【安価】艦隊これくしょん オーバーワールド (100)

・・・ここは、どこだ?


視界一面に広がる海

天頂には太陽、雲ひとつ無し

体に圧し掛かるは重力


―――白昼夢でも見ているのか、俺は

思い起こすのは悪夢そのものとの死戦。
火力、装甲、機動性のすべてにおいて比例するものなき白い悪夢。
不可思議な空間で起きた悪夢との戦いは全て幻だったのか?

だが嘘ではないことを"相棒"が証明をする。
「粒子残量は・・・余裕がある」
機体チェック。
本体損傷に関しては稼動に影響があるダメージは見当たらず。
兵装のピストルは紛失。シールドは正常稼動、ミサイルはまだ残っている、ライフルとサーベルはまだ有る。
が、ライフルは前の戦いの使用により数秒程度の照射が精一杯で、

「まともに使えるのはこれだけか」

後部スラスターに申し訳程度に設置されたサーベル二本で戦うのはスナイパーのやることではない。

「――何にせよ状態はわかった。次に状況を把握しないとな」
センサーは周辺に友軍、敵いずれの反応も示さない。
位置座標を確認しようとするが自軍の情報衛星とのリンクが確立しない。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401060341

つまり今は完全な迷子状態だ。

――遮蔽物だ、孤島でも岩礁でもいい、まず背中を隠せ。
落ち着きのない体の震えを従って、本能が発する衝動に従う。

幸い前方にはいくつもの島で出来た諸島が見える。禿山ではなく緑の森が茂っているので
隠れるにはもってこいである。

↓レスコンマ

>>3
コンマ21

――状況がつかめないのが結論
それが機体を森の中に隠してから3時間を消費して得た成果である。

樹高は決して高くは無い森の中、カモフラージュネットで化粧をされた機体の足元に彼はいる。
手に持ったハンディパソコンで得た情報は要領を得ないものばかりだ。


まず天体観測による逆算にて算出された位置座標は南シナ海の南沙諸島を示している。

彼は戦闘直前までいた地球周回軌道から、地球へと移動していたのだ。
たしかに意識は僅かだが途切れていたのだから何かが起きても気づかない。
だが、わずか数十秒たらずで宇宙から地球へ、パイロットに気づかれずにという条件付きで出来ることではない。

味方への通信は全てが失敗に終わっている。
自軍所有の通信衛星へのデータリンクは未だ成功していない。最初は電波妨害によるものかと思ったがそうではない。
通信衛星は元より衛星を介した通信自体が作動していないようだ。
更に問題なのは軍事、非軍事を問わず電波による通信のほうは明らかに妨害を受けていたことだ。
受信は出来たのだが内容はノイズがきつく、ほとんど聞き取れないものばかりだ。

目も耳も完全に潰されている――
味方から完全に途絶されていることに気づくのはそう遅くはなかった。


どうする?

自問自答が続く
このまま待つか、動くか、それとも――


下レスコンマ

1~45>待つ
46~90>動く
91~00>???

ほい

反応早くて嬉しい。ゲームが捗らないというオチがあるけどな!

>>5
コンマ21>待つ



・・・・・・今は待つべきだ。

こちら全滅したわけではない。
味方、母艦ともにダメージは受けてはいた。
しかしトドメを刺された白い悪夢が再び眠りについたのを一緒に見届けたのは間違いないのだ。
ならば何らかの形で探索が始まっているはずだ。
見捨てられたという考えはまず無く、必ず探してくれるということを信じられるのは幸せであった。


となれば後は自身と機体のコンディションを保つことだ。
味方の探索のシグナルを確実につかみとるためにも。


まず水に関しては、海水を専用のろ過機にかけた後で検知器を通すことで安全なことを確認・・・問題なく確保できた。
食料に関してはレーションが三日分あるので半分節約することで六日は持たせられるはずだ。
隠れ蓑にしている島は外周を歩いて十数分で回りきれる広さだ。
食用になるものは見つからなかったが、危険な動植物は未だ見当たらない。

となるとあとはこちらが取るべきアクションとしては――



下レス安価
1>海路を探し出し、そこを通る船舶を待ち構える。
2>緊急用のビーコンを起動させ、味方が来ることをひたすら待つ。

2

>>7
2>緊急用のビーコンを起動させ、味方が来ることをひたすら待つ。


ビーコンは無事に作動した。
暗号化された通信であり、艦隊旗艦のメインコンピューターでなければ解読はかなりの時間がかかるシロモノだ。
さすがに絶対安全というわけではなく、発信元をその気になってサーチされれば発見はされる。
だがそれでも数日は要するはずであり、その間に味方が迎えさえ出してくれればあとはどうにかなる。
万一先にこちらのシグナルを不特定組織によって察知された場合は残念だが、場所を移動せざるを得ない。


下レスコンマ
1~90・・・!?!?
91~00・・・まさかの遭遇(キャラ安価を行います)

てい

>>9
コンマ57


――シグナル発信から12時間経過。
パイロット用に支給された多目的腕時計は03:00を示している。


二度目の浅い眠りから覚めたのは偶然ではない。
腕時計は、機体の電子機器類から異常を示すアラートを受信したことを赤い光でもって彼の顔を照らす。

手元においてある短銃を手につかむ。
昼間に設置したカーキ色の仮設テントの入り口から、視線と銃の射線が平行性を保ちつつ周辺を撫でる。
アラートの内容―強力な電波障害と微かな人工的な振動の感知――を反芻しつつ取るべき対応を羅列する。

民間人・・・ノー。この島はデータバンクに登録されている航路からは外れている。
不幸な漂流者という可能性は捨てられないが、電波障害の理由にならない。

MS・・・これもノー。こそこそとやる必要性が無い。隠密状態からの一撃、もしくは拿捕を目的とするなら
程度を超えたジャミングは居場所を知らせるだけの愚策だ。

となると後は味方か、それとも・・・。


意を決する。

音を忍ばせて外へと出る。今日は満月のようだ、その月光によりテントから先に見える海岸付近の砂浜の
視界はクリアである。逆に海岸からはこちらは暗闇一色であり、ポジションはこちらが有利だ。

