな!」
京太郎「おう!ほら、あーん」
優希「じぇ、じぇじぇ!?」
京太郎『あーん』スーパーハスキーヴォイス
優希「あ……」
優希「あー……ん」
……
京太郎(なんか今日は優希のやつやたらなよなよして可愛かったな、ああいうのが女子力ってやつなのか?わっかんねー)
京太郎「合宿?」
久「そうよ!強化合宿!」
まこ「久、ホワイトボードの字ぃ間違うとるぞ」
咲「楽しみだね、原村さん」
和「そうですね」
優希(お、温泉といえば混浴……京太郎と……って何を考えてる私ィー!)
京太郎(みんなで風呂!なんだか最近部のみんなと距離をなんとなく感じるしこれで一気に詰めなきゃな!)
咲(京ちゃんとお風呂入るの久しぶりだなー……また大きくなってたりして)
一端終わり
次は強化合宿編ということで。
京太郎かわいい。
タコスかわいい。
これって元ネタはうる星やつらの竜之介かな?
>>38
その通りです。まあこっちはお金持ちですが。じゃなきゃカピバラなんて飼えない。
投下します。
……
優希「着いたー!」
京太郎「潰えたー……」
久「悪いわね京太郎君、雀卓重かったでしょ?」
京太郎「いや雀卓が霞むぐらいその他もろもろが重かったんですけど……」
咲「きょ、京ちゃん大丈夫?」
京太郎「昔から鍛えてるからな、平気へー……ぐはっ」
優希「犬が血吐いて倒れた!?」
まこ「さっき買って飲んでたトマトジュースじゃろ」
久「さあさあまずはお風呂よー」
和「優希、行きますよ」
咲「え、えと京ちゃん、私達先に行くからね?」
京太郎「おう、一休みしたら行く……」
まこ(咲は優しいのぉ……)
京太郎「久しぶりに一緒に入ろうぜ……」
咲「うん!」
まこ「ちょお待ちぃや」
かぽーん
まこ「な、なあ咲よさっき言ってたことから察するにじゃな……昔からそういう関係なんか?」
咲(さっきの?一緒にお風呂入る幼馴染みってことかな)
咲「そうですね、中学生くらいから」
まこ「そうなんか……ワシはそーいうのが居たこと無いからわからんが、すこし周りを考えてもらえんじゃろか?」
咲(周り……原村さんが霞むぐらいの巨乳だしね、ショック受けちゃうか。私は別のショックを受けたんだけど――)
咲「そうですね、原村さんだけとにしておきます」
まこ「なんで加えようとしてるんじゃ、え、もしかしてドロドロしてたりするんか?え?」
和(ど、どういうことなんでしょう――そして)
優希「…………」
和(先程から親友の眼差しがとても怖いのですけど)
久「いやー温泉は気持ちいいわねー」
……
京太郎「……サラシ忘れた、買ってこねーと」
廊下
久「あら」
京太郎「あ」
和「まだ入ってなかったんですか?」
京太郎「ちょっと忘れ物してな、ここらへんコンビニも遠くて」
優希「どうだじぇ、京太郎!悩殺ポーズっ」
京太郎「胸が足りねーよ」
優希「むーっ!むーっ!」
まこ(けど咲と付き合うとるのか……)
京太郎「咲はどうしました?湯中り?」
久「もう少し入ってるらしいわ」
京太郎「なら急がねーと、失礼しますっ」
和「……」
優希「……」
久「なんで急ぐ必要があるのかしら……」
まこ(今、京太郎の持ってた『アレ』は……もしや)
>>39
京太郎君→須賀君
また風呂
京太郎「あー生き返るぜー」
咲「私もうのぼせちゃいそうだよー」
京太郎「悪かったって、サラシ忘れて買ってたんだよ」どたぷん
咲「……また大きくなってるね。旅行でぐらい外してもいいんじゃない?」
京太郎「少しでも外してると肩も凝るし、余計大きくなりそうで嫌なんだよ」
咲「うわー頭に血ィ上っちゃった、のぼせるわこれー」
その頃
久「須賀君が怪我?」
まこ「包帯をもっとった、しきりに咲が入りたがったのも巻くのを手伝うためじゃろ。さっきの発言からするに恐らく中学時代の大きな怪我じゃな」
和「私も一緒にっていうのは……」
優希「きっとのどちゃん優しいから手伝ってくれると思ったんだじぇ」
久「どうしよう、私……あんなに重い荷物を……」
まこ「本気で不味かったら咲が言うはずじゃからそんなに落ち込むことはないと思うが……まあ、今後無理はさせんようにしないといかんな」
その頃風呂場
京太郎「あーきもちー」
咲「やっぱり風呂あがりには全裸で扇風機だねーそうだ、サラシ巻くの手伝うよ」
京太郎「前に先に任せたとき急にほどけてボタン爆発したの忘れたのか?」
咲「こ、今度は大丈夫だよ!」
京太郎「打つぞー!」
優希(浴衣の襟元から見えるのは)
和(やっぱり包帯ですよね)
まこ(胸か背中か、あの量はそうとう深いのかの)
京太郎「いやー、この雀卓重くて重くて」
久「ごめんなさい……ごめんなさい……」
京太郎「なんで謝ってるんですか部長?」
咲(みんな京ちゃんを見る目が暗い……まあおっぱいを無理矢理隠すなんて理解できないもんなあ)
咲「……あのね、原村さん。京ちゃんのことは、なるべくその……」
和「ッ!……わかってます、須賀君は大事な仲間ですから」
優希「もちろんだじぇ!」
まこ「そうじゃ」
久「みんな……私この部の部長でよかったわ」
京太郎「え、なにこの団結と疎外感」
対局終わって
京太郎「飯だ飯!」
咲「京ちゃんおべんとついてるよ、もー」
京太郎「むがぐぐ」
まこ「こーいう豪勢な――」
京太郎「こーいうちょっとグレードの低い飯が一番美味いですよね!」
まこ「んー……ん?」
咲「あははー……京ちゃんの家お金持ちなんです」
久(顔がよくて……お金持ち……って漫画の主人公じゃない)
優希「……」
和(……?)
