冬馬「ドッキリしようぜドッキリ」 P「ふむ」 (144)
P「また唐突だな」
冬馬「暇なんだよ」
P「暇って……ジュピターの仕事は?」
冬馬「今日から三日オフだ」
P「だからって765プロに遊びに来なくても……」
冬馬「い、いいだろ。あんたがいるから来ただけだぜ」
P「……」
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冬馬「なんだよその目」
P「いや、なんかこう……あらぬ誤解を招くんじゃないかと」
冬馬「あん……?」
冬馬「…………」
冬馬「……あ、お、おい、変な想像してんじゃねえぞ!」
P「……お前は何の想像をしたんですかねぇ」
冬馬「う、うるせえ! とにかく、ドッキリだドッキリ!」
P「はぁ……なんでそんなドッキリがしたいんだ?」
冬馬「この前ドッキリの番組視ててよ。俺も仕掛け人やってみたいなーってな!」
P「案外子供っぽいな」
冬馬「うるせえ! それで、やるのか、やらないのか、どっちなんだよ?」
P「やるに決まってるだろ」ガチャガチャ
冬馬「お、おう、即答……しかもご丁寧にカメラまで……」
P「良い画が取れれば営業にも使えるからな」
冬馬「ふーむ、そういう姿勢は勉強になるな」
P「はっはっは、もっと褒めてくれても良いんだぞ」
P「んで、出社したアイドルにドッキリ仕掛けるってことで良いのか?」
冬馬「ああ、それでOK」
P「過激なのはよせよ。無視するとか」
冬馬「わかってるよ、仮に高槻にそんなんやったら耐えられる気がしねぇ」
P「お、お前もわかってるじゃないか。もしかしてファンとか?」
冬馬「おはよう朝ご飯は目覚ましに使ってるぜ!」
P「なにしてんだ……まあいいや、そんで肝心のドッキリ内容は?」
冬馬「事務員の机にクジ箱が置いてあったからこれ使おうぜ」
P「なんだこれ、音無さんのか?」
P「なになに……「765プロアイドル用ドッキリクジ箱」……まーたえらくピンポイントだな」
冬馬「なんでもいいじゃねえか、ちょうど良いし」
P「まあ、音無さんだったら内容については安心できるか」
冬馬「そうそう、それじゃ引こうぜ!」
P「クジの内容は絶対遵守か?」
冬馬「当たり前だろ。プロとして当然、だぜ!」
P「じゃーカメラ回すぞ、ほれ引け冬馬」
冬馬「まかせな!」
バッ
冬馬「最初のドッキリはこれだ!」
冬馬「えーとなになに……『交際開始の報告をする』」
P「 」
冬馬「 」
冬馬「交際って……?」
P「まあその、お付き合いとかそういう……?」
冬馬「お、俺とあんたが……?」
P「まぁ、仕掛け人は二人しかいないからな……」
冬馬「お突き合い……だと……!?」
P「おいなんか不穏な表現じゃないか?」
冬馬「なんてこった……」
P「やめて他のクジを引くか。うん、そうしよう」
冬馬「……」バッ
P「おい、何故止める?」
冬馬「……やめてくれよ。ここで逃げちゃプロとして俺は俺を許せねぇ」
P「はい?」
冬馬「いいか、俺が765プロの奴らに並び立つアイドルになるには」
冬馬「どんな高い壁があってもそれに立ち向かう気概を持たなくちゃならねぇんだ」
冬馬「だから俺はやるぜ、プロデューサー!」キリッ
P(こいつこれがドッキリだとわかってんのかな)
冬馬「なあに、交際報告なんて軽い軽い、楽勝だぜ!」
P「……お前がそう言うのなら俺は構わんが」
冬馬「俺とあんたがつきあい始めたってことを伝えりゃいいんだろ?」
P「あー、そうだな。……抵抗ないのか?」
冬馬「ん? まあ俺が女だったら、あんたを選ぶだろうしな!」
冬馬「とはいえライバルは多いか、ははっ」
P「いや、違う! 俺を選ぶことに抵抗があるか聞いてるんじゃねえよ!」
冬馬「あ、ああ、そうか……俺はいったい何を……」
P「もし自分が女だったらとかいう仮定は止めろ。深みに嵌って抜け出せなくなる」
冬馬「た、確かにな……俺は一瞬禁断の領域に足を踏み入れちまったぜ……」
冬馬「それじゃまずは交際報告な!」
P「ああ、うん……良い笑顔ですね」
冬馬「仕掛け人になってみたかったんだ」
P(仮にこれを公開したら冬馬はホモって噂が立ってしまうのでは……?)
冬馬「早く出社しねえかな」
コツコツコツコツ
P「春香の足音だな」
冬馬「なんでわかるんだよ怖ぇな……」
ガチャッ
春香「おはようございまーす!」
春香(えへへ、今日は私が一番乗りかな。プロデューサーさんとちょっとだけでも二人きり!)
P「おう、おはよう春香」
冬馬「邪魔してるぜ天海」
春香「あ、あれ、冬馬くん? おはよう……なんで事務所に?」
冬馬「今日はオフだから遊びに来たんだ」
P「まあ、そういうことだな」
春香「そ、そっか……むむむ、二人きりならずかぁ。残念……」ハァ
P「?」
冬馬「……あぁおい、プロデューサー」
冬馬「もっと近づけよ」
春香「……え?」
P「へ」
冬馬「これじゃドッキリの信憑性が薄いだろうが」ボソッ
P「あ、ああ、そうだったな」
冬馬「へへっ、そうそう、もっと近くにいろよな」
春香(あ、あれ、あれれ、あれぇ……?)
