魔女「私は旅の魔女」(43)

王城

王「では行け勇者よ!魔王を倒して参れ!」

勇者「はっ!」

王「しかし、一人では苦労するだろう、これで仲間を揃えるがよかろう」

勇者は50Gと装備をもらった!

勇者(これでどうしろと)

王「どうした勇者よ、早く旅立つがいい」

勇者「は、はっ!」

酒場

勇者「取りあえずここに来てみたけど……」

店主「おや、勇者殿、とても遅いお着きで」

勇者「やっぱり、皆さんは……」

店主「あぁ、皆、君が成長するまで待てずに勝手に行っちゃったぜ」

勇者「そうですか……」

カランコロン

店主「いらっしゃい、何か入り用かい?」

魔女「お酒はあるかい?」

店主「あぁ、ここは酒場だからね」

勇者(綺麗なひとだなぁ)

店主「はいよ」

魔女「そこの君も何か飲むかい?」

勇者「えっ、あ、あの……」

店主「だめだよ、お姉さん、彼はまだ未成年だ」

魔女「あぁ、分かっていて言っているのさ」

店主「じゃあなんで……」

魔女「君、勇者だろう」

勇者「!?な、何で知ってるの?」

魔女「私は何でも知っているのさ、何てったって魔女だからね」

魔女「……なんてのは冗談、ほら返すよ」

勇者「うわっと……これって」

魔女「ちゃんと持ってないと盗られちゃうよ、勇者の証」

店主「……くっくっく、そうだ勇者殿、このお姉さんについてきてもらえばどうだ?」

勇者「そ、そうだ!あの、魔王退治の旅についてきてくれませんか?」

魔女「あぁ、いいよ」

勇者(軽い)

魔女「それじゃあ、お代は置いてくよ」

店主「あぁ、また飲みにきなよ」

魔女「さて勇者君、出発しようか」

勇者「あ、はい!」(旅に慣れているんだな)

魔女「あぁ、敬語なんて使わなくていいよ」

勇者「う、うん」

魔女「よし、それじゃあまずは……西に行こう」

スライム ニュルー

勇者「あ、危ない!」

スライム ニュルグシャァ

魔女「うん?どうかしたかい?」

勇者(化け物か)

魔女「よし、到着」

勇者(何事もなく村まで着いてしまった)

魔女「まずは宿を取ろうか」

勇者「これ、このまま行ったら一回も戦わないで魔王戦も……ありえないか」

村人「おぉ、勇者様!」

勇者「はい?」

村人「勇者様、助けてください!私の娘がオークにさらわれてしまったんです!助けに行ってください!」

勇者「ちょ、ちょっと……」

村人「お願いしましたからね!それでは!」

勇者(身勝手だな)

魔女「おーい、勇者君、宿取ってきたよ」

勇者「ん?あぁ、魔女さん、実は……依頼をされちゃったんだ」

魔女「へぇ、良かったじゃないか、初仕事なんだろう?」

勇者(無理やり押し付けられたとは言えないよな)

魔女「それでどんな依頼なんだい?僕にも教えておくれよ」

勇者「あぁ、村人の娘さんがオークに攫われたらしい、それを取り返してきてほしいんだって」

魔女「……今の世も大変だね」

勇者「場所は……恐らく近くの森に集落でもあるのだろう」

魔女「じゃあ、行こうか」

勇者「ここがオークのいる森か」

魔女「……」

勇者(魔女さんはあの後からずっと喋ってない、何でだ?)

オークの集落

勇者「オークども!娘を取り返しに来たぞ!」

オーク「帰れ!おまえらなんかに渡すか!」

勇者「ならば力ずくで!」

オーク「負けるかぁ!」

魔女「……勇者君、どいて」

勇者「?」

魔女「…爆破」

キュボム!

勇者「……」ポカーン

魔女「早く行こう、勇者君」

勇者「あ、あぁ」



村人「ありがとうございました勇者様!これはほんのお礼です!」

勇者は鉄の剣を手に入れた!

