妖精「命尽きるまでお側にいるんですよ!」 (141)

男「目が覚めるたら金髪美少女が寝てる件!」

男「あれか、童貞拗らせてついに幻覚が見えるようになったとか、そういう展開ですか」

妖精「ぅぅん……」モゾモゾ

男「ぎゃあああああ!動いたぁああああ!!」

妖精「ぁぅぅ……朝から元気な人です」フラフラ

男「ななな、なんで美少女が!?」

妖精「美少女じゃなくって妖精ですよっ!」

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男「夢なんて久しぶりにみたな。とりあえずもう一眠りしよっと」

妖精「夢じゃないことを教えてあげるんですよ」グリグリ

男「いてて……ッたい痛い! 鎖骨グリグリすんのやめてッ!」

妖精「おはようございますっ」にこっ

男「そのですね、なんでまた俺の部屋に」

妖精「それは貴方のせいに決まってるんですよ!」

男「へっ?」

妖精「まさか知らないでやったんです?」

妖精「はぅ……妖精が満月の夜に大きな力を蓄えた木々や花々から生まれるのはご存知だと思うんです、」

男「ごめん展開が突然過ぎてツッコミいれる余裕ない」

妖精「えー?こんなことも知らないんです? これだから人間はーですよ」ハァ

男「理不尽なバカにされ方な気がするんですが……」

妖精「話の腰を折らないで欲しいんですよっ! 質問は後にしてください!」

男「」

妖精「本来ならですね、生まれたらそのまま妖精の国へ向かって人間と関わることなく歌ったり踊ったり幸せに暮らすんですよ」

男「へ、へー」

妖精「でもそれが出来ない不幸な場合もあるんですよ……私のように……」

男「一体またどんな理由で?」

妖精「そ、その……お、おしっこ……」モジモジ

男「あ、トイレならあっちだけど」


妖精「むきぃー! 私はおしっこなんて我慢してません!我慢出来なかったのは貴方の方じゃないですかっ!」

男「えっ、俺!?」

妖精「その大事な夜におしっこをかけて従属するニンフにしたのは貴方だと言ってるんですよっ!」

男「ちょっと待ってくれ!俺はそんなことは……あれ、えーと……昨日しましたね、はい」

妖精「はぅ……こんな人に従属しなくちゃならないなんて悲しいですよぅ」

男「今なんて言った? 従属って?」ガタッ

妖精「私は貴方の言うことを聞かなくてはならない可哀想な囚われの妖精ってことです」

男「……っ」ゴクリッ

妖精「そのぅ……あんまりそんなふうに見ないで欲しいんですよ」モジモジ

男「いやまて!まずその格好に問題があるって! なんでYシャツ一枚なんだよ!」

妖精「服がなかったので借りたんです。 人に見られるとなれば妖精だって恥ずかしいんですよ?」

男「あ、そうなんだ。って状況整理させて!」

男「えーとだな、満月の夜に妖精が生まれる前、その植物に尿を与えると生まれてくる妖精を従属させることができる?」

妖精「卑しい人間目線なのが気になりますけど概ねそうですよ」

男「で、昨日の夜、バイト帰りに尿意の限界に達し、森の中で用を足した時にぶっかけてしまった花からお前は生まれた?」

妖精「うんうん」

男「え?なに? まじで妖精なの?」

妖精「まだわからないんです?」

男「いやだって、俺のイメージだと妖精ってもっとこう……小さくて羽が生えてる感じかと」

妖精「……妖精にも色々いるんですよ! 私はニンフですから、羽はありませんし、その、なんていうか……」

妖精「……えっと、あの、そのっ……///」カァァ

男「なに?」

妖精「従属する上で都合の良い身体ってことです! 察してくださいっ///」ボカッ

男「いったぁッ! なんで鎖骨殴るの!?」

男「え、えーと、とりあえず飯を食べませんですか?」

妖精「日本語苦手な人です? 確かにもうお昼時ですよ」

男「というか妖精って飯食うの?」

妖精「自然物からエネルギーを貰ってますけど、人間界ではそれだけでは不十分なので食べますよ」

男「へー、何でも食えるもんなの?」

妖精「殺生に関わる物は食べないですよ? 冷蔵庫のお肉とお魚は土に埋めときましたっ!」テヘッ

男「」

妖精「ちなみにお野菜は殺生の範囲外です! 私が食べることで還元されるんですよ」えっへん!

男「うっうっ……お徳用味付きカルビ300gが……」

男「はぁ……シリアルでいい?」

妖精「うんっ!」

男(くっそう可愛いなこいつ……金髪セミロングに碧目に白い肌、どこか儚げな雰囲気に身長は150ぐらいか?)

妖精「はむはむっ……」

男(確かに人間の水準をこえた戦闘力、Yシャツに牛乳とんでますよ妖精さん! 耐えるこっちの身にもなってくれよ……)