P「……春香? 顔色がよくないぞ」
春香「あ、ちょ、ちょっとだけ戸惑っちゃって。あはは……」
春香「ないないそんなことないよねプロデューサーさんは女の子が好きしっかりしなさい天海春香」ブツブツ
冬馬「ツカミはバッチリ、だぜ!」ボソッ
P「春香の表情が目まぐるしく変化してるんですがそれは」ボソッ
冬馬「大丈夫大丈夫。さて、あんたもちょっくら攻めてみろよ」ボソッ
P「攻めるって……?」ボソッ
冬馬「それとなく交際を匂わせるんだよ」ボソッ
P「うへぇ……」
春香「プロデューサーさんは女の子が好き女の子が好き……」
P「なぁ春香」
春香「ひゃ、ひゃい!」
P「質問があるんだけど……さ」テレッ
春香「質問?」
P「同性間の恋愛って、アリだと思うか?」ジーッ
春香「 」
冬馬(いいぞ、良い演技だぜ!)
P「……理解は、されないのかな?」
春香「え、あの……その……プロデューサーさん、は、もしかして……」チラッ
冬馬「……すまねぇな」
春香「――!?」
P「もうネタバレか?」ボソッ
冬馬「引張りすぎてもな。鉄は熱いうちに打て、だぜ!」ボソッ
P「あいよ」ボソッ
春香「……本気、なんですか?」
P「ああ、本気の質問だ。春香だったら、どう思う」
春香「……偏見はない、つもりです……つもり、でした……けど」
春香「いざ、その、言われると……と、戸惑っちゃうって言うか……」
春香「わ、わたしの想像は、間違ってないのかなーって……え、えへへ……」
冬馬「……いや、きっと間違ってねえ」
春香「や、やっぱり……」
冬馬「お前たちのプロデューサーは、俺の恋人だ」ゲッチュ!
P「うわ、急に抱き寄せるな!」
春香「――ッ!」
春香「あ、あはは……お、おめでとう……」
冬馬「ああ……すまねぇな天海……」
春香「謝らないで……謝られたら、み、みじめになっちゃうよ、あはは……」
春香「ずっと、ずっと想ってたのに……急に出てきた子に……」
春香「そ、それも、男の子に、取られちゃうなんて……」
春香「そんなの、すごく……すごくみじめじゃない……?」
春香「う、うぅ……うぇぇ……」グスッ
P「春香……俺は……」
春香「……プロデューサーさん……」
P「冬馬の人生を全力でプロデュースするよ」
冬馬(追い打ち!?)
春香「……はい……」
春香「冬馬君を泣かせちゃ、ダメですよ……?」
P「ああ、もちろん。夜は啼かせちゃうかもだけどな」
春香「そ、それ、セクハラじゃないですか……もう……」グスッ
冬馬「何で変なところでノってきてんだよ!」
P「お、おっと……そうだった」
冬馬「すまねえな天海」
春香「もう謝らないで……。私、まともに冬馬くんのこと、見れない……ごめんね……」
冬馬「いや、Pを奪ったことに対する謝罪じゃなくて、実はだな」
P「うむ、これだ」
「ドッキリ大成功」
春香「ふぇ……?」
P「別にこいつと付き合ったりとかはしてないから」
冬馬「そうそう。恋人でも何でもねぇってことだ」
P「よくあるだろ、ドッキリだドッキリ!」
冬馬「だから泣きやめよな」
春香「ど、ドッキリ……。ドッキリかぁ……」
P「ああ、騙して悪かったな」
春香「……ほ、ほんと、ですよぉ……もう!」
冬馬「そこそこの演技だったろ?」
春香「全くだよ! ほんとにプロデューサーさんを取られちゃったかと思ったんだからね!?」
P「俺は誰のものでもないんじゃ……」
冬馬「それを突っ込むのはヤボ、だぜ!」
春香「へえ、冬馬くん提案のドッキリなんだ」
P「どうしても仕掛け人がやりたいって言うからな」
冬馬「天海へのドッキリ、もうちょっと引張ってもよかったかもしれねえな……」
春香「い、いいよあれくらいで……。頭真っ白になってホントぐちゃぐちゃだったんだから」
冬馬「あ、そういや天海お前、ドサマギに告白しやがったな」ボソッ
春香「ふえっ!?」
冬馬「まー、アイドルにゃ御法度だが……個人的には応援しとくぜ」
春香「あ……うん、ありがとう!」
P「どうした」
冬馬「なんでもないぜ、鈍感さんよ」
春香「そうですよ! ねっ」
冬馬「おう!」
P「仲良くなってる……」
一時停止
ぶっちゃけあまとうとPが書きたいだけ
冬馬「さて、それじゃ次のドッキリ、だぜ!」
P「ノリノリだな……」
春香「プロデューサーさん、ドッキリの内容ってどう決めたんですか?」
P「あぁ、音無さんが作ってたこれを使って」ヒョイ
春香「くじ引き……」
冬馬「次のお題目、ゲッチュ!」
ピラッ
冬馬「えーと……『修羅場』……」
P「修羅場……?」
春香「ちょっと難しい題目ですね」
冬馬「なぁに、簡単だぜ! といっても、天海の協力がいるけどな」
春香「へっ、私?」
