シンジ「強くてニューゲーム3」―シ者、転生― (128)

最初から
シンジ「強くてニューゲーム」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399784350

いきなり不具合

落としちまった前回
シンジ「強くてニューゲーム2」

http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs


しょーちゃんのSS
シンジ「強くてニューゲーム」1

まとめたやつ



第拾四話


約束



ー二回目ー

僕がはっきり、戻ったと認識した初めての時。

僕は、戸惑う事しか出来なかった。

どうして?

なんで、あんな嫌な思いをもう一度しなければいけないのだろう

僕は確かに、もう一度みんなに会いたいって思った、でも違う。

こんな酷い世界で会ったって、辛い事しかないから。

だから僕はエヴァに乗らなかった。

母さんがそこに居るとわかっていて、

そして…

―五回目―

エヴァへの搭乗拒否、それに自殺には意味が無いと考えて、渋々初号機に乗り込む。

そして父さんを殴ってから迎撃に向かう

第三の使徒…自分自身で戦うとそれなりに苦戦してしまう強さだった、司令室が父さんのくだりのせいで機能しなかったのも原因だと思う

そして…

―十六回目―

拳による撲殺でも、ネルフの諜報員は僕が惨殺 したと断定してくる、優秀過ぎるので最初期に父さんを殺す事をしぶしぶ諦める。

この人居なきゃ間違いなく平和になるのに、残念。

なんだかんだネルフという組織に処分されるのは精神 的にくるものがあるし、しょうがないかな。

なんとかうまく殺さないでやるしかない、最悪の気分


こんな奴生かしておく意味なんか無いのに。

でも、父さん殺すと周りのみんなが僕を遠ざけるのもなんとなく理解出来る。

少しだけ考え方を変えてみることにした。


そして…


―97回目―

父さんだけをどうにかすれば良いという考え方はどうやら改めてなくちゃならないらしい。

せっかく生かさす殺さずのビビり癖のあるダメダメ父さんに仕立てる方法確立したのに。

しかし父さん以外の事となるとやる事多すぎて辟易するな…問題が多すぎる。

と、考え事しながら戦っていたらあっさりと負けた、ちなみに第5使徒。

そして…

―118回目―

とりあえず今よりエヴァの操縦を上手くなろう、最初の、一度目以降、第14使徒すら拝見出来てないし、運任せの戦いは極力無くさないとまったく先に進めない。

…で運任せの作戦ばっかりのミサトさんを左遷してもらって、第10使徒との戦い。

そして…。

―282回目―

ようやく法則発見。

第10使徒はミサトさん必須
第11使徒はリツコさん必須
第12使徒は影に飲まれる必要無し
第13使徒はどう足掻いても乗っ取られるのでダミーを使うべし

問題は第5、第14使徒、この二体だけはどうしても勝率が低くて上手く行かない。

今更だけど一番最初で全ての使徒を殲滅出来たのはまぐれ以外の何者でもなかったんだなぁ、としみじみ思う。

ちなみに第14使徒になかなか勝てないのは初号機…つまり母さんを覚醒させないように戦っているからだと思う。
何故覚醒させないのか?それはサルベージの成功率が極端に低いからでもあるし、母さんが覚醒していると人類補完計画が成功してしまう可能性がかなり上がってしまうという理由からでもある。

やっぱり僕の目指してる結末はそうそう上手く事が運ばないらしい。

そして…

―402回目―

第16使徒まで(第10使徒のミサトさんの勘頼りと第11使徒のリツコさん頼りは除く)の単独撃破をほぼ確実にこなせる程度の実力をようやく取得、長かった。

具体的には重火器系の扱いはゴ○ゴ並み、刀剣系では飛天○剣流、九頭○閃までなら繰り出せるし徒手空拳でもラッシュでオラオラ出来るようになった。

ただ、どうやら僕一人で使徒を倒してもダメらしい。
僕が頑張れば頑張るほどアスカはへこむし父さんは警戒するし、さじ加減がやたらハードだ。

今回はわりと良いところまで進めたけどネルフ内部はグダグダで収拾付かなくなってしまった。

そして…。

―421回目―

とりあえず人間関係を改善するべく尽力する。

綾波の部屋に頻繁に遊び行ったり
アスカをヨイショしてヨイショしてヨイショしまくって可能な限り甘やかしてみたり
必要以上にミサトさんに甘えてみたり


何故か修羅場になった。

そして…

―467回目―

オールルート攻略完了、酒池肉林のハーレムが完成する。

何か忘れてるような気もするけど別に良いや、ははは



そして…

―492回目―

ようやく我に帰る、あんな爛れた関係保ってたら僕の望んだ結末にはならないと強く反省、あと疲れるし、あれ。

で、とにかく何かに付けてアスカの精神面がネックになる事が多いのでそこから手をつける。

試しに弐号機の事を説明してみる。

何故今までやらなかったか?それは弐号機の中の魂と会話出来るようになって、ようやくそれがアスカの母親だって確信出来たからだ。

そして、結果は最悪だった。

僕は二度とアスカにはエヴァの秘密は漏らさないと誓った。

そして…


―506回目―

アスカの対処法を把握した所で別の問題に着手してみる

それまでも色々と試したがどうしても加持さんが死んでしまう。

………もうめんどくさいからミサトさんのヒモに仕立て上げよう、これで駄目なら諦める方向で。

そして…

―数えなくなったので不明―

全ての使徒を倒し、あらゆる事を調整し、あと一つ、たった一つの事を済ませてしまえばそれで終わる。

約束の時が来る。

全て上手く行った。

なんの憂いもなくここまでこれた。

僕の望んだ結末は、すぐそこにある。

なのに、どうしても先に進めない。

何度頼んでも、カヲルくんは僕の願いを拒む。


あの時

遥か遠い、あの時のように。

この繰り返される運命に堕ちる前の僕がしたように

カヲルくんが、僕を殺せば全て終わる筈なのに。


………………


…………

………


―前回―

ミサト「…………そう、それが真実なのね」

シンジ「種として行き詰まった群体である人類を人工的に、単一の生命として強制的に進化させる計画、それが人類補完計画です……この辺りは加持さんからも聞いてますよね、ミサトさん」

