男「幼馴染との距離」 (71)

TV<6/24、朝のニュースです。先日の豪雨で亡くなった少年の……

男「」ポケー

男母「男ー、早く行かないと遅刻するわよー」

男「……もうそんな時間か、行ってきます!」ガチャ

男「おっ、ラッキー! ちょうどエレベーターが降りてきてんじゃん」ポチッ

ウィーン、ガラッ

幼馴染「……おはよう」

男「……おはよ」

初めて書いてやつが出てきたので暇つぶしにあげていきます

以前ここであげたもの↓
探偵「女子トイレ盗撮事件?」助手「はい!」
探偵「私物連続盗撮事件?」助手「はい!」

支援


幼「……」

男「……」

男(同じマンションに住んでる俺と幼は、いわゆる幼馴染だ)テクテク

男(高校も同じだが、フィクションみたいに毎朝一緒に登下校したりするなんてことはな

い)テクテク

男(普通の友達程度の関係だ。むしろお互いの距離が近すぎてちょっとギクシャクしてる

くらい)テクテク

男(まあ、たまにこうして偶然一緒に登校することくらいはあるが)テクテク

友「おーっす、男、幼さん!」


幼「おはよう友君」

男「おっす、今日は遅刻しないみたいだな」

友「いつも遅刻してるみたいに言うなよー!」

男「違うのか?」

友「4日に……、いや3……、2日? あぁ、わかった。1週間に4回程度だろ」

男「世間ではそういうのを常習犯と言うらしいぞ?」

友「なん……だと……?」

>>3
ありがとうございます!

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@2-Bの教室

友「男ー、そういや今朝は珍しく幼さんと一緒に来てたけどさ、ひょっとして……」

男「違ぇよ。いつも言ってるだろ? 俺と幼はそんな関k」キーンコーンカーンコーン

男「……とにかく、この話は終わりだ」

友「……」

担任「おら席着けー! HR始めんぞー」ガララ

担任「おぉうっ!? 友どうした? 昨日は学校に止まったのか?」ガタンッ

友「もうヤダこの扱いっ!」ブワッ


担任「そんなに嫌ならちゃんと学校に来い!」

友「え?」

担任「え?」

クラスメイツ『え?』

友「え?」

>>9
フォルダ整理してたら初めて書いたやつを見つけただけなので期待はしない方がいいかもww

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@体育、水泳の授業

友「あー、俺泳ぐのって苦手なんだよなぁ」

男「さいですか」

友「いいよな男は。泳ぐのすげーうまいもんな」

男「誰だってスイミングスクールに通ってたことがありゃこんなもんだろ」ピョン、ザバーン

バシャバシャバシャッ!


モブ「帰宅部のわりに男は速ぇな」
モブ「水泳部もうちのクラスが一番多いし、水泳大会はもらったな!」ワイワイ

友「ったく、小学校のころに通ってただけでそのレベルは普通じゃないぞ」

水泳部員A「なぁあいつ……」
水泳B「あぁ、俺たちよりちょっと遅いくらいか?」
水泳C「だよなー、さすがに俺らより速いことはないよな!」

友(お前らの十分の一も練習してないけどな)