冬馬「ああ。プロデューサーを俺と天海が取り合うってのでどうだ?」
P「なんで男二人で春香を取り合うって発想に至らないんだ……?」
冬馬「恋人なんだからいいだろ?」グイッ
P「演技を引き摺りすぎだろ」
春香「ちょ、ちょっと冬馬くんガチだったの!? プロデューサーさんも抵抗ないんですか!?」
冬馬「いや、冗談だぜ」パッ
P「こいつ悪ノリが過ぎるんだよな……」
春香「……」ホッ
冬馬「さて。恋人役はくれてやるぜ。せいぜい恋人らしくしてみろよ」ボソッ
春香「え……と、冬馬くん……」
P「おい、どうしたんだ?」
冬馬「なんでもねえよ。それより演技の設定を詰めようぜ」
P「あ、ああ……」
春香「ぷ、プロデューサーさんと私が、こ、恋人の設定ですよ!」
P「あ、今度はそうなるのか……いや、ていうか演技とはいえアイドルと恋人……」
冬馬「男と恋人設定だったんだから今さらだろ」
P「違いない……」
P「じゃあ流れとしては俺と春香がその……事務所でイチャイチャしていると」
春香「は、はい……」
冬馬「まずはドッキリ第一段階、だぜ」
P「ほんで、ある程度イチャイチャし終わったら冬馬が登場する、と……」
春香「これがドッキリ第二段階、ですね」
P「俺と春香がイチャイチャする必要あるのこれ?」
春香「そ、それはありm」
冬馬「あるに決まってるだろ。ドッキリへののめり込み度がダンチだぜ」
春香「そ、そうです、うん、きっとそう!」
P「そうか? まあ二人が言うなら構わないけど」
冬馬「それじゃ俺は社長室に隠れてるぜ」
P「うい」
春香「あ、あの、冬馬くん」
冬馬「あん?」
春香「ありがとね」ボソッ
冬馬「なーに、気にするなって!」
P「仲が良くて何よりだがウチのアイドルとスキャンダルは止めてくれよ……」
冬馬「お、嫉妬か? どっちにだ?」ニヤニヤ
P「やめなさいよ!」
冬馬「じゃあな!」ガチャ
P「行ったか」
春香「そ、それじゃあプロデューサーさん……」
P「ああ」
春香「い、イチャイチャ、しましょうか……?」
P「え、もう!?」
春香「え、演技時間が長ければ長いだけ役にのめり込めますよ!」
P「プロデューサーに演技力はいるのか……?」
春香「と、とにかく、短い間だけでも私たちは恋人なんですから……」
春香「そ、それなりのこと、してほしいなーって……」
P「まあ、騙した手前言うこと聞くのもやぶさかじゃあない……」
P「……それじゃ、ソファに行こう」
春香「は、はい」
P「……っと、春香はここでストップ」
春香「え?」
P「俺がまずソファに座って……と。よし」
P「おいで、春香。可愛がってやるよ」
春香「ぷ、プロデューサーさん……」ドキドキ
春香「い、いいんですか、飛び込んじゃいますよ」
P「はは、俺に可愛がって貰いたいって言ったのは春香だろ?」
春香「……そ、そうですよね。はい、それじゃ……」
P「膝の上に座れよ?」グイッ
春香「ひゃあっ!」
P「はは、顔が真っ赤だぞ春香」
春香「そ、それはだってそのプロデューサーさんの膝の上ですしっていうか向かい合って私こんなひゃああ……」
P「……可愛いよ、春香」ボソッ
春香「ひぅ……」ゾクゾク
P(……この顔はまずい。蕩けすぎてて営業には使えないな)
春香「ぷ、ぷろでゅーさーさん……」ギュッ
P「はは、春香は甘えん坊だな?」
P(春香もいつも頑張ってるし、こんなんで喜んでくれるならたまにはいいか……)
【社長室】
冬馬「へっ……やるじゃねえかプロデューサー」
冬馬「だがドッキリはまだまだこれからだからな……」
コツコツコツ
冬馬「お、アイドルが出社してきたか」
冬馬「さて誰が……」
ガチャッ
伊織「スーパーアイドル伊織ちゃんの出社よ! 挨拶なさい、にひひっ♪」
冬馬(水瀬か……なんとも反応が想像しやそうでしにくい相手だな)
伊織「……ちょっと、挨拶はないわけ? 伊織ちゃんが来たってのよ?」
伊織「なによ、まったく……」フン
冬馬(口ではいつも強がってるがたまに見せるしおらしさ……このギャップは流石水瀬だな)
「プロデューサーさん……もっと、もっと欲しいです……」
「まったく春香はおねだり上手すぎるなぁ……?」
「ふわぁ……耳元で、ダメですよぉ……」
伊織「――!?」
冬馬(気付いたか)
伊織「この声、あの馬鹿と春香よね……な、なんでこんな、事務所で蕩けたような……」
伊織「……! ま、まさか誰もいないからって……そんな……」
P(そういえば伊織が出社してきた声が聞こえたが……)
春香「もっと囁いて……プロデューサーさん……」トロン
P(もはや春香が別次元にトんでる気がする……)アセアセ
春香「ねぇ、もっと……」ギュッ
P(演技演技これは演技……だよね?)
