ライナー「千秋楽」(55)
※一応ライナー「春場所」というssの続編です
食堂
エレン「……」
アルミン「……エレン」
エレン「……アルミン」
アルミン「何してるの……」
エレン「……消しゴムに落書き」
アルミン「……なんて」
エレン「イグアナ…」
アルミン「……そう」
ベルトルト「……やあ」
アルミン「ベルトルト…」
エレン「……」
ベルトルト「…この間は応援ありがとう」
アルミン「うん… よく生きてたね」
ベルトルト「……かなり際どかったよ」
アルミン「……しっかり狙ったから」
エレン「……」
アルミン「……なんで裸に廻し締めてうろついてるの」
ベルトルト「実はこれから試合があるんだ…」
アルミン「…へぇ」
ベルトルト「…外人力士が来てね とても強いんだ」
エレン「……」
ベルトルト「……よかったら、見に来てくれ」
アルミン「……次は外さないよ」
ベルトルト「……うん」
エレン「……頑張れよ」
ベルトルト「……ありがとう」
アルミン「……」
壁上
ジャン「……」
サシャ「……」
エレン「…よう」
ジャン「…エレン、アルミン」
アルミン「二人もベルトルトに…」
サシャ「…そうです」
エレン「……凄い数の観客だな」
ジャン「あいつ、色んな奴に声かけてたからな…」
アルミン「……調査兵団だ」
サシャ「…駐屯兵団の指令も居ますよ」
エレン「大砲の準備してるな……」
ジャン「……まあな」
アルミン「チャンスだから……」
エレン「何の?」
アルミン「…いや 巨人を殲滅する…とか」
エレン「……ああ」
サシャ「……外人力士ってあれですか」
エレン「……猿」
ジャン「猿だな…」
アルミン「……外人」
サシャ「……」
エレン「……でかい猿だな」
ジャン「ああ…」
サシャ「…どこから連れて来たんですかね」
アルミン「さあ…?」
ジャン「……森?」
サシャ「森……」
エレン「………山?」
アルミン「……」
エレン「子猿とかいるだろうな…」
ジャン「……」
サシャ「……」
ジャン「…おっ 行司」
サシャ「あの巨人… ユミルですね…」
アルミン「ルール理解してるかな…」
エレン「…本持ってるな」
サシャ「……入門 相撲ガイド」
ジャン「…多分駄目だ」
アルミン「……」
ジャン「……ユミルが猿に廻しを渡したな」
エレン「……あの猿『?』って顔してるぞ」
サシャ「ユミルが必死に教えてますよ…」
エレン「……まだ『?』って顔だな」
ジャン「猿だしな……」
サシャ「…教え方が悪いんじゃないですか」
アルミン「……なんで頭に廻し巻いてるの?」
サシャ「鉢巻みたいですね……」
エレン「……猿 得意げだ」
ジャン「……ああ」
アルミン「……ユミルも諦めたね」
ジャン「……あいつ」
サシャ「根気がないですね……」
エレン「…別にいいだろ 猿も喜んでるし…」
アルミン「……おおらかだね」
サシャ「…ふふっ エレンは心が広いです…」
エレン「……よせよ お前ら」
サシャ「…ユミルが団扇振り回してます」
ジャン「始まるみたいだな…」
サシャ「……さっきから何してるんですか?」
ジャン「猿が3m級を抱いて…頭を触ってるな」
アルミン「……毛繕い?」
サシャ「毛繕い……」
エレン「小猿だと思ってんだ……」
サシャ「……3m級は泣き叫んでますよ」
ジャン「……ああ」
エレン「森に帰りたいんだ……」
アルミン「……エレン 泣かないで」
サシャ「優しいんですね……」
ジャン「………馬鹿じゃねーの」
エレン「今何て言った?」
アルミン「……やめなよ 二人とも」
サシャ「……あっ」
アルミン「猿が巨人を放した…」
ジャン「仲間の元へ走っていくな…」
エレン「…ユミルが団扇を上げたぞ」
ジャン「……猿の勝ちか」
アルミン「まぁ …そうだろうね」
エレン「何で?」
アルミン「…その 体格差…とか」
エレン「……ああ」
ジャン「…さっきの巨人 他の巨人に慰められてるな」
エレン「……良い奴らばっかじゃねーか」