友「…………。このままでくすぶってていいのか? 男……」

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@放課後、昇降口

男「友ー、早く帰ろうぜ」

友「へいへい、ちょっと待ちな」

男「……お前朝も遅けりゃ放課後も遅いのな」

友「エ、ナニ? そのネタまだ引っ張るの!? 泣くよ!? 俺マジ泣きするよ!?」

男「」テクテク

友「無視!? うわーん、待ってよ男ーぅ!」ダダダ


男「やっと来たか」

友「まさかの確信犯キタ!」

男「友、お前ちょっとうるさいぞ?」

友「ごめん、友黙る……(´・ω・`) 」ショボーン

男「……」テクテク

友「……」テクテク

男「……」テクテク


友「………………あれ? なぁなぁ」

男「誰が口を開いていいと言った?」

友「俺と男ってそういう力関係だったの!? しゃべるくらい許してよ!」

男「仕方ないな、許可してやろう」

友「ほんとに? やったぁ!」ワーイ

男「早くしろ」

友「友早くしゃべる……。なぁ、あれって幼さんだよな?」m9

幼 テクテク


男「……よく見えたな」

友「視力2.4ですからっ!!」エッヘン

男「その視力であれが幼じゃなくてブス子に見えるというなら驚きだな」

友「男の辞書には褒めるという言葉はないの!?」

男「あるよ。友に使う褒め言葉はないけど」

友「oh...」orz

男「で? それがどうしたんだ?」

友「別に仲が悪いって訳じゃないし、マンション一緒なんだから幼さんとも一緒に帰れば

? 的な?」オレッテトモダチオモイ


男「別に仲が良いって訳じゃないし、必要ないだろ」イラッ

友「俺は、お前と幼さんがいつまでもそんな調子なのが見てられないんだよ!」

男「その話は終わりだって今朝言っただろ!? それに俺と幼はそんな関係に……」

友「『そんな関係"には"なれない』だろ? わかってるよ」

男「わかってるなら何度も言わせるな」

友「……お前ら、まだ親友のこと引きずってるのか?」

男「っ!?」ピクッ


男「そうだよ! 悪いか!?」

友「それじゃ親友も浮かばれないだろうが」

男「……っ! お前に、何がわかるんだよ!」ダッ!

友「ちょ、男!」

友「……」

前作から読むべきなのだろうか
期待

>>20
ありがとうございます!
これは前作全く関係ないです
気が向いたときにでも読んでいただければ嬉しいです

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俺と幼は海沿市のとあるマンションで生まれた幼馴染だ

そして、俺たちにはもう一人幼馴染がいた

……幼から見たら俺が"もう一人"の方だったのだろうが

そいつの名前は親友

親友はすぐ近所の一軒家に住んでいた

物心ついたころには俺たちは常に一緒だった

同じスイミングスクールに通い、一緒にキャンプに行ってBBQをして……

家族ぐるみで付き合いがあったため、まさしく"常に"だ


例えるなら俺たちは正三角形だった

他の2人との距離はみんな等しい、……そんな感じ

でもあるときから、正三角形のある一辺の距離がぐっと縮まった

俺が気付こうとしなかっただけで本当はそのずっと前から少しずつ縮まっていたのかもし

れないが

中学に入った頃から幼と親友が付き合い始めた

徐々に2人の距離は縮まって、俺はあいつらの間に入るのが気まずくなり、あいつらから

離れていった

そんな風にして、正三角形は壊れていった

そして、あの日が来ることになった...

~~~~~~回想~~~~~~
@中2の夏休み

男「ちっ、このくそ暑いのに友の野郎、どこに行こうってんだよ」

男「マンションのエントランスを出ただけでこの暑さ、文化系部活所属の俺には厳しいな

。……あれは幼と親友?」

幼「ごめんねー! 待った?」タッタッタッ

親友「ちょうど今来たとこ」テヲフリフリ

男「……あいつら海にでも泳ぎに行くのかな、夏だし」

親友「ん? おーい、男ー」ニカッ

男(ちっ、気付かれたか。気まずいな)


男「暑いのによく出かけるな。インドア派の俺と違って水泳部のエース様は流石だな」

親友「男だってその気になりゃ……」

男「その気にならないから今こんな生活なんだろ。それにその気になったって親友には勝
てやしねぇよ」

親友「そんなこと……」

幼「そんなことあるわよ、親友。男は親友と違って根性がないのよ、根性が」

男「余計な御世話だっての。……友を待たせてるんだ、俺は行くよ。せいぜい楽しんでこ
いよ、じゃあな」


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@その日の夕暮時

男「ただいまー」ガチャ

男母「男! 今までどこにいたの!?」

男「なんだよ、まだそんな時間じゃないだろ? それにそう思うなら携帯買ってくれよ」

男母「冗談言ってる場合じゃないわよ!! 親友君がっ、親友君がっ!!」

男「親友なら幼と一緒に海に……」

男母「だからっ、その海でっ!!!」

男「?」

男母「溺れて……、亡くなった、って…………っ」ポロポロッ

男「はぁっ!? 冗談はよせよ!! 親友は自由形の県内記録保持者なんだぞっ!!? 溺
れるわけ……っ!」

男母「沖に流された子供を助けようとして……。とにかく、病院に行くわよ!」

男「嘘、だよな……? 親友……」


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@病院、霊安室

親友母「男君、来てくれたのね……。ありがとう。……親友に会ってあげて」グスッグスッ

男「親友……」ガチャ

幼「うっ、うぅっ……」ポロポロ

男「親友……」

親友「」

幼「沖に流された男の子はね……っ、ひっく、助かったって……」ポロポロ

幼「助けてくれてありがとう、って言ってたって、レスキュー隊の人が……」ヒック


男「なんで助けにいったんだよ……。見ず知らずのガキなんかをなんで……っ!」ポロポロッ

幼「やめてよ……。本当なら死んじゃってた男の子が助かったんだよ……? 親友を責め

ないであげて?」ポロポロ

男「くそ! くそっ!」ポロポロ

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俺には親友は眩しすぎた

「一生親友には敵わない」

そんな思いだけが渦巻いて、

親友の偉業に向き合えたオトナな幼と、

親友の死を認められなかったガキな俺と、

越えられない壁があるような気がして、

俺は幼との距離をさらに開いてしまった

――あの日以来、正三角形は、長い長い一本の線分になった