視線を少しずつ泳がせること数秒・・・見つけた。
海から何かが――這い上がってくる、というよりははじき出されるように砂浜に押し付けられる人影である。

砂浜に打ち上げられてから十数秒、観察を続けるが動きは見えない。

彼はその正体を見極める為にゆっくりと近づいていった。


下レスコンマ
1~30>自由安価にて再安価
31~60>・・・残念だが
61~90>・・・息がある
91~00>おおっと!?

l

>>13
コンマ47

近づいた彼の目に映ったのはたしかに人影だった。

確認する必要はすでに無く、銃に込めた力も自然と抜ける。

「・・・・・・若いな」

アジア系なのだろうか、やや黄が混じった白い肌に濡れた黒髪は絶妙なコントラストを醸し出していた。
悲しいかな、無機物となった今ではなく命があるときにそれを確認できたのなら
軽い言葉の一つでもかけたくなる少女だった。


直接的な死因は下半身の喪失――傷や周辺の火傷跡から察するに爆発物が原因なのであろう。

少女の上半身に申し訳程度残った衣類に手をかざして探る――
・・・・・・身分を確認できるものを探したのだが、あいにくそれにつながるような物はなかった。
せめてと思い、彼は少女の顔を手で掬った海水で綺麗にした後、まぶたを閉じさせる。

そして死に顔のみを写真に撮る。後で行方不明者捜索のデータサイトに情報を匿名にて流すくらい
が彼の出来る精一杯の供養であった。



朝日を見る頃には砂浜に残るのは衣類の微かな切れ端と、後から流れてきた、わけのわからない鉄くずであった。


「――動こう」

そう呟いた彼の目にはうつむく"相棒"が無言の同意を示しているようだった。



下5まで質問タイム。
その後自由安価飛ばします。

機体及びそのパイロットは誰?
>>1を見るとロックオン(ニール)とデュナメスっぽいけど

ニールだったらハロに言及あるだろうしどうだろなぁ
かといってGジェネオリ勢でもスナイパー取れるような奴見当たらんし

>>16
パイロットはロックオン・ストラトスです。機体はデュナメス(001期)です。

>>17
ハロに関しては理由があります。今は出ないとだけ

他のG作品も出てくる予定?

これはモビルスーツが女の子になるの?

>>19
あります

>>20
本文で語ります。早くいければ今日にも

昨日、おふとんには勝てなかったよ発動しました・・・。

自由安価と言ったな?あれは嘘だ。指定安価です。
どちら方面へと向かうか?下1
安価終了後コンマ安価判定します。

①やや距離はあるが中国方面。道中被発見率が中程度。
②最寄のフィリピン方面。被発見率は低いが発展途上国のため不便。
③もっとも遠いが日本方面。道中被発見率中判定を二回。たどり着けさえすれば捗る。

南のインドネシア方面は向かう必要性が低い為排除。

「GNドライブ、クォーターからハーフへ」

「粒子貯蓄率80%を確保」

「各部動作率許容範囲内」

初期起動を行いつつ、先ほど決めたルートを振り返る。
距離、行程、警戒網の厳重さを優先事項として次に情報収集のしやすさを加味する。

南のインドネシア、その向こうのオーストラリア方面は移動するには距離がありすぎる。

最寄のフィリピンは身を隠す分には最適ではある。だが味方との合流を考えると、政情の不安定さと
通信面での融通が悪いことが問題となる。ただ逆に言えば身を隠すには最適ともいえる。

警戒網の薄さでいけば中国大陸である。あの広大な大陸を量ならともかく質でカバーリングを
することは海を飲み干すがごときだ。相棒の隠蔽能力ならたやすく侵入が出来るだろう。

「航法先はニホンだ」

相棒の航法システムに入力したのは極東にある列島、日本であった。



朝を迎えた頃に引き上げた鉄のような何かに、読み取れる文字を見つけたからだ。
読むことは出来なかったが、文字であるという見覚えがあった。

「相棒、読みとれるか?」

ハンディパソコンのカメラで文字を読み取ること数瞬・・・
モニターに表示された情報は昨日の現在位置情報に輪をかけて理解に及ばない内容であった。


相棒に積み込んである電装品は多種多様な機体が所属していた自軍内でもグレード分けをすれば
最高級品である。なぜなら部品の選別、実装を行ったのはかつて所属していた組織の保有するヴェーダだ。

ヴェーダは一言で言えば超性能を誇るコンピューターである。
AIではなく、あくまで演算処理が限界であるが、こと情報の収集・選別・解析という点では
比類するものは存在しないと断定できるシロモノである。

それスケールダウンしているものを相棒は搭載しているのだ。
戦闘に関するデータバンクを参照し、推論されるあらゆる可能性を導きだす。
そしてプログラムが、解読した文字を元にはじき出した予測は


――旧暦に存在した旧日本帝国軍所属の艦船、特型駆逐艦のⅠ型の装甲片ではないか、ということだった。

プログラムの推論の根拠は以下だ。

①装甲片の表面にある文字の形がデータバンクに登録されている艦船の写真とほぼ一致してること。
②集めきった鉄のような何かの一部形状が艦船の形と酷似している。
③ただし著しくサイズが異なること。


まさかの情報である。

日本――ユニオンに所属する経済特区だった記憶がある。
他に連邦軍内の一組織に協力するMS研究所があったはずだ。
ただ、経済特区としての強い影響力を保持する都合上、戦火に巻き込まれづらい国土のはずだ。

その国の艦船がどういう因果によって東南アジアに流れてきているのか。
供養した遺体の少女がアジア系であることも頭の片隅にある。



海面より高さ数m上を巡航速度で飛ぶ。
周囲には海面しか見当たらない。航路からも外れたルートだ。船との接触はまず無いだろう。


――相棒の巡航速度がおおよそ150キロ程度。キュウシュウを目指すとして直線距離2000キロ。
途中の警戒網、巡視艇やらを考えると2500キロに増えるとして

「見積もっておおよそ1日がかりってところか」

ただしこれはパイロットの自分の疲労を無視しての結果だ。
オートパイロットに任せてもいいのだが、さすがに無警戒で移動をし続けるのは無謀である。
となると台湾か沖縄あたりで一度休息を取ることを考えるべきか・・・?



