モバP「うちのプロダクションが外資に買収された!?」 (448)

ご注意
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
モバPがなりゆきとか安価とか、そこらへんに任せてアイドルと出会っていきます。
適当なところでライブを行って、一応の締めにしたいと思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402811618

ちひろ「社長も外国人に交代だそうですよ!」
モバP(以下P)「でも、自分もちひろさんもクビにならなかったし、何かが変わるんですかね?」
ちひろ「もともと所属アイドルすらいませんでしたしね」
P・ちひろ「HAHAHA!!」
P(そんな零細プロダクションを買収とか、グローバルスタンダードってすげーな)

???「グッドモーニング、エブリワン」
P「はあ。あのーどなたさまで」
ちひろ「見たこともない外人さん……あっもしかして!」
???「イエース、ミーがユー達のニューボスデース」

ちひろ「どうぞ、ジャパニーズ・グリーンティーです」
某外資支社長「ドウモ、プロデューサー=サン。ルーキーのユーには無限のフューチャーがありマス。期待してマース!」
P(要は新米プロデューサーってことだろ。物は言いようだよなぁ)
支社長「それにミス・センカワ。あなたの名声は、海外でもデビルともサタンとも……」
ちひろ「あぁん?」ギロリ
支社長「ゴッデスともエンジェルとも言われるほどデース。ユーとビジネスができて、ミーはハッピーデース!」
ちひろ「そんなー。おだてても何も出ませんよー」テレテレ
P(海外でのちひろさんの評判っていったい……)

P「そ、それで、これからのプロデュース方針なんですが。支社長はどうお考えで?
人まねでは、勝算はないかと」
支社長「フーム……今のジャパニーズアイドルに足りないモノ。
それは……」
P「それは!」

支社長「『伝統あるジャパネスクロマン』デース!!」

P「……は?」

支社長「サムライ! ニンジャ! ゲイシャ! そしてフジヤマ!!
ビューティフルなヒストリーを忘れたアイドルばかりで、ミーは悲しい!!
黒い髪と黒い瞳が恋しい!!」

P「あーこれはもうステレオタイプな日本かぶれの外人さんやでー」
社長「これは本社からの意向でもありマース。
ジャパネスクロマンあふれるアイドルを十分スカウトできなければ、
ミーもユー達も、長くはないでしょう」
ちひろ「全員クビってことですか!? ちょっとプロデューサーさん、がんばってくださいよ!
ドリンクなら、風呂が作れるほどありますから!」
P「既に前提条件だけで、頭が痛いんだよなぁ……」

スカウト条件
・ヤマトナデシコ
・日本伝統の文か武、どちらかに精通していること
・できれば黒髪

P「最後は支社長の好みだとさ」
ちひろ「こじらせてますね……」
P「ある程度頭数を揃えたら、営業やコンサート。
ただ、本社の横槍が気になるよ」
ちひろ「なぁに、お偉いさんには鼻薬をタップリとかがせておきますから」ニヤリ
P「え、なにか言いました?
まあ、いい娘がいたら、多少条件外れてても支社長を説き伏せます。
『これが21世紀のヤマトナデシコだ』てね!」

P「さてさて。実は一人、心当たりがあるんですよ。最近とんと見かけなくなっちゃって。
例の森にこもって修行でもしてるんですかね」
ちひろ「ではその娘は有力候補と。あとは?」
P「…………」
ちひろ「さすがルーキーですわ(嘲笑)」

ちひろ
「早くも候補が挙がってきてますね……

浜口あやめ
水野翠
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美」

「あと、改行は入れるべき、と」

ちひろ

浜口あやめ
水野翠
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美
星輝子
橘ありす


「自分を売る……じゃなくて、自分から売り込んでる小学生っぽい書き込みがあるんだよなぁ」

ちひろ調査中……

浜口あやめ
水野翠
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美
星輝子
橘ありす
道明寺歌鈴
藤原肇
村上巴
小早川紗枝


「ヤマトナデシコのイメージって人それぞれなんですね」

「さすがに、最後には絞り込みになるかもしれないのでご了承くださいね」

ちひろ調査中……

浜口あやめ
水野翠
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美
星輝子
橘ありす
道明寺歌鈴
藤原肇
村上巴
小早川紗枝
佐久間まゆ
大和亜季
丹羽仁美
鷺沢文香
古澤頼子
輿水幸子
塩見周子
キャシー・グラハム
松尾千鶴


「自称・ヤマトナデシコがいますねえ、たまげたなあ」

「もともと和風の娘と、和風を演じたい娘が混じっているのも面白いところです」

P「やって来ました例の森」

ピーチクパーチク

P「花が咲き乱れ、水は綺麗で、生き物がいっぱい。
アイドルが神秘的な雰囲気の写真を撮るには、うってつけの場所だ」

P「……意外とキャンプ場に近いことには目をつぶろう」

P「俺の予感だと、彼女はここで修行に明け暮れてると思うんだよな。
彼女自身はそれで幸せかもしれんが……
プロデューサーとしては何とももったいない!」

キリキリキリ……ヒュッ……タ----ン!!

P「おお、木立に反響する見事な命中音!
向こうから聞こえたな」

???「うーん……
今日はなかなか、真ん中をとらえられないですね。
得体の知れない予感に、心が乱されているせいでしょうか」フウ

P「その予感、大当たりだよ。水野翠さん。
テレビから姿を消して、もう何ヶ月だろうな」

水野翠「プロデューサーの方ですね。
ふふ……残念ですが、今の私はひたすら弓に打ち込みたい。
たとえこのまま、アイドルとしてフェードアウトすることになっても」キリキリキリ

P(また弓を引き始めた……文句なしに綺麗な表情、綺麗な型だ)

翠「最近では暗闇の中で、黒い人形の眉間に命中させることもできるようになってきたんですよ……うふふ」

ニッコリ……タ----ン!!

P「お、おう。その弓技で、人を殺さないうちに聞いてほしい」

翠「ジャ、ジャパネスクロマン?」

P「要は、外人さんが純和風アイドルユニットを見たいってことだ。
日本の何を理解してるか、怪しいけどね」

翠「それで、私に白羽の矢を……
アイドルとしては半分、引退したも同然なのに……」

P「だが!
黒い髪と黒い瞳、すっと伸びた背筋、何時間でも崩れることのない正座。
何より弓に懸ける情熱。
君の心身は古き良き日本を十二分に体現している。
ブランクなんて問題にならないくらいに」

翠「か、買いかぶっていただいても困ります」

P「頼む!
アイドルとしての誇りも捨て去っていないなら、もう一度ステージに!」

翠「……そろそろ、日も暮れます。
足元が明るいうちに、今日のところはお引き取りを」キリッ

P「あの強い眼差しの前に、名刺を渡して撤収するしかなかった。
脈がないわけじゃないと思うが」スゴスゴ


翠「さすがに彼も下山したでしょう。
今日はいろいろありましたね……川の水で、身を清めましょうか」

シュル、パサッ、バシャバシャ

翠「ふう。
最近は暑いから、生まれたままの姿が心地よいです。
おいで、鳥に蝶たち、一緒に歌いましょう」

ピーチクパーチク

翠「~♪~♪~♪
自分で言うのもなんですが、歌の力量は衰えていないはず。
それに、あの人が言っていた『純和風アイドルユニット』という仕事で、
日本人の誇りを示す……」

バシャッ

翠「弓の道を極める前に、ちょっとだけ寄り道してもいいですよね?」ニコッ

ちひろ「で?
自信満々にスカウトしに行ったら、年下の娘の眼光にブルって退散?
とんだ名プロデューサーですね」ハッ

P「だって彼女の弓は、実戦一歩手前なんですよ? どこの流派かと」ピンポーン

ちひろ「どなたでしょうか」

翠『水野、水野翠と申します』

ちひろ「えっ!? とっとにかく中へ、
ってダメだったふりをしてましたねプロデューサー!?」

P「(ニヤリ)よく連絡してくれた」

翠「先日は大変なご無礼を。
今一度、アイドルとして、皆様の心を射抜いてみせます」

P「これからいろんな娘が加入してくると思う。うまくやってくれ」

翠「そうなるとライバルも……いいえ、なんでもありません」カアアッ

シリアルナンバー01 水野翠

愛知県出身の18歳。

弓道部主将とアイドルをかけもち、一時は弓を極めるためにアイドルを
引退したも同然だった。

しかし『純和風アイドルユニット計画』を進めるPに説得され、最初の加入者に。

性格は真面目で温和、それでいて芯が強い、絵に描いたような大和撫子。

ただし、真面目すぎるあまり、とんでもないボケをかまさないか心配である。

ちひろ調査中……

浜口あやめ
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美
星輝子
橘ありす
道明寺歌鈴
藤原肇
村上巴
小早川紗枝
黒川千秋
佐久間まゆ
大和亜季
丹羽仁美
鷺沢文香
古澤頼子
輿水幸子
塩見周子
キャシー・グラハム
松尾千鶴
桃井あずき


「水野さんが加入しました」

ちひろ調査中……

浜口あやめ
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美
星輝子
橘ありす
道明寺歌鈴
藤原肇
村上巴
小早川紗枝
黒川千秋
佐久間まゆ
大和亜季
丹羽仁美
鷺沢文香
古澤頼子
輿水幸子
塩見周子
キャシー・グラハム
松尾千鶴
桃井あずき
奥山沙織
中野有香
水本ゆかり
佐城雪美


「現在二人目執筆中です、お待ちくださいませ」

ヤマトナデシコ七変化は純情愛情過剰に異常
つまり歌詞通りなしぶりんとままゆは外せないですね

日本人は虹彩茶色だけどな

ちひろ調査中……

浜口あやめ
島村卯月
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美
星輝子
橘ありす
道明寺歌鈴
藤原肇
村上巴
小早川紗枝
黒川千秋
佐久間まゆ
大和亜季
丹羽仁美
鷺沢文香
古澤頼子
輿水幸子
塩見周子
キャシー・グラハム
松尾千鶴
桃井あずき
奥山沙織
中野有香
水本ゆかり
佐城雪美
ヘレン
渋谷凛


>>53 小泉今日子の1984年のヒット曲とはたまげたなあ」

>>54 近藤真彦の1988年のヒット曲が頭にあったからね、仕方ないね」

支社長「本社に水野翠=サンの資料を送りましタ。『一応合格』とのことデース」

P「一応!? あの翠がそんなギリギリの評価なんですか!?」

支社長「彼女はトラディッショナルなジャパニーズ・ソングを歌えますカ?
ジャパニーズ・ダンスは?」

P「それは……素質はあるはずですが……」

支社長「我々はユー達に投資しているのデース。
そして、できる限り早く、利益を回収したいのデース。
今すぐ無理と言うナラ、できるようになるためのトレーニングをすべきデハ?」

P「……分かりました。そのための費用は出していただけるんですね?」

支社長「オブコース! 我々にはチヒロ=サンがついてマース!
これ以上頼れる保証はナッシング!」

P「ですよねー!」

P・支社長「女神! 天使! ちひろ!!」

ちひろ「そこまで言われると、悪い気はしませんねー。ほらこれ」

P「ネット上の声を整理してくれてたんですか! いやもう流石ですね。
よっ有能事務員!」

ちひろ「中には自薦ぽいのもいますがね。しかも小学生」

P「ああ、この『橘ありす』って娘ですか?」

ちひろ「名前がありすで小学生、ゲームが好きとか、ちょっと路線違いでは?
事務員のおせっかいですけど」

P「……いや、案外イケるかもしれないですよ」

ちひろ「ええー、本当にそう思いますー?」

P「翠は自然と、大和撫子として育ってきた。
けど、この橘って娘は大和撫子になろうという必死さが伝わってくる。
後は、その思いがどれだけ本気か」

ちひろ「わかりましたわかりました。出張費、ムダにしないでくださいよ」


翠「プロデューサー、行ってらっしゃいませ。どうかお気をつけて」(深々とお辞儀)

P「翠もレッスン頑張れよ。アメリカ本社は思ったより手強い」

翠「はい……ですが、必ず結果を出してみせます!

プロデューサーが、私を信じていただければ」

P「当然! 最初から信じてるさ。じゃ行ってきまーす」

翠「プロデューサー……」

ありす「大丈夫……きっと大丈夫。たとえ大人が相手でも、論破してみせる」ドキドキ

P「やあ、君が例の自己推薦した小学生だね」

ありす「橘……ありすです。小学6年生です。
橘と呼んでください」ペコリ

P(ずいぶん落ち着いた小学生もいたもんだな。しかも親も同伴せずに)


某ファミレスへ移動――

P「橘ちゃん(……呼びにくいな……)、どうしてこの企画に参加したいのかな?」

ありす「証明したいからです。私が、日本人らしい女の子だってこと」キッ

P「それは、今、証明できる?」

ありす「もちろんです。コレで、日本の伝統文化について、いっぱい調べてますから」フンス

P「タブレットか……たとえば?」

ありす「たとえば『日本舞踊』ですが……」カウカクシカジカ

ありすが知識を披露しまくって数分経過――

P「なるほどねー、さすがによく調べてる。
ところで、君は今調べた項目を、どれか実際にやってみたことはある?」

ありす「学校で、日舞の体験教室くらいは」

P「それ、お客さんの前で、自信を持って披露できる? まさに今この瞬間!」

ありす「そ、それは無茶です! そのためにレッスンがあるんじゃないですか!」アセッ

P(まるで今朝の自分を見ているようだ……胃が痛いわ)

P「うちのボスってさ、厳しいんだよ。
伝統文化の即戦力を求めてるんだ。
知ってるかどうかじゃない。できるかどうかだ。
レッスンだって、素人に一から教えるわけじゃない」フウ

P(実はトレーナー達も、レッスン内容は相当悩んでいるらしいけどね。ブラフさー)

ありす「勉強は得意です! 教えてもらえば、どんな仕事だってすぐに!」

P「学校の勉強と仕事は全然違う、と言われたら?」

ありす「……っ! それでも……やりたいんだもん」

ジワッ

ありす「こんな、あ……『ありす』なんて日本人ぽくない名前でも、
中身は大和撫子だって知ってほしいんだもん……」グスッ

P(うわやべえ半ベソ。名前コンプレックスって、本人には重いんだな)

ありす「プロデューサーさんを……論破しなきゃダメなのに……」グスグス

P「そうだな。別に君が泣いたから、お情けでユニットに入れようとは思わない」

ありす「……ですよね……」

P「でも、ウチには君が必要かもしれない。
人から押し付けられたイメージを変えようとする強い気持ち、
その武器として貪欲に取り込む知識、
そして、一人で大の大人と渡り合おうとする肝っ玉」

ありす「それって、もしかして」

P「君みたいな娘が純和風アイドルを目指すのも面白いかもな。
時間は限られてるけど、ついてこれるかい?」

ありす「チャンスをくれるんですね!? あ、ありがとう……ございます……」パアアッ


P「いやー圧迫面接って性に合わないわー。頭が疲れたからさ、なんかデザートでも頼もうぜ」
ありす「さ、賛成です! それじゃこの、イチゴがいっぱい入った……」

P「というわけで二人目、橘ありすちゃんだ。ちなみにこの年の割に、歌唱力は結構あるぞ」

翠「ふふ……私も負けていられませんね」

ありす「うわ、本当に絵に描いたような大和撫子……これは勉強が必要ですね、いろいろと!」


シリアルナンバー02 橘ありす

兵庫県出身の12歳。

タブレットを駆使した情報集め、論戦を得意とするおませな小学6年生。

しかし、自分にとって予想外の攻撃には脆く、歳相応の素顔を見せることも多々ある。

自分の名前に対するコンプレックスは相当で、周囲を見返すために今回の企画に自薦。

歌唱力以外、ほぼゼロから純和風アイドルを目指すことになった。間に合うのか?

ありす「これが……私?」

P「ああ。青地に花柄の着物が、よく似あってるぞ。髪型も結い方を変えてみたしな」

ありす「えへへ……これで私も、大和撫子の仲間入りですね」クルクル

P(鏡の前でニコニコしながら回ってる。かわいいなあ)

ちひろ「……プロデューサー、にやけてますよ。もしかして……」ジトー

P「ロロロ、ロリコンちゃうわ!」

ちひろ「そこまで言ってませんが」

マスタートレーナー「今まで山ほどレッスンプログラムを組んできたが、
今回は特に難しい注文だな」

P「そうなんですか?」

マストレ「伝統芸能の壁は厚いよ。
舞の足運び一つとっても、まず我々トレーナー陣が覚えなければ、
教えられないだろう?」

P「確かに、素人が素人を教えても意味がない」

マストレ「そもそも『純和風アイドル』とは何だ?
君も私も、誰も答えを持っていない。我々もまた、チャレンジャーさ」

P「次のスカウトは、即戦力を狙おうと思います」

ちひろ「野球の話ですか?」

P「そんな風にも聞こえますよね。
ありすの将来性は本社も割と評価してくれたんですが、
またビギナーを入れると、現場が苦しくなりすぎる」

ちひろ「既に、伝統芸能に精通しているアイドルですか。そうなると候補は……」カタカタカタ

P(ホントちひろさん、事務員以上の仕事をしてくれるよなぁ)


鷹富士茄子 趣味:隠し芸

村上巴 趣味:演歌

小早川紗枝 趣味:日本舞踊

松尾千鶴 趣味:書道(パフォーマンス有り)

中野有香 趣味:空手(黒帯)


ちひろ「こんなん出ましたけど~」

P「空手が芸能って……まあよし、この中から」

ちひろ「レス投稿時間のコンマ下一桁で選びましょう」

P「そうですね、時間で……って、俺の意思は無視ですか!」

ちひろ「テーブルはこうなってまーす」

0,1 茄子
2,3 巴
4,5 紗枝
6,7 千鶴
8,9 有香

プロデューサー、どこへ行くのか>>67

2こい

ちひろ「これは……5ですね。日舞が趣味の小早川さんじゃないですか!」

P「順当すぎて、なーんか嫌な予感がするんですが……」

ちひろ「つべこべ言わない! 京都の紗枝はんに会いに、行ってらっしゃい♪」

今日はここまで。
ご協力ありがとうございました。

京都市内・某甘味処――

紗枝「『純和風あいどるゆにっと』どすか。
プロデューサーはんも、酔狂なお人やなあ」クスクス

P(目の前で八つ橋つまんでる和服の娘が、小早川紗枝――今回のターゲットだ。
腰まで伸びた黒髪と、柔和な目つきが、時代劇の姫を思わせるな)

紗枝「あいどるゆうたら、ヒラヒラのお洋服着て、歌って踊るのが定番ちゃいます?」

P「そういうイメージだろうさ、普通は。
でもせっかく日本生まれのアイドル達なんだから、日本らしさをつきつめるのもいいと思ってね」

紗枝「せやなあ。皆で和服着て集まったら、ええ華になるやろなあ~、着付けが難儀そうどすけど」ニッコリ

P(はんなりした顔して、鋭いところを突いてくるじゃないの)

P「衣装だけじゃない。歌や踊りにも、日本の伝統を取り入れたい。やるならとことん、だ」

紗枝「プロデューサーはん……
そのゆにっと、うちにも、ぼんやりと見えてきましたえ。
ほんま楽しそうに舞い踊る、和服娘のゆにっとが」

P「おお!
そこでだ。君を踊りの中心として、ユニットに迎え入れたい」

紗枝「うち、できますやろか。日舞はまだまだ手習いやさかい……」

P「おーっと! 偶然にもさっき土産物屋で、扇子と和傘を買ってきてたんだったー(棒)」

紗枝「もう! プロデューサーはんも、いけずなお人やわあ」

P「本当に嫌なのかねぇ? 流石に店の中じゃ迷惑がかかる。そろそろ出ようか、
そしてお手並み拝見」

そして……よそ者では気づかないような空き地に、紗枝はPを案内した。
まず扇子を、次に傘を手に舞った――

紗枝「お粗末さまどす」ペコリ

P「いやいや。
俺も細かい知識なんざ全然ないけど、引き込まれてしまった。
謙遜は無用だろ」

紗枝「うふふ。今から上手い上手いといわはって、芸人を[ピーーー]気どすか?」

P「そりゃ大丈夫だ。
アイドルは有名になるほど、厳しい言葉も山のようにもらえる。
歌が下手だ、踊りが下手だ、不美人だ、態度が悪い……」

紗枝「うちは平気の平左やさかい、いつも『おおきに』って返すだけどす。
うち、必ずこのゆにっとの真ん中で、舞ってみせますえ」

P(強い子だなあ)