京太郎「……ぐがー」
咲「もー京ちゃんったらこんなところで寝てたら風邪引くよー」
久「そうよ須賀君、この上風邪なんて……私……」
咲「な、なんで泣いてるんですか部長?」
まこ「こりゃ起きそうにないのー」
優希「のどちゃん……」
和「……お風呂、行きましょうか」
かぽーん
優希「私、京太郎が好きだじぇ」
和「そう、ですか――」
優希「でも京太郎の隣にはいっつも咲ちゃんがいて、咲ちゃんの隣にはいっつも京太郎が――それにお互いがお互いを分かってるじぇ、同性みたいに」
和「仲、いいですもんね」
優希「勝てる気がしないじょ……」
和「――優希、臆病になっては駄目です」
優希「う、でも……」
和「年数が何なんです、宮永さんも付き合いは中学生かららしいじゃないですか。優希の笑顔と性格ならどんな人とだって親友に――深い仲になれるはずです!」
和「私があなたと親友になれたように」
優希「うん――そうだじぇ、勝負は出会ってまだ東場!私のフィールドだじぇ!これからガンガン攻めて咲ちゃんごと落としてやるじょ!」
和「そのいきです!」
優希「――ありがとう和ちゃん」
和「気にしないでください――私はまだ入ってますけど優希は」
優希「今から上がってソッコーアタックだじょ!」
和「頑張ってください!」
……続いてかぽーん
和(とは言ったものの、これで宮永さんと優希の間に亀裂が生じたら……いや、宮永さんはどちらかといえば須賀君を見る目が親友――よりも親い、家族?を見る目でした、それは須賀君が宮永さんを見る目も。それなら優希にも十分――)
和(っと、いけません考え過ぎましたね……そろそろ)
ガラガラ
京太郎「お、和いたのか」どたぷーん
和「……」
和「あぁああああああああああああ!!」
和「そ、そういう……」
和「うわあぁああああああああぁぁぁああああああぁぁぁあ!!」
京太郎「いやー、そこの廊下で優希とすれ違って『一緒に入らないか?』って誘ったら顔真っ赤にして逃げ――」
和「もうあなたは黙っててください!今完全に失敗したんですっ!!」
和「思えば気づけるポイントはいっぱいありました……だけど、なんで……いやそんなこと言ってられません」
京太郎「和って胸の汗どうしてる?もうここんところ痒くてさー」
和「アナタはまずきちんとしたブラを……」
優希【私、京太郎が好きだじぇ】
和「……私の汗疹ローション貸してあげますからサラシ巻く前に言ってください」
京太郎「ありがとうな、俺の親父が厳しくてブラとか買って貰えない上に捨てられるんだよ」
和「……いい弁護士紹介しますよ?」
京太郎「いやー親父のコネのがつえーな」
和「ほんとお金持ちなんですね……」
京太郎「今度遊びにこいよ、優希も誘って」
和「そうですよ、優希なんですよ問題は……もぉ……」
部屋
優希「まったくもう、京太郎はほんとスケベだじぇ」
優希(け、けどあんなこと言ってくるってことは脈が……)
ガラッ
京太郎「いやー、助かったよ和。やっぱり咲って巻くの下手で」
和「こんなの上手いも下手も無いと思いますけど」
優希「……のどちゃん、ナンデ?」
和「誤解、誤解ですから目のハイライト消さないでください」
京太郎「さーて、寝るかー」
久「ちょ、ちょっと須賀君は……」
和「部長、さっき聞いたんですけど須賀君は多くの人に囲まれていないと過去のネグレクトを思い出してしまうらしく……」ボソボソ
久「ずがぐん、いっじょに寝ようね!」
京太郎「そのつもりですけど、なんでそんな泣いてるんですか?」
まこ「まあ京太郎なら大丈夫じゃろ」
和「ほら優希、ファイトです!チャンスですよ!」
優希「のどちゃん……うん!」
和(まあ優希はヘタレですから行動できないはず、ベストはなるべく日常生活から何気無く覚悟を決めさせて……ああ、なんで私がこんな役目を――そうだ!宮永さんは!)
咲「……もうツモれないよぉ」
和「ああもうなんてベタな!」
次の日
優希(何もできなかった上に眠いじょ……)
久「今日は弱点克服よ!」
咲「弱点克服ですか?」
久「そう、優希は計算、和はリアル、咲はバーチャル」
京太郎「あのー俺は?」
久「いい?須賀君、人に弱点なんてない。どこか人より劣っているところがあっても、負い目を感じる必要はないのよ。なぜなら人は助け合う生き物なんだから……」
京太郎「あのこれ弱点克服ですよね?」
まこ「久の過保護が出たのう」
咲「ねえ京ちゃんネット麻雀ってどうやるの?」
京太郎「アカウント取得めんどうだから俺の貸すよ、まずこの隅の……」
……
優希「三だから……」
和「進んでますか?」
優希「今ちょっと画数数えてるところだじょ、須賀優希は……」
和(……これ、大丈夫ですよね)
夕食
京太郎「おー寿司だ寿司!」
優希「回ってないお寿司だじぇ!」
まこ「出前じゃけどのぉ」
京太郎「俺飛んでない寿司久しぶりですよ」
久「……飛ぶの?」
咲「飛びましたよ」
和(この世間知らずもまた私の負担になる気が……)
京太郎「流れ星だ!」
まこ「おー、綺麗じゃのー」
京太郎「ギャルのパンティー!ギャルのパンティー!ギャルのパンティー!」
久「やっぱり須賀君って……」
優希「のどちゃん、私達って……」
和「やめましょう」
咲(また処分されちゃったのかな?)
次の日
咲「勝ったらまた来れるね!」
和「そうですね……」
……
京太郎【和ー風呂入ろうぜー】
優希【のどちゃんナンデ】
……
京太郎【和ートイレ付き合ってくれよー】
優希【のどちゃんナンデ】
……
咲【原村さん、京ちゃんの巻き方教えてー】
優希【のどちゃんナンデ】
……
【ナンデ】【ナンデ】【ナンデ】
……
和「勝ってもちょっと遠慮したいですね」
咲「ええっ!?」
大会前日、龍門渕の屋敷
透華「長かった……本当に長かった……」
透華「龍門渕の血が、とうとう集う日ですわ」
透華「天江、妹尾、少し薄いですが福路……」
透華「そして、須賀……」
透華「京太郎様に、会える日ですの!」
透華「オーホッホッホッ――」
透華「ゲッホゲッホ!」
ハギヨシ「透華お嬢様、紅茶でございます」
透華「あ、ありがゲホッゴホッ!へ、変なところはいっガホッ!」
大会一日目
京太郎「ついにきたぜ!」
優希「県予選!」
久「オーダーを発表するわよー」
……
咲「わ、私が大将……」
和「頑張りましょう、宮永さん」
久「そうそう、須賀君は補欠ね」
京太郎「わかりました!いざってときは任せてください!」
優希「そんなとき来たら終わりだじぇ……学校の評判ごと」
まこ「おいおい、大丈夫なんか?」ボソボソ
久「いーのよ最終的に出なければ。それに……」
まこ「それに?」
久「須賀君だけ仲間はずれっ、なんてっ、が、がわいぞうっ」
まこ「あーもう顔を拭きんさい……」
京太郎「しかしすごい人数だなー」
まこ「他県と比べたら少ない方じゃ」
優希「こんだけ多いと知り合いにも会いそうだじぇ」
京太郎「本当にな――あっ!」
久「知り合い?いいわよ、会ってきなさい」
京太郎「すみません、すぐ戻ります!」
久(須賀君、ちゃんと友達がいるのね……)
優希「部長が母の顔に……」
咲「す、すごい笑顔だね……」
和(また厄介ごとを持ってきそうな気が……)
京太郎「お久しぶりです美穂子さん!」
美穂子「――あら、京ちゃん」
未春(な)
純代(な)
星夏(な)
華菜(なんだしこいつ!)
貴子「おい部外者は……って須賀のとこの……」
華菜(く、久保コーチも知り合い!?)
京太郎「貴子さんもお久しぶりです!」
美穂子「もしかして京ちゃんも大会に?」
京太郎「ええ、とは言っても俺は補欠ですけど……」
美穂子「アナタが補欠なんてそうとう強いところなのね」
京太郎「はい!強いです!まあ俺は勉強中ですけど……」
華菜(去年は、違うとはいえ……長野の麻雀トップクラスの風越より……強い?というか男なのに補欠!?)
京太郎「それじゃあ、ここらへんで」
美穂子「はい、また今度」
……
華菜「キャプテン、コーチ、今の人は……」
久保「いいか、お前ら……さっきのヤツが出てきたら――」
久保「全力で潰せ」
華菜(だ、だから男子となんで戦うことになってるんですか!?)
……
和(気になるからついてきてみればなんで優勝候補のトップと話あってるんですかぁ!?)