男「あれ? 耐える必要なかったり……?」

妖精「はふ? 貴方は食べないんです?」

男「い、いやぁ! ちょっとトイレに!」

男(ダメだ俺ヘタレだった!!)ハハッ

男「非常用の焼きそばあってよかった……」

妖精「ご馳走さまでしたっ♪ そんなものばかりだと体に悪いですよぅ」

男「今日は誰かのせいで仕方なくですね。普段はある程度自分で作ってるんですよっと」

妖精「お肉ばっかりはダメですよ? あの、私には敬語はいらないですよ?」

男「そういってくれると助かるよ。お前も敬語はいいよ、敬う必要なんてないし」

妖精「妖精はこういう喋り方なんですよ? でも、お前っていうのは嫌なんですよっ!」

男「そっか、じゃあなんて呼べば……」

妖精「妖精ちゃんがいいですっ」にこっ

男「妖精を妖精って呼ぶのってどうなの?」

男「しかし女の子をちゃん付けで呼ぶことが俺の人生に今まであっただろうか……」

妖精「想像以上に寂しい人なんですよ……」

妖精「あのっ、私はなんと呼んだらいいです?」

男「うーん、好きに呼んでくれて構わないよ。なんなら男でもいいし」

妖精「やっぱりアレです? 主従関係にありますしご主人とかがいいです?」

男「いやいやいや……お願いします」

男「まさか俺の下にも突然系ヒロインが現れるなんて……あれ?やっぱり夢なんじゃないのこれ」

妖精「もっかいパンチです?」

男「すみません、鎖骨が痛みを覚えてました」

男「しかし唐突でさ。そもそも妖精がいるなんて思わなかったし、そうは見えないし……」

妖精「うんと……ご主人様のところに人間の女の子が突然現れる理由なんてあるんです?」

男「……全くもってございません!」

妖精「えへへっ」

男「……そうだ! もしかして魔法とか使えたりするの?」

妖精「ほ、本来なら使えるんですよ!」

男「本来なら?」

妖精「ここは妖精の国じゃないし私は特殊な妖精です。使えるかどうか……ちょっと試してみるですよ!」

妖精「それでは……こほんっ!」

男「あのさ、一体どんな魔法を……」

妖精『――…No mercy for the damned…』

男「あの、妖精ちゃん?」

妖精『――…thus, thou has no escape from the grap of catastrophe…』

男「ちょっと待ったぁ!それ危ない系じゃないの? ねぇ妖精さん!?」

妖精『――…then let my words be as a vengeful blade upon thee!!』

男「ひぃぃ!お助けををーっ!!!!」

妖精「あれれ、使えないみたいです」

男「よ、よかった……って初登場キャラに一掃される雑魚キャラみたいな対応しちゃったじゃんか!……何だよ今の魔法は」

妖精「神の名の下に言の葉の剣が敵を切り刻む、凄い魔法です!」えっへん

男「人間社会に奇跡はあっても魔法がなくてよかった!!」

男「ちなみに他に妖精特殊能力ってないの?」

妖精「え、えっと、そのっ……」

男「そうか、ないのか……」

妖精「うぅ。そんなにがっかりしないでくださいです! そ、そうです!植物とお話が出来るんですよっ!」

男「それならちょうどいい話相手がいるぞ!俺の親友であるパックンだ!」

男「ちょっと待ってろ、すぐに連れてくるから」

妖精「ぱっくん……?」

男「よいしょ……紹介しよう、こいつは蝿捕り草のパックン。食虫植物としては代表的な植物といえるだろう」

男「しかしパックンは止まった蝿が手を洗い始めようが捕まえたりしない温厚で慈悲深く心優しい奴なのだ!」

妖精「ふふふっ。こんにちは、パックン!」

男「……どう? 俺のこと何か言ってる?」

パックン「」

妖精「うんうん。 なんでパックンが蝿を捕らないか知ってるんです?」

男「それはパックンが温厚な奴だからじゃ……」

妖精「捕る必要が全くないからですよ」

妖精「蝿捕り草は不十分な栄養の穴を埋める為に蝿を捕るんです。パックンを見てくださいっ、こんなに青々として力に満ちた蝿捕り草は私、見たことないですっ」にこっ

男「そっか、なるほどなぁ……」

妖精「パックンはだいじだいじされてる事を教えてくれました、マスターは思ったより素敵な人なんですよ♪」

男「ぉぅふ……滅多に褒められることなんかないから照れるな// ……マスター?」

妖精「好きに呼んでいいとの話なので色々と模索中なんですよ、男!」

男「なるほど! 呼び捨てがしっくりこないといいな!」

妖精「ふぁぅ……もう眠たいんですよ……」

男「まだ昼過ぎじゃんか。あれか、妖精は昼寝しないとダメなのか」

妖精「1日の3分の2は寝ていたいです……個人的な願望ですぅ……」くてっ

男「おいおい、そんなとこで寝るなって。夏とはいえ風邪引くぞ?」

妖精「それは困りゅん……ですぅ……」

男「だめだこいつはやくなんとかしないと……! 俺のベッドでいいか? 他にこれといってないし!」

妖精「はぅ……連れてってー」

男「触っちゃうよ?触らないと運べないから触っちゃうよ!?」

妖精「ぅぅん……」すーすー

男「神は俺を試されているのか……ッ!」

男「軽かった、すべすべしてた……」

妖精「すー……すー……」

男「しかし自分のベッドに無防備な美少女が寝てる状況に出くわすと何をしたらいいのかわからなく!」

男「何ってナニですか?ナニに決まってるじゃないですか!拙者おにんにん侍でござるッ!」

男「……落ち着け俺! こんな状況何度もシミュレートしてきたじゃないか。まずは素数を数えるんだ……!」ワタワタ

――――
――

男「――…6827、6829、6833、6841。だいぶ落ち着いてきた。まさか881番目に到達するとはやはり天才か……」

男「いや、1を素数として数える場合は882番目になるのか……しかしこれは基本定理が……なにやってんだ俺」

男「と、とにかくだ。敵を知らねばならぬ、とりあえずネットで調べるか」カタカタ

敵って何よ、マーラ様?

男「ふむふむ、妖精は手のひらサイズってのは固定概念だったのか。フェアリー、ピクシー、スプライトにノーム……色々と種類があるんだな」

男「そういえばニンフって言ってたよな。ニンフっと」カタカタ

男「……色々と神話がエロいです神様。ゼウスさんたら女神に化けて自分の娘に従う純血の誓いを立てたニンフに手を出したりしてたんですかお盛んですね」

男「ん? nymphoの語源……ニンフォってなんだ? 検索検索っと」

男「これはまた素敵な知識を得てしまった……nymphomaniaで色情症だと」フヒヒ

妖精「ふぁぁ……何を見てるんです?」ひょこっ

男「ぎゃああああ!!!1」

妖精「ぃゃああああ!?」

>>18
男の理性を崩壊せしめんとYシャツから生足を覗かせる、妖精界からの刺客である妖精を比喩表現で敵とした訳であって、
今後マーラ様とガチンコ対決する予定はございません申し訳ありません

妖精「……あ、あんなえっちぃものを見てなにしてたんです?」カァァ

男「なな、なんにもしてないって!」

男「いやさ、妖精のことを調べてたらたまたまあんなページにね!? ほんと!」

妖精「そ、そうなんです?……そうですよ、パックンをあんなに大事にしてる男さんが変態な訳なかったです」にこっ

男「そうそう、俺ほど人畜無害な人間もいないって!」

男(あれ? 良い人になることでどんどん墓穴を掘り進めてる気が……)

妖精「えっと……これがパソコンです?」

男「えっ、あっ、うん! あれ、妖精ちゃん生まれたばかりだろ? それにしては色々知りすぎじゃないか?」

妖精「それは、えっと……種族の知識ですよ! 生まれた時から何をすればいいのか知ってるんです。人間界のことも結構知ってるんですよ! えっへん」

男「それは前世の記憶があるとかそういうこと?」

妖精「うーんと、まぁ概ねそんな感じですっ。 それで、やっぱりパソコンって便利なんです?」

男「そりゃ便利だよ。パソコンがっていうよりインターネットが凄いもんでさ」

妖精「うんうん」

男「俺は需要がありそうなサイトっていうのを作ったり、依頼を受けて他の人の代わりに色々作ってパソコンでお金を稼いでたりするんだ」

妖精「なんだかよくわからないけどすごいです! さすが旦那さまです!」

男「まあ、これ一本では心ともないからバイトしてたりするんだけどさ//」デレデレ

妖精「それで『いんたぁねっと』でなにができるんです?」

男「あ、はい。例えばさっきみたいに調べものだとか、家に居ながら買い物が出来たりするよ」

妖精「買い物が出来るんです? 凄いんですよ『いんたぁねっと』!!」

男「そうですね、インターネットの前には俺なんて虫けらみたいなもんですよ、はい」

妖精「男さん、虫さんも植物の助けになることが多々あるんですよ?」

男「あれ? 旦那さまから降格してる?」

男「そうだ、なんか欲しいものあったりする? ネットでさくっと買ってあげよう」

妖精「ほんとです? なんと優しい人ですマイロード!」ぴょんこぴょんこ

男「これやっぱりそういうシステムなんだ……それにいつまでもそんな格好されてちゃ辛いし」

妖精「どうして辛いんです? お洋服買ってくれるなんて嬉しいです!」

男「なんでもないです! とりあえず必要なものをこうやってクリックしていって、こんな感じでかごに入れといて。俺は麦茶でもいれてくるから」

妖精「うんっ!」

男(出費は痛いけど、外に女物の服を買いに行くよりはいいよなぁ……)

