モバP「ストロベリー・オンザ・輝子ケーキ」 (25)

遅れに遅れたけど誕生日SSなんです
次から投下

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6月7日 早朝 事務所



星輝子(15)「……き、昨日の誕生日は楽しかったな」

輝子「ユニットの皆やプロデューサー達に祝ってもらえて……こ、これがリア充ってヤツか……フヒヒ」

輝子「しかし……楽しみはまだ残っている」


ガチャッ


輝子「フフ……た、食べきれなかったケーキの残りが冷蔵庫にある」


ガサゴソ


輝子「そ、そしてありすちゃんが皆に自由に食べてもらう為にと持ってきたイチゴも隣にある」

輝子「どちらも最後の一つ……この二つを合わせることで私はもう一度楽しむことができる……フフ、我ながらなんという説明口調」



パカッ


輝子「ヒィッヤッハァーー!! さすがイチゴマスターありす厳選のイチゴは輝きが違うな!!」

輝子「おっと……お、思わずよだれが……フフフ」

輝子「そ、それじゃあ、感謝の気持ちを込めて……いただきま――」



ガチャッ



大槻唯(17)「どもども~! こんちゃーっす☆」


輝子「ッ!!?」ビクッッ



ポロッッ


輝子「あっ」

唯「この時間は誰かいないかな~っと?」



輝子「ノ……」

輝子「ノォォォーーーー!! マイストロベリーーー!!」



唯「わっっ!?」


輝子「ノォォ……マイ、ストロベリィィィ………オォォォォ」

唯「えーっと……輝子ちゃん?」

輝子「フヒッ!?」

唯「何だか大きな声だしてたけど、どったの?」

輝子「な、なんでもない……フヒヒ」

唯「えー? あんなに大きな声だしてなんにもないってことは……あっ!」



床に無残に転がるありストロベリー「」



唯「も、もしかしてゆいが急に入ったからビックリして落としちゃった?」

輝子「そ、そんなことは……ない……デス、ヨ」


唯「……」

輝子「……」

唯「輝子ちゃんごめんっっ! ゆい、このとぉーーりっ!!」ズサァァァ

輝子「ス、スライディング土下座までしなくても、べ、別に唯さんのせいじゃない……」

唯「でも……」

輝子「も、もともと転がしてから食べるのが星家流だから」

唯「……それは流石にウソでしょー?」

輝子「ウ、ウソじゃない……」

唯「じぃぃ~~……?」

輝子「フ、フヒヒ……」



唯「……本当にごめんね。ゆい、ケーキ代べんしょーするから!」


輝子「そこまでしなくても……と、というか落ちたのはイチゴだけでケーキは別に」

唯「ううん……ゆいは楽しみにしてたって気持ち自体を台なしにしちゃったんだからその責任は全部とらないと!」

輝子(ゆ、唯さん……激しい人だな……)