そして……よそ者では気づかないような空き地に、紗枝はPを案内した。
まず扇子を、次に傘を手に舞った――

紗枝「お粗末さまどす」ペコリ

P「いやいや。
俺も細かい知識なんざ全然ないけど、引き込まれてしまった。
謙遜は無用だろ」

紗枝「うふふ。今から上手い上手いといわはって、芸人を殺す気どすか?」

P「そりゃ大丈夫だ。
アイドルは有名になるほど、厳しい言葉も山のようにもらえる。
歌が下手だ、踊りが下手だ、不美人だ、態度が悪い……」

紗枝「うちは平気の平左やさかい、いつも『おおきに』って返すだけどす。
うち、必ずこのゆにっとの真ん中で、舞ってみせますえ」

P(強い子だなあ)

P「ただいまー。無事、3人目をスカウトしてきたぞー」

紗枝「小早川紗枝いいます。よろしゅうお願い申し上げます」

マストレ「日舞の経験者だそうだな! 相談に乗ってもらうこともあるかもしれん、その時はよろしく」


紗枝「ここは挨拶回りも楽でええどすなあ~」テクテク

ありすwithタブレット「あっあの小早川さん聞きたいことが!」タッタッタ

紗枝「なんどす~?」

ありす「和服の……し、し、下着なんですが『コレ』って本当なんですか!?」

紗枝「うふふ。ありすはんにだけ、こっそり教えてあげるさかい……」ヒソヒソ

ありす「……!!!///」ボンッ

シリアルナンバー03 小早川紗枝

京都府出身の15歳。

腰まで伸びた、独特な艶のある黒髪と、柔和な目つきは、時代劇の姫を思わせる。

和服を日頃から着こなし、日舞を得意とすることから、即戦力としてPがスカウト。

常にはんなりした雰囲気を醸し出しているが、意外と気が強くしたたかな面も併せ持つ。

しかし、そちらを表に出すことはない。

また、自分の特徴を活かせる、このユニットのセンターを目指している。

ちなみに、和服の中身も日本伝統である(断言)

ちひろ調査中……

浜口あやめ
島村卯月
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美
星輝子
道明寺歌鈴
藤原肇
村上巴
黒川千秋
佐久間まゆ
大和亜季
丹羽仁美
鷺沢文香
古澤頼子
輿水幸子
塩見周子
キャシー・グラハム
松尾千鶴
桃井あずき
奥山沙織
中野有香
水本ゆかり
佐城雪美
ヘレン
渋谷凛


「橘さんと小早川さんが加入しました。頭数が揃ってきましたよ」

モバP「おや、橘。おはよう」

ありす「……はいてないはいてないはいてない……」

モバP「聞こえてないのかな? ありす――っ」

ありす「はっはいっ! ありすって呼ばないでくださいっ///」ピュー

モバP「何あの反応」


紗枝「では翠はん、例の森の撮影の時も、お洋服の下は?」

翠「ええ。そのようなものを着けないのが自然と思ったので、スタッフには内緒で……うふふ」

紗枝「まあまあ……うふふ」

紗枝(これは肝の据わったお方どすなあ)

ちひろ「次は4人目ですね。
プロデューサーさん?
なんで、ケツの穴から指突っ込まれて、奥歯ガタガタ鳴らしてるような顔してるんですか?」

P「4って数字は縁起が悪いんだよオ――ッ!」

ちひろ「またまたご冗談を。ここはイタリアじゃないんですから」

P「とにかく俺は72があってもスカウトに行かねーぞ!!」

ちひろ「ふ ざ け な い で く だ さ い」

P「アッハイ」


P「次は武闘派を取ろうと思います。派手で力強い動きも、日本伝統の一つですからね」

ちひろ「既にデューク・水野が……ああ遠距離特化型ですか」

P「探してるのはあくまでもアイドルです! ところで武闘派といえば>>77から誰を思い浮かべるか?
>>80! 君の意見を聞こうッ!」

ちひろ「偉そうに……」

P「間違えた! >>81! 君の意見を聞こうッ!」

P「もう>>83様お願いします……」

あやめ

支社長「アイエエエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?」

ちひろ「というわけで浜口あやめちゃん15歳に決定しました。
ありがとうございます!」

P「正直、一度会ってみたいと思ってたんですよ。
NINJAはアメリカ本社の受けも良さそうですしね」

ちひろ「それでは三重県のアイドルに会いに、行ってらっしゃい♪」

ウリウリヤイヤイウォーウーエイエ,ウリウリヤイヤイウォーウーエイエ
日本列島スカウトの旅
一億人分の三重県アイドル

三重県某所・ローカル線停車駅――

P「んー山々が美しい。電車の短さも、逆に風情があっていいねえ」ノビー

P「忍者アイドル、略して忍ドル・浜口あやめ。
単なるコスプレではなく、実際に忍術を修行しているという。
まさか分身? ムササビの術とか?」

あやめ「プロデューサー殿♪」ヒョイッ

P「何イィィッ!?
浜口あやめッ!
俺に気付かれることなく、どうやって背後に回ったというのだッ!
催眠術だとか超スピードだとか(ry」ゴゴゴゴゴ

あやめ「いえ、先ほどから改札口とは正反対の、山の方ばかりご覧になっていたので」

P「ですよねー」

駅近くの公園――

P「やっぱり興味ある?『純和風アイドルユニット』って響き」

あやめ「もちろんですとも!
あやめは忍ドルであると自負しておりますが、
忍ドル仲間が増えればこれほど頼もしいことはありませぬ。
ニンッ!」

P「だよなあ。メンバー全員でくのいち装束とか、みなぎってきた」

あやめ「そして忍ドル同士の活劇!
あやめ、今からその日が楽しみでなりませぬ」

P「確か、和服も着こなせるんだよな」

あやめ「着付けは習っておりますゆえ、心配ご無用」

P「歌は?」

あやめ「うっ……あやめ、音痴ではありませぬが、人並み外れた才は持っておりませぬ」

P「ははは、正直に言ってくれた方がいい」

P(うーん。
順調すぎるくらいに順調だ。
見た目だって、黒髪をお団子にして、綺麗というより可愛い。
キャラは立っていながら協調性もある。
合格だろ常識的に考えて。しかしだな……)チラッ

あやめ「プロデューサー殿?」

P(帰りの電車が来るまで1時間はあるぞコレー!?
もう少し、あやめをいじるのがスカウトの務めってやつだろ)

P「いや……次の質問を考えていたんだ。それは……>>88

Intel入ってる?

P(あやめが生まれる前のCMじゃないですかやだー! でも一応聞いてみよう)

P「なあ、Intel入ってる?」

あやめ「インテルハイッテル? それは何かの呪文でございますか?」

P「いや、あやめが高性能すぎるんで、つい聞いてみたくなった……俺も年とったんだな~」シミジミ

あやめ「???」

P(神は言った。「インテル入ってる」のCMは最近もやっている、と)

P「そ、そうそう。あやめは実際、忍術を使えるのか?」

あやめ「時代劇や小説から学んで、試してはいるのですが……
まだ成果は……」

P「いや、ある意味安心した。
ああいう話だと、くのいちは自分の身体を駆使して男に技をかけたりするんだよな……あ」

あやめ「そ、それは!
わたくしには良い修行相手がいないというか、試す度胸がないというか///」カオマッカ

P「あー本気にするな! 忍ドルがそんなことを試したら、一大スキャンダルになる」

あやめ「さ、さようですね! せめて空蝉の術程度にとどめておかねば」
※服を残して脱出するアレ。あやめの衣装だと大変なことになってヒャッホーイ

P「いや、それも舞台でやらかすなよ」

P(あやめが色仕掛けの研究とか……ちょっと楽しみ、じゃなくて不安だぞ)

P「そんなわけで、4人目のユニットメンバーになった浜口あやめ君だ。
見てのとおり、忍者だぞ忍者」

あやめ「わたくし、浜口あやめと申します。
皆様と切磋琢磨して、さらなる忍ドルの高みを目指しまする。
ニンッ!」

P「せっかくだから、今までのメンバーにも、くのいち装束を用意しておくぞー」ワクワク

翠「こ、これは……弓道着に比べて、なんとも露出度の高い……」

ありす「プロデューサーは小学6年生に、こんな服を着せたいんですね……
ロリコン……」

紗枝「見たこともないおべべどすなぁ。
うち、飛んだり跳ねたりできますやろか~」

P「まあ慣れるって。清楚な和服とのギャップに、お客さん大喜びだ。ねえ支社長?……無視してメールかよ」

支社長『TO:本社
ハマグチ=アヤメはリアルニンジャ。
彼女をスカウトしたプロデューサーは、要人の暗殺や本社へのスパイ行為を
ニンジャ軍団に指示する可能性が微レ存?』

シリアルナンバー04 浜口あやめ

三重県出身の15歳。

忍者+アイドル=忍ドルというポジションを確固たるものにしている。

彼女の参入で、他のメンバーも忍者アクションの練習が必要になった。

くのいち衣装は相当な露出度を誇るが、あやめ本人は礼儀正しく真面目な性格。

自分の立場をよく理解して、仕事に臨むことができるのも美点。

ただ、忍術研究への情熱が、スキャンダルの火種としてくすぶっている。

ちひろ調査中……

島村卯月
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美
星輝子
道明寺歌鈴
藤原肇
村上巴
黒川千秋
佐久間まゆ
大和亜季
丹羽仁美
鷺沢文香
古澤頼子
輿水幸子
塩見周子
キャシー・グラハム
松尾千鶴
桃井あずき
奥山沙織
中野有香
水本ゆかり
佐城雪美
ヘレン
渋谷凛


「浜口さんが加入しました。次の一手は変化球ですか、プロデューサー?」

ちひろ調査中……

島村卯月
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美
星輝子
道明寺歌鈴
藤原肇
村上巴
黒川千秋
佐久間まゆ
大和亜季
丹羽仁美
鷺沢文香
古澤頼子
輿水幸子
塩見周子
キャシー・グラハム
松尾千鶴
桃井あずき
奥山沙織
中野有香
水本ゆかり
佐城雪美
ヘレン
渋谷凛
向井拓海


「まだまだ名前が出てくるものですね」

P「5人目ですね。
最低5人いれば、外でいろいろ活動できると思うんですよ。
本当はまだまだ足りないくらいですけど」

ちひろ「控え選手ゼロの、野球やサッカーチームみたいなもんですからね」

P「で。
今回は『自他共に大和撫子と認めなさそうな娘』をコンセプトに、スカウトしようかと」

ちひろ「つまりこういうことですか? 
『スカウトの目星はついている』……」

P「Exactly(そのとおりでございます)」ペコリ

ちひろ「左で殴るか? 右で殴るか? 当ててみてください」イラッ

P「ちょ」

しばらくお待ちください――

ちひろ「正解は両方でした♪ はいお得なエナドリで強制全回復ですよ♪」

支社長「オーウ、デビル、サタン、チヒーロ」ガクガクブルブル

P「それでは神奈川県に行ってきます……」ヨロヨロ

ウリウリヤイヤイウォーウーエイエ,ウリウリヤイヤイウォーウーエイエ
日本列島スカウトの旅
一億人分の神奈川県アイドル


P「江の島にやって来たぞ。
スカウトの話に背を向けて逃げるチキンじゃねーならヨォー、
既にいるはずだよなー、『アイツ』がヨォー!?」

向井拓海「誰が逃げるかっつーの。
特攻隊長向井拓海、湘南の海を背に只今参上!」ブロロロロキキーーッ

P「さて向井君。
現在我がプロダクションでは『純和風アイドルユニット』の企画真っ最中だ」

拓海「あっそ」

P「所属アイドルは、着物や忍装束を着こなし、
貞淑かつ強い大和撫子の精神を胸に、ファンとのふれあいを――
って聞いてる?」

拓海「アタシと何の関係があるんだよ、その企画?」

P「自分には関係ない……そう思っているんだろう?
周りもそう思っている……違うんだな、そ れ が」
ニヤリ

P「なぜ髪を赤やら黄やら、派手に染めない?
その黒髪の艶は、伸ばしっぱなしのボサボサとは別物だ」

拓海「そ、そりゃ……染めんのは、似合わねーんだよ。
手入れだってしとかなきゃ、ナメられるしよ」

P「次に胸元に巻いた、純白のサラシ!
俺はそこに、はちきれんばかりのジャパネスクロマンを感じ取り、
って急に殴りかかってくるな! 危ない!」

拓海「ジ、ジロジロ見てんじゃねえ!」プルンプルン

P「危ないのはお前のほうだ、アレを見てみろ」ユビサシ

拓海「あぁん? 弓持った女? 100メートルほど先にいるけど……
まさか!?」

翠「プロデューサーさんに手を出したら……狙い撃ちます……」キリキリキリ

P「ウチの最初の所属アイドル、水野翠。
通称『ロックオン・ミズノ』。
この距離から、お前さんの特攻服をバイクに縫い付けることだってできる……らしい」ガクガクブルブル

拓海「マジかよ……大和撫子、ちいっとナメてたぜ」

P「さて、話を続けよう。どうしてサラシを巻くんだ?」

拓海「大事な勝負で、気合入れるために決まってんだろーが。
コレでギュッと締めあげると、腹の底から気合が沸き上がってくるんだよ」

P「いい答えだ!
戦国時代、武士も腹を守るために巻いていた。
祭りで男達が巻いているのも見たことあるだろう?
拓海にもそんな、大和魂が宿っているんだ」

拓海「む……口のうまい奴」

P「そして何より、お前の背中にビッシリと縫い付けられた勇ましい漢字は何だというんだ!
(正直当て字だけど)」

拓海「そ、それは……アタシなりに、カッコいいと思ってるんだよ。
横文字より漢字が」

P「グッド!
俺はお前に、弱い女になってほしいんじゃない!
持っている良さをなくさず、より美しいアイドルになってほしいんだ。その完成形が!」

拓海「完成形が!?」

P「ヤマトナデシコってやつさ!」グッ

拓海「……たく、恥ずかしげもなく、夢みてーなことをペラペラしゃべりやがる」クルッ

P「向井……」

拓海「言いたいことはそれだけか?
アタシは帰るぜ。
帰って……自分なりに考える」ブロロロロ……

ちひろ「来ますかねー向井さん」

P「来るときは、予告もなしにいきなり来る。
来なけりゃ、縁がなかっただけですよ。
それと、俺の話術不足……」

ピンポーンピンポーン、ガンガンガン!!!

ちひろ「うふふ。
顔を見るまでもないようですね」

P「プロデューサー、廃業せずにすみましたよ」


拓海「これから世話になる、向井拓海だ。
このプロダクションで、ヤマトナデシコってやつを磨きにきた。夜露死苦!!」

翠「良かった……あの時、本当に射るようなことにならなくて」

ありす「こ、声が大きくったって、怖くなんかありません!
論理で勝負です!」

紗枝「まあまあ、はんなりいきまひょ♪
それにしても立派な……なんでもあらしまへん」サスサス

あやめ「これは強そうなお方!
わたくしも忍術修行に頑張らねば、ニンッ!」

シリアルナンバー05 向井拓海

神奈川県出身の18歳。

泣く子も黙るバイクチームの特攻隊長だったが、
プロデューサーに言いくるめられてユニット入り。

体力と根性は抜群だが、歌も踊りも経験皆無という極端な素材である。

そして、女らしいことにまったくもって不慣れなので、
今後彼女を襲う羞恥プレイの数々を思うと(笑いすぎて)涙を禁じ得ない。

ちひろ調査中……

島村卯月
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美
星輝子
道明寺歌鈴
藤原肇
村上巴
黒川千秋
佐久間まゆ
大和亜季
丹羽仁美
鷺沢文香
古澤頼子
輿水幸子
塩見周子
キャシー・グラハム
松尾千鶴
桃井あずき
奥山沙織
中野有香
水本ゆかり
佐城雪美
ヘレン
渋谷凛
小日向美穂
緒方智絵里


「向井さんがプロダクション入りしました。さっそく羞恥プレイの嵐のようです……ぷくく」

拓海「な、なあ。アタシも和服を着付けてもらったんだが……おかしくないか?」ドタプーン

翠(おかしいですよね小早川さん。私とほぼ同じ身長で)ヒソヒソ

紗枝(帯の上に、あないにお胸が乗るお人は、初めて見ましたえ)ヒソヒソ

拓海「大きな歩幅で歩けないし、その……はいてないし……」カアアッ

拓海「まあ、あの忍装束は動きやすくていいな! 激しく動く分には苦にならねーぜ」ケラケラ

あやめ「流石、向井殿! アレの良さがわかるとは、ニンニン♪」

ちひろ「ようやく5人揃いましたね」

P「よーし!
『純和風アイドルユニット』
本格的に活動開始だ!」

ありす「あの、プロデューサー」

P「どうした?」

ありす「本当にその
『純和風アイドルユニット』
というのが正式名称なんですか?」

翠「ありすちゃん!
プロデューサーさんがそんな大事なことを考えていないはず、ありません。
ですよね?」ニコッ

P(滝汗)

拓海「考えてなかったみてーだぜ」ハア

あやめ「わたくしも、そのユニット名はいかがなものかと……」

P「こ、こういうのはインスピレーションなんだよ。
美しいけど、肝は据わってるみたいな……」

P「うーん『竜胆組』はどうだろう」

ありす「なんて読むんですか? リュウタン?」

P「『りんどうぐみ』。
リンドウって、字面の割に可愛い、紫色の花があるんだよ。
君達を見てたら、なんかその花が思い浮かんでな。」

「まあ、ちょいと>>115さんあたりの感想を聞いてみよう。
純和風アイドルユニット『竜胆組』ってどうですかね、っと」

及第点

P「ありがとうございます!(敬礼)
ネーミングセンスのない俺にしては上出来だよ」ホッ

紗枝「うちらもリンドウのように可愛く、凛々しく咲いてみせますえ♪」

ちひろ「ではユニット名は『竜胆組(りんどうぐみ)』ですね。
これから、本格デビューに向けて忙しくなりますよ!」

P「会見では基本正座だし、サインは毛筆だ。頑張れよ!」

拓海「形から入るの好きだなオイ!」

支社長「オメデトーゴザイマース。ミーからもお祝いに、本社から女子寮のプレゼントがアリマース」

P「マジですか? そんなシル○ニアファミリーみたいなノリでポンと」

支社長「モチロン新築ではなく、旅館を買い取って改修するダケ、デスガ」

『竜胆組』!(アイキャッチぽく)

P「翠・ありす・紗枝・あやめ・拓海の五人にデビュー曲や宣伝を任せる一方で」

P「まだまだ人材は発掘しなければ。
とはいっても、次の一人は特に方向性を決めずに偶然を楽しみたい」

ちひろ「そんなこともあろうかと!
わたくし千川ちひろ、このようなものを作ってみました」

P「ルーレットに……ダーツ?」

ちひろ「これからルーレットを回しますので、プロデューサーさんはダーツを投げてください。
当たったアイドルに、スカウトに行っていただきます」

P「わー完全オリジナル企画だー(棒)」

ちひろ「>>120の投稿時間のコンマ下二桁で……」

01-03 島村卯月
04-06 依田芳乃
07-09 鷹富士茄子
10-12 脇山珠美
13-15 星輝子
16-18 道明寺歌鈴
19-21 藤原肇
22-24 村上巴
25-27 黒川千秋
28-30 佐久間まゆ
31-33 大和亜季
34-36 丹羽仁美
37-39 鷺沢文香
40-42 古澤頼子
43-45 輿水幸子
46-48 塩見周子
50-52 キャシー・グラハム
53-54 松尾千鶴
55-57 桃井あずき
58-60 奥山沙織
61-63 中野有香
64-66 水本ゆかり
67-69 佐城雪美
70-72 ヘレン
73-75 渋谷凛
76-78 小日向美穂
79-81 緒方智絵里
82-99 たわし
00  某4WD車

「このように、豪華アイドルが当たります!」

P「ところどころ、色んな意味で不安な面子がいるんですが。
あと、たわしや某4WD車が当たったら?」

ちひろ「たわしはさしあげますが、実質やり直しですね。
某4WD車はアメリカ本社からのご褒美で、今後のストーリーで使えるようになります」

ちひろ「ハイ回してー」

うーん参考画像があればなー(チラッ

ちひろ「55……桃井あずきちゃん(15)ですね! 長野にスカウトに行ってらっしゃい♪」


P「ところで神は言った。『うーん参考画像があればなー(チラッ』と」

ちひろ「これも知名度アップのための天の声ですよ!」

P「というわけで『竜胆組』メンバーの参考画像をご用意いたしました。よしなに」

純和風アイドルユニット『竜胆組』

水野翠 http://i.imgur.com/UmX5VhS.jpg

橘ありす http://imgur.com/08DL3C4.jpg

小早川紗枝 http://imgur.com/x0Prdow.jpg

浜口あやめ http://imgur.com/olKG705.jpg

向井拓海 http://imgur.com/mY74zIf.jpg

P「そうだ、ちひろさん。出発前にひとつご意見を頂戴したく」

ちひろ「なんですか?」

P「あの5人の中で、誰がユニットリーダーに向いてると思います?」

ちひろ「攻撃力とスキルから考えると……」

P「そういうメタ発言はいいですから」

ちひろ「弓道部主将の水野さんと、特攻隊長の向井さんはまとめ役に慣れてそうですね。ただ……」

P「ただ?」

ちひろ「ユニットリーダーって、歌や踊りで他のメンバーを引っ張れることも必要なんじゃないですかね」

P「アイドルならではのリーダーシップか……
画面の前の>>124さんにも聞いてみよう。誰が適任だと思うか」

1.弓道部主将の実績、温和で真面目な水野翠

2.最年少12歳で伸びしろ抜群、大穴橘ありす

3.歌と踊りの実力は一番、外柔内剛の小早川紗枝

4.実は気配りの人、舞台でも目立つ浜口あやめ

5.豪快な姉御肌、特攻隊長の向井拓海

P「なるほど、ありがとうございます。もう一人くらい聞いてみよう
>>126

3

ちひろ「お二人とも小早川さんでしたね。
3番は選びやすいから……というのは冗談として」

P「やはり、歌や踊りの実力は、この業界では説得力に直結するんですよ。
あと、可愛い顔して、簡単には折れない、そんなところもポイントですかね」

P「いずれ紗枝には、チャンスを与えようと思ってます。
じゃ、時間なので行ってきます! 次回、桃井あずきスカウト編!」

P「桃井あずき15歳、身長145cm、趣味:金魚すくい。
年の割にはおこちゃまって感じだな」ハハハ

P「相手はずいぶん乗り気で、実家の呉服屋を面談場所に指定してきた。
うまくすれば、スポンサーになってくれるかも、って不純すぎるか」

P「ここが『桃井屋本店』か。創業江戸時代ってレベルだぞ、この建物」

店員「いらっしゃいませ」

P「お忙しいところ、失礼します。
『竜胆組』プロデューサーのPと申します。本日は、桃井あずきさんとのお約束が」

店員「ああ、お待ちしておりました! どうぞ、お上がりくださいませ」

P「では遠慮なく……うお!
右も左も、奥まで呉服がずらっと並んでいるぞ。どれもこれも綺麗だな。
みんなに着せてやりたいけど、一着いくらするんだろう……」キョロキョロ

店員「ささ、どうぞ奥の和室へ。お嬢様がお待ちです」

P「はぁ。色の洪水でクラクラしてるんだが、今度はミラーボールでも回ってるのかな」

スッ

P「なんだ、普通の和室か」

桃井あずき「はじめまして、プロデューサー様。桃井あずきと申します」ニッコリ

http://i.imgur.com/qQYjCUV.jpg

P「…………」

P(俺は今まで、和服ってのはきっちり着るべきだと思っていた)

あずき「本日は、当店自慢の品揃えと……
私、あずきを存分にご覧くださいませ」ススス

P(しかし……首筋から胸元までをあらわにして、
裾から太ももをのぞかせる、この着方は……正直ヤバイ!
本当に15歳!? 身長145cm!?)