優希(のどちゃんの様子がおかしいからついてきてみれば、やっぱりのどちゃんも……)
純「しっかし衣だけじゃなく透華まで行方不明か……」
智紀「衣は寝坊……透華は」
一「人探しだっけ?」
純「のどっちこと原村和でも探しにいってるのか……」
智紀「もしくは例の……」
咲「京ちゃんのおかげで助かったよー……」
京太郎「お前ほんとその方向音痴どうにかしろって」
ゾワリ
一「!?」
智紀「!?」
純「!?」
咲「そういえばこの前の……」
京太郎「あー……」
……
一「今の、のどっち?」
智紀「いや、原村和はもっとこう胸が」
純「イケメンだったな……」
一
純「しっかし衣だけじゃなく透華まで行方不明か……」
智紀「衣は寝坊……透華は」
一「人探しだっけ?」
純「のどっちこと原村和でも探しにいってるのか……」
智紀「もしくは例の……」
咲「京ちゃんのおかげで助かったよー……」
京太郎「お前ほんとその方向音痴どうにかしろって」
ゾワリ
一「!?」
智紀「!?」
純「!?」
咲「そういえばこの前の……」
京太郎「あー……」
……
一「今の、のどっち?」
智紀「いや、原村和はもっとこう胸が」
純「イケメンだったな……」
一、智紀「そっち!?」
京太郎「な、なあ今すれ違った人すっげー格好良くなかったか?」
咲「え、見てなかったよぉ……」
京太郎「ああいうのをイケメンって言うんだろうなぁ……」
……
透華「須賀っ!須賀っ!須賀京太郎様はどこですのー!?」
すのーっ!?
すのーっ!?
すのーっ!?
和(ジュース買いに来ただけでなんでこんな事件の臭いがする場面に出くわすのでしょう。神様、私何かしましたか?)
……
優希「二人で……分けて……」ブツブツ
久「ちょ、ちょっとなんか優希ダウナーというかダークなんだけど……」
まこ「うーん、緊張しとるんかいのぉ?」
……
佳織「あれ?さっきのって……」
智美「おーい、はやくいくぞー」
そして大会はスタートした
優希「ロン」
優希「ロン」
優希「ツモ」
優希「ツモ」
優希「ロン」
……
なんか清澄の先鋒やばくねーか。
ああ、なんか凍えるというか。
怖い、怖いよ私……
久「……あんなの合宿で仕込んだかしら?」
和(仕込まれてしまったんです……)
咲「優希ちゃんすごいね!」
京太郎「ああ、こっちまで凍えそうだ」
まこ「というか対面の高校泣いてるぞ」
まこ「えいっ」
……
久「やーっ」
……
和「次は私の番です」
京太郎「和のぬいぐるみ可愛いよな」
優希「あらあら京太郎は和のならなんでも好きなのね」
京太郎「お前なんか口調おかしいぞ、大丈夫か?」
優希「うーっ、うるさい!タコス買ってこーい!」
京太郎「わ、わかったよ」
……
透華「ぐ……京太郎様は見つかりませんし、原村和の試合が近づいていますわ……ここは言ったん戻るしかありませんわね」
京太郎「……あの金髪の後ろ姿どこかで見たような?」
和戦終了
透華「やっぱり原村和はのどっちだったんですわー!」
一「のどっちって、本当にあの?」
智紀「ネット麻雀界のトッププレイヤーの一人、運営のプログラムとまで言われた……」
透華「そう、そののどっちですわ!」
一「のどっちなら並のプロにも負けないレベルだよ?」
智紀「ありえない……」
一「でもあの先鋒がいるところだからなー」
智紀「確かに……」
透華「な、何を言ってますの?」
純「あいつ、男子の部に出てるのかな……」
透華「それと純はどうしたのかしら?」
智樹「恋煩い?」
一日目終了
京太郎「決勝進出、おめでとーう!」
優希「だじぇ!」
久「今日は色々あったわね、優希が対面を泣かして、まこは上家、私は下家」
まこ「いっぱいいっぱいの三人を前にしてなぜか泣く和、そして全員泣かした咲」
和「絶対来年から悪い噂つきまといますよこれ……」
咲「というかもう明日から厳しいよ……」
久「だけどこれから帰るのもねー」
まこ「しゃあないじゃろ、部費もそこまでないんじゃし」
京太郎「あのー、ウチで経営してる宿泊施設が駅前にあって泊まれそうなんですけど」
久「須賀君っ!おかーさん嬉しい!」
優希「部長将来絶対悪い男に捕まるじょ……」
和「というか優希、部長はスルーなんですね」
水を被ったら男になったりして
麻雀強くなっちゃうんか。男装京ちゃんの本編再構成だと思ってたけど無双ものなのね。
二日目
京太郎「タコスを忘れた?」
優希「一回分しかないじょ……」
久「合宿でもミーティングでも言ってたじゃない」
まこ「こりゃまずいの」
京太郎「ここは補欠の俺の出番がいよいよ?」
優希「嬉々として女子制服を手に取らないで欲しいじぇ……」
久「そういうわけにもいかないでしょ、須賀君の実力だと先鋒は厳しいし……」
和(実力の問題だけで出すことには反対じゃないんですか……)
京太郎『優希』
優希「じぇ?」
京太郎『俺が必ず買ってくるから、信じて待っていてくれ』
優希「はい、待ちます……いつまでも……」
咲「なんか背景に花が見えるよーな?」
和(ああ、またややこしく……)
久「須賀君、おこづかいはこれね。タコス屋さんへの行き方はまずこの道をまっすぐ……」
まこ「久ーはじめてのおつかいじゃないぞ」
透華「ああもうどこにいるのかしら京太郎様……」
一「ちょっと、なんか今日の透華に勢いがないんだけど……」
智紀「どうもフィアンセを探しに男子の部を昨日一日探したのにいなかったらしい」
歩「ふぃ、フィアンセですか!?」
一「あんまり話したがらないけどいるらしいね、キョータロー様か」
歩「流石はお嬢様ですねー」
智紀「透華は不調、衣もまだいない」
純「金髪の君……」
一「こっちは昨日からこんなんだし……」
智紀「龍門渕大ピンチ」
透華「ええい!とりあえず今は決勝ですわ!」
一「おお、復活」
透華「いいですの純、あなたがこれから戦う福路美穂子という女は薄いながらも龍門渕の血を持つもの――油断してると死にますわよ」
純「……わかってるよ」
透華「龍門渕の血は支配の血、場を操られたら最後ですわ。あなたの鳴きも通用しません」
純「……わかってるよ」
透華「――申し訳ないと思っていますわ。本来なら血は血を持って対抗するべきなのです、こんな役割を押し付けて……」
純「……わかってるよ」
透華「純?」
純「……わかってるよ」
透華「あ、これ上の空ですわ」
智紀「東京無理かも」
試合開場
優希(信じてるから……待つじぇ、どこまでも、いつまでも……)
純「これプレゼント?もしかして君、俺のファン?」
優希「な、違っ……」
純「だけど悪いな、今俺の胸にはとある人でいっぱいなんだ……君の気持ちもプレゼントも、残念だけど受け取れない」
優希「あ、はい」
美穂子(京ちゃんの高校も勝ち上がってるのかしら?)
睦月(なぜだ?強烈な疎外感が……これが強者と凡人の差?)