伊織「ちょっとアンタ、春香のまずい声が聞こえたけど変なことしてんじゃないでしょうね!」バッ
P「い、伊織!」
春香「あっ、もうプロデューサーさんってば、他の子なんか見ちゃダメですよ」グイッ
P・伊織「春香ァ!?」
春香「ずっと私だけを見ててくれないと……」
伊織「なっ、なっなっ……」
P「おい春香役に入りすぎだ落ち着け」ボソッ
春香「ダメですよプロデューサーさん、耳元で囁くのは愛の言葉じゃないと、ね?」
伊織「な……春香! ちょっと、アンタ早くそこの馬鹿の膝から下りなさい!」
春香「え? どうして伊織にそんなこと言われなきゃいけないのかなあ?」
伊織「どうしてって、ズル……じゃなくて、アイドルとしてアウトだからよ!」
春香「ふーん、そっか……じゃあ尚更聞く理由は無くなっちゃったかなあ……」
P「あの、春香さん、ちょっと演技熱籠もりすぎじゃ」ボソッ
春香「……ふふっ」
春香「ごめんね伊織、もうプロデューサーさんは私の物なの」
春香「プロデューサーさんは私なしではいられないし」
春香「私ももう、プロデューサーさんなしではいられないカラダになっちゃったから……」
春香「ううん、されちゃった、が正しかったかな……くすっ」
伊織「 」
P(おおう……春香、こういう蠱惑的な演技も出来るんだな)
P(売り出し方に幅が出来そうだ……。しかしそれはいいが、冬馬はいつ来るんだよ!?)
伊織「な、それ、あんた、春香……えっ、そんな……」ガクガク
春香「プロデューサーさん、今晩のプロデュース、よろしくお願いしますね……?」
春香「さ、もっともっと見せつけ……じゃなくて、演技ですよ」ボソッ
P「……ああ、そうだな……春香の腰使いはオーバーランクだもんな」
伊織「――――」
伊織「なんてことなの……」
伊織「春香、アンタ……いつの間に……」
春香「いつからだろうね? でも伊織には関係ないじゃない?」
伊織「……くっ……こんなの、あんまりじゃないの……」
伊織「プロデューサー、アンタ! 私をトップアイドルにするってのは嘘だったわけ!?」
P「嘘じゃないさ。もちろん伊織をトップアイドルにする。だけどな」
P「俺の心のトップアイドルは春香だけなのさ」ギュッ
春香「ひゃあっ」
伊織「……っ、そう、そうだったのね……なんか、あたし、馬鹿みたいね」
伊織「昨日、アンタ、褒めてくれたわよね。ただ……それだけで、舞い上がって……」
伊織「今日もまた褒めて貰おうって……期待して……。馬鹿よ、ほんとに……」グスッ
春香(ああっ、伊織が泣いちゃう……)
P(冬馬ァー! 早く来てくれェー!)
冬馬「――ああ、ホントに大馬鹿だぜ……テメェ……!」バッ
伊織「あ、天ヶ瀬冬馬……」ゴシゴシ
冬馬「おい、天海に何してんだよアンタ」
P「春香に? お前に関係あるのか、冬馬」
伊織「……え、なに……?」
伊織(もしかしてプロデューサーと冬馬が春香を取り合ってる……の?)
伊織「春香、アンタ……ッ!」キッ
春香「なぁに、その目……?」クスッ
伊織「見損なったわよ、女として……!」
冬馬「見損なったぜ、プロデューサー!」
伊織「え?」
冬馬「昨日あれだけ俺を愛してくれたアンタはどこへ行っちまったんだよ!?」
P(あ、伊織が口あんぐり開けてる)
伊織「は? え、こんどは、えっ、春香が? あれ?」
冬馬「いくら電話しても連絡つかねぇから探しに来てみれば……なにしてんだよ!」
P「え、いや、なにって……」
春香「冬馬くん、私のプロデューサーさんに何か用?」
冬馬「お前にゃ話を聞いてねぇよ……俺が用あんのはそこの鬼畜眼鏡だ」
P「……おいおい人聞き悪いな」
冬馬「ッ……あれだけ愛してるって囁いて……あれだけ出した癖によ……!」
冬馬「なんで天海なんかと抱き合ってやがんだよ! 俺とは遊びだったってのか!?」
伊織「 」
春香(伊織がこの世の終わりみたいな顔してる)
春香「ちょっと……黙って聞いてれば好き放題言ってくれるね?」
春香「プロデューサーさんが冬馬くんのことを愛してるって? 冗談きついよ……」
冬馬「はっ、お前こそ、何したり顔でプロデューサーの膝の上に座ってやがる」
冬馬「そいつの膝の上は俺だけの玉座、だぜ!」
春香「へぇ……」
伊織「 」
P「お、落ち着けよ二人とも、な」
冬馬「大体プロデューサーがお前の物だなんて片腹痛いぜ」
冬馬「男を悦ばせるのが上手いのは同じ男に決まってるだろうがよ……」
春香「ハァ? プロデューサーさんは私の下で切なさそうに啼いてくれるんだよ?」
冬馬「テメェ、プロデューサーを下に組み敷いてやがんのかよ……!」
P(風評被害風評被害!)
伊織「あ、あんたたち……ほんとに……」ガクガク
冬馬「おい答えろよプロデューサー。本当に愛してるのは俺だよな……」
春香「いいえ、私ですよね、プロデューサーさん……?」
P「え、いや……」
冬馬「選べよ……選んでくれよ、俺を!」
冬馬「アンタなしじゃ……もう俺は輝けねぇ!」
冬馬(もうそろそろネタバレで良いだろ)ボソッ
春香「いいえ、私を選んで、プロデューサーさん!」
春香「プロデューサーさんを愛せない世界なんて、いらないから……ッ!」
春香(もうちょっときついかなってぇ!)ボソッ
P(と、とはいえこれは……あ、これ……)
P(よし) ポチッ
-- 、 -‐く /
/ / ー'´\
/ イ /ィ} Y⌒ヽ | ポチッとな
´ V }リ',二二7 ゝ __ノ /
〈/ニ、(。__)|\ /
V{゚f⌒iーく -、\/| /
/ ┌、_」↑ / /´ ̄ ̄
/ ィ´ ー ナ′ /ー、__ノ-
(__/イ__/ / / l \
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_ └ー'^ヽ_/ / ∧
/ `ヽー―--r'´ /
r―f´ ̄ ̄` l \ /
「 l l f_´〉 jノ | _/
{!_{__j |ノ{__ノ /ー'´
l |ーく __/
_ {___ノ_
/` ー―一'ヽ
デッデデ デーンデーンデーンデーデーデー ♪
デーデーデーデーデーデーデーデーデ ♪
スッパーンッ!