あずき「もし、お気に召したのなら……お持ち帰りいただいても構いません、
私を」ピトッ

P「う、上目遣いで寄りかかるんじゃないっ。
君はまだ15歳だろう」ゴクリ

あずき「誰も見ていませんよ。店員も気を利かせて、離れてますから。
ばれなきゃ犯罪じゃないんです」クスクス

P(うなじが色っぽいにも程がある!
素数を数えるんだ、ところで素数ってなんだっけ)

あずき「うんうん、計画通り。呉服の山と、私のお色気で、ダブルインパクト大作戦!」ニパッ

P「……大作戦? ナニソレ」

あずき「だから、最初に呉服を山ほど見せてびっくりさせるでしょ?
それから殺風景な部屋に私がいればすっごく目立つってわけ!」

P「良かった、中身は年相応だ。だったら普通に接すればいいだけのこと」ホッ

あずき「あれ、急に様子が変わった」

P「そりゃこっちのセリフだ。気を抜いたら一気にボロが出たな、君は」

あずき「えー、ずっと『お色気モード』でいるのは疲れるしー」

P「大勢の人に、何時間も夢を見せるのがアイドルだっての」

あずき「言われれば、そうだよね。私、歌ったり踊ったりするのは得意じゃないし」

P「とはいえ、途中までは完全に君のペースだった。
もう少し、尻尾を出すのが遅かったら、色んな意味で危なかったと思う。
君の艶姿、他の娘たちにもいい勉強になるはずだ」

あずき「ってことは、要するに?」

P「お望みどおり、プロダクションにお持ち帰りさせてもらうよ」

あずき「やったー! プロデューサーと一緒に、上京大作戦だね!」

P(しかし、他のメンバーも色気づいてきたら、俺、我慢しきれるかな……心配だ)

シリアルナンバー06 桃井あずき

長野県出身の15歳。

完全オリジナル企画『日本列島スカウトの旅』でダーツが名前に命中したため、
スカウトに行くことになった。

何かアクションを起こすたび、いちいち『○○大作戦!』と銘打つハイテンションな娘。

しかし呉服屋の娘だけあって、和服の着こなし、というより露出が抜群にうまい。

雰囲気も大人の女へと一変し、その色気はPが危うくたぶらかされるほど。

歌や踊りの経験は割と少ないが、まさにこの特殊技能で一本釣りされた人材である。

ちひろ「色仕掛けに負けてスカウトしたんですって? 桃井さんから聞きましたよ」ニヤニヤ

P「モモーイ! 違う違う、そうじゃ、そうじゃなーい!」

ありす「私のときは、圧迫面接で説教したくせに……」ジトー

拓海「PR用の写真見たけどさ、これってだらしないだけじゃねーの?」

翠「確かに。弓道着をこのように着ては、叱られてしまいます」

紗枝「うふふ……うちは桃井はんの着方も、舞台の上ならありやと思うてます」クスクス

あずき「さすが小早川さん。和服のお色気アップ大作戦、みんなに協力するよっ!」

P「さて、みんな聞いてくれ。
お前たちも、ずっと横並びというわけにはいかない。
メンバーを良い方向へ引っ張っていく、リーダーが必要だ」

あやめ「プロデューサー殿は、誰が適任と?」

P「……紗枝だと思う」

紗枝「プロデューサーはん、なぜうちなんどす?」

P「歌と踊りのスキルは、今、群を抜いている。
お前には、竜胆組を引っ張っていくだけの力が備わっている」

紗枝「お、おおきに……///」

拓海「ちょっと待った」

P「ん? どうした拓海」

拓海「確かに舞台の上じゃ、小早川は文句なしにセンター張れる。
けど、それとまとめ役は別だろ。
アタシの見たところ、水野のほうが向いてると思うぜ」

翠「向井さん……!」

P「お前にも一理ある。
翠は最年長で、弓道部主将の経験もあるからな」

翠「恐縮です」

P「が、竜胆組はアイドルユニットだ。舞台で一番の娘が、組織でも頂点。
そのほうがわかりやすい」

拓海「ハッキリ言って、納得行かねーなー!」

P「まあ、いい機会だ。
俺は明日から何日か、福岡にスカウトに行ってくる。書道の達人らしくてな。
その間に、みんなで話し合ったらどうだ?」

翠「誰が、リーダーにふさわしいのか、ですね」キッ

紗枝「そうどすなあ。うちも、ええ機会思うてはります」ニコニコ

P「じゃー俺は、用事があるから。
くれぐれも、取っ組み合いで決めるなよー!」バタン

拓海「お前らの意見はどうなんだよ」ギロッ

ありす「ひっ……い、今ここで決めるのは無理があります」

あやめ「わたくしは、忍者アクションを大事にしてくださる方なら」

拓海「はっきりしねーなー。ちひろさんは?」

ちひろ「今回の件に、事務員が介入しちゃまずいでしょ」

翠「向井さん、早く決めたい気持ちはわかりますが……
続きはまた、明日にでも」

拓海「わかったわかった。悪かったな、せっかちで」

あずき「もう肩凝っちゃうよー。
ここの女子寮、お風呂が立派なんでしょ? 早く入りたーい」

紗枝「うふふ、日本伝統どすなあ~。裸の付き合いも」

ガヤガヤ……

深夜 女子大浴場――

カポーーン

紗枝「さすが、旅館を改修した女子寮や。ええ湯やわ~」

紗枝(翠はん、裸になると、姿勢の良さが際立ちますわ。
高い背筋がぴんと伸びて、お乳もツンと上を向いて、
おいどもきゅっと引き締まって……眼福どす)

翠「ふう……二人きり、腹を割って話すにはいい場所ですね」

翠(透き通るような色白の肌で、小柄で細身。
日本人形を裸に剥き上げたような、妖しい背徳感を感じますね、
小早川さんの裸身からは)

紗枝「今日も弓道部で、お稽古しとったんどすか?」

翠「夜の稽古には出られますので。怠けるわけには、まいりません」ニコッ

紗枝「うーん……
弓道部の主将、竜胆組のてっぺん。
両方こなすのは、えろうしんどいとちゃいます? お覚悟、できてはりますか?」

翠「もちろんです。
竜胆組に加入したときから、粉骨砕身の覚悟はできています」

紗枝「それ、誰のためどすか? 聞かせてくれはります、本当のところ?」

翠「プ……プロデューサーさんのため……です。
引退同然だった私を、メンバーとして選んでくださった彼のため」

紗枝「ほんなら翠はん、3つの的をいっぺんに射抜くおつもりどすか?
弓道、竜胆組、プロデューサーはん。
それはいくらなんでも、欲のかきすぎどすえ」

翠「私が、欲張り……でもそれは、あなただって!」バシャッ、プルンッ

紗枝「ちゃいます」

翠「何が違うというのです!」

紗枝「うちはプロデューサーはんに、好いてもらいとうて、りーだー目指すんやない。
この竜胆組を、世界に通用するゆにっとにしたいからや」

翠「世界……!」

紗枝「今、和風あいどるは主流やのうて『アクセント』程度の扱いどす。
異人はんがきっかけいうんは少し複雑やけど、この機会をうちは逃がしまへん」

翠(小早川さん、そこまでビジョンがあったんですね。それに比べて私は?)

紗枝「プロデューサーはんとは、目的の同じ仕事仲間、それだけどす。
ご心配なく~」ニイッ

翠「あ! あなたは卑怯です!
恋の鞘当てで譲る代わりに、リーダー争いから降りろと!?」

ムニュ、ムニムニッ

翠「きゃあああっ!?」

紗枝「ええ身体してはるわ~。
乳首の色も綺麗やし、おそそのお毛毛もご立派……
ちんちくりんなうちでは相手にならへん……」フウ

翠「そ、それほど違うとは……あんっ!
それに、発育なら向井さんのほうがはるかに。
お、お湯に浮くんですよ、彼女の胸は」

紗枝「言葉遣いに、立居振舞。
プロデューサーはんの好みに合うんは、向井はんやない。
翠はんや」サワサワ

翠「ほ、本当に……?」ビクンッ

紗枝「今こそ、勇気を持って的を絞る時どす。
3つの的は無理でも、2つなら射抜けますやろ……」ニコッ

翠「プ、プロデューサーさんを、狙い撃つ……」ビクンビクン

紗枝「竜胆組の重荷は、みーんなうちが引き受けますさかい。
翠はんはもっと楽しく、あいどる活動すればよろし。
ほな、お先」バシャッ

翠「は、はい……」

翌日

拓海「リーダー争いを降りる!? 水野、どういうことだ!」

翠「すみません……私はあまりにも、多くの重荷を背負おうとしていた。
その無理を、小早川さんと話して悟ったのです」

あやめ「わたくしも、小早川殿に加勢いたします。
忍ドルとして、大切なお役目を果たさせていただいたゆえ。
ニンッ!」ドッサリ

拓海「何だ、その小さな機械の山は?」

ありす「女子寮に仕掛けられていた――盗聴器です。
浜口さんが発見したものを、タブレットで確認したので、間違いありません」フンス

拓海「盗聴器ぃ!? 誰がそんなものを……」

支社長「オーウ、ワタシニホンゴワカリマセーン」ガクガクブルブル

あやめ「これも小早川殿の指示です。
タダより高いものはない、見回ってほしい、と。
小早川殿は実にここまで、竜胆組のことを思っているのです!」

拓海「マジかよ……」

あずき「紗枝さん、私の『裸の付き合い大作戦』を採用してくれたしね♪」

ガチャ

マストレ「私達、トレーナー陣も、小早川くんを支持するぞ。
彼女のアドバイスは、実に的確だ」

拓海「……ふう。小早川、お前はおそろしい女だな。
その年で、根回しなんて覚えてるのかよ」グッタリ

紗枝「すんまへん。
せやけど、この小早川紗枝には夢があるんどす」ペコリ

翠「竜胆組を、世界に通用するユニットにすると。
向井さん、彼女は私達より3つ下ですが……」

拓海「心配すんな。向井拓海、年下だからって従わねーほど小さくねえよ!」ケラケラ

ちひろ「では晴れて、小早川さんがリーダーですね」

ありす「あの……『純和風アイドルユニット』なのに『リーダー』という呼称は……」

拓海「前も、そんなこと言ってたよな? 組だから組長とか?」

あやめ「向井殿、いらぬ誤解を招くのでは……」

翠「そうですね。幕末の新選組にあやかって『局長』では?」

紗枝「それ、いただきますえ。小早川紗枝、今日より局長名乗ります」

あずき「よっ! 小早川局長!」


次回、書道の達人である、謎の太眉アイドルスカウト編!

P、福岡の大地に立つ――

P「書道が特技か。
地味に聞こえるけど、身の丈ほどもある筆を持ってだだっ広い紙の上を駆け回るパフォーマンス。
アレかっこいいんだよなあ。竜胆組はサインも筆で書かせるし、いい先生になるだろう」

???「確かに話を聞く約束だけはしたけど、アイドルなんて興味ないんだから。
でも、これってスカウト? こんな私でも、アイドルになれるの?
ウソウソ、どうしよう」

P「と、親不孝通りでブツブツ言ってる、七三分け太眉少女発見。
今回のターゲットに違いない」

P「松尾千鶴ちゃんだね?
純和風アイドルユニット『竜胆組』のプロデューサーです、よろしく」

千鶴「ハッ! き、聞かれてた……。ど、どうも、松尾です」ツーン

P「竜胆組は見た目だけでなく、日本の伝統芸能に精通した女性を求めている。
君の書道の腕(と眉毛とデコ)を、俺は高く買っているんだ」

千鶴「これはきっとアレよ。
ホイホイついていった先でラッ○ンの絵画を買わされたりする罠」

P「聞こえてるぞー。
まあ、警戒するのも無理はない。けど、これは本気のビジネスだ」

千鶴「ハッ!
失礼しました。先入観で、つい」

P「書道部の動画を見せてもらった。
歌や踊りとは違うけど、繊細かつダイナミックな、立派なパフォーマンスじゃないか。
ウチの面々の誰にも、あんな真似はできない」

千鶴「あんなの、まだまだ未熟です。
でも、褒められると……嬉しくなくはない」ポッ

P(うーん、素直なのか素直じゃないのか、面白い子だな)

千鶴「あの……
『純和風』っておっしゃいましたけど、どんなメンバーが揃っているんですか?」

P「えーと。
弓道娘に、小6に、京娘に、忍者、特攻隊長、呉服屋の娘か」

千鶴「きょ、共通点がない……」

P「共通点は皆、自分なりの『大和撫子像』を追い求めているってとこかな」

千鶴「エリート集団ってわけでもないのね。
頑張れば、私にも居場所があるかも……
いやまだ、入りたいとかそういうわけでは……」

P「そのとおりだ。
君には努力で磨くに値する、才能がある。
まずは俺の眼力を信じてくれないか」

千鶴「興味はないんだけど……
ホントのホントに、興味なんて……
でも、ちょっと見学するだけ……」

P「それが興味あるっていうんだよなあ」ニヤニヤ

千鶴「こ、これは、あなたの顔を立てているだけです!
真剣に私を説得する姿がなんだかいい感じで……
ハッ!」

P「ハイハイ」

ちひろ「おかえりなさい、プロデューサーさん」

一同「「おかえりなさいませ!」」フカブカー

千鶴「すごい……
全員、着物で出勤してる……」

P「日常から徹底しないとな。
さて、ユニットリーダーは決まったか?」

紗枝「うちが『竜胆組』初代局長を務めさせていただくことになりましたえ。
どうぞよろしゅう」ペコリ

P「やはりな。
さてこちらが、今回スカウトしてきた松尾君だ。
あやめのさらに上を行く、書道パフォーマンスの達人だぞー」(煽っていくスタイル)

あやめ「なんですと!
わたくしの祖父は書道家で、自分もそれなりに自信があるのですが!」ガタッ

千鶴「ちょ、勝手に、煽らないで……
でもこれも、入団テストだと思えばチャンス……
ハッ!」

P「いいぞ松尾君! その本音を、筆と墨と紙にぶつけてみないか?

http://i.imgur.com/PGmFolG.jpg

千鶴「えらいことになってしまったわ……
でも、やるからには!」シュパパパパッ

『竜 胆 組』

あやめ「おお!
こんなに大きく美しい文字は、わたくしには書けませぬ!」

千鶴「いかがです!
ハッ、つい自慢してしまった……」

拓海「いやいや。
これだけのものが書けるんならよ、もっと堂々とすりゃいいんだよ」

千鶴「ああ、そういうものですか……
ほ、本当に、私、アイドルになっちゃうの!?」

シリアルナンバー07 松尾千鶴

福岡県出身の15歳。

黒々とした秀麗な太眉と、きっちりした七三分けが目を引く。

書道、特に巨大な筆を用いてのパフォーマンスの達人で、
メンバーの手本とするべくPがスカウトしてきた。

上記の特技から、意外に身体能力に優れているが、歌はまだまだ。
書道以外で自分からアピールするのも下手。

思ったことが次々に口から出てしまう、傍から見る分には面白い癖の持ち主でもある。

ちひろ調査中……

島村卯月
依田芳乃
鷹富士茄子
脇山珠美
星輝子
道明寺歌鈴
藤原肇
村上巴
黒川千秋
佐久間まゆ
大和亜季
丹羽仁美
鷺沢文香
古澤頼子
輿水幸子
塩見周子
キャシー・グラハム
奥山沙織
中野有香
水本ゆかり
佐城雪美
ヘレン
渋谷凛
小日向美穂
緒方智絵里


「松尾千鶴ちゃんが加入しました」

神は言っている。『何人まで増やすつもりなんだろ?』と。

ゲーム通り、リーダー1、攻フロント4、守フロント4の9人体制を
上限と考えとります。つまりあとふたり。
攻守で同じ面子を指定できる?女子寮? 気にしない方向で。

P「ところであれだけ偉そうだった支社長が、急に大人しくなってますけど」

ちひろ「実は……」

P「えっ!? 女子寮に盗聴器と隠しカメラを仕掛けていたかも?」

支社長「ヤ、ヤダナァ、ミーはコンプライアンス第一!
そんなことするわけナイじゃないですか、マイ・フレンズ!
HAHAHA!」

ちひろ「まあ、真犯人は生かさず殺さずゆっくり追い詰めるとして。
小早川さんの指示で、浜口さんと橘さんが発見したんですよ」

P「紗枝、そこまでやるのか……恐ろしい子」

P(和服の下着は洋物じゃなくて伝統の湯文字一枚。
女子寮は大浴場付き……とか考えていくと、男としてはたまらん職場だもんなあ。
うっイカン、俺のpチャンも反応しそうだ)

P「ところで、ウチの社内での飲み物は日本茶が基本だ。淹れ方の勉強にもなるしな。
画面の前の>>164さん。7人の中だったら、誰にお茶を淹れてほしい?」

水野翠 http://i.imgur.com/UmX5VhS.jpg

橘ありす http://imgur.com/08DL3C4.jpg

小早川紗枝 http://imgur.com/x0Prdow.jpg

浜口あやめ http://imgur.com/olKG705.jpg

向井拓海 http://imgur.com/mY74zIf.jpg

桃井あずき http://i.imgur.com/qQYjCUV.jpg

松尾千鶴 http://i.imgur.com/PGmFolG.jpg

ありす

ありす「プロデューサーさん、お茶……入りましたよ。
お疲れですか?」コトン

P(ありすか。着物姿も、板についてきたな。
湯文字……いかんいかん!)