アルミン「……そうだね」
サシャ「ええ……」
ジャン「……ライナー」
サシャ「ライナーですか…」
アルミン「……今日も凛々しい顔してるね」
エレン「…ふふ」
アルミン「…エレン」
サシャ「……今日もきつく締まってますね」
ジャン「こないだ廻しを洗濯してたからな」
アルミン「…あー さらに縮んだんだ」
ジャン「ああ… 今日もぷりっぷり… ん」
アルミン「…どうしたの」
ジャン「……いや あれ」
エレン「ふ… ふふ」
アルミン「玉が片方… はみ出してる」
サシャ「……」
ジャン「収まんなかったか…」
エレン「ふふ ふふふ…」
アルミン「……四股踏むね」
ジャン「片足上げて… 玉が…」
エレン「……やめろよ」
ジャン「……ぶらっぶらしてる」
エレン「おい おいジャン ふふふ…」
ジャン「…ぶらっぶら」
エレン「ふは… ふふふふふ」
サシャ「ふふふ」
アルミン「ははは」
ジャン「へへ…」
サシャ「……ライナー 転げ回ってますよ」
ジャン「…目に入ったか」
アルミン「…思いっきり猿に塩ぶつけられたからね」
エレン「ふふ ふふふふ」
ジャン「…ユミル、注意しないんだな」
サシャ「……あの猿、今度は食べてますよ」
アルミン「うん…」
ジャン「……凄く怒ってるな」
アルミン「しょっぱかったんだね……」
サシャ「……ライナーは何とか巨人化しましたけど」
アルミン「ヨロヨロだ…」
ジャン「……ユミルが団扇振り回し始めたな」
アルミン「…始まるね」
サシャ「あー… ああ…」
アルミン「……廻し掴まれて 凄い勢いで振り回されるよ」
ジャン「あの猿、めちゃくちゃ怒ってるな…」
サシャ「……何かの技じゃないんですか」
ジャン「……なんだろ」
アルミン「ジャイアントスイング……?」
ジャン「……相撲にはないだろ」
エレン「ふふふ…」
ジャン「……まだ笑ってんのか」
エレン「……いや ふふ」
ジャン「……凄い勢いで玉が」
エレン「ふふふ ジャン ふふふふ」
サシャ「ふふっ」
アルミン「ははは」
ジャン「へへ…」
サシャ「ふふ……あ 廻しが」
アルミン「とれたね…」
サシャ「反動でライナーは場外…」
ジャン「猿の勝ちか……」
サシャ「……ライナーがうなじから出てきましたね」
アルミン「……全裸」
ジャン「全裸だな……」
サシャ「…廻しとれちゃいましたからね」
エレン「ふふふふ…」
アルミン「……でも凛々しい顔してるね」
ジャン「ああ… 顔つきだけは横綱級だ」
エレン「ふふ ふは…ふふふふ」
サシャ「……次はアニですかね」
ジャン「アニもルールうろ覚えだったよな…」
サシャ「……相撲の本読んでる所見ましたよ」
アルミン「……モンゴル相撲の本じゃなかった?」
サシャ「……あっ アニ」
ジャン「………なんだあの格好」
サシャ「タンクトップ着てますけど… 下は赤いパンツ…」
ジャン「とんがった帽子……」
アルミン「…完全にモンゴル相撲だ」
ジャン「見事に間違えてるな…」
エレン「……似合ってるな」
アルミン「……まぁ」
サシャ「えぇ… はい」
アルミン「……あ 巨人になった」
ジャン「…ユミルが団扇振ってますね」
アルミン「始めるんだ…」
サシャ「……なんですか あの踊り」
ジャン「……さあ?」
アルミン「……両手を広げて …なんだろ」
エレン「威嚇……?」
ジャン「多分アニの本に載ってたんだろうが…」
エレン「ずっと踊ってるな……」
アルミン「……ユミルは?」
サシャ「必死に本で調べてます……」
ジャン「……日本相撲の本に載ってる訳ないだろ」
エレン「結構さまになってるな…」
アルミン「……上手いとは思う」
サシャ「……」
ジャン「猿も踊りだしたぞ…」
アルミン「……うん」
エレン「……楽しそうだな」
サシャ「ええ……」
アルミン「……アニ 土俵から出てない?」
サシャ「……出てます」
ジャン「普通に出てるな……」
エレン「…お ユミルが団扇上げた」
