サキュバス「どうしたら師匠を私の物にできるんでしょう」 (25)


チュンチュン

サキュバス「師匠ー、朝ですよー、起きてくださーい」

男「………」グゥ

サキュ「……師匠ー、起きて下さーい、朝ご飯、冷めちゃいますよー」

男「………」グゥ…スゥ…

サキュ「……はやく起きないと、襲っちゃいますよー」ボソボソ

男「」ガバッ

男「ふぁあ……ふぅ、もう朝か」

男「お、いい匂いだな。今朝は卵焼きか?」

サキュ「ちっ」

サキュ「ええ。菜園の子達が新鮮な卵を生んでくれたので、作ってみました」

男「そうか。生みたての卵もお前の料理も美味いからな、楽しみだ」

男「いただきます」

サキュ「いただきまーす」

男「ん、いい焼き加減だ。とれたての野菜もみずみずしくて美味い」

サキュ「そうですか?それなら良かったです」

サキュ「ところで、今日ってこの後特に予定はないですよね?」


男「……まぁそうだな、納品用の麻酔薬はおととい調合し終わったし、

  クマ退治やらの依頼も特にない」

男「街に行くほど在庫が足りない物も無いし……それなりに暇、かもな」

サキュ「わかりました!じゃあ食後の腹ごなしに―――!」


男「久々に稽古でもするか。余り動かないと体もなまるし」

サキュ「んなっ」

男「お前もやるか?」

サキュ「……くぅっ!」

サキュ「いいですっ!私は頭脳派なのでっ!師匠は一人で男くさい汗でもなんでも流して下さい!」プイッ


男「えーと、木刀どこにやったかな……あーあったあった」

サキュ「………」

サキュ「……菜園の草むしり、してきます」

男「そうか、悪いな。いつも助かってるぞ」

サキュ「師匠のスルースキルは無駄に高すぎますっ!」


男「はっ……はっ……」ブンッ ブンッ

男「……ふぅ、今日はこのぐらいにしとくか」

サキュ「はいどうぞ、師匠。お水です」

男「お、悪いな」ゴクッゴクッ

男「ぷはっ……あぁ、よく冷えてる」


サキュ「タオルです」

男「いたせり尽くせりだな」ゴシゴシ

サキュ「お着替えです。お手伝いしますね」サッ

男「さて、汗もかいたし、着替えて部屋で本でも読むか」クルッ

サキュ「………」

サキュ「………」

サキュ「……あ、ちょうちょ」


男「……ああ、もうこんな時間か」

男「買い込んだ本を読んでたらすっかり暗くなっちまった」

サキュ「お風呂、沸いてますよ、師匠」ヒョコッ

男「おお、サンキュ……って」

男「……なんでタオル一枚なんだ」


サキュ「ふふふ……さしもの師匠も、この状況をスルーは出来なかったようですね!」

サキュ「さぁ師匠!一緒にお風呂に入りましょう!」

男「断る……っていうか、寒くないのか、その恰好?」

サキュ「寒いです!すごく!」

男「実はバカだろう、お前……」


サキュ「ううう……師匠、どうしてそんなに冷たいんですか?」

サキュ「私はこんなに受け入れる準備はできてるのに……」シクシク

男「お前が変な事をするからだ」

男「そもそも、旅先でお前を拾ってからもう五年……」

男「俺にとって、お前は娘みたいなもんなんだよ」

男「お前がサキュバスだろうが何だろうが、そういうことをする気はないの」

サキュ「……じゃあどうして、一緒にお風呂に入ってくれなくなったんですか?」

男「」ギクッ

百合かと思ったのに…


サキュ「小さい頃は、師匠と背中の流しっこしたりしてたのに……」

サキュ「二年前くらいからですよね?『お前ももういい年だから、風呂くらい一人で入れ』って……」

男「なんだよ、別になにもおかしくないだろ?」

男「風呂に一人で入らせるぐらい、親離れの一環として誰だってやってるだろう」

サキュ「本当ですかぁー?本当は私の発育が思ったより良くて、我慢できなくなりそうだったから

    自重した、とかだったりしません?」


男「……さ、お前もいい加減風呂入れ、さっさとしないと風邪引くぞ」

サキュ「あー!また話そらしたー!」

サキュ「もう、いつもそうやって都合が悪くなると……っ、くしゅん!」

男「……あ」

サキュ「……あ」ブルッ






男「……どうだ?熱は下がったか?」

サキュ「はい……昨日より、少しは……」

サキュ「でも、まだやっぱり喉がいがいがします……けほっけほっ」

男「ほら、無理すんな……粥作ってきてやるよ、葱と卵でいいか?」

サキュ「ありがとうございます、師匠……」

>>12 それも考えた


サキュ「……えへへ。なんだかこうしてると、昔を思い出しますね」

男「ああ……お前がこっちに来てから、丁度一年後くらいだったな」

男「菜園から逃げ出した鶏を追いかけて、雨に降られたんだっけか?」

サキュ「ええ、鶏を見つけたのはいいけど、帰り道がわからなくなって……
    雨まで降り出して、不安で泣きそうになっていた所に、師匠が来てくれたんです」


サキュ「カッコ良かったなぁ、あの時の師匠……見つかった瞬間、すごい剣幕で怒られて……」

サキュ「でもすぐに、『無事で良かった』って私を抱きしめてくれたんです」

サキュ「あぁ、この人は、本気で私の事を心配してくれたんだなぁ……と思ったら、
    涙が止まらなくなっちゃいました」

男「あの時は、お前がいつまでも無き止まないわ、帰ったら帰ったで熱が出てるわ、大変だったなぁ」

サキュ「師匠は、いつも私の事を助けてくれますよね。あの時も、最初の時も」

サキュ「やっぱり師匠は、私の王子様です」

男「んなガラじゃねーよ、俺は」


サキュ「あぁ……私、ずっとこのままでもいいかも」

男「いきなり何言ってんだ」

サキュ「だって元気になったら、師匠、こんなに優しくしてくれないでしょう?」

男「俺はいつだって優しいぞ、お前が変な寝言を言わなければな」

サキュ「それは私の本心じゃありませんから。師匠に、嘘は吐きたくありません」

男「あぁそうかい。ほれ、粥作るから待ってろ。寝てもいいぞ」


サキュ「えへへ。……師匠、大好きです」

男「へいへい」

サキュ「ずっとずーっと、いちばん、大好きです」

男「わかったわかった。いつまでも熱にうかされてないで、さっさと治しちまえ」


サキュ「もう、師匠、ったら……」コテン

サキュ「………」スゥ…

男「………」

男「……俺もだよ、アホ弟子め」ナデナデ

じゃああと2レスだけ……

普通に続くけど、区切り的に明日で
眠いし






サキュ「完 全 復 活 です!!」

男「ふぁあ……朝から元気だな、もう風邪はいいのか?」

サキュ「ええ!師匠の愛のこもった看病のおかげです♪」

男「ま、師弟愛ぐらいなら込めてやらんこともない」

サキュ「おおっ!デレ期!ついにデレ期到来ですか!?」

サキュ「いやー治った後から幸先いいですねー!なんだか今日は良い日な気がします♪」


男「本っ当に元気だなお前は……」

男「……今日の朝飯は?」

サキュ「青菜のおひたしと、お魚の切り身と、昨日の卵の残りで作った卵のとき汁です」

男「ん、美味そうだ」

サキュ「はい!……師匠のお粥も、美味しかったです!」

男「ん」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月03日 (火) 19:24:30   ID: W-QQ5MlK

よいぞ

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