妖精「欲しいものがたくさんあったから助かったんですよ!」

男「たくさん?」

妖精「うんうんっ」

男「ちょっと見せてね……」

男「ハッハッハッ!20万もあったらこんなもんが買える訳か!」

妖精「陛下はお金持ちなんですよ!」

男「俺は王様でもなんでもないからこんな高い買い物は出来ません! なんだよこのテディベア、15万とか化け物か!」

妖精「化け物違いますよ! こんな可愛いモンスターは妖精界にもいないんですよ!」

男「この子は家ではかえませんっ! 元の場所に戻してらっしゃい!……冗談抜きに必要最低限のものに絞らせてくださいお願いします……」

妖精「しょうがないです……貴兄の頼みとあれば仕方ないんです……」

男「姫のご理解が頂けたようで何よりです。……あれ? 主従関係逆転してない?」

男「服も最低限に!」

妖精「はぅ……」

男「ぐああ良心ががが!! 後々買い足すことになるだろうし今回は勘弁してくれよ……」

妖精「へ? また買ってくれるんです?」キラキラ

男「この妖精ちゃん現金だけど可愛いから困る……出来るだけ安く抑えるには……」

妖精「…かわ…い…」もじもじ

男「自分の服でさえ適当なのに女物の服なんててんでわからないな……」

妖精「それならこのワンピースがいいんですよ!」

男「なるほど……しかもこれ1つで上下揃うからコストの削減も見込めるじゃないか。あといくつかワンピースで見繕うかー」

妖精「わぁい」ぴょんこぴょんこ

男「しかし男物には上下一体ものがないから気付かなかったな」

妖精「……この服なら男さんも?」

男「待ってくれ妖精ちゃん、人間界では全身タイツは中々にリスキーな服なんだ。勘弁してほしい」

妖精「これでいいです?」

男「おっけーおっけー。あ、あとは下着かっ」

妖精「今履いてるのを洗ったら乾くまで何もないんですよ……」

男「頼むから上目遣いはやめて! 俺はパックンのお世話しなきゃだから適当に安いのを選ぶんだ!」

妖精「了解です上官どのっ」

男「静まりたまえ……静まりたまえ……」

パックン「……」

妖精「ぅんと……これはどうなってるんです、兵長どの?」

男「思ってたより階級低かった、ん? ……これはパンツでなく紐だ。新米兵士には使いこなせない。こちらのカテゴリーを薦めよう」

妖精「いえっさー!」

マックンはでますか?

>>27
パックンは残念ながら植物ですのでマックンと漫才をする流れは予定しておりませんし、マックンが登場する目処もございません、どうかご了承ください

男「これで揃ったな あとは発注するだけかな」

妖精「それもカチカチするだけです? すごいんですよ!」

男「うん、ここをクリックすればおっけー、えっ!? な、ナプキン? これ必要なの妖精ちゃん?」

妖精「きゃぁぁぁぁ! 見ないでください! 女の子の秘密って書いてありましたっ!///」ボカッ

男「イッデェ! だから何で鎖骨!?」

妖精「えい!」カチカチ

男「ぎゃああ勝手に!!」
妖精「お手伝いですよ、お手伝い!」

男「はぁぁ、ネットショッピングってこんなに疲れるものだったっけ……」

男「ついでに晩飯も出前とるかー」

妖精「それも『いんたぁねっと』です?」

男「そうそう。うどんは小麦粉だし食えるよな?」

妖精「うんっ!」

男(よくよく考えると汁の鰹だしってアウトなんじゃ……しかし面倒なので黙っておく賢い俺。麺だけに)

パックン「……」

妖精「どんどんうどーん♪どんうどーん♪」

男「俺は蕎麦にしようかな」

妖精「そばっそばー♪そばそばー♪」

男「なにこの可愛い生き物」

やっくんは出ますか?

>>31
桜坂の方でしたら冥界へ囚われた魂を奪還するくだりを書くと思わぬ方向で巨編になってしまいますので登場しませんし、
薬師丸の方になりますとお昼のワイドショーの描写にチラッと匂わせることは出来なくもないところですが必要性に疑問が残るのでやはり登場の予定はありません、ご了承ください

\ピンポーン/

男「お、きたきた!」

妖精「わぁいっうどーんっ!」

男「ちょっ、その格好は色々とダメだから!」

出前「? ども、日之出屋っす。こちらでよろしいっすか?」

男「ははい!」

出前「お会計は……」

…………

男「さて、さっそく食うか。ほら、どうぞお食べなすって」

妖精「お前さんもお食べなすってなんですよ」にこっ

妖精「ぱくぱくっ!」

男「妖精ちゃんは変な食べ方するなぁ。もっとこう、ズズっと啜るのが粋なのに」

妖精「はむはむっ!」

男「わりと無視されるのには慣れてるので気にしません」

妖精「っ、おいしいです! おいしいんですよ!」

男「そりゃよかった」

妖精「将軍様! そばおいしいです?」

男「階級が特進してるのは嬉しいんだけど様付けちゃダメだろう……蕎麦も美味しいよ。こっちも食べてみる?」

妖精「いいんです? ばんざーい!ばんざーい!」ぴょんこぴょんこ

男「あっ」

妖精「ぱくぱくっ」

男(くそっ、未だに間接キスなんか気にしてる自分が惨めでしょうがない)