P「い、いや、考え事……
お、自分で淹れたのか? 美味いな。やっぱタブレットでこう、スススと検索?」ズズー

ありす「先輩方の見よう見まねです。
だって目の前に、生きた教材があるんですよ」クスッ

P「そりゃそうだ。
ありす、いや橘も、何年かしたらああなるのか~」

ありす「待っててもらえれば。
それと、苗字で呼び直さなくても…いいです、よ」クルリ、スタスタスタ

P「ふーん……前はあれだけ名前呼び、嫌がってたのになあ……?」ズズー

P「『竜胆組』も、加入はあと二人にしようと思います」

ちひろ「今回の選び方は?」

P「ズバリ、安価指定。今まで結構、独断とランダムが多かったので。
候補は>>158で、ひとこと理由を添えていただけると嬉しいです。では……」
>>167

茄子

P「鷹富士茄子20歳。
1月1日生まれ、趣味隠し芸、バストとヒップが両方88。
えーと、いたずらの登録じゃないですよね」

ちひろ「当然!
ちゃんと実在を確認してから、リストに載せてます。
というか、安価引いてくれた人に失礼ですよ」

P「でも、ここまでギャグみたいな要素が揃うと、にわかには信じられないというか……」

ちひろ「あーもう!
つべこべ言わず、島根に行ってらっしゃい!」

出雲大社

P「出雲大社で目撃情報があったというから来たが。
その強烈な名前を除けば、いたって外見は普通のショートカットの女性らしい。
って、それを探すのが一番大変だっつーの!」

数時間経過――

P「やっぱり特徴なさすぎだろ……だがあきらめんぞ!」

また数時間経過――

P「ゼエゼエ、人違いばっか……さすがに今回はガセか?
いーや、信じるんだ。疑ったらそこで幸運の女神は逃げる!」

???「いいこと言いますねー。私もそう思いますー♪」

P「ですよね……!?
ああ……まさか君がナス……」

鷹富士茄子「ナスじゃなくてカコ、ですよ♪
私に御用ですか?」

P「もちろんだ!
これも何かの縁だと思って、聞いてほしい――」カクカクシカジカ

茄子「純和風アイドルユニット『竜胆組』?」

P「君の歌や踊りが、即戦力として使えるかはわからない。
資料もないからな。
けど……君がいるだけで、ユニットが良い方向に進む気がする。
何の根拠もないけど」

茄子「まあ、驚きました」

P「だろう?
アイドルのスカウトが、こんなトチ狂ったことを言い出したら」

茄子「実は私、人に強運を分けてあげられるんです♪」

P「別に、俺に合わせてボケなくてもいいんだよ?」

茄子「そんなつもりじゃありませんー」ムスー

P(かわいい)

茄子「今、プロデューサーさんは私を強く欲しましたよね?
私は、その思いに見合うだけの強運を、あなたに差し上げます」ニコッ

P「その澄みきった目……理屈は通らなくても、本当のことらしいな」

茄子「私と深く繋がるほど、あなたの運は強くなります。さあ……」

P「だとしても。
俺はアイドル候補としての君自身、それだけが欲しい。
強運とやらを手に入れたら、きっと代償は高くつくんだろう?
それが世の中のバランスってやつだ」

茄子「私自身、だけを……」

P「君の邪念のない性格、美しい黒髪と瞳。
それだけで十分。
あとは俺とちひろさんとアイドル達で、道を切り開けるって」

茄子「わかりました。強運の話は忘れてください。
私も一人のアイドルとして、あなたのおそばにいさせてください♪」ギュッ

P「よ、よろしく……手、小さいんだな……」ギュッ

茄子(うふふ。手を繋いだだけでも、少しは運が強くなるんですよ♪)

P「というわけで、鷹富士茄子さんは実在しました。
シリアルナンバーも末広がりの八番」

茄子「ナスじゃなくて、カコですよ。
皆様、よろしくお願いします」ペコリ

千鶴「本名!? いくらなんでも芸名に決まって……ハッ!
失礼しました」

紗枝「ほんま、縁起のええお名前どすなぁ~。
きっと鷹富士はんは、うちらの守り神、福の神どすえ♪」

あずき「それじゃお正月は、うちの実家でバイトして、商売繁盛大作戦!
ダメかな?」

P「あまり高望みはするなよー(小声)」

シリアルナンバー08 鷹富士茄子

島根県出身の20歳。竜胆組初の成人メンバーとなる。

明るく穏やかな人当たり。美しい黒髪を持ち、日本古来の縁起に通じた、文句なしの大和撫子である。

隠し芸を趣味とするが、歌や踊りのスキルは人並み。

しかし、信じがたいほどの強運の持ち主で、それも無尽蔵。
触れた相手に強運を『お裾分け』できるという、これまた信じがたい能力の持ち主。

お裾分けの程度は、茄子との接触の濃密さによるため、彼女を抱けば人生勝ったも同然となる。

しかし『強運には代償がある』と信じるプロデューサーは、普通のアイドルの一人としてスカウトした。

http://imgur.com/1V3M0we.jpg

P「竜胆組の定員は9人。
でも最後の1人を決める前に、小さな仕事が結構来てるんだよなぁ。たとえば……」

>>177が本屋でサイン会(毛筆)とか

>>178が駅前でミニ撮影会とか

>>179がデパートで握手会(正座)とか

「安価のアイドルに気張ってもらいましょ」

あやめ

あずき

たくみん

>>177
あやめ(くのいち装束)「『○○さんへ 浜口あやめ』……と。
竜胆組を、よろしくお願いいたしまする。
ニンッ!」ペコリ

子供客「すっげー、忍者だ忍者だ!」

大人客A「ブフォッ(鼻血)」

大人客B(こんなに綺麗な字で礼儀正しいのに、着てる服がエロ過ぎるんですが)ハアハア

あやめ「この格好は、着物に比べて腕を動かしやすいですね。
さあ、どんどん『さいん』をいたします!」

>>178
あずき(例のはだけた着物)「みっなさーん」胸元チラッ

カメラ小僧「」ゴクリ

あずき「竜胆組と、呉服の桃井屋をー、
よろしくお願いしますねー」太ももチラッ

カメラ小僧「」パシャパシャパシャ

あずき(うふふ、ギリギリまで見せるのが着崩しの極意。今日も作戦成功だね!)

カメラ小僧「ジャパネスク・ロマンというより、
ジャパネスク・エロスでござるよwwwwww」

駅ビルの窓際――

翠「行き過ぎた輩は狙い撃つ……
私、アイドルというより狙撃手に近づいているような……」ハァ

>>179

拓海「竜胆組の向井拓海……です。
お、お引き立ての程? 夜露死苦……お願いします」ゴゴゴゴゴ

客「ど、どうかお命だけは」アクシュ

舞台裏――

P「一番心配でついてきてみれば……
拓海、それじゃヤーサンだ!
笑って笑って! たくみんスマイル!」ヒソヒソ

拓海「うっせー!
アタシが小早川みてーに年中はんなりできるか!」ドゴォ

P「裏拳!? ぶべらっ」

拓海「やべ、やっちまった。でもなんかスッキリ。
あ、次の方ー♪」ニコニコ、ドタプーン

P「緊張がほぐれたようで何よりです……」グッタリ

ちひろ「活動も軌道に乗り始めたようで、よかったですね!
ところで顔が腫れてますけど」

P「不幸な事故ですよ」ヒリヒリ

茄子「不幸!?
それはいけません、すぐに私の強運を」ズイッ

P「いや大丈夫大丈夫!
それより最後の一人をスカウトに行きますが、どうやって決めたものかと」

ちひろ「そうですねー。
確か多数決って、まだやってないですよね?」

P「ではまず5人くらいに聞いてみて、割れたら俺に判断させてください。
同一IDは同じ人だと思うので、無効になっちゃいますよ、と」

ちひろ「現在残っている候補は、以下のとおりです」


島村卯月
依田芳乃
脇山珠美
星輝子
道明寺歌鈴
藤原肇
村上巴
黒川千秋
佐久間まゆ
大和亜季
丹羽仁美
鷺沢文香
古澤頼子
輿水幸子
塩見周子
キャシー・グラハム
奥山沙織
中野有香
水本ゆかり
佐城雪美
ヘレン
渋谷凛
小日向美穂
緒方智絵里

P「現在の竜胆組メンバーは以下のとおりです」

水野翠 http://i.imgur.com/UmX5VhS.jpg

橘ありす http://imgur.com/08DL3C4.jpg

小早川紗枝 http://imgur.com/x0Prdow.jpg

浜口あやめ http://imgur.com/olKG705.jpg

向井拓海 http://imgur.com/mY74zIf.jpg

桃井あずき http://i.imgur.com/qQYjCUV.jpg

松尾千鶴 http://i.imgur.com/PGmFolG.jpg

鷹富士茄子 http://imgur.com/1V3M0we.jpg

P「>>189からどうぞー」

丹羽ちゃん

閧?■繧?s

P「>>190は文字化けで無効票ですね」

P「丹羽1票、依田2票、塩見2票で依田と塩見のサドンデス」

ちひろ「塩見に3票目が入り、かろうじて激戦を制しましたー!」

P「依田もデビューしたてなのに健闘しました。
というわけで、またまた京都にスカウトに行ってきまーす」

京都・某和菓子屋

P「紗枝をスカウトした甘味処で、食べていた八つ橋。
あれがまさか、塩見周子の実家で作られていたとは……
とにかく、その実家にお邪魔しよう」

P「えっ?
18にもなって、自宅でダラダラしてるから追い出した!?
連絡先も知らない?
ちょっとお父さん、事件ですよそれは、ねぇ!?」

ピシャリ

P「なんということだ。
塩見周子、行方不明……
家族でもないのに捜索届を出すのもアレだし。
さすがに今回は無理か……」

???「もしーそこのお方ー」

P「へ? 俺? というかアンタ誰?」

依田芳乃「わたくし依田は芳乃でしてー」

P「ああすみません、急いでるんでこれで!」

芳乃「人をお探しだったのでしょうー?」

P「な、なぜそれを!?」

芳乃「そなたの背から、お悩みの気があふれていたのでしてー」

P「確かにそのとおりなんだが、君に居場所がわかるわけないでしょ」

芳乃「人探しはわたくしの得意でしてー……むむむ」

P「なんか念じはじめた」

芳乃「お探しの人はー、ものすごい速さで東に向かって走っておりますー」

P「新幹線のことか?」

芳乃「行く手に、天高くそびえ立つ、紅白の塔が見えますー。
近くには、お寺も見えますー」

P「ど、どうする俺? この娘を信じて東京に戻るか?」

芳乃「信じる信じないは、あなたの御心ひとつでしてー」

P「ちくしょうめ!
茄子さんといい、世の中は案外理屈抜きで進むもんだな!
ありがとう!」ダッ

芳乃「あなたの行く末に幸あれー」ペコリ

P「俺がとんぼ返りしても、その間に移動されたら意味がない。
竜胆組とちひろさんに、顔写真添付して一斉メール送信……と!」

翠『お任せを。発見次第、狙撃してタワーに縫い付けておきます』

ありす『根拠はあるんですか? なくても行ってみますけど』

紗枝『けったいなお話どすな。せやけど、周子はんの顔、うちよう分かりますえ』

あやめ『なんと! 塩見殿は忍びの誇りにかけて、わたくしが捕らえます』

拓海『マジで言ってんのか? じゃあ、荒事ならこの特攻隊長に任せな!』

あずき『へー楽しそう! キツネ狩り大作戦だね♪』

千鶴『分かりました。あなたはいい加減だけど、大事な時に冗談は言わない』

茄子『その話、信じていいいと思います。だから私も、行きますね♪』

ちひろ『空振りだったら、今度の給料、楽しみにしておいてくださいね!』

P「みんな……今日は全員オフとはいえ、暇だな! お土産、楽しみにしてろよ」

さて、塩見周子を捕らえたのは上記の誰だと思います?
>>204

あやめ

依田vs塩見について、すっきりしない方がいたようで、すみませんでした。

東京タワー・展望台

塩見周子「追い出された勢いで、上京してきちゃったーん♪
これからのことは、展望台で夜景を見ながら考えるとしますか」

あやめ「あの、独特の髪の色……間違いありませぬ」

周子「へー、あっちの方角が新宿なんだー。
向こうが某ネズミの国、一度行ってみたかったんだよね―」

あやめ「塩見周子殿、ですね?」

周子「女子高生……?
アンタなんか知らないけどなー」

あやめ「ある時は普通の女子高生、しかしてその正体は!」バッ

あやめ(くのいち装束)「純和風アイドルユニット『竜胆組』所属、
忍ドル・浜口あやめ! ニンッ!」

周子「え? テレビの収録か何か? 逃げ切ったら100万円とか?」

あやめ「プロデューサー殿は、塩見殿をスカウトしようと京都まで行かれました。
しかし着いた時には行き違い。
そこで、わたくし達に塩見殿の捕縛……ゲフンゲフン、保護を依頼されたのです」

周子「いいよ、捕まってあげる。暇だしね」

あやめ「まことですか? やりました、あやめが一番乗りです!
すぐ近くの増上寺でお仕事していたのが幸いしました!」

周子「ひょっとして……
小早川紗枝って娘、アンタの事務所にいない?
最近、どっかのプロダクションにスカウトされたって、噂でね」

あやめ「まさに! 今、小早川殿は竜胆組局長を務めておられます」

周子「あはははは!
ちょっと、何その新選組みたいな肩書! ユニットリーダーってこと?」

あやめ「いかにも!」

周子「だったらなおさら、早くプロダクションに連れてってよ。
小早川“局長”にも会いたいしね」

あやめ「承知いたしました……
あ、雨ですよ? こんなに青空が広がっているのに」

周子「これがホントの、狐の嫁入りだねー♪」

プロダクション

茄子「幸運の女神は、あやめ殿に味方したのですね♪」

あやめ「これが新宿や渋谷だったら、わたくしに勝ち目はありませんでした。
ニントモカントモ」

拓海「で、こいつが京都から家出してきた塩見って娘か?」

周子「逆だよー。アタシが実家から追い出されてきたってわけ」

拓海「自慢してどうすんだよ」ハア

紗枝「あらあら。周子はん、お久しゅう」

周子「おっ、紗枝ちゃん、いや、小早川局長。お久しぶりー♪
それにしても、全員着物で仕事とは、凄いプロダクションもあったもんだね」

紗枝「うちらが世界に認められるまで、気張りますさかい。
せや、橘はん。うちらの写真や動画、周子はんに見せとくれやす」

ありす「分かりました! このタブレットに、竜胆組の今までの活動が満載ですから」フンス

周子「どれどれ?」

千鶴「これは毛筆でのサイン会ですね。
お客さんに褒めてもらったのに、この固い表情……恥ずかしい」

拓海「巴御前っていうのか?
クソ重い鎧着て、ナギナタ振り回すのはいい運動になったぜ」

あやめ「デパートの屋上で、忍者ショーもやりました。
いずれは聖地・太秦で、本格的な時代劇を演じたいです!」

茄子「老人ホームで民謡をご披露したときの動画ですね。
『寿命が伸びそうだ』と、ありがたいお言葉をいただきました♪」

ワイワイガヤガヤ

周子「ははっ、みんな、夢中になっちゃって……
アタシにもこーゆーの、見つかるかな?」

数時間後

P「ゼエゼエ、た、ただいま……
おお、ようやく会えたな、塩見周子ちゃん」

翠「お、お帰りなさいませ!
とりあえず、お茶でも飲んで落ち着いてから……」

ズズー

P「さっそくだが、このプロダクションについて説明をしたい。
いいかな?」

周子「その必要はないんだなー」ニヤニヤ

P「え? もう見切られた!?
ちょっと待ってくれ、結論を急ぐのは良くないぞ」アセアセ

周子「純和風アイドルユニット『竜胆組』。
今までの活動は、ここにいるみんなが入れ替わり立ち代り、教えてくれたよ」

P「ということは、つまり……」

周子「そ、とっくに入る気になっちゃったってわけ。
よろしくー」

P「お、お仕事終了ですか……
気合入れてきたのに……」

周子「別にええやん?
アンタの育てたアイドルが、アンタの分まできっちり仕事してくれたんだよ」

P「ああ……そうだな。
みんな、本当にありがとう」フカブカー

ちひろ「まあ、タブレット囲んでおしゃべりしてただけとも言いますけどね。
お菓子つまみながら」クスクス

周子「ってわけで、住み込み先も決まったし。
ちょっと親に電話してくるねー」

バタン

周子「お父ちゃん?
アタシ、今東京。うん、心配かけて……ゴメン。
でもテキトーに頑張るからさ。それで、一つ図々しいお願いを」

ワイワイガヤガヤ

周子「今から言う住所に、私の着物送ってくれる?
他の娘に負けてらんないのよ」

シリアルナンバー09 塩見周子

京都府出身の18歳。

実家は和菓子屋。実家でダラダラしていたところ、親に追い出され、勢いで上京。

同郷の紗枝が所属する竜胆組に興味を持ち、彼女たちの活動を見て加入を決心した。

意外にも純和風アイドルとして、歌・踊り・ビジュアルに高いポテンシャルを秘めている。

問題は、興味と根気がどこまでもつか、に尽きる。

番外 依田芳乃

鹿児島県出身の16歳。今年5月28日に初登場したばかりのニューフェイス。

浮世離れしたしゃべり方に、物凄く便利そうな趣味を併せ持つ。

この話の中では、Pの周子探しに一役買った。

そもそも服装からして、同時代人とは思えない、謎の多い少女。

塩見周子 http://imgur.com/t2BxTYi.jpg

依田芳乃 http://imgur.com/27iwxaL.jpg

P「これで、純和風アイドルユニット『竜胆組』の九人が決まったぞ!」

一、水野翠 http://i.imgur.com/UmX5VhS.jpg

二、橘ありす http://imgur.com/08DL3C4.jpg

三、小早川紗枝 http://imgur.com/x0Prdow.jpg

四、浜口あやめ http://imgur.com/olKG705.jpg

五、向井拓海 http://imgur.com/mY74zIf.jpg

六、桃井あずき http://i.imgur.com/qQYjCUV.jpg

七、松尾千鶴 http://i.imgur.com/PGmFolG.jpg

八、鷹富士茄子 http://imgur.com/1V3M0we.jpg

九、塩見周子 http://imgur.com/t2BxTYi.jpg

P「ところで、最近影のめっきり薄くなった、日本かぶれの支社長は?」

ちひろ「それでしたら昨晩……私と会食した後、急に顔色が悪くなって、
土下座してから退席。今日から無期限の休暇に入りました」

P「ちょ、まさか致命的な弱みを握って……」

ちひろ「支社長の業務は私とプロデューサーさんでしばらく分担するようにとの、
アメリカ本社からの指示です。いやー大変ですね(棒)」

P「もうどうにでもなーれ\(^o^)/」

P「そんなわけで7月1日付で、ちょっとだけ新体制でスタートだ」

P「夏といえば海! 水着! 我らが純和風アイドルユニット『竜胆組』も……あ」

ありす「『純和風』アイドルユニットは水着なんて披露しません。はい論破」

P「いや、プライベートなら思う存分着てくれ。問題は、そういう仕事を受けるかどうかだ。
選択肢は以下のとおり」

1.初志貫徹。意地でも水着仕事は受けない

2.乗るしかない、このビッグウェーブに。普通に水着解禁

3.和風アレンジ。ふんどし着用

4.今年のプ○キュアもそんな感じ。バスタオル1枚で温泉に

5.布で隠すなど士道不覚悟。生まれたままの姿

P「ちょっと安価神にご意見を聞いてみよう」
>>222

温泉の仕事で4とか

流石に裸やふんどしは色々とアイドルしてアカンし

P「純和風アイドルは水着シーズンをいかに過ごすべきか!
番組では皆様のご意見をまだまだお待ちしています」

1.初志貫徹。意地でも水着仕事は受けない

2.乗るしかない、このビッグウェーブに。普通に水着解禁

3.和風アレンジ。ふんどし着用

4.今年のプ○キュアもそんな感じ。バスタオル1枚で温泉に

5.昆布巻いてたサンタもいました。生まれたままの姿

>>225以降しばらく募集中

ふんどしにサラシと法被も追加して夏祭りにでも出向けばいいと思うよ

P「たくさんのご意見、ありがとうございます。
予想していたより、水着の仕事NGという声が多いですね。
ついでふんどし+法被+サラシ。山笠スタイルですな。
温泉でバスタオルという意見も。
自由意見で浴衣、海女。さすがにヌードはないだろうと」

P「もうちょっとだけ聞いてみましょうか」

1.初志貫徹。意地でも水着仕事は受けない

2.今までまさかの支持ゼロ。普通に水着解禁

3.和風アレンジ。ふんどし着用

4.ゲーム中では定番のひとつ。バスタオル1枚で温泉に

5.昆布巻いてたサンタもいました。生まれたままの姿

6.その他

P「出尽くしたかな?」

>>233以降しばらく募集中

冷たい小川で着物姿で涼んでる姿もまたいいじゃないかな?
日本の夏らしいし、キュンとくるね!