ミサト「………ええ」

シンジ「……そして、それこそがサードインパクトと呼ばれる大災害でとある」

ミサト「止める方法は?」

シンジ「エヴァの破壊、もしくはネルフそのものをこのジオフロントごと消滅させる事、かな…」

ミサト「…………貴方達チルドレンは?」

シンジ「全員殺して下さい、僕らだけでなく、セカンドインパクトと同一日に産まれた全ての子供も」

ミサト「………そこまでして…」

シンジ「……老人達からすれば、寄代となる者は代理品で構わないし、エヴァも破壊されればまた作れば良い話です、時間は掛かるでしょうけど」

シンジ「…だから、全て壊して下さい、このネルフごと、チルドレンも、エヴァも、なにもかも」

ミサト「………それが、私に託された役目なの?シンジくん」

シンジ「ミサトさんでなければ無理なんです、他の人じゃ」

ミサト「何故?」

シンジ「…………僕らを殺したって事を背負う覚悟を持てないから、ミサトさんならその覚悟、持てるから」

ミサト「…………酷い話ね」

シンジ「はい、酷いですよ……出来ればこんなこと、僕だってさせたくないですし」

シンジ「……じゃあ、僕行きます………カヲルくんの所に」

ミサト「……一つ、教えて……貴方は、どうして死にに行くの?」

シンジ「…………なんでだろ、そうだな……」

シンジ「疲れた、からかな……」

ミサト「…………そう」


…………2001年

ゲンドウ「……………」

ミーンミーン

ジーワッジーワッジジジジジ…

ゲンドウ「…この子は」

ユイ「…はい、なんです?」

ゲンドウ「この地獄のような世界で生きて行かねばならんのだな…」

シンジ「………」

ユイ「あら貴方…生きてさえいれば、そこは天国ですよ…どんな所だって」

ゲンドウ「……そうか、そうだな…」


ゲンドウ「…ユイ」

ユイ「はい、シンジを抱きたいのね?はい」

シンジ「………」

ゲンドウ「…………」スッ

ユイ「そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ、シンジは貴方の子供なのよ?」クスッ

ゲンドウ「……ああ」ギュッ

シンジ「クサッ」

ゲンドウ「!?」ビクッ

ユイ「どうかしました貴方?」

ゲンドウ「………い、いや…なんでもない」

シンジ「……ニヤリ」

ゲンドウ「!?」ビクッ

ユイ「貴方?」

ゲンドウ「い、今シンジが笑って…!!」

ユイ「…?」

シンジ「キャッキャッ!!」

ユイ「ふふ、パパに抱っこされてごきげんでちゅねーシンジーふふふ」ニコニコ

ゲンドウ「そ、そうか、そうだな……」ドキドキ

シンジ「クセェ」ペッ

ゲンドウ「ユイ!!今シンジが!!」オロオロ

ユイ「はい?」

シンジ「…………」

ユイ「…どうかしました?」

ゲンドウ「…………いや………なんでもない」


………………


………2004年ゲヒルン実験棟


冬月「…………」

シンジ「………」ペコリ

冬月「……何故子供が居る?今日は大事な日だとわかって居るのか碇よ」

ゲンドウ「…………」

シンジ「…………」スタスタ

ユイ『私が連れて来たんです、冬月先生』

冬月「……ユイ君」

ユイ『この子には人の未来を見せて起きたかったんです』

シンジ「…………」ピタッ

ナオコ「…あら、何かよーお僕?」ナデナデ

シンジ「……んしょ」ヨジヨジ

ナオコ「あらあら、僕ダメよ?お仕事中だから、ね?」

シンジ「…………」カタカタカタカタ!!

ナオコ「あ、こ…こらやめなさい!!」ハシッ

冬月「…どうしたかね、赤城博士」

ナオコ「い、いえそれが…この子がプログラム弄ってしまって」

シンジ「…………」タタタ

冬月「……碇、ちゃんと見張っておけ、赤城博士はプログラムの修復を頼む」

ゲンドウ「………シンジ、こっちへ来なさい」

シンジ「………」タタタ

ゲンドウ「……父さんから離れたら駄目だぞ、いいな?」

シンジ「……ふっ」ニヤリ

ゲンドウ「…………」

ユイ『シンジ、おとなしくしててね?お母さんと約束』

シンジ「うん」コクリ

ナオコ「……あら?ぐちゃぐちゃにされたと思ったのに……おかしいわね?」

…………


ナオコ「…あら?碇所長のお子さんですか?あれ……でも確か男の子」

綾波「…………」

ゲンドウ「親戚の子供を預かりましてね、名前はレイと言います」

ナオコ「こんにちはレイちゃん」ニコリ

シンジ「………あ、綾波だ」スタスタ

ゲンドウ「!?」ギョッ

綾波「……?あなただれ?」

シンジ「ぼくシンジ」

ナオコ「……シンジくんだっけ?あなたもお父さんと一瞬に来たのね?」

ゲンドウ「シンジ、何故居る」

シンジ「来たから居るんだよ父さん」

ゲンドウ「………だからどうやってだ」

シンジ「電車だよ父さん」

ゲンドウ「………ここにはどうやって入った」

シンジ「ジオフロントの工事現場のおじさんにお父さんに会いに来たって言ったら通してくれたよ?」

ゲンドウ「誰だ、規則違反をして……」

シンジ「さあ?知らないよ」

ナオコ「…えーと?」

綾波「…?」

ん?てす

何故いきなり酉が変わったんだ


シンジ「もういい?綾波行こう?」ギュッ

綾波「………でも」チラッ

ゲンドウ「……行って二人で遊んでいなさい、他の人の迷惑にならんようにな」

シンジ「はーい」

綾波「わかりました」コクリ

ゲンドウ「……………」

ナオコ「………ふふ、かわいい子達ですね?所長」

ゲンドウ「……………ああ」

ナオコ「…………所長……ん…っ…」

ゲンドウ「……………」



シンジ「………」コソコソ

綾波「………?」キョトン

シンジ「……」つカメラ

綾波「………?」

シンジ「…………」カシャ、カシャカシャ


綾波「……………」


…………


ナオコ「………ふぅ、今日はこんなものかしら」


ナオコ「MAGI の基礎プログラム…ようやく目処が立ったわね…」カタカタ


ナオコ「……あら?なにかしらこのフォルダ?こんなもの作ったかしら?」カチッ

[スクープ!!所長と赤城博士の熱愛写真!!]


ナオコ「………は?なにこれ」


ナオコ「え?うそなんで…」オロオロ

シンジ「………おばさーん」タタタ

ナオコ「う、え、シンジくん!?なに?」ササッ

シンジ「はい、これ」

ナオコ「ノートPC?なにするの?」

シンジ「拡散されてるよ、それ」

[スクープ!!所長と赤城博士の熱愛写真!!]