春香(これは!)
冬馬(「relations」!)
P(踊れるな、二人とも!)
春香「はいッ!」
冬馬「任せなッ!」
「relations」
「歌:天海春香/天ヶ瀬冬馬」
春香・冬馬「アノコにもしも飽きたら すぐに呼び出して」
春香「こーわーれるーくらいに だーきーしめてー!」
冬馬「こーわーれるくらーいにー」
春香・冬馬「あーいしてぇー!」
P「WowWowWowWowWow」
デレッデンッ!
「ドッキリ大成功」
伊織「……はい?」
P「近くにrelationsの音源が投げ出されていてよかった」
春香「綺麗に締まりましたね!」
冬馬「歌詞と言ってること違うけどな!」
P「ははは、じゃあ春香はそろそろ降りなさい」
春香「えー、もっと愛してくれないんですか?」
冬馬「おいおい、演技を引き摺るのは厳禁、だぜ!」
P「どの口が言いやがる……」
伊織「ちょっと待ちなさいバカ共」
P「お呼びだぞ冬馬」
冬馬「俺じゃねえだろ、抜け駆けしすぎな天海だ」
春香「えっ、プロデューサーさんじゃ……?」
伊織「全員よバカァ!」
伊織「で? ドッキリだったと」
春香「そうです」
伊織「プロデューサーは春香と爛れた関係でもないし、冬馬とあ、愛し……あってもないと」
冬馬「ああ。普通に考えりゃわかんだろ」
伊織「黙りなさい。……そんで、アンタが居ながらなんで止めなかったのよ」
P「……面目ない」
伊織「面目ないで済んだら世の中簡単すぎでしょ?」
伊織「だ、だいたい……、ほんとに、焦ったんだから!」
伊織「もう二度と私のことは見てくれないんじゃないかって……」グスッ
P「ああ、悪いな伊織。ちゃんとトップアイドルにしてみせるからな」ナデナデ
伊織「ふぁ……も、もっと……って、こら! ニヤつくんじゃないわよ!」
冬馬「へへ、良いモン見せてもらったぜ!」
春香「ごめんね伊織、ちょっと熱が入り過ぎちゃって」
春香「あんなに囁かれちゃったらもう戻れそうにないや……」エヘヘ
伊織「ず、ズル……じゃなくて、うらやま……でもなくて、春香はやっぱりあの馬鹿と距離置きなさいよ!」
一時停止
さて次はどうしたもんかね
冬馬「おし、そんじゃクジ引くぞ」
伊織「へぇ、クジで内容をねえ……」
春香「うん」
P「前二回を鑑みると安心出来ないな……」
伊織「にひひっ、折角だから楽しませて貰うわよ」
冬馬「これだぜ!」
バッ
伊織「見せなさいよ」グイッ
冬馬「あっ、おいやめろ水瀬」
ギャースカ
P「ふぅ……」
春香「どうしたんですか、プロデューサーさん」
P「いや、今考えるとアイドル達になんつー事を言わせてしまったのかと……」
春香「わ、わたしは、嬉しかったですけど……」
P「ありがとな……」
冬馬「おい決まったぜ、次は『実はきょうだい』だ」
P「冬馬と春香がか?」
冬馬「特に指定はないんじゃねえか?」
伊織「とはいってもプロデューサーと冬馬か、春香と冬馬の二択よね」
伊織「水瀬だとちょっと信憑性ないし」
P「春香でも俺でも信憑性ないと思うがな……」
冬馬「じゃ、こっちでいくぜ!」
安価下
1.春香と冬馬が姉弟
2。Pと冬馬が兄弟
冬馬「天海、また協力して貰うぜ!」
春香「うん、任せてよ冬馬くん!」
伊織「あら、あんたたち仲良いわね。恋敵同士通じ合うのかしら?」
春香「ち、違うよ伊織っ!?」
冬馬「へへっ、負けねぇぜ天海!」
春香「冬馬くんも誤解を招くような事言わないで!?」
P「今回俺達の出番は少なそうだな」
伊織「いいじゃない。じゃ、私たちはこっちで休みましょ」グイッ
P「あ、おい伊織」
伊織「春香にだけ、ズルいじゃない?」
冬馬「とりあえず俺が天海の兄貴で良いか」
春香「えー、私がお姉ちゃんじゃないかな?」
冬馬「うーん……」
春香「はい、決まり! ちゃんとお姉ちゃんって呼んでね!」
冬馬「いや、この歳でお姉ちゃんはちょっと……」
春香「えー……」
冬馬「ぐっ……そんな不満げな目で……」
春香「私も冬馬って呼ぶから!」
冬馬「お前だけハードル低すぎだろ!」
ワイワイガヤガヤ
伊織「ほんとに仲いーわね」
P「だな。冬馬が打ち解けられて何よりだよ……。ところで伊織」
伊織「なによ?」
P「なんで俺の膝の上に……」
伊織「う、うるさい! いいから黙って椅子役こなしなさいよ!」
P「はいはい……」
春香「さんはい、お姉ちゃん!」
冬馬「ま、待て、せめて姉貴か姉ちゃんにさせてくれ……」
春香「じゃあ姉ちゃんでも良いかなあ……」
冬馬「はぁ……」
春香「あっ、ねぇねぇ、冬馬もリボンつけてみない?」
冬馬「ハァ!?」
P「おお、いいじゃないか新境地だ」
伊織「いっそさっきのrelationsみたいにデュオ組んだら?」
春香「ね、いいでしょ冬馬! きっと可愛いよ!」
冬馬「いや、可愛いとか言われても嬉しくねえから……」
P「きっと可愛いぞ冬馬」
冬馬「なっ、べ、別にアンタに言われても嬉しかねぇよ!」
伊織「……この反応……いやいや考え過ぎか」
春香「はい、じっとしててね冬馬ー♪」
冬馬「ちくしょう、なんだってこんな……おい天海、まだか?」
春香「お姉ちゃん」
冬馬「……」
春香「お姉ちゃんでしょ、冬馬」ツンツン
冬馬(近い近い近い近い!)