唯「ひとまずケーキとイチゴを片付けて……いこっ、輝子ちゃん!」

輝子「い、行くってどこに……?」



唯「もちろん、ケーキ屋さんに!」



市内 ケーキ屋



唯「とうちゃーーく☆」

輝子「ゼェ……つ、疲れた……唯さん、ハァ……あ、足速いな」

唯「ホラホラ輝子ちゃん! いっぱいケーキあるよ! どれがいい?」


相川千夏(23)「あら? 唯ちゃん……それに輝子ちゃん?」
http://i.imgur.com/x90SM2z.jpg


唯「あっ! ちなったんちぃーっす☆」

輝子「こ、こんにちは」

千夏「二人ともこんにちは。今日は仲良くお買い物かしら?」

唯「あのねちなったん。ゆい、輝子ちゃんのお誕生日ケーキのイチゴ落としちゃって……だから代わりのケーキを一緒に買いにきたんだ!」

千夏「そうだったの……それなら私が一緒に購入しましょうか? 丁度私用で買いに来たところだもの」

唯「こういうのはゆい自身の誠意が必要だから、気持ちだけ受け取っとくね☆」

千夏「それは無粋な事を言ってしまったわね。分かったわ」

唯「うん! それじゃあ選ぼっか輝子ちゃん。ゆいはこっちから見てるねー☆」


輝子「げ、元気だな唯さん……」

千夏「お疲れ様、輝子ちゃん。そして一日遅れだけどお誕生日おめでとう」

輝子「フヒ……あ、ありがとう」

千夏「本当なら私も一緒にお祝いしたい所だけれど、あいにくこの後用事があるの。だからまた後日にケーキとは別の物を贈らせて頂くわ」

輝子「べ、別に……気を使わなくても」

千夏「あら、別に気を使っているわけじゃないわ。ただ、私が輝子ちゃんともっと仲良くなりたいから贈るの」

輝子「もっと、仲良く……?」


千夏「私たちのプロダクションは人が多いから……」

千夏「互いに会話くらいはしたことがあっても更に深くまで話しあう機会って、全員が全員に対してあるわけでは中々ないでしょう?」

輝子「た、確かに……」

千夏「現に、私や唯ちゃんと輝子ちゃんがそうだもの」

千夏「とは言え唯ちゃんの様な誰とでも全速力で接する子だと、その辺りの感覚はまた別かもしれないけれどもね」

輝子「……」

千夏「だからこういう時をきっかけにもっと仲良くなれるようにって、私はそう思うのよ」

千夏「もっともっと様々な人達と……もちろん輝子ちゃんとも、ね?」

輝子「フ、フヒッ……そ、それじゃあ千夏さんのセンスあるプレゼントに期待してる……な、なんちゃって」

千夏「どうせならお揃いの眼鏡にでもしてみる? もちろん輝子ちゃんの方は伊達眼鏡になるけれど」

輝子「お、お揃い……な、なんだか照れくさい響き、だな」

千夏「ふふっ♪」


唯「輝子ちゃんこっちこっちー!」

千夏「ほら、唯ちゃんが呼んでいるわ。行ってらっしゃい輝子ちゃん」

輝子「う、うん」



タッタッタ



唯「ほらコレ! キノコケーキだって!」

輝子「!!? キノコケーキ!?」




―――
――



事務所


唯「それじゃ輝子ちゃん! 一日遅れだけどお誕生日おめでとっ☆」

輝子「あ、ありがとう」

唯「それにしてもこのケーキ面白いね! ケーキにちっちゃなキノコとイチゴが乗ってるなんて!」

輝子「パ、パティシェに賛辞を贈りたい逸品だ……フフフ」

唯「ところで輝子ちゃん。残ってた方のケーキほんとにゆいが食べてもいーの?」

輝子「う、うん。あんまりいっぱい食べても……ふ、太るから」

唯「輝子ちゃん乙女だじぇ☆ じゃ、いただきまーす!」

輝子「い、いただきます」


パクパク

モグモグ


唯「ん~~♪ フワフワでおいしい!」

輝子「うん……美味しい」


唯「帰りも走ってきたから、疲れた体に染みわたるね☆」

輝子「ゆ、唯さん」

唯「ん? どったの?」

輝子「フヒ……ちょっと、く、口開けてくれるか?」

唯「おくち? あーん……こーでいーい?」


ヒョイッ


唯「んにゅっ」


輝子「プ、プレゼント……」

唯「もきゅもきゅ……ごくっ!」


唯「これ、イチゴ? せっかく買いなおしてきたのにどーして?」

輝子「き、気持ちをもう貰ったから……だからそのイチゴは、これからもっと唯さんと仲良くなれるようにって、わ、私からのプレゼント……」

唯「……輝子ちゃん」

輝子「フ、フヒ……で、でもキノコの方はあげられない、よ」




唯「――輝子ちゃんありがとーーーー!!!!」ダキッ

輝子「ヒャアーーッ!?」


唯「ありがとー輝子ちゃん! こっちのケーキもあげちゃう☆☆」ヒョイヒョイ

輝子「モガモガ……ッ!?」

唯「輝子ちゃんかわゆい! 志希にゃん直伝のハスハスしちゃうよ☆ ハスハスハスハス!」

輝子「ゆ、唯さん……そ、そんなにひっつかれると暑い……」

唯「ゆいもこれからもーっと輝子ちゃんとも仲良くなりたいから、プレゼント!」

唯「いっぱいお菓子持ってるんだ! キャンディーもあるしガムもあるしチョコもあるぜいっ☆」

輝子「あ、ありがとう……フヒヒ」

唯「さぁ食べて食べて!」

輝子「い、今すぐは食べたばかりだからむぅーりぃー……」


唯「それじゃあお腹すくまでじゃんじゃん遊んじゃおっ☆ 輝子ちゃん何がしたい?」

輝子「ゆ、唯さんの好きなことで、いいよ」

唯「ゆいが決めちゃうの? 輝子ちゃんのお祝いなのに?」

輝子「い、いいんだそれで……フヒヒッ」

唯「そうゆーなら分かった! えっと、それじゃあ――」



―――
――



・・・・・・・・・・

・・・・・


夜 輝子自宅



輝子「きょ、今日は一日色々あったな」

輝子「でも、楽しかった……けど、とりあえず疲れた……」


パタッ


輝子「た、ただいま親友。今日も留守番、ご苦労様」

輝子「……あ、明日に備えて今日はもう寝よう」

輝子「で、でもそのまえに……」


ガサゴソ


輝子「貰ったお菓子、最後に残ってるの食べておこう」



パリッ



輝子「……」モグモグ



ポリッ



輝子「……」モグモグ




輝子「フフ……な、何度も食べたことがある市販のチョコなのに、今日はいつも以上に美味しく感じるのはどうしてだろう……なぁ、親友?」

http://i.imgur.com/pewnKve.jpg

おわり
誕生日SSは前後半年はロスタイムと聞いて、約ニ週間ほど遅れだけどおめでとう
ありすちゃん出せなかったのとイチゴが心残りなのでイチゴ狩り行ってきます

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