純「てやー」
優希「じぇー」
……休憩
優希(うう、タコスを食った東で勝てないなんてはじめてだじぇ……)
優希(うう、京太郎ぉ……)
一方楽屋
久「優希、大丈夫かしら……」
まこ「あーもう!京太郎はまだか!はっ、もしかして古傷が……」
久「私もついていくべきだったのよ!」
咲「だ、大丈夫ですよ!京ちゃんはこういうとき必ず……」
和(そうですね、彼女はこういうとき必ず)
……
京太郎「待たせたな、優希」
優希「京太郎!」
……
和(そう、こういうとき必ずそばにいて……)
咲「道に迷わないから!」
和「宮永さんにとっての重要度ってそこですか」
和(まあ、何にせよこれでここ最近の優希の気分の落ち込みも直るでしょう。はぁ、本当に彼女が男だったらこんな苦労も……)
……
京太郎「あれ?美穂子さんも決勝に!?」
美穂子「ふふ、そうよ……そうだ、お腹空いてない?もし会えたらと思ってお弁当つくってきたの」
優希「……」
……
和「なにやってるんですかー!?」
風越控え室
久保「ぐっ、なんでここで出てくるんだ!須賀京太郎!」
華菜「こ、コーチ、あの人誰なんですか?キャプテンと親しいみたいですけど……」
久保「お前らになら話してもいいだろう、アレは美穂子の想い人だ……」
華菜「想い人ってことは――すすす好きな人!?キャプテンが!?」
未春「えぇー!?」
純代「そ、そんな人が」
星夏「いたんですか!?」
久保「そして――女だ」
華菜「は?」
久保「あんなナリして女なんだよアイツは!そんでもって美穂子もそれに気づかないでどんどんどんどん想いを重ねる!あれが女というこち気づいた日にはどうなるかわからないくらいに!!」
華菜「じゃ、じゃあこの前の全力で潰せ……って」
久保「文字通り美穂子の目につかないように再起不能にしておけということだ。まったく、高校生で忙しくなって疎遠になったかと思えばまさかこんなところで巡り会うとは……そもそもガキの頃から私が仲良しに育てようとしたことが……いや須賀の親父が……」ブツブツ
華菜「は、はは……」
久保「池田ァ!それにお前ら全員秘密を知ったからには協力し・ろ・よ……」
未春、純代、星夏(昨日からコーチの機嫌が悪いのってこれかよ!)
龍門渕控え室
透華「きょ、京太郎様!?もしかしてマネージャーだったんですの!?通りで男子の部にいないと……」
一(不味いって、まさか純の一目惚れした相手が透華の婚約者だったなんて……)
智紀「おおおお、落ち着いて汗を拭いて一。このままだと龍門渕空中分解が……」
歩「二人ともなんの話ですか?」
一、智紀「歩は黙ってて!」
歩「ひぃ!?」
透華「あら、純が固まってますわ?しかも顔を真っ赤に……」
一「わー!わー!」
智紀「光の加減でそう見えるだけ、むしろ純の顔は今蒼白」
透華「そ、そうなんですの?」
鶴賀控え室
佳織「やっぱり京ちゃんだ!」
智美「ワハハ、でっかくなったな」
ゆみ「知り合いか?」
佳織「はい、家庭の事情てあんな格好してるけど本当はかわいい女の子なんですよー」
智美「清澄に行ってたのかーたしかにアイツの家から近いからなー」
佳織「こんど皆さんにも紹介します、とってもいい子ですから」
ゆみ「それは楽しみだ、なあモモ」
桃子「うー気づいてもらえますかね……」
和気あいあい
試合開場
京太郎「ありがとうございます!洗って返しますから!それじゃ。あ、優希も試合がんばれよー!」
美穂子「またね、京ちゃん」
優希「おう、勝ってくるじぇ!」
美穂子「……」
優希「……」
美穂子「……できるかしら?」
優希「……飛ばしてやるじぇ」
純(うわ、うわーどうしよう顔真っ赤だし全然話しかけられなかった――つーかあのチビ知り合いだったのか……それにあの風越のも……そういえば風越について透華がなんか言ってたよーな?……まあいい!この試合あの人――京太郎さん――も見てるってことだ!こりゃかっこよく勝って印象に残ってそっから……)
美穂子「うふふ……」
優希「あはは……」
純「えへへ……」
睦月(だ、誰か助けてー!)
……
京太郎「あのイケメンさん女子だったのか……どこにも俺みたいなのはいるんだな……」
優希「今の私にはすべての風がついているじぇ。東、南、西、北すべてから吹く冷たい風が、ロン」
字一色
役満
美穂子「私にも流れる、京ちゃんと同じように血が――支配の血が!私の前ではあなた達なんて操り人形でしかないのよ、ロン」
清老頭
役満
純「鳴ける、鳴ける、鳴ける、鳴ける!流れがきてる!これが恋の力か!?違いない!ツモ、責任払いを食らいな!」
四槓子
役満
睦月(なんか三人で凄い点の動きしてる……)
……
久「す、すごい試合だったわね……」
まこ「最終的にほぼ横並びで終わったのが奇跡じゃのう」
和(もう嫌ぁああああああああああ!)
咲「な、なんかオチというかラストを持っていかれたような?」
京太郎「優希強くなったなー」
一回戦終了
一旦終了にします
清澄:のどっち
鶴賀:ムッキー
モンブチ:一、ともきー
風越:コーチ(+キャップ以外の四人)
最低一校一人は京太郎のせいで苦労しているという……
衣「ハギヨシ……」
ハギヨシ「はい、ここに」
衣「衣は子供じゃないが、だからといって神仏や妖魔鬼怪でもない」
ハギヨシ「存じております」
衣「それらには書に記されているように明確な瑕疵が存在する。なれば所詮人の身である衣には数えきれないくらいにある」
衣「苦い野菜が苦手だ、早起きが苦手だ、冷たいとーかが苦手だ、この身に流れる血潮が苦手だ、汚い人間が苦手だ、孤独が苦手だ……けれど」
衣「衣は、あの須賀京太郎ほど苦手に感じるものを知らない」
ハギヨシ「大丈夫でございます、衣様。京太郎様は試合に出場致しません」
衣「衣は今でも夢に見る。衣がまだ子供だったとき」
衣「あの、須賀の血は、天江の血の支配を破ったのだ!」
衣「そして、何より……」
衣「――もう時間か、すまなかったなハギヨシ。少々気が触れた」
ハギヨシ「もったいなきお言葉を」
衣「少々昂っているのだ……今宵は何かが……」
衣「何かが起こる」
……
透華「ぐ、京太郎様は清澄の控え室!今は試合中、お邪魔することができませんわ!」
純「おおお、お邪魔するって無理だよ透華。俺こんなんだし顔を見るのも……」
一「わーわー!次は智紀の試合だよ!?ほら透華、妹尾って人の力を教えてよ!」
智紀(大事件発生中……)
衣「ハギヨシ……」
ハギヨシ「はい、ここに」
衣「衣は子供じゃないが、だからといって神仏や妖魔鬼怪でもない」
ハギヨシ「存じております」
衣「それらには書に記されているように明確な瑕疵が存在する。なれば所詮人の身である衣には数えきれないくらいにある」
衣「苦い野菜が苦手だ、早起きが苦手だ、冷たいとーかが苦手だ、この身に流れる血潮が苦手だ、汚い人間が苦手だ、孤独が苦手だ……けれど」
衣「衣は、あの須賀京太郎ほど苦手に感じるものを知らない」
ハギヨシ「大丈夫でございます、衣様。京太郎様は試合に出場致しません」
衣「衣は今でも夢に見る。衣がまだ子供だったとき」
衣「あの、須賀の血は、天江の血の支配を破ったのだ!」
衣「そして、何より……」
衣「――もう時間か、すまなかったなハギヨシ。少々気が触れた」
ハギヨシ「もったいなきお言葉を」
衣「少々昂っているのだ……今宵は何かが……」
衣「何かが起こる」
……
透華「ぐ、京太郎様は清澄の控え室!今は試合中、お邪魔することができませんわ!」
純「おおお、お邪魔するって無理だよ透華。俺こんなんだし顔を見るのも……」
一「わーわー!次は智紀の試合だよ!?ほら透華、妹尾って人の力を教えてよ!」
智紀(大事件発生中……)
清澄
優希「うう、ごめんなさいだじぇ……」
まこ「い、いや普通に役満直撃食らってから直撃返したり全然奮闘してたじゃろ……」