妖精「はむはむっ」

男「そうだ、ごちそうさましたら風呂入ったらどうだ? 着替えは……そうだな、とりあえず俺の服で着れそうな奴を出しとくから」

妖精「ちゅるるっ! ごちそうさまでした!……えっと何の話です?」

男「全部食べてしまった点については何も言わなかった俺が悪いとしても、せめて話を聞いてて欲しかったです……」

妖精「えへへ。ごめんなさい///」

妖精「それじゃお風呂にいってくるんですよ!」

男「お、おぅ」

男「……」

男「……下着の確認ぐらいなら……」

パックン「……」

男「あ、いやパックン! 別になんでもないんだ! 変な事を口走ったかもしれないが俺とパックンの間柄じゃないか? 頼む、黙っててくれないか? な!?」

妖精「えっと、何してるんです?」

男「ななななんでもないにょ! なぁパックン?」

パックン「……」

妖精「はぅ? その、お風呂の勝手がわからないんです」

妖精「それに少し暗くて怖いんですよ……ちょっときてもらえますか?」

男「」

妖精「だ、だめです?」

男「いやいやいや! ダメ違うけど! それで何がわからないって?」

妖精「あかりが点かないんです」

男「あー、スイッチの接触が悪くてコツがいるんだ。こう、ぐぐーっと押して……」

妖精「ふんふん」

男「後は何かある?」

妖精「えっと…カミソリとかはありますか?」

男「えっ、なんでカミソリなんか使うの? 風呂入るのにカミソリなんか――いったいッ! いきなり俺の鎖骨虐めるのやめて!」

――――
―――

男「髭そり渡しても殴られるし、もう何がなんだか……。服はないのに下着はしっかり着けてたようで謎は深まるばかりである」

男「妖精特有の何かに起因するんだろうか……。わからん! そもそも女の子の事も全然知らないという無常!」

男「この理解を越えた状況を処理するには俺のスペックは足りなさ過ぎる、誰かに相談すべきかなぁ」

男「女は……妖精といえど女の子と1つ屋根の下だなんて、何だか言い辛いな」

男「バイト先のオーナーは良い人だけど、このあり得ない状況を信じてもらえるかどうか……それとなく相談してみるか」

男「あとは……。一応友達だと思ってた奴はいるけどみんな一年以上連絡とってないから億劫だな……」

男「しかし我ながら酷い交友関係だな。神様どうか私めに救いを!」

妖精「――はふぅ! お風呂気持ちよかったですぅ」フラフラ

男「Thank you神様! あんた良い仕事してるよ!」

男「さて風呂も入ったし歯磨きもしたし、あとは寝る準備でもして……」

妖精「えっと、タオルケットを貸してもらえますか? それだけあればどこでも大丈夫なんですよ!」

男「えっ、床で寝るの? いいよ、ベッド使いなって!」

妖精「で、でもご主人さまであるところの男さんを差し置いて……」

男「あ、いや、うーん。妖精はどうか知らないけど、こういう時に女の子を床に寝かせて自分はベッドってのは目覚めが悪いというか……」

男「今度敷き布団でも買ってくるから、今日のところは妖精ちゃんがベッドで寝てくれ」

妖精「あ、ありがとうございます……」カァァ

男「ごめんちょっと性y、じゃなくて尿意思い出したからトイレ行ってくる」

妖精「おやすみなさいっ」

男「うん、おやすみ」

男「……」

男(寝ようと思ったものの普段この時間まだ起きてるし寝られそうにないな)

男(しかも超可愛い金髪美少女が従属云々言って隣で寝てるとか……やばい、余計なことは考えないようにしよう)モゾモゾ

妖精「……あのっまだ起きてますか?」

男「あ、うん。起きてる! 起きすぎてヤバイくらい!」

妖精「ふふふっ。ちょっとお話しませんか? 何だか眠れないんですよ」

男「ああ、いいよ。何の話をしようか?」

男(もしかして妖精ちゃん、元気に振る舞ってるけど結構不安だったりするのかな)

妖精「男さんのことをもっと教えてほしいんですよ。……いいですか?」

男「おうおう。なんでも聞いてくれたまえ」

妖精「それじゃですねっ、昨晩はどうしてあの場所に?」

―――――
―――


【2日目】※妖精の命尽きるまで残り99日

男「ふぁぁ……。目を覚ましたら金髪美少女が床で寝てる件」

男「あれか、デジャブか」

妖精「ぅぅん……」モゾモゾ

男「俺も床で寝てた点と服装が違うあたりから無限ループの心配はなさそうだ!」

妖精「……だから私は妖精ですよぅ。ふぁぁ」グリグリ

男「いた痛い! とりあえず俺の鎖骨グリグリしないといけない決まりでもあるの!?」

妖精「シリアルおいしいですっ! ぱくぱくっ!」

男「そういやさ、なんで俺の隣で寝てたの?」

妖精「んっ、何か言いました?」

男「あれか、妖精ちゃんのキャパシティでは朝御飯と会話は同時に処理できないのか」

妖精「難しい話ですね? 宇宙の創世には興味がありますよ!」

男「うんうん違うよ。なんで隣で寝てたのか聞いたんだけど」

妖精「やっぱりですね、命令とあれど主を床で寝かせてしまうのは妖精としてどうかなって思いまして、私も床で!」

男「なるほど合点がいった。でもほんとにベッドで寝てくれていいんだけどさ」

男「ま、とりあえず早く布団買わなきゃなー」

妖精「2人でベッドに寝ればいいんじゃないですか? 私、寝相は悪くないと思うんですよ」

男「お、おう、その手があったか……」

男「昨日は休みだったけど、今日はバイトがあるんだ。ほら、昨日話したさ――」

妖精「小さな洋食屋さんですよね! 羨ましいです私も色々食べてみたいですよ」

男「オーナーは良い人だしなんなら連れていこうかとも思ったけど、服が届かないことにはね」

妖精「はぅ」

男「配送のチェックしたら倉庫が近いみたいで今日のお昼過ぎには届くみたいだから、受け取っておいてくれるかな? 大丈夫?」

妖精「わかりましたっ! ご命令ですね!」

男「いや、まあそうなんだけど」

妖精「洋食屋さんは我慢です。人に見付かるとまずいですし……」

男「ん? 妖精ちゃんがちゃん人間にしか見えないと思うんだけど。やたら可愛い人間」

妖精「ほ、褒めても何も出ませんよ!」モジモジ

男「お、ヤバい。そろそろ時間だからいってくる! 戸締まり気をつけて、一応来客は警戒しといて!」ワタワタ

妖精「はいっ任せといてなんですよ! いってらっしゃいですー!」フリフリ

~小さな洋食店~~

男「っ、すみません遅くなりましたっ」

オーナー「おはよう。いつもは早いのに今日は遅いから心配したぞ?」

男「ほんとすんません、ちょっと色々あって」

男(ぶかぶかTシャツで大手を振ってくれちゃうから前屈みで通勤しなくちゃならんかったとは言えない)

