※ネタバレあり
ミカサ「アルミン、ちょっと聞いてほしい」
アルミン「どうしたんだい?」
ミカサ「エレンのことでもう我慢ができない。最近ちょっと目を離した隙にアニがエレンに色目を使うようになった。
本人は認めようとしないけど、絶対に嘘。近いうちにあの女狐はエレンを寝とろうとするにちがいない」
アルミン「それは大変だね」
ミカサ「だいたいエレンも私がいくら注意しても煙たがるばかり。あの女狐の危険性がわかってない!」バンッ
アルミン「それでどうしたいの?」
ミカサ「選択肢は二つある。エレンに言い寄るヤツは問答無用で抹殺するか、エレンの寝込みを襲って既成事実をつくるか。
ただ事態は急を要するから私はどちらも実行するべきだと考えている」
アルミン「それは素晴らしい考えだね」
ミカサ「アルミンも賛同してくれるなら心強い。実はここに、ある分隊長から奪い取った・・・・・じゃない頂いた薬がある。
これを使えばどちらの選択肢も可能になる」
アルミン「それでいいと思うよ」
ミカサ「そう思う?なら早速今夜実行してみる」
アルミン「うん、がんばって」
ミカサ「アルミン、ありがとう。聞いてもらって凄く助かった」タタタ
アルミン「・・・・・・」
アニ「アルミンいるかい?」
アルミン「どうしたんだい?」
アニ「丁度よかった。ちょっとアンタに相談したいことがあるんだ。エレンにまとわりついているあの腹筋女なんだけど、
どうも最近私のことを目の仇にしてるみたいなのさ」
アルミン「それは大変だね」
アニ「まったくこっちとしてはエレンに格闘術の極意をマンツーマンで教えているだけなのに、まるで害虫をみるかのような
目で睨みつけてくるんだから、どうかしてるよあの女は」
アルミン「それでどうしたいの?」
アニ「私はね、売られた喧嘩は買うつもりさ。ただ相手がミカサだし直接ぶつかったら万が一ということもある。だからまず
エレンにしばらく私とペアを組むよう説得してミカサから一人立ちさせることから始めようと思う。エレンの口から
別れを切り出させればあの腹筋女も引き下がるんじゃないかな」
アルミン「それは素晴らしい考えだね」
アニ「大体幼なじみだからってベッタリしすぎなんだよ。正直ミカサよりも私の方がエレンに(ある意味で)近いんだし、
今後は戦闘訓練も私と組ませたほうがアイツものびると思うんだ」アト、シセイカツノセワモ・・・・・・
アルミン「それでいいと思うよ」
アニ「さすがエレンと長く親友やってるだけあるね。アンタからもそうした方がいいと言われたと伝えれば、エレンも言うことを
聞くような気がするよ。ただもしあの腹筋女が実力行使で邪魔してきたら・・・・・その時は容赦しない」チャキ
アルミン「うん、がんばって」
アニ「ありがとね。アンタに相談してよかったよ」タッタッタ
アルミン「・・・・・・」パラリ
コニー「おーい、アルミン」
アルミン「どうしたんだい?」
コニー「いや~、まーた教官に怒られちまったよ。『敬礼の仕方が間違っている。1回や2回ならともかく10回とかいい加減にしろ!』って
もう半ギレ状態」
アルミン「それは大変だね」
コニー「どうしても手が右にきちまうんだよなあ。あの敬礼の意味は心臓を捧げるということだから心臓の上にこなきゃダメらしいけど」
アルミン「それでどうしたいの?」
コニー「おう!実はな、いいアイデアを思いついたんだ。いっつも『貴様の心臓は右にあるのか!?』って怒られるから、いっそのこと
本当に心臓を右に移しちまおうと思うんだ」
アルミン「それは素晴らしい考えだね」パラリ
コニー「だろお~?心臓が右にありゃ、敬礼で手が右にきて怒られても『自分の心臓は実は右にあります!』と返せるじゃん♪
教官もそれなら文句ないと思うんだけどお前どう思う?」
アルミン「それでいいと思うよ」
コニー「おっし!なんか調査兵団の中に人体実験みたいなことしてる人がいるらしいからよ、ちょっくら頼みに行ってくるわ」
アルミン「うん、がんばって」
コニー「ちょっと痛いかもしれねえけど、まあなんとか我慢できそうだしな。んじゃな!」
アルミン「・・・・・・」
ジャン「くそったれ!やってやる!やってやるぞ俺ぁ!」バタン!