ナオコ「」

綾波「………」トタトタ


ナオコ「れ、レイちゃん…?」

綾波「これあげるわ、ばあさん」

「GENDO,NAOCO,LOVELOVE(*≧∀≦*)」


ナオコ「」


ナオコ「」


ナオコ「」



……………

………


……



ヒソヒソ

ザワザワ


ゲンドウ「……………」

冬月「………碇よ」

ゲンドウ「…なんだ冬月」


冬月「ゲヒルンは本日付けで解体、これよりここは特務機関ネルフとなる訳だがな」

ゲンドウ「ああ」

冬月「MAGI システムの立役者である赤城博士…どうするのだ」

ゲンドウ「………先日これが郵送されてきた」

[離職届け]

冬月「………他の職員が噂していること、事実なようだな馬鹿者が」

ゲンドウ「…………押し付けて逃げた者に用は無い、赤城ナオコ博士の席には代わりの者を用意する」

綾波「……これでよかったの?」

シンジ「うん、ありがとう綾波」

綾波「うん」コクリ

ゲンドウ「………何故まだ居る、シンジ」

シンジ「………………ふっ、良かったねめんどくさい人から解放されて」ニヤリ

ゲンドウ「」ビクッ

冬月「……………」

綾波「…………?」

ちょっと休憩(´・ω・`)ノ


……現在。

リツコ「………そう、あの子が死んだの…」


リツコ「泣かないでおばあちゃん、仕方なかったのよ、寿命だったのねきっと」

リツコ「…ええ、そうね、一度顔見せるわ…うん、しばらくそっち行っていないのだし」

リツコ「それと母さんにもね、会いたいから」

リツコ「………そう、今パートに出てるのね?うん…良いわ、元気ならそれで」

リツコ「それじゃ、またねおばあちゃん、うん……」

ガチャ

リツコ「……そう、あの子がね………」



リツコ「………母さん可愛がってたのにショック受けてないかしら……また塞ぎ込まなきゃいいけど………」ハァ

リツコ「…………親子共々大馬鹿ね……ホント…」


…………


シンジ「……こんな感じかな…ごめん、長かったよね」

綾波「…ううん、いい」フルフル

シンジ「思い出した?ずっと前に会ってたの」

綾波「忘れてた訳じゃないわ、ただ…あの時の子が碇くんだって分からなかったから」

シンジ「………たぶんだけど、綾波のその身体、その記憶力に限界があるんだと思うよ」

綾波「…どういうこと?」

シンジ「リリンを模した身体だけど、それを維持するのはすごい大変だし、リリンのそれより脆弱なんだよ」

綾波「……そう」

シンジ「綾波、学校の成績も良くないし、あんまり」

綾波「そうね」コクリ

シンジ「………約束の時までの繋ぎの身体、だから父さんはそれで構わないと思ったんだね、きっと」


シンジ「僕にとっては冗談じゃないけどさ」

綾波「…………そう」


シンジ「………リツコさん、居るんでしょ?」

リツコ「………全てお見通し、ね…参っちゃうわね」

綾波「赤城博士…」

リツコ「…………なら何故来たのか、分かるのよねシンジくん」

シンジ「ダミーシステムの破壊ですよね、わりますよ」

リツコ「……ええ、そうよ」

シンジ「必要ありませんよ、リツコさんが壊したいのは綾波のダミーシステムですし」

リツコ「……?どういうこと?」

シンジ「現在のダミーシステムのプログラム、構築者は僕ですし、稼働可能状態のダミーシステムに入っているのは綾波じゃないって事です」

リツコ「…………まさか、ではあそこにあるのは……」

シンジ「綾波の身体の事ですか?そんなの飾りに決まってるじゃないですか」

シンジ「……僕があんなもの、そのままなんてする訳ないじゃないか」

リツコ「…………では、ここにいるレイは」

シンジ「一人目だし、死んだら次はありません」

綾波「…………」

シンジ「このまま綾波はリリンの中に交ざって、そのままリリンと同じように暮らして行くんだ」

リツコ「……不可能よ、だって……」

シンジ「不可能じゃない、だから、僕は頑張ったんだ」

リツコ「…………そう、ではもう一つだけ」

シンジ「……なんです?」

リツコ「レイではないのなら、ダミーシステムの中は誰が?」

シンジ「僕に決まってるでしょ、他の誰の魂でも、あの3号機の時に捨て駒にするのは気分悪くなりますし」

リツコ「…………そう」

リツコ「………とんだ無駄足ね…」

シンジ「そもそもリツコさんは…そこまで父さんに執着する理由ないと思いますけど」

リツコ「そうかしら? いえ……そうなのかもね……」

シンジ「はっきり言っちゃえば、あなたが愛して欲しい存在は僕が徹底的に潰したし、追い込まれてしまうような事も全て避けたはずですから」

リツコ「………」

シンジ「ここに来たのもただ、僕への確認作業のはずです、リツコさんの中にそこまでの、綾波を壊してしまいたいって程の執念はない」

リツコ「………そうね、確かにそうよ」

綾波「………」

リツコ「でもね、シンジくん……あなたが全て正しい訳でも無いわ」

シンジ「…………」

リツコ「貴方なら、私の次に放つ言葉、分かるはずよね?」

シンジ「人はロジックじゃない…ですか?」

リツコ「そうよ……あなたのそれは、全部計算、とても冷たい物よ」

シンジ「…………」

リツコ「そういう所、あの人にそっくりよ」

シンジ「……………そうかもしれないですね」


………

シンジ「………さて、と…これで最後、かな……」

シンジ「…………」


………………


……………


………



…………

日向「……!!ターミナルドグマに突如強力なAT フィールドが発生!!パターン青!!」

冬月「……!!第3の少年か…!!」

ゲンドウ「…………」

マヤ「各ブロックの隔壁閉鎖…!!ダメです、依然移動中!!」

青葉「硬化ベークライトも効果無し!!これは……エヴァ格納庫に向かってる!?」

ミサト「………シンジくん……」

リツコ「………ミサト……どうするの?」

ミサト「………碇司令」

ゲンドウ「………現時刻をもって初号機専属パイロット、サードチルドレンを使徒と最終判断、即時殲滅対象とする」

マヤ「……そんな…でも…」

リツコ「…マヤ、止めなさい」

マヤ「………シンジくんなのに…」

ミサト「………了解です、パイロット各員に緊急連絡、出撃急がせて!!」

日向「…りょ、了解!!」

ミサト「…………………………………」ギリッ

ゲンドウ「……………」


シンジ「…………じゃあ母さん、お願いね?」

初号機『…………』


マリ「ちょっと待ってよわんこくん」ザッ

シンジ「……真希波、早いね来るの?」

マリ「使徒が居るってのにわざわざ帰ったりしないでしょ?ずっと待ってたよ」

シンジ「そっか」

マリ「………ホントに使徒な訳?」

シンジ「うん、そうだよ」

マリ「じゃあなんで今まで大人しくしてたの?使徒はこのネルフ本部の下…セントラルドグマへの侵入が目的なんでしょ?」

シンジ「………うーん、なんて言えばいいのかな?」

マリ「………確かにちょっといじわるだったけどさ、友達になれると思ってたのに、どうしてよ?」

シンジ「…………ごめんね、真希波の事、良く分からなかったから警戒してたんだ……結局なんの因果も見つけられなかったけどさ」

マリ「やっぱり戦うの?正直こんなに戦いたくない相手初めてなんだけど」

シンジ「僕の方が強いから?」

マリ「それもあるけど……そういう事じゃないでしょ」

シンジ「……真希波って結構優しいんだね、もっと自分勝手な奴だと思ってた」

マリ「ひっどいにゃー?一応これでも友達とか仲間は大事にしたい子なのに」

シンジ「…うん、もし次、また巡り会えたら今度はもう少し仲良くするよ」クスッ

マリ「………次ってなにさ、今から殺しあうのにさ……」

シンジ「……うん、ごめん」


マリ「で、わんこくん、初号機に乗らないの?戦うんでしょ?」

シンジ「真希波こそ」

マリ「生身のわんこくん弐号機で潰すの?気が引けるんだけど」

シンジ「僕、使徒だよ?」

マリ「……それでもだよ、戦うならエヴァ同士の方がまだ気が楽」

シンジ「初号機には乗らないよ」

マリ「………どういう事?」

ズガンッッ!!