下コンマ判定
1~33>休息が必要になる
34~95>順調である
95~00>おおっと

下コンマ判定訂正
1~33
34~95
96~00

どうかな
OOの日本といえば刹那が住んでいたマンション(隣人が沙慈)があったな

下コンマ判定
>>28 53

想像よりもスムーズだ。何度か警戒網は察知するがその都度粒子の散布で誤魔化す。
もし見つかるとしたら巡視船等による目視だ。

が、どういう理由かその姿形さえも見あたらない。

海洋国家というのは自国の海運保護のために定期的に巡視を行うものなのだが・・・

航路から外れているとはいえオイルレーンとも例えられるほどの
多数の貨物船やタンカーが運航する海域に隣接しているのだ。

不自然さを感じるのだが、原因を推察するにはまだ情報が少ない。



下コンマ判定

1~33>到着できた
34~95>・・・ん?
95~00>おおっと

てい

>>30
コンマ33 到着できた


短い仮眠を何度か挟みながらの巡航に問題はなく

夜の海上から朝日にめぐり合えた頃、北の地平線に大地が見えていた

今彼と相棒と呼び続けている機体は九州最南端の鹿児島県から約100キロほど離れた海上に到着したのだ


機体の粒子残量はほぼ変化は無い。ただ長時間の海上での巡航により相棒は潮風を長く浴びている。

どれくらいで影響が出るのかはわからないが、早いうちに一度洗い落としたいところだ――



【重要選択肢になります】

下5までの多数決安価を取ります。


1幸い警戒が薄い。キュウシュウとやらに向かう。(佐世保ルート)

2情報を集めるためにも首都に向かうべきだ。トウキョウ近辺へと向かう。(横須賀ルート)

3隠密性を重視する。瀬戸内海の孤島に機体を隠す。(舞鶴ルート)

4外海よりは内海に向いたほうが都合がいいか?(呉ルート)


初期合流の艦娘の編成に重大な影響を及ぼします。
初期以降に関しては差異はなく、難易度という言葉は存在しません。



―工廠の裏―
イベントスルーされすぎワロタ
―工廠の裏―

1

2

2でー

2

>>33
>>34
>>35
>>36
>>37

2が三票、3と1が一票

【横須賀ルート】に突入しました!



機体を北東に進路を向ける。

トウキョウには自軍の艦が入港したことのある横須賀基地がある。

本来ならばMS単機を受け入れるような場所ではないのだが、

事情を説明し武装封印という条件を受けいれれば入港は出来る。

保管料ということである程度のキャッシュの支払いが必要ではあるが・・・


トウキョウ沿岸に近づいた後、公共通信を使って横須賀基地と通信をするために

あと数時間巡航を続けるつもりだ。



そうして海上を飛翔しつづけるMSを見つめる視線があった――


下コンマ
1~49 おおっと
50~00 キャラ安価を行います

>>39
コンマ25 おおっと


ビーッ!

精神を逆撫でする警告音が耳に入ると同時に機体を捻れたのは日頃の訓練の賜物だろう。

モニターに移るアラームの方向に対して垂直方向――直感に従い高度を取ることを選ぶ。

高度を取ると同時に直下から衝撃波が微かに機体を揺らす。



「フルシールド起動!は・・・・・・っ、まだ直らないな、俺も」

別れてからそう時間の経っていないもう一人の相棒にもう頼れないことを再確認しつつ、
フルシールドによる防護を機体の戦術プログラムに委任。

――確認

衝撃波の正体は実体弾が通り過ぎた際のものだ。

狙いは完全に自身を狙っていた。

そして警告等一切無しに発砲してきた相手を見る。


「デカブツだが・・・MAか?」

黒塗りの装甲に包まれたMAらしきものは胴体の両横に装備した砲塔をこちらに向けつつ距離をつめてくる。

大きさはおおよそ数Mといったところか?

腕部等は確認できないが砲塔以外に目立った凹凸が見当たらない胴体は水上、水中を問わない
高速移動を可能としているようだ。

サメをイメージしてほしい。背中と砲塔だけを海上に出した状態でこちらを追いかけ続ける。



「聞こえるか、こちらに攻撃の意思は無い!武装解除も可能な限り応じる。まず攻撃の停止を求む!」

全周波、オープンチャンネルで通信を飛ばしつつ相手との距離を取り続ける。

すでに機体は巡航から戦闘モード、パイロットスーツの締め付けに慣れを感じる。

こちらの通信は届いているはずなのだが、相手からの追撃と砲塔からのロックオンは止む気配が無い。



下指定安価
1「・・・仕方ないな」トリガーに手をかける。
2何が起きるかわからない。ここは逃げの一手である。


作者、休憩にはいりまーす!(陽炎の真似)

ば、ばかな・・・、三分も経たずに指定安価が全滅だと・・・

見てくれてる人がいるのは嬉しいのでちょっとメシ急ぎます。

>>42
安価2 何が起きるかわからない。ここは逃げの一手である。


――旧米軍基地改め、横須賀鎮守府

横須賀鎮守府のレーダーサイト指揮所では午前からある現象に悩まされていた。

「原因はわからないのか?」

「機器の故障ではありません。周辺に展開する無人偵察機と早期警戒機の

スカイアイ745からの観測データとも一致しています」

上級士官と通信兵が視線をやっているディスプレイには東京に向かってくる謎の電波障害地帯が確認できた。

「接触まで30分というところか」

「・・・障害地帯、速度を上げました。第二種警戒地域までまもなく・・・3、2、1、発令」


地の底から響くようなブザー音が鎮守府全体を震わす。

ブザーが鳴ると同時に一本の電話が鎮守府のある区画に飛ぶ。


「はい、横須賀鎮守府海軍機械化混成隊本部です。はい・・・・・・今司令に代わりますのでお待ちください」

やや茶の入った長髪を二房のお下げに分けた女性は受けた電話を保留にすると、

「司令、発令所から連絡です!」

コンマ下
1~50  男
51~00 女

>>45
コンマ61 女。

再度安価↓

1れでぃ 2妙齢 3ぐらんま

>>47 2 妙齢

再度安価↓
1ノンケ 2キマシタワー 3バイ

>>49 2キマシタワー

これで最後↓

1力こそパワー! 2時代は航空火力 3バランス理論

3

>>52 3バランス理論

提督のキャラクター、並びに初期艦娘が決まりました!

