上条「幼馴染は鉄壁の風紀委員長」 (441)



1、シャットアウラ好き集合

2、鳴護アリサも出ます

3、シャットアウラを愛でるために、いろいろ設定を変えています。



では、始めます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402076634


 えーっと……なんだっけか。

 そう、事故だ。飛行機事故。


 いや、でも……なんで俺、あの時助かったんだっけ…。



 まるで、記憶にない。

 つーか、なんか忘れてるような……。



――うま。



 あー、なんだっけなー。大事なこと……すごい…。



―――とうま。



 ごめん、あと少し、あと少しだけ……。



吹寄「上条当麻!」ガタンッ

上条「は、はいぃいい!?」ビクッ

吹寄「やっと起きた……」ハァ…

上条「………」

吹寄「もうとっくに昼休みだぞ。まったく……?」

上条「………」ジーッ

吹寄「何をそんなにジーッと……?」



上条「生きてたのか」ギュッ



生徒たち「「!?」」ガタッ

青ピ「か、カミやん?」

土御門「……青春だにゃー」



吹寄「な、何を!?」カァ///


生徒「あ、あの吹寄が顔を赤くした!!?」

生徒「まさかっ、上条当麻は吹寄まで食っちまうのか!?」


吹寄「ち、ちがっ、これは!?」オロオロ///


上条「よかった……シャットアウラ…」ホロリ

吹寄「……上条当麻?」

吹寄(シャットアウラ……って何?)

上条「……シャットアウラ?」

吹寄「貴様は確かにそういった」

青ピ「シャットアウラ……シャットアウラ……」フーム

土御門「シャットダウンみたいなもんじゃないかにゃー」

吹寄「シャットダウンされて泣くのか上条当麻は……」ジトーッ

上条「いや、わけわかんねーけど……」

青ピ「カミやんは未だにオリオン号の後遺症が残ってるんやないかな」

上条「残ってないって」

土御門「まぁ、カミやんの不幸体質は、オリオン号の奇跡の後遺症みたいなもんだしにゃー」

上条「それは否定できない……」ハァ…

吹寄「でも、あの時上条当麻はなんでオリオン号に乗っていたんだ?」

上条「……それが…覚えてねーんだ…」

吹寄「覚えてない?」

上条「………記憶喪失ってやつだな」

土御門「それも後遺症の一つだにゃー」

青ピ「そのおかげでカミやんはモテ体質を得た訳やな」

上条「モテ? 上条さんが? ははは、んなバカな」

吹寄「……どの口が言うか…」ジトーッ



――きーんこーん……



小萌「……であるからして――」

上条「昼飯食い損ねた……不幸だぁ…」グルル…

上条「……結局、授業中腹の虫を鳴らし続けた俺は、補習を受けさせられるのであった……」ハァ…


生徒<おーっ

生徒<ぱちぱちぱち

上条「ん?」



アリサ「~~~♪」



上条「ストリートライブ?」

上条(あの顔……どこかで…)

アリサ「ありがとうございました!」ペコリ

生徒「いやーよかったねー」ゾロゾロ

生徒「俺ファンになっちゃった」ゾロゾロ


アリサ「………」イソイソ


上条「……なぁ」

アリサ「ひっ!?」ビクッ

上条「あ、危ないっ」

アリサ「あっ」ヨロッ



――どさっ!



上条「……っ」

アリサ「………///」ギューッ

上条「……この匂い…」クンクン

アリサ「えっ?」ドキッ///

上条「なぁ、あんたどこかで……」

アリサ「……え、えーっと…」オロオロ

上条「あ、その前に……」カァ///

アリサ「……?」


生徒「くすくす」

生徒「やだーっ」


上条「学生がこんな時間に抱き合うのは……少し危険かな…」ハハハ

アリサ「///」バッ

上条「改めて、俺の名前は上条当麻」

アリサ「上条……当麻…」

上条「聞いたことあるのか?」

アリサ「上条……当麻……」

上条「?」


 この時、俺は気づくべきだった。

 鳴護アリサが何に戸惑い、考えていたのか。


 その瞳が“何を見ていた”のか、しっかりと把握するべきだったのだ。



アリサ「当麻君!!」ギューッ

上条「へ?」

アリサ「久しぶりだねっ! 当麻君!!」ギューッ

上条「へ、へぇ!?」

ファミレス

上条「じゃあ、あんたが俺の幼馴染だっていうのか?」

アリサ「……うん、覚えてない?」

上条「すまん……」

アリサ「ううんっ、いいのっ、三年前のことだしっ」アセアセ

上条「三年前……そうか、道理で…」

アリサ「?」

上条「実は……」

アリサ「そっか、当麻君“も”オリオン号に……」

上条「も、って……まさかアリサも!?」

アリサ「うん」コクリ

上条「……じゃあ、88の奇跡って…」

アリサ「……私のこと…」コクリ

上条(…奇跡なのに……うれしそうじゃない?)

アリサ「あのね……当麻君…」

上条「ん?」



アリサ「……今日、一緒にいてほしいんだけど…」クイクイ



上条「え、えぇぇぇええぇぇぇ!?」カァ///

アリサ「………」ジッ///

アリサ「当麻君とデートだぁ」ギューッ///

上条「ちょ、ちょっと近すぎやしませんか///」

アリサ「えへへ、だって本当に久しぶりなんだもん」ギューッ

上条「アリサは昔の俺を知ってるのか?」

アリサ「………」

上条「ん?」

アリサ「……実は私も…」

上条「……?」

上条「記憶がない!?」

アリサ「うん……オリオン号の事件より前の記憶がないの…」

上条「え、じゃあ、なんで?」

アリサ「?」

上条「俺もあの事件の後の記憶はあるけど、アリサと出会って……」

アリサ「わかるのっ!」ギュッ

上条「ほぇっ!?」

アリサ「私、当麻君にずっと会いたかった! でも、どこにもいなくて……」ポロポロ

上条「アリサ……」

アリサ「えへへ……。ごめんね。記憶もないのにこんなこと言って…」グシグシ

上条「………」

上条「なぁアリサ」

アリサ「なに?」

上条「それじゃあアリサは“シャットアウラ”って言葉の意味、分かるか?」

アリサ「シャット……アウラ?」キョトン

上条「ああ、なんか今日、俺のクラスメイトに寝ぼけて抱き付いたんだけど、その時シャットアウラって言ったみたいなんだ」

アリサ「………」ジトーッ

上条「へ?」



アリサ「寝ぼけて……抱き付く相手いるんだ…」ムスーッ



上条「え、っと……うぬぼれる訳じゃないんですが…嫉妬してます?」

アリサ「………///」プイッ

上条「………」ヤレヤレ

アリサ「ごめん、シャットアウラって言葉は分かんないや」

上条「そっか、泣くくらいだから大事な言葉だと思うんだけど……」

アリサ「ふーん……」

上条「アリサさん?」

アリサ「べっつにー、当麻君が誰を好きになろうと、幼馴染ってだけの私にはなーんにも関係ないですよーだ」ベーッ

上条「え、えぇ?」

アリサ「……うそ」

上条「へ?」



アリサ「嘘! 本当はすごくすごーーーく嫌!! 当麻君を誰にも渡したくない!!」ギュッ



上条「アリサ……」

上条「俺はさ、アリサのこと何にも覚えてないけど」

アリサ「………」



上条「こんなに可愛い幼馴染がいたんなら、幸せだったんだって思うぜ」ニコッ

アリサ「当麻君……」ポーッ



ステイル「………」

上条「?(なんだ……あの外国人…)」



ステイル「焼き払え」ゴォォッ

上条「!?」

ステイル「Fortis931」ボォォォッ

上条「アリサっ!」ガバッ

アリサ「きゃぁああ!?」

上条「あんたっ! 炎の能力者か!?」

ステイル「能力者……ね」

上条「馬鹿にしてるのか……?」

ステイル「ふん、どうやら馬鹿にされてることくらいは分かるようだな」

上条「……喧嘩を売ってるんなら、後にしてくれねーかな。こっちは三年ぶりに幼馴染と再会したんだ」

ステイル「……知ったことか」シュボッ

アリサ「………」ガクガク

上条「大丈夫だアリサ。俺が守ってやる」ナデナデ

アリサ「でも……当麻君も無能力者…」

上条「心配すんなって。上条さんはやる時はやる男ですよ」スクッ



ステイル「どうやら、死ぬ覚悟ができたようだね」



上条「んな覚悟、死んだってできねーよ」

ステイル「減らず口を!!」ボッ

上条「うぉおおおおおお!!」ダッ

アリサ「当麻君!!」

ステイル「焼き払えっ!!」ゴォォッ

上条「ぁああああああ!!」パキィィィィンッ

ステイル「なっ!?」

ステイル(僕の魔術を消しただと!?)


上条「くらえぇえええ!」バキィッ

ステイル「ぐあぁああああ!」ドサッ


アリサ「当麻君!!」ダッ

上条「来るなっ!」

アリサ「えっ?」



ステイル「どうやら少し油断していたようだ」ムクッ



上条「まだ終わってねーんだよ……」キリッ

アリサ「当麻君……」

ステイル「……おい、ツンツン頭」

上条「なんだよ」

ステイル「アンタは関係ない人間だ。助けてやるからさっさと去れ」

上条「は? 俺らに喧嘩を売ってきたんじゃねーのかよ」

ステイル「何を馬鹿なことを。そんなことのためにわざわざイギリスから来るわけないだろうに」ボォッ

上条「いぎ…りす? 能力者じゃ……」



ステイル「そんな神に背く行為、できる訳がないしできたとしても絶対にやらない」ゴォォッ

上条「神……?」

ステイル「おしゃべりは終わりだ! イノケンティウス!!」

上条「炎の化け物!?」

ステイル「消せるものなら消してみろツンツン頭ぁあああ!」

上条「たぁあああああ!」パキィィィンッ

上条(よし……いけ…?)



―――ゴォオオオオオッ!!



上条「うわぁああああ!」ドサッ

アリサ「当麻君!!」

上条「アリ…サ……にげ…ろ」

アリサ「や…だよ…」ブンブン

上条「ア……リサ…」

アリサ「……いや…」ブンブン



上条「アリサぁあああああ!」

ステイル「イノケンティウス!!」

アリサ「やぁああああ―――――――」ゴォオオッ

ステイル「なっ!?」

ステイル(イノケンティウスをかき消した!? やはりこいつはっ……)ギリッ

上条「な……にが…」ヨロッ

ステイル「……なんだ?」



??「……目標発見、直ちに攻撃する」ブゥンッ



ステイル「ちぃっ!」



―――バシュッバシュッ!!



ステイル「なんだこれは……」



―――ドゴォンッ!!



ステイル「くっ!」サッ

機動兵器「」ブゥンッ

上条「アリサ! 今のうちに!!」グイッ

アリサ「う、うんっ」タッ

ステイル「待てっ!」

機動兵器「」バシュッ

ステイル「ちぃっ!」ゴォッ

ステイル(姿をくらまして遠くから攻撃かっ! やることが汚い!)

上条「なんだったんだあいつ……」

アリサ「はぁはぁ……」

上条「ここまでくれば大丈夫か……」

アリサ「当麻君……怖い」ギュッ

上条「大丈夫だ……大丈夫」




機動兵器「」キキィッ




上条「なっ、さっきの!?」

アリサ「………」ギュッ

機動兵器「」バシュゥゥゥ



シャットアウラ「………」スクッ



上条「………」



 その時、俺はなぜだかわからないけど、涙を流した。

 そして、彼女に向かって、無性に……無性に叫びたくなったんだ。








―――シャットアウラ、と。





やっとこさヒロイン登場したところで、いったん区切ります。風呂入ってきますーでは。

乙です、アリサたん(´Д`)
シャットアウラ&アリサは俺の嫁( *`ω´)

ごめんごめんご。アリサがヒロインじゃないという訳じゃないです。タイトルと最初にある通り、このssはシャットアウラメインで話が進みます。アリサと結ばれないとかそういう訳じゃないのよ。

では、寝る前にも>>31の嫁を借りてもうすこしだけ続きー。


アウラ「なっ、なぜ私の名を知っている!?」

アウラ(まさか、このぬぼーっとした男、スパイか何かなのか!?)オロオロ


上条「あれ、なんで俺、今シャットアウラって……」

アリサ「………」ムムムッ


アウラ「き、きさまっ! スパイか!」

上条「……へ?」

アウラ「その反応、やはりスパイなんだな! そうなんだな!?」

上条「えーっと、いや、あのなぁ……」

アリサ「逃げましょう当麻君!」グイグイ

上条「いやっ、アリサ! ちょっと待てよ、おいっ」

アウラ「………」モヤモヤ

アウラ(なぜ私はあのウニみたいな男と鳴護アリサがいちゃついてるところを見て腹を立ててるんだ?)イライラ

アリサ「んーっ、んーっ」グイグイ

上条「ちょっと待てよ!」バッ

アリサ「きゃっ」ヨロッ


アウラ「………」ニヤリ


アリサ「………」ムッ

上条「あんた、本当にシャットアウラなのか?」

アウラ「……ああ、そうだ」

上条「俺のことを知っているか!?」

アウラ「……お前のことを…?」

アウラ(なんだこいつ……この状況でナンパか?)コンラン

上条(俺にとってこの人は……)



アウラ「いや……知らない人だ」



上条「……そうか」

上条(俺もアリサも記憶喪失なんだ。この子も記憶を失ってて不思議じゃない)

上条「じゃあなぜアリサを狙う!」

アウラ「鳴護アリサを?」

上条「彼女は俺の幼馴染でただの高校生だ!」

アウラ「違うっ!!」

上条「えっ?」

アリサ「えっ?」

アウラ「えっ?」

>>1
魔術側が関わってないってことは上条ちゃんが倒した相手って一方通行位っすかね

アウラ(私は今、何に否定したんだ? 何を否定したんだ?)ドキドキ

上条(さっきから違う違うばっか言って、鉄壁の風紀委員長かよ……)



『アウラって鉄壁の風紀委員長みたいだよな』

『……殴るよ、当麻君』



上条「……あ」ツーッ

アリサ「当麻君?」

アウラ「……当麻…?」

アウラ(その涙……どこかで…)



ステイル「焼き払え!! イノケンティウス!!」ゴォオオオッ



上条「くっ!」ダッ

アリサ「きゃっ!」ダッ


アウラ「……話の邪魔をするな、赤髪」

ステイル「ふん、お前こそ僕の邪魔をするな」

二人「「………」」イラッ

上条「はぁはぁっ……」

アリサ「はぁっ……はぁっ…」ヨロヨロ


上条「大丈夫か……アリサ」

アリサ「うん……大丈夫…」ハァハァ

上条「……心当たりあるか?」

アリサ「……ううん、全然」

上条「そうか……」


アリサ「………」クンクン

上条「どうした脇なんか嗅いで」スッ

アリサ「……ち、近づかないでっ///」

上条「えっ?」ガーン

アリサ「え、あ、ち、違うのっ!」カァ///

上条「思春期の男の子に近寄らないでは鋭すぎますことよ……」グスン

アリサ「………あの、ね」

上条「?」

アリサ「………///」

上条家 お風呂


アリサ「………///」シャーッ


アリサ(ずーっと探しても見つからなかった幼馴染と出会って、それで私を守ってくれて……///)


アリサ(汗臭くなったからって、お風呂まで借りて……やりすぎだよ私…///)ハァ…


アリサ「当麻君……傷ついたかなぁ…」



上条「………」ジーッ

アリサの服

上条「あー駄目だ駄目だ!」ブンブン

上条(上条さんは紳士なんですから、勝手に、しかも女の子の服を触るなんて断じて許されません!)

上条「でも……」



上条(女の子の汗の匂いって……いい匂いなんだな…)ハァ///



上条「この服はどうせ洗うだろうから、俺の服を置いといてやるか」

上条(えーっと、まぁ服が乾くまでだから、適当でいいだろ)スッ

上条「アリサ、ちょっと風呂場前に入る……」ガチャッ



アリサ(全裸)「~~~♪」フキフキ



上条「……ぞ」ジッ

アリサ「……ぁ…」プルプル///

上条「お、落ち着け……こ、これには深い…」

アリサ「………」ウルウル

上条「し、失礼しましたぁああああ!」ダダダッガチャバタンッ

アリサ「………」ヘナヘナ///

アリサ(お嫁……いけないよぉ…)グスン///



上条「くそっ、恥ずかしくて帰れやしねー……」

上条(でも、アリサって案外……)

上条「だぁあああ! 上条さんのばかぁあああ!」ゴンゴンゴン

上条「お詫びのアイスでも買って帰るか……」ハァ…


コンビニ


上条「……あ」

アウラ「……あ」

公園

上条「じゃあ、シャットアウラもあいつが誰か分からないのか?」

アウラ「ああ、私の任務は鳴護アリサを護衛すること。それ以上の情報は必要ない」

上条「相変わらず鉄壁の風紀委員長だなぁ」

アウラ「殴るぞ、当麻」

上条「……え?」

アウラ「……どうした?」

上条「……いや、何でもない…」ツーッ

アウラ「!? な、泣いてるのか!? なぜ!?」オロオロ

上条「い、いやっ、俺にも何がなんだかっ」グシグシ

アウラ「ほらっ、これで涙を拭けっ」つパンツ

上条「あ、ああすまん」ゴシゴシ

上条(ん? この匂い……)クンクン

アウラ「………ん? なんで私はハンカチ……な…んか?」

上条「なんか不思議な匂いが……」パンツクンカクンカ

アウラ「」

上条「死ぬかと思った」ボロボロ

アウラ「貴様が悪いっ!!」カオマッカ///

上条「あのボディスーツ着るときは裸なんだな……」

アウラ「ええい、想像するな馬鹿者!」

上条「ちょ、ち、近いって……うわっ!」ドサッ

アウラ「きゃっ」ドサッ



―――むにゅっ。



上条「……え?」ムニムニ

アウラ「………くっ…」

上条(布一枚……だけ?)ムニッ

アウラ「んっ///」ピクッ

上条「へ?」カァ///



アウラ「貴様……」ゴゴゴゴゴ



上条「ち、違うっ! 誤解……じゃないけど」



アウラ「殺す!!」ギィンッ

上条「だぁああ! 不幸だぁああああ!!」

上条「ほんほうにわるふぁっふぁでふ」ボロボロ

アウラ「ふ、ふんっ/// いつか責任をとってもらうからな」

上条「……はは、それじゃあ俺が嫁になればいいのか?」

アウラ「何を言っている。貴様が働いて、私が家でのんびりするのだ」


『私と結婚するべきだ! 当麻君!』

『はは、じゃあ俺が嫁だな』

『何言ってるの! 私は家でのんびりするから、当麻君はかっこよく働いてよね!』


上条「かっこよく……働く…」

アウラ「?」

上条「なぁシャットアウラ……」

アウラ「急に真面目な顔してなんだ?」



アリサ「当麻君……どこに行ったんだろう…」ハァハァ…



上条「俺――」


アリサ(あ、いた―――)





上条「―――――」




アウラ「なぁっ!?」カァ///

上条「いや、そ、そうじゃなくてっ、昔の話だ! 昔!」

アウラ「だから私は貴様など知らん!」

上条「……だよな。俺も記憶にない…」

アウラ「…たく、貴様はそうやって誰彼かまわずナンパしてるのか?」

上条「シャットアウラだけだ!」

アウラ「……っ」ビクッ

上条「あ、いや……その…///」

アウラ「……そう、か」ニヘラ///

アウラ(!!? な、何をにやけているんだ私は!!)パンパンッ

上条「しゃ、シャットアウラ?」

アウラ「貴様の素性を知らぬ以上、貴様も敵なのだからな! お、覚えておけ!」ダッ///

上条「ちょ、ま、待て! ……よ」




アリサ「……なん…で?」ポロポロ






上条「ただいまー、いやー、さっきのお詫びにアイスを買ってきましたよー」ガチャ



上条「……アリサ?」

上条(いったいどこに……)ン?



【お世話になりました。いつかお返しをします 鳴護アリサ】



上条「……アリサ?」



アリサ「……あーあ、結局汗臭い服着ちゃった」クンクン

アリサ(どうして逃げちゃったんだろう私……)



上条『―――――』



アリサ「っ……」ズキッ

アリサ(胸が……痛いよぉ…)ズキズキ

アリサ「……家に帰って、休もう」



不良「あれあれー? この前歌ってた子じゃね?」

アリサ「えっ?」ビクッ

不良2「ほんとだー! ねぇ可愛いね。名前は?」

アリサ「あ、あの……」ビクビク

不良3「そんな怯えないでよ、俺らと一緒に遊ばない?」

アリサ「そ、その……」

アリサ(怖い……助けて…当麻君!)


??「ちょっと!」


不良たち「あ?」





御坂「女の子を怯えさせて、何が楽しいわけ?」ドンッ




真の?ヒロイン登場したところで、寝ます。

>>35いえ、再構成っぽいノリなので、一巻の上条さんだと思ってください!

うまく話をまとめられれば、インデックス編とか妹達とか行くかも?


起きたらまたシャットアウラちゃんを愛でにきます!おやすみ!

おはようございます。吹寄たんの口調はついやってしまう。。。

それじゃあ、少しだけ続きー

たまに吹寄の口調がめだかちゃんになるのはよくあるある

御坂「……うーん、どうしてこー弱いくせに調子に乗るかなー」バリバリバリ

不良達「」ドサッ

アリサ「す、すごい……」

御坂「えーっと、大丈夫?」ニコッ

アリサ「は、はいっ! ありがとうございます!」ペコリ

御坂「はて、その声どこかで……」

アリサ「……?」

御坂「ううん、気のせいだったみたい。家まで送りましょうか?」

アリサ「い、いえっ、大丈夫です!」

御坂「そっか、じゃあ気をつけてね」バイバイ

アリサ「はい」バイバイ

アリサ(常盤台で強くて電撃使いって……やっぱり“あの人”よね……)



アウラ「……(無事か…)」



回想

アウラ「鳴護アリサ……ですか?」

レディリー「ああ、そうだ。ぜひ君の黒鴉部隊にお願いしたい」

アウラ「しかし、どうして大企業が彼女個人を……」

レディリー「何、簡単なことだ。彼女はいずれウチの会社の看板になる。少々複雑な生い立ち故に護衛をつけたい。ただそれだけだ」

アウラ「歌……」

レディリー「……ああ、そうだったな。君は歌が認識できないんだっけ」

アウラ「なっ、なぜそれを!?」

アウラ(仲間にもほとんど言ってないのに!?)

レディリー「気にするな。世の中には割り切れないこともある。それとも何か? 君は1から10まで分かっていないと行動できないタイプか?」

アウラ「……いえ、大丈夫です」

レディリー「期待しているよ」フフッ

アウラ「しかし、まさか本当に命を狙われるようなことが起きるとは……」

隊員「隊長、調査しましたが赤髪はどうやら学園都市の人間ではないようです」

アウラ「……ここ以外にもあんな能力者がいるということか…」

アウラ(しかし、あの上条当麻とかいう男はどうやって赤髪と戦って生き延びたんだ?)

アウラ「上条当麻」

隊員「は?」

アウラ「上条当麻という男についても調べてくれ」

隊員「そ、それは私情ですか?」アセアセ

アウラ「……し、じょう? ………っ?!」カァ////

隊員(お、俺の隊長が……)ズーン

アウラ「め、鳴護アリサにつきまとっていた男の名前だ!! さっさと調べてこい!」

隊長「は、はい!!」ダダダッ

アウラ「まったく……」ハァ///

アウラ(私情な……ものか…)

上条「……いない、か」

上条(まぁ、アリサにだって生活があるしな。これ以上深追いしない方が……)

御坂「……あ」

上条「………」テクテク

御坂「ちょろっと待ちなさいよ」

上条(目を合わせちゃだめだ。目を合わせちゃ……)テクテク

御坂「いじめは無視が一番ダメって教わらんかったんかい!!」バリバリ

上条「うわぁっ!」パキィィィンッ

御坂「ったく、私に話しかけられて無視するなんてアンタどんだけ贅沢者なのよ」

上条「ず、ずいぶん自意識過剰なこと」

御坂「はっ、レベル5の第三位、常盤台の超電磁砲。これだけの肩書があってそれくらいの計算もできなきゃ名が折れるってものでしょ」

上条「まぁ確かにな。ビリビリはすげーよ。凄い能力使うし常盤台だし可愛いし」

御坂「はぁ……そうやってアンタはいつもいつも……」イライラ

上条(あれぇ? 何で褒めて逃げる作戦が裏目に出てんですかー?)