サシャ「猿の勝ちですか……」
エレン「……あの猿本当に強いんだな」
アルミン「……まぁ うん」
サシャ「……」
ジャン「……アニが巨人から出てきたな」
サシャ「ユミルに抗議してますね……」
アルミン「……モンゴル相撲には土俵ないから」
エレン「……ああ」
サシャ「それで……」
ジャン「……ユミル 焦ってるな」
アルミン「一夜漬けだから……」
サシャ「……駄目ですね」
エレン「………アニ 変な格好」
アルミン「……」
サシャ「……」
サシャ「……出てきましたね」
アルミン「ベルトルト…」
ジャン「…ついに綱とり戦か」
エレン「いい顔してるな…」
アルミン「体格からは何の威厳も出てないけど…」
サシャ「ええ… まるで枯れ木です」
ジャン「表情だけはいつ見ても一丁前だ……」
エレン「…でも、しっかりとあの猿を見据えてるぞ」
サシャ「勇気はあるみたいですね…」
アルミン「……巨人になれば勝てるからでしょ」
サシャ「……」
ジャン「…四股か」
アルミン「前回より足上がってないね…」
サシャ「ええ…」
エレン「本当にいい表情だ…」
ジャン「…次いで塵手水だな」
アルミン「…様になってないね」
ジャン「イラッとするな…」
エレン「あー… 泣き叫んでるぞ」
ジャン「塵手水してる最中に摘み上げられたからな…」
サシャ「……猿、なんで怒りだしたんですかね」
ジャン「また塩食ってたぞ……」
アルミン「…あれが横綱?」
ジャン「あんなもんだろ…」
エレン「……ベルトルトだしな」
サシャ「……反則じゃないんですか」
エレン「何が?」
サシャ「……いえ 土俵に入る前に攻撃して」
エレン「……ああ」
ジャン「……ユミルは止めないのか」
アルミン「本で調べてる……」
ジャン「……あいつ」
サシャ「またですか…」
アルミン「……ライナー達が助けに来たね」
サシャ「ライナー…」
ジャン「…まだ全裸か」
エレン「……ユミル 座布団投げつけられてるな」
サシャ「……えぇ」
ジャン「……ようやく団扇上げたか」
アルミン「猿の反則負け…」
ジャン「まぁ猿だしな……」
サシャ「……猿は?」
アルミン「……暴れたままだ」
サシャ「ああ… あー…」
アルミン「ライナーも捕まった…」
ジャン「……ふふ エレン」
エレン「……なんだよ」
ジャン「あれ……」
エレン「……ふふ ふふふ」
アルミン「……揺れまくってるね」
サシャ「ええ… 猿に揺すぶられて」
エレン「ふ ふは ふふふふ」
ジャン「……アメリカンクラッカー」
エレン「ふふふ 馬鹿 ジャン ふふふふふ」
サシャ「ふふ…」
アルミン「ははは」
ジャン「へへ…」
ジャン「へへへ… …あ」
サシャ「……ユミル 逃げ出しましたね」
アルミン「……うん」
エレン「……クソ行司だな」
アルミン「……他の巨人たちも …蹴散らされてるね」
サシャ「どうするんですか…これ」
ジャン「……アニは?」
アルミン「踊ってる……」
サシャ「……ベルトルト 何か叫んでますよ」
ジャン「た… た…」
エレン「……たくあん?」
アルミン「たくあん……」
サシャ「……たくあん」
エレン「……ふぁぁぁぁぁぁ」
サシャ「…エレン あくびなんかしちゃって」
アルミン「涙出てますよ…」
エレン「……サシャ よせよ」
アルミン「…ふふっ」
サシャ「あははっ…」
ジャン「…へへ」
アルミン「……そろそろ良いんじゃないかな」
ジャン「ああ… 行司もいねぇしな」
アルミン「猿も大暴れしてるしね…」
サシャ「……エレン どうですか?」
エレン「……んー いいよ」
リヴァイ「エルヴィン いいって」
エルヴィン「うん わかった いいよ」
ピクシス「了解」
ドォォォン!!
ドォォォン!!
ドォォォン!!
おわり
以上です
前回はベルトルト「雨の中」というssを書いたので、読んでもらえると嬉しいです
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