男「戦乙女、か」 (4)

男「おじいちゃん、おじいちゃん!」

祖父「なんじゃ?」

男「また戦乙女のお話をしてよ!」

祖父「またかいの。ほんにお前は戦乙女のお話が好きじゃなぁ」

男「いいから早くぅ!」

祖父「よい子はもう寝る時間じゃぞ」

男「お話聞いたら寝るから!ね、お願い!」

祖父「……仕方ないのう」

男「やった!」

祖父「どれ、話してやるから布団をかぶりなさい」

男「うん!」

祖父「……それは、いつからのことからじゃったろうか」

祖父「時代が移り変わる際には、必ず英雄が現れる」

祖父「竜を倒した者、国を治めて王となった者、魔王を倒した者……」

祖父「そういった英雄が現れた際に必ず天から戦乙女……ヴァルキリーが現れる」

男「…………」ワクワク

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祖父「そうした英雄達を戦乙女は、冥界の悪魔達と戦う天界の神々の兵として天界へと誘うのじゃよ」

祖父「……英雄達は今もなお天界で死闘を繰り広げておる、らしいの」

男「……いいなぁー。かっこいい」

祖父「ほっほっほっ」

男「僕も英雄になれるかな?」

祖父「さーて、どうじゃろうな。戦乙女に選ばれた英雄は数えるほどしかおらんからの。多分無理じゃろ」

男「そんな言い方ひどいよ!」

祖父「ほっほっほっ。まあそれだけ難しいということじゃ」

男「うー……」

祖父「さて、満足したかの?」

男「ええ!?まだちょっとしか話してないじゃん!」

祖父「年をとると夜起きているのがつらくてのう。また明日じゃよ」

男「えぇー……」

祖父「そんな風に頬を膨らませてもだめじゃ。爺はもう眠いからの」

男「ちぇー……」

祖父「まったく……子供は素直に言うことを聞かんといかんぞ?」

男「わかったよーっだ!」

祖父「やれやれ……。ところでな?」

男「なに?」

祖父「なんでお前さんは戦乙女の伝説が好きなんじゃ?」

男「……えーっとね」

祖父「なんじゃ、話してみい」

男「……笑わない?」

祖父「それはどうじゃろうな?」

男「……なら話さない」

祖父「ほれほれ。そんなこと言わずに爺にだけ言ってみい」

男「……戦乙女が現れれば、英雄だって神様からも認められたってことでしょう?」

祖父「まあ、そうなるな」

男「……そうしたら、もう僕は馬鹿にされたりされないよね?」

祖父「…………」

男「……お父さんのことで嫌われなくても、済むでしょ?」

祖父「……儂の育て方が間違ってのかの。お前は何も悪くないというのに」

今夜はおしまい。のんびり即興亀更新です。おやすみなさい

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