P「ただいまー。市場リサーチを参考に、仕事を取ってきたぞ」

周子「よっ、敏腕プロデューサー」ズズー

P(リサーチの選択肢に、冗談でヌードを入れといたことは伏せとこう)

P「まあ、いろいろあるから、企画書見てくれ」

一、清流を舞台に、浴衣で撮影会

二、夏祭り、着物でミニコンサート

三、浴衣とバスタオルで温泉ロケ

四、古式ゆかしく、一日海女さん体験

五、某商工会主催、山笠祭り

ありす「やはり指摘したとおり、水着はないんですね」

P「当然。君達は純和風アイドルひでぶっ!?」

拓海「何ドヤ顔してんだ!
水着より恥ずかしいのが入ってるじゃねえかゴルァ!」

P「ニーズがあるんだよニーズが」ヒリヒリ

あずき「じゃあ街の人に聞いたら?
『誰にどの仕事をさせたいか』をね。
名付けて『マッチング大作戦!』」

P「おっ、ナイスアイデア」

千鶴「なんだか猛烈に悪い予感がするわね……」

一、水野翠 http://i.imgur.com/UmX5VhS.jpg

二、橘ありす http://imgur.com/08DL3C4.jpg

三、小早川紗枝 http://imgur.com/x0Prdow.jpg

四、浜口あやめ http://imgur.com/olKG705.jpg

五、向井拓海 http://imgur.com/mY74zIf.jpg

六、桃井あずき http://i.imgur.com/qQYjCUV.jpg

七、松尾千鶴 http://i.imgur.com/PGmFolG.jpg

八、鷹富士茄子 http://imgur.com/1V3M0we.jpg

九、塩見周子 http://imgur.com/t2BxTYi.jpg

P「『この娘にこの仕事をやってほしい』というのがあれば、>>238から選んでください。
例:翠に浴衣で撮影会」

ちひろ「一人のアイドルに複数の仕事が来たら?」

P「両方やってもらいます」

ちひろ「一つの仕事に複数のアイドルがかぶったら?」

P「力を合わせて頑張ってもらいます。では>>241以降、しばらくご意見募集中」

しゅーこに温泉ロケ

P「あと、予定が埋まっていないのはあやめだけか」

あやめ「忍ドルとして、仕事ならなんでも引き受ける所存。ニンッ!」

P「ん?」

P「結果発表~。画面の前の皆さん、ご協力ありがとうございました」


P「紗枝とありすは浴衣を着て、清流で撮影会だ」

紗枝「うふふ、涼やかでええどすなあ。
皆様に、ひと夏の思い出となるような一枚、撮ってもらいましょ」

ありす「局長にはぴったりのお仕事だと思います。
私は……お側で勉強ですね」

紗枝「せやろか?
ありすちゃんを撮りたい方も、きっといてはります」

ありす「私なんかを……撮りたい人がいる……」


P「あずきと千鶴は、夏祭りでミニコンサートだ」

千鶴「歌ですか!?
わ、私、声で自分を表現するの、苦手なんだけど……」

あずき「大丈夫! 私も歌はあまり自信ないから!
その場のノリ大作戦だよ!」

P「翠は一日海女さん体験だ」

翠「海女さんの身体能力には驚かされます。
弓の稽古とはまた違った、いい鍛錬になりそうですね」

ありす「海女の画像をネットで調べたことがありますが……
古式ゆかしくとは……いや、まさか……」


P「周子・拓海・茄子・あやめは温泉ロケに行ってもらう」

周子「4人? にぎやかでいいねー、まったりできそうだし」

茄子「食事は海の幸でしょうか、山の幸でしょうか? 楽しみですね♪」

あやめ「これは、水遁の術の稽古にうってつけ!」

拓海「さすがに風呂はバスタオル巻いて撮影だろ?
だったらまあ、ラッキーだったかな」

P「その前に拓海は別行動で、山笠祭りに参加だ!
大人気だなたくみん!」

拓海「なんでアタシにだけ、オチをつけるのかな~」ギュウウウ

P「痛い痛い、やめてとめてやめて」

周子「おお、たくみんが満面の笑みを浮かべて、アイアンクローをプロデューサーの顔面に」

千鶴「人間、怒りが頂点に達すると、笑うしかないのかも……」

ちひろ「とにかく、どれも大事な仕事ですよ。
きっちりこなして、同時に楽しんできてくださいね♪」

P「じ、次回から、お仕事開始、乞うご期待! たわば!」グシャ

竜胆組のお仕事、その一 浴衣で撮影会

紗枝「ほんま、綺麗な川やわー。
緑も眩しい、こないな清流を背に撮影会。
粋なお仕事どすなあ」

ありす「うわ、すごく大きなカメラばかり……
な、なんか怖いです……」

紗枝「本日はうちらの撮影会に、ようおこしやす。
ぎょうさんお写真撮ってくれはりますよう、うちらも気張りますさかい、
よろしゅうに」ペコリ

ありす「きょ、今日はよろしくお願いします!」ペコ

紗枝「実は視聴者の方から、こないな姿を見せてほしい、
ちゅうお手紙をいただいてるさかい。おおきに♪」

紗枝「草履を脱いで、素足で川の中に……
うぅん、ひんやりしてほんまに、気持ちええどすなぁ」バシャバシャ

紗枝「上流から運ばれてくるのは水だけやおへん。
涼しい風を、扇子で受け止めて……ふう~」パタパタ

紗枝「せっかくやし、も少し川の中まで入ってみよか。
裾を捲って、そろーりそろーり……
もう! 写すところが、えげつないんちゃいます?」クスクス

ありす「はぁ~……
あんなにカメラに囲まれてるのに、むしろ楽しんでる。
流石は小早川局長ですね」

紗枝「この辺りで一休み……
まあまあ、スタッフの方、むしやしないに葛切り用意してくれはったん?
おおきに。ありすちゃん、一緒にいただこか」

ありす「は、はいっ!
あ、美味しい……えへへ……」

紗枝「二人して食べてるところも絵になる?
もう、お上手やわー。うち、おだてに弱いさかい、お好みを言うとくれやす」

ありす「リクエストですか……
局長、あまり無茶はしないでくださいね」ヒソヒソ

紗枝「無茶はやんわりお断りするだけどす」ヒソヒソ

紗枝にリクエスト>>260

日傘もらって見返り美人のポーズ

紗枝「スタッフはん、日傘持ってはります?
まあ持ってはる。おおきに」

パッ、クルッ

紗枝(この格好、あずきはんの十八番やけど……
うちもやってみよか)

ありす「七月の陽光が傘に降り注いで……
局長に光と影の強烈なコントラストを与えてます。
まさに、絵になる人……ですね」

紗枝「実はもう一着、浴衣を用意してきたんどす。
少々待ってくれはります?」

ロケ車内で神速で着替え中……

紗枝「お天道様が高うなってくると、白っぽいほうが過ごしやすいどすなあ」

バシャバシャ

紗枝「さっきみたいに、川の中に、裾を捲って……ああ冷た」クスッ

ありす「もう、また下心丸出しのフラッシュが……あっ局長危ないっ」

紗枝「あ、足がっ、きゃあああっ」ズデーーーン、バシャーーーン

ありす「だ、大丈夫ですか!?」

紗枝「ううん……頭からずぶ濡れになってしもうた……
あぁん、もう、こないな濡れネズミを撮ってもしゃあないのに///」

ありす「濡れた黒髪とか、身体に張り付いた布地とか、
狙ってるんですか局長……」ドキドキ

ありす「というわけで、局長の独壇場でした。
大変勉強になりました」

P「そんなことはない。
けっこうな人が、ありす目当てに撮影に来てたそうじゃないか」

>>264の投稿時間のコンマ以下が撮影人数

てい

ありす「83人? そんなにいたんですか!?」

P「ありすの浴衣姿を拝みに、ひなびた渓谷まで重いカメラを担いできたんだ。
感謝しないとな」(震え声)

ありす「はっ、はい。
自分自身、紗枝局長ばかり目で追ってましたが……
次はもっと期待に応えられるようにします」ニコニコ

P(驚くべきは83人の行動力。まさに筋金入りの炉……ではないと信じたい)

P(もちろん、紗枝はありす以上に人を集めている。流石は局長だ)

P(ところでその83人は、ありすのどんなシーンを期待していたんだろう?)

83人を代表して
>>267
>>268

裾チラチラ

姉を慕う妹のように紗枝はんの側を離れずも
川に足をやり、冷たそうにしながら、紗枝みたいになろうと上品にほほえもうとするも子供らしさがある微笑むありすの姿

ありす「恥ずかしがってる場合じゃないです!
しっかり裾をまくって……」スッ

バズーカ砲のようなカメラ83台「小6のぷにぷに真っ白な生足キタ━(゚∀゚)━!」スチャ

ありす「冷たっ!
きょ、局長、お怪我はないですか!?」バシャバシャ

カメラ83台「ウオオオ――ッ!!(夜王ぽく)」カシャカシャカシャ

スタッフ「お静かにお願いします」

紗枝「おおきにな、ありすちゃん。平気の平左やで」ニコッ

ありす「よかった……
局長、はしゃぎすぎですよ。私の手につかまってください」ギュ

カメラ83台「キマシタワー!」カシャカシャカシャ

スタッフ「お静かにつってんだろー!」

紗枝「せや。このまましばらく、水遊びしよか?
大人しいありすちゃんも好きやけど、たまには思い切りはしゃぐのもええと思うで」

ありす「うーん、そうでしょうか……きゃっ!」

紗枝「ほらほら、行きますえ♪」パシャパシャ

ありす「もう! やりましたね、お返しですっ」パシャパシャ

キャッキャッ……

P(以上、スタッフの報告。
バズーカ砲軍団を抑えるのは大変だったろうに)ホロリ

竜胆組のお仕事、その二 夏祭りでミニコンサート

イベント前夜

千鶴「ボイトレもいつもより頑張ったし、明日はきっと大丈夫……」

あずき「そうだちーちゃん、これから暇?
カラオケ行かない?」

千鶴「ちーちゃん……で、どうしたの、急に」

あずき「『D○Mで精密採点大作戦!』
今の私達の実力を、数値にしてみるのだー!」

千鶴「最後に点数の出るアレね?
感情のない機械より、トレーナーさんの評価のほうが正確よ。
でもたまには息抜きも……ハッ!」

あずき「」ニヤニヤ

千鶴「わかったわ! つきあうってば!」カアア

某カラオケ店

あずき「それじゃ二人とも知ってる、同じ曲で勝負だよ!」

千鶴「それでいいわ……良かった、同い年で」

あずきと千鶴がD○Mの精密採点2で勝負! コンマ下がそれぞれの得点!

あずき>>274
千鶴>>275

再指定
あずき>>275
千鶴>>276

ほい!

再々指定、どうも苦手で……
あずき>>276
千鶴>>277

あずきは>>276の90点で確定!
千鶴を再指定、>>279

そおい

あずき「勝ちー!」

千鶴「だから、あてにならないってば……
なんてこと、10点差つけられるなんて」ギリッ

あずき「まあまあ、遊びよ遊び。
それに、夏祭りで歌う曲、J-POPじゃないでしょ?」

千鶴「確か、演歌と地元のナントカ音頭だったはずよ。
厳しいわね、純和風活動縛りって」

あずき「いいんじゃない? その分、目標がハッキリして。
私、いろんなことに首突っ込む性格だから、自分を見失わなくて助かってるんだ」

千鶴「そうね……大事よね、そういう考え方」

あずき「まあ、お互いひどい点数じゃなかったし。プランA続行ってことで!」

千鶴(竜胆組に入って、よかった。
一人であれこれ悩む私に、皆は違った意見をくれる。
それが、前に進む勇気になる)

夏祭り当日

司会「続きまして、今ブレイク寸前!
純和風アイドルユニット『竜胆組』から、桃井あずきさんと松尾千鶴さんの登場です!」

ワーワーパチパチ

あずき&千鶴「会場の皆さん、こんばんはー!」

司会「何とも艶っぽい、紫を基調とした着物を着ているのがあずきさん。
特技は金魚すくいだそうです。
清潔感あふれる、淡い緑を基調にしているのが千鶴さん。
特技は書道パフォーマンスとのこと!」

あずき「私たち竜胆組は『21世紀のヤマトナデシコ』を目指して、
活動してるんですよ♪」

千鶴「仕事の時間は和服を着るべし、水着の仕事受けるべからず……
変なユニットだと思うでしょ」

あずき「でも、おかげでこんなに綺麗な着物で、皆さんに会えるんです!」

千鶴「私たちの活動を見て、日本っていい国だなって。
そう思ってもらえれば嬉しいです」

あずき「正直、歌も踊りもまだまだな私達ですが」

千鶴「皆さんの応援と……志を同じくした仲間がいれば、
立派なヤマトナデシコになれると信じています」

あずき&千鶴「応援、よろしくお願いします!」フカブカ

司会「それではこの夏発売予定の『竜胆組』デビュー曲。
張り切って歌っていただきましょう!」

千鶴(ま、まさか、この曲を披露する一番手に、あずき共々選ばれるなんて……)

司会「この歌のテーマは>>283だそうです!」

夏祭り

司会「テーマは『夏祭り』。
『竜胆組』は今後も、四季折々の風景に、乙女心を読み込んで歌っていきたい、とのことです」

~熱唱中~

司会「いやーいい曲でしたね! 発売が楽しみです!」

司会「続きましてお二人には、地元の○○音頭を歌っていただきます。
皆様、曲に合わせて楽しく踊ってくださいませ」

~熱唱中~

司会「それでは今一度『竜胆組』のお二人に大きな拍手を!」

ワーワーパチパチ

千鶴「お、終わった……レッスンとは全然緊張感が違うわ。
本番で二曲歌うだけで、こんなに疲れてちゃ」ハアハア

あずき「あはは、ライブなんて身がもたないかもね」

千鶴「脳天気に言わないでよ。お得意の作戦、何かないの?」

あずき「そうだなあ……『千里の道も一歩から大作戦!』だね♪」

千鶴「やっぱりないのね……期待してたわけじゃないけど」ガックリ

あずき「それよりさ! 今日のお仕事も終わったことだし、後はお祭りを楽しもう!」

千鶴「わあ、どんなお店があるか楽しみ……コホン、浴衣に着替えてからよ」

事務所で撮影VTR鑑賞中

P「そうか、ついに歌ったか。急ごしらえにしては上出来だ。
でも、これがゴールじゃないんだぞ?」

あずき「当たり前だよ! あずきの作戦はこれから!」

千鶴「あずき、振り付けが伸び伸びしてる……
私ってば、身体も表情もカチンカチン……」

あずき「精一杯の笑顔、って感じだね!」

P「それもまたよし。ところで神は言っている。
『千鶴ちゃんてエリアボスだっけ? あの時とイメージとか違うな』と」ニヤニヤ

ちひろ「あの時(福岡エリアボス)の『アイドルやらされてる感』は、
凄かったですからね」ニヤニヤ

千鶴「あ、あの頃は、本当に向いてないと思ってて!
仕事も、早く終わらせたかっただけなの!」カオマッカ

P「今は?」

千鶴「向いてたかどうかはわからない。
人前で、素直に物を言うのも相変わらず苦手。でも……
ありがちだけど、仲間ができたから」ニコッ

P「アイドル活動も続けられたし、少しずつでも変わってきた?」

千鶴「本当に感謝してる、みんなに……
あと、プロデューサーにも、あ、あああ、ありがとう……」

P「えっ、何だって? 歳のせいかのー(棒)」

千鶴「独り言です!」

あずき「プロデューサーさん、大事なことは聞き逃さないくせに♪」

竜胆組のお仕事、その三 一日海女さん体験


P「今日は翠の仕事の日か。
この手の仕事は珍しいからな、俺も一緒に行こう」

翠「そんな、プロデューサーさんにご迷惑をおかけするわけには……」

紗枝「と言いつつ、いい笑顔してますえ、翠はん」クスクス

翠「きょ、局長!
この水野翠、誓って公私混同はいたしません」キリッ

P「自分で獲った貝とかは、自分で食べていいんだぞ?
意外! 翠は食いしん坊ッ!」

ちひろ「酒! 飲まずにはいられないッ!」

翠「あの、そういう意味で申し上げたのでは……」

翠(プロデューサーさんと一緒、一緒~)

ありす「あ、水野先輩。ちょうどいい所に!」タタタ

翠「あら、橘さん。なぜ見てるんです? タブレットを」

ありす「今日は海女の格好をするんですよね?
どういう格好かご存じですか」

翠「それは勿論。
去年の連ドラみたいな、はんてんに白い短パンぽいものを」

ありす「それは現代の話です。
こちらを見てください、『海女』で検索したら……」

翠「どれどれ……えええ!?」

ありす「と、いうことなんです……」カオマッカ

翠「上半身裸、下半身は布を巻くか褌着用……
しかし、これは今から50年以上前の話です!」

ありす(うわ、論破したくなってきた)

ありす「一度は絶えても、復活した伝統はいくらでもあります。
その復活に値するかどうか、プロデューサーさんは今回の仕事で見極めたいのでは?
自分自身の目で!」ビシイッ

翠「な、なんですってー!
では、同行するとおっしゃったのは!」

ありす「先輩に着せて、判断するためです!」m9ドーーーン!!

翠(プロデューサーさんに限って、そんな社会的に抹殺確定な選択をするとは思えません。

でも、人目につかない場所で、私をサンプルにするとしたら……?)ポワポワポワ

翠「い、いかがですか……?」フルフル

P「うーん。
さすがに、これは今の大衆の目にさらせないだろう」

翠「ですよね」

P「だが、この姿を二度と見られなくなるのは惜しい。
翠、伝統復活のため、時々でいいからその姿を見せてくれないか。
二人きりのときに」

翠「そ、そうですね。
伝統復活のためなら、仕方ないかと……」

P「ありがとう翠、その献身に感謝する」ギュ

翠「ああっ、プロデューサーっ」ギュ

ありす「という論理も成り立つと思うのですが、
さすがに机上の空論で……あれ、いない」

翠「プロデューサーさんの真意、仕事の中で確かめなくては。
そして、あの人の心を狙い撃つ好機!」グッ

お仕事当日 某I県


地元の海女さん「まあまあ、東京からわざわざお越しになって」

P「本日は、よろしくお願いします」

海女さん「そちらの和服の娘さんが、今日潜るのかしら?」

翠「『竜胆組』水野と申します。
初めての体験でご迷惑をおかけするかもしれません。
ご教授のほど、よろしくお願いします!」

神速で着替え中……

P「紺色のはんてんに、白の短パン、手袋、足袋。頭に手ぬぐい。
テレビでしか見たことのない海女さんが、今、目の前に!
カメラマンさんとは別に、俺も写真撮っとこう」スチャ

翠「い、いかがですか。
プロデューサーさんからご覧になった印象は?」

P「そうだな、綺麗というより……かわいい?
それにしても、脚、白いなー」カシャカシャカシャ

翠「あまり日焼けしない体質なので……恥ずかしい……」

海女さん「今日はあくまでも体験ということで、そんなに深く潜ったりはしません。
あくまでも、海女というものを知っていただきたく」

翠「承知しました」

P「ところで翠は、素潜りとかしたことはあるのか?」

翠「地元の海水浴場で、一度。その時は……」

水野翠は泳ぎが達者なのか、カナヅチなのか?
>>299のコンマ下一桁メートルが、彼女の記録

おまかせあれ

翠「8メートルでしたね。それ以上は息が続かなくて」テヘペロ

海女さん「……素人……?」

P「ま、まあ、潜りながら漁をするのは別問題ですから! 
弓道が得意なこと以外は普通の可愛い女の子ですよ、アハハハハ」

P(その弓の腕がとんでもないんだけどね!)