マリ「なっ…!?」

4号機『……………ォォォ…』メキメキメキィ!!

シンジ「………」スタスタ

マリ「…4号機!?渚!?」

シンジ「カヲルくんは乗ってないよ、僕の言うことは聞いてくれるけどね」

マリ「意味わかんないっての!!どういう事よ!?」

シンジ「…………4号機は僕だからね、ほんの少しだけど僕の魂を分けてコアに宿してある」

シンジ「………ごめん真希波、あまりキミに時間は掛けられないや、弐号機と戦って戦力潰すのも嫌だし、ごめんね」クンッ

マリ「…え…!?」

シンジ「……少し眠ってて……ふっ…!!」

ドッ…!!

マリ「…ぐ…!?」ヨロ

シンジ「ごめんね、ホントに」

マリ「……っ…」ドサッ


シンジ「……それじゃ、行こうか」


4号機『…………』


シンジ「……母さん、カヲルくんをよろしくね」

初号機『…………』

シンジ「…約束が果たされる為に」



予告

テーンテテーテテーテテテテーテテーテーンテテーテテー♪

セントラルドグマへと向かうシンジ

それを追うカヲルは何を思い初号機へと乗り込むのか

そしてレイは、アスカは、ミサトはそれぞれ何を心に秘める

次回「最後のシ者」

この次も、サービスサービス!!(テーテン♪)

エタらした事を深く謝罪しつつ今日はここまで

どうもすいませんでした(´・ω・`)

でわの


………


アスカ「………………」


アスカ「……うん、わかってる……バカシンジにちゃんと聞かないと納得出来ないわよね」


アスカ「あいつの望み、あいつの目指すモノ、何一つあたしは知らない」

アスカ「あいつが言わなかったから?違う、ただ聞こうとしなかっただけ」

アスカ「自分だけ、ホントに自分の事しか考えてなかったから」

アスカ「………うん、別にそれが間違ってたなんて思ってないわ、今でもね……結果的にはこうしてママとまた一緒に居られるんだから」

アスカ「でも、そのせいであいつに借り作っちゃったままなのもあたし嫌」

アスカ「だからあたし行くわ、あいつの所、エヴァには乗れないかもしれなけど、出来る事あるはずだから」

アスカ「………だからママ、またあたしに力を貸して…!!」

……………

………



…………


カヲル「………!!4号機が…!!真希波も!?」


ミサト『………………渚くん』


カヲル「…葛城さん、これは!!」


ミサト『見ての通りよ…シンジく…い、目標は4号機を伴ってセントラルドグマへ降下してる』


カヲル「……目標…」


ミサト『………そうよ、あれはもう…人類の敵よ、そう認識して』

カヲル「…………そんな…」


ミサト『………状況を簡潔に説明するわ、現在使徒はセントラルドグマへ侵攻中、妨害はしてるけど最終防衛地点への到達は時間の問題よ』

ミサト『そして迎撃しようにもマリは気絶中、それにレイも何処に居るのかわからないの、さらに言えば…渚くんに対応したコアプログラムを乗せた4号機は、目標の手足として使役されている』

カヲル「……つまり…僕に対応させる為にエヴァのコアを書き換えも出来ないって事ですか?」


リツコ『………その通りよ、同一のチルドレンに対応出来るコアプログラムは複数用意は出来ない』

カヲル「…じゃあ、どうすれば?」


ミサト『……リツコ、ダミーシステムが使用出来ないって根拠…それ間違いないのね?』

リツコ『………彼の用意周到さはミサトも知っているでしょ、間違いなく人形に邪魔されないように手を打っているわ』

ミサト『………そう、そうね………あの子なら結末はヒトの手で作らせようとするわよね…』


カヲル「……………」

ミサト『…………渚くん、初号機に乗りなさい』

カヲル「…………初号機に?でもコアは…」

ミサト『………加持くんも、それにあの子もあたなについては私に教えられた事はないけど、私の考えが正しければ……あたなは初号機に受け入れられるはずよ』

カヲル「…………初号機に?」


初号機『…………………』


カヲル「しかし、綾波だけじゃシンジを止めるなんて……」


ミサト『……そんな事はわかってる、でも現実的に不可能なのよ!!』

カヲル「………

ゲンドウ「…………」

冬月「……フィフス、渚カヲルか……確かに歪な存在だ」

リツコ「彼の経歴、調べても特に異常な点は見られませんでした、少なくともチルドレンとして選出した時点では」

冬月「データの改竄の痕跡もないとの事だったな?」

リツコ「はい、至って普通の家族構成、母親が例の実験の被験者であった事、セカンドインパクトど出生が同一日であるなどチルドレンとしての適切を満たす意外は特筆すべき点などありませんでした」

冬月「…………全て、データ上では、ということかね?」

リツコ「…はい、ほんの数日前…シンジくんを拘束した少し後になって判明した事ですが」


リツコ「彼は、セカンドインパクト当日に捨てられたように放置されていた所を現在の保護者に拾われ、実子として育てられたそうです」

冬月「…………何故それがこんな後になるまで発覚しなかった?」

リツコ「彼の仕業でしょうね、間違いなく」

ゲンドウ「………では、何故エヴァを動かせる?あれには…」

リツコ「………4号機のコアプログラム、それ自体を彼が用意したのでしょうね、先ほどの彼の言葉の通りなら」

ゲンドウ「…………何故それで動く、あれらの関係は?」

リツコ「…………恐らくは…………」

……………

………

>>51の下3行、カヲルとミサトの台詞なしで頼む



……………


カヲル「…………これが初号機の……」

『…………………』


カヲル「…………そう、そうか……そういう事なんだね、シンジくん……」


リツコ『…………………マヤ、神経接続』

マヤ『はい、初号機との神経接続開始、パルスあ、安定!!システムオールグリーン……そんな、コアは交換していないのに…』

ミサト『…………』

リツコ『……いけるわ』

カヲル「…………………」

ミサト『………渚くん、迎撃…行けるわね?』


カヲル「………………」


……………


……………

シンジ「…………」


4号機『……………』


シンジ「………くる……」




ダンッ!!


カヲル「…シンジくん!!」

初号機『……………』ズォッ!!


シンジ「待ってたよ、カヲルくん」

4号機『…………ォォォ!!』ギチギチ!!

初号機『……………ッッ…!!』グギギギ……!!