御坂「この街にいる生徒は誰だって自分の能力を開発するためにリスクを負って努力している。それをアンタは鼻で笑って高みの見物なんて腹立たしいって言ってんのよ」

上条「ちょ、ちょっと待てっ、誰が高みの見物だよ! 俺だって一通りの開発は受け――」

御坂「……じゃあ何でそんなところで“無能力者≪レベル0≫”やってんの?」ジッ

上条「うっ……」

御坂「勉強にしたってスポーツにしたって、努力の量に際限なんてない。なのにアンタ達は勝手に決めた限界に負けてウジウジとこの街にとどまっている。それだけならまだしも他人に迷惑をかけて……」イライラ

上条「………」

御坂「結局のところ、自分に才能がないってのを認めるのが怖いだけなのよ! スキルアウト達は!!」

上条「………」

御坂「何よ、図星すぎて言葉もないって訳?」

上条「……ああ、そうかもしれねーな」

御坂「……っ、またそうやって他人事みたいに…」ギリッ

上条「だがなビリビリ。お前がそうやって努力を重ねて血反吐を吐いて得た能力を使っている陰で、


“それ以上の努力”をしたけど駄目で、それでも諦めきれずに努力を続けている人間だっているかもしれねーんだぞ」


御坂「そんなのっ、……特例じゃない…」

上条「お前の言い分だって特例だ。少し数が多いだけでな」

御坂「………」

上条「それに、この街は何も能力だけが全てじゃねーだろ」

御坂「……他に何があるってのよ」


上条「アリサは、鳴護アリサはプロの歌手になろうと頑張ってる」


御坂「アリサ……?」

上条「レベル0だけど、だからこそできることを探して、自分の歌が誰かの心を前向きにできるなら、それは素晴らしいことだって一歩ずつ歩いてる。それを無駄みたいな言い方すんなよビリビリ」ジッ

御坂「……アリサ…」

上条「?」

御坂「あーっ、さっきの鳴護アリサさんだ!」

上条「なっ、あ、会ったのか!?」

御坂「う、うん。不良に絡まれてて、それを助けて……」

上条「それで、どこに行ったか分かるか!?」

御坂「家に帰ったと思うけど……なんで?」

上条「……そっか。そうだよな」

御坂「?」

御坂「さっきの話だけど、私はレベル0を馬鹿にする気は全くないわよ」

上条「え?」

御坂「レベル0だろうが、1だろうが、ううん、たとえレベル5だろうが、他人の邪魔をして生きるような奴を私は許せないって言ってるの。少し言い方が悪かったわね」

上条「あ、ああ、そういうことだったのか。俺の方こそすまん」

御坂「その中でアンタみたいななーんの努力もしてないのにレベル5を軽くあしらっちゃうような男がいるのも、私的には許せないのよねぇ」ジーッ

上条「うっ……上条さんは負けで良いですけど…」

御坂「……全く、強者のセリフよね…」プルプル

上条(あんれぇ、今回は回避できたっぽい雰囲気だったのになぁ…)


御坂「……勝負よ!!」ギンッ


上条「……不幸だ…」ハァ…

ステイル「……ちっ、どうして僕が小娘一人を殺すために…」イライラ

ステイル(神裂がいれば“あの子”は大丈夫だと思うが……)

ステイル「しかし、あんなのが本当に“聖人”になるのかね」シュボッ

ステイル(それに、あの僕の魔術を消した情けない面の男も気になる……)スゥ

ステイル「……ふぅ」スパーッ



ステイル「さっさと終わらせて、あの子の所へ戻らないとな」




上条「……はぁ、ぼーっとしてたら補習が長引いてしまった」トボトボ

上条(夏休みだってのに、どうしてこう楽しいイベントが起きないのか……)



アウラ「………」スッ



上条「シャットアウラ……まさかまた!?」ダッ

アウラ「たぁああああ!!」ブンッ

ステイル「また君か、しつこいね」ボォッ

アウラ「しつこいのは貴様だ!」ブゥンッ



―――ドゴォォンッ!!



上条「なっ!?」

ステイル「……君もしつこいね」ハァ…

アウラ「それに関しては同感だ」ジトーッ

上条「あっ、いや、それは誤解だ!!」

ステイル「でもね、残念だけど“この場所で”僕に勝てるとは思わない方がいい!」バッ

アウラ「何だと?」

上条(なんだこれ……ステッカー?)



ステイル「灰は灰に」ボッ



アウラ「ふんっ、貴様も同じ技ばかりしつこい男だ」

ステイル「技? ……まだ気付かないのか?」

アウラ「何?」


ステイル「塵は塵に」ボッ


上条(何だ……このステッカーが光って…)スッ


――パキィィィンッ!


上条(右手で打ち消した……ということは…ここにある“何百枚というステッカー全部”があいつの!?)ゾクッ



ステイル「世の中にはね、君らみたいな信仰心の欠片もない人間たちには訪れない奇跡もあるんだよ」ゴォォォッ


アウラ「奇跡……」ギリッ

上条「……これは…」ゾクッ

上条(駄目だ、ここにいちゃ……っ)ダッ



ステイル「吸血殺しの紅十字!!」ゴォオオオオッ!!



アウラ「なっ!? (なんという巨大な炎!?)」ゾクッ

上条「シャットアウラぁあああ!」グイッ

アウラ「えっ!?」

上条「うぉおおおおおお!!」バッ



―――パキィィィィンッ!!



上条「よ……し?」ジュゥゥゥッ

ステイル「無駄だよ。この路地裏に貼られたルーンは僕の魔術を増幅し続ける」

上条「くっ……くそっ…」

アウラ「上条当麻!!」


ステイル「終わりだっ」


上条「ぐぅううう」ジュゥゥゥ

アウラ「くっ!!」バシュッ



上条「えっ?」グンッ

アウラ「たぁあああ!」ギュインッ

上条「うわぁああああああ!!」

アウラ(くそっ、やはり二人担いでワイヤーはきつい……っ)ギュルルルルルッ





ステイル「……まさか、逃げられるとはね」

ステイル(まぁいい。僕の目的は彼らを倒すことじゃない……)ザッ

アウラ「上条当麻! しっかりしろ! 上条当麻!!」ユサユサ

上条「……ぐっ…」ゴロ

アウラ「っ!?」

アウラ(背中一面が焼けただれて……)

上条「ぐぅ……」

アウラ「い、今すぐ病院に」グイッ

上条「ぐぅうう!?」

アウラ「……全く、当麻君はいっつも無茶するんだから」フフッ

上条「………」グッタリ

~~~~


上条「うおーっ、これがオリオン号!!」

アウラ「当麻君! おとなしくしてなさい!」

上条「ご、ごめん……」シュン

アウラ父「ははは、当麻君は相変わらず元気だなぁ」ナデナデ

上条「これ、ほんとうにアウラの父ちゃんが動かすの!?」

アウラ「そうだぞ。だから安心して乗ってればいいんだ」フフンッ

上条「何でお前が誇らしげなんだよ……」ジトーッ

アウラ「う、うるさいっ///」

アウラ父「ははは、本当に二人は仲が良いな」

上条「ああ、なんてったって俺はアウラとけっ――」

アウラ「あわわわっ/// ば、ばかっ///」ガバッ

上条「も、もがもがっ」

アウラ父「けっ?」

アウラ「な、何でもないっ!」カオマッカ///

上条「」モガモガ


~~~

病院

上条「……ぷはぁっ!」ガバッ

上条「し、死ぬかと思った……」

上条「……?」

アリサ「………」スゥスゥ

上条「アリサ?」

上条(何でアリサがここに……)


廊下

アウラ(怪我人を楔とすれば、鳴護アリサの行動も監視しやすい……)

アウラ「………」ウズウズ

アウラ(変な気を起すなよ上条当麻!!)チラッ

アウラ「………」チラッ

アウラ「………うぅ…離れて監視しよ…」

隊員(隊長……自分応援することに決めたっす)ウルウル

キリの良いところでいったん離れます!では!


インペリアルドーターさんはどうなっているのかな?


隊員たち、出番は少なかったけどシャットアウラと深い信頼関係を築いているっぽい描写が印象的だったな

>>74
漫画版の貴重なシャットアウラのデレ顔

>>73 出会い編が終われば、インデックス編に入ろうとも思っていますが、綺麗に終わったらそれはそれで終わるかも。

>>74、5 やっぱり漫画読んだ方がよさそうだなー。アニメじゃシャットアウラちゃん出番なさすぎぃ!


どこまでいけるか分からないけど、続きー

アリサ「……むにゃむにゃ、当麻君、えっちぃのはだめだよぉ」エヘヘ

上条「ど、どんな夢を見てるんだ……」ゴクリ///

アリサ「えへへ、当麻君、あの時の約束、守ってよねぇ」ムニャムニャ

上条「約束……?」

アリサ「―――――」ムニャムニャ

上条「えっ!?」ガタッ

アリサ「きゃっ!?」ガバッ

上条「な、なんで……アリサが、それを?」

アリサ「………もしかして、私…」

上条「………」コクリ

アリサ「………」ツーッ

上条「アリサ?」

アリサ「ごめんっ!」クルッ

上条「アリサ! ま……っっ!」ドサッ

アリサ「当麻君!!」バッ

上条「へ、へへ……幼馴染だろ、逃げんなよ…」イテテ

アリサ「……もう、馬鹿…」グスッ

アリサ「その約束、私としたんだよ当麻君」

上条「まじで?」

アリサ「……うん」

上条(じゃあなぜ俺はシャットアウラとしたなんて勘違いを……?)

アリサ「詳しいことは思い出せないんだけどね、当麻君、泣いてる私を引っ張ってどこか景色のいい場所に連れて行ってくれたんだ」

上条(俺のおぼろげな記憶と一致する……)

アリサ「それでね、その景色をバックに当麻君は言ったの」

上条「うわ……めっちゃ恥ずかしい奴じゃないですか…///」

アリサ「ううん、私ね、その言葉を聞いて、胸の中が熱くなって、すごくすごく嬉しくて思わず泣いちゃった」ポロポロ

上条「っ!」

アリサ「あ、あはは、思い出し泣きなんて子供みたいだよね」グスッ

上条(アリサが嘘をつく訳がねぇ……じゃあ俺は本当にアリサと?)

アリサ「ねぇ、当麻君……」

上条「……?」



――キス、しよっか。




上条「は、はぁ!?」カァ///

アリサ「だって/// あの約束を実行しようと思ったらね/// 今くらいからキスしなきゃ……心の準備が間に合わないよ…」モジモジ///

上条「い、いや、あんなの子供のころの約束で、そんなあせらなくても」アセアセ



アリサ「私は本気だよ」ジッ



上条「うっ……」

アリサ「それとも……当麻君は…」



アウラ「………」



アリサ「当麻君は、あの黒髪の人が好きなの?」

上条「なっ///」



アウラ「……は?」カァ///





上条「な、何を言ってるんですかっ!」



アリサ「だ、だってっ、すごくいい感じだったし///」プクーッ

上条「そ、それはあいつが面倒見の良い、お姉さんタイプだからっ!」

アリサ「当麻君お姉さんタイプ好きだもん」プクーッ///

上条「そ、そうだけどっ///」アセアセ



アウラ(あいつが……私を…?)ドキドキ

隊員(うぅ……自分は隊長のその顔を見れるだけで幸せっす…)ポロポロ



上条「で、でも、俺だってまだあいつと出会ってそんなに時間たってないし!」

アリサ「恋に時間なんて関係ないよっ!」

上条「そ、そうなのか?」

アリサ「……うん、関係……ないよ」

上条「アリサ?」

アリサ「えへへ、私は当麻君の幼馴染だよ? 当麻君のこと、どーんと応援しちゃうんだからっ」ニコッ

上条「アリサ……」



アウラ(え、お、応援されるのか……? この私と上条当麻の仲を?)ドキドキドキ///

隊員(よかったっすね隊長ーーーっ!)





吹寄「急に呼び出して、どういう風の吹きまわしなの? 上条当麻」




アリサ「」

アウラ「」

上条「い、いや、ちょっと、な……」アハハ



アリサ&アウラ((なんじゃそりゃぁああああああ!!))

これもドン・サウザンドっていうやつのせいなんだ!(責任転嫁)


上条「いや、なんかさ、吹寄はいっつも俺のこと面倒見てくれるのに、俺は何も返せてないって言うか……」モジモジ

吹寄「何を言っているの? クラスメイトなんだから困っている仲間を助けるのは当たり前じゃない」

上条「それはそうだけど! いや、そうじゃなくて!」

吹寄「あのね、上条当麻」

上条「お、おう?」



吹寄「夏休みに女の子が男の子に呼び出し受けたら、そんなお礼なんかより期待することがあると思わない?」



上条「え、そ、それって……」

吹寄「……っ、ち、違うっ/// ただ私は、……クラスメイトに誘われて…嬉しかったのよ」プイッ///

上条「……吹寄…」




アリサ(あっれーーー?)

アウラ(なんかめちゃくちゃ良い感じじゃないか……?)


アリサ&アウラ((あっれぇーーー????)


)

上条「上条さん、彼女いない歴年齢と同じ、ついに、ついに女の子とデートすることになりましたぁああ!」

アリサ「わー……、おめでとー……」パチパチパチ

アリサ(背中の火傷大丈夫なのかな……)ハァ…

上条「アリサのおかげだっ」ギュッ

アリサ「手……///」

上条「よーし、こうなったら、上条さん本気で吹寄を楽しませちゃいますからねー!!」

アリサ「………わ、私も」

上条「?」


アリサ「私もついてく!!」


上条「へ?」



アウラ(よし、ナイスだ鳴護アリサ!)ガッツポーズ

隊員(青春する隊長も可愛いっすー!!)ウルウル

遊園地


上条「おーい、吹寄ーー!」ブンブンッ

吹寄「……上条当麻、子供みたいにはしゃがないの」ヤレヤレ

上条「だって、人生初のデートですよ! テンション上がりますって!」

吹寄「……ふふっ、そうね。私も人生初のデートだし、少しは楽しまないとね」ニコッ

上条「吹寄……」

吹寄「え?」

上条「お前って笑うとかわぶふぇっ!」ドゴォッ

吹寄「上条当麻はもう少し女心を勉強した方がいいわね」フンッ



アリサ「うぅ……良い感じだよぉ…」ハラハラ

アウラ「デレデレしすぎだぞ上条当麻……」イライラ


アリサ「え?」ビクッ

アウラ「ん?」


二人「「あ……」」バッタリ

流石もう一人の自分同士……行動が似ているな……

上条「なぁ、遊園地入る前に、その……」

吹寄「……ん?」

上条「フルネームで呼ぶのやめねーか? その……なんかよそよそしいっつーか」

吹寄「……それもそうね。じゃあ、



 “当麻君”でいいかしら?」



上条「うぉ/// 吹寄が三倍増しで可愛く見えるっ///」

吹寄「ば、馬鹿っ/// ……当麻君だってよそよそしいのよ…」モジモジ

上条「あ……う…」

吹寄「今日中に名前で呼べなかったら、二度とデートはしないから」フフッ

上条「えぇ!?」


アリサ「当麻君……」ズキズキ

アウラ「………」イライライラ

上条「まずはやっぱジェットコースターからだな」

吹寄「はぁ……当麻君は何も分かってないわね」

上条「え?」

吹寄「ジェットコースターに乗ったら、髪の毛ぼさぼさになるじゃない……その前に」クリクリ

上条(あ……吹寄の髪型、いつもと違う……)



吹寄「けっこう頑張って巻いたんだから、褒めてくれてもいいんじゃない?」カオマッカ///



上条「……か、可愛い」コクコク///

吹寄「ほんと?」

上条「ほんとにほんと」コクコク///

吹寄「ほんとにほんとにほんと?」

上条「だぁああもう! その髪型! 大人っぽい清楚な服装! 全部上条さんの好みですよぉおおお!」

吹寄「……ぁ、う、うん…///」コクリ




アリサ「……もぅ…精神が…もたな…い」ゴフッ

アウラ「………」バツンッバツンッ

スタッフ「お、お客様っ、柵を破裂させないでください!」オロオロ

上条「じゃあ、先にプリクラ撮ろうぜ!」

吹寄「ぷ、ぷり……」アセアセ

上条「え、駄目か?」

吹寄「ちょ、ちょっとその前に少しだけ、良いかしら!」

上条「? あ、ああ……」

吹寄「すぐ戻るから!!」ダッ

上条「……トイレか?」



アリサ「?」

アウラ「ちょっと見てくる」ダッ

アリサ「ちょ、ちょっと!?」

トイレ個室


吹寄「え、えーっと、プリクラを撮る時は……」パラパラ

アウラ(? 何かの本を読んでいる?)

吹寄「あくまで清楚な女の子を演じ、たまに腕を組んだりして、相手のドキドキを高めましょう……か」パタンッ

アウラ(一体何を……)

吹寄「……落ち着くのよ吹寄制理。こんなこと二度と訪れないかもしれないんだから……」

アウラ「二度と……」ズキッ



『大切なもの全て捧げます。二度と手に入らなくても良い。だから――』



アウラ(私は……何を…)ズキズキ

アリサ「調子良いみたいだね当麻君」

上条「あ、アリサっ、本当に来たのか!?」

アリサ「うんっ、なんてったって当麻君の幼馴染だからね」ニコッ

上条「……ありがとな」ナデナデ

アリサ「あー、他の女の子とデート中にそんなことしたらいけないんだー」

上条「あ、そ、そうかっ!」アセアセ

アリサ「ふふっ、嘘だよっ。私と当麻君は特別っ」ニコッ

上条「うっ///」ドキッ

アリサ「あ、帰ってきたみたいだから行くね」ダッ

上条「……特別…か」

プリクラ

吹寄「あ、あの……私はこういうの初めてなんだ」

上条「もちろん上条さんも初めてですよ」



プリ『はぁい、仲良くピースピース!』



吹寄「ぴ……ぴーすぴーす」ニヘラ///

上条「あ、はは……」ピースピース



プリ『それじゃあ今度は抱き合って、仲良しポーズ!』



吹寄「は?」

上条「え、えぇ!?」


プリ『3』


吹寄「ほ、ほんとにしなきゃいけないの!?」アセアセ

上条「い、いや、別にいいんじゃ」


プリ『2』


吹寄「ほんとにいいのかな!? 罰金とかないかな!?」

上条「上条さんそんなにお金持ってないですよ!?」


プリ『1』


二人「わぁあああああああ!」

上条「………」ゲッソリ

吹寄「………」ゲッソリ


アリサ(な、中で何が……)ドキドキ

アウラ(き、きになるっ…)イライラ


上条「吹寄……」

吹寄「うん…、分かってる」



プリ『また遊んでね』シュッ



上条「………」スッ

吹寄「……なんていう顔…」

上条「でも、もったいないから持って帰るわ」

吹寄「わ、私も……」



二人((家宝にしよ……))ニヘラ///



アリサ(……み、見たい…)

アウラ「………」ボシュンボシュンッ

店員「あーっ、機械を破裂させないでくださいーー!」

ジェットコースター

上条「ぎゃぁあああああ!!」

吹寄(叫んでる当麻君案外可愛いな……)ジーッ


アリサ「………」ゴーーッ

アウラ「し……死ぬ…」ゲッソリ

アリサ「え、えぇ? あんなのに乗ってたのに!?」

アウラ「それとこれとは……ぎゃぁあああああ!」ゴォォオォオォオ


お化け屋敷

上条「………」ペタペタ

お化け「え、ええ?」

吹寄「何してるの?」

上条「いや、本物だったら怖いし」ペタペタ

吹寄「???」


―――パキィィィンッ


上条「ほ、本物だぁあああああ!」ギャァアアアアッ

吹寄「え、えぇぇえぇぇぇぇえ!?」ダダダッ



アリサ「お、ばけ……だめなの…」ブクブク

アウラ「同じく……」ブクブク

隊員(可愛いです隊長! 自分が無事に連れて出ますから!)グイッ

観覧車

吹寄「ふー、遊んだわね……」

上条「ああ、デートってこんなに楽しいもんなんだな」

吹寄「ふふっ、当麻君と一緒だったから、だよ?」ニコッ

上条「っ///」ドキッ



アウラ「くそっ、上の分に乗るべきだった!」

アリサ「女の人がこっち見えるように座ってくれたのが救いだね」

アウラ「………」

アリサ「………」

二人((気まずい!!))

アリサ「あの、ね……」

アウラ「なんだ?」

アリサ「もしかして、あなたは私を守ってくれているの?」

アウラ「!? どうしてそう思う」

アリサ「だ、だって……今日だって当麻君を見ながらずっと私の動向気にしてたし……」

アウラ「監視対象かもしれないじゃないか」

アリサ「ううん、だってあなたの目は私を監視するような目じゃなかった」

アウラ「目?」

アリサ「うん……私の好きな…優しい目」

アウラ「………っ」ズキッ



『自分の好きなところ? ……目、かな?』

『ああ、俺も好きだぜ! お前の目!』



アウラ「くそ、何なんだ……」ズキズキ

アリサ「だ、大丈夫!?」

アウラ「ああ、大丈夫、だ。それより、あいつらは……」

アリサ「……あ?」

アリサ(上条君が立ちあがって……え?)

アウラ「き……す?」ズキズキズキズキ

アリサ「い…や……」ズキズキズキ



二人((だめぇええええ!!))

上条「……こんな感じだったか?」

吹寄「ご、ごめんなさい、鏡なしじゃうまくできなくて」

上条「いつもストレートだから、新鮮だよな」

吹寄「正直……馬鹿にされるかと思った」

上条「バカに? 何で?」

吹寄「……いつも怒ってばかりで、まじめだけが取り柄みたいな私だから……こんなの…」

上条「なーに言ってんだよ制理」

吹寄「あ……」ドキッ



上条「人に対して真剣に怒れるところとか、どんなことにもまじめに取り組める姿勢とか、上条さんみたいな男のためにここまでしてくれる優しさとか、ぜーんぶお前の良いところだろうが」カミジョウスマイルッ



吹寄「……ず、ずるいっ…」カオマッカ///

上条「へ?」

吹寄(こんなのっ……ずるいっ///)

上条「???」

遊園地外


アウラ「………」ズーン

アリサ「………」ズーン

二人((つ、疲れた……))



上条「今日は本当にありがとな」

吹寄「う、うん、こちらこそ」

上条「いやでも、吹寄とこんなに楽しいデートができるとは思わなかったですよ」

吹寄「え?」

上条「入園して数秒で上条さんがドジ踏んで怒って帰らせることになるんだろうなーとか思ってましたから」アハハ

吹寄「……馬鹿」

上条「そういえば、喉かわいたな」

吹寄「あ、だ、だったらここにスペシャルプロテインジュースが……」ゴソゴソ

上条「え、そ、それは……」

吹寄「えーっと……あ…」ポロッ

上条「あ、本落としたぞ吹寄」スッ


【これで男はイチコロ! 小悪魔女になるための本!】


上条「」

吹寄「ぁ……ぁぁ……」プルプル///


アリサ(こ、これは辛い……)

アウラ(あれがあれば上条当麻を……)


上条「べ、勉強熱心だな……」アハハ

吹寄「いやぁああああああ!!」ダダダッ

上条「あ、は……はは…」

公園


上条「疲れたなー……」

上条(吹寄を楽しませようと一日がんばったもんな……)

上条「そういえばあいつとも昔遊園地行ったよな」

上条(あん時はジェットコースターであいつゲロはいて大変だったな)アハハ

上条「……くそっ、なんではっきり思い出せねーんだよ。こんなにおぼろげな記憶はあるのにっ」



アウラ「……上条当麻」フラフラ



上条「シャットアウラ!? どうしたフラフラじゃねーか!?」

アウラ「………」

上条「あいつにやられたのか!? 大丈夫か!?」

アウラ「………」スッ

上条「え?」




――強引に引き寄せられた身体は、シャットアウラと重なり合い、



上条「んっ!?」

アウラ「………」



―――上条当麻はこの日、鉄壁の風紀委員長に唇を奪われることとなった。





上条「な、にを……」ドキドキドキ

アウラ「……!!?」

アウラ(わ、私は何を!?)オロオロ

上条「シャットアウラ、お前……」

アウラ「ち、ちがっ、私はっ……」オロオロ///

上条「誰かに操られてるのか!? 敵はあいつだけじゃないのか!?」ガシッ



アウラ「へ?」



上条「くそっ、シャットアウラにこんな行動をとらせるなんて、どれだけ強い敵なんだ!?」

アウラ「いや……」

上条「俺に任せろシャットアウラ! 上条さんがレベル5だろうと、パパっと助けてやるからな!」ダッ

アウラ「ちょっと待て……」

上条「うぉおおおおお! どこだ能力者ぁああああ!」ダダダッ

アウラ「………」

アウラ(帰ってお風呂入って寝よう!)ゴフッ

隊員(隊長~……記念の写真は撮りましたからねぇ)ポロポロ



続く。

キリの良いところでちょち休憩。少し離れます!!