~~~~~回想・終~~~~~


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@夜の町

男(俺はいったい、どうしたいんだ……)トボトボ

男(関係ない友に八つ当たりして……、あの時から何も変わってない)

DQN女「イケメン君、ホンット無敵だねー」
イケメン「当然だろ? 200m自由形で俺が負けるわけないだろ?」
DQN女「キャーッ! カッコイー!」

男(ちっ、うるせえな)イラッ


取り巻きの男「そういやお前中学の時に負けてなかったっけー? 確か親友とかいう……」
イケメン「……あ? 俺が負けただと?」
DQN女「イケメン君?」

男(……あいつら今、親友って)ピクッ

イケメン「ふざけんな! あんなザコ、もう一回泳いだら俺が勝ってたっての!」
取り巻き「わ、悪い! そうだよな、お前が負けるわけねぇよな!」
イケメン「当たり前だ! あのカス野郎、確か海で溺れて死んだとか聞いたな。ハハッ、ざまぁねぇぜ!」ハハハ

男「……ザコ? カス?」

男「おい! お前ら!」ガッ


イケメン「いきなり肩掴んできやがって、なんなんだテメェ?」

男「親友のことなんて言った!?」

男「 訂 正 し ろ っ !!!」

イケメン「誰だか知らねぇけど、こっちはむしゃくしゃしてんだよ。どけっ!!」バキッ

男「うぐ……っ」

イケメン「これ以上やって出場停止になっちゃ困るからな。取り巻き! あとは好きにしていいぞ」


DQN女「なにコイツー、キモ」キャハハ

取り巻き「へへへっ。そういうことだから暇つぶしに付き合ってくれよ」ニヤニヤ

男「くそっ、訂正しろ!」

取り巻き「うるせぇ! こっちに来い!」グイ

バキッ、ドゴッ、バキッ!

    「 訂 正 し ろ …… っ!!」


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@マンション近くの公園

友「やっと見つけた! 男! ……っ!? どうしたその顔!」

男「友……、俺、水泳部に入る」

友「なんだよ、急に?」

男「何もかも、今更じゃ間に合わないかもしれないけどさ、いつのまにか俺は親友がしたことを誇りに思ってたみたいだ」

男「それを馬鹿にされて腹が立ったんだ」

友「……そうか。俺は応援するよ」

友「男なら、いや、男しか親友を越えられるやつはいない。そう信じてるからな」エヘンッ

男「……サンキュー」

幼(……)コソッ


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@数週間後、放課後、廊下

友「今日も部活か?」

男「あぁ、悪いな。うちの弱小水泳部の部員には追いつけてもあいつにはまだまだ追いつけないからな」

友「そんなにすごいのか? イケメンってやつは」

男「いけすかない奴だけど、実力は本物だ」

友「そうか。頑張れよ」

男「おぅ! じゃあな」タッタッタッ


友「じゃーなー」ノシ

友「……」

友「出てきなよ、幼さん」

幼「……」スッ

友「あの日から、男は一歩踏み出したよ? 遅くなったけど、大きな一歩を」

幼「……うん」


友「幼さんもそろそろ前に進んだら?」

幼「……」

友「俺に言えるのはここまでかな。じゃあね」ノシ

幼「親友……。私はもう、許していいのかな……」

幼「あの時一緒に助けに行けなかった、一歩踏み出せなかった自分を」

幼「どうすればいいのかわからないよ、親友……」


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@3学期、終業式の日

友「いやー、とうとうなっちまうね、最上級生」

男「そうだな」

友「最後なんだよな。体育祭も文化祭も球技大会も。……マラソン大会は別にいいけども」

友「そして、高校総体も次で最後」

男「……あぁ」

友「感慨深いなぁー! 男ともあと1年しか一緒にいられないなんて寂しいよぅ!」ダキツキ

男「は・な・せっ! ……ん? あれは幼か?」


友「ってホントだ。 よく見えたなぁ」

男「誰かと話してるみたいだな」

友「行ってみようぜ」グイグイ

男「ちょっ、おい!」

友「おーい、幼さーん!」

幼「友君に男……」

美人なおばさん「あら、お友達?」


幼「はい。幼馴染とその友達です」

おばさん「……そう、彼も幼馴染なんだ」

男(この人、急に表情が暗く……。それに『彼"も"』……?)