久「そうよ、あなたは精一杯がんばったじゃない」
……
咲「原村さん、なんで控え室出てきたの?」
和「……優希は強がる娘ですから、同い年の私達がいたら泣けません。何より……」
咲「何より?」
……
優希「……ところであの弁当箱は?」
久「そうよ!聞いてちょうだいよ優希、あの子ったら他校にも友達ができたみたいでね!お母さん嬉しいやらやみしいやら」
まこ(目の錯覚かのう?優希から黒い何かが……)
……
和「私も少し、休みたいですから……」
咲(原村さんの顔すごいやつれてる……やっぱり寝不足なんだ)
透華「妹尾……あの家の支配は龍門渕や天江を破る可能性すらある強力なものですわ」
一「衣を越える程!?」
純「お前の親戚連中どうなってるんだよ……」
透華「それだけ龍門渕というのは凄まじい力を持つのですー」
透華「妹尾……あの家の支配は龍門渕や天江を破る可能性すらある強力なものですわ」
一「衣を越える程!?」
純「お前の親戚連中どうなってるんだよ……」
透華「それだけ龍門渕というのは凄まじい力を持つのです――だからこそあれに衣や私を使うわけにはいきません」
智紀「それで、その支配っていうのはどんな?」
透華「……ある意味、智紀には最も厳しい相手かもしれませんわ。その支配は『天運』」
透華「『天』から勝利が『運』ばれる……女神を支配する、恐ろしい血ですわ」
……その頃廊下
佳織「あ、京ちゃん!」
京太郎「佳織姉ちゃん!?」
佳織「おっきくなりましたね。何年ぶりでしょう!」
京太郎「佳織姉ちゃんも相変わらず……抜けてて安心したよ」
佳織「そ、そんなことありませんよ!?……多分」
京太郎「今日は応援で来たのか?」
佳織「ち、違います選手なんですからね!私!」
京太郎「佳織姉ちゃんが!?麻雀やったことなかったろ?」
佳織「智美ちゃんが教えてくれたんです」
京太郎「智美姉ちゃんまで来てるのかよ……」
佳織「えへへ……ほんとはちょっと不安だったけど。京ちゃんと話していたら元気がでてきたました、今日は勝てそうな気がします!かわいい妹分の前ですから!」
京太郎「姉ちゃん……」
京太郎「それなら会わない方が俺の高校のためになったかもなー」
佳織「はうっ!?なんでそーいう意地悪言うんですかもーっ!」
……
優希「うーん……とんでもない強敵が出現したような気がするじぇ……」
半端ですけど一旦終了にします、再開は十二時くらいを予定してます。
美穂子「未春ちゃん、あなたと同じ卓に着く妹尾という人に気を付けて。あの娘はとても引きが強い――役満が飛び交うような非常識な戦いになるかもしれないわ」
未春、星夏、純代、華菜(いや、あなたが言えることじゃないですよキャプテン!)
未春(で、でもよかった。やっぱりこうしている分には普通のキャプテンだ……)
美穂子「無理に点数を伸ばそうとせずに安い手で…………」
久保(弁当渡せたので幸せがピークにたどり着いて今は逆に冷静になってるな……)
……
試合会場
佳織「あ、京ちゃんのところの……いつも京ちゃんがお世話になっています」
まこ「えーと……京太郎の知り合いかの?」
佳織「はい、えっと……えっと……」
佳織(な、なんて説明しよう……幼馴染み?いや親戚でもあるし――あーだけど本家に近いのは京ちゃんのだから……う、うーん。そうだ!)
佳織「姉です!!」
まこ「!!」
まこ(彼女は姉→別の名字→違う高校→父親によるネグレクト→つまり)
まこ「う、うぅ……」
佳織「あれ?な、なんで泣いてるんですか?私何か失礼なこと言っちゃいましたか!?」
まこ(なんてことじゃ……久があそこまで大事に思うのも当然じゃ――引き裂かれた姉と弟、だけどここで再会できるとは……なんという運命!)
まこ「決勝へこれてよかった……」
未春(やっぱり思いを込めて来ている人達ばっかりなんだな決勝……でも私達だって負けません)
智紀(……すこし気を引き締め直した方がいい、か)
和「か、勘違いです……それは……やめて……もう……」
咲(原村さんすっごいうなされてる)
……
まこ(見えん……涙で卓が見えん……近似イメージが浮かばん……いや、これは初心者がいるからじゃった。しかし京太郎よりも下手じゃな……いやそれも二人で練習する時間を与えなかった大人が……ぐっ、涙が……)
未春「あ、あのー清澄さん、ポケットティッシュあるのでよければ使いませんか?」
智紀「気持ちはわかる。けど、あなたは今、戦いに集中するべき……あなたが教えてくれたように」
妹尾「そうですよ!どんなときも笑顔です!」
まこ「みんなぁ……」
……
実況「さぁー実況の私ももらい泣きが止まりません!決勝というこの場で、今新たな友情が生まれました!少女達、それぞれの思いはありますがやはり麻雀を愛するものとして底の部分ではわかりあえる!そんな、そんな可能性を……すいません、藤田プロはポケットティッシュなどお持ちではありませんか?」
藤田「ない」
……
清澄控え室
まこ「……」
久「……」
優希「……」
まこ「……負けてしもうた」フッ
久「なんで誇らしげー!?」
京太郎「で、でもそんな失点ってわけでもないですし……」
優希「そうそう、むしろ役満が飛んであの点で済んでよかったじょ……」
久(ツッコミ待ちかしら?)
まこ「京太郎、すまんが飲み物買ってきてくれんかのう」
京太郎「はい、何にしましょう?」
まこ「お茶を頼む」
優希「私も……」
まこ「優希は残っててくれ」
優希「じぇ?」
京太郎「?じゃあ行ってきます」バタン
久「どうしたのよまこ、もしかしてあなたも泣き……」
まこ「じつはの……」
……
京太郎「ただいま戻りまし――」
久「ぞ、ぞんなのって……」シクシク
優希「びぇえええええええ!」
まこ「うぅ、だが事実なんじゃ」メソメソ
京太郎「え?なに?清澄敗退したんですか?」
昼休み
京太郎「さっそく美穂子さんのお弁当いっただきまーす!」
優希「……京太郎、タコスもあるじぇ」
京太郎「おう、悪いな優希」
優希「他にも欲しいものがあるなら言うんだじぇ?」
まこ「ほれ京太郎、お茶じゃ」
久「おこづかいあげるわ」
京太郎「あの、とりあえず染谷先輩のは俺が買ってきたヤツですよね?」
……
華菜「あれ?キャプテンどこ行くんですか?」
美穂子「お弁当あげちゃったから買ってこようと思って。そうだ、みんなは何か欲しいものあるかしら?」
華菜「キャプテン自分のあげたんですか!?」
久保(あいつが絡むと途端にアホになる……)
……
田中舞「おい、ここ決勝進出者しか入っちゃいけねーんだぞ……ヤバいって……」
門松葉子「この機会逃したら私みたいな遠縁は二度と京太郎様に会えないんだって!大丈夫、バレなきゃ悪じゃない!」
田中舞「その考えがもう悪人なんだって……」
門松葉子「うっさいわね、悪人面」
田中舞「ひ、ひどい!気にしてるんだぞこれでも!」
仮眠室
咲「……」スヤスヤリ
和「うーん、優希ぃ……須賀君……」
……
葉子「……この部屋から、京太郎様を呼ぶ声がする」
舞「なあやっぱり帰ろうって、なんか面倒なことになりそうな予感がぷんぷんする」
葉子「うっさいわね、じゃあ先帰ってればいいじゃん」
舞「電車賃無くて……」
葉子「……私もないわよ」
舞「ええっ!?どーすんだよそれ」
葉子「まあ京太郎様に借りれば大丈夫でしょ、金持ちだし」
舞「想い人から平然と金を借りれるあんたのそーうとこ、惚れるぜ」
葉子「よせやい。じゃあ1、2の3で入るわよ」
舞「電車賃のためだ、腹くくったよ……」
葉子「1、2の……」
……
和「うーん、うーんだから優希……それは……」
エトペン「……」ギュギュッ
……
葉子、舞「3!」
和「違うっていってるじゃないですか!!」グイッ
エトペン「」ブチーン!