カヲル「……止まってくれ!!僕はキミとは……!!」

シンジ「………ごめんねカヲルくん、それは出来ない」





長い、円筒の中を2体のエヴァが掴み合い、競り合いながら落下してゆく。

シンジ「やるべき事は全て終わった、後は……僕だけなんだよ、カヲルくん」

初号機がパイロットの意思に呼応し、更に力を込める。

カヲル「……ッッ…!! だけど!!」

シンジ「……………カヲルくんも、もう気付いてるはずだよ、キミは」

その力に拮抗するかの如く4号機もまた押し返し、吼える。

シンジ「…キミは、僕だった存在なんだ」

カヲル「………ッッ…!!」


シンジ「4号機……明確な母親っていう存在がいないキミは、どうして動かせるか分かる?」

シンジ「それは、僕の魂が最もカヲルくんに近しい存在だからだよ、まるで母親と子供のように」

シンジ「………今、何故僕の母さんの魂の存在する初号機を動かせる?」

シンジ「それは、キミは僕と同じ存在だからだ」

シンジ「だから母さんはカヲルくんにも心を開く、終わらない環に閉じ込められながら、かつて僕と混ざりあい、再び二つに別れた存在だから」

カヲル「…………!!」

初号機『……………』メキメキメキィ!!

4号機『…………ォォォ…!!!!』ギチギチ!!

シンジ「………本来、使徒として存在していたのは渚カヲル、キミだったんだ」

シンジ「……でもあの時、あの瞬間にキミと僕のAT フィールドは混ざり、解き放たれて、魂まで一つに合わさってしまった」

シンジ「僕が、初めてキミを殺したその時に」

シンジ「…そして、その後あの結末を迎えた」

シンジ「全てのリリンが一つとなった世界で、キミを混じりあった僕とアスカだけが残された世界に」

シンジ「……僕はもう一度みんなに、ミサトさんに、トウジやケンスケ、委員長…リツコさんやマヤさん日向さん青葉さん……綾波にも、それにカヲルくんにも会いたかった」

シンジ「………あんな世界で、アスカと一緒だったけど……あんな何もない世界で生きていられなかった」

シンジ「だから、願ったんだ、また会いたいって、たとえまた傷ついたとしても、嫌なモノを見ることになったとしても」

シンジ「…………そして、この繰り返す運命が始まった」


カヲル「………」


シンジ「…きっと、この記憶を引き継いでしまう力も本来はカヲルくんが持っていたんだと思う、キミは使徒の中でも特殊な存在だったんだね」


カヲル「………だから、それで…僕に?」

シンジ「………………そろそろ、着くよカヲルくん」


ズズズズンッッ!!


……………

…………

日向『…セントラルドグマ直上に強力なAT フィールド!!センサー、カメラ等全ての情報がされています!!』

ミサト『…………っ…』

冬月「…まさしく結界だな」

ゲンドウ「……………」


青葉「…っ!!結界上部に新たな反応!!セントラルドグマを遮断しているAT フィールドと同等の物が二つ!!」

リツコ「なに?どういうこと!?」

青葉「あ、いえ、反応消えました!!」

ミサト「…二つ、か…………日向くん、ちょっと」

日向「………はい、なんでしょう」

ミサト「………もし、サードインパクトの兆候が見られたら、その時はここをジオフロント全て巻き込むレベルで起爆させて」

日向「……………それは……いえ、わかりました葛城三佐」

ミサト「…ごめんね、ただの部下でしかない貴方にいきなりこんな事言って」

日向「…構いません、貴女の為なら」

ミサト「……ありがとう」

日向「…………」


アスカ「貴女も来たのね」

綾波「…………ええ」

アスカ「なんの為に?シンジくんの為?」

綾波「……貴女は?」

アスカ「直接話すのは初めてだったかしら?この娘の母親よ」

綾波「………そう」

アスカ「それで、貴女はどうして行くの?」

綾波「わからない」

綾波「…でも、碇くんを気にしてる、私」

アスカ「……なら行きましょうか、結末はどうであれ、貴女たちは立ち入る権利があるはずだから」

綾波「…………ええ」



ズズズズンッッ!!


