勇者「王様に求婚した」 国王「ええい考え直せっ! 勇者ァ!」 (23)

王宮


勇者「……」

武道家「……」

女商人「……」

僧侶「……」


国王「はーっはっはっ! これが魔王を討った強者か!」

国王「目の覚めるような毅然とした態度、まさに勇者のそれよ!!」

勇者「いや、そんなこと……///」

国王「なーにを照れとるか!」


武道家 (勇者が照れてる理由は別なんだよなぁ……)

女商人 (はやく報酬欲しいなー)

僧侶 (無だ……心を無に……!)



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国王「して、勇者よ。褒美をとらせよう!」

国王「何がいい?」

勇者「……えへっ、そうですなあ」


武道家 (国王ーーーーっ!)

女商人 (やばそう)

僧侶 (あっ……)


国王「何でもいいぞよ? 何なら姫を」


 勇者「じゃあ、王様でっ!」ニコッ


国王「やっても……い、いい……」


勇者「あっ……言っちゃった……///」


国王「……ん?」


武道家 (開戦不可避)

女商人 (くさくなりそう)

僧侶 (勇者の笑顔がクッソ汚い)


国王「えっ?」

姫「お父様、私玉座の後ろで全力待機してましたのに何だかその待機してた時間を全て呪いたい気分ですわ」

姫「なんですの、なんですの、なんですの」

姫「『そんな、ひどい……!』の練習も百万回積んだのになんですの!」

姫「お父様のホモっ!」


国王「いや、違うぞ! これは違う!」

国王「姫よ、落ち着くのじゃ!」

勇者「どうしました?」

国王「オルルァ勇者、説明しろや!!」

勇者「えー? もう一回告白するんですかー? いいですよー?」


国王「断じて違う! 説明と弁解と謝罪と結婚をするんじゃあ!!」


勇者「え、結婚? 王様と?(歓喜) 」


国王「姫とじゃーーーーっ!」


姫「お父様の馬鹿お父様の馬鹿お父様の馬鹿お父様のホモお父様のホモお父様の馬鹿っ!」


武道家「あーあ、滅茶苦茶だよ」

女商人「帰っていい?」

僧侶「やっぱりか……」



国王「一旦落ち着いて、腹を割って話そうかのう」

勇者「そうですね」

姫「ずっ……ずーっ……」


女商人「何で姫は蕎麦すすってんの?」

武道家「馬鹿! 涙だよ!」

僧侶「うどんですな」


国王「……えーと、勇者よ」

勇者「なんですか、王様」

国王「今の発言に虚偽は……? 冗談でしたッてオチは?」

勇者「すべてありのままです」


勇者「僕は王様を愛しているっ! これだけは真実を伝えたかった!」


姫「ヒンッ!」バタリ


武道家「あ、姫様戦線離脱」

女商人「恐らくショック死ですね」

僧侶「生きてますよね……ね?」

国王「くぅー! 考え直せんか、勇者よ……!」

勇者「嫌です」

国王「わしは妻子持ちじゃ。それに股間もおばけきのこじゃ」

勇者「それでも好きです」

国王「えっ、というかどこに惚れたの?」

勇者「……そうですね」


 勇者「あれは、僕がおしっこに起きた六年前の……真夏の夜の事でした……」


国王「それ長くなるじゃろ?」



武道家「おーい、姫様大丈夫かー?」ペチペチ

姫「……うーん」

女商人「起きろーっ!」バシンバシン

姫「ひぇ……い、いた……」

僧侶「ザオリクっ! ザオリクっ!」バコッバコッ

姫「….ぐへあっ」

武道家「あっ」

六年前 王宮の湖畔


幼勇者「んー、やっぱり湖でするおしっこは気持ちがいいなあー」シャーッ

幼勇者「稽古で疲れた僕の心の傷が、ドンドン癒されていくよぉ」シャーッ


幼勇者「……ふぅ」チョロチョロ


「これっ! そこで小便垂れてる奴は何者じゃあっ!」


幼勇者「えっ!?」ピチャッ

幼勇者 (あ、ズボンに……)


国王「駄目じゃろう! 皆の湖を汚しちゃあ!」


幼勇者「……」


国王「小僧、おぬしはどこの」


タッタッタ…


国王「あ、おいっ! まてっ!」


国王「おい!」



幼勇者 (……///)