妙齢の女性でありキマシタワー主義、艦隊はバランス重視である。



なおれでぃだと幼女提督、ぐらんまだと老齢女性。
次安価では幼女だとブラコンかシスコンの安価。老齢では家族全滅(文字通り)か家族存命の二択予定でした。

「はいはーい、こちら横須賀鎮守府機械化混成隊本部でーす」

けだるい声で提督机につっぷしたまま電話を受け取る女性――司令と呼ばれた人物である。


電話の主は特に気にすることも無く続ける。

「出撃を命ずる。こちらの第一防衛線を突破した謎の電波障害地帯に対して偵察を行え」

「・・・・・・深海棲艦じゃないと発砲許可おりないんですけど。私の艦娘はそこらへんの無人機とは違うんですー」

「今までに無い事例だ。”山城”の使用を許す」

司令の体が一瞬だけ硬直したのを、最初に電話を取った女性は確かに見た。


数分後、発令所に姿を現した司令は、電話の主であるの基地長官の椅子に向かう。

発令所全体を見渡せるように段々畑の最上段にあるそこは全体を見渡すには最適である。

「艦娘隊、出撃完了しました。データリンク・・・チェック完了」


以下安価
下1実装済みの駆逐艦からひとつ
下2実装済みの重巡からひとつ
下3実装済みの軽空母からひとつ

安価かぶった場合は↓にずらします。

そうか美雪か・・・そうか・・・

下1 深雪
下2 足柄
下3 龍驤


段々畑状になっている座席のひとつからオペレーターが口頭にて確認していく。

「駆逐艦、深雪。やや心拍数上昇」

正面大型モニターには複従陣を組んだ6隻の艦娘達が移っている。

横のサブモニターは6隻のコンディションを表示している。

オペレーターが指摘されたように、たしかに深雪が他5隻に比べると落ち着きが見られない。

「深雪、何回目の出撃?」

女司令が首元の小型マイクに向けて喋りかける。

「ご、五回目だよ!」

少し上ずっているように聞こえるが、そうではない。興奮しているのだ。

「まだたったの五回目よ。いいこと、私のもとで戦う以上はその百倍は出撃できるものと思いなさい。

つまり数百あるうちのひとつの戦いでしかないのよ、今日の戦いは」

「ひとつの・・・の戦い」

「まもなく通信途絶するわ――今の言葉、よく覚えておきない」

そういい終えるのが先かそれとも後か、音声通信にノイズが入りだす。

モニターも少しずつだが画質が雑に入る。

「光学レンズに切り替えます」

一瞬モニターが消えた後、画像処理が無いためやや見づらいものの先ほどよりも鮮明な画像が映し出される。


――深海棲艦との戦いにおいて現代戦は無力になろうとしている。
現代戦でのデータ収集は深海棲艦から発する強力な電波により非常に難しいものとなっていた。
特に通信・レーダー類に関してはほぼ無力化されるのだ。
デジタルカメラも距離によっては影響を受けることが確認される現在、望遠鏡という過去の遺物による
目視確認がもっとも頼りになるという有様であった。

そして強制されるのは肉眼での有視界戦闘。

その戦いにおいてもっとも有効とされるのが艦娘達である。



いったん休憩、日付変わったら続き+安価だします。

以下このスレ独自設定。
作中では常識とされるため本文説明がされないので記載します。


駆逐イ、ロ、ハ、ニ級・・・全長およそ5M以上。
艤装とは別に本体の歯による噛み付き攻撃を行う。
小型船なら一息にへし折り、タンカーや大型艦ならばウェハースみたいにサクサクと噛み千切る。
艤装の口径は文字通りのサイズであり、現代艦船にとっては人型よりも脅威となる。

上記駆逐以外の人型を模す艦船はほぼ人間サイズ。ただしヌ級やト級などのやや人型から逸脱した
形状の場合、人間サイズを超えるがどういう理屈か、サイズによる火力の変化は確認されていない。

以後、本文で語ることが難しい情報や質問等で本文とは別に説明が必要と判断したら随時加筆します。

複従陣で進む第一艦隊の艦娘は以下の6隻だ。

前列左舷より駆逐艦深雪、中央は軽巡能代、右舷に重巡足柄。

後列左舷より正規空母飛龍、中央に戦艦山城、右舷に軽空母龍驤が続いている。


「山城より各艦へ、目標の視認が出来たわ。・・・何かしら、前方にいるのは大きなブリキ人形?」

「こちら飛龍も確認しました。以後山城さんに習ってブリキ人形と呼ぶ物体の後方に深海棲艦を確認・・・

駆逐級を中心とした6隻構成と思われます」

最大望遠という点でもっとも優秀な山城と、艦載機彩雲による偵察を行った飛龍の報告は正確だ。

艦隊旗艦である能代は

「目標と接触までおよそ1分、周辺警戒を密に。原因は不明ですがこちらも電探が動作が不安定です。

敵は駆逐級のみとは限らないと判断、駆逐級の殲滅と平行してブリキ人形の正体を確認します」

「了解したわ。深雪と能代、対潜警戒は頼むわよ!」

右舷の足柄がやや先行気味に動く。

先鋒として重巡の装甲と豊富な実戦経験を持つ足柄は強い。

駆逐級6隻程度ならば確実に殲滅が出来る艦だ。

となると、

「足柄は先行、残りの艦は輪形陣に」

先行する足柄の背中を見送りつつ、慣れた連携で残りの5隻は輪形陣にシフトする。

すでにブリキ人形と深海棲艦との距離はこちらの有効射程に入ろうとしていた。




「おいおい、俺はいつからエイリアン映画の出演者になったんだ」

機体背後から追いかけてくる黒い物体は気づけば6隻にまで増えていた。

彼は見た。黒い物体が緑色に輝かせるものは光学センサーではなく、生の感情を湛えた眼であり、

鈍く輝いているグレーのラインが給水口ではなくこちらを破砕するための顎であると。


今更ながらだが判断を誤ってしまった

単機であればサーベルでも十分対応が出来るのだが、数が増えればそういうわけにはいかない。

一機に切りかかる間に残りの5体から噛み付かれればフルシールドが耐え切れるのだろうか?

