「実際にあった話、というよりは……今ここに書き込むまでの話」
「自分は多分、駄目な人間だとは思う」
「こういう風に書くと、凄く俺が厨二のようで、もしくは高二病のようで……」
「恥ずかしい話、あまりそう煽られると困ってしまう」
「まずは覚えている限りで一番幼い所から書き綴って行こうと思う」
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最も古いと思える記憶は、俺が生まれて最初に住んでいた家だと思う。
子供の頃から父は社長だと聞いて覚えていた。
だから、後で分かる事と照らし合わせても不思議ではなかった。
最初に住んでいた家は、千葉のどこかのマンション……新浦安だと思う。
そこの何階かに住んでいて、中々広かったとは思うが当時まだ二歳くらいなのもあって……覚えていない。
ただ、下手したら二歳ではないかもしれない。
今こうして書いていて思い出したが、父がくれたモデルガンを持てていたから……三歳はいってるかもしれない。
そこでの母との思い出は結構ある。
一部忘れてしまったけれど、かろうじて覚えているのは。
『カラーひよこがマンション下の前の露店で売っていた』
『小さな亀を飼って貰うことになった、その亀をガメラと名付けた』
『何度も母とディズニーランドへ行った』
『ディズニーランドでベビーカーごと母が俺を倒してしまった』
『父があまり記憶に残っていない……というか、なかった』
『 ある日 、帰ると亀がいなくて母に聞いたらガメラはお星様になったのよといわれた』
……母の祖父や祖母ではない老夫婦の家。
多分、これが父の両親だったのだろうと俺は考えている。
後は……俺は今もだけど、大きな音が怖かった。
ネコのぬいぐるみや、ロボットでたまにある、電池内臓型のあれだ。
ネコが好きで買って貰ったはいいものの、撫でていると大きな音でニャーンと言う。
不意を打たれた俺はそれがとても怖く、泣きながら母のところへ逃げたものだった。
……このくらいしか覚えていないが、それはたった半年程度の記憶だと思う。
何故なら、俺が四歳の時には父は癌で死んでいる。
この後の話だ。
父が、千葉の都町近くで二階建ての家を1つ買ったからだ。
社員のおじさんはどこかワクワクさんとかいうのに似ていて、丸眼鏡にいつも笑顔で話かけて来たのが印象に残っている。
父の部下だとは今は思うけど、かなり上の社員だったのかもしれない。
父の車を運転して幼稚園まで俺を迎えに来たことがあったから。
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