勇者「なーんてことが……///」

国王「わっからん、何一つ分からん!」

勇者「とにかく……お返事、待ってますから」

国王「え、何でルーラしようと……」

勇者「……」ニコッ


 勇者「楽しみは明日に持ち越しです///」


国王「ぎゃーっ!? わしの苦悩する時間が増えるー!?」


国王「ちょ、ちょっ……!」


バビューーン…


国王「行ってしもうた……」

国王 (もうこうなったら、勇者の仲間に頼るしか)チラッ


武道家「じゃあ、お先ー!」

女商人「私ぃ、ギャラ貰って帰るんでぇ!」

僧侶「あーめん」

姫「」チーン


国王「えぇ!?」

─国王side─ 王族の部屋


国王「……はぁ」

国王「嫌じゃなー、自分より年下に愛を告げられるなど……」


国王「……嫌じゃなぁ」


 姫「うーん」

国王「おお、姫! 起きたか!」

姫「あれ、何だか私嫌な夢を……」

国王「……夢か」

姫「ええ。愛しの勇者がお父様に取られる夢を……ああ、また……」フラフラ

国王「姫! ……ああ、寝てしまったか」


国王「……」

姫「……くーん」


国王「可哀想な姫じゃ…… 好いていた勇者に拒絶されるなど……」

国王「幼き頃よりずっと、想っていたのになあ」


国王「……」


国王「……ずっと?」


国王「そういえば勇者も、六年前からわしのことを……その、好いているとか抜かしたな……」

国王「そう考えると、勇者も長年想っていたのか」

国王「……わしを」


国王「ふぅ。そうなると、あまり軽薄な態度はいかんな」

国王「人の恋心は、いかなる物も高尚じゃ。わしはそれに誠意をもって接しなければならん」

国王「そう考えれば……今日のわしはあまりに軽薄すぎた」


国王「……明日じゃな」


国王「明日、おぬしの気持ちに返答を返そう……」


国王「勇者よ」



─勇者side─ 勇者の隠れ家


勇者「……」

使い魔「おっ、帰るのが速かったね! 魔王討伐のご褒美はなんだった? 国宝のペンダント?」

勇者「……いいえ。まだ貰ってないよ」

使い魔「なんだー。残念……」

勇者「……」モジモジ


使い魔「? どしたの?」

勇者「ん、いや。ちょっと……さ」

使い魔「ふーん。今日はいつにも増して……」


 使い魔「"女の子"らしいじゃない」


勇者「!!!」

使い魔「どうしてそんな驚くのさ?」

勇者「し、知ってたの……?」

使い魔「うん。だって使い魔だよ? 所有者のことは何でも知ってる」

使い魔「勇者も私のこと…何でも知ってるでしょ?」

勇者「……ははっ!」


勇者「初めてだよ。家族と女商人以外に知られたの」

使い魔「ふふん! これで更に仲良くなっちゃった?」

勇者「なにいってんのさ!」

使い魔「んで」

勇者「?」

使い魔「雌の顔をしていた訳は? 想い人に思いっきりぶちまけたの?」

勇者「……知ってる癖に」

使い魔「んふふーっ!」


勇者「……はぁ、そうだよ。僕、伝えたんだ」


勇者「好きって。王様に」


使い魔「わーお!」

勇者「……あんまり茶化さないくれるかな」

使い魔「茶化してないよ……ぷぷっ」

勇者「嘘つけ」


使い魔「あははっ! だって、だって……!」


使い魔「おトイレ見られたから惚れるってそれ! 笑っちゃうから!」ゲラゲラ


勇者「……」ムスーッ

勇者「しょ、しょうがないじゃん……///」

使い魔「んー? 何がしょうがないって?」

勇者「……ゴニョ」

使い魔「きーこーえーなーいっ!」

勇者「だ、だから……お、おまた……」

使い魔「んっ? んっ? んー?」


勇者「……もう知らないっ!!」ガバッ


使い魔「んー? 布団なんか被っちゃってー!」

使い魔「ドキドキしたまんま寝れるのー!?」


勇者「……す、すー……」ドキドキ


使い魔「……あはは!」

使い魔「私も寝よーっと」



勇者「……///」ドキドキ

勇者「王様……!」ボソッ



使い魔「聞こえてるぞー」

勇者「っ!! はよ寝なさいっ!」

翌日 王宮


国王「……英雄達よ。再び集まってもらってすまない」


勇者「……」ニコニコ

武道家「……」(何で俺が)

女商人「……ぅぷ」(昨日の祝勝会……飲みすぎたぁ)

僧侶「……」(神よ……罪深き同性愛を、罰し────)

僧侶 (駄目だ、こんなこと思えない! やはり私は勇者が……!)