翠「見てください! ウニですよ、チクチクですよー」キャッキャッ

P「おう、頑張ってるなー! それ持ったまま、はいポーズ」カシャッ

翠「採れました、ふふっ」

P(ごく浅いところのウニやアワビを、潜って採る。
ホントに体験レベルだけど、こんなにはしゃぐ翠を見るのは初めてかも)

翠「自分で採った海の幸を、その場で調理して食べる。
お腹も空いてたし、最高ですね!」モグモグ

P「うんうん。思った以上に、自然体の翠が出ているな。
いいことだ」

休憩中

P「お疲れさん」

翠「今日はとても楽しいお仕事です。
これも、プロデューサーさんのおかげ……」

P「いや、アンケートで実現した企画だからな。
答えてくれた人にも感謝だ」

翠「と、ところでっ!
海女さんって、昔からああいう格好だったんでしょうか?」

P「うーん、俺も連ドラのアレのイメージしかないが……
あまり、昔から変わってないんじゃないの? 細かい素材は別として」

翠(この反応。プロデューサーさんは本当に知らないみたいですね)

翠「……実は少々勉強したのですが、昔の海女さんは……」カクカクシカジカ

P「えっそうなの!?
俺の予想の斜め上だな、そりゃ」

翠「プロデューサーさんは、どう思います?
もう昔の話だからあまり興味がないとか、
見られるものなら見たかったとか!」ズイッ

P(どうって、どう答えてあげたものか。
翠は真面目一途だから、迂闊なこと言うと暴走しかねない)

どう答えます?>>302

うーん。興味がないと言えば嘘になる。

だが、見たいかというと、そういうわけでもない。

ただ、俺の勉強不足を少し痛感したよ。やはり仕事をする場所のことは多少は勉強しとかないとボロが出るからな…

それにしても、翠は偉いな。海女の仕事をするために事前に勉強してくるからな。
俺もまだまだだ。

でも、昔の海女さんの格好なんかするなよ?今やったら大問題だ。
それに、今日の翠の海女さんの格好似合ってたぞ。

P(という返答が天から聞こえてきたので、翠にそのまま伝えてみた)

翠「そ、そうですよね。
見せてくれとか言われたら……やっぱり、心の準備が……」

P「だーかーら!
知識としてはよく覚えておくけど、翠にそんな格好はさせないって。
お前を大事に思ってるからこそ、な?」

翠「はい……その言葉、信じます。
今の私の姿を、褒めてくださったし……」テレテレ

P(ふう、これにて一件落着。翠はやっぱり天然入ってるよなー。
だがそれがいい)


P「おかげさまで、無事仕事が終わりました」ペコリ

海女さん「水野さんは、海女としてもいいカンしてるのよね。
礼儀正しいし美人だし、東京に帰すのが惜しいくらい」

翠「きょ、恐縮です」

P「ではお互い、良い伝統を守るために頑張っていきましょう」

帰りの新幹線

P「ZZZ……」

翠「プロデューサーさん、ぐっすりですね。
お疲れ様、そして、ありがとうございました。
またいつか、狙い撃たせていただきます……なんて」クスッ

P(ぬおおお!
想像してはダメだ、昔の海女の格好した翠とか!
煩悩退散、煩悩退散)

今日も安価のご回答、ありがとうございました。

次回、温泉ロケ4人組編!(ただし拓海はオプショナルツアーで山笠参加)

ちひろ「プロデューサーさん、今日は七夕ですよ!
何をお願いするんですか?」

P「そりゃもちろん、アイドル達の芸事上達と、プロダクションの商売繁盛ですよ」

ちひろ「真面目ですねえ~。
そんなプロデューサーさんに、何と神様からのプレゼントです!」

P「なんだか猛烈に悪い予感がしますが、一応聞きましょう」

ちひろ「『竜胆組』所属アイドルに、こんなことをしてほしい!
という夢を叶えてくれるそうです。
あくまでも夢の中ですが」

P「俺の意思は尊重されるんですか?」

ちひろ「もちろん安価で決めます!」ニッコリ

P「もうどうにでもなーれ\(^o^)/」

誰に何をしてほしい?>>308以降しばらく募集中

純和風アイドルユニット『竜胆組』メンバー

一、水野翠 http://i.imgur.com/UmX5VhS.jpg

二、橘ありす http://imgur.com/08DL3C4.jpg

三、小早川紗枝 http://imgur.com/x0Prdow.jpg

四、浜口あやめ http://imgur.com/olKG705.jpg

五、向井拓海 http://imgur.com/mY74zIf.jpg

六、桃井あずき http://i.imgur.com/qQYjCUV.jpg

七、松尾千鶴 http://i.imgur.com/PGmFolG.jpg

八、鷹富士茄子 http://imgur.com/1V3M0we.jpg

九、塩見周子 http://imgur.com/t2BxTYi.jpg

主観アングル
浴衣でバーチャルデートDVDの発売

壱之巻
局長と縁日
二之巻
しゅーこと花火大会
三之巻
姉御と灯籠流し
四之巻
茄子さんと肝試し

紗枝「屋台で好きな食べ物、どすか? うち、りんご飴が好きどすえ。
何やこう、かいらしい思わへん? せっかくやし、二人で一つを食べよか。
ほな、うちはこちら側から……あむっ……ふふっ……」

周子「たーまやー。どーん。おお、開いた開いた。
このお腹に響く感じも癖になるよねぇ。
え? 花火より、アタシの横顔を見ていたい?
またまたご冗談を~。……わかってるって、アンタが冗談言える人じゃないってこと♪」

拓海「こうやって、光が無数に続いてく風景……渋滞した夜の高速に似てるんだよな。
でも、こっちの光には、木と紙の温もりがあって好きだよ。
あー笑うな、アタシだってたまにはセンチになってもいいだろ!」

茄子「あ、あの、手を放さないでくださいね。
私がいくら強運の持ち主だからって、怖いものは怖いんです。
え、自分は色々とラッキーだって? そ、それは何より……キャーッ、出たーっ!」ギュッ

P「ハッ! DVDが出て、店頭に平積みされてる夢を見たんですよ!
チクショー、夢じゃなければ結構な売上に」

ちひろ「まあ、みんなで頑張れば叶いそうな夢ですね♪ さて次は>>311

P「俺、寝たり起きたりを繰り返してるのか? 深く考えないようにしよう」

翠さんと弓道の稽古

翠「弓の持ち方は、もっと……そう、そんな感じですよ」ギュ

P「はっはい。
すみません主将、居残りに付き合っていただいて」

翠「あなたには、優れた素質があります。
でも、それが花開くには、他の人より長い時間がかかると思う。
気にすることはないのです」

P(翠の後輩で、二人きりで居残り稽古って設定か。
それにしても翠が近いな! 俺の手を握って指導してるし、
何か言うたびに爽やかな吐息が!)

ターーーーン

P「おおっ! ど真ん中じゃないけど……」

翠「ほら、さっきよりうまくできたでしょう。
精進を重ねれば、必ず道は開けます」ニコッ

フワッ

P(この、なんとも言えない素朴な匂い……
翠の髪と汗の匂いかな?)スンスン

翠「あっ、こら……! ふふ、困った後輩ですね」ギュッ

P「むぐ! しゅ、主将!? まずいですよ」

翠「強くなるには精進と……ご褒美かしら?
こんな恥ずかしい匂いでも、私の見込んだ人が強くなるなら……///」

P「うわーすまん翠!」ガンガンガン

ちひろ「プロデューサーさん! 机に頭を叩きつけてどうしたんです!?」

P「自分の秘めたる欲望に愕然としました」

ちひろ「これは面白くなってきましたね! では神様、次は>>315で!」

P「鬼! 悪魔!」

翠との結婚生活
何故か娘達が竜胆組

翠「旦那様、今日もお仕事お疲れ様でした」フカブカ

P(ふすまを開ければ、布団は一つ、枕は二つ。
純白の寝間着一枚の翠が、三つ指ついている。
言ー葉にーできなーいby小田和正)

翠「お疲れのところ恐縮ですが……その……
今宵も旦那様のお情けを頂戴したく……」カオマッカ

P「お前が求めてくれるなら、断る理由もないだろう?
ほら」グイッ、トサッ

翠「ああ旦那様っ、そんな強引な……
でもそんなところが素敵……んっ」

P「自分の娘達で、純和風アイドルユニットを作るんだろう?
一緒に夜の弓道、頑張らないとな」

翠「はっ……はい!
弓で鍛錬した私の奥に、思う存分放ってくださいませ」ギュ

P(奥ってどこよ! 何を放つんだよ!)

ふすまの隙間

チビあやめ「父上と母上が、今日も空蝉の術の鍛錬ですね! ニンッ!」

チビ千鶴「ふーん、あ、そう……
ふ、筆をあんな風に使うなんて! あれが大人の習字?」

P「ぬおおお! 翠に合わせる顔がなーい!」

ちひろ「いやープロデューサーさんも健全な男子ですねーあっはっはー」

P「これが、支社長を葬り去った女ッ! 吐き気を催す邪悪ッ!」ガクガクブルブル

ちひろ「最後に神は言っている、>>318と」

しゅーことだらだらする

周子「プロデューサーさん、どしたの?
ひどくうなされてたけど」

P「はっ! ここはいつもの事務所……だよな?」キョロキョロ

周子「実は夢の中でしたー」

P「何イイイィッ!?
それじゃお前も、何か仕掛けてくるのか!?」

周子「うわ、めっちゃ警戒されてる。
冗談だよ冗談、よっぽど嫌な夢だったんだね」

P「まあ、自分が嫌になったのは確かだな」

周子「疲れてるんだよ、きっと。
というわけでお茶の時間にしよう。おなかすいたーん♪」

P「そういや、お前の実家の八つ橋、まだ残ってたな」ガサゴソ

周子「アタシは、お茶入れとくね」

周子「明日からの温泉ロケの仕事、楽しみなんだよねー」

P「そうかそうか。けど、油断は禁物だぞ」

周子「油断? バスタオルが外れたりとか?
そういや水着着用禁止だもんね、仕事中は」ニヤニヤ

P「ブフォッ! シャレにならないから、勘弁してくれ」

周子「あはは、想像してるし。そうだ、いいこと思いついた」

P「なんだよ」

周子「純和風な遊び。
この八つ橋、アタシがこっちから食べてくから、プロデューサーさんはそっちから」

P「ポッキーゲームじゃねえか!」

周子「そんなのは初耳だなー。
で、やるの? やらないの? んー♪」

P(ヤバイ。
突き出された口がめっちゃ可愛い! この小狐め)

紗枝「ほんまに楽しそうどすなー、周子はんにプロデューサーはん」ゴゴゴゴゴ

P(笑顔が怖い! サボっていることに対する怒りか!?)

紗枝「せっかくやから、うちも参戦しますえ」ニッコリ

P「は?」

周子「そう来なくっちゃね」

紗枝「八つ橋は三角形さかい、こっちの端をくわえて……んー♪」

P(周子と紗枝の顔がめっちゃ近い! 二人でキスしてしまいそうなくらいに……
あ、八つ橋が小さすぎて、俺の入るスペースがないわコレ。
よし冷静になった)

P「えー二人とも、いい年した男をからかうのはその辺にしときなさい」コホン

周子&紗枝「んー?(えー?)」

P「特に紗枝。
局長が率先して風紀を乱してどうする」

紗枝「ぷはっ……
時には茶目っ気も、まとめ役には必要どすえ♪」

P「なんという詭弁」

周子「八ツ橋ゲームやらないんなら、これアタシが食べちゃうねー」パクパク

紗枝「どうぞどうぞ。うちもお一つ、いただきますよって」ヒョイ

P「おま、間接キス……まあいいか、たまにはこんな時間も。
和服アイドル二人とまったり、何の不満があろうか、いやない(反語)」ズズー

竜胆組のお仕事、その四 温泉ロケ+α

はじめに
ちひろ「今回の山笠はフィクションです。
実在の祭事とは一切関係ありません」

P「というわけで。
あやめ、茄子、周子は先に旅館へ向かってくれ」

あやめ「承知しました!」

周子「四人揃うまで、ゆっくりしてるね」

茄子「向井さんには、悪いですが……行ってまいります」

P「いってらっしゃーい……さて、待たせたな!」ニカッ

拓海「断る」ツーン

P「あのさぁ……この企画、天の声なんだよなあ」

拓海「天の声にも変な声があるっつーの!
女が山笠で締め込み姿になるのは、ガキの時までなんだよ!
そーゆー伝統!」ガーッ

P「竜胆組文学師範、論破お願いします」

ありす「そもそも伝統文化というのは……
時代に合わせ柔軟に形を変えてこそ、生き延びていけるもの。
山笠が例外かと言われると、必ずしもそうとは言い切れません。
向井先輩の参加によって、伝統が変わることも、なきにしもあらずではないでしょうか」フンス

P「はいよくできました(詭弁が)」ナデナデ

ありす「えへへ」

拓海「こいつは竜胆組に入ってから、どんどん口が達者に……!」ビキビキ

P「まあ、一式は用意したから、行くだけ行こう。
どうしてもイヤと言うなら、俺が泥をかぶれば済む話さ」

拓海「ったく……
あと三人はいいよなー、ほとんど遊びじゃねーか」

P「んふふ、そう思う?
竜胆組の芸能活動、そう甘くはないんだなー」


その頃

旅館女将「東京からよくお越しくださいました。
本日はお三方、仲居の体験学習に来られたとうかがっておりますが」

あやめ・周子・茄子「「「えっ」」」

山笠祭り・会場

『竜胆組から、あの特攻隊長・向井拓海も参加!』

拓海「このポスターじゃどう見ても、アタシが締め込み姿で参加するように
取られるじゃねーか!」

P「参加(締め込みで参加とは言ってない)」

拓海「はーあ、着々と外堀は埋められてるってわけね。
けどヤなもんはヤだからな」

P「わかったわかった。
それにしても、これだけ集まると壮観だな」

拓海「ガキも結構いるんだよな、可愛いケツ出してさ。
へへ、ちょっと声かけてくるか」

子供「あっ、たくみんだ!」

拓海「よーう、みんな気合入ってるじゃねーか」

子供「だって、楽しいんだもん。たくみんも、参加するんだよね?」

拓海「あっ、いや、アタシはホラ、大人の女だから(純粋な目が痛いぜ……)」

P(右目に眼帯)
「さて、画面の前のJSの皆さん。
見たいですよね、拓海の締め込み姿。
そこで! かたくなになっている拓海に、無邪気な言葉を投げかけて、
説得してください。
レディー・ゴーッ!!」

>>328からしばらく募集中

お姉ちゃんのカッコイイところ、ボクもっと見てみたいな!

子供A「お姉ちゃんのカッコイイところ、ボクもっと見てみたいな!」

拓海「か、カッコイイかもしれないけどさ。
十八にもなると流石に恥ずかしいし……」

子供B(仮)「たくみんは山笠の衣装着やがらないのですか?
締め込みの気持ちになるですよ」

拓海「お、おう。
言葉の意味はよくわからねえが、とにかくすごい自信だ」

子供C「お姉ちゃん、ぼくたちといっしょに参加しようよ。
おねがい」ウワメヅカイ

拓海「ううっ……男にガンつけられても怖くもねえが、
こういう無邪気な視線にゃ弱いんだよぉ……」

子供D「拓海さんてかっこうよくてりりしくてファンなんです!
そんなヤマトナデシコの勇姿が見られるなんてかんげきです!」

拓海「えっ、おめーは女の子か!?
いやいや、おめーも立派なヤマトナデシコだよ」

子供E「お姉ちゃん……いっしょにしよ?」

拓海「一緒か、そうだな! 下心丸出しの男どもより、お前らと一緒に山笠をかく(担ぐ)か!」

P「お、戻ってきた。どうする?」

拓海「プロデューサー。アタシも腹ァくくるぜ!」

P「さんざん煽ってきて今更だが……
着物でご挨拶だけ、って手もあるぞ? 参加した事にはなる」

拓海「ガキが堂々と締め込みしてるのに、アタシが逃げるわけにもいかないっての。
着替えてくる、覗いたらぶん殴るからな!」

子供用更衣室

拓海「やると決めたからには、ちゃっちゃと脱ぐ!」バサッ、プルルンッ

「万一に備えて、締め方はこっそり勉強しておいた。
ぐっ……きつく巻かないと……ほどけたりしたら一生の恥だからな……」グイグイ

「さっきの女の子は水法被だけだったけど、さすがにサラシは巻かせてくれよ……と」シュルシュルシュル

「この水法被……背中に竜胆の紋がついてやがる!
プロデューサーの野郎、特注したのか!?」

「あとは足袋はいて、ねじり鉢巻締めて……
竜胆組・向井拓海、行くぜ!」

拓海「あー、竜胆組の向井拓海だ。
今日はアタシも、この祭りに参加させてもらう!
もちろんこの格好で、子供たちと一緒に山笠をかくってことさ。
夜露死苦!」プリンッ

ザワザワザワ

拓海「男ども!
アタシはヤマトナデシコのてっぺん目指してるんだ。
お前らも山笠かいて、日本男児の魂、見せてみろ!
人混みから馬鹿でかいカメラで、アタシの尻ばっか追っかけてんじゃねーぞ?」ギラリ

ギクッ
カメラ小僧「なんだ、この強烈なプレッシャーは!
動けカメラ、なぜ動かん!!」

拓海「今日はたくみせんせーが一緒だぜ! それ、おっしょい!」タユンタユン
子供たち「おっしょい!」

P「拓海の気迫が、撮影機材すら止めるというのか! これはナンセンスだ。
だが、子供たちに向ける眼差しは……まるで、観音様だな。
サラシで抑えきれない胸も、むき出しの尻も、エッチというよりむしろ凛々しくすらある」

拓海「ふう――っ! いい汗かいたぜ。みんな、よく頑張ったな」ナデナデ

子供たち「ありがとー、たくみせんせー!」

拓海「あれどうした少年たち、前かがみになって。
どこか打ったのか? 大事にしろよ」マジマジ

男子「…………///」


拓海「よう、プロデューサー。これで満足かよ?」ニヤリ

P「いやはや……お前を見くびっていた。
やるにしても、顔を真っ赤にして、嫌々やるかと思ってた。
それがこんなに堂々と」

拓海「アタシだって、逃げることばかり考えてたさ。
あの子たちに会うまでは、な」

P「とにかく、お疲れさん。さあ、次は温泉ロケだ。
三人が待ってるぞ」


子供たちに聞きました。たくみんの締め込み姿、どうだった?
>>327からしばらく募集中

間違えた、>>338から。

たくみんたくみん……うっ……ふう

P「すっかり子供たちのアイドルだな。男子にも女子にも大人気だ」

拓海「柄にもなく照れるぜ、まっすぐな言い方されると。
結婚したいとか、アタシみたいになりたいとか」

P「子供の感性は正直だ。
本当に良いものでなければ、見向きもされないんだよ」

拓海「ところで、最初の一人は調子でも悪かったのか?
『うっ』とか『ふぅ』とか、うめいてたけどさ」

P「いや、あれは……目覚めてしまったというか……」

拓海「はぁ。なんだそりゃ?」

P(だって至近距離で締め込みたくみんだぜ?