アルミン「どうしたんだい?」
ジャン「ああ!?・・・・・なんだアルミンか。まあ聞けよ。相変わらずエレンの糞バカ野郎がミカサにべったりなんでムカついて仕方ねえんだ」
アルミン「それは大変だね」
ジャン「べ、別に嫉妬してるわけじゃねえぞ!俺は真剣にミカサのこれからを考えてるんだ。エレンみたいな死にたがり野郎にいつまでも
一緒にいられたら絶対あいつは幸せになれない。絶対にだ!」
アルミン「それでどうしたいの?」
ジャン「・・・・・・ああ、俺は決めたぜ。俺の気持ちをミカサに伝えてエレンから引き離す!」
アルミン「それは素晴らしい考えだね」
ジャン「マ、マジか?意外だな、てっきりお前はエレン寄りだと思っていたんだが・・・・・・・でもお前もわかってるんだな。
やっぱエレンじゃ役不足なんだよ。よく言うだろ『女は愛する男よりも愛してくれる男と一緒になるほうが幸せになる』って。
ミカサにとって、それはエレンじゃなくてこの俺なんだよ。
・・・・・ただ、まだミカサに正式に俺の気持ちを伝えたわけじゃないから、ひとまず手紙で呼び出そうと思うんだが・・・・・・やっぱまずいか?」
アルミン「それでいいと思うよ」パラリ
ジャン「よ、よし、そうなら早速ミカサのカバンの中に入れてくるわ。そして来たら俺のアイツへの真剣な気持ちををぶつけてやる」
アルミン「うん、がんばって」
ジャン「まさかお前に応援されるとは思わなかったぜ。じゃあな!」
アルミン「・・・・・・」
クリスタ「あ、アルミン。ちょっといいかな・・・・・・?」
アルミン「どうしたんだい?」
クリスタ「あ、あのね。実は私、最近座学の成績がどうしても伸びなくて困ってるんだ・・・・・」
アルミン「それは大変だね」
クリスタ「そう!大変なの。馬術や立体機動装置はユミルもいるしなんとかなるんだけど、座学だけはどうしようもなくて・・・・・・」
アルミン「それでどうしたいの?」
クリスタ「う、うん(勇気を出すのよ、ヒストリア!)、それでアルミンがよければこれから毎晩教えてほしいんだけど/////」
アルミン「それは素晴らしい考えだね」パラリ
クリスタ「ほ、本当に!?ありがとう///あ、でももし他の人に見つかったらいろいろ言われるかもしれないから、
勉強する場所は、その、書庫の中とかでもいいかな?(あそこなら夜は誰もいないはず!)」
アルミン「それでいいと思うよ」
クリスタ「(やった!)じゃあ今晩そこで待ってるからね。絶対きてねっ」
アルミン「うん、がんばって」
クリスタ「もうっ、他人事みたいに言わないでよ。でもアルミンが教えてくれるなら私がんばる!だから約束だよ」タタタ
アルミン「・・・・・・」パラリ
サシャ「アルミン!アルミンはいますか!?」
アルミン「どうしたんだい?」
サシャ「大変ですよ!今朝、食糧倉庫にいつものようにつまみ食いに行ったら、よりにもよってキース教官が見張りに立っていたんです!