国王「今日は、だな……えーと」

勇者「……答えは」

国王「……」


勇者「答えは……出ましたか?」


国王「……ああ」



武道家「!」

女商人 (おいおい。本当に良いのかな)

僧侶(ぐぬぬ……!)

姫(ぐぬぬ……!)

女商人(あんたまだ居たのか!)

姫 (だって気になりますもの!)

武道家 (こいつら……直接脳内で……!?)

勇者 (うるさい。黙って)



勇者「……」ゴクッ


国王「……わしは……勇者、の……」


国王「告白の、返事するべきだ。誠意を持ってな」


国王「じゃから、しかと聞いとくれ」


勇者「……」ウン


国王「……すぅーッ」




武道家 (微妙に緊張するな。下手すりゃ目の前にホモカップルが誕生か)

僧侶 (王様羨ましい……)

女商人 (え? ホモ?)

姫 (? 何かおかしいですの? "男"同士はホモですよね?)

女商人 (え、ただの年の差結婚でしょ?)

武道家 (は?)

僧侶 (えっ……?)

姫 (つ、つまりお父様が女だと……!?)

女商人 (いや、勇者が女でしょ? あれ、武道家も僧侶も知らないの!?)

僧侶 (女性か……道理であの端麗なお顔で)

武道家 (……えっ)

姫(もう訳分かりませんの)

女商人 (……これはやっちゃったか私ぃ。勇者のこれ秘密だったかー、これー!)



国王「……勇者よ、わしはそなたの気持ちには答えられない」


勇者「どうして……どうしですか!?」

勇者「僕はただ貴方を愛して……!」


国王「やはり、年の差というのがあるのじゃ! わしは勇者より確実に早く老いて死ぬ!」

国王「結婚などすれば、勇者は不必要に悲しむだろう!」


勇者「ふ、不必要だなんてそんな……!」


国王「……そんなの無理じゃ」


国王「老いたわしにはっ! 老いた後を考えるのも!」


国王「例え勇者でも"男"と愛し合う勇気は無いんじゃあーーーーッ!」



勇者「……へ?」




武道家 (あっ)

女商人 (あっ)

僧侶 (あっ)

姫 (あっ)

国王「……ん?」


勇者「あれ、王様は知ってるんじゃあ……?」


国王「なにをじゃ?」


勇者「ぼ、僕の性別……よく男と間違われるって。だから、もう今更女と言うのもあれだし、男でいいやと思った……って」


国王「な、何を言ってるかさっぱり……!」


勇者「あの夜に僕のおまたをみたんじゃないの!?」


国王「わしゃ覚えとらん! どの夜じゃあ!?」


勇者「……えぐっ!」

国王「えっ」

勇者「ひど……酷い……お、王様ぁ! えぐっ……!」


国王「えっ……?」



姫「勇者様!」

勇者「え、え……?」


ギュッ…


勇者「き、急に何を────んむっ!?」チュッ


姫「お父様が悲しませた分、私が貴女を愛します!」チュッ


姫「性別なんて関係ないっ! 真実の愛を貴女にっ!」


勇者「……ひ、ひめぇ」



国王「えっ」



 そうして 呆然とする王を他所に 式の準備は 

 着々と進められて 一ヶ月後……。 

 そこには 快晴の青空に誓う二人の純白を象った 

 性別を越えた 嘘偽りない 幸せと

 真実の愛が 式場を包み込みましたとさ……。





 勇者「姫様……あの、優しく……」


 姫「ええ、勇者様……いや、勇者……?」


ちゅっ…





 二人は幸せな キスをして おしまい。

ホモスレ書こうと思ったらレズになるのはどうしてなんだろう。おかしいね。

さっさと依頼してきます。すいませんでした。

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