生理的に嫌悪感をもよおしてくるあの生々しい顎と歯の威力を確かめるのはリスクが高いと判断した。


――どうする、補充は保障できないがミサイルを使うか?

腰部フロントアーマーにはGNミサイルが装填されている。

対地、対空はもとより対潜、対艦としても使える多目的ミサイルだ。


ミサイルの発射トリガーに手をかけるべきか、と考える彼に

「前方より不明機接近」

モニターには新たな未確認機が表示されていた。

「能代より足柄へ、ブリキ人形はこちらが対応します」

「了解、ブリキ人形は任せます」

狙いからブリキ人形から深海棲艦に集中させる。


――まず初撃で注意をこちらにひきつけるのだ。注意さえ引ければあとは性能で押し切れる相手だ。


そう考えた足柄のやや上空を”ブリキ人形が通り過ぎようとした瞬間、

『下がれ、後ろから危ないのが追いかけてきてるんだ、今すぐ陸地のほうへと行くんだ!』

急減速と反転を同時に行い、信じられないことに足柄に背中を向けて立ちはだかる形で静止したのだ。



「ちょっといきなり止まって何を言い出すのよ!」

深海棲艦と戦うために存在する艦娘に対して単刀直入に逃げろとこのブリキ人形はほざいたのだ。

人一倍艦娘であることに誇りを抱いている足柄に対しては地雷を踏み抜く発言である。

しかしひどく滑稽な状況である。

高さはおよそ3~4Mだろうか?緑と白に塗られたブリキ人形が言葉を喋っているのである。

喋るだけならまだしも規格外のサイズのそれに対して足柄は平然と悪態を吐いているのである。


「逃げろとかバカ言ってるんじゃないわよ。だいたいてめーがエサになって深海棲艦を連れて来たんだろうが!」

『バカとか言っている暇があるか、あんなの相手に生身じゃすぐやられるだろうが!」



「何あれ・・・」

その一部始終を見た山城の言葉は艦隊全体の意見を代弁していた。



――こいつがどうつもりだが知らないが、俺が招いたミスだ。敵を駆逐するしかねぇ!

前方から接近してきた正体がまさかの女性である

それもどういう理屈かはわからないが生身で海上を高速移動する物体と来たのだ。

驚きが頭を占めた。そして次に考えたことはこのままではあのエイリアンもどきに


――南沙諸島で見た少女の顔がリフレインする


『GNミサイル、対艦モードで1から6番セット!』

「ちょっとミサイルって・・・艦娘でもないくせにあいつらと戦うっての?やめなさい!」


ブリキ人形のスピーカーからミサイルという攻撃意思表示。

足柄を捉えていた鋭い緑眼のようなものは深海棲艦へと振り向いてる。

ブリキ人形がどこの国の兵器だが知らないが『深海棲艦を討てるのは艦娘のみ』という絶対的なルールの前では

無力であることは明白である。

戦闘姿勢に入り、20.3cm連装砲5基、計10門意識を集中させる。



この時二人の意図は完全に一致していた。

”俺(私)の装甲なら一撃は耐えれる!”

↓コンマ
1~95  当然の結末
96~00 グッドイベント

ファイア!

>>69
コンマ 69 当然の結末


初撃は足柄だ。

ブリキ人形のミサイルの爆風により狙いがつけられなるのが一番の悪手と考えた彼女は

連装砲の4門1セット斉射によりに駆逐イ級2隻を撃破。残りの2門で1隻を中破に追い込む。

本来なら2門1セットで一隻撃破は固いのだが、早撃ちをするために安全マージンを取ることを選択。


怯むことは知らないイ級残り三隻は、正面から攻撃することの愚を瞬時に判断。

連装砲の射撃角が及ばない天頂方向から攻めようと海上から大きく跳ね上がる。


3つの水柱を立てつつ、トップアタックを仕掛ける――まず単装砲6発発射である

着弾の衝撃と痛みは後で耐えればいいと踏んだ足柄は対空機銃に斉射を念じる。
憎きアンチクショウが射角に入れば絶対に復讐することを自分に確約して、だ

――互いの放火が交差する――


足柄は覚悟していたダメージが来ない理由を今目前で確認していた。

ブリキ人形が前掛けのような緑の装甲版を傘のように上に向けて、イ級の単装砲6門を防御したのだ。

対して対空機銃は表面装甲に弾かれるばかりなのだが


『早撃ちは得意じゃないんでね、先手は譲らせてもらった』

その言葉と当時に3発のミサイルが打ち上げられる。

緑の輝く軌跡を描くGNミサイルはイ級の額中央に正確に突き刺さり――


流れ込むGN粒子はすぐさま内部にて膨張を開始。粒子の嵐がイ級の中を蹂躙する。
刹那にて行われた蹂躙の後に着火、爆発により内から外への圧力をもってイ級を完全に粉砕した。