ドン・サウザンド「我が上条当麻が好きな相手を書き換えたのだ。シャット・アウラから吹寄にな……」

浜面「よかれと思ってアリサとシャットアウラの手伝いをするぜ!」

あのタイミングで吹寄に行ったのは意味がありまぁす! でも、そういうの苦手な人はそっとじした方が良いかも……。

では、ご飯の時間まで続きー

上条「うぉおおおお!!」ダダダッ

上条「ぉおおお」ダダダッ

上条「ぉおぉお……」タタタッ



上条「上条さんは一体何を……」ハァハァ



アリサ「当麻君!」ハァハァ

上条「アリサ?」

アリサ「今日は大成功だったね!」

アリサ(がんばれ私、当麻君を祝福するんだ)グッ

上条「ああ、ありがとなアリサ」

アリサ「それで……ね、あの…」

上条「?」


アリサ「あの人と、付き合うの?」


上条「え?」



上条「俺が吹寄と? んなわけねーだろ」アハハ


アリサ「え? だって、当麻君……」

上条「吹寄とは良い友達だよ」

アリサ「……そ…っか…」

上条「クラスメイトと親睦深めて、幼馴染とこうして話せて、上条さんはとっても有意義な夏休み過ごせてる気がしますよー」

アリサ「………まぁ、いっか」




アウラ「わ、私は何をしたんだ……」イジイジ

隊員「隊長! できました!」バッ

アウラ「え、何が?」

隊員「写真っす! あの男とのキス写真!」

他隊員「なにっ!?」ザワッ

アウラ「ちょ、ちょっと見せてみろ!」バッ

他隊員「俺にも見せろー!」ワーワー

アウラ「こ、これは……」




アウラ「……うぷ…」ドクンッ

アウラ(気持ち悪い……吐きそう)



隊員「隊長?」

アウラ「……っ!」ダダダッ

隊員「な、何が……」




アウラ「ごほっごほっ……」

アウラ(なぜ、あの写真を見たらこんなにも吐き気が……)

アウラ「まるで“音楽”が流れてる時のような……」ゼェゼェ

アウラ(あの男……いったい何なんだ…)クソッ

ステイル「本当に殺していいんだな?」

ステイル「……ああ、分かってる」

ステイル「……うるさい、僕だってこんな任務…」

ステイル「……本当なのか?」

ステイル「……ああ、なら早めに済ませておくことにしよう」



ステイル「インデックス……この学園都市に来るのか…」シュボッ




アリサ「当麻君、本当に大丈夫だから」

上条「いやいや、上条さんが心配なだけだから気にすんなって」

アリサ「……もう、幼馴染とはいえ女の子の家までついてくるってどうかと思うよ」

上条「……あ、す、すまん」

アリサ「……嬉しいけどね」ギュッ

上条「ちょ、ち、近いんですが……///」

アリサ「幼馴染の距離でしょ?」

上条「………」ポリポリ

上条「へー、オーディション受けてるのか?」

アリサ「うん、今回のはちょっと自信があるんだ」

上条「そっか、受かると良いな」

アリサ「うんっ、その時は当麻君をライブに招待するから絶対に来てね!」

上条「ああ、なんせ俺は――



―――シャットアウラのファン第一号だからな!」



アリサ「え……?」

上条「……え…今、俺はなんて…」ズキッ

アリサ「な、何でそこであの人の名前が出てくるの?」ズキズキ

上条「い、いや、俺にも何がなんだか……」

アリサ「この前から当麻君変だよ! あの人のこと好きなはずなのにクラスメイトと遊びにいったり、私と仲良くしたり、まるで、“神様に操られてるみたい”にあの人から遠ざかって!」

アリサ(私……何であの人の味方みたいなことを……)

上条「俺は……いや、ほんとに…」

アリサ「……っ、そ、その……」

上条(なんなんだよこれ……)




ステイル「お取り込み中のところ、申し訳ないんだけどね」ザッ




上条「!?」バッ

アリサ「………っ」ビクッ





ステイル「僕にも事情があってね、今日で終わりにさせてもらうよ」ボッ




上条「赤髪……」ギリッ

ステイル「そういえば名乗ってなかったね。僕の名前はステイル=マグヌス。イギリス……まぁ、そこまで言う必要はないか」ボボボッ

上条「アリサ、下がってろ」



ステイル「死に行く者に語る口なしってね!!」ゴォォォッ



上条「くっ!!」パキィィィンッ

上条(この前みたいなステッカーがない! イケる!)

ステイル「……やれやれ、僕もずいぶんと見くびられたものだ」

上条「なにっ!?」

ステイル「背中の火傷、“打ち消せるはずの君がどうして火傷してるんだろうね”」


上条「くっ……」


ステイル「どうやら君のそのでたらめな力は右手だけに宿ってるようだね」ボボボッ

上条「ああ、そうだ。だがそれがどうした!」

ステイル「いや、特に難しい話じゃない。ただ―――」




ステイル「100引く1は一体いくらでしょうかって話さ!」ドドドッ



上条「な、なんて量!?」パキィィンッ

アリサ「当麻君!?」

上条「ぐあぁあああ!」ドサッ

ステイル「……やれやれ、案外あっけないものだったね」ポリポリ

ステイル(いずれにせよ、こんな熱血漢、インデックスと会わせたらめんどくさいことになりかねない。今の内に消して正解だ)

ステイル「塵は塵に」ボッ

アリサ「だ、だめっ」

ステイル「灰は灰に」ボッ

上条「……くっ…」グググッ



ステイル「吸血殺しの……」ゴォッ





ステイル「紅じゅう「たぁあああああ!」バキィッ



ステイル「ぐぁああああ!」ドサッ

アリサ「あ、あなたっ」

アウラ「………」ハァハァ

上条「シャットアウラ……」

アウラ「………」ジッ

アウラ(上条当麻……この男を見てると音楽を流されたような不快な気持になる…だが……)



アウラ「一体なんなんだこの気持ちは!!」



上条「アウ…ラ?」

アリサ「………」

ステイル「次から次へと邪魔が……」クソッ

アウラ「邪魔はお前だ。赤髪」

ステイル「……そこの女がどういう存在か分かっているのか?」

アウラ「何?」

上条「何を……?」

アリサ「……私?」



ステイル「そいつは、この世界を滅ぼしかねない存在なんだぞ」



アリサ「……え?」

上条「どういう……意味だよ…」

ステイル「君たち科学に穢された人間に言っても分からないだろうけどね。彼女は存在自体が奇跡のようなものなんだ」

アウラ「奇跡……」ギリッ

ステイル「だから、それを悪用されたらこの世界の人間全てが死滅してもおかしくないような事になるんだよ」シュボッ

上条「は、はぁ? 何言ってんだよ……アリサは…だって、レベル0で……」

アリサ「………」

上条「なぁ? アリサだって、自分がそんな存在だって言われても……」

アリサ「………」プルプル

上条「……え?」



ステイル「どうやら、本人が一番分かってるみたいだね」



アウラ「………」

上条「どういうことだよアリサ……」

アリサ「ごめん……当麻君には黙ってたけど、私……超能力とか科学じゃ説明つかない不思議な力を持っているの」

上条「なんだよ……それ」

アリサ「私の周りでね、不幸なことが起きると、なんとかなっちゃうんだ」

上条(……俺の逆?)

アリサ「……でもね、“必ず不幸が起きてから”なの。本当に奇跡だったら、それ自体を起こさずに済むはずなのに……」


ステイル「もしかしたら“その不幸自体”を引き起こしている可能性だってある」


アリサ「………っ」ビクッ

上条「てめぇ! 憶測で勝手な!!」

ステイル「憶測で人を殺すとでも思っているのか!?」

上条「っ!?」ビクッ

ステイル「いいかツンツン頭。君らが科学だ発展だと“本当に大事にすべきこと”を無視して前に進んでいる間、僕たち“魔術師”は何度も何度も“今”を守り続けてきたんだ」

上条「魔術……師?」

ステイル「……僕を炎の能力者だとでも思ってたのか? 勘弁してくれ、僕は注射すら嫌いな科学アレルギーなんだ」

アリサ「じゃあ……私は本当に…?」



ステイル「残念だが、僕は君の淡い期待に答えることはできない」



アリサ「……そう、ですか…」

ステイル「せめて、痛みもないほど一瞬の間に朽ち果てることを約束しよう」

アリサ「………っ」


上条「いい加減に……」ズキッ

上条「ぐぅっ……」ドサッ

アリサ「当麻君!!」

これはいい谷山キャラ

上条「逃げ…ろ、アリサ……」

アリサ「……できないよ」

上条「……お前が、その……奇跡とかいう存在だからか?」ハァハァ

アリサ「……何となく、気づいてたんだ。私がいるから皆が危険な目に遭うって、この力は奇跡なんかじゃなくて……“不幸な力”なんだって」

上条「っ! ば……か、やろう……」グググッ

アリサ「だ、だめっ!」

上条「アリサの前にどれだけ危険が起きて、どれだけの人を巻き込んだのか俺には分からない……」

アリサ「……当麻…君」

上条「だが、俺は知ってる。お前の歌で、どれだけの人間が癒され、笑顔になり、元気になったか」

アリサ「……と…うま…ぐん…」ポロポロ

上条「ああ、そうだ。俺だってその一人だ。アリサの歌が心に響いた、俺には音楽のことなんてこれっぽっちもわからねーけど、アリサの歌がすげーってことは分かった」

アリサ「………」ポロポロ

アウラ「……上条…当麻……」


ステイル「愚かな男だ。勝負は徹しているというのに……」


上条「う……るせぇ…、奇跡だとか、世界の危険だとか言って、ただ怯えることしかできない女の子を殺そうとして……しかもそれを納得させるようなえげつない行為をする野郎なんかに……俺は…負けられねぇんだよ……」フラッ

アリサ「……当麻君…」ポロポロ



ステイル「もういい、僕だって好きでやってるわけじゃない。子供の戯言には付き合いきれない」ボッ


上条「ああ、そうだ。俺はしょせん子供だ。世界と目の前の少女を天秤にかけられて、迷っちまうような人生経験足りない高校生だよ。けどなっ!」ギリッ

ステイル「灰は灰に」ボッ


上条「お前みたいにやりたくないけどやるなんて!」グッ


ステイル「塵は塵に」ボッ


上条「そんな責任を誰かに押し付けるような真似は死んでもやらねーんだよ!!」


ステイル「ふん、口だけなら何とでもいえる。減らず口はこの攻撃を防いでから言うんだね」


上条「いいぜ、てめーがまだ世界のために戦ってるとか、科学には分からないことがあるとか、そんな“相手を納得させなきゃ”踏ん切りつかねーような中途半端なことをやろうってなら」ダッ


ステイル「吸血殺しの!」


上条「目の前で泣いてる少女の想いや、それを守ろうとする者たちの想いを無視して、いるかどうかも分からねー神様の言うことを聞いて動いってるって言うなら!!」ウォオオオッ


ステイル「くれない――」


上条「まずはっ!!」



ステイル「十字!!」ゴォォオォッ



上条「その幻想をぶち殺す!!!!」ブンッ





ステイル「……あー、聞こえてる」

ステイル「……失敗だよ」

ステイル「……は?」

ステイル「……おいおい、それじゃあ何か、


僕は殴られ損だったってわけか?」


ステイル「……くそっ、あの男、絶対にいつか殺してやる」

ステイル「……ああそうだ! 負けたよ! 笑うな!!」


ステイル「………」グググッ


ステイル(殺すべき対象だった者を観察でも保護でもなく“ほうっておく”だと?)

ステイル「何を考えているんだか……」イテッ

ステイル「……まぁいい。これで僕は通常の任務に戻れるって訳だ」

ステイル(インデックス。早く日本に来い!)



~~~~

上条「……じゃーん!」

アウラ「うわーっ、すごいすごい!」

上条「これから行く学園都市じゃ、こんな自然は見られねーからさ」

アウラ「……うん」

上条「あ、あのさっ」

アウラ「う、うんっ!」

上条「………」ドキドキ///

アウラ「………」ドキドキ///

上条「俺たち、今は幼馴染だけど、その……」

アウラ「……うん」


上条「いつか結婚して、俺と一緒になってください!!」



アウラ「………そ、それは駄目だっ」

上条「……がーん」

アウラ「い、いや、違うっ、そういう意味じゃなくて」アセアセ

上条「?」

~~~

病院

アリサ「まずは恋人になって、手順を踏まなきゃ結婚してはいけないんだ……か」ナデナデ

上条「………」スゥスゥ

アリサ(私、なんでそんなこと言っちゃったんだろう……)


アウラ「入るぞ」ガラッ


アリサ「っ///」バッ

アウラ「ほら、飲んでおけ」

アリサ「う、うん……」

アウラ「………」

アリサ「………」コクコク

上条「………」スゥスゥ



二人((気まずい!!))



アリサ「あ、あの……」

アウラ「ん?」

アリサ「シャットアウラさんは……その、本当に当麻君と知り合いじゃないんですか?」

アウラ「……どうだろうな。今となっては分からない」

アリサ「え?」

アウラ「最初は不愉快な男で、次に不快な男で、……でも、なぜか目で追ってしまう…」

アリサ「……そう、ですか」

アウラ「この右手……、あの赤髪の攻撃を打ち破ったこの右手なら…」スッ

上条「………」スゥスゥ

アリサ「………」



アウラ「私の、この頭の中のもやもやをどうにかしてくれるだろうか」スリスリ



―――パキィィィィィンッ



アウラ「……え?」

回想――オリオン号

乗客「やばいっ、このままじゃ墜落する!」

乗客「そんなっ! 安全じゃなかったの!?」

アウラ「………」

上条「…アウラ」ギュッ

アウラ「……当麻君」

上条「大丈夫だ。アウラの父ちゃんが機長だからな」ニッ

アウラ「……うん」


――ごぉぉんっ


乗客「うわぁああ!?」

アウラ「きゃぁああ!?」

上条「くっ……」

上条「……くそっ、どうにかして皆を助ける方法は……」

アウラ「………」

アウラ(すごい……当麻君はこんな時も諦めずに皆のことを…)

上条「ちょっとアウラの父ちゃんのところ行ってくる!」

アウラ「えっ!?」

アウラ(私は……何も…)



―――ごぅんっ!



上条「あっ」ガツッ

アウラ「当麻君!」

上条「」ドサッ

アウラ「あ、ああ……」

アウラ(こ、このままじゃ……)ギュッ



アウラ(……お願いです。私の大切なもの全て捧げたっていい、今後二度とそれが手に入らなくたって…。だから、だから)

アウラ「皆を……助けて」ツーッ


―――がくんっ!