おかげで忍び込むことができなくて・・・・・・・もうお腹が空いて空いて(涙目)」
アルミン「それは大変だね」パラリ
サシャ「うう・・・・・・普通の兵士なら隙をついていくらでも忍び込むことができるんですが、さすがに教官は隙自体がなくてどうしようもありませんよ。
せっかく牛肉が入ってきたのに・・・・・・」
アルミン「それでどうしたいの?」
サシャ「そうです!前にアルミンがネズミ用に調合していたネコイラズって薬がありましたよね?どうなるんですかって聞いたら『まあちょっと眠ってもらうんだよ』と言っていた。
あれを私にくれませんか?教官に少しの間だけ眠ってもらおうと思うんですけど」
アルミン「それは素晴らしい考えだね」
サシャ「私、今週食事当番なんで教官の食事に仕込めるんですよ。とにかく私がつまみ食いする間だけ眠ってもらえたら構わないんでやってみようと思います。
あ、でもあの量でネズミがちょっと眠るくらいなら人間にはもっと多くした方がいいですかね?」
アルミン「それでいいと思うよ」
サシャ「分かりました!じゃあ10倍くらい量を多くしてみようと思います。確か薬品室に置いてましたよね?ちょっとお借りしますね」
アルミン「うん、がんばって」
サシャ「上手く行ったらアルミンにもお肉少し分けてあげますよ。楽しみにしててください!」
アルミン「・・・・・・」パラリ
エレン「アルミン、いるかー?」
アルミン「どうしたんだい?」パラリ
エレン「ちょっと相談したいことがあるんだけどいいか?実はさっき立体機動装置の練習から帰ってきたら(ゴソゴソ)こんな手紙が俺のカバンの中に入っててよ。
内容読んだら『俺にはおまえしかいない』だの『俺の真剣な気持ちを聞いてほしい』だの気持ち悪いことが書いてあるんだけど」
アルミン「それは大変だね」
エレン「大変どころじゃねえよ!女ならともかくどうみてもこれ男だろ。しかも名前書いてないから誰かわかんねえし・・・・・・」
アルミン「それでどうしたいの?」
エレン「なんか気持ちわりーからさ。ひとまずミカサに話してついてきてもらおうと思うんだ。どうも出した奴は俺をホモだと勘違いしているみたいなんで
だったら小さい頃から付き合いのあるアイツに、俺はノンケだって証言してもらおうかなって」
アルミン「それは素晴らしい考えだね」
エレン「あいつ、前から変な手紙とか誘いがあったらとりあえず教えてくれって言ってたからな。何するんだって聞いたら『エレンのためになること』って
凄い無表情でつぶやいてたから何かしてくれるんだろ」
アルミン「それでいいと思うよ」
エレン「お前にもついてきてほしいんだけど・・・・・ん?本読んでて忙しいのか。とりあえずアニにも声かけてみるわ」
アルミン「うん、がんばって」
エレン「まったく何で俺なんだよ、ライナーとかにいけっての」ブツブツ
アルミン「・・・・・・」
ユミル「アルミンッ!」バタンッ
アルミン「どうしたんだい?」
ユミル「どうしたもこうしたもないよ!さっきクリスタと会ったら妙に口元がゆるんでたんで、もしやと思って『誰かと会う約束でもしたのか?』って
聞いてみたのさ。そしたら真っ赤な顔して逃げやがった!」
アルミン「それは大変だね」パラリ
ユミル「アタシの感に間違いない。ありゃ男だ!きっと誰かがクリスタに言い寄ったんだ。あの娘がウブだからってそこにつけこみやがって!」ギリギリ
アルミン「それでどうしたいの?」
ユミル「クリスタはアタシの嫁だ。それに言い寄る男は誰であろうと削ぎ落とすッ!」
アルミン「それは素晴らしい考えだね」
ユミル「ただクリスタに相手が誰か聞いてもどうせ言わないだろうしね。とりあえずあの娘のあとをつけて相手が誰か突きとめてみるよ。
そして現れたら・・・・・・」ジャキン
アルミン「それでいいと思うよ」