イ級の残骸がフルシールドの表面を叩いた後に残ったのは、

推進力を失った駆逐イ級一隻

互いに無傷で済んだことに安心したブリキ人形

――そして艦娘として史上初MSとの共同戦果を挙げたということで歴史に残った足柄


「し、信じられない」

という言霊であった。

本日はこれにて終了します。

安価は>>69ではなく>>67でした・・・
コンマ間違えてないとはいえすみません。

明日は朝から投稿予定です。
安価参加お待ちしております。

深海棲艦との戦いにおいて、人類側が有効とされる手は少ない。

深海棲艦の中でもっとも弱いとされる駆逐級でさえも

海中から時速100キロを超える速度で急接近を可能とし、

一度跳躍すれば海上から10m以上の位置へ移動が出来る。

人類が経験した戦争において未曾有の機動力を発揮するこの敵に対して

有効な迎撃手段は乏しい。

被弾を覚悟とした対空火砲の集中攻撃もしくは接敵までの短時間の間に、

単装砲等による海面への射撃という形で迎撃が有効とされていた。

――しかし駆逐級はまだ対応が出来るのだ。


それより上のクラスの深海棲艦となると艦娘以外での有効は迎撃方法は未だに

確立されていなかった。



第一艦隊が戦闘を終えたようだ、通信ノイズが緩和されてきたのがわかる。

艦娘を指揮するということにおいて実際に出来ることは少ない。


進むか、引くか、である。


鎮守府周辺であればまだ基地施設によるリアルタイムでの把握が出来るため

今日のようにモニターで戦闘を追いかけることが出来る。

しかし遠征や遠方での戦闘となると彼女たちに追随できる船は用意することが出来ず、

全ての判断は旗艦となる艦娘に一任されるのだ。


深海棲艦と艦娘、その初期の戦いにおいては船に乗りこみ、至近距離で艦娘を

指揮をする提督もいた。

問題は深海棲艦の攻撃翌優先順位である。

艦娘以外の人類に対して最優先で攻撃を仕掛けてくるのだ。

結果初期に誕生した幾人かの提督は深海棲艦の餌食となってしまった。


現在人類側にある対深海棲艦のマニュアルにある戦術の半分は提督達による

生身の犠牲により完成している。


「能代より本部へ。敵、駆逐イ級6隻を撃破を完了しました。警戒態勢を継続します。指示を」

旗艦の能代より届いた通信に司令である女性は

「能代・・・・・・目の前にいる、ロボットは本当に実在しているのね」

緊張した面持ちで指示ではなく確認を行った。

「はい、今能代も夢を見ているのではないかと思いましたが、実在しています」


『入港を希望する。こちらは傭兵だ。はぐれた本隊との合流を希望する』

まず驚きである。このブリキ人形はなんと横須賀に入港したいとのこと。

そして傭兵を名乗っており、”本隊”が存在するということである。

メル欄にsaga(さが)で翌とか付かなくなるよ

映像だけではあるが鎮守府発令所にいた者たち全員は見てしまったのだ。

数メートルもある鉄の巨人の高速移動と急制動を行った瞬間を。

あれが複数いる可能性を示唆された時、息を呑んだ者は何人いただろうか。


「基地長官、いいでしょうか」

「・・・うむ、私から先でいいかな」

「はい」

互いに唾を飲み込む音が聞こえたのは偶然ではない。

「私は艦娘を見たとき、驚きはしたがまだ理解は出来た。オカルトの領域が関わっていたからね」

人知の及ばない範囲に対して、追求は無駄なのである。ただ受け止めるしかないのだ。

「はい、私も同意見です。沈んだ船の魂が人の形を取って戦う・・・・・・わかりやすい話です」

過程の吹き飛び具合を無視すれば、である。


ただこの鉄の巨人はそういうわけにはいかなかった。

「推測だが人が乗り込んでいると、ということはそういう規格に対応して作られたモノだという可能性が高い」

「形こそやや歪ですが、四肢を模した体型といかにもな大型銃らしきものが確認できます」

つまり人をスケールアップした兵器のひとつなのではないかと。

「「・・・・・・」」


「大本営に直ちに報告することは当然だが、まず確認だ。艦娘であれに対応できるか?」

敵対の可能性が0でない現状、必ず確認しなければいけないことだ。

「・・・・・・条件として武装があのミサイルだけであれば、何人かの艦娘の犠牲で足りる、かと。

無限に撃てるわけでないと思います」

「わかった。彼の入港を許可すると伝えたまえ、こちらに悪感情を持たれたくは無い」

酷な質問をしたとはわかっているが、確認が必ず必要なことだった。


横須賀鎮守府より東京にある大本営へと伝えられた一報は、

あるやんごとなき人にも届くことが判明するのは後のことである。



下安価
誰に話しかけますか?
①二分けのお下げの子
②背中に巨大な大砲を背負っている女性
③丸い棒を手に持つ子
④弓を抱えたショートカットの女性
⑤まだこっちをにらみ付ける女性
⑥なぜか見覚えのある少女

>>74
ありがとうございます、初の投稿作品なので無知でした。次からは注意します。
安価↓ずれ

あの、MSはだいたい18mなんですが…
もしかして、布石?

>>77 ①二分けのお下げの子

6人――全員女性という――に囲まれた彼と"相棒"