葉子、舞「うわぁああああ!ペンギンが四散してるぅうううう!!」
葉子「よく見れば昨日の清澄のおっぱい!」
舞「真っ二つだぞこれ、何がこいつをここまでの狂気へ誘ったんだ……」
エト「」
ペン「」
葉子「っていうかこれ不味くない?下手すれば私達……」
舞「……犯人扱い?」
葉子「……」
舞「……」
葉子、舞「いやいやいや」
和「うーん……あれ?」
葉子、舞(起きた!?)
和「……!」ハッ
葉子「いや違うからね!なに『まさかあなた達が!』みたいな顔してるのさ、むしろ被害者だから!」
舞「っていうか自分の右拳見てみなってまだ残骸握ってるから!それが証拠だから!」
sage忘れ失礼しました。
昼休み途中で一旦終了です。
乙ー
投下するなら別にsageなくてもいい気が
こんな時間ですが投下始めます
>>224
そうでしたか、それではsaga更新でやってみます。
和「すいません、綿を集めるの手伝ってもらって」
葉子「いいっていいって、誤解もとけたみたいだし」
舞「不法侵入の文無しでその余裕が出せるあんたはすごいよ……」
和「……けれど、どうしましょう」
エト「」
ペン「」
葉子「真っ二つ……あらためて見ると綿っつーより腸――」
舞「グロいこと言わないで、マジで」
和「あの……」
葉子「ん?なに?」
和「ソーイングセット貸していただけませんか?」
舞「そこまで女子力高いヤツはなかなかいないと思うの、私」
葉子「しゃーねー、ひとっ走りソーイングセット買いにいってきますか」
和「え!?」
舞「おいおい、そこまでするか?」
葉子「困ったときはお互い様っしょ、それに……」
葉子「私の好きな人はこんなときこーすると思うし」
舞「超片想いだけどな」
葉子「うっさい」
和「あ、ありがとうございます……私……私」ポロポロ
葉子「だからついでに私達の電車代も含めてソーイングセットの金ください」
舞「そうだったよ無一文だった」
和「すいません、お財布を預かってもらっているんでまずそちらに連絡を」
葉子「りょーかいりょーかい」
舞「てかもう一人の方この騒ぎで起きないとか大丈夫か?」
和「……もしもし、須賀君頼みたいことが――」
葉子「はぁっ!?」
和(優しい人もいるものです……正直なんで決勝進出校のメンバーしか入れないこの仮眠室に入ってきているんですか?とか、冷静になれば須賀君に頼めば買ってきてくれるのでは?とかいっぱいありますけど――優希の問題が出てきてからここまで人の優しさに触れたのははじめてです――)
和「それでは仮眠室にいますので、お願いします。はい、申し訳ありません」
和(ここ最近神経がごりごりと轟盲牌と削れましたが、この窮地にて救いを得た気分です。これを気にメアドを交換して――と、友達に。思えば高校に入ってからできた友人は麻雀部のみんなを含めて数える程度……ここで他校の知り合いをつくってしまうなんて、青春といえるのではないのでしょうか……エトペンがこうなったのもきっと何かの運命……)
葉子「ちょ、ちょっとあんた京太郎様のケー番知ってるの!?教えてよお願いお願い!私達もう友達――いやマブダチっしょ!?」
舞「落ち着けって葉子!まだ寝てる人もいる……」
和(運命のバカヤロォオオオオオオオオオ!!)
廊下
衣「私は子供じゃ――」
藤田「どうした?」
衣「ふ、藤田!はやく衣を陰蔽!天岩戸だ!」
藤田「?じゃあ自販機の横で小さく――なってるか」
衣「いいか?衣はここにいてここにいない――」
藤田「哲学?それともバスケでも始めるのか?」
京太郎「えーと、仮眠室は……あっちか」
藤田「んー?あの髪は間違いなく龍門渕の血縁じゃないか」
衣「あれは――須賀の者だ」
藤田「須賀、それはまたビッグネームな……今年はどーなってるんだ。龍門渕に天衣、須賀、妹尾……薄いが福路……あ、敗退したが門松もいたな」
衣「そして衣の――天敵!」
藤田「……へえ」
……
京太郎「うーん、なぜか寒気が」
仮眠室
京太郎「おーい待たせたな和」
葉子「――ッ!」
舞(うっわイケメン――というか綺麗な人だなー女の人みたいだ。葉子が言ってた限りじゃ金持ちみたいだし、そこんとこ食ってるもん違うと風格も違うのかね)
和「来てほしくなんかありませんでした……」ズーン
京太郎「呼び出しておいて!?で、そっちの人達は――」
葉子「はじははひはじまみむめま、はじめむ、はじま、じめまし、わたた、かどむまつよよこであのその――アドレスくださいっ!」
舞「落ち着け葉子!そして欲望だけはなんでそんなに滑舌いいんだ!」
京太郎「知ってるよ、前の集いのとき
来てた門松葉子さん」
葉子「わた、私みたいな遠縁が京太郎様――失礼しました!須賀様に覚えていてもらえるとは!」
京太郎「まあ俺って知り合い少ないから、同年代だとどーしても……って年上だったよな、ごめん!」
葉子「そんな!私みたいなものにそのようなお言葉を……ッ!」
舞「あれお前そんな口調じゃなかったよね?っていうか原村さんのことそろそろ触れようって!」
和「あ、あなたはいい人です……」シクシク
舞(ちょっと嬉しい)
京太郎「ん?うわ、エトペンが真っ二つに」
和「寝ぼけてうまい具合にてこの原理が働いたみたいで……」
舞(いや、純然たる握力だったよ)
京太郎「そうか、てこの原理か」
舞(イケメンさん!そんなわけないでしょ!?)
葉子「そうですね京太郎様、完全にてこってました」
舞(葉子ー!!てこってるって何ー!!)