春香「言ってくれないと、お姉ちゃん拗ねちゃうぞー」
冬馬「役にのめり込みすぎだろ……」
春香「さっきの冬馬も十分のめり込んでたよ?」
冬馬「ぐぅ……わーったよ……あー……」
千早「おはようございます」ガチャッ
冬馬「……姉ちゃんは今日も可愛いな」
春香「冬馬も凄くカッコ良いよ、えへへ」
千早「 」トサッ
P(千早が荷物落とした)
伊織(固まってるわね)
冬馬(今度のターゲットは如月か……)
春香「あっ、ち、千早ちゃんおはよう!? えっとね、これはね!?」
P(役に入るの早いなあ春香……)
伊織(意外と演技派なのよね)
千早「……お、思わず固まってしまったけれど……あの、今のは……」
春香「あ、あれは違うよ、えっと、そういうプレイって言うかー……」
P(そっちのがまずいだろ)
伊織(アイドルがそう言うこと口走っちゃダメでしょ)
冬馬「おい、もう取り繕うのは止めようぜ姉ちゃん」
春香「でも、冬馬……」
冬馬「悪いな如月、驚かせたよな」
千早「……いえ」
冬馬「まー、なんだ、実は俺達姉弟で、な……」
春香「と、冬馬!」
冬馬「いいだろ、遅かれ早かれバレることだ」
春香「……」
千早「春香と天ヶ瀬さんが姉弟……年齢的に……」
冬馬「ああ、それか。公式には17歳だが、俺16なんだ」
P(さらっと嘘吐くな)
千早「そう、だったの……」
春香「千早ちゃん、あのね、確かに961プロとは色々あったけど……冬馬のこと、嫌わないであげて」
冬馬「お、おい、よせよ姉ちゃん……」
春香「でも冬馬……」
冬馬「ぐ……」
千早「……本当に、姉弟だったのね」
春香「へ? ……あ、うん」
伊織(今素に戻ったわよ春香)
P(千早は気付いてないみたいだけどな)
千早「天ヶ瀬さん……いいえ、冬馬と春香、確かに似ているところがあるから」
冬馬「へ? そ、そうか……」
伊織(急に呼び捨てたわね)
P(春香の弟だし、ってことなんだろうか)
千早「そのリボン、そっくりよ」
春香「リボン……」
冬馬「リボン……」
P(他にないんだろうか)
伊織(リボンさえつければ春香ときょうだいになれるのかもね)
千早「ふふ……冗談よ」クスッ
春香「あ、そ、そうだよね……流石にリボンだけで姉弟認定はないよね」
千早「ええ。春香も冬馬も、自分の道にひたすら一生懸命でしょう。そういうところ、姉弟らしいと思うわ」
伊織(……アンタ、これ録画してるのよね)
P(ああ……)
伊織(ネタバラシしたあと千早に見せたら悶絶するんじゃないのこれ)
P(ちょっと封印すべきかも知れないなぁ……)
冬馬「ありがとよ……如月。ところでその、急に呼び捨てなのは……」
千早「あ、ああ……ごめんなさい」
千早「春香の弟相手に、なんだか他人行儀過ぎるかと思って……」
春香「あはは、冬馬嬉しいんだよ。千早ちゃんに名前で呼ばれるなんてさ」
冬馬「バッ……」
春香「ほら、照れない照れない♪」
冬馬「くそ姉貴め……」
千早「ふふ、仲が良いのね」
春香「うん!」
冬馬「まあ、な……たった一人の大事な姉貴だし……」フイッ
P(役に入り込んできたな)
伊織(そろそろネタバレで良いんじゃない?)