4号機『……グォォォッッ!!』

初号機『………………っ!!』


カヲル「…っ!!シンジくん!!」



シンジ「………4号機、もう良いよ、戻ってきて」スッ

4号機『…………ォ……………………っ』


カヲル「…え?」

4号機『』ズズン…

初号機『……………』


シンジ「…あくまでも4号機は物理的な障害を退ける為だけに連れてきたからね…もう、役目は終えたからコアの中の魂も僕に帰らせたんだ」スー…

カヲル「まて!!シンジくん!!」

初号機『……………』ズン…ズン…

シンジ「………やっと来たね、ここに……そして久しぶり、リリス」

リリス『………………』

シンジ「…といってもキミの心の方にはいつも会ってるか」クスッ


カヲル「…シンジくん」

シンジ「…………本当はちょっと不安だったんだ、カヲルくんが僕を追い掛けてきてくれるか」

カヲル「………………」

シンジ「…ありがとう、来てくれて」

カヲル「……………本当に……それしかないのシンジくん…ここまま引き返せばまだ間に合ったりは………」

シンジ「…無理だよ、同じ事だ」

シンジ「ゼーレの老人達も父さんも、そして僕自身も」



シンジ「…今、この瞬間に僕に死が訪れる事を望んでる」


シンジ「ここでの筋書きは誰のシナリオであろうと必ず僕が死ななくちゃならないんだよ、カヲルくん」

カヲル「…そんなの…なんで…!!」

シンジ「…ごめん、でも…僕は疲れたんだ…」

シンジ「……決して歪められない輪廻の中に留まるのが」

シンジ「カヲルくんには…いや、誰にもわからないよ、この苦しみは」

シンジ「僕が望んだのはみんなが笑いあえるような世界だったのに、エヴァとか、使徒とか!!ネルフもゼーレもないような幸せな世界だったのに」

シンジ「何回僕の前で綾波は死んだ?ミサトさんや加持さんは何度死んだ?何度トウジを見殺しにした?何回アスカ壊れた?何度父さんに裏切られた?」

シンジ「………こんな事なら、会えない方が良かった」

シンジ「こんな地獄を繰り返すなんてわかってたなら、みんなが傷付くのを見てるしか出来ないなら…」

シンジ「………だから、もう…終わりにしたいんだ…」


シンジ「…約束の日を向かえた時、僕が寄代じゃだめなんだ……それじゃあ結果は変わらない」

シンジ「だから、だからカヲルくん……キミに頼むしかないんだ、なにもかも終わらせる為に」


シンジ「……カヲルくん、キミに僕を殺して欲しい」


アスカ「…………言いたい事はそれで全部?バカシンジ」

シンジ「……!! アスカ?」

カヲル「……惣琉?なんでここに…」

初号機『………』

綾波「…碇くん」

シンジ「…綾波まで」

アスカ「…いったいどんな事考えてんのかって思ったら…バッカじゃないの!?」

シンジ「…アスカ」

アスカ「アンタってホントにバカだわ!!ただいじけてるだけの情けない奴よ!!」

シンジ「………………」

アスカ「あたしはアンタが使徒だろうとなんだろうと関係ない、多分この二人もね」

アスカ「……だから、勝手に死のうとするな、バカシンジ」

綾波「…………碇くん、私も貴方が居なくなるのは嫌な気持ちになる」

シンジ「…………………」


シンジ「…………ダメだよ、みんな」


カヲル「…シンジくん、みんなキミの死を望んでないのにどうして!!」

アスカ「いい加減にしなさいよ!!勝手な事ばっかり言って!!」

綾波「…………」


シンジ「…綾波は、分かるよね」


綾波「………………」ギュ


シンジ「僕がここで死ななくちゃ、滅びるのはリリンの方だよ、これまで準備してきた事が全部無駄になる」

シンジ「………それに、ミサトさんにも頼んでる」

カヲル「……頼んだって?」

シンジ「ミサトさんなら、自分と、ネルフそのもの全てを消してでもサードインパクトは起こさせない」

アスカ「……っ!!ミサト!!」

シンジ「無駄だよ、ここの情報は僕がフィールドを解かない限り司令室までは届かない」

アスカ「止めさせなさいよ!!なんでそこまでして自分が死ぬ事に拘るのよバカ!!」

シンジ「………ごめん、アスカ」

アスカ「謝るな!!謝るぐらいならやめろ!!」

シンジ「………ごめん」

ねむい(´・ω・`)おやすみ



シンジ「さあ、カヲルくん」


カヲル「………どうしても、なの……シンジくん」


シンジ「うん、ここでキミが僕を殺さなければ、また同じ事を繰り返す」

シンジ「何度も、何度でも、僕はこの環に閉じ込められたまま永遠に抜け出せない」

カヲル「………………そうか」

アスカ「……っ!!渚!!」

綾波「…!」

初号機『………………………』ズォッ

カヲル「………これしか、キミが救われる方法は本当にないんだね?」

初号機の腕がシンジに伸びる。

シンジ「…うん、試せる事は全部試したよ、これ以外は」

ゆっくりと、優しく包むように、初号機の掌の中へと。

カヲル「………………………………………………………………」


初号機『…………』


綾波「…碇くん」

アスカ「やめろ!!やめろやめろ!!止めて渚!!シンジ!!やめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!やだ!!やめて!!!!」

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………


………………………………………………………………………………………………………

…………………………………………………………………………。



そして。



第拾伍話



最後のシ者



……………


カヲル「……………本当に、これで良かったんですか、僕は」

ミサト「…………それは、これからの私達次第よ」

カヲル「…………シンジくんなら、もっと他の方法を見出だせていたんじゃないんですか……?」


ミサト「……………」

カヲル「彼はいいやつだった、彼がしてきた事のほとんどは僕らの為にしてきた事なのに……どうして…!!」


ミサト「貴方が苛む事じゃない、これはシンジくんの…彼の意志だったのだから」

ミサト「……生きていられるのは生きる意志のある者だけよ」

カヲル「……………」


最終話


いつか、また出会う日まで


………………


ーネルフ本部・指令室ー

ビーッ!!ビーッ!!

マヤ「通常機能に異常発生!回線が一方的に遮断されています!!」

冬月「左は青の非常通信に切り替えろ!!そうだ衛星を開いても構わん!!」

青葉「全ての外部端末からデータ侵入!MAGI へのハッキングを目指しています!!」

冬月「…やはり目的はMAGIか………侵入者は松代のMAGI2号か?」

青葉「いえ、少なくともMAGIタイプ5!!中国、アメリカからの侵入が確認出来ます!!」

冬月「ゼーレは総力を挙げているな…彼我兵力差別は1 対5分が悪いぞ…」

マヤ「第四防壁突破されました!!」

日向「データベース閉鎖…!!ダメですカット出来ません!!」


マヤ「さらに外郭部侵入!!」

冬月「…まずいな…MAGIの占拠は本部のそれと同義だからな…」

ゲンドウ「…………」

ミサト「…状況は!?」

日向『先程第2東京からAー801が出ました!!』

ミサト「801!?」

日向『特務機関ネルフの特例による法的保護の破棄、 及び指揮権の日本政府への委譲です』

ミサト「………」

日向『最後通告ですよ、現在MAGIがハッキングを受け ていてかなり押されています』


マヤ『赤木博士がプロテクトの作業に入りましたので間に合えばどうにかなると思います!! 』

ミサト「…そう、ならMAGI の方は大丈夫ね」

ミサト「……あとどれくらい?」

日向「間に合いそうです、120ページ後半まで一分半、一次防壁展開まで2分半ほどで終了しそうです」

マヤ「さすが赤木博士ですね」

ミサト「……安心してる場合じゃないわよ、これだけで済むような生易しい連中じゃないわ」

冬月「…MAGIは前哨戦に過ぎん、本命は本部の直接占拠及び、エヴァの直接占拠だな」

ゲンドウ「…………」



マヤ「…MAGIへのハッキング停止しました!! Bダナン型防壁を展開、以後62時間は外部侵攻不可能です!!」

ミサト「……間に合ったか」



カヲル「………………」


マリ「…とうやら、ちょっとヤバい状況みたいね」

カヲル「……………」


マリ「………どうするの?多分出撃だけど?」

カヲル「…わかってる、多分…これを乗り切る為にシンジくんは動いていたんだから」

マリ「……なら行くよ、無駄にしたくないんでしょ?」


カヲル「……ああ」

……………

綾波「……………」


アダム「……………」

綾波「………ごめんなさい、碇くん」スッ


アダム「…………………」


…………………

…………


………………


アスカ「………………」


アスカ「……シンジ」


アスカ「………………」




…………………

…………



………

ビーッ!!ビーッ!!

「大観山第8から17までのレーダーサイト沈黙!!」

「特化大隊強羅防衛線より侵攻してきます!!」

「御殿場方面 からも2個大隊接近中!!」

冬月「……やはり、最後の敵は同じ人間だったな」

ゲンドウ「………総員、第一種戦闘配置」

マヤ「戦闘配置…?」

青葉「………」

マヤ「…相手は使途じゃないのに…同じ人間なのに」

日向「…向こうはそう思っちゃくれないさ」

………

「大ヶ岳トンネル使用不能!!」

「西5番搬入路にて火災発生!!」

「侵入部隊が第一層を突破しました!!」


ミサト「……エヴァパイロットの現在地は」

マヤ「渚くんとマリは現在格納庫へ向かっています!!」

ミサト「レイは!?」

青葉「それが…見当たりません、完全にロスト!!」

ミサト「……殺されるわよ…!!急いで探して!!アスカもよ!!大至急探しだして!!」

青葉「は、はい!!」

冬月「戦自約一個師団を投入か、占拠は時間の問題だな」

ゲンドウ「ああ…」

「第二グループ応答無し!!」

「77電算室連絡不能!!」

「52番のリニアレール破壊されました!!」

日向「たち悪いな…使徒の方がよっぽどいいよ」

ミサト(…無理もないわ、みんな人を殺す事に慣れて ないもの)