京太郎「そうだ、とりあえず財布。渡すの忘れてた」
和「ありがとうございます……それではお願いできますか?」
葉子「……任せておきなって」
舞「友達である私達を、信頼してまってな」
和「ッ!……はいっ!」
葉子「行くよっ舞!奥歯のスイッチを噛みしめろ!」
舞「私はサイボーグじゃないっ!」
ワーワードタバタ
和「……須賀君、私あたらしい友達ができました」
京太郎「……いーことじゃねーか。俺、そういう青臭いの嫌いじゃないぜ」
和「ふふっ、女の子なのに」
京太郎「友情に男も女も関係ないだろ……さて、じゃあエトペン直すか」
和「えっ!?」
京太郎「ソーイングセットはいっつも持ち歩いてるんだよ、女子力高いだろ?あの二人がなんで出ていったかわからねーけどはやく直してやろーぜ」
和(……ごめんなさい、友人)
京太郎「親父に反抗するために身につけた女らしさの一つ、超裁縫術!」
シュピピーン
京太郎「ほい、治療完了」
和「すごいです……本当に元通りに」
京太郎「この程度ならばおやすいご用」
和「ありがとうございます、須賀君」
京太郎「……んへへっ」
和「どうかしましたか?」
京太郎「いや、なんつーか嬉しくなっちまってさ」
和「裁縫技術のことなら本当に素晴らしいで――」
京太郎「違う違う、ほめられたのは勿論嬉しいんだけどさ――ようやく役にたてて」
和「!」
京太郎「俺、いままで麻雀打ってて――お前とは練習にならない、とかそんなことしか言われなくてさ。部活でもなかなか勝てなかったし……大会も補欠だ。不満があるわけじゃないんだぞ?部長やみんなが勝つためにはこれしかないって俺も思う――けどさ、みんなのために何も出来ないのが悔しくてさ」
和(そうですよね、ちょっぴりガサツなところもあるけど女の子なんです――不安でしょう)
京太郎「けど、いま初めて役にたったって実感できたんだ!自己満足かもしれないけど――俺の技術、しかも女らしくあるために頑張った俺の努力が――ようやく役に。それも……」
和「それも……なんですか?」
京太郎「俺のおかげで和のあの、綺麗な麻雀が守れたんだ!」
和「!」ドッキーン
和「わ、わたひの麻雀が綺麗……」
京太郎「おう!だってノータイムでズバズバ牌切るし、迷いがなくて……とにかく凄いと思ってるんだ!」
和「そっ、う、ですか」ドキドキ
和(って、馬鹿ですか私は!?須賀君は女の子なんですよ!?なんでドキドキしているんですか――そりゃ、確かに格好いいですけど。優希の好きな相手ですし――ってそういうの抜きにしても私は女で本来好きになるべきは男なんですっ!って別に須賀君のことを好きってわけじゃ――そりゃ部活仲間として友人として好きで大切に思っている部分はありますけどそれが恋に……なんて……でも優希は……だ・か・ら、それは相手が男の場合で!……私いますっごく顔赤くなってませんか?見られたら絶対変に思われちゃい……いや、この場合の変とは万が一にもそういった特殊な性癖があると思われるのが嫌なのであって、恋心がバレ――あぁあああもう!!)
京太郎「おーい和?」
和「ひゃい!?」ビリッ
京太郎「あ」
和「あ」
京太郎「……もう一度縫うよ」
和「す、すいません」
葉子「長かった……新潟県まで行った……」ヨロヨロ
舞「普通に……その辺の雑貨屋じゃん……飛ばし過ぎたけど……」ヨロヨロ
葉子「とりあえず昼休み中に間に合ったし……後は裁縫するだけ……」
舞「てか裁縫できんの?」
葉子「まあ人並みにね、これでも龍門渕の血が――遠縁だけども」
舞「葉子の家脱サララーメン屋だもんね」
葉子「金持ち――京太郎様と結婚したいわ」
舞(本人の前以外だとこんな簡単に言えるのに)
葉子「……私恥ずかしいから先入って」
舞「これだもんなぁ……はいよ。おーい、もどった、よ……」
和「あ、お帰りなさい……それでその……」
葉子「あれ?京太郎様は?」
和「その、須賀君はあのあとエトペンを直して弁当箱を洗いに控え室へ……」
葉子「そう、仕方ないわ……ってエトペンを」
舞「直した?」
和「そ、その……すいません」
葉子「……京太郎様のアドレス!」
舞「……わ、私達の苦労は――不法侵入の罰か」
和「ごめんなさい!ごめんなさい!」
葉子「ついでにあんたのアドレスも教えなさいよ」
和「え――?」
葉子「友達でしょ、私達」
和「――はいっ!」
舞「――ま、いいか」
葉子「それと電車賃貸していただけたらありがたい……」
舞「もう歩きはいや……」
和「ふふ、もちろんです!」
きれいなかっぷるしかいませんね。
というところで一旦終了です。
次は中堅戦の予定。
和の休憩時間になるでしょう、多分おそらくきっと。
何を言っているんだ次は次鋒戦じゃないか。素でキンクリするところだった。
中堅やん……暑いからね、しょうがないね。
投下します。
清澄控え室
京太郎「頑張ってください部長!」
優希「バナナパワーだじょ!」
久「ありがとう二人とも……けど……」
まこ「どうしたんじゃ?らしくないぞ」
久「風越の大将さんにお弁当いただいたでしょ?それのお礼で何かお菓子でも持って行った方が――」
まこ「問題無いからはよいけ」
優希「そういえばのどちゃんはどうしたんだじぇ?京太郎呼んでたみたいだけど」
京太郎「ああ、今は二度寝してるよ。疲れたから少し休みたいんだってさ」
優希(二度寝→一度起きて疲れることをした→京太郎と疲れることをした後そのまま寝た)
優希「……そっか」
……
和「……ハッ、悪い夢を見たような……もう起きていましょうかね……」
和「ただいま戻りました」
京太郎「おう和、咲は?」
和「起こそうとも思いましたが熟睡してるみたいなので」
まこ「まだ試合が始まる前じゃ、ちょうどよかったの」
優希「オカエリ、ノドチャン」
和「おそらくもっと早く来てればよかったですね」
まこ「久のことなら和や咲の分も激励しておいたから大丈夫じゃ」
和「ははは……そういうことじゃないんですが――って部長、鶴賀の人と話していますけど面識でも?」
まこ「いや、あれは――」
……
久「須賀くんは私の手で!必ず幸せにしますから!」
智美(面倒みたことがあるって言っただけなのになんでこーなるんだー?)
久(私と同じ……継母のようなことをやっていたに違いないわ!)
一(げ、もしかしてあそこでも修羅場?透華の婚約者モテすぎ……)
星夏(も、もしかしてあの人たちも勘違い!?どこの高校も大変だなぁ……)
対局中
久(ここぞという時!やっぱり悪待――ッ!)
……
実況「どうしたことでしょう竹井選手、手が止まっております……」
藤田「あの選手はここぞというとき、悪待ちをするタイプみたいだが――大方どちらを切るか迷っているんだろう」
……
京太郎「どうしたんでしょう部長、いつもなら手早く切っちゃうのに」
和「デジタル打ちに目覚めたに違いありません」エッヘン
優希「いくらなんでもそれは違うと思うじぇ……」
まこ「どうしたんじゃ久……やっぱり緊張……」
……
久「……悪待ちってやっぱ教育に悪いかしらね」ボソッ
……
まこ「はよ切らんかいぼけ!」
久「うーん……」
一(清澄が衣を見る透華と同じような空気感を出している……ま、まさかすでに子供を!?いくらお金持ちだからって……透華っていう婚約者もいるのに――いや、だからこそ?まさか二人は結ばれない身分違いの恋を……せめてそのあかしを残したくて……とか――いや!そんなわけないよね!そんな漫画みたいなこと……)
久「……教育……」ボソッ
一(不穏なワード飛び出したよ!?そ、そう思うとこの人弱冠お腹が出ているような……?)