スナイパーとしての経験が、この6人の中で誰が指導的人物なのかを瞬時に察する。

「そこの二分けお下げのお嬢さん、悪いが俺はいつまでここで待機していればいいんだ?」

「はい、今鎮守府にて入港許可の申請を行っています。すこし手続きに時間がかかっている模様で・・・」

――まあ、MS単機で入港ってなると封印手続きやらパイロットの検疫やら面倒が多いだろうからな。


もしここで彼が疑いを持って少女の発言を聞けば、不自然さを見破ることが出来ただろう。

ただそれをここで要求するのはやや酷な話であった。

彼自身も決して冷静な状態ではなかったのだ。

「ところでもしよければなんだが」

先ほどから気になっていたことがある。

「どうやって水の上に浮かんでいるんだ?」


能代は久しぶりにその質問を聞いたと思う。

海の上を航行するのはごく自然に出来ると思っていた。

実際は艦娘にしか出来ないことであり、理由は理解できてない。

科学者でさえもまだ解明していない現象なのだ。

艦娘が水上に浮くことが出来、自由に動き回れるということは。

ただ哲学者達はある推論を立てている。

――曰く

「船は水の上に浮くのは当たり前のことであり、これは科学的にも説明がされている。

艦娘達は船の魂が形を変えたものだ。ならば形を変えただけの彼女達は道理を歪めて浮いていると

評されるのはむしろ不自然である。船なのだから浮いて当たり前なのだと考えるべきだ」


とんちに聞こえるかもしれないが、世間一般ではそれなりに受け止められている話である。

ただしその背後で多数の科学者たちが『理不尽だ!!』という心の叫び声が上がっていることを付け加える。


「えーと、能代達は艦娘なのです。日本人ではなく外国の方でいらっしゃいますか?」

「あ、ああ。ニホンに来るのは2回だけだ」

といってもソレスタルビーイングに属していたときに任務で一度、そし強化人間専用MAの
迎撃任務で出た時だけであり、両方とも長く日本を見る時間は無かった。

「それでしたら見慣れない能代達の姿も当然ですね。海外の艦娘とは外装が違いますので」

「――?すまない、外装が違うというのが理由になるのか」

「え、あの――」

ブリキ人形の声は要領を得ず、能代が答えに迷うと

「あー、能代ちゃんとそこの声がイイ男さん。ちょいストップやで」

能代から見れば左から、彼から見れば右から

棒――ではなく巻物を持った少女、龍驤が間に入る。

「互いに認識がずれてるんとちゃうかなー、とウチ今気づいたんだけど」

「認識、ですか?」

「ならちょうどいい、気になっていたんだ。個人携帯装備でそうやって浮くのはどうやってるんだ、興味がある」

あわてない、あわてないと言いつつ、龍驤はブリキ人形のほうに向く。

「いい声の男さん、ウチの名前は龍驤や。よければ名前教えてくれへんか?」

「リュウ・・・ジョウ、珍しい名前だな。俺の名はロックオンだ。ロックオン・ストラトス」

「ロックオンはんのほうも珍しい名前やと思うで。・・・ほら、能代ちゃんたちも挨拶せな」

この辺りは年の功というべきか、長気配り上手なところが龍驤の強みである。


残り5人から名前の交換をしたロックオンに、

「ロックオンはん、艦娘をしらへんとちゃうんか?」

会話の所々で出たカンムス・・・というまったく未知の言葉が再び投げかけられる。

「ああ、カンムスという言葉は初めて聞く」

自身の推測が当たった龍驤は――これどない説明しようか・・・と指でほおをかく。

艦娘の存在自体は誕生してから決して長くはないが、知らぬ人はいない存在である。

それを知らないと言い切るロックオンが嘘をついてるにしてはいろいろと筋は通らないし不自然すぎる。

むしろ知らないのなら艦娘がいる目の前で深海棲艦相手に戦う、という行為を取った無謀さの説明がつく。

「ロックオンはん、悪いけどウチも艦娘が何かは、説明しきれないんや。当事者ゆえの無知ってやつて理由や。

ただ説明放棄をするわけやないで。鎮守府にウチ達の責任者である司令がおるんや」

ここからではおそらく見えないだろうが、鎮守府のある方向に向けて指を刺す龍驤。

「司令ならロックオンはんに上手く説明が出来るとウチは思うで」

ま、その前に入港許可おりるんかなー、どうかなー、と呟く。


が、その心配は杞憂のようだった。


「ロックオンさん、入港申請が許可されました。私達がこれからエスコートしますので横須賀港に入港してください」

「わかった。ところで入港の際だが、装備はどうすればいい?」

ただし新しい問題が生まれてしまったわけであるが。



お昼休憩とります。夜くらいに投稿予定です。あと安価も取ります。

>>78
本文で語ります。

乙乙

そういやGNファングとかってどうやって動いてるんだっけ、コンデンサ内蔵?