ゲンドウ「…冬月先生、後を頼みます」


冬月「…………ああ」


ゲンドウ「………………」スタスタ


冬月「………碇よ、ユイくんには会えるのかね?アレを入手するのは結局叶わなかったようだが」

ゲンドウ「……………わかりません、ですが」

冬月「……………」

ゲンドウ「………せめて息子の願いだけでも見届けたいので」

冬月「……そうか」

ゲンドウ「……………」スタスタ


冬月「……不器用な男だよ、お前は」


ミサト『…いい、二人共?エヴァ2機で可能な限り牽制して、戦自の戦力ではエヴァに敵うはずないけどその次が必ずある、油断だけはしないで』

マリ「りょーかい」

カヲル「……………」

ミサト『……それじゃ、よろしく頼むわ、全てきよ局面に掛かってる、私達の未来、人類の行先、シンジくんの望んだもの全てが』

カヲル「……………人を殺してでも、ですか?」

ミサト「…そうよ、躊躇わないで」

カヲル「……………………」


アスカ「………………」

カヲル「…!惣琉どうしてここに……」

アスカ「……黙れ、話かけるな」

カヲル「…………っ……」

初号機『………………』


アスカ「…どうしてシンジを見殺しにしたの?母親の癖に」

初号機『……………』

アスカ「………なんとか言いなさいよ……!!」

初号機『………………』

カヲル「……………」


カヲル「………惣琉」

アスカ「だから、お前があたしに話かけるな!!」

カヲル「ごめん、でも聞いてくれ…初号機は、シンジくんのお母さんは全部わかっていたんだ、シンジくんの事を」

アスカ「うるさい聞きたくない!!」

カヲル「聞くんだ!!キミだってわかっているだろう!?もう本当に、シンジくんはああなるしかなかったんだって!!」

アスカ「お前が言うな!!シンジを殺しておいてお前が言うな!!あたしは許さない、絶対に許さない!!」

カヲル「許して貰えなくていい、僕だって自分を許せない!!でも、今は聞くんだ!!」

アスカ「……………っ……!!」ギリッ

カヲル「……今、初号機は心をほとんど閉ざしてる、当たり前だ…救う為だとはいえ子供を………目の前で失ったんだから」

アスカ「……………」

カヲル「憎むなら僕だけにして欲しい、全部終わったら、惣琉の好きにすれば良いよ、僕を」

アスカ「…………あたしはお前を殺すわよ、シンジがダメと言おうがなんだろうが、絶対に」

カヲル「構わない」

アスカ「…………」


ズズンッッ…!!

カヲル「…!!」

アスカ「……っ…」ヨロッ

ミサト『……状況は!?』

青葉『…これは、まずい!!エヴァ格納庫付近に別動隊!!』

日向『くそ!?いつの間にそんなとこまで!!』

ミサト『零号機と4号機にベークライト!!間違っても運び出されるような事態だけは阻止して!!』

マヤ『で、ですが零号機を硬化させてしまうとレイが!!』

ミサト『エヴァへの搭乗はもう間に合わない、レイは見つけ次第こちらへ誘導して!!もうそれしかないわ!!』

マヤ『り、了解!!』

カヲル「葛城さん!!惣琉は!?」

ミサト『……く…!!日向くん!!』

日向『ダメです!!格納庫とこの司令室を繋ぐルートは既に制圧されてます!!』

マヤ「……ありゃ、こりゃヤバいにゃ?」

カヲル「どうすれば…!!」

前レス下から二行目マヤではなくマリだった、すまん


マリ「あー、仕方ないかな?姫、エヴァ乗ってよ」

アスカ「……エヴァに?あたし操縦出来ないわよ?」


マリ「だから、相乗り」

アスカ「…………えー、大丈夫なのそれ?」

ミサト『アスカ、マリに従って!!もう時間がない!!』

アスカ「…あたしは平気なんだけど…」

カヲル「惣琉、たぶんキミはAT フィールド、使えるんだと思うけど……完全に安全とは言えない、だから」

アスカ「五月蝿い、あたしに指図しないで」

ミサト『アスカ!!』

アスカ「…わかってるわよ、ちょっと、フォース、アンタが乗せて」

マリ「え、私なの?えー…」

アスカ「あっちに乗るぐらいなら死んだ方がマシよ、それに弐号機は元々はあたしのでしょ?」

マリ「……わかったわよ、はぁ」


ミサト『……まあ、エヴァの中なら安全なはずよ、とにかくお願いね』

カヲル「…はい」

マリ「じゃ、いっちょ暴れてやるかな♪」

………………

ねむい(´・ω・`)またな


…………

同じ時を繰り返す。

それはどれほど残酷な事なのだろう。


『………エヴァシリーズ…完成していたの?』

『はんッ、上等じゃん』

『渚くん、マリ、エヴァシリーズは必ず殲滅して、私達が…人類が生き残る為にはそれしかないわ』

『………………』



親しい人が傷ついて、涙を流し、そして死ぬ。

何度も、何度でも。




彼は何を想い、何を望んでいたのだろう。

『…………レイ』


『……碇司令』


死とはどういう物なのだろう?



『…アダムを持ってきたようだな』

『…………はい』


彼は、自らの死が何をもたらすと思ったのだろう?

それは苦しみからの解放?

束縛からの解放?

それらはなんと呼べば良い?

『……行くのか、シンジに会いに』

『はい』

『…………そうか』


何故、彼は死を選んだのだろう?


生きる事を否定する事で彼は何処に向かいたかったのだろう。


その先に、彼の安らぐ物はあるのだろうか?


……………



彼は言った。

疲れたからだと。

でも、なら何故、僕らの事を最後まで気にかけてくれた?

彼がいなければ、僕らは何処か、もっと早くに死んでいただろう。

今、僕らが生きていられるのは彼の力だ。


『…うらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』

『……次!!右から!!』

『ちっ!!いい加減しつこい!!渚!!フォローして!!』

『ぐっ!!コイツら動きがシンジくんと…!!』

『………バカシンジのダミーで動かしてるって訳?虫酸が走るわね』



そして、彼の望んだモノを掴むには、僕らは未熟だったのかもしれない。


『…ロンギヌスの槍!?』


『真希波!!避けっ…!?』


『…………!!!!』


それとも、これも彼の望んだモノへの通過点なのだろうか?



それとも


彼の望む世界は、きっと…誰かが傷ついたり、傷つけられたりしない、いわゆるありふれた日常が続く世界だったのだろう。

エヴァも、ネルフも、使徒もゼーレも何もないただ、平凡な世界。

だが、彼が彼である限りそれは決して訪れはしない。

『だからこそ彼は自らの死を望み、自由を求めた』

『……加持くん!?どうしてここに……』

『せめて、結末が訪れる瞬間ぐらいはキミと同じ場所に居たくてな』

『………死ぬわよ、ここに居ると』

『なら、尚更だ…俺だけ置いていかれてもどうしたら良いかわからないからな』

『……………馬鹿』

きっと彼にとっても、それは苦渋の決断だったのかもしれない、かつての自分と同じ苦しみを、同じ悲しみをそのまま味あわせたのだから。




彼の心には何が映っていたのだろう?