……
まこ「あちゃーバナナもう残っとらんぞ」
優希「部長が食べ過ぎたんだじぇ……」
和「龍門渕の人がなぜかすごい汗書いてるんですけど……」
京太郎「普段薄着だから暑いとか?」
和「夏服ですよ私たち……それより薄着ってどんな格好ですか」
前半終了
美穂子「文堂さん!」
星夏「キャプテン!」
……数分後
久「それでね、須賀くんったらそこで――」
美穂子「まあ、そんなことが――」
星夏(ああこれお母さんがクラスメイトの母親と買い物途中で出会ったヤツです)
……風越控え室
久保「文堂……」スーッ
華菜(コーチが静かに泣いてるし……)
……
久「えやーっ!」
星夏「もう嫌ですーっ!」
中堅戦終了
……
咲「……あれ?原村さん……どこ?」
ぽんこつ爆誕
投下一旦終了、文堂さんかわいいですよね。
次は副将戦です、間違えてないはず。
のどっちが少しでもダメージを受けないといいなぁ。
>>286
家継がせてもこのままじゃIPS細胞ないと京太郎の代で潰れかねないぞ
>>288
龍門渕一族とか会合(しかも須賀家は上位っぽい)とか何か閉鎖的なことやってるし、事情を知ってる一族内で結婚させるつもりなんじゃね?(透華はカムフラージュ)
もしかしたらどっかで『女の子として育てられた男の子』という真の婚約者が現れるかもしれん
辻垣内「ガタッ」
無駄話で伸びる伸びる
>>304
エターナル防止だから(震え声)
(エタら)ないです
副将戦投下しまーす
龍門淵控え室
一「ただいま……」
一(結局清澄の中堅が透華の婚約者さんの浮気相手なのか考えている内に終わってた……このままだとヤバイかも)
一「ってあれ?純くんだけじゃん。透華と智紀は?」
純「ああ、なんか『あの方の前でこのような格好では婚約者の名折れ!目立ってナンボですわー!』とか言って服買いに行ったぞ」
一「このタイミングで!?ああもう智紀は何してるんだよ!」
純「アイツ疲れてるというか壊れてるみたいでさ。俺が金髪の君の話しようとしたり、透華が婚約者の話しようとするたび叫ぶは転けるわで……悪いものでも食ったか?今は仮眠室」
一(智紀ー!!任せっきりでごめーん!!)
清澄控え室
和「では行ってきます」
まこ「きばってき」
久「いつも通り、ね」
優希「おっぱいパワーだじぇ!」
和「はい!って優希はもう……」
京太郎「ションベンついでに送ってくぜ」
和「ありがとうございます」
和(あなた女の子なんですからそういう言葉は改めた方がいいですよ)ヒソヒソ
京太郎「えー、そうは言っても」
ガチャバタン
優希「……おっぱいパワー使いすぎだ、じぇ」
まこ(うーん決勝戦も副将戦となるとプレッシャーが凄まじいのう)
久(クーラー効きすぎじゃない?この部屋)
廊下
和「ここまでで大丈夫ですよ、須賀君」
京太郎「おう」
和(ふう……行けませんね、緊張してきました。部長の言ってた通り、いつも通りいつも通り――)
京太郎「――和。俺、和が好きだ」
和(そう、須賀君は私が好き、いつも通り私が好き――へっ!?)
京太郎「さっきも言ったけど和の麻雀ってこうビシッと決まっててさ、すげぇ格好いい。それに和は可愛らしくて――」
和「わたた、駄目ですよ須賀君、私達はまだ学生で無論私にもそういう興味はありますけとま親が……って違います!そう!そもそも私達はおん――」
京太郎「――女の子らしくて、憧れてるんだ」
和「!」
京太郎「だからさ、俺が到底たどり着けないような女子力の和にお願いがある」
和「……はい」
京太郎「勝ってくれ」
和「勿論です」
和「個人戦が終わったら服でも買いにいきましょう、あなたにも似合う可愛いものを」
京太郎「あー、いいけど自室以外だと着れないから無駄にしちまうと思うぞ」
和「何言ってるんですか、なんだったら私の家で預かってでも着させますから」
京太郎「……おー、その手があったか」
和「女の子なんですから、もうちょっとワガママに生きましょう」
京太郎「おう!!」
和「……ちょっとその返しは男らし過ぎます」
京太郎「ぐぅ……女子力っていうのは難しい」
清澄控え室
久「和の入場よ!」
まこ「リラックスして顔が赤くなれば勝ったも同然じゃ」
優希「スーパーのどっちタイムだじぇー!!」
……
和(わわわ、私は勢いでなんということを……デートの約束をしてしまうなんて!いえいえ須賀君と私は女の子同士、いわば優希との買い物みたいなもの……それをデートというのは……はぅ!?そういえば自宅に招くとまで言ってしまいました!どうしましょう、お父さんにバレたら……ってバレてもいいんですよ!女の子なんですから!!しかしどんな説明を……や、やっぱりお友達から始めて――だからお友達の先になることはないんですってー!?)
……
久「……もう真っ赤ね」
まこ「……もう真っ赤じゃな」
優希「……もう真っ赤だじぇ」
優希(まさかのどちゃん京太郎に告白されたとか――ッ!?)
……
透華「オーッホッホッ、ようやく来ましたわね!のどっち!勝負ですわー!」ビカビカァ
純代(龍門渕のクリスマスイルミネーションみたいな格好した人が叫んでる……あの清澄の子はどっちっていうんだ)
桃子(龍門渕のホタルイカ大群みたいな格好した人が叫んでるっす……あの清澄のはのどっちっていうっすね)
純代「よろしくお願いします、のどっちさん」
桃子「よろしくっす、のどっちさん」
和「私が何したって言うんですかー!?」
……
優希「いや、あの龍門渕のシャンゼリオンみたいな格好したやつのせいだじぇ……」
久「龍門渕の土産物売場のキーホルダーみたいな格好した人すごいわね……」
まこ「龍門渕の大晦日トリ近くで歌いそうな格好したもんは和に恨みでもあるんか……」
龍門渕控え室
純「すげぇな透華、自転車につけたら事故減りそうな格好してやがる」
一「透華のバカー!あれほど服装には気を付けるように普段から言ってるじゃないかー!」
純「えっ」
一「えっ」
歩(言えない……私が選んだなんて言えない……)
……
和(いつも通りデジタル打ちです!)
和「失礼します」
和(この手牌の最速は……)
透華「……」ビカビカ
和「……」
透華「……」ビカビカ
和「……あれ、明度を下げたはずなのに?」
透華「私はディスプレイではありませんわ!」
純代(あれどうやって光ってるんだろう)
桃子(別の意味で消えづらいっす……)
鶴賀から物言い、透華着替え中……
実況「さあ前半戦開始から他の追随を許さないですね龍門渕(麻雀は関係なく)」
藤田「この場はすでに龍門渕に支配されているな(麻雀は関係なく)」
会場の観覧者「すげぇ……(麻雀は関係なく)」
……
透華「むきーっ!こんなんで目立っても仕方ありませんわーっ!」
透華(まっ、これで京太郎様の目には着いたでしょう……名前さえ聞けば思い出して貰えるはずですわ!)
……
仮眠室
京太郎「あれ?咲がいない?」
智紀「うぅ……たすけて一……」
京太郎「めっちゃうなされてる人はいるが……和の試合が始まってるってのに、どこ行ったんだ?」
……
???
咲「……ここ、どこ?」
咲「うぅ、やっぱり原村さんがいないのに出歩くんじゃなかった……放送的にはまだ大将戦は始まってないみたいだけど。このままだと不味いよ……あれ?」
衣「……」トテトテ
咲(第一村人発見!……じゃなかった、ようやく人に会えたよ――こどもみたいだけど――道を聞こう!)
咲「あ、あのーちょっといい?ここがどこかわかるかな?できれば仮眠室の方向だけでも知りたいんだけど……」
衣「衣がどこにいるか――決まっている!」
咲「!?」
衣「一世界の中心、須弥山!そして八海に浮かぶ月を掬うのだ!」
咲「……」
衣「……」
咲「えーと、もしかして迷子?」
衣「まいごじゃなーい!衣は衣だ!」
途中だけど今日はここまで。
次は副将戦終了まで。
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