アウラ「きゃっ」ガツッ

アウラ「」



??「………」テクテク



アウラ「……だ、れ?」


~~~



アウラ「あ……ああ…」

アウラ(なんで、何でこんな大切なことを今まで忘れてたんだ……)プルプル

アリサ「アウラさん?」

上条「ん、んん……」

アリサ「と「当麻君!!」

アリサ「え……?」



アウラ「当麻君死んじゃやだ! オリオン号は大丈夫だったよ! だから起きて! 起きてよぉ!!」ポロポロ



アリサ「あうら……さん?」

アウラ「約束したじゃない! 結婚する前に、恋人になるって! 手をつないで、デートして、キスをして、それで、それで……うぅ…」ポロポロ

アリサ(なん……で? その約束……)

アウラ「当麻……当麻……」ポロポロ



アウラ「とうまぁーーーーーー!!」





上条「……は、はは、シャットアウラまで俺のこと名前呼びかよ…」


アウラ「当麻君!」パァッ

アリサ「当麻君……」パァッ


上条「寝起きからこんな美人二人に会えるなんて、上条さんは驚きですよ」ハハ


アウラ「……馬鹿っ」グスッ

アリサ「………」フフッ



アレイスター「ふむ、彼女たちはとても興味深い」ゴポゴポ

土御門「達?」

アレイスター「ああ、普通なら分かれた者同士が寄り添えば、一つになるかどちらか消滅するか……いずれにせよ、彼女たちの存在は計画を早めることができるかもしれない……」ゴポゴポ

土御門「じゃあ……」

アレイスター「そうだな。上条当麻と同じクラスにでもしておいてくれ」ゴポゴポ

土御門「……修羅場だにゃー」

アレイスター「それもまた、興味深い……」ゴポゴポ



翌日 上条家


上条「え?」

アウラ「仕事は休職することにした」パクパク

アリサ「なぜ……?」

アウラ「この間とある学校から勧誘があってな、そこに通うことにした」

上条「へー、長天か?」


アウラ「とある高校」


上条「ぶふっ」

アリサ「そ、それって当麻君と……」

アウラ「ああ、そうだ。これからはクラスメイトだな当麻君」パクパク

上条「……やれやれ、鉄壁の風紀委員長レベルが二人もいたら、上条さん身体が持ちませんことよ」

アリサ「わ、私もそっち通う!」

上条「えぇ!?」

アウラ「心配するな。そういうと思って準備はしておいた」

上条「ええぇぇ?」

アリサ「わーい、アウラちゃん大好き!」

アウラ「こ、こらっ/// ひっつくなっ///」

上条「………」ヤレヤレ



 こうして私こと上条当麻は、幼馴染こと鉄壁の風紀委員長シャットアウラと再び出会った。


 いまだに記憶のかみ合わない部分が多く、会話には戸惑うことがあるけど、仲良くやれると思う。


 謎もいくつか残る。アリサの存在、オリオン号の事件、それからステイル=マグヌス。


 だけど、今は先のことなど忘れて、三人で笑っていようと思う。


 笑っていれば、いつか良いことが起きると信じて。



 第一部 完

一旦終わりです。

このまま終わるか、原作をなぞるか、オリジナル展開をするかを考えてきます!では!!

(このまま学校編やっても吹寄とシャットアウラの修羅場しか見えない……)

ただいま。

では、今から原作再構成でいきます。

アースパレットと88の奇跡と幻想殺しでインデックスを攻略しようと思います。

しかし、こっからは恋愛面はかみじょーさんとアウラ(アリサ)メインでいきますのであしからず。

翌日

上条「……今日も補習、しかも一人だけいのこり……」ハァ…

上条(でも、この後のことを考えれば先の不幸なんて気にならない!)

上条「……ただいまー!」ガチャッ



アウラ(半裸)「……へ?」

アリサ(全裸)「………っ///」プルプル


上条「な……ん…」ハァ…


アウラ「………///」ゴッ

上条「不幸だぁあああああ!!」

アウラ「全く、昔から当麻君はエッチでスケベでエッチなんだ!」プンプン///

上条「す、すみません……」ボロボロ

アリサ「わ、私は大丈夫だよ、当麻君」

上条「アリサぁ……」ウルウル

アウラ「………」ムッ

アリサ「アウラちゃんも、大好きな当麻君が謝ってるんだから許してあげようよ、ね」ニコッ

アウラ「だ、だれがっ///」プイッ

上条「………」ポリポリ

上条(正直、本当にシャットアウラが幼馴染だったことに戸惑いを隠せない)

アウラ「大体アリサが甘いからっ!」

上条(シャットアウラは俺とオリオン号に乗ったというし、俺は誰かとオリオン号に乗った。……じゃあアリサは?)

アリサ「ふふふ、だって当麻君可愛いし」

上条(アリサも俺と幼馴染だというが、俺のなけなしの記憶でも幼馴染は一つだけだ。さらに言えば、二人の記憶は重複する個所が多い)

アリサ「………あ、れ?」

上条「アリサ?」

アリサ「……えっと………君、誰だっけ…」ぽーっ

上条「へ?」

アウラ「アリサ?」

アリサ「……あ、え? わ、私どうして?」

上条「何を寝ぼけてんですか?」オーイ

アリサ「ご、ごめん///」

アリサ(今のぽっかりした感じ……何?)ドクンドクン

乙です。途中までの吹寄さんルートは何処さへ行ってもうたんやorz

>>149 ごめん、あれシャットアウラが大切なものに上条当麻を含んだことによる副作用みたいなものだったんだけど、その伏線使わないと思うからここで暴露しときます。

上条「それで、二人ともどこに住むんだ? とある高校通うんなら、もっと近くに住んだ方がいいだろ?」

アウラ「私は大丈夫」

アリサ「うん、私も」


二人「「当麻君のところにお世話になるから」」


上条「へ?」

アウラ「荷物は運び済みだ。まぁもともと最低限の衣服以外に荷物なんてなかったが」

アリサ「私のは少し多かったから、部屋せまくなってごめんね」

上条「い、いや、そういう問題?」



二人「「何か不都合でも?」」ジーッ



上条「いえ……ありません…」ハァ…

ごめん続きは三時間後くらいになります! では!!

ここに姫神のお墓を建てるウラ……ひっそりと

ありがとうございます!頑張ります!

さらにインデックスさんも混じるので修羅場が大変なことに!!つづきー

上条「それじゃあ、セブンスミストに来た理由って」

アリサ「アウラちゃんのパジャマを買いに来たんだよ!」エヘッ

アウラ「………」プイッ///

上条「へぇ、じゃあ可愛いの選ばねーとな」

アリサ「えっ?」

アウラ「………」プクーッ///

上条「こいつ、昔っから服のセンスねーからよ、でも可愛いもん好きだから俺が選んでたんだ」ハハハ

アリサ「…そ、そっか……」

アリサ(そんな記憶……私にはないよ当麻君…)

アウラ「そういえば当麻君、記憶戻ってるみたいだね」

上条「あ、ああ、そういえばそうだな。……完全にって訳じゃねーけど、たぶん」

アリサ「………」ボーッ

上条「アリサ?」

アリサ「あ、……うん、早く買いにいこっ」グイッ

上条「お、おう……」

アウラ「……これなんてどうだ?」

上条「……ちょっとないかなー」

アウラ「……駄目か?」ジッ

上条「うっ、そ、そんな上目づかい……」ドキドキ

アウラ「当麻君……」ウルウル

上条「……えっと…(だめだっ、断れっ、上条当麻!)」ドキドキ

アウラ「………駄目?」

上条「あ、えっと……う「アウラちゃん可愛いのあったよー」タタタッ

アウラ「本当か!?」パァッ

上条「………」フゥ…

上条(アウラ……昔っから可愛かったけど、かわいすぎだろ……)ハァ…

上条アパート

上条「………」モンモン

上条(こ、これはある意味拷問だ……)


風呂場

アリサ「ふふっ、アウラちゃん洗いっこしよ♪」

アウラ「え、えぇ」オロオロ

アリサ「……ふぇぇ、スタイル良いんだねぇ…」ペタペタ

アウラ「そ、そうなのか? 気にしたことなかった……」チラッ

アリサ「………?」ボヨンッ

アウラ「……大きい…」

アリサ「さっ、髪も洗ったげる!」

アウラ「あ、ああ……」



<きゃっきゃ♪


上条「うわー、扉の向こうに楽園があるー」ハァ


<きゃぁあああ!


上条「!? また敵か!?」ダッ

上条「大丈夫か!?」


―――がらっ!!


アリサ「……え…?」ボヨンッ

アウラ「………あ」プリンツ



上条「……やれやれ」ハァ…



アウラ「……ぐっ」

上条「ふこ――」

アウラ「きゃっ!」ツルンッ

上条「えっ!?」フラッ



―――ドサッ!



アリサ「………あ、あはは…」

上条「………」ボロッ

アウラ「……自業自得だっ///」プイッ

アリサ「当麻君大丈夫?」

上条「あ、あはは……ちょっと外の風に当たってくる」ガラッ



アウラ「………」

アリサ「アウラちゃん、本当に怒ってるの?」

アウラ「……あ、ああ、怒ってるともっ!」プイッ

アリサ「本当に?」

アウラ「………う…」

アリサ「私は……分かるよ?」ジトーッ

アウラ「……少し、ドキドキ…した、かも……」ハァ…

アリサ「ふふふ、よかった」ニコッ

アウラ「……一つ、聞いてもいいか?」

アリサ「何かな?」



アウラ「……本当に、当麻君の幼馴染なのか?」



アリサ「………」

上条「はぁ……これから毎日こんなことになるのか…」

上条(別に悪い気はしねーけど、ちょっと心臓に悪いな……)ハァ

上条「どうやらここが俺のベストプレイスに……」チラッ


インデックス「」グデーッ


上条「え……な、なにこれ…?」

インデックス「………」グギュルルルルルッ

上条「ぬぁ!? な、なんだこの音!?」

インデックス「………」ムクッ

上条「え……人?」

インデックス「……あの」

上条「日本…語?」



インデックス「ご飯、食べさせてくれるとうれしいな」ニコッ



上条「は、はぁ……」

イン「はぐっ、もぐっ、んぐっ……」パクパク

アリサ「………すごい…」

アウラ「この小さな身体のどこに……」

上条「上条さんの食料の心配も……」

アウラ「そんなもの、私の給料がある」

上条「シャットアウラ様~~~」ウルウル

アリサ「わ、私もストリートライブの分ありますからっ」アセアセ

上条「ああ、ありがとう」ナデナデ

アウラ「………」プクーッ

上条「………」ポリポリ

イン「お、おいしいんだよっ」モグモグモグ

イン「ぷはーっ、おなかいっぱいなんだよ」ポンポン

上条「は、はは……冷蔵庫がからっぽ……」

アウラ「それで、銀髪のシスターさんはどうしてあんな所に?」

イン「逃げてたらあそこに引っかかったんだよ」ニコッ

アリサ「ひっか……」

上条「どんな遊びしてたらそんなことになるんですかねぇ」ヤレヤレ

イン「むーっ、信じてないね?」

上条「あのなぁ、上条さんだって科学側の人間だ。学園都市の人間がテレポートしたり空を飛んだりできるのは知ってるが、お前、能力使えんのかよ?」

イン「科学? 能力? そんなの使えるわけないんだよっ!」

上条「じゃあ、どうやってベランダに引っかかってたんだよ」

イン「この服は歩く教会って言ってね、完璧に計算しつくした刺繍や縫い方で魔術的な意味を持ってて、法王級の結界防御を展開するんだよ!」

上条「魔術?」ピクッ

アリサ「………」

イン「? 科学の人なのに魔術を知ってるの?」

上条「…あ、ああ……」

イン「じゃあ、その炎の魔術師の攻撃をそんな痩せっぽちの右手で打ち消したっていうんだね?」

上条「痩せっぽちは余計だけどな」

イン「信じられないんだよ! 科学“ごとき”に魔術が負けるわけないんだよ!」

上条「ああ、いいぜ! 魔術“ごとき”が科学を馬鹿にするのなら俺の右手でぶち破ってやるぜ!」

アウラ「どうしてそういう話になるんだ……」ハァ

アリサ「上条君って案外負けず嫌いだよね……」

上条「俺は右手で神の御加護すら消し去って不幸な目に遭ってるらしいんだ。本当に神様がいるってんなら、俺は魔術側の人間に対して容赦はしねーぞ」

イン「ふふん、どうせ口だけなんだよ!」ドーゾ

上条「後悔するなよっ」スッ



―――パキィィィィンッ!



イン(全裸)「………」フフンッ

アウラ「………」アゼン

アリサ「………」ジーッ///

上条「あ、あ……」プルプル

イン「………え?」

上条「本当……だったみたいだな」ポリポリ///

イン「ゆ、許せないんだよ……///」カチンカチン

上条「……嫌な予感がする」

上条「はぁ……」ボロボロ

イン「とうまが悪いんだよ!」プクーッ

アウラ「も、もう当麻呼ばわり……」

アリサ「外国の人はフレンドリーと言いますが……」

上条「それで、お前が魔術の人間だとして、なんで追われてるんだ? まさか食い逃げしたか?」

イン「そ、そんな神に顔向けできない行為しないんだよ!」ガウーッ

アウラ「ならどうして……」


イン「……それは、聞かない方がいいんだよ」


三人「……?」

イン(こんなに幸せそうな人たちを巻き込みたくないんだよ……)

上条「いいから聞かせろよ。人は助け合って生きるべきだろ?」

イン「……ありがとなんだよ。でも、大丈夫…」スクッ

アウラ「………」



上条「待てよ!」



イン「それともとうまは、何があっても、たとえ地獄の底まででもついてきてくれるのかな?」

上条「あ……」

イン「……バイバイなんだよ」タタタッ

上条「………」

アリサ「当麻君……」

上条「………」

アウラ「当麻君……」

上条「俺は……どうすれば…」

アリサ「………」

上条「この学園都市で、魔術なんてものを知ってる人間は俺たちくらいだよな……」

アウラ「そうだな」

アリサ「でも……あの赤い髪の人みたいな魔術師が、あの子を追いかけてるんだよね……」

アリサ(当麻君が危険な目に遭うのは……やだな)

上条「そうだよな……危険な目に遭うんだよな……」


アウラ「……仕方ない」ピピッ


上条「?」



アウラ「ああ、私だ。今すぐ動けるか?」

上条「?」

アウラ「そうだ、銀髪のシスターを保護するんだ」

アリサ「アウラちゃん……?」

アウラ「……当麻君、あなたが動く必要はない」

上条「え?」




アウラ「後は黒鴉部隊に任せておけ」ニッ



イン「はぁはぁ……」タッタッタ

ステイル「………」テクテク

イン(私が捕まれば、魔道書が盗られる……それだけは駄目なんだよ!)

ステイル「はぁっ!」ボォッ

イン「きゃっ!」ヨロッ



神裂「………」ブンッ



イン「あ……」

イン(今斬られたら……歩く教会が効いてない…)


―――ザンッ!!


イン「………」フラッ





隊員「いててて、すごい衝撃だな」ブゥン




イン「この真っ黒な棺はなんなんだよ!?」

ステイル「やれやれ、どこかで見たことある機械だね」

神裂「………」ジャキッ




隊員(隊長、後は任せて存分にいちゃついてください!!)ブゥンッ

機動兵器「」ガァァァァッ

神裂「……ステイル、インデックスは頼みます」ダッ

ステイル「ありがたいね。僕はもうあれはこりごりだからさ」

イン「………(一度でも攻撃を受けたらまずいんだよ……)」

キリのいいところ?なのでいったん風呂入ってきます!では!

神裂「たぁあああああ!」ブンッ

機動//兵器「」ドガァァァァンッ

隊員「くっ、あっという間に仲間を……」

神裂「……安心してください、命までは取りませんから」チャキッ

隊員(くそっ、能力者でもねーくせにこのボインちゃん……)

神裂「何の因果もなしにまだ引かないのですか……」グッ

隊員「ああ、男にはなぁ、引けない時があるんだよっ」

機動兵器「」バシュッバシュッ

隊員(秩序を乱す奴は許さん!)ウォオオオオッ

回想


隊員「今日から黒鴉部隊に配属されました―――です」

アウラ「ああ、歓迎するよ」

隊員(女? こいつが黒鴉部隊の隊長なのか……)

アウラ「女に秩序を守れるのかって顔だな」

隊員「い、いえ、そう言う訳じゃ」

アウラ「いや、いい。その意見は大切だ」

隊員「は?」

アウラ「―――、秩序とはなんだ?」

隊員「はっ、すべての生きる者が安全にかつ平等に暮らせる世界のことです!」

アウラ「違うな」

隊員「……では、秩序とはなんでしょうか?」

アウラ「……ふっ、秩序とはな―――」


神裂「武器である機械を破壊され、それでもなお立ち向かおうというのですか」

隊員「だからどうしたっ、学園都市の秩序を守るためなら何度だって立ち向かう!」

神裂「秩序……ですか。では、今あなた方がしていることこそ秩序を乱す行為だったとしたら?」

隊員「ふん、魔女め。貴様の言葉など私には響かん」

神裂「ならば問いましょう。あなたにとっての秩序とはなんですか?」

隊員「……愚問だな」ジャキッ

神裂「……拳銃ですか、愚かな」ジャキッ



隊員「秩序とは……」グッ






隊員「奇跡なんかなくても! 全員が幸せになれる世界のことだぁあああああ!!」バンバンッ



神裂「そうですか」サッサッ

隊員「くっ……」

神裂「確かに、それは理想的ではあるかもしれません」ダンッ

隊員「跳んだ!?」

神裂「ですが――」ザンッ

隊員「くっ……」ヨロッ



神裂「この世界に平等がない以上、奇跡でもなければ生きられぬ人がいることも知りなさい」チンッ



隊員「ぐ、はっ」ブシュッ

隊員(隊長……俺は…)ヨロッ

神裂「まだ立ちますか……見上げた根性です」ジャキッ

隊員「ふん、俺が倒れるのは隊長の裸を見た時だけだ……」ニヤリ

神裂「面白い人ですね(隊長……男同士で?)」



神裂「たぁあああああ!!」ブンッ




隊員(隊長……来世では俺と…)フッ




―――ザンッ!!



神裂「なっ!?」




イン「」ドサッ



神裂「な、なぜあなたが……」ガタガタ

ステイル「神裂!! インデックスがそっち……に…」タタタッ



隊員「……貴様らぁ、こんな少女を…どう……して…」ドサッ



神裂「な、なぜ……」ガクガク

ステイル「神裂、今は落ち着くんだ」プルプル

ステイル(歩く教会が発動しない……なぜだ…)



上条「こっちから音が……な…んだよこれ…」タタタッ

アウラ「―――!」タタタッ

隊員「」

上条「どうしてインデックスが斬られてるんだよ……」


ステイル「そうか、君が……」シュボッ


上条「お前は、あの時の!?」

ステイル「……許さないぞ」ギリッ

上条「は?」

神裂「……ステイル、今は引きましょう」

ステイル「覚えておけ、君は僕が必ず殺す。……必ず」スッ



上条「……なんだっていうんだ…」



病院

隊員「………」ゴホッ

アウラ「大丈夫か!?」

隊員「……隊長…」

アウラ「深い傷だ……」ナデナデ

隊員(うぉおおおお! 隊長に撫でられているぅううう!!)

アウラ「すまない。私のせいだ」

隊員「いえ、秩序を守るためです。誰かのせいとかではありません」

アウラ「……ありがとう」ニコッ

隊員「………っ///」


他隊員(た、隊員~/// やっと報われましたねぇえええ///)


アウラ「それじゃあ私はとう……上条当麻のところへ行ってくる」タタタッ

隊員「は……い」ズーン


他隊員(隊員~~~~)ウルウル

中途半端ですが今日はここまで! では!

確かクロウ7と言われていたけど隊員表記なの?

>>181それじゃあ隊員の一人はクロウで行きます!

もしかしたら今日はあんまり更新できないかも。続きー

クロウ「………」

隊員「クロウ、どうしてあなたはそこまで……」

隊員「ああ、お前入隊して間もないから知らないんだな」

隊員「え?」

隊員「クロウは昔、スキルアウトに彼女を――」

クロウ「やめろ」

隊員「あ、す、すまん」

クロウ「俺は隊長の理念に共感した。それだけだ」

隊員「後、顔が好みだしな」ハハッ

クロウ「………///」

隊員((筋骨隆々のおっさんが赤面しているぅうううう))

クロウ(俺は……俺のやるべきことを…)グッ

小萌の家

上条「まさか学園都市の治療が受けられないなんて……」

イン「………」ハァハァ

小萌「かみじょーちゃんはどうしてこう……」ハァ…

アリサ「頑張って、インデックスちゃん」フキフキ

イン「……自動

上条「あ、そうだ!!」

小萌・アリサ「?」

上条「アリサの力でなんとかならねーかな」

イン「自動書記

アリサ「私、やってみる!」ウンッ

小萌「なんだかよくわからないけど頑張ってみるですよ!」

イン「自動書記モード……」グスッ

せめて「クロウ7」にしてくれwwwww
その表記だとMデコさんを思い浮かべてしまうwwwww

>>了解!


アリサ「……歌います」グッ

上条「がんばれっ」

小萌「………(それより病院に連れて行ったほうが……)」

アリサ「~~~~♪」

自動書記「ライブラリ照合……該当データなし、歴史書より類似データ検索……該当データ有、危険性なし、安全性において魔術よりも高い。ただし確実性は低く、様子見するのが理想的といえます」ガクッ

上条「頼むっ」

アウラ「当麻く――」ガチャッ

アウラ「くっ!?」ビクッ

アウラ(なんという不快な……)クソッ

アリサ(お願いっ、届いて!!)パァッ

アウラ「………っ」ダッ

アウラ「はぁはぁっ……」タタタッ

アウラ(アリサは今、歌っていたんだよな……)

アウラ「まるで、地獄からの叫びのような……」ガクガク

アウラ(私は、どうしてこんな……)ポロポロ



上条「どうしたんだよ飛び出したりして」



アウラ「……あ…」

上条「大丈夫、アリサの歌がやってくれたよ」

アウラ「………う、うん、よかった…」

上条「やっぱすげーよな。あいつの歌」

アウラ(やめろ……)

上条「こうなんていうか、奇跡? 本当にそれを起こせるって信じてしまいそうな……って実際に奇跡が起きたわけだけど」

アウラ(これ以上……)

上条「お前も一度聞いてみろよ。あいつの歌、ほんと――」



アウラ「黙れぇえええ!!」



上条「っ!?」

アウラ「はぁはぁっ……」

上条「………」

アウラ「私は……歌を歌として認識できないんだ」

上条「え……」

アウラ「オリオン号の事件の後遺症で音楽を聞くと不快なノイズが頭を駆け巡る」

上条「そう……だったのか…」

アウラ「それに、私の前で奇跡などという言葉を二度といわないでくれ」

上条「………?」

アウラ「当麻君は知っているだろう……」




アウラ「あの時……奇跡が起きたとされた事件の裏側で、一人……私の父親は死んだんだぞ…」ツーッ




上条「あ……」

アウラ「世界中の皆があの事件を奇跡だと受け入れた瞬間、父の死は、まるでなかったことにされてしまったんだ。それを奇跡だというなら……」ギリッ



アウラ「私は奇跡を絶対に許さない」



上条「アウラ……」



アリサ「……アウラ…さん……」ツーッ

アリサ(私は……)

イン「………」スゥスゥ

小萌「助かったと言っても、一命を取り留めただけですよ、かみじょーちゃん。しばらくは絶対安静なのです!」

上条「そっか……」

アリサ「それでも……よかった」ギュッ

アウラ「だが、この子は命を狙われているのだろう?」

小萌「い、い、命ですか!?」

上条「アウラ、しーっ、しーっ」ガバッ

アウラ「むがっ///」ドキドキドキドキ

上条「な、なんでもないですことよ、はい」アハハ

小萌「かみじょーちゃん……先生は信じてるですよ」ジトーッ

上条「し、信じて……ますよね」アハハ…

クロウ7「………」カチャカチャ

クロウ7(なぜだ。なぜあれほどの能力者が記録に載っていない!?)

クロウ7「やはり本当に能力では……ないのか?」

クロウ7(だとしたら我々は、一体何と戦おうとして……)


prrrrr



クロウ7「誰だ……なぜこの番号を?」スッ





レディリー「やぁ、黒鴉部隊さん、どうやらお困りのようだね」ニヤリ

自動人形「………」



いったんここまで! クロウ7が好きな人はダブルブリッドを読もう!
クソつまらなくてひどい展開なのにここまで読んでくれてありがとう、そしてありがとう!

(ここからさらに超展開になるので、アウラ好き以外はそっとじを推奨します)では!

クロウ7って打ちにくいから、もしかしたら仮名つけるかも?つづきー

クロウ7(セブン)だからセブンでいいんじゃないか?それか7



 レディリー=ダングルロードにとって、オリオン号での失敗は大きな失意と少しばかりの希望を残す形となった。


 といっても、それに気付いたのは事件から数カ月後の乗客名簿を見てからなので、それまでは失意のみが彼女を支配し、ただただベッドの上で自堕落な生活を送る日々が続いていた。


機械人形「………」


 とある魔術師に仕立ててもらった二体の機械人形、元から命のないそれに彼女は名前をつけようとも思わなかったが、オリオン号での計画は彼女にとってあまりに期待が大きかったのだろう、その反動はこんなところで現れた。


レディリー「仮面を外しなさい」

機械人形「………」スッ

レディリー「ふぅん、今までまったく興味もわかなかったけど、よく見たらイケメンなのね」


 彼女自身が魔術師に見た目を重視させた(様々な目的の為に)のだが、とっくの昔に忘れていた。それほど彼女の人生は長かったのだ。


レディリー「アダムとイブ……寒気がするわね」


 それに禁断の果実を食したのは自分であり、あまりにも皮肉めいていたので、彼女は名づけることを棚上げした。


レディリー「たまには甘えると言う行為をしてみようかしら」



 そのあと、機械人形に抱きついて数分、ものの見事に飽きるのだが、その時の感情は残したまま時間だけが過ぎていった。



 そして、感情はついに爆発することとなる。




セブン「これは一体どういうことだ……」ピクピク

レディリー「等価交換さ。君が求めているものを与える代わりに、私も欲しいものをもらう」スリスリ


 セブンは困惑していた。

 鳴護アリサの護衛を依頼してきたオービット・ポータル社の社長が、一部では天才ゴスロリ美少女社長と呼ばれている金髪の彼女が、彼の膝の上でゴロゴロしていたからである。


セブン「あなたは……これを…こんなことを求めるのですか?」

レディリー「……こんなこと、ね」


 しまった。

 セブンは自らの発言が少女をいかに傷つけるものかすぐに自覚した。

 個々によって価値観は違うもの。だからこそ秩序が必要なのだ。

