GACKT「シンデレラガールズ…か」 (313)
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の続き
マンネリでごめん
奇跡、というのは信じるだろうか。
無理だ、できるわけがない。
有り得ない。
大人になってそう思う者達もいるのではないだろうか。
僕も、そうだった。
彼女達に、出逢うまでは。
アイドルマスター。
アイドル達をトップまで導くゲーム。
僕は、それを現実に体現した。
彼女達に、現実に出逢ったのだ。
今、彼女達がどんな生活をしてるかは分からないけれど。
きっと、素晴らしい人生を歩んでいるのだろう。
大丈夫だ。
僕と彼女らは、心と心で繋がっている。
だから、分かる。
そんなもんだ。
僕は、彼女達に、色んな事を教えた。
僕も、彼女達から色んな事を学んだ。
それは、人を信じる心。
共に歩んでいく絆。
彼女達のおかげで、僕はまた一歩前進することができた。
彼女らと別れて、はや数ヶ月。
僕は再び彼女達のゲームが発売したということで、それを買いに行ってみることにした。
そこで、親友のYOUと会った。
彼もまた、ゲームを買いにきたという。
そこで、彼から興味深い事を聞いた。
シンデレラガールズ。
携帯ゲーム版、アイドルマスター。
だが、一度素晴らしいものを見てしまうと、中々新しいものには手が出せない、というのが僕の悪い癖だった。
「でも、とりあえず神崎 蘭子を見てみてよ。
そしたらやりたくなるかもしれないよ?」
「うーん。じゃあ、そうしようかな?」
百聞は一見に如かず。
僕はとりあえず、新しいゲームをやってみることにした。
YOUが言っていた神崎 蘭子。
ダウンロードコンテンツとして存在するらしい。
個性的、という範疇では計れない、特殊な性質な女の子。
そういえば、伊集院 光さんが中二病という言葉を作ったな。
彼女はまさにそれだろう。
まあ、こういう子もいるだろうから、仕方ないか、あはは。
だが、彼女はどうやらプロデュース出来ないらしい。
残念といえば、残念かな。
そんな事を思っていると、まただ。
あの眠気が、僕を襲った。
まさかな、なんて少しだけの期待感を抱いて、会えたら何て言おうか。
久しぶり、かな?
元気か?かな。
しかし
まさかあんな事になるなんてな…
もう三回目なんだ。
何となくだが、この感覚には慣れていた。
小さなベッドに、妙に明るい部屋。
というか、狭い。
筈だった。
あれ?
家は、何も変わっていない。
どういうことか?
もしかしたら、期待しすぎたのかもしれない。
そう奇跡は何度も訪れない、ということか。
仕方ないな。
なんて、肩をすくめていると、手にもっていたゲーム機の感覚が無い。
…冷静になって考えてみると、どうやら僕はやはり「移動」したらしい。
しかし、今までとは違う。
そういえば、保険証があったはずだ。
そこに765プロの名前が書いてあったら、間違いなく僕は戻ってきたと言えよう。
とりあえず、財布から保険証を取り出す。
「CGプロダクション?」
これは、僕の働いていた所では無い。いや、あくまでここでの話だが。
もしや、765プロが改名したのか?
はたまた、もしや潰れてしまったのか?
…いや、有り得ない。
彼女らはトップアイドルなのだから。
そうそう簡単にはやられないさ。
なんせ、僕が育てたんだから。
とりあえず、このCGプロダクションに行ってみることにした。
765プロは、その後だ。
CGプロダクション。
それなりの施設に、それなりの規模。
僕の知っている事務所は、そこには無かった。
どうやら、期待は裏切られたようだ。
僕は踵を返し、帰ろうとした。
すると、聞いた事のない女性の声が僕の耳に届く。
振り向くと、そこには栗色の髪を三つ編みにした緑色のスーツの女の子が笑顔で立っていた。
「GACKTさんですね?
私は、千川ちひろです!」
千川 ちひろ。
僕は知らない。
だが、彼女は僕を知っている。
これは、激しいデジャヴだ。
そういえば、あそこに行った時もこうだった。
まあ、あの時はカメラマンだったけどね。あはは。
そうか。
また、一から始めるのか。
悪くないかな。
そうだなあ。
じゃあ、やってみようか。
「GACKTさんですね?