オーナー「電話したんだけど出なかったからな、何ともないならよかった」

男「あれ? お客さん入ってました?」

オーナー「いいや? 暇だからとりあえず電話したんだけど?」プンスカ

男「嫌みで言ったわけじゃないですってば!」

男「ほら、ここは立地が悪いんですって。オーナーの料理は飛びっきり旨いじゃないですか」

オーナー「そ、そう? でも可愛いお店建てちゃったし、一等地に新しく建てるお金もないしな……」

男「はは、それいつも言ってますよね。予約してディナー食べにきてくださるお客様もいらっしゃるし、このお店は大丈夫ですよ」

~男宅~~

スマホ「電話だよ♪電話だよ♪出てくれないとお兄ちゃんのこと嫌いになっちゃうよ?」ヴヴヴ

妖精「っ!?」ビクッ

スマホ「電話だよ♪電話だよ♪出てくれないとお兄ちゃんのこと嫌いになっちゃ」プツッ

妖精「ひっ!?」

妖精「……」ツンツン

スマホ「……」

妖精「こ、これはケータイデンワ……。たしか現代便利グッズの一角で、これがないと精神異常をきたす人もいるとかなんとか」

妖精「男さんの精神がアレになってはまずいんですよ……」

妖精「ここは、やはり私が届けに行かねば!」

~住宅街の外れ~~

セミ「ミーンミーンミーンミーン……」


妖精「お外は暑いですよ……」

妖精「でも! ご主人さまの帽子も借りたし、この黒い傘をさせば人の目も欺けるし大丈夫!」

妖精「よーしっ、ただいま妖精がケータイデンワ届けに行くんですよ!」

妖精「確か昨日聞いたはなしでは……」

妖精「ぅぅ、ご、ご主人さまどこですか……」フラフラ

妖精「すっごく暑いし、もうしんじゃうかもしれない……ぅぅ……」

妖精「たぶん、この辺だと思ったのに……はふぅ……」

妖精「ん? すんすんっ……良い匂いがあっちの方から……?」

『洋食店 Moon River』

妖精「こ、これだ! でかした私の嗅覚! やればできるんですよ!」

修正

>>1
目覚めるたら×
目覚めたら○

>>22
心ともない×
心許ない○

>>49
妖精ちゃんがちゃん人間にしか……×
妖精ちゃん人間にしか……○

~洋食店~~

カランカラン

男「いらっしゃいませ、お一人さまで……えっ!ええ!? 妖精ちゃん!?」

妖精「はぅっ……ふぅっ、これをっ! デンワをお届けに参りましたですよ……っ」
男「そんなの別にいいのに、ってか汗すごいしその格好!」

オーナー「――さっきからどうしたんだ? そ、その子は?」

男「妖精っ、じゃなくて親戚の! すいません、お水を。っと従業員用の制服をお借りできませんか?」

オーナー「あ、ああ構わないぞ」

男「ありがとうございます。っほら妖精ちゃんこっち」

妖精「ふぇい」

~洋食店~~

カランカラン

男「いらっしゃいませ、お一人さまで……えっ!ええ!? 妖精ちゃん!?」

妖精「はぅっ……ふぅっ、これをっ! デンワをお届けに参りましたですよ……っ」

男「そんなの別にいいのに、ってか汗すごいしその格好!」

 オーナー「――さっきからどうしたんだ? そ、その子は?」

男「妖精っ、じゃなくて親戚の! すいません、お水を。っと従業員用の制服をお借りできませんか?」

オーナー「あ、ああ構わないぞ」

男「ありがとうございます。っほら妖精ちゃんこっち」

妖精「ふぇい」


オーナー「妖精……まさか本当に存在するとは……!」

男「なにもわざわざ届けにこなくてもよかったのに」

妖精「ごめんなさいです……」

妖精「トイレに入る時も肌身離さずだったのでてっきり手離せないものかと……ごめんなさい……」

男「いやそれはなんというか、こっちがごめんなさい」

妖精「私、全然お役に立てなくて……」

男「そんなこと気にしなくていいってば」

妖精「でも男さんは優しいですから……」

男「うーん……。わからないかもしれないけど妖精ちゃんが俺のところにきてくれただけで俺はすごく嬉しかったりするんだ」

男「だから役に立つだとか迷惑だとか気にしなくていいから! ね!」

妖精「ほんとですか? 本当に私がいるだけで?」じーっ

男「ほ、ほらこれに着替えて! 俺のTシャツとジーパン無理やり着るよりはサイズ的にも性別的にも合うはずだからっ!」

男「すみません、親戚共々ご迷惑をおかけして」

オーナー「構わないよ。それに偽らなくてもいいんだ」

男「えっと……?」

オーナー「君に金髪で緑色の目をした親戚がいるのか? 隠さなくていい。あの子は妖精なんだろう?」

男「あの、ええとですね……(そういえば人に見つかるとまずい的なことを言ってたような。これってやばいんじゃ……)」

妖精「――あの、この服はこんな感じでいいんです?」

男「よ、妖精というのはですね!」ワタワタ

オーナー「君、妖精なんでしょ?」ソワソワ

妖精「ふぇ? はいっ妖精です!」

男「ちょ!」

オーナー「きゃーー!! 妖精ってほんとにいたんだ! くぁぁいいっ!! 羽はどうしたのっ?」

男「えぇ……」

妖精「私は特殊な妖精なので、羽もなければ魔法も使えないんです……」

オーナー「いいよいいよ、十分可愛いから!」

妖精「か、可愛いですか?」

オーナー「可愛い! その制服ちょっと大きい? 今度サイズ合わせたの新調するから!」

妖精「あ、ありがとうです?」

男「……あの、ちょっといいですか?」

オーナー「なにかな?」ソワソワ

男「その、こいつが妖精だってなんで気付いたんですか?」

オーナー「可愛いから。妖精っていってた」

男「あっ、はい」

男「えっと、妖精ちゃん、人に見つかるとまずいんじゃなかったの?」

妖精「確かに見つかるとまずい人達がいますよ! でもこの人は大丈夫です」

オーナー「このだなんて他人行儀なのじゃなくてオーナーでいいんだよっ」

男「俺、オーナーってもっと落ち着き払った感じの大人な人かと思ってたんですけど」

オーナー「実をいうと可愛いものやメルヘンなものには目がないんだ」

男「そういえばお店も落ち着いた感じではありますけど雰囲気がそっちよりですよね」

オーナー「私自身には似合わないのは知っているからね。でも妖精ちゃんみたいな……」ソワソワ

男「また抑えきれない熱情が顔を覗かせてますよ、オーナー」

妖精「バイトリーダー! 私は帰った方がいいです?」

オーナー「!」

男「誰がバイトリーダーだ。あー、昼食ここで食べてきなさい。オーナーが喜ぶから」

妖精「わぁい!」ぴょんこぴょんこ

オーナー「!」

妖精「オーナーさん良い人ですよ! あんなに美味しいものってこの世にあるんですね!」

男「ほとんど俺が見たことない料理でてきたな。魚類肉類抜きの注文うけて喜んでたぞあの人。意味がわからない」

妖精「もしよかったら、またお届け物をしにきてもいいです?」

男「用がなくても構わないよ。こうやって先に妖精ちゃんを帰そうとしただけでテンションガタ落ちの人もいるし」

妖精「わぁい! では、お荷物受け取りのお仕事がありますので!」

オーナー「ま、またきてね?」

妖精「はいっ、お洋服お借りしますです」カランカラン

オーナー「……なあ男くん。妖精ちゃんうちでバイトしてくれたりしないかな」

男「どうでしょうね……まだ色々よくわかってないことあるから難しいかもしれません」

オーナー「!」

オーナー「……あ! 最近ベジタリアンやピューリタンの人向けにメニューを開発しようと思っていて!」

男「どんだけ必死なんですか。近いうちに連れてきますって」

オーナー「!」

オーナー「……近いうちっていつになるのかな? 勿論さっきの料理は私の驕りで――」

~男宅~~

男「ただいま」ボソッ

妖精「おかえりなさいっ!」

男「あ、うん」

男(1人暮らしで何となく呟いてた"ただいま"だったけど帰る家に誰かがいてくれるって何かいいな)