 それなのに自分は彼女の価値観を馬鹿にしてしまった。いや、馬鹿にするつもりはなかったがそういう形になってしまった。

 それは、秩序を守る上で最もあってはならないことだ。



レディリー「後悔しているのか? セブン」

セブン「はい。申し訳ありません」


 
 自分にもう少しだけ語彙があれば、彼女の傷をいやすことはできたかもしれない。

 だが、それが叶わない以上、真摯な態度を見せるしかない。

 セブンという男は愚直で愚鈍で、なにより真っすぐな男だった。


レディリー「そうだな、それじゃあ少しだけ昔話をしてやろう」


 レディリーは年齢に似つかない哀愁を帯びた表情をするんだな。セブンは妙に感心した。

 だが、それでも彼女の見た目がゴスロリ美少女である以上、彼は未来永劫目の前の少女が自分の何十倍も生きているとてつもない存在だと気づくことはない。


レディリー「両親が自分より早く死んだ」


 レディリーはセブンの膝の上で天へ向かって右手を伸ばした。

 この行為に特に意味はなかったのだが、人間は全ての行動に意味と価値をつけたがるもので、


セブン(事故か……目の前で死んだんだろうな…可哀想に)


 と、彼女の宙へ向かった右手を、両親の死を止められなかった自分の弱さの象徴としてとらえた。

 レディリー自身も両親の死はもう遠い、遠すぎるもので記憶も曖昧だった。だから、ある意味でその右手は彼の“身勝手な決め付け”とそう差異はなかったのかもしれない。


レディリー「友達も、知り合いも、恋も、何もかも私を残して消えてしまった」


 今度は両手を上げる。

 セブンはその両手を挙げたポーズを抱きしめてほしいポーズだと受け取ったが、愚直な彼は依頼主であり社長である彼女に失礼な真似はできないと、ただ耐えた。



レディリー「ああ、すまんな。つまらん話をしてしまった」


 彼女の瞳は少しばかり潤んでいた。

 それが、どういう意味を持つかセブンには決められなかった。

 だが、彼にできることは一つだけ、


セブン「失礼します」

レディリー(ほう……)


 優しく、撫でることだけだった。


レディリー(数百年前だったら、好きになっていたかもしれないな)


 レディリーは笑った。

 セブンはそれを喜びと捉えたが実際には違う。


 レディリーは再認識したのだ。

 自分が、人間として恋もできないような、“無価値”で“無意味”で“生産性のない”機械人形と同等の存在なのだと。



レディリー「今度は私が与える番だな」



 彼女が両手でパンパンと音を鳴らすと、どこからか機械人形が書物を運んできた。丁寧にレディリーに渡すと、数歩下がって立ち止まる。



セブン「それは……」



 セブンの撫でる手が止まる。

 レディリーは少し残念だったが、しかし、その感情は棚上げして本題に入る。



レディリー「君がこの世界の主人公になるための本だよ」



 棚に上げた感情が軋む。

 だが、少女は気づかない。見上げることはもう、やめたのだから。

また少し離れます! 原作設定的にセブンが魔術使って代償ってあるんだろうか…?

能力者か不明だから>>1の解釈でいいんじゃないか?

一旦乙
学園都市の大人で成人してから、或いはある程度以上に高い年齢で学園都市に入った人は能力開発を受けないはず
後は木原一族みたいな特別な立場にいる場合

>>209,>>210ありがとうございます。とりあえず小萌先生と同じ感じで行きます。

続きー


 ――そういえば、

 シャットアウラ=セクウェンツィアは危ない橋を渡るかのように言葉を紡いだ。その一つ一つに間違いがないか自分で確認しいるような慎重さで。



アウラ「えっと、アリサを攻撃したのはあの赤髪の人で間違いないよね」



 赤髪の人、上条にすかさずステイルって言うらしいと教えられ、アウラは言い直す。



アウラ「ステイルは、どうしてアリサを攻撃したのか当麻君は知っているのか?」



 黒鴉部隊は鳴護アリサを守ることが任務であり、その原因を突き止めることは範囲外だ。だから、護衛が保留となっている今でもまだ魔術師などというふざけた存在に彼女が襲われた理由を知らない。ステイル本人は“世界をどうとか”言っていたが、アウラは全く信じていない。

 しかも、今度は銀髪シスターを襲っているのだから、これはもう連続幼女(少女)誘拐未遂事件と断定してもおかしくはない。いや、アリサはどっちかと言えばグラマラスか私と違って、アウラはそこまで思考してため息を吐いた。



当麻「いや、ステイルはアリサが世界を滅ぼしかねないって言ってたから、そうなんじゃねーの?」



 アウラは再び軽いため息を吐く。

 上条当麻の最も愚かなところであり、最も好きなところ、



アウラ「あなたは真っすぐすぎるのよ! 昔からそう! 友達に何度騙されても懲りないし」



 過去を言葉にすればするほど彼を愛おしく感じる。

 シャットアウラにとって、もはや上条当麻は幼馴染のラインを軽く突破した存在だった。



上条「いやでも、それ以外に何も情報ねーし」


 呆れた。

 この男は調べることも、聞くこともせず、ただ与えられた情報を鵜呑みにして心の底から信じているのだ。

 しかし、気づく。


アウラ(そうか、当麻君はそもそも“調べる義理も、聞く義理もない”んだ)


 一言でいえば“部外者”。

 この一連の、仮に“連続少女誘拐未遂事件”において人物相関図を作成した時、彼の当てはまる場所は、



 “お節介な被害者の友人”



 でしかないのだ。


アウラ「当麻君……あなたって、本当に馬鹿よね」


 それ以外に彼を表現できそうにない。

 奇跡を信じた愚かな人々がいる一方で、奇跡どころか“全て”を肯定して前に向かい続ける上条当麻≪バカ≫もいる。

 シャットアウラはにやける。

 自分の好きな人が、自分の理想を正反対に全速力で駆け抜けているのだから。

 そしてそれを心地よいとさえ思っているのだから。


上条「さすがの上条さんも、落ち込んだりするんですよ」



 肩を落としてうなだれる彼。

 とても可愛いと思うのは、親バカに似た感情なのだろうか。






アリサ「もしかして、インデックスちゃんも世界を危険にしたりするのかな」


 アリサの発言に、いち早く反応したのは上条当麻だった。


上条「ははっ、インデックスが世界を危険に? んなことあるわけないだろ」



 なぜステイルの言葉は信じたのにアリサの言葉は信じないのか。アウラは小首をかしげる。

 だがその理由は明白で、アリサの言葉を信じてない訳じゃなく、ステイルの言葉を信じた訳じゃなく、


 それで辻褄が合えば、納得するだけの話なのだ。


 だから、アウラはあえて神妙な面持ちで、


アウラ「しかし、魔術という存在が実在する以上、見た目で判断するのは危険なように思える」


 そもそも、学園都市の能力者だって同じだろうに。

 中学生が第三位だし、第一位は高校生にして世界中の兵器を持ってしても倒せそうにない。

 銀髪シスター美少女が指一つで世界を滅ぼせても、辻褄が合わないことはないはずだ。


上条「いや、まてまて、一つ勘違いしてないか」


 上条当麻は右手を前に向けて、言葉を紡ぐ。


上条「アリサは奇跡……いや、“すごいこと”を実際に起こした」


 奇跡を言い直したあたり、自分に対する配慮が目に見えて嬉しい。アウラは頬が熱くなるのを止められない。


上条「だが、小萌先生の部屋で寝てる銀髪シスターは食べること以外に俺たちに何も見せていない。そこらへんの少女と何もかわらねーよ」


 どうやら、上条当麻は真っすぐな馬鹿なだけでないらしい。


 “真っすぐで馬鹿で頑固”な男。


 アウラは三度ため息を吐きながらも、この男には自分という幼馴染がいなければいけないと再認識し、それをとてもうれしく思うのだった。



 最終的に、アウラは小萌に自分の身分を改めて紹介し、今は休職しているとはいえ黒鴉部隊の隊長であることを告げた。

 そして、インデックスの身柄を引き取る旨を伝え、黒鴉部隊で怪我を負っていない数人の隊員を使って自分が元々暮らしていたアパートへと移送させた。


アウラ「彼女も一緒にいるとなると、当麻君の部屋では狭すぎるからな」


 それも本音だったが、心の裏では自分の住んでいた場所に上条を連れ込むのが少し楽しみだった。

 荷物は何一つないが、生活の匂いが、自分の呼吸した空気が、彼に伝わるかもしれない。

 鉄壁の風紀委員長と上条に称された彼女はもういない。



 そこには、恋するシャットアウラ=セクウェンツィアがいた。




 とある場所でゴスロリ美少女と筋骨隆々愚直男がいちゃついている。

 とある場所で鉄壁の風紀委員長と88の奇跡のおっぱいと幻想殺しフラグ建設野郎がいちゃついている。


 そしてここでは、


ステイル「許せない」ゴスッ


 赤髪火炎放射魔術師が激昂していた。その形相は神父のそれではない。


神裂「落ち着きなさいステイル」

ステイル「これが落ち着いていられるのか神裂!!」


 廃ビルの三階、魔術により学園都市の目から逃れたこの場所で、ステイルは世界の終焉を望むような叫びをあげた。


神裂「インデックスの状態について気付けなかったのは、むしろ我々のミスです」


 神裂の冷静さが、むしろ腹立たしい。

 なぜなら、ステイルが現場にたどり着いた時、かつての友人は赤い液体を流しながら横たえていたのだから。


ステイル「分かっている。だが、原因は奴だ」ギリッ


 何度呪い殺しても呪い足りない。

 先日、自分の邪魔をしたヒーロー気取りのガキ。

 ツンツン頭の不思議な能力を持った少年。


 上条当麻と言う、一見昼行燈のあの男が、自分を何度も邪魔して挙句の果てにはインデックスを危険な目に遭わせているのだ。


ステイル「……神裂、悪いが僕は単独行動をとらせてもらう」


 ステイルは吸い始めの煙草を地面に捨て、何度も踏みつぶし、そして歩み始めた。


神裂「それは構いませんが、あくまで“彼女の為に”行動すると誓ってください」


 何を愚かなことを。

 ステイルは神裂に背中を向けたまま、少しだけ顔を向けて流し目で答えた。






ステイル「僕の行動原理はいつだって彼女が中心だ」




 そして、赤髪の魔術師は闇へと溶けた。

 消したばかりの煙草から、細々と煙が立ち昇る。


神裂「怒りを覚えているのが、自分だけだと思っているのですか、ステイル」


 神裂は煙を握りつぶしたが、その手を避けるように煙は高みを目指した。


 

いったんここまで! たぶん今日はもう更新できないと思います!

描写や流れが酷いのは、実力なので勘弁して下せぃ! ただ最終的にアウラちゃんを愛でたいだけなのです!!

では!


いつ読んでも思うが、実際ここで悪いのはステイルだよな
殺害しかねない暴力を振るってインデックスを傷つけた自分の罪と罪悪感を、上条当麻という少年に転嫁しているだけ

乙、
マジレスすると、例え大丈夫と分かってても、切りつける神経はおかしいよね

>>220>>221 たぶんステイルは性的興奮を覚えてい……なんか部屋が暑いな…

ちょっとだけ更新ー



 ステイルが闇に紛れ、神裂が怒りに拳を握った同時刻、上条当麻は選択を迫られていた。


上条「何でこんなことに……」


 目の前には辛そうに息を荒げる銀髪のシスター、風呂場にはシャットアウラとアリサ。

 問題はそこにあらず、問題は、


イン「と、トイレに行きたいんだよ……」ハァハァ


 インデックスはもぞもぞと体を動かし、必死に尿意と戦っている。

 これは由々しき事態だ。上条当麻は頭を抱えるが問題は解決するはずもなく、


上条「ど、どうすれば……」


 焦りは思考を緩ませる。

 思考の緩みは判断力を鈍らせ、不本意な結果をもたらすこととなる。


上条「こうなったら、そ、そこらへんのペットボトルに……」


 目に見えた結末。

 しかし判断力を鈍らせた彼にはそれが分かるはずもなく、


上条「ぬ、脱がすぞ……」ゴクリ


 下半身に手をかけ、そして――、



アウラ「……何をしているのだ貴様は…」プルプル


 背中を突き刺すような殺気に、上条は全身を強張らせた。

 風呂上がりのいい匂いが部屋を満たしていく。だが、上条にはそれを楽しむ余裕はなく、


上条「こ、これには神様もびっくりな深いわけが……」


 全身から嫌な汗が噴き出す。


アウラ「科学側の人間が随分と都合のいいことを……」プルプル


 これが死か。

 まくり上げたインデックスの服をゆっくりと戻し、シャットアウラの方へ向き直す。


アウラ「なぁ!? きゅ、急に!?」


 そして上条は再び悟る。


上条「なんで裸で風呂場から出てきたんですかねぇ」


 ため息を吐くも、事態は好転するはずもなく、


アウラ「……その幻想《見たもの》をぶち壊す!!」


 シャットアウラの振り上げた拳は上条当麻の右頬を正確にとらえ、衝撃は余すことなく彼へと伝わる。


 大きな音と共に、上条は気を失う。心なしかその表情はうれしそうだった。



 一方で、ステイル=マグヌスは怒りと覚悟を持って準備を進めていた。


ステイル「分かってる、ああ、分かってるさ」


 彼の任務は“インデックスの記憶消去すること”であるが、自身の行動原理は“インデックスの無事を確保すること”だ。

 その中で、少女の苦しみを少しでも減らす方法として、インデックスには“魔術師に狙われる”悲劇のヒロインを演じてもらっていた。

 過度な期待は大きな反動を産む。経験から得た結論は、彼らの思考に楔を打った。



 だが、そんな“彼らの意思”をあざ笑うかの様に颯爽と現れた少年、上条当麻の存在は彼らにとっては悪以外の何でもない。



ステイル(いや、違うな……“理想”か)



 自分も、神裂も“ああなりたかった”のだ。

 インデックスのピンチに全力を尽くし、助け、絆を得る。

 かつての自分たちがそうであったように。



 それでも、最終的にインデックスが“限界”を迎える以上、現状維持はむしろ理に適った選択である。

 学園都市の施設とセキュリティに守られ、その時を待つ。

 ステイルは葛藤する。


ステイル(任務を最優先するんだ、ステイル=マグヌス)


 だが、コピー用紙で描くルーンはどれも殺傷性を秘めた魔術ばかりで自身の気持ちに対して説得力がない。

 自分を邪魔し、インデックスを危険な目に遭わせ、いまだヒーロー気取りでうろちょろしている少年。

 上条当麻の手からインデックスを取り戻すことこそ、魔術師として、いや“本当にインデックスを思う者”として、優先すべき事項だと確信できる。


ステイル(いや、嫉妬……か)


 燻ぶる煙草を捨て、空を仰ぐ。


 いつの間にか夜は明け、また一日その時が近づいてしまった。


 



 レディリーには二つの計画あった。

 一つは、宇宙エレベーターエンデュミオンでの大規模魔術。

 そもそもはこれに全てを賭けるつもりだったのだが、オリオン号での失敗を考えると、先にもう一つの方を試してみてもいい気がする。



 10万3000冊の魔道書。



 噂でしか聞いたことのなかった歩く魔道図書館が、この街にいるのだという。

 そして、その“世界を左右する少女”はなんと鳴護アリサと、そしてシャットアウラと一緒にいるのだ。


レディリー(これは、まさに追い風というものだ……)


 自然に笑みがこぼれる。

 今まで陽炎のように近づいては消えた“死”が、目の前で轟々と燃え盛っているのだ。


レディリー「さて、そのためにも……君には頑張ってもらわないとね」


 強化ガラスの向こう、正方形の広い空間の中心に佇む青年。

 クロウ7を眺める彼女の瞳は、まるで恋する少女のように輝いていた。


 



セブン(これが、魔術というものか……)


 元来、才能のない者が才能ある者に、もしくは奇跡などを体現すべく産みだされたそれは、日本人の精神とよく似ているのではないかと思う。身体的にも精神的にも未成熟だったかつての日本人が、欧米文化を取り入れ独自に発展していったように。


 レディリーの差し出した魔道書は主に“法則性”について書かれた哲学書のようなものに思える。


 1の次は必ず2であり、2の次は必ず3である。

 川は上流から下流へと流れ、雲は風に逆らえない。

 火は煙を産み、光はいずれ闇に飲まれる。


セブン(こんなのどう考えても……)


 “秩序そのもの”ではないか。

 レディリーが自分のこと、黒鴉部隊のことをどれほど理解してこれを差し出したか分からない。

 だが、自分がこの“秩序の本”を受け取ったことこそ、“運命秩序そのもの”のように思える。


 レディリーは信仰心のない者が宗教防壁なしに魔術を使用すれば、毒となり精神を犯される危険があると言ったが、自分にとってころほど信仰できる対象はないように思える。


セブン(しかし、この魔術を使ったとして本当に目的を果たせるのか……)


 セブンの疑問は、日本人の悪い癖、言い換えれば最大の長所となって現れる。

 無宗教の雑食性、そして改善することに快感を感じる変態性。


 レディリーの計画は、物語において“一ページの紹介もないような男”の手によって狂わされることとなるのだが、この時は誰も、運命さえもそれに気付かない。いや――、


 それさえも秩序の中にあると、後の彼ならそう語るだろう。


 

イン「もう大丈夫なんだよ」ガツガツ

上条「見りゃわかる」

アリサ(この身体のどこにこれだけのご飯が入るんだろう)サスサス

イン「ちょっとアリサ、く、くすぐったいんだよ」モジモジ

アリサ「ご、ごめん///」

上条「ああ、良いなぁ」


アウラ「何が良いって?」ヒクヒク


上条「あ、いや、そのっ、ご、ご飯いっぱい食べれていいなぁってことだ!」アセアセ

アウラ「どうだか」フンッ

上条「その……昨日はすまん///」

アウラ「お、思い出させるなっ」カァ///

アリサ「?」

イン「………」

イン(いいなぁ……)ニコニコ



上条「ん? インデックス、つらそうだな」



イン「……え?」

アウラ「どこがだ? ご飯食べて幸せそうじゃないか」

上条「いや……」




上条「まるで、自分はここにいちゃいけないような顔してたから」



イン「っ!?」ドキッ

アリサ「どういうこと??」キョトン

上条「いや、うまく説明できねーけど、まるで参観日の母親のような、そんな“見守る笑顔”つーか……」ウーン

イン「……とうまは馬鹿なんだよ…」ボソッ

上条「は、はぁ!? 心配してや――」



イン「とうまは馬鹿なんだよっ」ポロポロ



アリサ「インデックスちゃん!?」オロオロ

アウラ「どうした!? ご飯が口に合わなかったか!?」オロオロ

上条「………」



上条「すまんっ、本当にすまんっ」


アウラ「全く……こんな時に補習なんて…」

アリサ「でも、仕方ないよ。落第しちゃうと困るし……」

上条「終わり次第すぐ駆けつけるからさ、三人で遊んでてくれよ」チラッ

イン「???」


アウラ「ほんっとうに補習なのか?」ボソボソ

上条「本当だって!」

アウラ「………」ジトーッ

上条(うっ、こいつ俺の性格知ってるから信じてくれない……)ハァ…

上条「分かったよ、ちょっと来い」グイッ

アウラ「あっ///」



アリサ「………」

イン「アリサ……?」

アリサ(どんどん二人の距離が近づいていく……寂しいな…)




アウラ「魔術師を探すだむがっ「しーっ、しーっ」



上条「あいつらに知られたくないんだよ」

アウラ「……///」コクコク

上条「………あ、す、すまんっ」パッ

アウラ「まったく、女の口を塞ぐならもっとやり方というものが……」ボソボソ///

上条「え?」

アウラ「な、何でもないっ///」

上条「まぁ、それもあるんだけどさ……」

アウラ「?」



上条「インデックスの友達になってほしいんだ。二人に」



アウラ「………」

上条「いや、押しつけがましいのは分かってるんだけど、なんつーかその……」

アウラ「分かってる。当麻君は昔からお節介で特に女性には優しいからな」フンッ

上条「なんか棘が……アウラ?」

アウラ「……ん、何?」ニコニコ

上条「その顔……すげー可愛いな」ナデナデ

アウラ「へっ///」

上条「子供のころのお前みたいだ」

アウラ「な、なんかむかつく!」ゲシゲシ

上条「い、いたいっ!!」

アウラ(すげー可愛い……)ハウ///

いったん離れます! ……もうアウラとくっつけてもいいのだろうか。

アリサ「それじゃあ今からアリシャットデックスの集いを開催しまーす」

アウラ「わー」

イン「楽しみなんだよ!」キラキラ

アリサ「まずはそうだなぁ……、やっぱり女の子といえばショッピングだね」ニコッ

アウラ「う……」

イン「ショッピング……って買い物?」

アリサ「インデックスちゃんもたまにはシスター以外の服着てみようよ」

イン「う、うん……」

アウラ「どうかしたのか?」

イン「……もし可愛い格好したら…とうまは褒めてくれるかな」エヘヘ

アリサ「!?(何のフラグも建ってないのに!?)」

アウラ(これが私の幼馴染の実力か。そういえばクラスメイトみんな当麻君が好きだったな…)ハァ…

イン「さぁ、行くんだよ!」ニコニコ

イン「わぁ、可愛い服がいっぱい並んでるんだよ!」

アウラ「シスターでも可愛いとか思うんだ」

イン「失礼なんだよっ、こう見えて私は刺繍とか模様の配列とかにうるさいんだよっ(魔術的に)」

アリサ「あ、これなんてどう? ウサギのパーカー」

イン「アリサはもっと失礼なんだよ! 私は子供じゃないんだよ!」

アウラ「じゃあこれ」

イン「ゴッドデスって、シスターに渡す服じゃないんだよ!? 何を考えてるんだよアウラ!」ガーン

アリサ「あ、アウラちゃんは変わってるから」アハハ…

アウラ「これもいいと思うが」

イン「アイラブヘルってそりゃ最初に地獄の底についてきてくれるって聞いたけど、好きで誘ったわけじゃないんだよ! 地獄系銀髪シスターなんて犬も食わないんだよ!」


アリサ・アウラ((楽しそう……))


イン(楽しいんだよっ!)キラキラキラ

神裂(ま、混ざりたいっ!)ウゥ…

シャットアウラってどちらかといえば呼び捨てしそうだけどなぁ
まあアリサのことを考えるとなくはないんだろうが

>>239個人的にも当麻の方がしっくりきます” まぁ、伏線ぽい感じでお願いします!

少しだけ続きー

アリサ「それじゃあ、メイウラデラックスお食事会を始めます!」

イン「合体して違うものになってるんだよ!」

アウラ「ファミレスか、予算は大丈夫なのか?」チラッ

イン「うっ……我慢しなきゃ…だめだよね……」シュン…

アリサ・アウラ((か、かわいい……///))キュンキュン

神裂(ああもぅっ、私が全部(経費で)支払いますよインデックス!)キュンキュン



アリサ「じ、実はこの度お仕事が一つもらえまして、臨時収入がはいったのですっ」ニコッ



イン「……お仕事?」

アウラ「アリサは歌手をしているんだ」

アリサ「ま、まだまだだけどね///」


イン「すごいんだよっ!」コウフンッ///



アリサ「あ、ありがとぅ///」テレテレ

アウラ「ならば、この場は全て私が出そう」

アリサ「えっ!?」

アウラ「アリサのプロデビューの祝いで本人に支払いさせるわけにはいくまい」

アリサ「そ、そんなつもりでっ」

イン「ねぇねぇアリサっ聞かせてほしいんだよっ!」

アリサ「え、えぇっ、ここで!?」

アウラ「……っ」ピクッ

イン「駄目……かな?」ウルウル

アリサ「ぁ……」キュン///

神裂(せ、僭越ながら私がっ///)ガタッ



アウラ「……ごめんなさい、少しの間席を外すから…」ガタッ



アリサ「あ、う、うん……」

イン「早く、早く歌ってほしいんだよっ!」キラキラ

アリサ「ちょ、ちょっとだけだよ!?」

イン「うんっ♪」


アウラ「………っ」


神裂「………」

トイレ


アウラ「……嫉妬は見苦しい…」

神裂「……事情があるみたいですね」

アウラ「えっと……あなたは…?」

神裂「直接対峙した訳ではないので覚えてはいないようですね。私は神裂火織。



 あなたの部隊の隊員を斬った者です」



アウラ「!?」ジャキッ

神裂「爆弾ですか……そのようなものをここで使う訳にはいかないでしょう」

アウラ「………っ」スッ

神裂「それに、私たちはもうインデックスを襲う気はありません」

アウラ「え?」

神裂「……そのことは後で話すとして、あなたの悩みを先に聞きますよ」ニコッ

アウラ「………」

神裂「……そう、ですか」

アウラ「どうしてだろう……あなたに聞いてもらえて心が少し軽くなったみたいだ」

神裂「それは私が魔術師であると同時に、イギリス清教に所属する者として全ての迷い子を導く役目を担っているからですよシャットアウラ」ニコッ

アウラ(……なぜこんな人がインデックスを…)

神裂「しかし、とても不思議な症状ですね。科学側で解明できない以上、それは超常現象の類かもしれませんね」

アウラ「超常現象……」

神裂「いずれにせよ、諦めなければいつか必ず道は拓けるはずです。あなたに救いの道があらんことを」

アウラ「……ありがとう…ございます」

アウラ(もう何がなんだか……)



アウラ「え、記憶が?」


神裂「ええ、インデックスが想い出や出来事を記憶できる容量が脳のたった15%しかないのです」

アウラ「……15%…」

神裂「それはちょうど一年分の記憶……そして、容量を満たすまで後…数日」

アウラ「そんな……でも、それなら何でインデックスを狙ったりしたんですか? もっと楽しい思い出をいっぱい残すとか……」

神裂「ええ、“最初”は私たちもそう思って、とびきりの思い出を残してあげました。友達として、親友として、家族として……」

アウラ「………」

神裂「ですが、いよいよ記憶が消える直前になって、インデックスはこう言いました。



“この思い出を消したくない”“火織大好き”“忘れたくないよ”“火織大好き”……と」



アウラ「……楽しい思い出が消えるのは…辛い……」

アウラ(当麻君の記憶が戻った今となっては、忘れるのは死ぬより怖い……)

神裂「だからこそ、私たちは選択を迫られたのです」

アウラ「……あの子がより苦しまない道を…」