彼の心には何が映っていなかったのだろう?


『……………』


『……俺は解らなくなった、ユイは、シンジは何を望んでいたのか』

『…………』

『俺はただ、ユイにもう一度会いたかっただけだ、何を犠牲にしてでも』

『……………』

『……だが、本当にこれで良かったのか?シンジを失ってまでそれは成し得るべき事だったのか?』

『……………』


『俺はどうすれば良かった?』


『………』

『…………………レイ…行くのだな?俺を置いて』

『………ごめんなさい、碇くんが待ってる』

『…………そうか………』


『………』

『…………ただいま』



シンジくんが望む世界は、どういう物だったのか、それは彼自身にしかわからない。

『……真希波!!惣流!!クソ、クソっ!!!!』

『』

『に、弐号機が…うっぷ…』

『エヴァシリーズ、初号機を中心にして位相空間を反転させています!!』

『…アンチ・AT フィールドか…!!』

この世界の先に、シンジくんが望む世界があったのかもしれない。

でも、そこにシンジくんは居るのだろうか?


シンジくんがこれまでしてきた事は、結局のところ自分自身が居なくなった後、約束の時をやり過ごす為の準備だったのだろう。

自分自身が死んだ後の為に、何故彼が色々と手を打つ必要があった?

この世界で彼が成した事は、言ってしまえば彼が新たな世界へと戻る時に全て消える。

何もかもが戻り、全て消える。


なのに彼は他者の悲劇を、運命を、死を、抗い打ち消そうとした。

仮にこのまま、約束の時をやり過ごし、人の種としての結末を先伸ばしに出来たとしても、既に死してしまった彼にはその世界を見る事は出来ないのに?

本当に、彼はそれで良かったのか?




『ほ、本部直下、セントラルドグマより反応!!パターン青、人間です!!』

『…………!?』


きっと、彼はほんの少しだけ諦めたのだろう。

その世界に、自分が居られるという事を。


『……綾波』

『………………………』


幸せ、語るのは簡単でいて、創るのは難しいそんな世界に自分が居られるという事を。

だけど、本当にそれで良かったのかな。


カヲル『………どうなんだ?シンジん?』


……………


……………………








…………………………………そして。


………………


シンジ「……………」ツーーー…

シンジ「…ダメだ、繋がらないや」ガチャ


シンジ「モノレールも止まってるし……仕方ない、歩こう」スタスタ

…………

………



……………


初号機『……………』

シンジ「これは…ロボット?」

リツコ「汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン、その雛型である初号機よ」

シンジ「…これが父さんの仕事ですか」


ゲンドウ『そうだ』

シンジ「…父さん!?」

ゲンドウ『…ふっ…出撃』

ミサト「出撃!?零号機は凍結中でしょ!?誰が…まさか…」

リツコ「シンジくん、貴方が乗るのよ」

シンジ「え……」

ゲンドウ『説明を受けろ、シンジ』

シンジ「…………父さんは、こんな事の為に僕を呼んだの?」

ゲンドウ『そうだ』

シンジ「………無理だよそんなの…見た事も聞いた事も無いのに、出来る訳ないよ!!」

ゲンドウ『…乗るなら早くしろ、でなければ帰れ!!』


シンジ「………ッッ!!」


…………………




……………



シンジ「………!!」

綾波「……はぁ…はぁ…ぅ…っく…!!」

シンジ「……っ!!」

初号機『……………』

シンジ「……逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…!!」

シンジ「…乗ります、僕が乗ります!!」


…………そして、キミはまた運命を仕組まれる存在となる。



綾波「貴方は死なないわ、私が守るもの」

シンジ「………綾波…」

綾波「さよなら」


シンジ「…………」

キミは何度も傷ついた。

………

シンジ「綾波ぃ!!くっ!!ぐぅ…!!」


綾波「…………碇くん?」

シンジ「………さよならとか…そんな事言うのやめろよ…」

綾波「どうして泣いてるの?」

シンジ「……綾波…が生きてたから、嬉しいからだよ…」

綾波「………ごめんなさい、こんな時どんな顔すれば良いのか分からないの」

シンジ「………笑えば良いと思うよ」

…………

そして、時に笑い、人との繋がりに微かな幸せを感じて。


全てを知れば、キミは僕をなんて言うだろうか?

シンジ「……っ!?なんだこれ…何をしたんだ父さん!!」

ダミーシステム『………………』

初号機『………………』

第9の使徒『が、ガァァァァ!!!!』

シンジ「やめろ!!止まれ、止まれよ!!」

初号機『…………………』バキンッ!!

シンジ「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

何も知らない方が幸せなのか、それとも、全てを知る方が幸せだったのかは分からない。

だが、キミを救うには、僕にはこれしか方法がなかった。



だけど、だからこそ僕はこう願わずにはいられなかった。

それが、僕の存在する理由となった。


カヲル「……今度こそ、キミを幸せにしてみせるよ、碇シンジくん」



……………


…………


……


あの時、僕はこう願った。

もう一度、キミに会いたいと。

それは、キミへの裏切りだったのかもしれない。

記憶を受け継がないとはいえ、キミをまたあの悲しみと憎しみが渦巻く世界へと落としてしまったのだから。

でも、それしか方法がなかった。

あのまま、約束の時を止める事もきっと出来ただろう、でも僕はしなかった。

もう一度、キミに会う為に。

本当の意味で、キミを救えるように。


……………


そして。


…………………

………………


…………

………


シンジ「…………」


アスカ「…そうやってまたあたしを助けてくれないのね」


シンジ「…………」

アヤナミ「……………」ザッ

アスカ「……初期のアヤナミタイプか、あんたも来る?」

アヤナミ「………」コクリ

アスカ「…ここじゃリリンは浸入出来ないか、迎えが来れる所まで移動するわよ」

シンジ「…………」


アスカ「…立て、行くわよ」グイッ

シンジ「………」ズッ

アスカ「…………ふんっ…」

……………


おわり


最後の細かい所は新劇序、破、Qを見てくれ(´・ω・`)ノ

後半ネタ仕込めなかったがまあエヴァってそんなもんかなーと思うので良いや

何か質問あれば答える

カヲルループ→シンジループ→カヲルループ?

>>118

TV版→シンジループ→新劇

元々カヲルくんってループしてそうだったから(´・ω・`)

シンジ君はなぜ使徒タブリスになったの?

>>120

こんな結末ヤダー→もう一回やり直したい→記憶の継承はカヲルくんの力→都合良くカヲルくんの魂が一緒→カヲルくんが使徒じゃなければ殺さなくても良いかもしれない→貰っとこう。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom