多分早めに完結します。
書き溜めはしてないです。
訓練の後の唯一の楽しみ、食事時間。
その時間に僕は声を張り上げた。
「真のヒロインは僕、アルミン・アルレルトだよ!!!!」
突然の大声に静まり返る部屋。
まあ当然だろう。
「ア、アルミン何を言ってるの?」
真っ先に口を開いたのはミカサ・アッカーマンだった。
「? 聞こえなかったの?真のヒロインは僕だって言ったんだけど…」
「あなたの言ったことは聞こえた。意味を知りたい。返事によっては肉を削ぐことも厭わない…」
初めて見るような、鬼気迫る顔持ちだった。
「……ミカサはさぁ、ヒロインって感じじゃないじゃん」
「っ!」
そこに置いてあったナイフを手に取り、僕へと近寄ってくる。
少し怖じ気づくが、続けて話す。
「いつも口から出るのは『エレンエレン』ばっかり。ストーカーか、って感じだよね」
僕の言葉に少しばかりショックを受けたのだろうか?
歩みが遅くなる。
「それに腹筋割れすぎ。女らしくないよね。エレンが誉めてるって?それは純粋な憧れからだよ」
ミカサは完全に歩みを止めた。
「ストーカーで可愛げが無いアスペとかどうしようもないね。ヒロイン失格だよミカサ」
僕の言葉を聞いたミカサはその場に倒れた。
「次は、アニ・レオンハート。君だよ」
「なんだい、今のよりキツいのでも言うつもりかい?」
「どうだろうね」
「言うなら早く言ってくれ、食事に集中したいんでね」
「じゃあ遠慮なく……」
アニの目はこちらを見据えていた。
ーーーーーー戦士の目だ。
「まず、見た目に関してはミカサと違って非の打ち所はないよ」
「…そりゃあどうも」
彼女の表情が少し緩む。
「でも、言動に関して言えばミカサより酷い」
こう言うと予想通り、元の表情に戻ってしまった。
「まず近接格闘強過ぎ。男の威厳が丸潰れだよ。夫より強い妻なんて誰も欲しがらないよ?」
「…っ!」
脅すようにこちらを睨むアニ。
ここでやめる僕ではない。
「それにアニ、君の言葉は冷たすぎる。まったく愛を感じられない。」
「近接格闘の達人故に、男の立場をなくし、愛のない言葉で責める。最低だね」
気付いたときにはアニはシチューに顔を突っ込んで気絶していた。
「次は、ミーナ」
「な、なにかな?」
不安の表情を浮かべながら僕へ質問する
「チンコ頭だから失格」
「えぇっ!?」
気にしてもいなかったことを指摘されたようで、驚いていた。
少し可哀想だが、気にしている場合ではない。
「ユミル、ブス」
「サシャ、くさそう」
「ハンナ、ブス」
足早に僕はそう言う。
サシャは食事に集中していて、こちらの発言に気が付いていなかった。
ハンナはフランツと静かにイチャついていた。
フランツの趣味は理解出来そうにない。
ユミルは……こちらへ殴りかかろうとしていたが、クリスタがそれを制止していた。
「次は……クリスタなんだけど、非の打ち所が全くないんだよね」
これを聞くとユミルは大人しくなった。
良かった。ホントに怖かったんだよねユミル。
少し身構えていたクリスタだったが、僕の言葉を聞くと安心したのか、ニコニコしながらこちらを見て少し話した。
「えっ……あ、ありがとねアルミン」
何の曇りもない、例えるなら女神のような笑顔を振りまく。
「容姿満点、言動満点、悪いところが見つからないよ」
僕がそう言うとユミルが言う。
「なら、なんで『真のヒロインは僕だ』なんて言い出しやがるんだ?」
「それは、今から説明するよ」
「自分で言うのも何だけど、容姿、言動に関しては幼なじみ補正を加味してもクリスタと互角くらいだろう」
「差別化を図るに至ったポイントは性別、そして既成事実だよ」
「……アルミン。どういうことなの?」
いつの間にか目を覚ましたミカサが問う。
「男同士にしか分からないことだってある。それは揺るぎない真実。それは認める?」
「悔しいけどそれは認める。私が聞きたいのはそこではない」
今にも飛びかかってきそうな気迫を纏い、威圧感を添えた言葉を飛ばす。
「訓練兵団に入る1年前から昨日まで、毎日のようにエレンとしてるよ?」
「毎晩毎晩すごい量を出すから大変なんだよね…」
またミカサが倒れる。
僕たち104期訓練兵団のヒーローは間違いなくエレンであろう。
ジャン以外は悔しがりつつも認めるだろう。
僕はそのヒーローの恋人なのだから、真のヒロインは僕だ。
という事を一人、沈黙の中で語り続ける。
話すうちに肛門が疼くが、それを抑えていると一人の男が静寂を破る。
エレン・イェーガーだ。
「お、おい!それは秘密にするって約束したろ!……ちょっと外に来いよ」
有無をいわさずに僕を外へと連れ出す。
「お前の話を聞いてたらその……勃起しちゃってな。頼むよアルミン」
「任せてエレン」
エレンの『ソレ』を口で慰める。
途中、エレンが僕の乳首を撫でるので、つい喘ぎ声を漏らす。
行為に及び始めてから3分くらい経っただろうか?
この至福の時は長くは続かなかった。
「………削ぐ」
目の前に立っていたのはブレードを持ったミカサだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日、訓練兵団にはミカサ・アッカーマン、アルミン・アルレルトの姿はなかった。
さらに翌日、エレン・イェーガーは自ら開拓地へ行くことを志願した、と噂を残して彼も姿を消した。
これを期に、104期訓練兵団は勢いを失い誰一人として卒団まで漕ぎ着けたものは居なかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「!…はぁ……」
悪い夢を見ていた気がする。とてつもなく嫌な夢。
寝ぼけて上手く動かない頭が、心地よい眠気を払い、下腹部の違和感を伝える。
パンパンパンパンパン
聞き慣れぬ音もした。下腹部の方からである。
目を開け、その方向を見ると………
で
「アルミン……はぁっ……いいよ……射精そうだよ」
エレンが僕の腰をつかみ、自分の腰を振っていた。
この状況を理解するのにそう時間は要さなかった。
僕とエレンはアナルセックスをしているのである。
なんて声をかけようか?そもそも声をかけるべきなのか?
いろいろな考えを巡らせて、一言僕は発する。
>>18
やっぱりずれてた
. で
射精るに補完しといて下さい
「エレェン……僕もイきそう…一緒に、イこ?…あぁん……」
エレンは驚きの表情を浮かべたが、腰を休める様子はなく、むしろ加速していた。
「イくぞアルミンっ……」
「僕も……あぁっ!」
そこからはあまり覚えてない。部屋は換気されていて、昨日寝た時のままの状態だった。
あれは夢だったのかな?
夢にしろ、現実にしろ今の僕はとても満たされている。
ーーーーーーー好きな人と結ばれたのだから。
完
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