ユミル「さすがアルミンだね。あんたは安全パイだから安心だよ。もし誰か分かったらすぐさま教えとくれよ」
アルミン「うん、がんばって」
ユミル「クリスタ、待ってな。アンタに寄りつく獣は一人残らず駆逐してやるからね」ガルルル
アルミン「・・・・・・」
ライナー「ア、アルミン、ちょっと内密に相談があるんだがいいか?」
アルミン「どうしたんだい?」
ライナー「実はな、ここ最近クリスタの様子がおかしいと思わないか?食事の時とか訓練の時とかにやたら彼女から視線を感じるんだ」
アルミン「それは大変だね」
ライナー「べ、別に大変じゃないぞ。むしろ嬉しいくらいだ//////。お前、俺と一緒に組んでたろ?その時にやたら視線があったの気付かなかったか?あれ、たぶん俺を見てたんだ」
アルミン「それでどうしたいの?」
ライナー「ぐっ、いきなりそこをついてくるのかよ。さすがアルミンだな。
・・・・・・ぶっちゃけクリスタは天使だ。コクって俺だけの天使にしたい」
アルミン「それは素晴らしい考えだね」
ライナー「だが問題はある。あの始終付きまとっているゴリラ女がな。
たださっきクリスタが書庫のカギをとりにいくのを見かけたんで、これはチャンスじゃないかと思うんだ。
なんか夜に一人で勉強するつもりで借りたみたいだから、俺も今晩そこに行ってクリスタに気持ちを伝えてみる」
アルミン「それでいいと思うよ」
ライナー「正直信じられないくらいだぜ。あのクリスタが俺を想ってくれていたなんて。・・・・・なあ、付き合って初日はどこまで関係を進めていいもんかな?
aとbは間違いないと思うが、愛があるならcくらいいっても──」
アルミン「うん、がんばって」パラリ
ライナー「あ、ありがとよ!こんなことでも応援してくれるなんてお前は最高だぜ!お前だけには初体験のこと教えてやるからなっ」
アルミン「・・・・・・」
?????「アルミン、正直僕はもう耐えられない」
アルミン「どうしたんだい?」
?????「どいつもこいつも僕の名前を『ベルベルト』だの『トルベルト』だの『ベルトリーチェ』だの間違えるんだ!」
アルミン「それは大変だね」
?????「最初はそうでもなかったのに、最近は間違えられる度に怒りで理性が抑えられそうにないよ」ワナワナ
アルミン「それでどうしたいの?」
?????「どうも僕は影が薄くてイマイチ目立たないのが名前を間違えられる原因みたいだからね。こうなったら僕の真の姿をさらけだして皆の度肝をぬいてやろうと思う」
アルミン「それは素晴らしい考えだね」パラリ
?????「詳しくはいえないけど僕とライナーには重要な任務があってその姿は絶対にみせてはいけないことになってる。だけどもうかまうものか!」
アルミン「それでいいと思うよ」
?????「近頃はライナーまで『おいペルペット』なんて言いやがって!あいつも含めて僕がどれだけ恐ろしい存在か皆に思い知らせてやる!」
アルミン「うん、がんばって」
?????「ひとまず明日の早朝訓練は楽しみにしておいてよ。本能の限り暴れまわってやるから。
・・・・・・ところでアルミンは僕の名前覚えているよね?」
アルミン「・・・・・・」パラリ
?????「ちっくしょおおおおおおおッ!!」ダダダダダッ
アルミン「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・ふう」パタン
アルミン「『人間関係も胃も壊さない上手な会話の仕方』か。勉強になるなあ
・・・・・・そういえば人が来てたような気がするけど何かあったのかな?」
おしまい
レスありがとうございます。
一応弁解するとこのアルミンはクズってわけじゃないんです。ただ話を聞いてないだけなんです。
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