友(幼さん……『幼馴染の友達』って……。俺は直接の友達とは思われていないのね……)ズーン

おばさん「邪魔しちゃ悪いし、私たちは行くわね」

おばさん「……本当にありがとうございました。そして、ごめんなさい……」フカブカ

おばさん「行くわよ、男の子」

男の子「ばいばーい」フリフリ


男「……あの子が?」

幼「……うん。大きくなったなぁ」グス

友「……幸せいっぱい、って顔してたな」

男「あぁ。やっぱり、親友は間違ってなかったんだ」

友「全く、お前らの幼馴染はすごいやつだよ……」

幼「うん……。自慢の、幼馴染だよ……」

男「……絶対に、勝つ。親友のためにも、……あの子のためにも」


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@春休み、市営プール

男「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」バシャバシャバシャ

男(ダメだ、こんなんじゃ全然イケメンには勝てない……)

男(フォームも体力も全盛期はとっくに超えてるのに)

「男」


男「え? 幼?」

幼「本当にまた水泳を始めたのね」

男「あぁ……、まぁな」ポリポリ

幼「本気でやってるの?」

男「……もちろん」

幼「……誰のために?」

男「…………。ホント、誰のためにやってんだろうな」

幼「?」


男「きっかけは親友のためだったんだ」

男「親友の勇気を馬鹿にされてさ。でもそれだって俺の友達を馬鹿にされて俺が傷つくのが嫌なだけかもしれない」

男「俺よりも速かった親友は、イケメンなんかに負けたりしないって証明したいのかもしれない」

男「ホントの事はわからない。……まだ、な」

幼「……」

男「でも、こうするべき、いや、こうしなきゃいけない気がするんだ」

幼「……そう。答えがわかったら教えてほしいな」

男「イケメンに勝てたらきっとわかると思うんだ。だから……、その時まで待ってくれ」

幼「……うん」

幼「ずっと、待ってるよ」


男「ありがとう。……じゃあ俺はもうひと泳ぎするから」

幼(男は前に進んだ。私も踏み出さないと。あの日あの時踏み出す事ができなかった一歩を)

幼「男っ!」

男「うわ! 急に大声出してどうしたんだ?」

幼「ペース配分!」

男「?」

幼「あの日、親友が言ってた。『男は焦りすぎ、もっと我慢すれば記録は見違えると思う』って」

男「っ! そうか……、ペース配分か。サンキュー!!」

幼(これでいいんだよね、親友?)


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@関東大会前日

友「いよいよ明日だな」

男「あぁ。イケメンを負かす最初で最後のチャンスだ」

友「応援行くからな」ニカッ

男「……いつもサンキューな」ボソ

友「なんか言ったか?」キョトン

男「な、なんでもねぇよ!!」カァーッ

友「ナニコレ? デレ期?」ニヤニヤ

男「う、うるさいな!」


友「罵倒にキレがないぜ? ……緊張してんのか?」

男「当然だろ。一発勝負で相手は格上のイケメン。正直言って望み薄だ」

友「そうか。そんな緊張しーな男クンにありがたーい言葉を授けてやろう」

男「いや、別にいいです……」ヒキ

友「敬語やめて! 傷つく!」

友「なんで自分が緊張してるかわかってるか?」

男「そりゃ、親友のために是が非でも勝たなきゃならないから……」


友「建前は、な」

友「いつまでも気付かないようだから教えてやる。お前は負けられないから緊張してるんだ」

男「だからそう言っただろ。何言ってんだ?」

友「違う。幼さんの前で負けられないからって言ってるんだよ」

友「お前はいつだって幼さんを、俺よりも早く見つけてただろ」

友「水泳始めるって言った日も、言われるより先に気付いてなきゃあんな淡白な反応にはならないだろ」

友「もう認めちまえ。自分がどうしたいか目的がわかれば、やりたいことがわかればモチベーションもパフォーマンスも変わるさ」


男「目的……、やりたいこと……」

(幼『本気でやってるの? 誰のために?』)