神裂「………」コクリ

また離れます。では!

アウラ「それで、どうしてそのことを私に?」

神裂「いえ、まぁそうですね。


インデックスから身を引いてもらおうと思いまして」



アウラ「なっ!?」バッ

神裂「先ほど述べたとおり、幸せは反動で大きな痛みを彼女にもたらす。それはこちらとしても望まないこと」

アウラ「そんなの……」

神裂「大丈夫です。あなた方に“決定権”はないですから」

アウラ「……脅そうというのか?」ギリッ

神裂「どう捉えようと自由ですが、


もしあなたに“インデックスより大切なもの”があるのなら、急いでそちらへ向かった方がいいと思いますよ?」


アウラ「当麻君!?」ダッ

神裂(もう少し警戒心の強い人だと思いましたが……)

神裂「あとは無能力者の少女を……」スッ



―――ギィィィンッ!!



神裂「……演技だったというわけですか」ギチギチ

アウラ「そんなことはない。ただ、ここであの子を見捨てたら当麻君に怒られると思っただけだ」ブゥンッ

神裂(爆発する?)サッ



―――ドンッ!!



アウラ「あなたの本心は知りませんが、仲間に手を出した敵を信じるほど、私は柔らかい世界に生きてきたつもりはない」

神裂「……残念です」ジャキッ



アウラ(しかし、機動兵器の傷と仲間の状態から察するに相手はレベル5級の実力を有していると考えた方がいい……)


 シャットアウラは冷静に状況を判断する一方で、現状を打破する一手が見つからず焦っていた。

 彼女の能力レベル4“希土拡張”は、金属を媒介とした爆弾であるだけで、逆に言えばそれ以上でもそれ以下でもない。

 能力を活かすためのスーツを着ていれば少しは違ったかもしれないが、現状の装備は両手に仕込んだワイヤーとポケットに入れたいくつかのレアアースのみだった。


アウラ(最悪、このビルを武器にするしか……)


 元来、彼女の能力は同レベルの他能力に比べて戦闘面で劣ってしまう。

 というよりも、能力に対する応用性の高さが評価されているだけなので当然と言えば当然なのだが。


神裂「ここは目立ちすぎます。場所を変えましょう」


 この提案は、シャットアウラにとっては諸刃の剣だった。

 大抵の機器にレアアースは含まれているため、学園都市の大体の場所で地形を利用することはできるが、河原などの開けた空間ではどうしようもない。


アウラ「………」コクリ


 彼女は静かにうなずいた。

 このビルの秩序を守るために、友達“二人”を守るためにシャットアウラは神裂火織の提案をのんだのだ。



 シャットアウラと神裂火織が戦いを始めようとしている時、上条当麻はすでに戦闘を始めていた。



ステイル「《巨人に苦痛の贈り物を》!!」



 燃え上がる炎は周囲に張られたルーンによって増幅され、彼を完全に飲み込むような炎の津波となって襲い掛かる。



上条「くっ!?」パキィィィンッ



 右手を伸ばせば、炎は消える、



上条「なっ!?」



 消えたとしてもルーンは魔術を再生させ、炎は再び生成され上条を飲み込んだ。



ステイル「……案外、あっけないものだな」シュボッ



 どんな能力者であろうと、魔術師であろうと、それこそ“聖人”神裂火織であろうと肉体で構成されている限り燃えれば死ぬ。ステイルは炎の渦に背を向けるとその場から立ち去ろうとした。



―――アンタ、ついてねーよ。



ステイル「!?」



 依然として轟々と燃え盛る炎は、確かに彼を焼き尽くしたように見える。

 一度魔術を解いて死体を確認するか。



 だが、“もし生きていたら”。



 ステイルの中に巣食う不安と戸惑いが決断を鈍らせる。

 そして、



上条「本当についてねーよ!」



 その一瞬の決断の差が、上条当麻に殴られる要因となった。



ステイル「ぐぁああああ!」ドサッ



 何度目だろう、左頬に襲い掛かる痛みがステイルを怒りで満たしていく。

 この男は、何度も、何度も、何度も!



ステイル「いったい……、いったいどうやって逃げたぁあああ!」



 路地裏であり、逃げ場所のないここで炎の津波をよける方法は皆無。

 だが、現実として自分を見下ろしている以上、上条当麻は何らかの方法で魔術から抜け出したのだ。



上条「別に難しい話じゃねぇよ。学園都市にだって下水道はあるし、下水道がある以上入口はある」

ステイル「マンホールかっ!?」



 視線を落とすと、そこには蓋のずれたマンホールの入り口がある。



ステイル「一瞬の判断でそれを実行したというのか……」

上条「まぁ、上条さんとトラブルは切っても切れない関係だからな」



 マンホールに落ちるなんて日常茶飯事ですよ。上条はため息を吐く。





ステイル「だが、まだ僕が有利な状況は変わってはいない!!」ゴォッ

上条「だから言ってるだろう。“アンタ、ついてねーよ”って」

ステイル「何……?」



 ぽたり。



ステイル「これ……は」



 小さい音が一つ、また一つと重なっていく。

 そして、あっという間に豪雨と化した天気は、ステイルと上条を濡らしていった。



上条「学園都市の天気っていうのは、ある意味で予言的なところがあってさ。今日行動したのは天気が大雨を予言してたからなんだよ」


ステイル「じゃあ、何か……僕は君みたいなのに読み負けたというのか……?」


 怒気が一気に抜けていく。

 雨を吸い込んで服が重くなっていくのに合わせて、気力がどんどんなくなっていった。


上条「さぁ、“話し合いしようか”、ステイル=マグヌス」


 ステイルは湿気た煙草を捨てると、ずるずると地面へ座り込んだ。



レディリー(あの聖人が邪魔ね)


 聖人神裂火織に自分を殺すだけの能力を有していてくれれば、レディリーはあり得ない夢に自嘲する。

 “聖人程度”にどうにかできるのであれば、とっくの昔に死ねているのだ。


レディリー(しかし、シャットアウラの能力では手も足も出ない。ほぼ無傷でインデックスの回収に向かうはず……)


 計画を確実にするためにも、インデックスには一人でいてもらう必要がある。

 だが、どうすれば。


レディリー(機械人形を向かわせる? 無理ね、一瞬にして壊されるのがオチ……)


 かつてこれほどまでに“死”に近づけたことがあるだろうか。

 禁書目録の10万3000冊の魔道書。

 それさえあれば、“世界と共に死ぬ”ことさえ可能だろう。


 レディリーは潜る。深く、深く、思考の底へ。


レディリー(例え聖人に通用しなかったとしても、そうね……“秩序は保てる”はず…)


 そして彼女は選択する。

 自分が待ち望んだ最高の結末を得るために。



レディリー「セブン、あなたの愛しい人が命の危険に晒されているわよ」



 その言葉一つで、男が動くには十分だった。

 クロウ7は今、物語の主役になるための一歩を踏み出す。


 その時のレディリーは、確かにそう信じていたのだった。



 

気づいたらステイルやられてた……。

今日はここまで!では!



アウラ「………」


 神裂の後を追い、たどり着いたのは廃ビル。ガラクタが山のように積み上げられた、かつての繁栄を微かにも残す夢の跡。


神裂「これが最後通告です。“今すぐインデックスから身を引く”と約束するのであれば、安全は保証しましょう」


 まるで“この世界の決定権は自分にある”とでも言わんばかりの態度に、シャットアウラは少し苛立った。

 彼女が魔術師側の人間で、神裂火織という特殊性を理解していたならば話は別だが、学園都市の人間にはそれを分かるはずもなく、


アウラ「貴方こそ仲間を傷つけ罪なき少女を傷つけた報いを受けなさい」


 会話を続けながらも、彼女はこの部屋にあるレアアースの位置と量を把握する。

 ワイヤーを伝達して爆発させるのが一番効率のよい方法だが、実のところ視界に入りさえすればエネルギーを貯めることは可能だった。


アウラ(パソコンや音響機器が多くて助かった……)


 純度は低く、量も少ないが、手元にある武器だけでは心もとない。

 最悪“ビル自体を爆発”させることも考慮するべきだと、シャットアウラはそう感じていた。


神裂「……そうですか」


 神裂はとても残念そうに刀へ手をかけた。

 トイレでの彼女の発言は本心だったのかもしれない。


アウラ(だからこそ、罪を認めて被害者やインデックスと向き合ってほしい)


 ポケットの中には純度の高いレアアースの塊が二つ。

 この時点ではまだ、シャットアウラは己と神裂との戦力差に気付いていない。


 神と人の差にも等しき圧倒的な戦力の違いに。


 



 先に動いたのはシャットアウラだった。


アウラ「やぁあああああ!」


 レアアースの塊を神裂の顔面に向けて投げつける。


神裂「あなたの能力は把握しています」


 アウラが能力によってレアアースを爆発させる瞬間には、神裂の刀はアウラを間合いに捉えていた。
 

アウラ「くっ!」


 スーツがなければ身体能力的には一般女性とそれほど変わらないシャットアウラは、神裂の動きにまったくついていけない。

 内臓の軋む音を感じながら、強烈な痛みとともに思ってもみない方向へ吹き飛ぶ。

 背中を壁に打ち付けたが、腹部の痛みが強すぎてそれどころではない。


 こみ上げる咳を抑えきれず、血の混じった吐瀉物を床にぶちまける。


 たった一撃、それだけで全てが決まってしまった。


神裂「これ以上はやめておきましょう」


 刀の切っ先がアウラの鼻をかすめた時、彼女は初めて自分の抱いた感情が恐怖であることを認識する。


アウラ「あ……あぁ…」


 


 怖い。


 オリオン号の時には感じなかった死への恐怖が、彼女を包み込む。


 痛みが思考を妨げる。


アウラ「……うぅ…」


 黒鴉部隊の隊長。

 奇跡を憎み、秩序を守るために覚悟を持って戦い続けた自分が、いかにお遊びだったかと気づく。


神裂「涙を流しますか。大丈夫、死にはしませんから」


 死にはしない。

 この身体が裂けそうな痛みでもまだ死なないのか。

 アウラの中の恐怖がさらに大きなものとなって暴れまわる。


アウラ「……すけて…」


 誇りを失い、過去を否定され、ただの高校生となった彼女がとれる行動は一つ、


 ――自分を救ってくれるヒーローの出現を待つことのみ。


神裂「………」


 そして、その時≪ヒーローの出現≫はやってくる。





セブン「うぉおおおおおおお!!」



 死角から振り下ろす全力の一撃。

 たとえ今自分に気づいても絶対に避けることができない最高のパンチ。



神裂「やはり人払いの術式を展開しておくべきでしたね」



 眼前に迫った拳を確認してから、神裂火織は回避行動を開始した。

 そして、“そのタイミングがベスト”であったかのように何事もなく回避する。



セブン「これが聖人という者の力か……」



 驚きは少ない。

 魔術の存在を確認した今、神であろうと天使であろうと“それに近い者”であろうと存在するものはするのだ。



神裂(科学側の一般人が、聖人を口にする。……裏がありそうですね)



 

アウラ「クロウ7……怪我は…?」

セブン「魔術の力で回復しました」

アウラ「魔術……ふふっ、貴様が言うと陳腐なものに聞こえるな」

セブン「ええ、実際調べれば調べるほど陳腐なものでしたよ」


神裂「……以前負けたあなたが、指一本触れることさえ適わなかったあなたが今更何をしようというのです?」


セブン「ああ、そうだな。



 ちょっと秩序を正しに、な」



 レディリーに教わったルーンを描いた紙を地面に向かって投げる。



神裂(これは、見たことない術式……)



セブン「魔法名はそうだな≪全ての命に薬と刃を:aequitas500≫とでも名乗っておこうか」

神裂「魔法名まで……あなたは一体…」

セブン「俺か? 俺は……」



セブン「隊長の盾であり、隊長の掲げる理想を信じる者だ」



 両手を前に突き出す。

 

セブン「≪不平等からの解放≫」



 そして、つい先日まで素人だった男の魔術が発動する。




お疲れ様です。社畜で家畜なので、続き行きます。



 レディリーは小さな右手で掴んだ魔道書を“ただの八方美人の愚痴”と評した。


 実際読んでみると、魔道書というより日記に近く、筆者の嘆きと呪いが延々と書き込まれていた。


 三合目まで読んだ時、この筆者に社会から淘汰された不適合者のイメージを持った。自分が周囲を認めないんじゃなく、世界が自分を認めないと嘆いていた。

 五合目まで読んだ時、筆者の取り巻く環境が、死と隣り合わせのおおよそ信頼と呼べるものが皆無の状態にあることに気づく。管理された空間で、与えられた食事量は成人が生きていくには少なすぎる量。

 七合目まで読んだ時、彼は秩序と平和を求め続けた理想論者であることを知る。人が一人で生きていけない以上、協力することが必要だ。だが、刻一刻と迫る“死の予感”に人々は頭を抱え身体は殺意に埋もれた。

 九合目まで読んだ時、人々が彼を否定したことに落胆する。セブンはどんな世界でも秩序があれば人は文化的な暮らしができると信じている。それすらも否定された気がしたからだ。



 そして、全てを読み終えたとき、こみ上げてきた感情にセブンは戸惑った。



セブン(なぜ……彼は最後まで世界を批判し、人々を“赦した”んだ)



 例えるなら、明確性を帯びた疑問。

 はっきりと答えは分かるのに、どうしても腑に落ちない苦しさ。


セブン(これのどこが魔道書なんだ?)


 訪れた彼に向かって、レディリーは平然と、


レディリー「そう。ならそれはあなたにとって魔道書じゃないんじゃない?」


 そう言い放って、背中を向けたのだった。



 その後も、何度となくクロウ7は本を読んだ。


 単語も一つ一つ調べた。文脈に隠された意図はないか探った。


 だが、読めば読むほど、知れば知るほど魔道書からかけ離れていく。

 筆者の生きざまを思えば思うほど、自分と似通った部分が多く、ただの人間のように感じる。



セブン(魔道書とはいったい何だ?)



 疑問は刻々と膨らんでいき、魔道書の解析が進めば進むほど、その価値を落としていった。


 そして、気づく。



セブン「レディリー! だましたのか!?」



 単純な話だ。

 学園都市にはネット環境がある。

 その本の出所を調べれば、この本が魔道書かどうかわかる。



 そして―――、



セブン「欧米でミリオンヒットのエッセイを魔道書とのたまうなんて!」




レディリー「ミリオンヒットのエッセイ……ね」

セブン「違うというのか?」

レディリー「いや、調べた結果なのだろう? なら、そうなんじゃないか?」

セブン「馬鹿にしてるのか!?」

レディリー「……馬鹿にされた気分なのはこっちだ」

セブン「何……?」


レディリー「私が冗談でただの本を魔道書と嘘つくとでも?」

セブン「………」

レディリー「冗談でミリオンセラーの本、調べたら一瞬で分かる本を魔道書だと嘘つくとでも?」

セブン「……確かに」


レディリー「冗談で“信頼を置いた男を裏切るような真似”をするとでも?」


セブン「……怒ってる…のか?」

レディリー「……怒ってない」

セブン「怒ってる」

レディリー「ふん、女心も分からぬクソガキが」

セブン(めちゃくちゃ怒ってる……)

セブン「すまん、俺が悪かった」

レディリー「本当に心から反省しているのか?」

セブン「ああ、もちろんだ」

レディリー「では、私を抱け」

セブン「は?」

レディリー「……冗談だ。私を抱っこしろ」

セブン「……それで信頼を取り戻せるのなら」ヒョイ


レディリー「………」ニコッ


セブン(案外単純なのか?)


レディリー「例え話をしてやろう」

セブン「できれば率直に言ってほしい」

レディリー「やだ」

セブン「………」

レディリー「貴様は車輪と聞いて何を思い浮かべる?」

セブン「車だな」

レディリー「では、車輪とペダルは?」

セブン「自転車だな」

レディリー「ふむ、では車輪とペダルと……“少女”は?」

セブン「一輪車だな」ソクトウ



レディリー「……少し気持ち悪いが、言いたいことは分かっただろう?」



セブン「一輪車に乗る少女は健康的でいいなという事か?」

レディリー(人選間違えたか?)

セブン「冗談だ。要は“囚われるな”ということだろう?」

レディリー「まぁ、そうだ」

セブン「……ああ、そうか。そういうことだったのか」

レディリー「早いな」

セブン「パーツはすべて集め、理解していたからな。後は完成品さえ想像できれば、組み上げるのは簡単だったんだ」

レディリー「……それで、どうなんだ。その魔術は」

セブン「正直なところ、これで誰にどう勝てというのか分からん」

レディリー「………」


セブン「だが、この魔術なら“たとえ聖人でも油断させる”ことはできるだろう」


レディリー「それでいい。それでな……」

セブン(後は、少しばかり改造の余地があるから……)

神裂「……体が…」

神裂(この男の放った魔術。系統も分からなければ、どういった効果が及んだのかすら理解できません)


セブン「………」ハァハァ



神裂(ただ、私は今どこかに向かって動き出している。それだけは間違いないですね)テクテク

アウラ「………」ポロポロ

アウラ(くそっ、涙が勝手にっ、我慢しなきゃいけないのにっ!)


セブン「ああ、隊長、すみません。魔術の範囲がどれほどか分からなくて」


アウラ「魔術……クロウ7は魔術を使えるのか?」ポロポロ

セブン「昨日教わったただ一つだけの魔術ですが」

アウラ「どんな魔術なんだ?」

セブン「そうですね。簡単に言えば“体が心に対して権限を持つ”と言ったところでしょうか」

アウラ「体が心に……だから私は泣いているのか?」

セブン「ええ、おそらく体が痛みに耐えれていないのでしょう」

アウラ「……そうか」

数分後

神裂(ああ、そういうことですか)

アリサ「インデックスちゃん、次はあっち行こう」

イン「うんっ!」タタタッ



神裂「インデックス!!」ギューッ



アリサ「えっ?」

イン「へ?」ビクッ



神裂「あーインデックス、くんかくんかすーはーすーはー、いい匂いがするよーもふもふ」スリスリ



イン「て、敵の魔術師に襲われたんだよっ!?」

アリサ「おそわれたって言うか……その…」

神裂「~~~♪」スリスリスリスリ



アリサ(なつかれた……?)

アウラ「……っ」

セブン「すぐに病院へ」

アウラ「……その前に、一つ、教えてくれ」

セブン「何でしょう?」

アウラ「魔術を使った気分はどうだ?」

セブン「……正直なところ、能力者に少しだけ追いついた気がして心地良いです」

アウラ「そうか……」

セブン「と言っても、“体が心を無視して勝手に動く魔術”なんて何の役に立つのかわかりませんが」

アウラ「……そんなことはない」

セブン「え?」


アウラ「現にこうして私は助けられた。……感謝している」


セブン「隊長……」



セブン「お、おれっ!」ガシッ

アウラ「!?」ビクッ

セブン「俺、前から隊長のことが!」

アウラ「え………」

セブン「………///」ゴクリ

アウラ「………」


上条「あ、こんな所にいた!」



アウラ「!?」ドクンッ

セブン「あ、まずい……」

アウラ「当麻君当麻君当麻君」スリスリスリ

上条「な、なにぃ!?」ビクッ

セブン「………」

アウラ「スリスリスリスリ」

上条「ほ、ほっぺた!?」カァ///

セブン「」

アウラ「当麻君、ちゅーーーーーっ」ンーッ///



上条「ちょ、ちょっと落ち着けアウラっ」パキィィィイィンッ



アウラ「………」

上条「? (おさまった?)」




アウラ「し、死ぬしかないっ」カオマッカ////



上条「まてっ、早まるなっ!」

アウラ(当麻君に対してあんなはしたない真似を……)ズーン…



セブン(隊長……俺の言葉…)グスッ




機械人形「………」

おやすみなさい。

分からぬ…なぜ一般人が魔道書を読めたのか…なぜ拒絶反応が出なかったのか…分からぬ…分からぬ


レディリーが見初めたくらいだし、一応の才能はあったんでしょ

つーかもうセブンはレディリーとくっついた方が良い気がしてきた

言っちゃ悪いがこのレベルのssに整合性なんて求めちゃダメ
そんなの言わなくたって分かるでしょ?
魔道書は才能云々の話ですらないし

>>279 原典じゃなくて純度を下げれば一般人でもあつかえるとかあつかえn()

>>280 予定では・・・

>>281 悪いと自覚してるなら土下座するんだよ! 

アウラを愛でるss(付き合ってからが本編)なのでほんと設定とかその辺は速記原典です。気になさらずにー。

まあ二次創作だから仕方ないか、納得



レディリー(プロセスとしては、本人の身体を心の束縛から解放するだけ。故に負担も少なく効果も強い……か)

レディリー(相手の殺意を利用できるかと思って保管しておいたけど、案外自殺に使えるのか?)

レディリー「……いや、死にたいのは心だ。身体は“どんなことがあっても”元に戻るのだから“生きたい”ようなものだろうな……」


セブン「おい……死にたいとか言うなよ…」グスッ


レディリー「……………何で泣いてる?」

セブン「……自身に魔術をかけてみたら、泣いてしまったんだよ…」

レディリー(これだから日本人は理解に苦しむ。なぜ他人という実験体が溢れるほどいるのに、自分を……)

セブン「自分で安全性を確かめなきゃ、他人に使用できないからな」

レディリー「日本の一流自動車メーカーか!」ゲシゲシ

セブン「お、おいっ、やめろぉっ」カァ///

レディリー「………ん?」ピタッ

セブン「……はぁはぁ///」

レディリー「………」

>>283 そもそもそれを言うなら、不老不死という設定自体が酸素を取り込んで活動すること自体を拒否したり、記憶したこと自体も回復(記憶消去)しなきゃ整合性0だし、ガバガバさで言ったらどっこいどっこいよ。ご都合主義は一次二次一緒一緒。

続きー

レディリー「何で興奮しているんだ?」

セブン「えっ」ビクンッ

レディリー「……今、魔術にかかっているのか?」ジトーッ

セブン「ど、どうだろうな……」ハァハァ///

レディリー「………」ギュッ

セブン「ぬ、ぬおーーーーっ!」ギューッ

レディリー「………」

セブン「違うっ、違うんだぁあああ!」スリスリチュッチュ

レディリー「………」

セブン「う、うわぁああああああ!!」モミモミ





レディリー「そういう趣味だったか……」ハァ…





セブン「ぬ、ぬぉおおおおおおお!!」ナデナデナデナデ

レディリー「解除の方法が分からない、と」

セブン「………ああ」ナデナデ

レディリー「………」

セブン「困っている。できれば調べてほしい」ギューッギューッ

レディリー「………」

セブン「頼む、俺は今、自己嫌悪で死にそうなんだ」チュッチュ

レディリー「身体は正直だぞ」

セブン「ぬぉおおおおお! この身体をぶち殺す!!」ギューッ

レディリー(このままにしておくのも面白いな……)

セブン「頼む……頼む……」

レディリー「……仕方ない…」

レディリー「確証はないが、もしその魔術がスイッチの切り替えであるならば、もう一度魔術をかければいいだけだろう」

セブン「もういちど? なぜだ?」スリスリ

レディリー「おおざっぱに言うと、心と身体の優先度が普通の人間は心の方が高い。それを魔術によって強制的に反転させているなら……」


セブン「もう一度使えば身体と心が逆転する……よしっ」


レディリー「………できるものならな」

セブン「………」ペタペタ

レディリー「残念ながら、私の胸に触れても魔術は発動しないぞ」

セブン「………」スリスリ

レディリー「どうした? さっきの自己嫌悪は嘘だったのか?」

セブン「ぬ……」ペロペロ

レディリー「それとも何か? このゴスロリ天才スク水美少女の身体を触るのが、そんなに楽しいのか?」

セブン「ぬぉぉ……」脱がせ脱がせ



スク水レディリー「この、  大変態日本人  めが」ジトーーーーっ



セブン「こ、殺せぇえええ! 殺してくれぇええええ!」

レディリー「どうしてもというのなら」

セブン「頼む、どんなことでもする。頼む」ペロペロ

レディリー「それじゃあ、今後一切私に逆らわず、私の為に尽くし、死ぬまで私の為に生きると誓えるか?」

セブン「わ、分かった! 分かったから!!」ギューッ

レディリー「……仕方ないな」ドンッ

セブン「え………」



レディリー「ていっ」ムギュッ



セブン(あ、足で踏まれた、だと?)ペロペロ

レディリー「躊躇なく足の裏を舐めるか、この超ド級変態が」グリグリ

セブン「く、くそぉおおおおおっ」

レディリー「……冗談だ。いくぞ」




レディリー「さっさと魔術使ってよね、“お・に・い・ちゃ・ん”」グリグリグリグリ




セブン「!!」バッ

セブン「………はぁはぁ…」グッタリ

レディリー「ふむ、日本人がロリコンの妹好きだというのは本当だったようだな」ギューッ

セブン「……身体が起こしたことだから否定すらできん…」

レディリー「君みたいな特大変態は一生蔑まれていればいいんだ」スリスリ

セブン「………ところで」

レディリー「言うな」スリスリ

セブン「レディリーは一体な――」


レディリー「言うなぁああああああ!」ンーッ


セブン(幼女のキス顔……だと?)ゴクリ


機械人形「!」サッ

熱膨張はハッタリで上手くいったのは運が良かっただけって地の文で書かれてるんですが?

レディリー「いいか、絶対に離すなよ」ジタバタ

機械人形「」グッ

レディリー「絶対の絶対だぞ」ジタバタ

機械人形「」ググッ


セブン「身体は嫌がっているぞ」


レディリー「死ね、変態日本人」ジタバタジタバタ

機械人形「」グググッ

セブン「いいのか? 俺が解かなければいつかは――」

レディリー「ふん、お前程度の魔術、小一時間もすれば切れるに決まってるだろう」ジタバタジタバタ

セブン「それもそうか」

レディリー「だが、そうだな。仕方ない。お前の魔術がどれほどの効果があるのか試してやろう」ジタバタ

