六花「勇太が私以外の女と浮気してる…」 (52)
富樫「寒くなかったか、七宮?」
七宮「ゆ、勇者! どうして戻ってきたの?
邪王心眼のことはいいの?」
富樫「六花? なんで?」
七宮「なんでって…
二人は恋人の契約を」
富樫「そんなの、今はどうでもいいよ」
人気のない神社の一角で雨宿りしていた若い男女。
富樫勇太は七宮をやさしく抱き寄せると、耳元でこうささやいた。
「お前が転向してなければ、六花とは
付き合ってなかったと思う」
罪悪感より、女としての悦びが勝っていた。
七宮はぎゅっと富樫にしがみついたのだった。
雨に濡れた頬に、涙がこぼれ落ちる。
(もう我慢しなくていいんだ。私は勇者と。
富樫勇太君と……)
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勇太「少し顔をあげて」
七宮「うん」
キスを始めたら、止まらなくなった。
唾液のまじりあう音がわずかに響く。
「ん」
叩きつけるように降り続ける雨に消えていく。
「あ」
「携帯、落ちちゃったね」
「……」
「着メロが鳴ってる。邪王心眼からじゃないの?」
「いいんだ」
「え」
「どうせ下らない用事さ。
今は六花なんてどうでもいいんだ」
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