男(そうか、俺は最初から……)

男「友、ありがとう」

友「おうよ!」

男「もう迷わない!」


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@関東大会当日、200m自由形決勝前

友「もうすぐだな。怖いか?」

男「そりゃあな。準決勝まで全てタイムは負けてるからな」

友「フッフッフ! そんなお前に朗報だ」キリッ

友「見たところイケメンはお前より背が低い。……んで阪神の藤浪のように特別腕が長いわけでもないし、男も腕は短くない」

男「それが?」

友「お前はイケメンの隣のレーンだよな? つまり、フィニッシュ寸前に頭が同じ位置にありゃ順当に考えてお前の勝ちだ」


友「つまり大きくリードする必要はない。追い抜く必要はない。並べばお前の勝ちなんだ」

友「……だから、気負うなよ?」

男「そう簡単に言うなよ……。あいつに並ぶのがどれだけ……、まぁいいか。友に文句言ってもしょうがねぇ」ハァ…

アナウンス『男子200m自由形決勝に出場する選手は…………』

男「召集かかったか。いってくる」

友「負けんなよ」ニッ

男「」b


--------------------------
@スタート台

男(これで最後、か。幼は……、いない、な)

男(友が手振ってるのが見える。あいつには世話になったな)

男(隣のイケメンは流石の貫録だ。俺はこんななのにな)ヒザガクガク

イケメン「大丈夫かい? もっとリラックスしていいんじゃないかな」

男「そりゃどーも」

イケメン「どうせ勝つは俺なんだからさ! ハハハッ」

イケメン「ところで君はどこかで会ったことあるかな? なんだか見覚えが……」


男「……ないんじゃないすか?」

男(自分に最も近いタイムを出した奴に『君』ね。俺は眼中にないってか?)

スタート係「ピピー! 位置について……!」

ブザー<ピー!

男「ッ!」ピョン

男(くそ! 流石にイケメンの野郎が速ぇ!)

男(だけど前に出なくていいんだ! 我慢だ、並ぶだけでいい!)


<50mターン>
イケメン
強モブ

・・・


友「よし! まだ全然離されてない! この差なら射程圏内だ!」グッ!

男(まだだ! まだ我慢だ! 信じるぜ? 親友!!)


<100mターン>
イケメン
強モブ

・・・


友「順位は変わらず、か。だけど男のタイムは縮まってる!」

男(半分切った! 徐々に出してくぞ!)


<150mターン>
イケメン

追い上げ型モブ
・・・


友「よっし! あとはイケメンだけだ! やっちまえ、男ぉ!!」

DQN女達「キャー! イケメンくーん!!」

男(前へ、前へ、前へぇぇぇ!!!)


<残り40m>


友「ぐっ! なかなか縮まらない……! 男、頑張れ!」


<残り25m>


男(あと少し! あと少しだ! 最後まで信じぬくぜ、親友!)


<残り15m>


友「このペースだと間に合うか間に合わないか微妙だ……。出し切れぇぇぇぇっ!!!」

男(体が、限界だ……。減速してるのがわかる……)

男(もうダメなのか……?)プハッ


男(っ! 今、息継ぎの時、幼がいたような……)

幼「勝って、男ぉぉぉぉぉぉ!!」

   『おい男ー、幼を泣かせるなよ?』ニッ

男(!!!!!)ググッ!!

イケメン(こいつ!! 勝つのは俺だ!!!)

壁タッチ

友「い、今のって……」

幼「今あの2人、完全に……」


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@7年後

「聞こえてるか? 俺たち結婚することになったんだ」

「……許して、くれるよね?」

「安心してくれ。あの時の言葉は忘れてないからさ」

「いつか俺たちがそっちに逝ったら、酒でも飲みながら昔みたいにさ……」





   『……俺、答えがわかったよ』

   『俺が水泳をまた始めたのは……』

   『昔みたいに幼馴染達と一緒に、笑ってすごしたかったから……』

   『だから俺は、また水泳を始めたんだ』

以上で終了です
お目汚し失礼しました

書き溜めてあったものを投下する形だったのでペースがはやかったかも……と反省


あとすべての水泳関係者へ
自分水泳未経験なのでレースの描写は適当です、すみません
間違っているところとか見つけてもあたたかい目でスルーしていただけると幸いです

結構良かったよ

>>65
ありがとうございます!

乙!

>>67
お付き合いくださりありがとうございます

乙~

>>69
ありがとうございます!

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