>>82
乙あり。

GNファングに限ると無線誘導制御の模様。あとコンデンサはなく基本使いきりタイプ。

お布団には勝てなかったよ・・・・・・


入港にあたり、デュナメスは港湾部の大型倉庫に向かってほしいとのことである。

そこで入港手続きと検疫を行うとの案内である。


鎮守府からはまずデュナメスの外見を完全に隠蔽してほしいとのこと。

これは機体に船舶用の大型防水シートをかけた上で、両横に護衛艦を配置することで解決した。

シートをかける上でサーベルを1動作でつかめることを確認する。

そうして準備を終えたデュナメスがゆっくりと前進を開始する。

集音マイクから驚きの声をいくつか拾う。

甲板からこちらを覗く船員からの声のようだ。

ロックオンが気づくのは後のことになるのだが――

海上を、ホバー、ロケット、プロペラ等の推進力に一切頼らずに浮遊する浮遊する鉄の人型、というのは

かなりショッキングである。同時に日本の若年層の男性にはある種のロマンを喚起させる光景なのである。



デュナメスとそれを挟む護衛艦を先導するのは能代、龍驤、深雪の3人である。

他3人は、

「燃料の無駄遣いなので速やかにドックに戻るように」

という身も蓋も無い理由で先に帰還している。


「ソナーに反応はなしだぜ」

「二式から特に気になるものは見えてへんで」

対潜警戒を続ける深雪と艦載機による偵察を行う龍驤から異常が無いことを確認する。

「司令、航路上に問題はありません。このまま進行します」

「発令所より能代へ。確認しました、目標をこのまま護衛しつつ指定のポイントを誘導してください」


「しっかし能代はん、ごめんな」

「えっ?」

「旗艦を差し置いてロックオンはんと話したことや」

「・・・いえ、むしろ龍驤さんのおかげでスムーズにいけました。気にしないでください」

「な、ならいいんや」

あかん、それじゃあかんのやと龍驤は言いたいのだが、能代がそれで納得してしまった以上、次の言葉の

糸口が見つからない。深雪に一瞬視線を見やるがソナーによる索敵に集中しているようだ。

――んー・・・あかんなぁ。これやったら飛龍に残ってほしかったわ

飛龍は、能代が抱えている問題点を知っているのだが今この場にはいない。

いれば上手く龍驤に言葉のパスを投げかけてくれるだろうに

倉庫に到着したデュナメスを迎えたのは基地司令、そして艦娘達の上司である司令と

「完全装備の歩兵20名、ね」

後ろに控えている歩兵たち、そして幾人かの人物――ロックオンはまだ知らないが、基地司令が

呼び寄せた医者と検疫官――である。


先頭に立つ男性――基地司令が一歩前に出てくると

「物々しい対応、申し訳ない。私は横須賀鎮守府司令、神崎大将だ」

「同鎮守府所属、機械化混成隊――通称艦娘隊司令、久住少将です」

「機内から失礼する。ロックオン・ストラトス、傭兵部隊ジーライン所属のMSパイロットだ」

互いに挨拶を交わす。

神崎大将――まだ若い男だ。30代をようやく越えたというというところか。

「ロックオンさん、後ろに控えた歩兵に関しては思うところがあるのは当然だ。

しかしまず最初に理解していただきたいことがある。貴方のおっしゃられる傭兵部隊、並びに連絡を

希望された仲介会社の存在は確認されていない」

「神崎大将、冗談はよしてくれ。ジーラインといえば上は連邦軍、下は中東のちっぽけなテロリスト共にまで

知られている独立部隊だ。・・・・・・たしかに三日前からは音信不通になっているのかもしれない。

だから仲介会社と連絡を取りたいと希望しているわけだ」

「繰り返しになるが、いずれも存在は確認が出来ていない。極論を言おう、どちらも貴方の想像上の存在では

ないかとということだ」

「なるほど、後ろにいる歩兵と周りを囲っている連中はそういうことか」

この瞬間、空気が軋む音が聞こえてきた、と思ったのは一人や二人ではなかった。

事実、ロックオンはサーベルのセーフティ解除を行い、相手側の歩兵部隊は元より倉庫の外にて待機していた

複数の艦娘達が兵装の引き金に指をかけていた。


「貴方の神経を逆撫でしていることは自覚している。しかし速やかな認識の齟齬を正すにはこれしかないと

私は判断している。そしてそれが成し得なかった場合」

表情一つ変えずに

「撃たれても仕方が無い」


今日はここまで。

乙デース

>>1を見返してふと思ったけどGNドライヴ無事なら粒子供給すればライフル使えるんじゃね?

>>91
WIKI,原作等・・・・・・
要約>GNスナイパーライフルはコンデンサーを装備しているが、本体からの粒子供給により照射を行う。

おうしっと。この事実により>>1は00ファーストシーズンマラソン視聴というケジメを行いました。ご安心ください。



気づけばロックオンはこの神崎という男が気になりだした。

あのガンダム馬鹿、刹那とはまた方向が違うが、似た視線を神崎はデュナメスへと注いでいた。


――野心である。

神崎は眼前にある鉄の巨人――デュナメスを通して、ある一つの野望が再度、首をもたげようとしている。

それを成就させるためにはなんとしてでもロックオンとデュナメスを手の内に取り込みたい。

ただし与えられた時間は非常に短い。大本営が鉄の巨人の真価を理解する前に行わなければならない。

そのための一手を再度指す。


「ロックオンさん、おそらく貴方がいうジーラインという組織はもとより、”連邦軍”はこの日本はもとより

世界中のどこにも存在しない。当然だ、ここは貴方のいた世界ではないのだ」

「・・・・・・」

デュナメスは微動だにしない。

神崎の後背に立つ久住は、このやり取りの意味をまだ把握が出来ず、デュナメスと神崎に視線を交互に見やることを続ける。

「2030年――西暦2030年、4月26日。それが今日の日付だ」

神崎の考えが正しければロックオンの思考に大きなヒビを入れるノミの一手である。

反応を待つ。

「この世界には貴方が使うモビルスーツは存在しない兵器である」

「・・・・・それがどうしたって言うんだ」

次の手としてロックオンに借りを作らせたと認識させる。

「既に政府を通じて、鎮守府には謎の兵器に関して多数の問い合わせが入っている。国家、組織を問わずだ」

ここには嘘と本当が交じり合っている。確かに問い合わせはある。だが謎の兵器に関してではなく、”謎の電波障害”に対してだ。

デュナメスの存在を知っているのはまだ横須賀鎮守府の一部の人間と大本営のみである。

「貴方が戦った深海棲艦というのは人類にとって敵だ。人間を強く憎み、無差別に攻撃を仕掛けてくる。

それに立ち向かえるのは艦娘のみだ。しかし今それを覆す存在が出現した。艦娘に一切頼らない形で、だ」

「俺は注目の的になったってわけか」

「その通りだ。そこで貴方に対して交渉を提案する。交渉を受け入れていただく見返りとして一定の立場と安全を保証することを約束する。」

「断れば?」

「申し訳ないが、当港から直ちに出港していただく。謎の兵器に関しては隠匿していないということを証明するために全ての情報を

他国に対して公開する予定だ」


横須賀港に入港したいならば交渉という名の元に、デュナメスとロックオンを差し押さえたい神崎の目論見を理解したロックオンは

ここに来て嵌められたことを自覚した。

この場で神崎の提案を蹴り、横須賀港を出港することは可能である。

ただし、その場合はデュナメスの存在を全世界に公開する――前振りとしてロックオンがこの世界で

あてに出来る人物・組織がいないと言った上で、だ。



21時過ぎ、続き投稿予定。

ちょと変更。あらかじめ安価とってしまいます。


ここがジーラインとして戦った世界ではないという可能性――は確かにあった。

繋がらない通信、艦娘という存在、そして西暦2030年という情報。


一回そういう経験をしてしまうと同じことを容易く受け入れてしまうものだな、と自分に感嘆する。

「神崎大将、とりあえずだ」

ならまずはこちらの要望を飲んでもらおう。

「熱いシャワーとメシを希望する。もちろんレーションは無しだ。話はそれからで頼む」

「検疫の後でお願いする」

神崎に対しては、嵌められたと思う前に、あの視線の理由を知りたいを思った。


下安価
誰の会話を見ますか?
①飛龍
②山城
③能代

すみません、今帰宅しましたのでちょっと今日は無理です。明日頑張ります。

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