B95の美巨乳はサラシを巻いただけだし、

前垂れがめくれてチラチラ見えるだろうし、

87というサイズを誇りながら引き締まったヒップは丸出しだし、

もちろん顔も凛々しいし。目に焼き付いちゃうだろ)

拓海「前かがみになって苦しそうな男子もいたしなぁ。
そうか、山笠ってのは大変なんだな」シミジミ

P(たくみん十八歳マジでピュア)

旅館

拓海「プロデューサーの奴、別の仕事があるからって帰りやがった。
せっかくだから泊まってけばいいのにな」

女将「向井拓海様ですね、いらっしゃいませ。
塩見様、浜口様、鷹富士様はすでにお部屋でお待ちです」フカブカー

拓海「待ちくたびれたろ……うおおい!?
仲居さんが三人倒れてるぞ!」

周子「たくみんー? お疲れー」グデー

あやめ「わたくしたちも、仲居のお役目果たしてまいりましたー」ダラーン

茄子「貴重な体験ができたという意味では、幸運なのでしょうか……」グッタリ

拓海「働かされてたのかよ!
まあなんだ、アタシだけ大変だと思ってて悪かった」


周子「おっ、そろそろ温泉ロケの時間やでー。
局中法度その三、覚えてる?」

あやめ「『水着の仕事受けるべからず』
つ、つまり……」

拓海「なーに、バスタオルがほどけなきゃいいんだろ?
こちとら、さっきまで水着以上のカッコしてきたんだ、度胸はついてるぜ」

茄子「皆さんに、バスタオルがほどけない程度の幸運を授けましょう♪」

露天風呂

拓海「はぁ――っ!
山笠の疲れも吹っ飛ぶ、いい湯だぜ」

あやめ「向井殿、カメラ回っております。言葉遣いはもう少し丁寧に」ヒソヒソ

茄子「色も乳白色でとても綺麗ですねー。
もちろん景色も素晴らしいですよ」

周子「なになに、効能は?
美肌、豊胸、子宝……という言い伝えがありますだって。
人によっちゃ、もう十分ってのもあるねー」ニマニマ

拓海「ああ! 周子の肌、真っ白ですべすべだもんな」

周子(たくみん十八歳マジでピュア)

あやめ「おや、AD殿がフリップを出しておりまする」

誰にどんなことをしてほしい?>>350以降しばらく募集

白濁液に浸ってるんだから、見えない見えない
バスタオル取ろっか、じゃあ(ゲス顔)

あやめ「なんと!
フリップを出しているAD殿は、複数いるようです」

拓海「どんなロケだよ……」

周子「じゃあ、役割分担しよう♪
私の肌は白いから、これだけお湯が白ければ……」ポイッ

AD「バスタオルの霊圧が……消えた……!?」

周子「んふふ、でも見えないでしょう?
あとはご想像にお任せ、てね♪」

あやめ「やりますな、塩見殿。ではあやめも忍者らしく……」ドボン

拓海「あやめが潜った!? 下から来るぞ、気をつけろぉ!!」

ムギュ

あやめ「お宝、頂戴しました!
むむ、このバスタオル越しでもハッキリと分かる重みと柔らかさは、ニントモカントモ」

ムニュムニュ

茄子(88)「あぁん♪
ダメですよあやめさん、大和撫子がそんなはしたない真似をしては」タユンタユン

あやめ(78)「……これが10センチの壁(´・ω・`)」

拓海「勝手に落ち込んでるぜ。まあギリギリこんなもんだろ」

周子「そうそう。お・も・て・な・し(死語)しすぎると、お蔵入りになっちゃうからね」

あやめ「ふう、動けませぬー。
自分たちで死ぬほど運んだ夕食は、格別の味でしたね!」ポンポン

茄子「私は、なぜか団体さんに呼ばれて、宴会芸を披露してきました。
楽しんでいただいたようで、何よりです」

あやめ「そういえば、塩見殿と向井殿は?」

茄子「また、温泉に行くと言ってましたよ。人目を気にせず、入ってきたいとか」

周子「よっ。ナイスバディが泡まみれだね」

拓海「塩見か。
今日は汗かきまくったからな、いつもよりきちんと洗わないとすっきりしねえ」ゴシゴシ

周子「それにしても、ぷるんぷるんだよね。
どことは言わないけど」

拓海(95)「ああコレ?
育ちすぎても、あまりいいことないぜ。重いし、着付けは大変だし」ユッサユッサ

周子「そうだ、あたしがたくみんの背中を洗ってあげよう♪」

拓海「いいのか? なんか、こうやって誰かに背中を預けるのも久しぶりだぜ」

周子「ふーむ。
髪をまとめるとさ、たくみんって色っぽくなるよね」ゴシゴシ

拓海「あーそこ気持ちいいー。お前うまいなぁ」

周子「横からおっぱい見えるし……聞いてないね」ゴシゴシ

拓海「よし、次はこっちの番だ。
にしてもお前、ホントに肌真っ白だな。体質か?」ゴシゴシ

周子「それと、実家で毎日だらだらしてたから、だと思うよ。
献血の影響もあるかも(ウソ)」

拓海「それは……真似したくねーな。
そういや実家から追い出されたまんまだっけか」ゴシゴシ

周子「別に、縁切られたわけじゃないけどね。
次に帰る時は、いっぱしのアイドルになった時かな」

拓海「へっ『純和風』が抜けてるぜ。よーし流すぞー」ザパーン

周子「んー。こんな格好は、外には見せられないね」

拓海「ははっ、ありのーままのー♪ってか?」

周子「それ以上歌うとプロダクションが危ないって」

ちひろ「どのお仕事も、成功だったみたいですね!」

P「みんな、成長したと思いますよ。
次はいよいよ、デビュー曲に向けて9人全体で練習です。
そのPVのフォーメーションなんですが……」

ちひろ「センターは小早川局長で決まりですよね?」

P「最初から現在まで、実力は頭ひとつ抜けてますからね。
問題は残り8人の配置です。
実は今の時点で、歌も踊りもほぼ横一線なんですよ」

ちひろ「それってどんぐりの……」

P「失礼な、実力伯仲と言ってください!
ここは神の力を借りるとします」

ちひろ「どうするんです?」

<早い者勝ち? 立ち位置争奪戦>
P「今回の配置はこんなイメージです」
8 6 4 2 ★ 3 5 7 9

P「★はセンターで、紗枝。
2番手以降は竜胆組メンバーの名前を書いてレスしていただきます。
名前が早く出た娘ほど、いい位置を取れます」

ちひろ「今回は票数ではなく、スピード勝負ですね」

P「ただし!
投稿時間のコンマ以下が00か99の場合、
その娘が紗枝を押しのけてセンターになります。
紗枝は2番手になり、以下順位が繰り下がります」

ちひろ「2%の強運を買うわけですね。まずありえないと思いますが、00か99が複数出たら?」

P「もちろん、最初に出した1名限定です。最後に、お一人一レスでお願いします」

純和風アイドルユニット『竜胆組』メンバー

一、水野翠 http://i.imgur.com/UmX5VhS.jpg

二、橘ありす http://imgur.com/08DL3C4.jpg

三、小早川紗枝 http://imgur.com/x0Prdow.jpg

四、浜口あやめ http://imgur.com/olKG705.jpg

五、向井拓海 http://imgur.com/mY74zIf.jpg

六、桃井あずき http://i.imgur.com/qQYjCUV.jpg

七、松尾千鶴 http://i.imgur.com/PGmFolG.jpg

八、鷹富士茄子 http://imgur.com/1V3M0we.jpg

九、塩見周子 http://imgur.com/t2BxTYi.jpg

P「残るはあずきとありすですね」

ちひろ「大逆転センターの可能性もあるので、あきらめないでくださいね♪」

P「ありすが最後に残ったので、自分でレスします」

ちひろ「果たして大逆転はあるか!?」

ありす

P「結果発表!」

一、紗枝
二、翠
三、拓海
四、千鶴
五、周子
六、あやめ
七、茄子
八、あずき
九、ありす

フォーメーション
あずき あやめ 千鶴 翠 紗枝 拓海 周子 茄子 ありす

P「最後はヒヤッとしましたが、紗枝のセンターは揺らぎませんでした」

ちひろ「小早川局長に反対していた二人が、両脇を固める結果になったのは皮肉ですね」

P「何人かに感想を聞いてみよう」

紗枝「局長もセンターも務める。
うちの決意に、嘘はおへんさかい」

翠「私が二番手ですか!
投票してくださった方には感謝してもしきれませんね」

ありす「局長が遠い……
経験の差は埋められませんでした……ぐすっ」

P「当然、結果はPVに反映する。だが、みんなに見せ場は作る。
竜胆組一丸となって、いい仕事をしてほしい。できるね?」

千鶴「腹の底から声を出しつつ、踊りもこなす。
両方、こなさないといけないのが『真の大和撫子』の辛いところね……
で、できないとは言ってないわよ」

マストレ「そうだ。傘や扇を手に舞いながら、大きく美しい声を出してもらう。
加えて、九人がまとまった行動を取れなければ、見苦しいだけだ。
ビシバシ行くぞ!」

P「さらに、デビュー曲とは別に、だ。
こんな企画も進行している」ペラッ

あやめ「劇……ひょっとして、時代劇ですか!?」キラキラ

P「まあ、題材とかは全然決まってないけどね。
お前たちだったら、どんなのをやりたい?」

あやめ「それはもちろん、くのいち忍法帖的なものを!」

拓海「チャンバラがいいんじゃね? 刀でも槍でも振り回して暴れてみせるぜ」

翠「劇ですか……某ご老公漫遊記のような明快な筋書きが、無難ではないかと」

周子「伝奇ものっていうの?
人間以外に扮するのって、面白そうだと思うけど。コンコン♪」

ありす「地味でも、歴史に忠実な作品が、高い評価を受けると思うんですが」

ワーワーギャーギャー

ちひろ「見事にまとまりませんね」

P「ですよねー。自分が主役をやりたい欲望も、チラチラ見えてるし」

純和風アイドルユニット『竜胆組』による劇の題材。一つ選ぶとすれば?

一、アクションとお色気、くのいちもの

二、遊び人は上様だった! チャンバラもの

三、安定の長寿番組を再現、漫遊記もの

四、人ならざる者の醸しだす恐怖とエロス、伝奇もの

五、事実は小説よりも面白い、史実もの

六、その他自由意見

>>377以降しばらく募集中

1

4で紗枝はん主役の狐の嫁入り的なの
影武者(忍者)でアヤメ=サンで完璧

ちひろ「皆さんのおかげで、まとまってきましたね」

P「一番多いのが4、ついで1、3位が3。
いっそ、複数の要素を織り込むのもアリかもしれません」

ちひろ「主役についてはどうなんでしょう」

P「1だったらあやめ。
4だったら紗枝&周子のイメージで考えてる人が多そうです」

ちひろ「では、今後のご意見では主役についても一言いただけると
ありがたいですね」

しゅーこ(主役)で化け狐が紗枝はん(姫役・ヒロイン)を政略結婚から救いだし自分の嫁にするとかどうかな

ナレ「只今より『竜胆組』第一回公演『九尾復活 狐に嫁入り』をお送りします」
ちひろ「いよいよ本番ですね!」
P「客席で見てる我々も緊張してますが、メンバーはもっと緊張してるでしょう」

平安時代、日本を支配せんと目論んだ、美しくも邪悪な大妖怪がいた。
『白面金毛九尾の狐』である。
時の朝廷は総力を上げて九尾を討伐し、その姿は石に変化。
はるかな時は過ぎ、天下泰平の江戸時代。
九尾はとある藩の神社にて、いまだ封印されていた――

神社・九尾封印の間――

茄子「今日も私にできることは、九尾が復活せぬよう、祈りを捧げることだけ」

ちひろ「最初に舞台に出てきたのは……鷹富士さんですか」

P「当たり前ですが、この神社の巫女さん役ですね」

茄子「この幸運が、いつまでも続きますように」

ちひろ「鷹富士さんが退場。舞台中央に石だけが残りましたね。
御札が貼ってありますけど……なんか、どんどん破れてませんか?」

P「時間経過で破れるように、細工してあるそうです。
まあ、九尾の狐を500年も抑えこんでいたらそろそろ限界ですよね」

ちひろ「あっ、ビリビリに! そして、石も真っ二つ……」

周子(声)「はっはっは! 久しぶりの現世だ!」

ちひろ「舞台に、狐が一匹出てきましたね。でも、周子ちゃんは?」

周子(声)「といっても、今はただの狐の姿が精一杯。どうしたものかねー」

P「周子はしばらく、声だけあててます」

城下町――

周子(声)「お、お腹すいたーん……」バタリ

ちひろ「あの狐、演技上手いですね」

P「動物プロダクションさまさまです」

あずき「おっ! これは世にも珍しい白狐。
尻尾も……九本もある、さらに珍しいね!」

ちひろ「あずきちゃんが城下町に出てきたってことは」

P「呉服屋の娘の役です」

周子(声)「た、助かった……?」

あずき「さっそく持ち帰って、毛皮を剥いで、襟巻き作り大作戦!」

周子(声)「ちょっとアンタ!
この九尾様を知らない上に、毛皮にしようとはいい度胸だね。とり憑いてやる!」

あずき「な、何? きゃあああっ」バタン

ムクリ

あずき「ふっふっふ……
若い女の身体は馴染む! 実に! 馴染むぞッ!!」

P「ここからあずきは、九尾に憑かれた演技、早い話が周子の真似をするわけです。
『いつも観察されてる』って、周子も辟易してましたが、仕方ないね」

呉服屋『桃井屋』――

あずき「んー今日も玉露と八つ橋がうまい。
人間の中身はともかく、服も建物も、ずいぶん変わったもんだねー」ムシャムシャ

紗枝姫様の、おなーりー

あずき「ん? アタシも挨拶に出ろって?」

紗枝「こんにちは、桃井屋はん」ニコッ

ちひろ「さすがお姫様!
いつにも増して華やかな着物がお似合いですよ」

P「髪も凄いかつら着けてるんですよ。重いだろうに」

紗枝「いつ見ても、ええお仕事してはりますわー」

あずき「おっ、かわいいお姫様、発見♪
色んな意味で、何も知らなさそうだしね。うふふふふー」

紗枝「ん? 今、何か?」

あずき「あーおこしやすおこしやす。今日もいい天気ですね、と」

ザーザー

紗枝「お天気雨が、ええ天気、どすか?」キョトン

あずき「首を傾げる仕草も、かーわーいーいー」

呉服屋『桃井屋』――

あずき「んー今日も玉露と八つ橋がうまい。
人間の中身はともかく、服も建物も、ずいぶん変わったもんだねー」ムシャムシャ

紗枝姫様の、おなーりー

あずき「ん? アタシも挨拶に出ろって?」

紗枝「こんにちは、桃井屋はん」ニコッ

ちひろ「さすがお姫様!
いつにも増して華やかな着物がお似合いですよ」

P「髪も凄いかつら着けてるんですよ。重いだろうに」

紗枝「いつ見ても、ええお仕事してはりますわー」

あずき「おっ、かわいいお姫様、発見♪
色んな意味で、何も知らなさそうだしね。うふふふふー」

紗枝「ん? 今、何か?」

あずき「あーおこしやすおこしやす。今日もいい天気ですね、と」

ザーザー

紗枝「お天気雨が、ええ天気、どすか?」キョトン

あずき「首を傾げる仕草も、かーわーいーいー」

その夜、あずきの部屋――

周子(声)「ああ! 一刻も早くあの姫に、
あんなことやこんなことや、あまつさえそんなこともしたーい!」

ちひろ「あのー九尾の狐って、女というか雌ですよね?」

P「色欲の権化ですから、同性でもホイホイ食っちまうんですよ」

周子(声)「ふふふふふ……
姫のあられもない体や声を想像しただけで、力がモリモリ湧いてくる。
もう、この娘に憑依してる必要は……ないっ!」

バーーーン

ちひろ「いきなりあずきちゃんの傍らに、周子ちゃんが!
しかも、あのコスチュームは」

P「『あやかし京娘』ですね。
まさに九尾の狐を演じるために作られたとしか思えないでしょ?」

周子「完全復活! 白面金毛九尾の狐! コーンコン♪」

あずき「きゅ、九尾の狐!?」

周子「ふふ、ここまで養ってくれてありがとう。お礼は……
妖かしの力とか、どうかな?」

あずき「いや、来ないで――っ!」

暗転

ちひろ「妖かしの力って……あずきちゃんはどうなってしまうのでしょうか!」

深夜・藩主の城――

周子(声)「狐に化ければ、城に忍び込むなんて簡単簡単。
さーて、姫はどこかなー。
若い女の気配をたどれば……この部屋だ」ガラッ

紗枝「あらまあ。かいらしい狐はん」

周子(声)「ふっふっふ。ただの狐じゃないんだな、これが」

ドロン

周子「アタシは九尾の狐。
かわいいお姫様を、私のものにしたくてねー。
無駄な抵抗はしないほうがいいよ?」ガバッ

ちひろ「いきなり覆いかぶさりましたよ! さえしゅう! さえしゅう!」

紗枝「ああ、これが伝説の、九尾様……
なんてべっぴんさんやろか」ポケー

周子「そりゃどうも。えーと、怖くないの?」

紗枝「うちも十五、そろそろお家のために、嫁ぐ年どす。
せやけど、女に生まれたからには、一度だけでも燃えるような恋を……」

周子「アンタ……
何不自由ない生活をしてるはずなのに、幸せそうじゃないね。
そういうのを、贅沢って言うんだよ」

紗枝「……一目惚れに勝る贅沢など、あらしまへん」

周子「気に入った!
アタシがこの城から、連れ出してあげるって。
合意の上だしね」

P「そしてお姫様抱っこキタ━(゚∀゚)━! 周子、足が震えないように特訓したらしいですよ」

城外、天守閣の屋根――

曲者だ、であえであえー!

周子「我は三国一の大妖怪、白面金毛九尾の狐なり!
姫は、我が貰い受ける! じゃーねー」

紗枝「九尾様は、空を飛ぶこともおできになるんどすなぁ……素敵やわぁ///」

ちひろ「おお、ワイヤーで飛んでますね」

P「伝説の妖怪ですから、この程度は」


ここまでの配役

白面金毛九尾の狐:塩見周子

藩主の娘・紗枝姫:小早川紗枝

呉服屋の娘・あずき:桃井あずき

神社の巫女:鷹富士茄子

???:橘ありす

???:浜口あやめ

???:水野翠

???:向井拓海

???:松尾千鶴

二重投稿があってすみませんでした。

今後ですが、

Pとちひろの解説を、入れるか入れないか

台詞の前の名前は、アイドル名か役名か

皆様の希望をうかがいたく。

メンバーが舞台にフル出場のため、ナレーションは普通にやります。すみません。


一夜明けて、領内は大騒ぎ。

懸命の捜索にもかかわらず、
紗枝姫とあずきを発見することはできなかった。

困り果てた藩主は、領内随一の知恵者と名高い、
ある学者に相談を持ちかけた――

橘家屋敷――

ありす「紗枝姫と、呉服屋の娘が失踪。
しかも、姫をさらった賊は、九尾の狐と名乗って空を飛んだ?」

ちひろ「ありすちゃん、学者みたいな服ですね」

P「調べ物と論破が得意な若き学者、
橘有栖(たちばなの ありす)
という役です」

ちひろ「そのまんまかい」

「有栖殿のお知恵を拝借したい」と、藩士が頭を下げる。

ありす「私は名門・橘家の一員。
気安く名前で呼ばないでください」ツーン

つ山吹色のお菓子

ありす「橘を汚い金で動かそうなどと!」プンスカ

ちひろ「金に綺麗も汚いもあるもんですか!」ガタッ

P「ちひろさん落ち着いて」

つ南蛮渡来のお菓子

ありす「あ、あなたもワルですね。
だってこの『いちごかすていら』美味しいし……」パクパク

P(ちょろかわいい)

有栖は資料に目を通しはじめた。
最初はいつ論破しようかと、半信半疑だったが――

ありす「九尾復活、これだけ証拠が揃うと本当のようですね。
でも、九尾討伐などという名目で兵を動かせば、
今度は藩主ご乱心と疑われるでしょう。
この件、九尾を騙る盗賊の仕業とし、真相は闇に葬るべきです。
そう、闇に」

ちひろ「いきなり天井を見上げて、どうしたんですかね」

あやめ「とうっ! 風魔のあやめ、推参なり!」シュタッ

ちひろ「うわ!
舞台の天井から、ワイヤー使ってあやめちゃんが降りてきましたよ。
相変わらず両脇全開で、忍んでない格好ですね」

ありす「こんなこともあろうかと、風魔忍軍と誼を通じていたのです」

あやめ「お任せを。
九尾の狐をすみやかに討ち取り、紗枝姫とあずき殿を救出してまいります。
ニンッ!」ドロン

ありす「ケホケホ! ここで煙幕たかなくても……」

九尾の巣――

無数の狐の精霊が飛び交い、いちめんススキとキツネノテブクロ(ジギタリス)が生え、
巨大な社に九尾が住まうという、摩訶不思議な空間である。

九尾は並の人間には見つからないこの地に、紗枝姫を連れ込んでいた。

周子「姫、ここでの暮らしは楽しい?
まあ、楽しくないと言っても帰さないけど」

紗枝「はいー。
ここには面白いものばかりやし、九尾様がお優しゅうしてくれはるから」ニコッ

周子「親や家臣、領民が、必死で探していても?」

紗枝「ええんどす。
世の中から後ろ指さされても、九尾様がうちを選んでくれはったさかい」

周子(本当に変わった娘だね。
最初は抱くことばかり考えていたけど、このままでもいいかなー)クスッ

ピクッ

周子「おや。
この巣を突き止めて、何者かがこちらに向かっている?」

紗枝「どないしはったん?」

周子「君の出番だよ、あずき」

シュタタタタ

あやめ「ススキの刃と猛毒の花! されどあやめには通用しませぬ!
むっ何奴!?」

あずき「うふふふふ……」

ちひろ「うわ、デコルテと太腿の露出が凄いことに。
ボディペイントしてるんですか?
それに黄色と黒の着物の色といい、まるで遊女じゃないですか」

P「あずきの手にも注目してください。
巨大化して、爪も鋭いでしょう?」

今のあずきは、九尾に無理やり妖かしの力を与えられ、
女郎蜘蛛の半妖と化していた。
意識は奪われ、九尾の忠実なしもべとなっているのだ。

あやめ「行方不明となっていた、呉服屋の娘ですね!
九尾め、さらったうえに化け物に変えるとは、非道なことを」

あずき「九尾様のご命令……ここは通しません……」シュルシュルシュル

ちひろ「あずきちゃんの袖口から、糸がたくさん伸びてきました!」

P「これ一度、歌舞伎みたいにやってみたかったんですよ」

あずき「触れれば、ざっくり斬れますよ……ふふふ」

あやめ「ぬうっ! 厄介な糸ですねっ!!」

あずき「そして、こういう使い方もできるんです。
ぐるぐる巻き大作戦!」

あやめ「しまった! 身動きが……」

あずき「あとはこの爪で、串刺し大作戦!」

絶体絶命と思われた、その時!

