亜美「誕生日ねぇ……」 (25)
不定期な仕事やってるせいで亜美真美の誕生日をすっかり忘れてました
元々駄文書きのくせに大急ぎで書いたからホントに内容無いですが、せっかくの誕生日イベントなので乗っからせて下さい
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午前0時を迎えてから、ひっきりなしにバースデーメールの襲来を告げる携帯の電源を切り、私は視線をグラスに戻した。
亜美「んなこと言われても、もう喜ぶ歳でもないしね」
私の名は双海亜美、今日から28歳。元アイドルで、今はマルチタレントとして活動している。
律子「そういわないの。祝ってもらえるだけでも良しとしなきゃ」
彼女は秋月律子。私の所属する秋月プロの若き女社長だ。今年で34になるはずだが、どう見てもまだ20代にしか見えないあたり、流石は元アイドルだと思う。
亜美「そうは言うけどね律っちゃん。この歳になるとそろそろ独り身が身にしみてくるわけよ。あーあ、若い頃にピヨちゃん弄りすぎた報いかねぇ……」
律子「それを言ったら、一緒になって弄ってたあんたの姉はどうなるのよ」
そう、私の姉であり、共にアイドル活動に邁進してきた双海真美はもういない。今は双海ではなく、私達のプロデューサーだった人と同じ名字になっている。
亜美「まさか兄ちゃんがホントに義兄ちゃんになるとは思ってなかったなぁ。あのロリコン、今度会ったらたたきのめしてやる」
律子「ていうか、こんなとこでこんな時間に飲んでていいの? 明日は真美とプロデューサー殿とパーティの約束なんでしょ?」
その言葉に、私は深いため息で答える。
亜美「それだよ律っちゃん……真美にゃ悪いけど、私は行きたくねーのですよぉ」
律子「あー、まぁ分かるわ」
亜美「何が悲しくて独身女がラブラブカップルのとこに単身乗り込まなきゃいかんのですか!」
机に空のグラスを軽く叩きつけると、向かいに座っていた律っちゃんがニヤニヤしながらおかわりを注いでくれた。
律子「しかも、自分の初恋だった人のところにね」
亜美「それは言わない約束だよー」
律っちゃんは我関せずとばかりにケラケラ笑う。自分だって兄ちゃんのこと気になってたクセに。
亜美「……正直ね、あの二人が付き合ってるって聞いた時、ショックなのはショックだったんだけど……なんだか妙な気分だったんだ」
律子「何、現実を受け入れられなかったとか?」
亜美「うーん、ちょっと違うんだ。なんか、真美に兄ちゃんがとられたのか、兄ちゃんに真美がとられたのかよく分かんないっていうか……」
律子「あー、なるほどね」
亜美「ま、暗い話はおいといて。律っちゃんなんか華のある話題はないのかーい?」
律子「あったらこんなとこであんたと飲んだりしないわよ。私は仕事が恋人、それで良いの」
亜美「勿体ないねぇ……今でも結構求婚されちゃってんでしょ? どうして何も受けないのさ?」
律子「あんたと一緒よ。初恋が実らなかった傷を、恋愛以外で埋めようとしてる。それだけよ」
そういって、律っちゃんはグラスのお酒を一気に飲み干す。酒がまずいのか昔の思い出が苦いのか、その顔は見事なまでにしかめっ面だ。
亜美「悲しいこというねぇ。んじゃ」
空になったグラスにすかさず琥珀色の液体を注ぐ。
律子「ちょっと亜美。私明日もしごt」
亜美「二人の失恋に」
言いかけた言葉を塞ぐように、グラスを持ち上げて構える。
律子「……もう、それを言うならあんたの誕生日にじゃないの?」
律っちゃんもあきらめた様に乾いた笑いを浮かべながら、私と同じようにグラスを掲げる。
亜美「いーじゃん。偶にはこんな苦い酒があっても」
律子「私甘いお酒の方が好きなんだけどね。ま、あんたとなら、そういうのも悪くないわ」
亜美「言うね律っちゃん。惚れちゃいそ」
律子「何バカなこと言ってんのよ。さ、二人の失恋に」
亜美「二人の失恋に」
コツンと、それほど高くないグラスが二つ、不器用にぶつかる音がする。亜美も、律っちゃんも、しかめっ面でその中身を一気にのどに流し込んだ。
……
それから幾分かの時間と酒を消費した頃、律っちゃんは、明日も仕事だからと言って名残惜しそうに帰って行った。まぁ、その明日というのは今日のことなのだが。
一人になると、先程まで感じなかった寂寞の念がおそってくる。真美の事、兄ちゃんの事。かつての765プロの事。記憶が酒で麻痺した頭から浮かんでは消え、消えては浮かぶ。
ふと思い出して、携帯の電源を入れ直してみた。はるるん、千早お姉ちゃん、ひびきん、いおりん、あずさお姉ちゃん、まこちん、雪ぴょん、ミキミキ、やよいっち、お姫ちん、それに何故かさっきまで一緒だった律っちゃん。かつての仲間達からの祝福のメールが並ぶ。そのメールに上から順に返事を打ち、とうとう最後……すなわち、一番最初に受信したメールにたどり着く。
亜美「……真美」
自分だって誕生日のくせに、いの一番に私を祝ってくれる姉が嬉しくて、さっそく返信ボタンを押すが、気の利いた言葉が一つも浮かんでこない。
亜美「……いつからこんなぶきっちょになっちゃったかなぁ」
トクトクと酒瓶からグラスに最後の一杯を移し、ゆっくりと、初めて酒を飲んだ日のようにゆっくりと口に含んでいく。
亜美「やっぱ……」
最後の一滴をグラスを傾け、ペロリと舐め取りながら……
亜美「……生まれてきてくれてありがとう、かな。私のお姉ちゃん」
言いたいことは山ほどあったはずだったが、口からこぼれ出た言葉はそれだけ。亜美は、真美が送ってくれたメールをただ復唱した。多分、それで十分なのだろう。
おわり
以上です。あいかわらずオチがなくてすみません
皆様コメントありがとうございます!
そしてよく見たら全部sageっぱなしだった!こんな私はスレごと穴掘って埋まってます
以下の作品も併せて読んで頂ければ幸いです
亜美「765プロ!」真美「七不思議!」&響「貴音に面妖なと言わせとけばいいという風潮?」
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亜美「あなたは、好きですか?」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52079915.html
愛「ゲッター!」絵理「ロボ?」涼「ぎゃおおおおおおぉぉん!」
愛「ゲッター!!」絵理「ロボ?」涼「ぎゃおおおおおおぉぉん!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1400579061/)
今思ったんだけど、このss亜美真美を全然祝えてねぇ気がする
後小鳥さん、忘れててごめん。次の主役は小鳥さんだ! たぶん!
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