私は、千川ちひろです!」
千川 ちひろ。
僕は知らない。
だが、彼女は僕を知っている。
これは、激しいデジャヴだ。
そういえば、あそこに行った時もこうだった。
まあ、あの時はカメラマンだったけどね。あはは。
そうか。
また、一から始めるのか。
悪くないかな。
そうだなあ。
じゃあ、やってみようか。
すまん連続でやってしまった。
ちひろについていくと、少々広いオフィスに案内された。
いや、普通くらいだ。
あっちが狭すぎたんだな。
どうやら僕は、今日からがプロデューサーとしての初仕事日らしい。
何とも都合の良い話だ。
既に用意されたデスクに座ると、アイドル達の名簿があった。
いや、あっただけだった。
「ねぇ。アイドル名簿に名前が一つもないんだけど」
そう。
名簿とは名ばかりの白紙のファイル。
そのくせ異常にページ数がある。
まさか、とは思うが。
「アイドルがいないってこと?」
「えへへ…でもそれ、昨日も言ってましたよ?」
そんな事は知らないよ。
というより、僕の意識が無い僕も言ってたんだな。
それは当然か。
と、いうことはだ。
僕の初仕事は必然的に何かが分かってしまった。
「はい!!勿論、勧誘ですよ!」
早速、僕は凄まじい壁に阻まれる事になった。
ひどい話だなあ。全く。
参ったなあ。
僕はナンパなら何度もしてるけど、アイドルの勧誘なんて初めてだよ。
でも、やらないわけにはいかない。
とりあえず、名刺と、資料を揃えてカバンに詰める。
さて、街へ繰り出すとしようかな。
そうだなあ。
東京都内、まずはどこへ行こうか。
僕は事務所から一番近い、渋谷を歩く事にした。
とはいえ、少々喉が渇いた。
喫茶店にでも行くとしようか。
どこかに手頃な店は無いかと周囲を見回してみると、ふと、一人の少女が目に入った。
黒い長髪の髪。
制服のボタンを開けて胸元のネックレスが見えるようになっており、少し不良感を漂わせる。
周りを気にせず真っ直ぐに歩く傍若無人さ。
一目でこの子は才能があると分かった。
気が付くと僕は、その少女に向かって駆け出していた。
少女が振り向く。
その目は不審者を見る目だ。
まあそうだろうな。あはは。
どうしよう。そうだなあ。
多分、この子にはナンパなんて手段、通用しないだろうな。
「…どなたですか?」
沈黙に耐えられなかったのか、彼女が口を開いた。
鞄に手をかけており、恐らく僕にぶつけるつもりなんだろうな、と思った。
相当警戒されてるらしい。
僕は素直に、名刺を渡すことにした。
「シージープロダクション…?」
「シンデレラガールズ。出来たばかりの新しいプロダクションだよ」
シンデレラガールズ。
その名前は僕は好きだ。
女の子は誰でもシンデレラということだ。
何の変哲もない子達を、シンデレラにするプロジェクト。
といっても、12時までとかの期限は無いが。あはは。
学校の帰りと言うことらしく、夕飯を奢ると言ったら、意外と素直についてきてくれた。
「ふーん。じゃあ、私が1番目なんだ」
「そう。お前が一番初めのシンデレラになるんだ」
「…まだ行くって決めてないけど」
それもそうか。あはは。
何せ何の功績も無い出来たてのプロダクションに行くのだから。
仕事があるかどうかも難しい。
彼女、渋谷 凛が渋るのも無理はないか。
何だか駄洒落みたいになったな。
「まあ、僕がいるから安心していいよ」
「…あんたの事、何も知らないんだけど」
「僕、こう見えて名プロデューサーなんだ。任せてくれればいいよ」
「凄い自信家だね。…まあ、悪くないかな」
どうやら好感触のようだ。
そうそう。男はこれくらい強引じゃなきゃあ、ダメだよ。
「とりあえず、話はこれくらいかな。それじゃ、あまり遅くなったらダメだから、あがりにしようか」
明日、彼女に事務所に来るよう伝え、今日は帰ることにした。
「え、ちょ、…一万置いてっちゃった。…ハナコに何か買っていこうかな」
今日の収穫は一人か。
まあ初日だし、大目に見ようかな。
それに、彼女は来る。
間違いない。
一人目から、面白い人材に巡り会えた。
しかし、今度は何もかも全て一からやるのか。
あの時より遥かに難しいな。
だが、壁が大きい程、燃えるのが男ってもんだ。
シンデレラガールズ。
やってやろうじゃないか。
彼女らには申し訳ないが、どうやら今回はライバルになりそうだな。
首を洗って待っていてくれ。
僕は今回も手は抜かないからな。
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