セブン「え?」



機械人形「」パッ



レディリー「あくまで実験のためなんだからな!」ダダダッギューッ

セブン「そ、そうか……」

いったんここまで!

>>293 熱膨張の話は昨日まで整備してた銃がほこりで詰まって撃てないとか、焼き魚の焦げが原因でガンになるとか、0%じゃない話だしそこまで言うなってことだと思ってた。

>>1のssのレベルが低いのは認めますので、そういきり立たずに生ぬるい目でそっ閉じしてください。

では! 次からはアウラと上条さんのターン!


あれは熱膨張で銃のパーツが動作不良を起こすかどうかの賭けが上手くいったというニュアンスだろ?
熱膨張の否定も、あれがハッタリというのも何処にも書いてないんだよなぁ…



御坂の即死確実なはずの高圧電流を喰らった生身の上条さんが謎理論で死ななかったり、地球のベクトルを利用して自転砲を作り出せたり、
その自転砲の日本を吹き飛ばしかねないエネルギーを傷一つつかずに打ち消すビルが存在したりするのが禁書世界なんだぜ?
ましてや魔術とか異能とかのロマン要素が色々あるんだ、原作の設定からして果てしない魅力と整合性の無さが同居しているのは事実

現実との矛盾どうこう言うんじゃなくて、原作の設定との矛盾を指摘されてるんだから
ただ大目に見てくださいっていうならまだしも、原作が矛盾だらけの作品なんだからっていう主張はいただけないわ
ssの内容に関係なく、こういう奴は応援できない

俺の書き方が心無いものだったのは謝るけど、まさかこんな反応示してくるとは思わなかった

もう、カミやんそげぶからのイン……何とかさん助けて
アウラ&アリサと禁則事項してくれよ(・∀・)ニヤニヤ

>>298 >>296>>297が指摘してくれてる通り、原作の整合性のなさから拡大解釈誇大妄想するのが魅力の一つだと捉える人もいるので、原作との矛盾が気になるなら鼻で笑ってればいいと思います。

>>299 いや、ごめん、>>1の方が心なかったかも全然気にしてないし。ちょっとノートパソコン地面に叩きつけて蹴り飛ばしたくらいだし。目の前の川に飛び込んで壊れた一方通行の真似してただけだし。

>>300 もっと早くそうするべきでした。

つづきー

上条「………」

アウラ「………」トボトボ

上条「………あの」

アウラ「………っ!?」ビクッ///

上条「あ、え、いや、何でもないっ」

アウラ「あ、う、うんっ///」

上条「………」

アウラ「………」トボトボ



二人((死ぬほど気まずい!!))



上条「………」ウズウズ

上条(どうしても気になることが一つ……)


セブン『この魔術は身体が求めていることを実行するだけだ! お前などに心は……心はっ』クッ


上条(身体が心に勝つ魔術っていうなら……)

アウラ「………な、なに?///」




上条(発言って心と身体が一致しないと出ないよなー)


アウラ『当麻君、ちゅーーーーっ!』ンーッ///


上条「あ、アウラって意外と甘えん坊なんだな」


アウラ「………ぁ」プルプル///

上条「それよりも、ステイルの仲間はアリサとインデックスの所へ向かったんだよな!?」

アウラ「そ、そんなことより……」ズーン…

上条「急がないと、二人が……」

アウラ「……でも、それは大丈夫かと…」

上条「なんでだ!? あいつらはインデックスを殺そうと――」

アウラ「………そう…だよね…」

アウラ(もっと嫌な予感が……)

神裂「インデックス、はいあーんしてください」

イン「美味しいんだよっ!」ニコニコ

神裂「それはよかったです」ニコニコ

アリサ「………」


上条「なん……だこれ…」

上条(テーブルいっぱいに積み上げられた皿と、インデックスの目の前にある料理の山、そして……)


神裂「熱いからフーフーしてあげますね」フーフー

イン「優しいんだよ!」

神裂「はい、あーん」

イン「あーん」モグモグ


イン・神裂((幸せ!!))


上条「………」

上条「あんた……」

神裂「神裂火織です」

上条「神裂、インデックスを狙ってたんじゃねーのかよ……」

神裂「そ、それはそうですが、今は魔術に……」ナデナデ

イン「魔術なんだよとうまっ!」

上条「心と体の優先度が入れ替わる魔術らしいんだけど」

神裂「そうですか。それは仕方ありませんね。私はイギリス清教の人間、心をどれだけ鬼にしよう身体は正直に全ての人間を愛してしま―――」


上条「言葉って心……というか脳で出力しなければ出せないよな。声だけをあげるなら分かるけど」


神裂「……ぁ…」プルプル

上条「つまり、今の言動は魔術なんかじゃなく……



 あんた自身の行動なんだよ神裂火織」



神裂「にゃぁああああああああ///」カオマッカ

アウラ「にゃぁああああああああ///」カオマッカ

アウラ(ば、ばれてた! 当麻君とキスしたいのばれてた!!)ガンガンガン

上条「……元鉄壁の風紀委員長はほうっておくとして……」



上条「アンタ、心も身体もインデックスが好きなのに、なんであんなことをするんだよ!」



神裂「………」

イン「とうま……」

上条「あんたほど強い人間なら、どんな理由があるにせよ、もっと誰もが幸せになれる行動をとれたんじゃねーのかよ」

神裂「………っ」プルプル

上条「俺はただマンホールを潜って飛び出して殴るしかできねーけど、あんたら魔術師なら“世界を敵に回しても理想をつかみ取る”くらいの力があるんじゃねーのかよ!! 神裂!!」



神裂「……この…」プルプル



神裂「ドし「当麻君!! 言い過ぎだよ!!」

一同「「!?」」



アリサ「………」プクーッ




神裂「ど、ど……」プルプル

アリサ「女の子にはね、思い通りにいかない時だってあるんだよ!」

上条「い、いや、それはそうかもしれねーけど」

アリサ「さっきの神裂さんの顔、とっても幸せそうだった。それなのに……」ムーッ

上条「そ、その……」



アリサ「当麻君のことが好きだって素直に行動取れないアウラちゃんの身にもなってよ!!」



上条「え」

アウラ「」バタリ

イン「アウラが鼻血だしながら倒れたんだよーーーっ!」

アリサ「アウラちゃーーーーん!!」

神裂「……どしろうとが…」ボソリ


神裂「………」ニッコリ


アウラの部屋


上条「それじゃあ」

ステイル「今回の僕たちの行動の説明会を始めよう」ドカッ

上条「いたっ!? な、何するんだよステイル!」

ステイル「僕が気絶している間にこんなことになったのは全て君のせいだ上条当麻!」ゲシゲシ

神裂「おやめなさい!!」バンッ

二人「「はい」」

アリサ「……たぶん話聞いても分からないし、私はアウラちゃんの看病してるね」スクッ

上条「悪いな」

アリサ「ううん」ニコッ



アリサ(何で私、“上条君”とこんなに仲良いんだっけ……)





上条「つまり、脳の容量が記憶でいっぱいになるのが……たったの一年…?」ゴクリ

イン「びっくりなんだよ……」

ステイル「僕たちも実際に目にした時は言葉も出なかったさ。“昨日まで手をつないで歩いていた”少女が、僕を見て“私はあなたみたいにかっこいいお兄さんと知り合いだったんだね?”って聞いてくるんだ……」

上条「………」ジトーッ

イン「………」シラーッ

ステイル「ぬぁっ!? し、信じてないんだね!? 確かにあの時――」

神裂「ステイルの戯言はさておいて、記憶がなくなるというのは本当です」

ステイル「神裂!?」

神裂「だからこそ、私たちはインデックスに“容易く捨てられる、捨てたい記憶”だけを残すように努力を続けてきたのです」

イン「それが……殺し屋に追われるという設定なんだね……」

ステイル「愛し合う二人が追う者と追われる者に分かれるのは正直心が張り裂けそうだったよ」

上条「ネタばらしした途端露骨な愛情表現だな」

上条「……だけど、こんなまだ第一次性徴も始まってないような女の子がたった15%しか記憶容量がないなんて……」

イン「失礼なんだよ! 第二次性徴も始まってるんだよ!」ムンッ

ステイル「や、やめるんだインデックス! こんなトゲ頭を大人のおもちゃ代わりにしそうな男に色目を使うじゃない!」

イン「……その発想が変態なんだよ」ジトーッ

ステイル「」キュンッ///

神裂「しかし、インデックスがそれである以上、運命を嘆いても仕方ありません」

上条「………」

神裂「残り数日の間、どう過ごすのが最良か考えましょう」


上条・イン「「あ、あと数日!?」」


神裂「………」コクリ

イン「とうま、残り数日は恋人のように接してほしいんだよ」

ステイル「ぬぁ!?」

上条「へ?」

イン「恋人のように優しく、恋人のようにご飯を食べさせてくれて、恋人のようにご飯を食べさせてくれると嬉しいんだよ!」キラキラ

上条「……上条さんさっきのファミレス代で死にかけてますが……」ガクッ




アウラ「その必要はないです」ガチャッ




上条「アウラ!?」

イン「もう大丈夫なんだよ!?」

アウラ「………」チラッ///

上条「………///」

アウラ「………」

アウラ「当然当麻君も気づいていると思いますが、人間の脳はかなりの高機能多機能です」

上条「……へ?」

アウラ「確かに膨大な量の記憶を詰め込めばパンクする可能性もありますが、そもそも知識として詰め込む記憶と想い出として詰め込む記憶はカテゴリーが別です」

ステイル「つまり何が言いたいんだい?」




アウラ「つまり、そもそも10万3000冊程度で脳がパンクすることもないですし、カテゴリーの違う思い出をいくら詰め込もうと問題ありません」




神裂「」

ステイル「」

アウラ「もちろん当麻君みたいな聡明な方は分かっていたでしょうが」チラッ

上条「いやーよかったなインデックス! 助かるって!!」

イン「よかったんだよ!」

アウラ「………」

ステイル「……あのババアやりやがったな」ギリッ

神裂「あなたは昔から年上には厳しいですね」

ステイル「しかし、魔術で鎖をつながれてるとしたら、それを見つけないと……」

アウラ「その必要はないですね」

ステイル・神裂「「???」」




セブン「隊長……本当に俺が…?」




アウラ「ああ、お前が必要なんだクロウ7」

セブン「は、はいっ! 全力で頑張ります!!」

アウラ「ところで、……なぜここにオービット・ポータル社の社長が?」

レディリー「気にするな」

上条(オービット・ポータル社ってオリオン号の!? こんなゴスロリ美少女スク水社長が!?)

アウラ「当麻君?」ジーッ

上条「……な、何も思っていません…」ガクガク

ステイル「誰だろうと良いから、インデックスを解放してやってくれ!」

セブン「この子に魔術をかけたらいいのか?」

イン「……お願いするんだよ?」ジーッ

セブン「っ///」ドキッ



レディリー「セブン?」ジトーッ




セブン「な、何も思っておりません」

レディリー「ならよし」



一同(ど、どういう関係なんだ!?)

神裂「しかし、心と体の優先度を変えるだけの魔術でどうにかできるものでしょうか?」

アウラ「分かりません。ですが、魔術が身体を制御しているのであれば、魔術によってその優先度が反転する可能性も……」

レディリー(……それは無理だシャットアウラ。もしそうなら私は不老不死を抑圧できたはずなのだ)



セブン(ということは改良型の魔術なら……)



自動書記「なぜその程度の魔術で私を引きずり出せたのか疑問です」ゴゴゴゴゴ



一同「できた」ボーゼン

レディリー「くそっくそくそっ!」ゲシゲシ

自動書記「身体が口内に刻まれたルーンを攻撃したため、自動書記によって敵を攻撃したいのですが己が敵であるためどうすればいいのか思考しています」

一同((なんかかわいいな……))

自動書記「きめました。ムカつく術者を殺します」

セブン「ぬぁ!?」

レディリー「待てっ!! こいつに指示を出したのは私だ! 私を殺せ!!」

レディリー(多少誤差があるが、これで死ねる!!)

自動書記「………」

レディリー「さぁ!!」コウフンッ///




自動書記「ロリのくせに盛ってるので拒否します。術者を殺します」




レディリー「んなっ!?」

セブン「……大丈夫だレディリー」ポンポン

レディリー「え?」

レディリー(まさか、私が死ねるように……?)






セブン「俺は金髪美少女の方が興奮するから」ニッ





レディリー「は?」

セブン「うぉおおおおお!!」

自動書記「ドラゴンブレスによって迎撃します」

アウラ「アリサ!!」



アリサ「はいっ!!」~~~♪



自動書記「外部からの攻撃によって一時的にシャットダウンします」

セブン(しかし、どうすればこの子の呪縛を!?)



レディリー「い……いっけーーーーっ!!」



セブン「!! うぉおおおおおおっ!」




セブン「全ては秩序と恒久的な平和のために!!」バキィッ



自動書記「物理攻撃によって演算が狂いました。自爆モードに変更されます」

一同「「……え??」」

自動書記「それでは皆様、良い旅を祈っています」

一同「「!?」」

自動書記「………」

上条「な、何も……」

セブン「起きていない……」



自動書記「目の前の忌々しい術者の魔術によって、身体が爆発を拒否、どうすることもできません」



一同「「……ほっ」」



上条「あった、これだっ」パキィィィンッ


イン「」ドサッ

ステイル「やった……のか?」

神裂「みたいですね……」



セブン「……ふぅ」

レディリー「………」ツネッ

セブン「いたっ!?」

レディリー「……行くぞ、セブン」

セブン「いや、でも俺……」

レディリー「………行くぞ」

セブン「……はい」

いったんここまで! 
(この糞ssのためにあんなに必死になって疲れないんだろうか……)


レディリーとセブンの行く末まで書く気力が……。

>>324
どうした?顔真っ赤だぜ?
とりあえず>>1

顔真っ赤なのはどっちかっていうと>>1じゃ?
周りが言うならともかく、原作がそもそもガバガバなんだから文句言うなって自分で言ってる>>1は初めて見たわw

つかあれじゃね?無理に原作再構成しないで普通にイチャイチャ書いてれば良かったのに

>>325 熱膨張したんだよ。

>>326 初体験か……

>>327 どっちみちいちゃもんつけられたと思う。だから逆にこの道を進む(白目)

ちょっとだけ続きー



イン「それじゃあ、帰るんだよ!」

上条「ああ、元気でな」

イン「むー……」

上条「?」

イン「なんでもないんだよ!」


ステイル「さぁ、二人で愛の巣を造りにいこうか」サワサワ

イン「気持ち悪いんだよっ」ニコッ

ステイル「っ///」ゾクゾク

神裂「……上条当麻…よい名前です」

上条「は?」

神裂「い、いえっ/// ではまた会いましょう!」タタタッ///

上条「………は?」



 両魔術師は喉から手が出るほど願っていた少女の未来を手に入れ、少女は人として生きることを少しは許された。

 上条当麻は日常に戻り、シャットアウラはそれに寄り添う。

 レディリーは目先の失敗のことは忘れ、本計画に力を入れた。

 クロウ7はレディリーの部下として生きることを決意した。


 今回の事件は全て丸く収まった。






 ――――ように見えた。





アウラ「あれ? アリサは?」


 




 ―――どこ?


 分からない。



 私の名前はしゃ……あ……。



 思い出せない。


 ぴちゃぴちゃと水音が響く。


 服が雨水を吸収するたびに、身体から力が抜けていく。



 ―――なぜ?



 私は願った。



 目の前の幸せを、助けられる人全ての未来を。




 ―――誰?




 私の幸せを願うのは。




??「なンだァ? 一般人が入れないようにしてないのかよ」チッ




 


 禁書目録編 エピローグ


上条「それにしても……アウラが、ねぇ」ポリポリ

アウラ「う、うるさいっ///」

上条「まぁ……上条さんとしては…嬉しい、かな」ハハッ

アウラ「………///」

上条「昔の約束……」

アウラ「っ///」ビクッ


上条「あ、え、いや、昔の約束は別としてって言おうとしたんだ、うんっ」

アウラ「そ、そうだなっ、未成年の約束など法的な強制力はないだろうしなっ///」ハハハ

上条「……相変わらず鉄壁だなぁ」

アウラ「は、はぁ!?/// 私だってCくらいはっ///」

上条「……え?」

アウラ「はぇ!?」モミ…///

上条「いや、性格の話……だけど…」ポカーン

アウラ「………っ///」プルプル



―――バチコーンッ!!



上条「……痛い…」

アウラ「馬鹿当麻!!」

上条「え、今……」

アウラ「こ、今度はなんだ!?」

上条「俺のこと呼び捨てに……」

アウラ「………嫌…か?」モジモジ

上条「そんなことねーよ!!」アセアセ

アウラ「じゃあ……当麻…///」

上条「じゃあ上条さんも……セクウェンツィア…///」ポリポリ

アウラ「………」プルプル

上条「へ?」

アウラ「……貴様…」プルプル

上条「な、なんでしょう?」




アウラ「……それは名字だ」




上条「……ぁ…」

アウラ「やっぱり可愛いな」ボソッ///

上条「へ?」

アウラ「な、何でもないっ」アセアセ///




レディリー「鳴護アリサが……いない…」グリグリ

セブン「くっ/// な、何か問題があるのかっ!?///」ビクビクッ

レディリー「……いや、焦る必要はない」ゲシゲシ

セブン「っ!?」




レディリー「私が死ぬまで付き合ってもらうぞ、クロウ7」ギューッ




セブン「……ああ」

いったんここまで!


次章 対一方通行編


君は迫りくる絶望に耐えられるか!?


>>1乙シャットアウラ最高

>>1乙外部に負けず頑張ってください

やっと一方通行編か、二年待ったかいがあったぜ。

>>340->>342 ありがとう! やる気になったので続きいきます!!



 学園都市の表に出ることなく収束した事件の脇で、一人、悩み続ける少女がいた。


吹寄「………」


 吹寄制理は待っていた。

 何を?


吹寄「なんで……」



吹寄「何で電話をかけてこないのよ上条当麻ぁああああ!!」



次章 黒髪ロング対決



ダメだこいつ。今まで読んでたけどこれはないわ

吹寄の部屋

吹寄「……何で電話してこないの…」イライラ

吹寄(あれからもあの本は読み続けたのに。次のデートは完ぺきにこなせる自信があるのに)

吹寄「こうなったら、自分磨きのためにランニングするしかない!」ゴゴゴゴゴ

>>345 できればどういう気持ちでそのレスをしたか(苛立ちとか失望とか)教えてくれると嬉しいです!

公園

吹寄「………ん、あれは?」


上条「相変わらずの鉄壁だなぁ」

アウラ「は、はぁ!?/// 私だってCくらいは!?///」



吹寄(上条当麻と……誰?)


上条「……俺のこと呼び捨てに…」

アウラ「……嫌…か?」

上条「そ、そんなことねーよ!」

アウラ「……じゃあ、当麻///」

上条「………///」

吹寄(わ、私だって呼び捨てにしてるのに!!)

上条「じゃあ上条さんも、セクウェンツィア……///」

吹寄(ずるい! 私だって名前で呼んでほしいのに!)

アウラ「………」

上条「え? ど、どうした?」



アウラ「それは名字だ……」ハァ…



上条「……ぁ…」ハハ…

吹寄「………」ホッ

吹寄「ということで、二人に協力してもらいたいの」

土御門「カミやん……」

青ピ「最終防衛ラインまで突破したやて……」

吹寄「……できるわよね?」ゴゴゴゴゴ


土御門(カミやん、魔術師より厄介なもん敵に回したかもしれないにゃー)



いったんここまで! 荒らされたら読みづらい(ただでさえ読みづらい)ので帰ってこないかも?
では!!

独り芝居から熱膨張まで全てが魅力のこのスレへようこそ!(ただし本編に魅力はn)

ここまできたらさらに凄いことになるよ! 嘘だったら桜の木の下に埋めてくれて良いからね!


続きー



 とにかく落ち着こう。


 真夜中、上条当麻はエアコンが壊れているとはいえ、おおよそ一人暮らしとは思えない熱気と湿度に目を覚ました。

 そして、左右から感じるベタベタとしてそれでいて柔らかい感触に想像を膨らませる。


上条(ど、どちらから確認するべきか……)


 本当に感覚でしかないが、右側は肩あたりにとてつもなく大きくて柔らかい何かがある。重みもあり、それでいて熱も感じる。

 左側は右側の感触に比べ、やや軽いものの、左足を挟む何かが時折股間に触れて非常にまずい。上条は何度も深呼吸する。




 どちらを確認するにせよ、あまり良い未来を期待できなかったので、上条当麻は過去を想起することにする。


 そう、あれは半日前――、


青ピ「カミやん、飲み会せーへん?」


 エセ関西弁の誘いに、上条は首を横に振る。


上条「上条さんは忙しいんですよ(家でアウラが待ってるからな…)」

土御門「まーまー、たまには皆でワイワイやろうぜぃカミやん」


 どうやら土御門も噛んでいるらしく、肩を抱くその手の力はかなり強い。


上条「どうした、顔色悪い……けど?」


 二人は顔面蒼白でただ一点を見つめていた。

 ―――その先には、


吹寄「………」ゴゴゴゴゴ


 劣化鉄壁の委員長が仁王立ちでこちらを睨んでいたのだった。



土御門「まーまー、心配しなくていいにゃー」


 と、土御門はケータイを開き、上条当麻に画面を見せる。


上条「……分かりました。待っています。シャット……アウラぁ!?」


 あまりの衝撃に上条は飛び上がり、周囲の目を引いた。

 シャットアウラという言葉に反応したのか、吹寄の口角が片側ピクリと上がったが、彼は気づかない。


上条「どどど、どうして土御門が知ってるんだよ!?」

土御門「にゃー、お隣さんのよしみってやつだぜぃ」


 逃げ場はないようだ。

 上条は項垂れると、小声で「荒らすなよ」と告げる。

 青髪と金髪は天に拳を突き上げ、その二人に向かって吹寄は両拳を突き出す。


 ふと上条は思う。


上条(吹寄ってこんなに美人だったっけ……)


 教室の外では室外機がゴーゴーと音を立てていた。



 まるで上条当麻の安全を祈願する歌のようだった。





 上条家へ運び込まれる食材、酒、おもちゃ、そして酒。


上条「学園都市のどこにそんなもん売ってんだよ」


 上条のツッコミに土御門は照れながら、


土御門「いやー、これも人徳って奴にゃー」


 絶対に違う。

 そう思ったものの、土御門がまともじゃないのは前から知っていることなので、上条は食材に手を伸ばす。


 ネギ、白滝、卵、牛肉、じゃがいも、牛肉、プロテイン、ネギ、白菜、その他もろもろ。


上条「プロテイン……?」

吹寄「しょ、食後のデザートよっ///」


 顔を真っ赤にして弁明する吹寄だが、上条には頬を赤らめる理由も食後のデザートにプロテインを飲む理由も分からなかった。


青ピ「いやー、それにしてもシャットアウラちゃんってほんまキレイやねー」


 なれなれしく話しかける青ピに対して最も早く反応したのは意外にも、


吹寄「初対面の女子にそんな言い方しないっ」


 吹寄制理だった。


アウラ「あ……いや、私は大丈夫だ」


 仲間に変態がいたし、当麻も変態だから。

 そう言おうとして、やめる。


アウラ(なんだか身内の紹介みたいで恥ずかしいしな……)


 特に後半、上条のクラスメイト――つまり後の自分のクラスメイトに対して上条当麻は変態だからと説明することは、一歩間違えれば致命的な誤解を与えかねない。


 これが、もう少し恋愛経験豊富ならばわざと誤解を与えて牽制しただろうし、人生経験豊富ならば上手いこと説明して流せただろう。


 だが、シャットアウラはオリオン号の事件以来閉塞的な人間関係しか築いてこなかった結果、



アウラ「上条君で慣れてるから」



 と、意味不明な上に大誤解を与えてしまったのだった。




吹寄「なっ……な…」


 返す言葉が出ない吹寄。


青ピ「カミやん……お前というやつは…」


 拳に力を込める青髪ピアス。


土御門「あれー? いつもみたいに当麻って呼ばないのかにゃー?」


 火にガソリンを注ぐ土御門。


上条「そりゃ、他人の前で名前呼びなんて女の子には恥ずかしいでしょうよ」


 追い打ちをかける上条当麻。


吹寄「………」プルプル

吹寄(泣いちゃだめ……我慢…)プルプル


 今までどんな辛いことだって耐えてきたんだ。

 能力に対して才能がない時も耐えた。

 だから、今回だって耐えられる。

 何度か深呼吸をして落ち着いた吹寄に向かって、シャットアウラは笑顔で、



アウラ「これから先も、上条君と迷惑かけます」



 と、どうしてそのタイミングで言ったのか誰にも理解できない爆弾を吹寄制理に投下したのだった。

 アウラの言葉から吹寄がトイレに行くまで、おおよそ0.5秒だった。


いったんここまで!

こっからは楽しいすきやきの時間だよ!では!

ただいまー。

それでは、少しだけ続きー



 すき焼きが日本の文化で本当に良かったと思う。


 卵を溶きながらシャットアウラは講義を始めた。


アウラ「たとえば、卵なんかは日本じゃなきゃとても生卵で食べられない」

青ピ「ふぇええ!? そ、そうなんや!?」

土御門「たしかサルモネラ菌とか言うやつだにゃー」

アウラ「それに醤油のない地域も海外には多いので、砂糖やソースで代用されていたかもしれない」

上条「それはちょっと……」

吹寄(プロテインなら……)

アウラ「それに牛を食べてはいけない地域もあるから、ラクダや鳥や豚を代用していたかもしれないな」

青ピ「まぁ、そういうことで……」



一同「「ご先祖様ありがとう!」」



 楽しい食卓が始まる。


吹寄「当麻君、もう肉大丈夫みたいよ」ハイ

上条「お、サンキュー」

アウラ「………」プクーッ///

上条「うわ、うめー……上条さんこんないい肉久しぶりに食べた気がする……」

吹寄「当麻君さえよければ……また一緒に…しよう?」モジモジ

青ピ(がんばれっ!)