あやめ「忍法、空蝉の術!」スポーン

P「どうですか!
衣装の早替えを応用した、あやめの空蝉は!」ドヤア

ちひろ「これ……相当きわどい格好ですね。
上は鎖帷子、下は紐パンですか?」

あやめ「この争いは不毛。
九尾を討てば正気に戻るでしょう」シュタタタタ

あずき「はっ速い!
申し訳ありません、九尾様。作戦失敗、曲者がそちらに」

周子(声)「ははは。人間一人に後れは取らないってば」

あやめ「九尾の狐!
姫をこちらに引き渡せばよし、さもなくば斬ります」

紗枝「ご苦労さん。
せやけど、丁重にお断りしますえ」ペコリ

あやめ「何をおっしゃるのです!?
姫も操っているのですね、外道が!」

周子「それはどうかなー。
どっちみち、アンタじゃアタシは倒せないしさ」パタパタ

あやめ「そんな扇で、風魔忍軍の刃は止められません。
お覚悟!」ダッ

カキン!カキン!カキン!

周子「そんな眠っちゃいそうなのろい動きで!
このアタシは刺せないよー♪」ヒラリ

ちひろ「忍者刀を、鉄の扇でさばいてますね。
周子ちゃん」

P「でも最初はNG連発で。
あやめと紗枝からアドバイスを受けてました」

カキーン

周子「遅いッ!」

あやめ「くっ!」

周子「おやおや。
刀を落としてしまうとは、情けない忍者だね」パタパタ

あやめ「このままでは討ち死にか……
退いて、橘様に報告せねば」ドロン

周子「逃さないよ! 君も妖かしにっ」

九本の尾が持ち上がり、発光したが、すぐに元に戻った。

周子「逃げられたかぁ」

紗枝「とうとうこの場所が、知られてしもうたんどすな」ハア

周子「やっぱりさぁ。
人間からコソコソ隠れているのは、性に合わないね。
人間が、アタシにひざまずくべきじゃなーい?」

紗枝「九尾様、うちにはこれ以上の幸せなどおへんのに」

周子「そうだねえ……
だったら、そろそろ祝言をあげようか。客も多い方がいい」

紗枝「祝言どすか!
はあぁ……うちが九尾様と、夢みたいどす……」ススス

ちひろ「紗枝ちゃん、周子ちゃんにしなだれかかってますよ。
噂になりそう……」

九尾は紗枝の父親、つまり藩主に挑戦状を叩きつけた。

近々、紗枝姫と婚礼の儀式を執り行う。
儀式が完了すれば、紗枝姫は二度と人間界に戻れない、と。

有栖の反対を押し切って、藩主は領内の兵をかき集め、九尾討伐に踏み切った。

また、藩士だけではなく、報奨金を出し、腕自慢を募ったのである。

翠「……わかりました、やってみましょう。
依頼料は例の蔵に入れておいてください」

名門・水野家の姫で弓の名手、翠。
通称・水野十四(じゅうし)。
財政火の車のお家を救うため、大金で仕事を引き受けた。

翠「九尾の狐を仕留めるための弓と矢……
職人に発注しておかねば」

ちひろ「ちょっと服装を変えただけで、弓道家から姫武者に早変わりですね。
でもなんで十四なんですか?」

P「翠という字が十四画だからです。
ミズノ14(フォーティーン)」

ちひろ「おおっ!
どうりで表情が固いなと思いましたよ」

拓海「へっ、九尾の狐たあ、いいケンカ相手になりそうだぜ!」パキパキ

貧乏藩士の三女で、男相手に喧嘩負け知らず、向井拓海。
もろ肌脱いでサラシを巻き、木刀を振り回す勇姿は、城下でも評判である。

拓海「サラシを、きっちり締めとかねえと……なっ!」キュッ

ちひろ「こっちも違和感ないですね」

P「ちなみに袴の下は本人希望で締め込みです」

ちひろ「拓海ちゃん、山笠以来、何かに目覚めてしまったのでは……」

招待客の子供たち「たくみーん、がんばれー!」

拓海「おう! ぶっちぎるぜ!」ビシッ

いっぽう、藩主を止められなかった有栖は――

ありす「九尾は弱らせても、完全に[ピーーー]ことはできない。
最後は封印するしかありません。
その役目は、やはりあなた達にお任せしましょう」

茄子「たとえ幸運を使い果たしてでも、お役目果たします」

千鶴「はいはい、幕府の命令ならやるわ……
ふ、封印の呪文を……私が書くの!?」

ありす「一筆入魂。
領内一の書道家なら、それができるはずです」

ありす「風魔。あなたも、このまま尻尾を巻くわけにはいかないでしょう」

あやめ「当然。
九尾封印のため、致命傷はわたくしが負わせます。
ニンッ!」

ありす「九尾封印のあかつきには各々に
『いちごかすていら』一年分さしあげましょう。
期待していますよ」

千鶴「それはいらないんだけど……ハッ!
すみません、泣かないで!」

いっぽう、藩主を止められなかった有栖は――

ありす「九尾は弱らせても、完全に殺すことはできない。
最後は封印するしかありません。
その役目は、やはりあなた達にお任せしましょう」

茄子「たとえ幸運を使い果たしてでも、お役目果たします」

千鶴「はいはい、頼まれたならやるわ……
ふ、封印の呪文を……私が書くの!?」

ありす「一筆入魂。
領内一の書道家なら、それができるはずです」

ありす「風魔。あなたも、このまま尻尾を巻くわけにはいかないでしょう」

あやめ「当然。
九尾封印のため、致命傷はわたくしが負わせます。
ニンッ!」

ありす「九尾封印のあかつきには各々に
『いちごかすていら』一年分さしあげましょう。
期待していますよ」

千鶴「それはいらないんだけど……ハッ!
すみません、泣かないで!」

ここまでの配役

白面金毛九尾の狐:塩見周子

藩主の娘・紗枝姫:小早川紗枝

呉服屋の娘・あずき:桃井あずき

神社の巫女:鷹富士茄子

学者・橘有栖(たちばなのありす):橘ありす

風魔のくのいち・あやめ:浜口あやめ

名門水野家の姫武者・翠:水野翠

貧乏藩士向井家の三女・拓海:向井拓海

領内一の書道家:松尾千鶴

P「さて、ここで休憩時間に入ります……って、何やってるんですか鬼悪魔!」

ちひろ「会場の皆さーん。この物語、最後の勝者は誰になると思いますか?
さあ張った張った!」

チャリンチャリン

1.九尾の狐(周子)
ちひろ「肉弾戦であやめを圧倒、妖術も底が知れません。あずきも配下にいます。
ただ、相手は多数。このまま紗枝姫を嫁にできるか?」

2.ありす&茄子&千鶴が九尾を封印
ちひろ「戦いで消耗し尽くした場合、九尾も封印の術からは逃れられないでしょう。
また、人間も九尾を滅ぼすのは困難。3人とも戦闘向きではないのが泣き所」

3.あやめが九尾を討滅
ちひろ「打倒九尾に一番燃えているのが、一度負けた彼女。忍者が魔の者を
討つのは様式美ですが、対魔忍……うっ頭が……」

4.翠が九尾を討滅
ちひろ「弓の超絶技巧に加え、九尾を討つための弓矢を手に入れる予定。
狙撃が決まれば勝ちですが、外すイコール死でもあります」

5.拓海が九尾を討滅
ちひろ「あるのは気迫と根性のみ。しかし、その気迫と根性が、九尾をも
上回れば、ひょっとして最後に立っているのは……」

6.その他自由意見

ちひろ「>>420から、しばらくご意見募集中でーす♪」

2

ちひろ「ありがとうございます!
選んだ理由や、展開への希望もいただけると嬉しいかなーって♪
あ、投票券はこちらに、まいどー」

P「賭博じゃないからいい……のか?」

ちひろ「もうちょっとご意見募集してみましょう。
>>425からしばらく」

周子が封印される……と見せかけて、周子が紗枝の婚約者に化けて末長く幸せみんなハッピーエンド!コレが答えだ!

九尾の巣――

雲ひとつない青空なのに、激しい雨が降っている。

今まさに、婚礼の儀式が行われようとしている証だった。

あやめの情報によって巣の場所は判明し、兵たちが続々と集結。

その最前線に、翠と拓海もいた。

翠「向井殿。
あなたは九尾の狐を、どうやって倒すつもりなのですか?」

拓海「んなもん、決まってんだろ。
正面から木刀(こいつ)で殴りあうだけさ!」

翠「ええっ……無謀にも、ほどがあります」

拓海「水野様はその、いかにも高そうな弓矢で、安全に九尾を射抜くってわけかい」

翠「むっ。慎重と言ってください。任務遂行のためです」

そんな軽口を叩きつつ、九尾の巣に突入する。
だが、そこはまさに妖怪の巣窟だった。大の男達が、恐怖に縮み上がる。
そんな中、姫武者二人が先陣を切って駆け抜ける。

拓海「オラオラ、どうしたぁ!
中に人でも入ってんのかぁ!?」ドゴォ

翠「妖怪どもを殴り倒すとは……木刀が凄いのか、彼女の素質か」ビシュ

なんだかんだで息の合いはじめた二人。
その前に、女郎蜘蛛あずきが立ちふさがる。

あずき「あなた達の相手は、私一人で十分」

拓海「アンタ、呉服屋の娘じゃねーか。
親が心配してたぜ、さっさと帰って顔見せてやりなよ」

翠「無駄ですよ。今の彼女は、九尾の手駒。
一撃で仕留めるのが慈悲というもの」キリキリキリ

拓海「ちょっと待った! 元に戻す方法が、なんかあるはずだろ」

翠「戦ってる間に、それを探すのですか?」

拓海「探すんだよ! アイツを連れて帰るのも、任務なんだろ?」

翠「そう言われると……」

拓海「動きはアタシが止める。
お嬢ちゃん、相撲は好きか? うおりゃあああ!」

糸で木刀を奪われたものの、拓海があずきに組みつく。
だが、華奢な見た目に反し、あずきの腕力は凄まじい。

翠「人間に戻れるような術なら……
娘の体のどこかに小道具をつけ、それで操っているのかもしれない……
集中するのです、翠」

あずき「人間ごときが! 押しつぶしてあげる」

拓海「ぬおおおっ! 早くしろ水野、長くはもたねえって!」

翠「……見破りました!
娘の力が強まるほど、髪にさした花かんざしの輝きが増していますっ!」キリキリキリ

ズキューーーン……

ちひろ「SE間違ってますね」

P「これじゃアサルトライフルだろ」

花かんざしを粉砕した瞬間。
操り人形の糸が切れるように、あずきが崩れ落ちる。

P「舞台袖に倒れこんで、急いでボディペイントと巨大な手を取り外してます」

ちひろ「そうすると、もう一度舞台に出てきた時には……なるほど」

あずき「う、うーん……
キャーッ、変なバケモノがウヨウヨー!!」バタンキュー

拓海「やれやれ。人間に戻ったようだぜ、気は失ったがな」

翠「運が良かった、としか言えませんね。
彼女は後続の兵に任せ、先を急ぎましょう」スチャ

本殿――

九尾は紗枝姫と、今まさに契ろうとするところだった。
姫は白襦袢一枚で恍惚と横たわる。
だが、にわかに外が騒がしくなった。

紗枝「きゅ、九尾様、はようぅ」

周子「そうしたいのは、やまやまなんだけどさー。
まったく、遠慮がないんだから」

姫を残し、九尾は外に向かった。

周子「よく来たね。
我は三国一の大妖怪、白面金毛九尾の狐」

拓海「出やがったな!」

周子「大軍が小物妖怪相手に足止めをくらい、
ここまでたどり着いたのは、アンタ達だけかー」

翠「ですが、私にもあなたを討つ力があります。
お覚悟」キリキリキリ

そのとき、周囲に紫の煙が漂い始めた。
九尾ばかり見ている二人は、気づかない。

翠「この一射で決め……くうっ!?」ゾクゾクッ

拓海「何やってんだ?
しゃあねえ、アタシが一太刀……はうっ!?」カアアッ

周子「ふふっ。
アタシがキツネノテブクロから精製した媚薬、こうかはばつぐんだ!
二人とも美人だからさー、[ピーーー]には惜しいんだよね」

本殿――

九尾は紗枝姫と、今まさに契ろうとするところだった。
姫は白襦袢一枚で恍惚と横たわる。
だが、にわかに外が騒がしくなった。

紗枝「きゅ、九尾様、はようぅ」

周子「そうしたいのは、やまやまなんだけどさー。
まったく、遠慮がないんだから」

姫を残し、九尾は外に向かった。

周子「よく来たね。
我は三国一の大妖怪、白面金毛九尾の狐」

拓海「出やがったな!」

周子「大軍が小物妖怪相手に足止めをくらい、
ここまでたどり着いたのは、アンタ達だけかー」

翠「ですが、私にもあなたを討つ力があります。
お覚悟」キリキリキリ

そのとき、周囲に紫の煙が漂い始めた。
九尾ばかり見ている二人は、気づかない。

翠「この一射で決め……くうっ!?」ゾクゾクッ

拓海「何やってんだ?
しゃあねえ、アタシが一太刀……はうっ!?」カアアッ

周子「ふふっ。
アタシがキツネノテブクロから精製した媚薬、こうかはばつぐんだ!
二人とも美人だからさー、殺すには惜しいんだよね」

拓海「こ、こんな感覚、アタシ知らない!
初めてだぜ……あぁん♪」

翠「……狐ごときが増長を……らめぇ♪」

翠も拓海も武器を取り落とし、色っぽく身をくねらせるしかない。
激しく動いていた拓海のサラシは、今にもほどけそうである。

招待客の子供A「ねーねーたくみん、どうしちゃったのかな」

招待客の子供B「苦しそうだけど、気持ちよさそう。
見てるとドキドキする」

P「これでも表現を抑えたんですが、子供には早すぎましたかね」

ちひろ「客層を考えましょうよ」

周子「さあ、次はアタシの前で服でも脱いでもらおうかな♪」

翠「そ、それだけは!」

だが、余裕の九尾の頭上から、飛びかかる影ひとつ。

周子「風魔か!」

あやめ「いかにも!」

カキイイイン

あやめ「忍びに薬は効かぬゆえ。ニンッ!」

周子「厄介な奴だよ、君は」

あやめ「お二方! 人類の敵を前に、なんという醜態。
喝!!」デデン!

翠「そう、でしたね……私達には」スチャ

拓海「や、やらなきゃいけないことがあったよな」スック

周子「天晴れ、天晴れ。でもね……」ウネウネ

九本の尻尾が、本体を護衛するように伸びた。

周子「『九尾』は伊達じゃない!」ズキュンズキュンズキュン

尻尾の先端が輝き、そこから光の矢が一斉に放たれる。

ちひろ「すごいギミック仕込んでたんですね」

P「やっぱラスボスですから」

拓海「うぐ! 手数がダンチだぜ!?」

翠「ならば尻尾を一本ずつ、潰すのみ」ビシュビシュビシュ

周子「三本が動かなくなった?
うっとうしい……弓の弱点は、そこだぁ!」ズキュン

翠「無念。弦を切られましたか。直ちに修復するのは不可能……」

あやめ「ならばここまで近づけば」ザクザクザクッ

周子「いつの間に背後へっ! 離れろ、蚊トンボっ」ズキュン

あやめ「うわあああっ!」

周子「残り三本……
あとひとりを討てば、アタシ達の邪魔をする奴は……」ハアハア

拓海「ボケッとしてんじゃねえ!」

周子「木刀ではなぁ!」ズキュンズキュンズキュン

光の矢をまともに食らいながら、拓海は根性だけで九尾の懐にぶっ込む。

ドスッ

周子「お、の、れ……
アタシを貫くとは、お前が凄いのか、木刀が凄いのか……」

拓海「へへっ……どっちでもいいだろーが……」ニヤリ

周子「どいてよねっ!」ダッ

拓海「ちっ、もう力が残ってねーや……」ガクリ

九尾は重傷を負いながら、本殿に駆け込んだ。

紗枝「九尾様! ひどい怪我……」

周子「ぜ、絶対に負けられない戦いだったんだけどね……」ハアハア

そこに新手が。
橘・茄子・千鶴が押し入ってきたのだ。

ありす「やはり今回も、人間の勝ちです!」フンス

茄子「始めましょう、封印の儀式を。
この世界を守るために、与えられたこの力で」

茄子が九尾の前で、美しく舞う。
千鶴直筆の封印を手に。
まるで、この大妖怪への手向けのごとく。

千鶴「全身全霊で呪文を書いたんだから……成功させてよね」

九尾の生命力は急速に奪われていく。

周子「い、いやだよ……また、封印されるのはいや……」

紗枝「九尾様! うちもいやや!」

九尾を抱きかかえて、紗枝姫は本殿を飛び出した。

ありす「紗枝姫!?  ご乱心なさったか!」

小さな蔵の中に、二人は身を寄せあっていた。
九尾の息が荒い。

周子「もう、疲れたよ。
けど、いつか時代が変わっても、アタシはまたアンタを手に入れて……
むぐっ」

チュッ

九尾の唇を、紗枝の唇が一瞬塞いで、離れた。

紗枝「うふふ、九尾様。
うちが欲しい言葉はそんなんちゃいます」

九尾は苦笑するしかない。

周子「紗枝……愛してる……
ふふ、これでいいかな」

九尾は紗枝姫の腕の中に崩れ落ち、

それきり動くことはなかった。

千鶴『こうして。
一つの藩を揺るがした大騒動が、ようやく終わった』カキカキ

紗枝「桃井はん。
いつまでも、身体をお大事にしとくれやす」

あずき「ぐすっ。たまには店に、顔を出してくださいね」

千鶴『紗枝姫は無事救出され、
やがて、彼女にふさわしい大名に嫁ぐことになった』

ありす「やっぱり、いちごかすていらは最高ですね!
……ところで、姫は出発しましたか」

茄子「これで良かったのでしょうか、橘様。
私達は、大きな過ちを犯したのかもしれません」

ありす「世間は、そう言うでしょうね。しかし、この一件。
何が正しいか決める権利は、当事者の私達にある。
違いますか」ドヤア

茄子「そして。
何が本当の幸せかを決める権利も、ですね」

千鶴『勇敢な姫武者達は、その活躍にふさわしい富と名声を得た』

拓海「アタシは宵越しの銭は持たねーのに、こんなに大金もらっても困るぜ」

翠「馬でも飼ったらいかがです?
きっと、走るのは気持ちいですよ」

拓海「そりゃ名案だ!
ところで水野様はどうするよ、その金」

翠「すべて、水野家の蔵に……と言いたいところですが。
今日の昼は私がおごりましょう」

拓海「よっ、大大名!
しかしまあ、ホントにいいのかねえ。
恩賞もらっちまって」

翠「騒動は解決した。それは確かなことですよ」ニコッ

紗枝「わたくし……いや、うちが大名の妻ですか、じゃなくてどすか。
ほんに、けったいな話どすなあ」

紗枝?「人のふりして生きる……それも影の宿命どす。
ニンッ!
あーいやいや独り言どすー」

千鶴『九尾封印の呪文は、私の直筆によるものが神社に奉納された。
これから何年も何十年も、残り続けるのは実に名誉なことである』

千鶴「確かに呪文は書いたわ。
でも……ふふっ」


「この松の木の下で待ち合わせ……
あの方は、約束を守ってくれはるやろか……
あっ」

「よっ。お待たせー」

「きゅ、九尾様!」

「アタシ達を追う奴は誰もいない。
アタシも、もう誰も傷つけない。
あの日戦った皆に、そう誓ったからね」ギュッ

「はい、九尾様♪ うちとふたりで、生きていきましょ。
何よりも尊い、自由のために」ギュッ


千鶴「封印したとは言ってないわよ。ここから先は、別の物語。
というわけで」カキカキ

『完』

P「さあ、フィナーレだ。
『竜胆組』のデビュー曲を、紗枝をセンターにして皆が歌っている。
純和風アイドルユニット、ここまで来たんだな」

P「翠、ありす、紗枝、あやめ、拓海、あずき、千鶴、茄子、周子……」

ちひろ「ふふ。
プロデューサーさん、これは『始まりの終わり』ですよ?」

P「何ですかその手紙……
こ、これは!?」

ちひろ「アメリカ本社からの招待状、というか挑戦状です。
『竜胆組』と一緒に、ニューヨークへ行きたいですか――ッ!」

P「お、おう。やれやれ、忘れてましたよ……」

P「うちのプロダクションが外資に買収されていた、ってこと」

おしまい

以上です。

とにもかくにも、安価神の皆様のおかげです。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年06月21日 (土) 17:26:20   ID: RBMusd3K

そして最後は外人に性的に食われると
わかってマス

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