妖精「聞いてたお時間より帰ってくるのが早かったですよ?」

男「新作メニューの開発するから今日は早くあがっていいとのことで」

妖精「じゃあ今日はもうお仕事なしですか? よかったらまたお話聞かせて欲しいんですよ」

男「もちろんいいですとも! でも先にパソコンでサイトの管理とメールの処理をば」

妖精「了解です閣下っ!」

男(鯖はまだこのままでいいとして更新のタイミング考えたら……)カタカタ

妖精「……」ソワソワ

男「……」カチカチ

妖精「……」チラチラ

男「……」カタカタッターン

妖精「ふむふむ、これがこうで……」じーっ

男「……どうかしたの?」

妖精「もう終わりましたか!?」

男「いや、まだだけど」

妖精「はい……」しょんぼり

男「……疲れたし、お茶でも飲みながらお喋りに付き合ってもらおうかなー?」

妖精「!!」

妖精「いま準備するんですよ!」トテトテ


男「……くっそう、可愛い! 可愛いんだけども!」

妖精「冷たい緑茶でよかったですか?」

男「ありがとう。よくわかってらっしゃる!」

妖精「殿のご要望に応えるべく色々と努力してるのでござるですよ」

男「ほほう! よきかなよきかな」

妖精「夏なので草履を温めるんじゃなく靴を冷蔵庫で冷やすのはどうです?」

男「それはやらんでよろしい」

男「ちゃんと配送は受け入れた?」

妖精「それはもうばっちりですよ? 妖精、やればできるのです」えっへん

男「有能で可愛いなんてさすが妖精ちゃんです」

妖精「褒めても何も……//」

男「今日はその可愛さにやられたオーナーがお店が暇になるたび妖精ちゃんのことを聞いてくるのなんの」

妖精「オーナーさんは良い人です!」

男「そうだね。基本的に閑古鳥鳴いてるから正直言って面倒なレベルだったけどね」

男「ともあれ、ちょくちょく店に顔出しにいく感じになるかもしれないけど構わない?」

妖精「わぁい! あのお店大好きです! お出かけ嬉しいんですよ!」

男「そうだ、見つかるとまずい人がいるってはなしなんだけど詳しく聞かせてくれる?」

妖精「あぅ、はい」

男「それは具体的にどんな人達なの?」

妖精「……妖精を捕まえようとしてる人です。施設に閉じ込めようとするはずです」

男「し、施設って?」

妖精「たぶん捕まったら二度と出られないようにされると思います」

男「それは何かの組織だったりするの?」

妖精「し、知らないです。普通っぽい人もいれば警察の人にもいるかも……」

男「警察も!?」

妖精「だから警察の人には私を隠してほしいんです。……だめですか?」

妖精「最初はちょっぴり不安だったんですけど、今は男さんといるととても楽しいんです」

妖精「だから、あの……」

男「もちろん妖精ちゃんのことは俺が守るよ」

男「守るなんて俺が言うと気恥ずかしいばかりの言葉で、そんな力もないかもしれないけど」

男「一緒にいられるための努力は惜しまないから」

妖精「……」

妖精「ありがとうございますっ、命尽きるまでお側にいるんですよ」

―――――
―――

妖精「すー……すー……」

男「喋りつかれて寝ちゃったか。早速届いたパジャマ来てるけどくそ可愛いなぁ……」

男「あれだけはしゃがれると他にも服を色々買っては着させてあげたい衝動に駆られるから困る」

男「そして俺は恐らくその要求に負けるだろう」

男「……一緒のベッドでとは言ったものの、妖精ちゃんと同じ布団に潜って耐えられる気が微塵もしないな」

パックン「……」

男「さて戒めのためにもパックンに監視してもらいながら中断してたPC作業すすめるかー」

【8日目】※妖精の命尽きるまであと93日

男「今日はバイトも休みだし、ショッピングに出かけます!」

妖精「お買い物です? いんたぁねっとは使わないんです?」

男「手にとってみないとわからないこともあるからね。それと単純にお出かけしたい気分で」

妖精「じゃあ私はお留守番頑張るんですよ……」

男「いやいや妖精ちゃんのものを買うんだから側にいてもらわないと」

妖精「わぁい! 喜んでお供しますですよ! さーまじゃすてぃす!」

ミーンミーンミーン……

男「お出かけに誘うことで国王にジョブチェンジできるとは。しかし暑いな……」

妖精「暑いの苦手です……」

男「妖精なのに?」

妖精「私は光合成なんて出来ませんし、二酸化炭素吐き出しますし、アイスが食べたいですよ」

男「ダメだ、この妖精環境に優しくない」

妖精「アイスを食べるとマイナスイオンがでますよ?」

男「見てると癒されてたけど、その正体はマイナスイオンだったとは」

妖精「何を買いにいくんです? またティッシュがなくなったんです?」

男「……違います。今日は妖精ちゃんのサンダル以外の靴に、ちゃんとした日傘や帽子に伊達メガネと変装グッズを中心に色々買おうかと」

妖精「変身? プリキュア好きですよ!」

男「あれれ? 隠してたはずのBlu-rayが入りっぱなしなのは妖精の仕業だったの?」

妖精「ご主人さまの嗜好のリサーチは私の仕事ですよぅ」

男「何だか妖精ちゃんに教えてはいけないタイプの人間の趣向を広めてる気がして辛いです」

妖精「私はいっぱい……お兄ちゃんのことを知りたいですよ?」

男「……ストップ、それはどストライクではあるんだ。完璧なリサーチではあるんだけど、俺の顔が気持ち悪い感じに歪むから、人の目がないところでお願い」

妖精「2人っきりの時だけです?」じーっ

男「そのナチュラルに上目遣いも危険なのでお外では自重してね!」

~駅前通り~~
ガヤガヤ……

妖精「人がいっぱいですよ! 背の高い建物がいくつも!」

男「ここ数年で再開発して駅の周りだけ結構発展してる感じなんだ」

妖精「はぅ……こんなにたくさんの人が周りにいるのは初めてで怖いです……」

男「そっか、忘れがちだけど産まれたばかりだしなぁ……ん?」

妖精「あの、腕をお借りしていいですか?」ぴとっ

男「あっ、うんいいよ!」ワタワタ

妖精「……男さんの傍にいると安心するんですよ」

男「そう!? や、やっぱりおしっこかけちゃった関係で安心する臭い的なの出てたり……あいい! 鎖骨グリグリやめて!」

~アイスクリーム屋~~

妖精「サングラスにおっきくて可愛く帽子! これでもう悪の手先に見付かる心配もないんですよ!」

男「はい、お待たせ」

妖精「わぁい! こんなに素敵なアイスが世の中に……あむっ!」

「ほら、あの子……」
「すっごく綺麗だよね?」

男「……妖精ちゃんは変装してようが目立つようで。ましてや今はマイナスイオン発生中か」

妖精「あむっ! 口が蕩けるおいしさですよ!」

男「のようでっ。口の端から垂れてる垂れてる!」フキフキ

妖精「んーっ。えへへ」

男「後は布団かマットレスを注文して帰りますか」

妖精「あむっ。あむあむっ! はぅ……/// あむあむっ」

男「そうでした、お食事中は俺の話なんて些細な事は気にも留めない感じでした」


 女「……あれは男?」

微妙に忙しく投下できましても1~2レス程度な残念具合ですが、休日にはしっかり書き溜めようと思いますので、ゆるりとお付き合いいただければ幸いです

男「荷物が半端じゃない量になったもんだ……」

妖精「お手伝いします! これもこれも妖精が持つんですよ!」

男「いいよ俺が持つから。妖精ちゃんも歩き疲れてるでしょ?」

妖精「頑張りますっ!」

男「無理しなくていいって。妖精ちゃんの体力が全然ないのはこの1週間でリサーチ済みなんですよっ」

妖精「それ私の真似です? 酷いです全然似てないんですよっ!」

妖精「……」

妖精「……じゃあ無理せず男さんの腕に掴まってもいいんです?」

男「さ、さすがに荷物もっては厳しいかと……」

妖精「そ、それもそうですよ! 先に帰って荷ほどきの準備頑張りますっ!」ワタワタ

『電話だよ!電話だよ! 出てくれないとお兄ちゃんのこと嫌いになっちゃうよ!……』

男「妖精ちゃ……今は無理! 後でかけ直そう」

――――
―――

女「男の癖に生意気な!」

~男宅~~

妖精「ふふーんっ、どうです! これで妖精にしか見えないんですよ!」

男(妖精がドンキの妖精コスセットの羽つけてドヤ顔するのはどうなんだ。アホ可愛いぞ妖精ちゃん!)

妖精「妖精としてのキャラが弱いと言われ続けた私もこれで立派な妖精ですよ♪」

男「それはどうだろ。そもそも、俺だってそれ付ければ妖精に見えるんじゃ……」

パックン「」

妖精「ふふーんっ♪ 明日お店にお邪魔するときに付けて行きますっ♪」

男「悪い人に見つからないようにうんぬんはどこへいった? 普通にダメです」

妖精「そんなっ!」

男「そういや電話が」

妖精「オーナーさんですか?」

男「んーと、女……。なんのようだろ」

妖精「女さんってどういった方なんですか?」

男「大学の時の先輩で、結構面倒みてもらったり面倒被ったり……」

男「今回は何の話やら。とりあえず妖精ちゃんは静かにしててくれる?」

妖精「あっ! はいですっ!」

男(妖精ちゃんのこと伝えても妖精ちゃんがこれじゃ信じてくれなさそうだし、16才前後に見える子と一緒に住んでるなんてバレたら通報されかねない!)

男「も、もしもし女さん?」

女『あ! さっきなんで出なかったの!?』

男「ちょっと手が離せなくてですね……」

女『そんなことはどーでもいいの。今日さ、駅前のアイスクリーム屋にいなかった?』

男「どうでもいいって……」

女『それでどうなの?』

男「い、いたような、いなかったような?」

女『やっぱり男か。一緒にいた子は? 遠目に見ただけだけど超可愛い子に見えたんだけど……』

男「た、たまたま同席しただけの子であって俺のような寂しい人間ては何の関わりもございませんです!」

女『怪しい。とにかく久しぶりに飲みに行こうよ。詳しい話はそこで!』

男「いやはや最近お財布の方も寂しい状況でして……」

女『はいはい、決定ね! 木曜の9時に駅前の大時計の下で待ち合わせってことで!』ブツッ

男「いっそ清々しいほどに俺の都合を無視!」

男「というわけで、また街にくり出す羽目になったよ妖精ちゃん……」

妖精「では私もご一緒しますっ」

男「いや、妖精ちゃんはお留守番かな」

男「ちょっと面倒な事になりそうだし、そもそも居酒屋だから妖精ちゃん連れてけないしね」

妖精「はい……」

男「じゃあご飯作っちゃうか! お皿の用意を頼んだ!」

妖精「あの、女さんって……」

男「ん?」

妖精「な、なんでもないんです。お皿ですね、持ってきます!」

【12日目】※妖精の命尽きるまであと89日

~居酒屋~~

女「とりあえずビールで! 2つお願い!」

ハイ、カシコマリマシター

男「それで今日はどういった話? この前みたいなのは勘弁してほしいです」

女「この前って?」

男「ほら、1人暮らしの寂しい台所でハエごときが交尾してやがってムカついたからお前ちょっとこいみたいな」

女「そんな話はどーでもいい!」

男「どーでもって……

女「今日の議題はあの女の子のこと! なにあの子? 外国人?」

男「ええとですね……。妖精、みたいな?」

女「妖精!? ぷーwwwwww妖精だってwwwwwwあはははははwwwwなにそれおかしいwwwwwwww」

女「『……妖精、みたいな?』wwwwあははwwwwっひぃぃwwwwww男ってばアニメ見すぎて頭可笑しくなったんじゃwwwwww」

男「あーもう! どんだけ笑うんだこの人」

女「はーっ。笑いすぎてお腹いたいっ。まー、確かに可愛いっぽかったけど妖精はないんじゃないの?」クスクス

男「そうですねー。妖精はないですねー」

女「ごめんごめんって。ふてくされないでよー。で、ホントのとこ、どういう子なの?」

男「偶然あった子で、詳しくは知らない子ですし」

女「そうなの? ちょっと私の目を見ていってみ」

男「ぐっ……(この人やたら勘がいいから大概のことはバレるんだよな)」

女「やっぱりあやしい。嘘でもないけど本当のことでもない感じ」

男「はぁ、まーいいじゃない俺がどんな女の子と楽しく過ごしてようが」

男「それとも、俺が可愛い子と仲良くしてると先輩は何かまずいの?」チラッ

女「……いやいやいや。そういうのにまるで縁のない君が女の子と歩いてるだけで一大事ですって」

女「ヤフーニュースならトップにでる事件が起きてるわけだから気になっただけで、男が期待してるように嫉妬したりしてないよ?」

女「まー、妖精?のことは置いといて今日は飲もう飲もう! かんぱーい!」

男「……かんぱーい(この人には微塵も勝てる気がしない……)」ハァ

――――
―――

女「うぅ、もうだめ飲めない死ぬ」

男「弱いくせに無理して飲むから。そして一番の問題はそれを学習しないところだと俺は思うんです」

女「家まで送ってぇ……ベッドまで運んでぇ……」

男「はいはい。とりあえず前みたくタクシーで吐かないでね」

女「襲うなら優しくしてぇ……」

男「童貞をからかう余裕があるなら平気だな。路肩に捨てて帰ろう」

女「男のきちくー! うっぷ……」

男「ほら大人しくしてって。黙ってりゃ美人なのにこの人は……」

~男宅~~

男「ただいまー……」ガチャッ
男「ってこんな時間じゃ寝てるか」

妖精「……おかえりなさいっ」

男「あれ、起こしちゃった?」

妖精「いいぇ、男さんの従僕たるこの妖精ぃ、主人の帰りを待たずに寝られましょうかぁですよぅ」

男「寝てていいっていったのに。ほら、寝床まで歩いて歩いて」

妖精「妖精頑張りますぅ。だから……だから寝るまでお側に……」フラフラ

妖精「おそばに……にぃ……」スースー

男「……寝ちゃったか」

男「なぁパックン。最近はだいぶ打ち解けてきたからか、妖精ちゃんの仕草や瞳が甘えてくる感じに見えてヤヴァイ」

パックン「……」

男「理性が限界にきつつある……頭を撫で回すぐらいは許される範囲だよね?」ナデナデ

【16日目】※妖精の命尽きるまであと85日

~洋食店~~

オーナー「やっと妖精ちゃんの服が出来たんだ」ソワソワ

男「マジで作ったんですか……」

オーナー「それで今日は妖精ちゃんはいつくるのかな?」

男「なんだか眠たそうにしてたんでおいてきました」

オーナー「……買い出し行ってくるから、2時間ぐらい店番頼むよ」

男「新調した件の制服を持って何を買い出しに行くんです?」

オーナー「あれ、男くん、家の鍵は外ポケット?」ガサガサ

男「どうして俺のロッカー漁ってるんです!? 大人なんだからその辺我慢しましょうよ!」

カランカランッ

オーナー「いらっしゃいませ―……妖精ちゃーんっ! 待ってたっ、待ってたよ!!」

妖精「ふぇい?」

妖精「わぁいっ! これピッタリです!」

男「いつの間に採寸したんだこれ。しかもレースとか付いてて女さんがバイトしてた時より豪華になってるし」

オーナー「かわいいッ!」

妖精「あとは羽をつければかんぺきですよ! んしょっ」

男「それわざわざ持ってきたんだ?」

オーナー「かわいいッ!かわいいッ!」

妖精ちゃん「えへへっ。……男さん、どうですっ?」じっ

オーナー「かわいい!かわいい!!かわいい!!!」
男「えっと、よく似合ってて可愛いと……オーナー、鼻血がッ!」

妖精「せっかくなのでお手伝いするんですよ! 先輩っ何をしたらいいですか?」

男「ずいぶんとまぁ可愛い後輩ができたもんだな」ナデナデ

妖精「えへへ///」

男「それじゃあ後輩くん、この辺の洗い済みのお皿をオーナーに渡してきてくれるかな」

妖精「はーいっ」

妖精「社長! お皿を持ってきました!」

オーナー「……ありがとう。このお皿にアイスを盛ればいいんだね?」

妖精「わぁいっ!」

男「あの、うちの後輩に甘過ぎやしませんか社長さん」

妖精「アイスおいひぃです……あむっ!」

オーナー「妖精ちゃんは好きな食べ物って他に何があるのかな?」

男「すいません。この妖精、食べてる最中はほとんど聞こえてないんで」

妖精「んむっ?」

オーナー「かわいいっ! 好きな食べ物は何かな?」

妖精「……あむっ……はむっ……アイスうまうまなんですよっ!」

オーナー「かわいいっ! 妖精ちゃんの好きな食べ物は?」

妖精「あむっ! あむあむっ! ごちそうさまでしたっ!」

オーナー「かわいいっ! それで妖精ちゃん、好きなものは?」

妖精「はぅ? 男さん!」にこっ

【22日目】※妖精の命尽きるまであと79日

~男宅~~

男「ふぁぁ……。朝起きたら金髪美少女が腕の中で寝てる件」

男「あ、あれか、ついにやらかしたのか?」ドキドキ

妖精「ぅぅん……」モゾモゾ

男「お、おはよう妖精ちゃん。どうして俺の布団にいるのかな?」

妖精「……だから私は妖精ですよぅ。ふぁぁ」グリグリ

男「いたいっ痛い!? 寝惚けながらとりあえず鎖骨に挨拶するのやめて! 謝るから!」

なにやら申し訳ない流れ

「犯人はヤス」
みたく最初にオチを書くようなネタバレ甚だしいウンコみたいな所業にも見えますが、
素直にオチを書いた訳ではなく、各登場人物の心理描写のような、第三者視点から得ている情報の1つ程度にお考えいただければ、幸いでござりまする

近親者が亡くなりバタバタしておりました
ボチボチ再開させていただきたく思います

男「つまり、エアコンが効きすぎて寒かったから俺の布団にはいったと」

妖精「男さんのとなりは暖かくてよく眠れるんですよ、ふぁぁ」

男「最近は少しずつ涼しくなってきたし、エアコンがんがん効かせる必要ないかー」

男「いやまて、こんな美味しいイベントがあるなら……」

妖精「今日はお休みですー?」

男「お、おう! でも出かけるから、顔洗って朝ご飯食べて支度してください」

妖精「じゅるるっ! どこに行くんですっ!?」ワクワク

男「とりあえずヨダレ拭いてきてください」

男「これから質問しますのでイエスかノーで答えてください」

妖精「りょうか……いえすっ!」

男「妖精ちゃんはお花が大好きですか?」

妖精「いえす」

男「ひまわりの花はまだぎりぎり咲いていますか?」

妖精「いえす」

男「うちから一番近い遊園地の隣にある、ひまわり園に俺と一緒に行きますか?」

妖精「いえす!!」

男「それじゃ準備したら――」

妖精「いえすっ!いえす!いえす!」ギューッ

男「ちょ、嬉しいのはわかったから離れてくれ」カァァ

妖精「のー!」

~バス~~

男「ほら、あの観覧車見える?」

妖精「かんらんしゃ! かんらんしゃ!」ワタワタ

男「なにもそんなに慌てなくとも」

妖精「知識では知ってます、知識では!」

男「いや威張らなくとも……あれ乗りたい?」

妖精「男さんって素晴らしい人間なんですよ! 流石です! か、格好いい?ですっ!」

男「おい、最後どうして疑問符混ざった」

男「それじゃ、混んだら嫌だし先に遊園地から行こうか?」

妖精「……すきっ!男さんすきっ!」

男「あ、いや、それほどのことはしてないっていうか人間として当然みたいな!」

妖精「そうなんです?」

男(クッ、無邪気に言ってるんだろうけど顔赤くなりかねないから好きとかやめてほしいっ)

~遊園地~~

男「さて、どれから回ろうか?」

妖精「わっ! おっきいクマさんいますっ!」ピョンピョン

男「正直言うとこういう場所行き慣れてないからセオリーとか順序がわからなくてさ」

妖精「しゅごい! じぇっとこーすたーしゅごい!」ワタワタ

男「とりあえず近場で空いてそうなのから乗っていこうか?」

妖精「アイス! アイスまであるんですよ男さんっ!」

男「……君、さっきから一切俺の話を聞いてないね?」

妖精「ほぇっ?」

妖精「あ、男さん! 私、お化け屋敷は絶対無理ですよっ! ぜーったいですよ!?」

―――――
―――

男「久しぶりの遊園地だけど、子供の頃みたいに楽しいもんだなぁ」

妖精「はふぅ。たくさん乗ったので少し疲れたんですよ」クタッ

妖精「あっ! でも妖精まだまだ平気ですよ? ほんとは全然へっちゃらですよ!?」ヒシッ

男「いきなり帰るとか言わないから安心して!」

男「でもあらかた乗り尽くしたし、混んできたから観覧車いったらひまわり園の方に行こうか?」

妖精「はいっ」

男「……」

妖精「……どうかしたんです?」

男「はぐれると大変だから、手を」

妖精「はい?」

男「ほらっ、手を繋ぐとかしないとはぐれちゃうし! 迷子は困る!」ワタワタ

妖精「はいっ」にこっ

更新遅れまくりで申し訳ございませぬ
ぼちぼち頑張ります

男「少しだけ並ぶみたいだけど、この調子ならすぐ乗れるかな」

男(しかし家族連れが一組だけで後はカップルばっかりだな……)

妖精「……」

男「あれ、下向いちゃって。高いとこ苦手だったりするの?」

妖精「あっ、はい、い、いいえ!」

男「ど、どっちなんだ」

妖精「平気ですよ! 大気圏でもどんとこいですっ」
男「急に静かになるもんだから怖いのかと思ったよ」

妖精「べ、べつになんともないです」モジモジ

男(あれ妖精ちゃんの顔赤くないか?)


男(ぐっ、まだ手を繋いだままだし意識したらこっちまで赤くなりそうだ)

「次の方どうぞー」

~観覧車~~

男「あ、あついね!」

妖精「そ、そうですね」モジモジ

男「も、もう少し上までいけば、こっち側に家の方も見えるかな」

妖精「……はいっ」モジモジ

男(なんだこのふいんき、何故か変換できない!)

男(じゃなくて何を喋ったらいいんだこれ)ワタワタ

妖精「そ、そっち側に座りますね!」ソワソワ

男「お、おう?」

妖精「んしょ……///」

男「……」

妖精「……」

男「……」

妖精「そ、その」

男「んっ?」

妖精「その、経験がないので上手に出来ないかもしれないです……」

妖精「で、でも頑張るのでっ!」

男「へっ!? な、なんの話?」

妖精「キ、キスしないんですか?」

男「はいっ!?」

妖精「お部屋にあった薄い絵本で勉強してみてもやっぱりわからなくて……」ドキドキ

男「う、薄い絵本? まさかエロ同人じゃっ」

妖精「や、優しくしてください……」ギュッ

男「……」

男「まてまて、君は重大な勘違いをしているぞ!」

たらばがに!

長らく待たせてしまい申し訳ないばかりです
明日、明後日辺りには更新したく思います

>>135
「…僕のエヘカトル…今はもう…かつての面影さえない」
クミロミ信者ですのでエヘ様に召し上げる供物はございません、どうかご了承くださいまし

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