土御門(この二人がくっつけば、また酒とすき焼きが食えるにゃー!)

上条「いいの――「ほうま」グイッ

吹寄「え?」

青ピ「」

土御門「」




アウラ「のほはわいははろ(のど渇いただろ)?」チュッ




上条「んんっ!?」ビクッ///

吹寄「」

アウラ「んくっんくっ///」ポタポタ

上条「んぐっんぐっ……」ゴクゴク///

上条(こ、これはお酒!? しかもアウラの口から!?)コンラン///

吹寄「や、やめ……」プルプル

青ピ(これは見ごたえありますやん)ワクワク

土御門(もちろん録画だにゃー!)ジーッ



アウラ「………///」ジュプッ

上条「!?(し、舌!?)」ハムッ///

アウラ「んっ……ぷは…」ポーッ

上条「……はぁはぁ…///」

吹寄「と……とぅまくん…」プルプル



アウラ「舌を噛むなんて卑怯だぞ当麻///」ハァハァ



吹寄「し、舌……」フラッ

青ピ「合掌」

土御門「しょせん噛ませ犬だにゃー……」ヤレヤレ

アウラ「……はう…///」ポーッ

上条「か、完全に出来上がってる……」

土御門「あちゃー、それ炭酸だにゃー」

青ピ「実は焼酎とかより炭酸入りのサワーとかの方が頭は酔いやすかったりするんやでカミやん!」

上条「どこ情報だよ」ジトーッ

青ピ「もちろん、ボク情報や!」エヘンッ

上条「し、信用できねぇ……」

アウラ「……ねぇ当麻///」スッ

上条「!?(ひ、膝の上に転んだ)!?」

アウラ「……私…ね……むい…」zzz

上条「ね、寝た……」

吹寄「……あれ?」

青ピ「やっと起きた。すき焼き残してるでー」

吹寄「う、うん……ありがと…」

土御門「オレらは適当に飲んでるから、食べたら一緒に飲もうにゃー」

吹寄「……当麻君は?」

青ピ「ああ、シャットアウラちゃんを寝かしつけたら戻ってくるでー」

吹寄「!!」イラッ

青ピ「あ、思い出した」

土御門「はい、お酒」

吹寄「………」ドボボボボッ

青ピ(ぷ、プロテインを混ぜた!?)

吹寄「んぐっんぐっ!」ゴクゴク

土御門(梅酒一気飲みだと!?)



吹寄「ぷっはぁーーーっ/// さぁて、すき焼き食べるわよー」ワーイ///



青ピ「目、目がイっとるんやけど……」

土御門「気にしたら負けだぜぃ……」

アウラ「むにゃむにゃ……」

上条「むにゃむにゃって……」

上条(可愛いけど、絶対起きてるだろ……///)

アウラ「当麻ぁ……す、すす……」///

上条「寝てる人間がどもったりするかよ」ペシッ

アウラ「………すぅすぅ///」

上条「すぅすぅ言ったりもしねーよ」ペシッ

アウラ「……いじわる…///」ジーッ

上条「酔ってますねー」

アウラ「酔ってない」

上条「はいはい」

アウラ「酔ってないもん!」プクーッ

上条「アウラって酔うと可愛いんだな」ナデナデ

アウラ「アウラちゃん! もしくはシャっちゃん!」プーッ///

上条「はいはい、アウラちゃんは可愛いねー」ナデナデ



アウラ「………えへへ///」テレテレ



上条(マジで幼馴染がかわいすぎるんですが……)

いったんここまで!

吹寄の処遇についてあえて安価。

1、上条ハーレムの形成
2、アウラちゃん一筋

もちろん参考にもしないけど安価↓1~5くらいの多数決でー

乙です、1上条ハーレムに一票
吹寄「上条、白身と黄身どっちが好き?」
上条「黄身かな?」吹寄「もう一度」
上条「黄身(君)かな」吹寄「私も君(黄身)が好き」

>>374 まーったく参考にしないんだからねっ!

少しだけ続きー

アウラ「………」スゥスゥ

上条「やっと寝たか……」ナデナデペタペタ

アウラ「………ふふっ///」クシクシ

上条(寝顔可愛い……)

上条「さて、あっちに戻りますか……」ヨット






青ピ「zzz」グテー

土御門「」グッタリ

吹寄「あーーー、ろうらやっろきらー!」エヘヘ///

上条「」

上条(目がほとんど開いてないですよ吹寄さーーーんっ)

上条「だ、大丈夫か?」

吹寄「らいろーる///」

上条「ちょっと水の――え?」グイッ


吹寄「ろーらろみるちょーらい///」チュッ


上条「!?」

吹寄「んっんっ……」トローン///

上条「んーーーっ///」レロッ



吹寄「ぷはーーーっ、プロテイン飲んれろーらー」ガバッ

上条「ごふっ、ごばっ、じ、じぬっ」ドボボボボッ

上条(こ、粉に水分を奪われる!?)

上条「ごほっ、ごほごほっ」

吹寄「プロテインちょーらいっ」チューッ///

上条「んーっ!?(さらに水分奪われるーーっ!?)」

吹寄「………」ポーッ

上条(あーこれ死ぬかも……)


 上条当麻は悟った。

 己の人生の終着点を。

 今後何千という出会い、何万という喜び、新たな世界、見知らぬ土地、それらすべてを奪う吹寄制理の一撃【キス】。



上条(こ、こんなところで死ねないっ!)


 それは、奇跡――いや、上条当麻が恥も常識も理性も捨てた渾身の反撃。

 吹寄制理をこの世界に引き戻すための一撃【右手】。



上条(いいぜ吹寄制理――)

上条(お前が酒に溺れ、理性を失い、本当の自分を取り戻せないっていうなら! 相手が窒息しそうなくらい苦しんでいるのも分からないくらい自我を失っているというのなら!)

上条(まずはっ!)グッ

吹寄「………」チュプチュプ



上条(その幻想【泥酔】をぶち殺す!!)グイッ



―――モミッ!!



吹寄「んっ///」ビクッ

上条(で、でかい!? それに柔らかいっ!?)モミモミ

吹寄「ら、めぇ!!」パッ///

上条「ぶはっ……はぁはぁ…死ぬかと……思った…」ハァハァ

吹寄「かみじょぉ……とぉまぁ///」グイッ

上条「うわっ!?」



 吹寄の猛攻【キス】は止まらない。



上条「はぁはぁ」グッタリ///

吹寄「」


吹寄(途中から理性は戻っていたのに……止められなかった…)ハァハァ


上条「だ、大丈夫か吹寄」ナデナデ

吹寄「っ///」ズキューンッ

吹寄(あ、あんなことしたのに優しいっ///)ドキドキ

上条「なぁ、あのさ……」

吹寄「う、うんっ///」



上条「俺みたいなのとキスして……つらかっただろ?」ナデナデ



吹寄「……は?」

上条「上条さんみたいな冴えないレベル0より、もっとイケメンで高レベルのやつとキスしたかっただろうに……」クッ

吹寄「………」プルプル

上条(やばいっ、マジで気にしてた!?)

上条「で、でも気にする必要はないぞ。上条さんは男だけど、モテないしのーかう――」

吹寄「………」チュッ///

上条(……え…)

吹寄「……馬鹿…///」ウルウル

上条「ご……めんなさい…」ドキドキ



青ピ(うわー、すごいもん見てもーたわー)

土御門(こりゃあカミやんの未来は地獄以上だにゃー)



ベランダ

神裂「ゆ、許せません!」バキッ


 その頃―――。



レディリー「クロウ7。あなたに仕事をあげよう」

セブン「ああ、いつでもいける」

レディリー「しかし、おそらく一人では勝てないだろうな」

セブン「そうなのか?」


レディリー「学園都市第一位レベル5の一方通行」


セブン「!?」ピクッ

レディリー「魔術側に来たとはいえ、やはり彼の存在というのは巨大なようだな」

セブン「そりゃあな。あれは人間なんてとっくの昔に超越した化物だ」

レディリー「化物……ね」

セブン「……?」

レディリー「クロウ7。あなたに命じます」

セブン「………」



レディリー「レベル5一方通行を殺しなさい」




セブン「……分かった」ザッ

レディリー(殺して……そして、私を…)

今日はここまで!

すき焼き編はもう少し続きます!!では!

くそつまんねえけど、やる気があるのはわかった!!!
本気でボロクソに荒らしてやるから、頑張れ!
くそつまんねえ!!wwwwww

つまんねえ上に自演とか本当に救いようがないわ
さっさとこんなスレ落とせ

吹寄さんアウラとビジュアル被るからアウラちゃん一筋がいいかなーって

》1さん乙です、吹寄が可愛い神裂が切れたなヽ(`Д´)ノ

>>384 本気でボロクソに荒らすならどうして宣言したのか
相手が乗り気で書いてる時に邪魔をして始めて効果があるだろうに、これ見てまじめに書く奴なんてバカだろ。。。

>>385ネタをネタだと見抜けないような人は……

>>386>>387 ありがとうございます。でも上記の馬場芳朗によってこのスレは荒らされるらしいんで、期待せず待っててください。



続きー

上条「あ、あのぉ……吹寄さん?」

吹寄「らめ……、制理って呼んで」ガバッ///

上条(し、死ぬ……なんて力…)

吹寄「知ってるんだから……当麻君が公園でいちゃついてたの!」ギューッ///

上条(ね……寝技…!?)



吹寄「当麻君はアウラさんのこと好きなの?」ジーッ

上条「あ、え、いや……それは…」



青ピ(正念場やでカミやん!)

土御門(録音しておくにゃー!)カチッ



上条「か、上条さんは……」



吹寄「………」

上条「上条さんは……」

青ピ「………」ゴクリ

土御門「………」ジーッ



アウラ「……のど…かわい――」



上条「上条さんはシャットアウラ=セクウェンツィアのことを愛してますぅうううううう!!」

吹寄「」

青ピ「おー」パチパチパチ

土御門「成長したにゃー、カミやん!」パチパチパチ

アウラ「ぇ……え…?」


アウラ(あいし……え?)カァ///


上条「でも……」

吹寄「」

ネタだと分かってても酷い
原作を馬鹿にしたことや自演したことは事実な訳で

つまんね

上条「でも……制理も可愛いし、こんな駄目な上条さんのこと色々と面倒見てくれたし……良いところいっぱい知ってるし…」

吹寄「………」ポロポロ///

上条「上条さんは、制理も正直愛してます」キリッ

吹寄「ふぇ/// と、当麻君///」ギューッ

アウラ「………」モゾモゾ///


青ピ(シャットアウラちゃんがどう反応していいか分からずに芋虫のようにカミやんに近づいてはる!)

土御門(嬉しい半面二股された気分で表情が崩れてるにゃー)


アウラ「………」ピトッ

上条「え……あ、アウラ!?」

吹寄「アウラさん……」

アウラ「……きだ…」ボソッ

上条「え?」



アウラ「好きだ当麻!!」カァ///



上条「アウラ……」ウルウル




青ピ「これはあれやな」ヨイショ

土御門「邪魔しちゃ悪いにゃー」ヨイショ


二人「「じゃあなカミやん。これは餞別」つコンドーム


>>391>>393 もうなんていうかね……、それを書き込んでた時の君らの顔を見たいよ……
知らないんだろうなトイレの便器にへばりついたガムの硬さとか、骨が歪んでいく音とか
これ以上は深入りしない方がいい、闇の俺が現れないうちに……

        ____
        /     \
     /   ⌒  ⌒ \   何言ってんだこいつ
   /    (●)  (●) \
    |   、" ゙)(__人__)"  )    ___________
   \      。` ⌒゚:j´ ,/ j゙~~| | |             |
__/          \  |__| | |             |
| | /   ,              \n||  | |             |
| | /   /         r.  ( こ) | |             |
| | | ⌒ ーnnn        |\ (⊆ソ .|_|___________|
 ̄ \__、("二) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l二二l二二  _|_|__|_

アウラ「………」zzz

吹寄「………」zzz

上条(そして今にいたる……か)

上条「うーん、全て酒のせいにして忘れたい……」ハァ…

上条(ていうか、酒と汗とすきやきの臭いで部屋がやばいことに……)スッ



――ぷにぷに。



上条「!?!?!?」

上条(起き上ろうとしたら、ダブル…いやフォースおっぱいによって拘束された!?)


 それは初めての感覚だった。

 いや、正確にはかつてむさぼるように求め続けた感覚の二乗。

 おっぱい×おっぱい=無限大。


 時折当たる突起物のようなものは、服のしわなのかそれとも……。


上条「………」ゴクリ///


 気づいたら、上条の性器は自分でも驚くほど勃起していた。



上条「いやいや、上条さんは学生ですよ。そんな責任もとれな――」


吹寄「zzz」サワサワ

上条「ほえっ!?」ビクッ

アウラ「zzz」カミカミ

上条(お、起きてるんですかぁああ!?)

吹寄「zzz」ニギニギ

吹寄の夢(わぁ、筋トレグッズがいっぱいだァ///)

上条(ふぉ、ふぉぉおお!?)ビクビクッ///

アウラ「zzz」ハムハム

アウラ(当麻のプリン美味しい!///)



上条「し、死ぬ……」




 上条当麻は選択を迫られていた。

 欲望に勝つか、それとも……。


 二人が動くたびに鼻孔を刺激する女の匂いは、上条の性欲を掻き立てる。

 両腕に触れる柔らかい感触は、両手で形が崩れるほど揉みたい衝動に駆られる。

 吹寄の手は想像より小さく、他人の手によって触れられた性器は驚くほど敏感で気を抜いたら射精してしまいそうだ。

 アウラの甘噛みはだんだんと首筋から口に近づいてくる。上条の左足を挟みこんだ彼女の両足の付け根が濡れているように思えるのは、自分が童貞だからだろうか。上条の妄想は膨らんでいく。


上条「こ、これ以上はまずい……」


 ズボンからむき出しになった性器は、吹寄の手の動きに合わせてビクビクと脈動し、いつでも欲望を解放できると本能に訴えかけていた。


 だが、それならいっそどちらかの膣内で射精するべきなのでは、と本能は理性に訴えかける。


 理性は理性で倫理的に人道的に学生的に――という話ではなく、“どちらに放てば、もう一方にも放てるのか”という皮算用が猛烈な勢いで繰り広げられた。



 上条当麻が我慢の限界を迎えかけた時、奇跡的にも吹寄制理は目覚めた。


吹寄(トイレ行きたい……)


 飲酒後特有の強烈な尿意。

 一歩でも動けば破裂してしまいそうな膀胱に吹寄は今の今まで自分が起こしていた行動を気にもとめなかった。

 同時に、あろうことか寝起きで思考がまとまらず、酔いも残っていたので、



安価下1~5多数決


1、ここでトイレを始めたのである
2、ここで下着を脱いだのである


1008Σ[n=1~∞](n^5)/(e^(2πn)-1)

乙です、2だな》1さん頑張れ応援してるよ。
また俺の息子が熱膨張した、(/ω\)ハズカシーィ
でも制理たんKWEEEEEEEEE流石俺の嫁( *`ω´)

>>403おまwwwそれ式間違ってんだろっwww

1008Σ[n=1~∞](n^5)/(e^(2おっπn)-1)


       / ̄ ̄ ̄ ̄\.   | [書き込む] 名前:[鉄壁の変態] E-mail[   ]   |
       /;;::       ::;ヽ   | ┌―――――――――――――――― |
      |;;:: ィ●ァ  ィ●ァ::;;|.  |.|>>403おまwwそれ式間違ってんだろっww|
      |;;::        ::;;|. |.|1008Σ[n=1~∞](n^5)/(e^(2おっπn)-1) |

      |;;::   c{ っ  ::;;|   | |                              |
       |;;::  __  ::;;;|   \                      /
       ヽ;;::  ー  ::;;/      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 カチャ     \;;::  ::;;/        _____________
   カチャ    |;;::  ::;;|          | |                  |
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   |,、,、,、,、           ,、,、,、,、l  | |                  |
   〈 l l l l            l l l l 〉 |_|_____________|
   [二二二二二二二二二二二二]      _|_|___|_



2でいきます。

続きは夜中になるかと。。。

》406、アリサなら俺の横に居る(・∀・)ニヤニヤ

上条「!?」ビクッ

上条(な、なんで脱ぎだしてんでしょうか制理さん……)ムラムラ


 上条当麻の脳内は、途中やめにされた下半身の影響で性の権化と言っても過言ではなかった。

 そのうえ、吹寄制理がもぞもぞと下半身を動かし、あろうことかズボンとパンツを上条の顔の上に置いたのである。


上条「はぐっ!?」スーーーーッ


 呼吸の全てを匂いの判別に費やしたのは、思春期の男子高校生なら当然と言える結果であった。

 実際、そう良い匂いがした訳ではないが、シチュエーションとパンツの湿気、そして何より生の太ももが性器に触れたこともあって――、


上条「くっ……つっ…」ビクンビクンッ


 吹寄の白い太ももに、性欲をぶちまけたのだった。




吹寄(……あれ、なんかついてる…)


 寝起き、思考を妨げる尿意、適度な空腹(+すき焼きの香り)、二日酔いの頭痛、


 全てが重なった結果、吹寄制理は太ももに付着したドロリとした液体を、


吹寄(卵がついてる……)ペロペロ


 指ですくって食べたのだった。


上条「」

吹寄(変な味……苦い…)


 口の中で味を確かめることに限界を感じた吹寄は、とりあえず舌を外に出した。


上条「!?」ドキッ///


 ねちゃり。

 上唇と下唇から舌の上にかけて橋を渡すように繋がった精液。

 嗅ぎなれた臭いも、吹寄の口から発せられるシチュエーションに上条は再び、


上条(し、したい……)


 興奮を抑えきれなくなったのである。



 一方で吹寄の思考は少しだけ動き出す。

 同時に、この下半身の疼きが尿意であることを思い出した。


吹寄(うぅ……トイレ行かなきゃ…)モゾモゾ


 太ももの卵がどうして苦かったのかは後に回すとして、今はトイレに行くことが最優先事項、下半身に力を込めて漏らさないように立ち上がろうとした。


――しかし、その願いが叶うことはなく、


上条「制理」ギュッ

吹寄「ぇ?」ビクッ


 思考が尿意でいっぱいだったので、抱きつかれて初めて上条当麻の存在を思い出す。


吹寄(な、何で!? だきつか!? え!? なんで私はだ――)


 そして、思い出す。


吹寄(……自分で脱いだかも…)ガーン


 後悔が先に立つことはなく。

ごめんちゃい、離れます!

次回、『尿意バトル!』



吹寄「と、とうまくん……」モゾモゾ

上条「俺……もう…」ハムッ

吹寄「ひゃっ!?」ゾクッ



 上条の舌が首筋を這った瞬間、体中の力が抜けた。吹寄は涙目で、



吹寄「だ……めかも……」グググッ



 上条を引き離そうとするが、男女の力量差以前に吹寄の意識は股間に集中しているため徒労に終わる。



 ―――ちろ。



吹寄「っっっ!?///」ギューッ

吹寄(で、でたの!?///)ギューーーーッ



 尿道を締めるために全身に力を込める。

 が、それはいわば上条を受け入れるという意思の表れにもとられ、



上条「制理!!」ガバッ



 上条当麻の暴走を助長する形となった。



吹寄「だ……かっ…らぁ///」ウルウル

上条「っ!?」ドキッ///

上条(涙目吹寄様可愛すぎるだろ!?)ドキドキドキ


 上条の頭の中は一つの欲望でいっぱいだった。


上条(あ、あそこがみたいっ!)


 童貞なら誰しもが願う夢。

 好きな人(吹寄制理)の秘所を目にすること。


 だが、それは可能なのか。


 一つ、恥ずかしいところを見せてもらえるのか。

 一つ、薄暗い中で見れるのか。

 一つ、……アウラは起きないのか。


 思考に思考を重ね、上条当麻が出した結論は、


上条「………」チュッ///

吹寄「!?///」ビクッ


 吹寄制理の性欲を引き出すことだった。


どこまでいく?


1、最後まで!
2、童貞はアウラ(もしくはそれ以外)に!


安価↓1

了解!!

>>1の好みの順に生きます!

上条「制理……」スーッ

制理「ひゃっぅ……///」クネクネ


 上条が舌を動かすたびに、吹寄がブドウの実を吸い出すように口をすぼめた。

 ずるんっ、と上条の舌が彼女の口内に侵入した時、吹寄は恍惚の表情で身をよじらせ、甘い吐息を漏らした。


上条「すげぇ……可愛い…」ナデナデ

制理(そ、そんなことしちゃだめぇ!?)チロチロ


 こうなったら手で性器を押さえつけるしかない。彼女は思い切り両手を股間に持っていく。

 
 ――ぬるり。


吹寄(こ、こんなに漏れてたのっ!?)カァ///


 もちろん吹寄も性行為は未体験であるし、自身で慰めたこともないため、そこに含まれるぬるりとした感触が何なのか分からなかった。

 だからこそ、吹寄は焦った。

 “大量の水分が溢れ出るのではないかと”


上条「胸、触ってもいいか……?」


 上条の問いに彼女は迷う。

 本当は触らせてあげたい。いや、“触ってほしい”。


 だが、これ以上の刺激は耐えられない。


 でも、それでも良いかと思うほどに、彼女の決意を鈍らせた。


上条「………」チラッ///


 オドオドとする上条当麻がこれほどに愛おしいとは。



吹寄「……………ぃぃょ…」モジモジ///


 駄目だ。

 私はもしかしたら変態かもしれない。

 上条当麻に触れてほしい。そしてそれ以上に愛してほしい。

 恥ずかしいところも見てほしい。

 恥ずかしい私を見て、少し困った顔して、でも苦笑いしながら大丈夫って頭をなでてほしい。



上条「……触る、ぞ」フニッ


吹寄「んんっ///」ビクッ



 全身を貫く快感と、それ以上に押し寄せる尿意の波。



吹寄(や、やっぱだめぇ///)

吹寄「ご、ごめん当麻君っ/// 実はおし―――」



 ――ちょろり。



吹寄「っっっ!?」ビクビクッ///

上条「ど、どうした!?」アセアセ

吹寄「も、もれた……かも///」

上条「も、漏れたって……」

吹寄「だ、だめかも……」ジワッ

上条「わわ、これ使って!」ヌギヌギ

吹寄(と、当麻君のズボンにおしっこを!?)コンラン///

上条(渡すふりしてズボンに手を入れてみたり……///)ドキドキ


吹寄「……んっ/// くっ、ふぅん///」ジワァァァッ///


上条「………///」


 上条当麻は興奮した。

 手を包む温かいもの。

 それが、自分が今から欲望のはけ口にしようとしている吹寄制理の性器から放たれたものなのだ。


吹寄「………ぇ!?」ドキッ

吹寄(……ズボンの中に…当麻君の手!?)カァ///


 ぎゅっと閉じる吹寄の太ももに挟まれ、上条の手は身動きをとれなくなる。


吹寄「だ、だめだめ/// 早く収まってぇ///」ジワァァァッ


 上条当麻は思う。

 自分は少し変態なのではないか、と。




 

今日はここまで!

吹寄編いつまで続くのやら!では!

香ばしい>>1がいると聞いてwwwwwwwww

>>427君の期待には答えられただろうか。。。

エロシーンを書くと長引いて一人相手にするだけで一スレ消費しそう……

続きー



吹寄「で……ちゃった…」ア…ハハ……


 恥ずかしさと開放感の入り乱れた複雑な顔は、上条当麻の性的欲求を刺激する。

 自分の意志とは関係なく下腹部がどんどん相手に向かい、性器が相手の太ももに触れて横にずれた。


吹寄(あ……必死な顔…)


 上条当麻は、いや童貞なら大抵そうであるが、不意なセックスのチャンスに対して「入れてもいいか」と聞ける者は少ない。

 多くの場合は、向こうから誘ってくれるのを待つか、偶然を装って入れようとするのだが、そのほとんどは相手にばれているのである。


上条「………」イソイソ


 吹寄は思う。

 今自分が上条当麻を受け入れることは、シャットアウラを出し抜くことになるのではないかと。

 まじめが取り柄の彼女は、その行為を卑怯だと思い、躊躇してしまうのだった。



―――ぬぷんっ。



 突然の感覚。


吹寄「っ!?」ビクッ


 下腹部を走り抜ける痛みと衝撃。


吹寄(まさか……はい…った?)ハァハァ

上条「………」ニマーッ



 実際、処女膜というものには個人差がある。血が出る者もいれば全く痛みを感じない者もいる。


 吹寄制理がどのパターンだったのかは証明できないが、


上条「っ……///」ズプッズプッ

吹寄「んっ……くっぁっ///」ギューッ


 どっち視点で行く?


1、上条
2、吹寄
3、アウラ


安価下1

くっさ視点でいきます!



 上条当麻と吹寄制理が初体験を繰り広げている中、この場を支配していたのは二人ではない。

 もちろん、気絶するように眠るシャットアウラでもない。


 そう、臭いだ。


 元々部屋にはすき焼きの残りの臭い、酒の臭い、汗のにおいなど様々な異臭が存在していた。

 さらに湿度も高く、エアコンも効いていないので、臭いは混ざり続ける一方だ。



 そこに加わったのは、そう―――吹寄制理の尿だ。



吹寄「んっ/// ぁっ///」ピチャンピチャンッ



 


 吹寄制理が初体験だというのに快感を覚える理由は一つ、


 臭い、フェロモンと呼ぶべき存在だろうか。それが、彼女の思考を停滞させていたからだ。


 人は考えることをやめた時、身体の感覚も同時に鈍らせる。


 本来だったら痛みで泣き叫んでいるところだったが、臭いによって彼女は上条当麻を受け入れることができた。



 ―――ならば快感を感じているのはなぜ。



 その理由も臭いにある。



 

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