P「さて、場も暖まってきたし今度は和やかに締めようか」
千早「あら、プロデューサー。おはようございま……なんで伊織が引っ付いて?」
伊織「べ、別に……?」
春香「あー、ずるいよ伊織!」
冬馬「そうだそうだ!」
千早「えっ冬馬えっ」
P「ごもっとも。というわけではい」
「ドッキリ大成功」
千早「……」ズーン
春香「ま、まあまあ千早ちゃん……」
冬馬「悪かったとは思ってる」
千早「だいたいなんでこんなドッキリなんて……」
冬馬「ま、俺が仕掛け人をしてみたかったから、だぜ!」
千早「……まったく。まあ、いいですけど」
P「お、立ち直ったか」
千早「ええ。罪のないドッキリですし、そこまで気に病むことでもないかと」
春香「さっすが千早ちゃん!」
冬馬「話がわかるぜ!」
千早「でも春香と冬馬は反省しなさい。人を騙したことに変わりはないのよ」
春香「で、ですよねー」
冬馬「了解、だぜ……」
伊織「ふぅん……?」
P「ああ、地味に地味に打ち解けてきてるよな」
千早「あと伊織とプロデューサーはくっつきすぎです」
P「飛び火した」
そして再びの一時停止
冬馬とPがホモホモしくない 訴訟
春香さん役得すぎたので次はちーちゃんとPとあまとうで何かしらかな
今晩はとりあえずOFAやってきますぅ
春香「それじゃ次引こうか!」
冬馬「なんでお前がノリノリなんだよ」
P「まあいいじゃないか……」
千早「……伊織、こんなのを目の前で見せられたの……」(視聴中
伊織「ええ……頭がおかしくなりそうだったわ」
千早「……春香、羨ましい……」
伊織「やっぱりそういう感想出てくるわよね」
冬馬「それじゃ、今度はこれ、だぜ!」
バッ
冬馬「えっと、『未来の息子が訊ねてきた』……?」
P「だんだん雑になってきてないか」
千早「息子?」
伊織「ふぅん、息子、ねぇ」
春香「息子がいるってことは両親も、ですよね?」
P「息子役は冬馬だとしても……え、親父は俺?」
冬馬「しかないんじゃないか?」
P「もう今さら演じることについて文句はないがこれドッキリになるのか」
伊織「そ、それより誰が母親役なのよ」
P「あ、もう母親役の選定もしなきゃならんのね……」
P「えーと……じゃあ千早で良いか」
千早「……」グッ
伊織「何で千早なのよ!?」
春香「そ、そうですよ!」
P「……まず春香はさっきの件があるからちょっと」
春香「……ま、まぁ……確かに」
P「で、伊織なんだけど」
伊織「うん」
P「……歳的に不味くね?」
冬馬「アイドルに手を出してる設定の時点で十分不味いがな」
P「お前がドッキリやるって言ったんだろうが……」
千早「落ち着きなさい冬馬。それにあなたも。折角の家族水入らずでしょう?」ニッコリ
春香「千早ちゃん役に入り出したよ」
伊織「切り替え早いわね……」
千早「冬馬……よく会いに来てくれたわね」
冬馬「お、おう……」
千早「あなたも、こっちに来て冬馬を抱きしめて上げて下さい」
P「お、おう……千早、のめり込んでるな……」
千早「演技力の向上は、まぁ、悪いことではないでしょう?」
春香(照れが隠し切れてないよ千早ちゃん!)
伊織(でも未来から息子が会いに来た設定を信じてくれるアイドルって居るのかしら)
春香(うーん……)
ガチャッ
貴音「皆、おはようございます」
春香(あ)
伊織(信じてくれそうね、案外)
P「……よお貴音、おはよう」
千早「……おはようございます、四条さん」
冬馬「……よ、よう」
貴音「あなた様、千早、それに天ヶ瀬冬馬……三人顔を突き合わせて何をしているのですか?」
P「ああ、いや……衝撃の事実が発覚したばっかでな」
千早「ええ……まだ信じられないけれど……」
冬馬「信じてくれよ、二人とも。俺は誓って嘘なんか言ってねえ……」
千早「……そう、よね」
P「いや、だが俺は……うぐぐ……」
冬馬「……」
貴音「……春香、伊織、これは一体どうしたことです?」
春香「あ、えっと、私たちもついさっき聞かされたばかりでビックリなんだけど」
伊織「そこの天ヶ瀬冬馬、未来から来たプロデューサーの息子なんですって」
貴音「なんと……!」
P(何とも言い難い反応だな)
千早(伊織、母親が誰かの大事な情報を伝え忘れてるわよ!)
冬馬(無理があるなさすがに……)
貴音「なんと……天ヶ瀬冬馬が……」ブツブツ
千早「……にわかには信じがたいわね」
冬馬「本当なんだ、信じてくれよ……」
P「……仮にお前が俺と千早の子だとして、いったいどうして2014年に」
冬馬「それは、もう、家族揃ってなんて望むべくもないから……」
冬馬「父さんも、母さんも、姉貴も……」
貴音「……」ブツブツ
春香(なんかもう貴音さんそっちのけだね)
伊織(千早も張り切ってたのに哀れねぇ)
千早「いったい未来で私とこの人に何があるというの?」
冬馬「そ、それは……」
冬馬(決まってねえよんなもん……)
貴音「それは私がお話ししましょう、お母様」
全員「 」
貴音「天ヶ瀬冬馬……いいえ、愛しい我が兄上……」
貴音「まさか遠く離れたこの時代で巡り会うことが出来るとは、露とも思いませんでしたよ」フフッ
P「 」
千早「 」
冬馬「 」
貴音「……いえ、そうですね。申し訳ございません、あなた様、千早……」
貴音「しっかりとご説明いたしましょう……」
>>111 ミス!
姉貴→妹で
貴音「私はこの時代の人間ではなく、未来からたいむすりっぷして参った未来人なのです」
冬馬「……」
P(エマージェンシーエマージェンシー! この場合の対応は!?)
千早(の、乗りますか? 乗っちゃうんですか?)
冬馬(だが四条のいうことだから妙に信憑性が……!)