勇者「いえ、娘さんが無事でよかったです」

村人「本当にありがとうございました!それでは!」

娘「…」

勇者(割と良い剣だな)

魔女「それじゃあ勇者君、部屋は一緒だけど大丈夫だよね」

勇者「えっ、あ、あぁ……」

魔女「それじゃ、ご飯を食べて早く寝ようか」



魔女「……寝たみたいだね」

魔女「さて、それじゃあ、私が動かなきゃ」

オークの集落

オーク「」

魔女「完全蘇生」

オーク「……っは!お、お前は!」

魔女「さっきはすまなかったね、早く終わらせたかったんだ」

オーク「俺たちのことは良いから……あの子を助けてやってくれ!」

魔女「あぁ、分かってるよ、だって私は……」

魔女「……いや、私はただの旅の魔女、それ以外の何者でもないよ」



盗賊「へっへっ、大事な売り物をオークなんぞに奪われちまうなんてな」

村人「あぁ、幸い手は出されてねぇぜ」

盗賊「バカ、お前、オークが人間に欲情なんてするかよ」

村人「そ、そうなのか?」

魔女「まったくだよ、無知にも程がある」

盗賊「そうだぜ、お前も少しは勉強……誰だおまえ!?」

魔女「ん?私だよ?」

村人「お、おや、勇者様のお仲間ではございませんか?」

魔女「おやおや、そういう君は娘を連れ去っては人身売買で小金を稼ぐ村人様じゃありませんか」

村人「!?」

盗賊「や、やろう共!やっちまえ!」

魔女「ねぇ、私の座っている椅子、何で出来ていると思う?」

村人「何言ってやがる!」

盗賊「どうした!誰か居ねぇのか!?」

魔女「あのね、この椅子は……」

村人「ウオオオォォォォ!……!?」

魔女「あらら、お一人様ご案内でーす」

盗賊「なっ、消えた!?」

魔女「これね、私の魔法で出来てるの」

盗賊「な、な、く、来るな!」

魔女「近づいた人の悪事に反応して取り込み、罰を与える異空間が作れるんだ」

盗賊「た、助けてくれ!」

魔女「君はどんな罰を受けるかな?」

盗賊「や、やめ……」

魔女「……まぁ、吸い込みすぎて実体化しちゃってるけど」

娘「……」

魔女「……」グッ

娘「……」グッ

宿屋

魔女「……ふぅ、まぁ……これで、ひとま、ず、は……Zzz……」

勇者「ほら、魔女さん起きて」

魔女「後もうちょい」

勇者「早くしないと朝ご飯が無くな……いない」

勇者(そんなに食べるのが好きなのか)

魔女「おや、勇者君、君の分はちゃんと残しといたよ」

勇者(それよりもその皿の山に乗っていたはずのパンがどこに消えたのかが気になるな)

魔女「さて勇者君、これからどこに行こうか」

勇者「流石に2人では厳しいから回復役とか、後は罠とかに詳しい人が欲しい」

魔女「それならこのまま西に行こう、西の国のギルド辺りにそういう人材が居るかもね」

勇者(魔女さん何でも知ってるんだな)

魔女「必要なものは買ってあるから、行こうか」

ーーーーーーーーーー

勇者「あ、あの子は……」

娘「……!」ブンブン

勇者「良かった、元気みたいだな」

魔女「うん、そうだね……早く行こう」

勇者「そういえば、魔女さんっていつも素手で魔物を倒してるな」

魔女「ん?そういえばそうだね」

勇者「魔法って他に何が有る?」

魔女「えー?ほかの魔法かぁ?ちょっと恥ずかしいなぁ」

勇者「そこをなんとか」

魔女「じゃあ、僕のとっておきだけど、見せてあげよう」

勇者「おぉー」

魔女「……てい!」

キュッ

勇者「」

魔女「どうかな?少し力出してみたけど」

勇者(あ、ありのまま今起こったことを話すぜ…「魔女が手をあげたと思ったらいきなり地面に巨大な穴があいた」な、何を言ってるか分からねぇと思うが俺も何を言っているのかさっぱり分からねぇ)

魔女「ま、まぁ、とっておきだから、そう簡単には使わないから」

勇者「是非そうしてください魔女さん」

魔女「到着、西の国」

勇者「それじゃあ宿を取ろう」

魔女「じゃあ僕はお買い物に行ってくるよ」

勇者(……魔女さんって不思議だな)

勇者(でもこのままだとまともな戦闘が無くなりそうだ)

勇者「すいません、二人部屋でお願いします」

店主「はいよ」

勇者(やっぱりまだまだ金欠だ)

勇者(さて、魔女さんを呼びに行こう)

魔女「なぜだめなんだ!」

ギルド員「てめぇみてぇな怪しい奴を入れる訳にはいかねぇんだよ!」

魔女「怪しくないだろう!」

ギルド員2「ええい、黙れ黙れ魔性のものめ!貴様が怪しくない証拠がどこにある!」

勇者「僕の仲間何ですけど……」

ギルド員「あぁん?誰だぁ?てめぇ」

ギルド員2「このような魔性のものに組みするとは貴様も所詮下浅な者だろう!」

勇者「えぇと、勇者です、はいこれ証」

ギルド員「ゆ、勇者様!?これはとんだ無礼を」

ギルド員2「さ、さぁ、どうぞ!お仲間もご一緒に!」

魔女「まったく……人を見て態度を変えるな!」

勇者「仕方ない、魔王のせいで皆、気が立ってるんだ」

魔女「……うん」

勇者「それじゃ、誰か良い人を探そう」

魔女「回復できる人いないかなぁ」


魔法使い「ちょっと良いかしら?」

勇者「何でしょう?」

魔法使い「私は魔法使い、これでもだいたいの魔法は使えるわよ、私で良ければついて行くわよ」

勇者「でも、魔法なら魔女さんがいますし……」

魔法使い「ならその人を置いて行きなさい、私の方が強いわよ」

勇者(いや、それはないだろう)

魔法使い「なんなら、勝負してもいいわよ」

勇者「うーん、そう言うことなら、魔女さーん!」

魔女「うん?なんだい?」

勇者「この人が勝負したいってさ」

魔女「いいよ、良い運動になりそうだし」

魔法使い「私より優秀な人なんていないのよ!」

魔女「どっからでもかかってきていいよ」

勇者(あ、魔女さん酔ってる)

魔法使い「あらそう、なら遠慮なく!」

ボォーン!

魔法使い「あらあらあら、強すぎちゃったかしら?」

魔法使い「まぁこれで分かったでしょ勇者様……!?」

魔女「あれれぇ?おかしいぞぉ?」

魔法使い「な、何で!?全力で吹っ飛ばしたはず!?」

魔女「だって私は魔女ですからぁ」

魔法使い「くっ、業火炎!」

魔女「あっははぁ!あったかぁい」

魔法使い「そ、そんな!?雷電!」

魔女「んー♪肩こりに効くねぇ」

魔法使い「くそっ、何故死なねぇ!」

魔女「あっれぇ?化けの皮剥がれちゃってますよぉ?」

魔法使い「なっ、しまっ……」

魔女「隙ありぃ、粉砕パァンチ!」

ズドォォン!