貴音「わたくしが幼き時分に離散した一家……いつかまた家族水入らずで出会える日を夢見て……」
貴音「この過去へと飛んで参ったのです……」
貴音「両親がアイドル関係者であることだけが唯一の手がかりでしたが……」
貴音「ようやく……ようやく、夢が、夢が叶いました……ぁ」グスッ
P「あ、あの、貴音……お前も本当に、俺達の娘、なのか……?」
貴音「はい……私には兄もおりました故……お三方のお話を聞いている限り、これはもう……」
貴音「違えようもなく、わたくしの家族でございます……」
千早「貴音さん……」
貴音「いやです……」フルフル
千早「え」
貴音「貴音は……貴音は今日まで一人で頑張って参りました……たとえ、この時代では私の方が年上だったとしても……」
貴音「あなたには……母上には貴音、と……名前で……」グスッ
P「…………」
冬馬「…………」
春香(お、思わぬカミングアウトだねこれどうしよう)
伊織(……う、嘘とは断じづらい……真に迫りすぎてる……)
千早「た、かね……」
貴音「お母様……!」パァァ
千早「……ふふ、なんて顔をしているの……」
貴音「こ、これは……ぁ……う、れしくて……」ゴシゴシ
千早「いいのよ……辛かったでしょう、よく頑張って……よく、会いに来てくれたわね……」ウルッ
貴音「お、おかあさまぁ……」フルフル
冬馬「そうか……俺はあんたの息子だったのか……」
P「……いや、それは違うだろ……」
貴音「おとうさま、おにいさまも……たかねを……たかねをほめてくれますか……?」
P「あ、当たり前だろ貴音! お前は俺の大事な娘だ!」ナデナデ
貴音「ふわぁ……おとうさまぁ……」
冬馬「へっ……ったく、お前も俺と同じで、過去に飛んで来ちまうとはな……」
貴音「おにいさまがこちらにきているとは、しりませんでした……けれど……」
貴音「もういちど、おあいできてよかった……」
冬馬「……ッ、た、貴音ェ! よく、よく来たなぁぁぁ!」ナデナデ
貴音「おにいさまぁ……」
春香「うぅ……よかった、よかったよぉ……」
伊織「……な、なによ……な、泣かせるじゃない……」
貴音「もう、貴音を離さないでくださいますね……」
P「ああ……貴音はずっと俺達と一緒だよ……」
千早「ええ、そうよ……もう離さないわ、愛しい貴音……」
冬馬「俺も、兄貴代わりなら、いくらでもしてやるよ……」
貴音「いいえ、あなたは間違いなくわたくしのお兄様です……」ピトッ
冬馬「っ、ああ、そうだな……ああ……!」
春香「……」
伊織「……」
貴音「でも、お父様……」
P「ん、どうした貴音」
貴音「貴音は悪い子です……」
貴音「お父様にはお母様がいらっしゃると、わかってはおりますのに……」
貴音「お父様に……一人の女として愛されたいと……そう願ってしまうのです……!」
P「 」
千早「 」
冬馬「 」
貴音「お父様にこうしてお会い出来たのはとても嬉しく思います……」
貴音「けれど……けれど……っ」
貴音「知らぬままでいれたら……わたくしは……あなた様を……っ」
千早「貴音……」
冬馬「……父娘は、流石にまずいぜ」
P「貴音……お前はそんなに……」
貴音「うぅ、うえぇぇ……」グスグスッ
P「……千早……冬馬……」
千早「いいのよ、あなた。今はあの子を抱きしめてあげて」
冬馬「ああ、そうだぜ、父さん……」
P「ああ……」
貴音「うぅ……ふぅ、ひぐっ……ぐすっ……」
P「貴音……辛かったよな……それに、急で、ゴメンな……」
P「これからゆっくり、家族らしいこと、していこうな……」ギュッ
貴音「お父様ぁ……」ギュッ
P「貴音……!」
貴音「……ふぁ……」
貴音「ドッキリ大成功でございますね?」ブイッ
P「 」
貴音「ふふふ、逆ドッキリというのもなかなか乙なものです」
春香「な、なんだ、そうだったんだ……」
冬馬「ま、まあ、そうだよな……」
伊織「そ、そう、よね? そうよねぇ……?」
千早「……わ、私はなんて恥ずかしいことを……」
P「うああああ、穴掘って埋まってたいとはこの事か……」
貴音「ふふ、あなた様に抱きしめて頂けるなど役得でございました」
冬馬「……ほ、本当に未来から来たとかじゃないよな?」
貴音「ふふ、答えはわたくしの心の中に、ですよ……お兄様?」
冬馬「……」
貴音「ふふ」
冬馬「四条の件でどっと疲れた……」
P「おうお疲れ……」
千早「責任取ってくださいプロデューサー」
伊織「どさくさに紛れて何言ってんのよ千早」
春香「あぅぅ……ちょっとこのVTRは公開出来ないなあ……」
貴音「ふふ、お父様お父様、貴音はお腹が空いてしまいました」
P「おいマジでお父様は止めてくれ」
千早「いいじゃないですか、あなた? ふふっ」
春香「……うーん、じゃあ、私も娘ですよ、むーすーめ! さ、冬馬、お父さんに甘えよう!」
冬馬「うげぇ……おい伊織、お前もだ」
伊織「は、はぁ!? あんたに伊織呼ばわりされる筋合いなんて……」
貴音「良いではないですかお姉様。家族仲良く、ですよ」クス
伊織「お姉様……ふ、ふん、悪くない、わね……」
P「あーはいはい、んじゃみんなでどっか飯食い行くか……」
春香「やったね! これも冬馬がドッキリ始めたお陰かな?」
千早「そうね、役得だわ。感謝します」
伊織「次は千早の役はわたしが頂くわよ、にひひっ♪」
貴音「私でも構いませんよ、あなた様?」
P「はーやれやれ……ドッキリはもう当分勘弁、だぜ!」
冬馬「あー、真似すんなよな!」
おわり
無理くりだが締めです。
お突き合いいただきありがとうございました!
それでは
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