魔法使い「ぐ、グオオォォォ……ワレガニンゲンゴトキニィ……」

魔女「あらら、ヤっちゃった」

勇者「魔女さん!これはいったい?」

魔女「えっとねぇ、魔王の使い?」

勇者「え」

魔女「なんかね、ここに勇者が来ると予想して結構強い仲間だと思わせといて後で殺す作戦だったっぽい」

勇者「えっ?……えっ?」

魔女「まぁまぁきにしないきにしない!のもぉぜ!」

勇者「魔女さん!悪酔いしすぎです!」

ギルド員「おーい、魔法使いさーん!どこに……!?」

ギルド員「なっ、これは魔法使いさんの!いったい誰が?」

魔女「あ、さっきやった奴が消えてる」

ギルド員「貴様が魔法使いさんを!?許せねぇ!」

魔女「ん?なんで?」

ギルド員「うるせぇ!人殺し!」

魔女「だって、襲いかかってきたのはあっちだし、それにあっちだって殺そうとしてきたんだよ?」

ギルド員「そんなの嘘だ!」

魔女「まったく、やらなくちゃわからないの?まぁでも……」

魔女「勇者君は幸い寝てるしね、本気で行くよ」

ギルド員「調子に乗るなよ!皆!やっちまえ!」

魔女「さぁて、果たして私たちが本当に悪いのか……」

ギルド員「怯むな!かかれ!」

魔女「御本人のそのお口様からお話頂けますかな?魔法使いさん?」

ギルド員「何言ってやがる!」

魔女「ほら、本人の口から聞けばいいじゃん」

魔法使い「……」

ギルド員「魔法使いさん!生きてたんですか!」

ギルド員「魔法使いさん、あいつらがあなたをボッコボコにしたんですよね?」

魔女「どうなんですかぁ?」

魔法使い「ちがうわ、私が始めに喧嘩を売ったのよ、だって私は彼らを殺そうとしたんだもの」

ギルド員「な!?」

魔法使い「ど、どうしたのかしら?そんなにびっくりして」

魔女「いやだって、あんたが爆弾発言をしたからでしょ」

魔法使い「?だって私は……」

魔女「うん、普通に都合のいい嘘をついてるんでしょう、でも残念でした、真実しか話せなくしといたから」

魔法使い「!?そ、それじゃあ……」

魔女「いぐざくとりぃ、真実知っちゃいました」

魔法使い「!みんな聞いて!私は悪魔です、この女性の言っていることは本当です!」

魔女「あらら、悪魔さんでしたか」

勇者「う、うーん……」

魔女「おっと、もうちょい寝ててね、睡眠!」

勇者「グゥ……」

ギルド員「おい、どういうことだ!」

魔法使い「わ、私は魔王の命をうけて勇者を殺そうと……」

魔女「でも、悪魔が人間に擬態出来たっけ?」

ギルド員「悪魔ぁ?やっちまうぞおめぇら!」

魔女「はぁい、ストォォップ!」

ギルド員「あぁ?やっぱしてめぇも仲間か!?」

魔女「まぁまぁ落ち着いて、とりあえず悪魔さえ殺しちゃえば別に問題ないでしょ?」

ギルド員「だから今からやるんだろうがよ!」

魔女「教えてあげよう、悪魔は人間に擬態出来ない」

ギルド員「なにぃ?」

魔女「だからここをこうしてこうすれば……」

悪魔「ハナセ!ハナシヤガレ!」

魔女「このアホみたいな顔の悪魔が操ってたんだよ」

悪魔「ナンダト?アホトハナンダアホトハ!」

魔女「うるさい、業火炎強化版」

悪魔「あg……」ジュッ

魔法使い「あ、あら?私はいったい?」

魔女「あぁ、眠たい」

魔法使い「そうだわ、私は悪魔と戦ってて……乗り移られたんだったわ」

魔女「よっこいしょ、勇者君重たい」

魔法使い「あなたが助けてくれたのね、私、危うくみんなを殺してしまうところだった」

魔女「テレポテーション」

魔法使い「あ、待って下さい!」

魔法使い「……行っちゃいました」

勇者「うーん……あぁ、宿屋か」

勇者「まったく、魔女さんはなんで僕にお酒なんて飲ませたんだ」

勇者「うー、頭痛いな、みずのもう」

勇者「あー、二日酔いってこんな感覚か」

勇者(とりあえず起きなくちゃいけないな)

勇者「あぁ、よいしょっっと……?」

勇者「何だろう?柔らかい……枕かな?」

魔女「ん……んにゃあ……」

勇者「!?」

勇者(とりあえず整理しよう)

勇者(まず、今俺が触っているのは魔女さんのアレだ)

勇者(その次に、なぜか魔女さんは裸同然の格好だ)

勇者(そして、昨日の夜の記憶を思い出していくと……)

魔女『勇者君……もうちょ……てね』

勇者(ダメだ、思い出せない、途切れ途切れだ)

魔女「う…ん……あ、勇者君、おはよう」

勇者「!?」

魔女「あれ?勇者君どうしたんだい?そんなに頭を地面にめりこませて」

勇者「すいません魔女さん、昨日何があったのか教えていただけませんでしょうか」

魔女「うん?まぁいいけど……でも、色々あったしなぁ」

魔女「そうだ、特製魔法!追体験!」

勇者「うわぁ!な、なんだ?」

魔女「えっとね、簡単に説明すると……もう一回同じことがみれちゃう魔法だよ」

勇者「そうか……」

魔女「干渉は出来ないからね」

勇者「……そうか」

魔女「じゃあ、僕は後もうちょっと寝るからね、終わったら起こしてね」

魔法使い『ぐ、グオオォォォ……ワレガニンゲンゴトキニィ……』

勇者(まぁ、ここは知ってるな)

魔女『まぁまぁきにしないきにしない!のもぉぜ!』

勇者(ここも知ってる、この後だな)

魔女『ほら、勇者君、飲みなよ』

勇者『あ、え、えっと、じゃあ、ミルクで』

魔女『もう、面白くないなぁ』

魔女『……そうだ!アレ何!?』

勇者『え、な、なに?』

魔女『よいしょ、ごめんね、見間違えだったよ』

勇者『何だったんだ?一体……うっ!』

魔女『ちょ、勇者君!?どうしたんだい?そんなに顔面蒼白で』

勇者「……」バタン

魔女『……いたずらが過ぎたか』

勇者(これが原因か)

魔女『ふぅ、テレポテーションも結構疲れるね』

勇者『う、ううぅ……』

魔女『あぁ、おぶって帰らなくちゃいけないのか』

勇者『う、はきそう……』

魔女『え、えぇ!?ちょっと、ちょっとまって!』

ーしばらくお待ちくださいー

勇者(あぁ、俺吐いたのか)

魔女『まったく、吐くまで飲むなんてやっちゃいけないことだよ』

勇者(あなたのせいな気がするんですが)

魔女『ローブが汚れちゃったよ、仕方ない、水流』

魔女『続いて熱風……あれ?熱風!あぁ、だめだでない』

勇者(だから魔女さんはあの格好だったのか)

魔女『仕方ない、干しておこう……zzz』

勇者(寝るの早っ!)

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