男「俺、インキュバスだったの?」(24)
姉「そうよ。今まで秘密にしていたけれどね」
男「不思議に思っていたんだ。
たまに背中に黒い羽が生えて空を飛んでいたり、
不良に絡まれたら意識を失い、
目覚めたら不良の首が銅から離れていたり」
姉「それ、インキュバスの能力とは関係ないから」
男「それで、インキュバスの能力ってどんなものだ?
美女を魅了するとか?」
姉「魅了だけどかなり厳しい制約があるわ」
姉「まず最初に、相手は処女でなければならない」
姉「そして相手は魅了されることに協力的でなければならない」
男「ずいぶん厳しいなあ」
姉「魅了の方法は性行為。しかも相手の積極的な意思があることが前提」
姉「精液を相手の子宮にそそぐことで魅了が完了するわ」
姉「ただし相手の意思に反する性行為では魅了することはできない」
姉「相手の女がすでに性行為を経験していた場合も同様」
男「……ハードル高すぎ。ていうか、魅了の能力あっても意味ないだろ」
姉「ハードルが高いと思うのはあなたが童貞だからよ」
姉「その童貞、私が奪ってあげる」
男「いきなり何言うんだよ!」
姉「私実はサキュバスなの。当然処女でもなんでもないから魅了されることもないわ」
姉「だから安心して中出ししなさい」
(事後)
男「…しくしく。初めてだったのに」
姉「いつまでも泣くんじゃないわよ。私だって初めてだったんだから」
男「…!? 姉さんはサキュバスで処女ではないといわなかったか?」
姉「ごめんね。サキュバスは本当だけど処女を守っていたのよ」
姉「そして中だししてもらったので、私はしっかりあなたに魅了されました(ぶい)」
男「笑顔で報告されても反応に困る」
姉「そして中だししてもらったために私のサキュバスとしての能力が完成したのよ」
姉「相手の目を見るだけで魅了させられるようになったわ」
姉「今までは90分間見つめ続けないと効果が発揮しなかったのよ」
男「大変だったのねぇ」
姉「ただ問題も発生したわ」
姉「あなたに魅了された私がサキュバスの能力であなたを魅了することになるわね」
姉「するとあなたはまたセックスしたくなる」
姉「終わった後も私は魅了されたままなのでまたあなたを魅了する」
姉「もう一度セックス」
姉「いつまでも終わらないわね」
男「…どうするんだよ」
姉「だから明日の朝にあなたの幼馴染に家へ来てもらうことにしたわよ」
姉「何も教えてないけれど、幼馴染は私たちを見て引き止めるはずよ」
姉「だから安心して朝まで励みましょう」
姉「夜はまだ長いわ」
男「ひぇーーー」
幼馴染「あんたたち姉弟で何やっているのよ」
男「…姉に襲われてました」
姉「お互いの合意の上です(ぶい)」
幼馴染「はいはい、インキュバスにサキュバスね」
姉「そして、インキュバスは美女を数多く魅了しなければならない」
姉「できれば100人、最低でも4人」
男「なんでだよ」
姉「インキュバスに魅了された女は各々が持っている能力を引き出すことができるわ」
姉「私のサキュバスとしての能力が完成したようにね」
姉「能力は人それぞれだけど、地球を破壊できる女が現れるかもしれないわね」
男「物騒だな」
姉「そして女たちはあなたに魅了されているわ」
姉「そう、あらゆる能力はあなたを守るために存在するのよ」
姉「インキュバスであるあなたは数多くの女を魅了しなければならないわ」
姉「いずれ訪れるであろう魔族大戦を生き抜くために」
男「いまいちよくわかりません」
姉「幼馴染さん、あなたにも協力してもらうわ」
幼馴染「えっ、えっ? 私、男の人といきなりそういう関係になるのは…」
男、姉「??」
姉「幼馴染さんには適当な美女を紹介してもらいたいの」
姉「あなたは結構交際範囲が広いというからね」
幼馴染「はぁ?」
姉「こいつの好みは直接本人に聞いて」
姉「しばらく部屋の外へ出るから、ゆっくりとね」(ドアをバタン)
幼馴染「あんた、これからいろんな人を抱くのね」
幼馴染「私は違うんだ」
男「おい、いきなり不機嫌になるなよ」
幼馴染「今すぐ私を抱いて! 私の初めてを奪って!」
男「お前、何言っているんだ」
男「俺がお前を抱いたら、お前は魅了されるんだぞ」
幼馴染「わかってるわよ。魅了したいのよ」
幼馴染「だからあなたは今すぐ私を抱いて、壊して、好きだと言って!」
(朝チュン?)
姉「ちょっと目を離したらそういう関係になったのか」
幼馴染「はじめを男の子がほしいね。次は女の子」
男「……」
姉「それよりあなたが修得した能力を教えてくれない」
幼馴染「そっそっそれは言えないわ」
姉「じゃあ結ばれたばかりだけどこいつの精液を私がしぼりつくすわね」(よだれ)
幼馴染「やめてー、いうわよ。私の力は…」
幼馴染「この周りに処女がいるのか、この人と相性がいいのかがわかる能力!」
幼馴染「ここ中心に半径20キロに適合する女の人が
100人以上いるってすぐにわかりました」
男「なんだ、その微妙な使い道のない能力」
姉「すごいわ!これでハーレム建設のスピードが格段に速くなるわ」
男「…役に立ったみたい」
幼馴染「よくないわよ。なんであなたをほかの人に渡さなければならないのよ!」
(それからそれから)
幼馴染「そっちの方向へ行っちゃダメ。敵が潜んでいるわ」
男「善良な市民を敵扱いするのはやめようよ」
姉「こいつを誘惑する女はみんな敵なんだよね、幼馴染ちゃん」
姉「でも、せっかくの処女探索能力を使って
こいつを処女に近づけさせないというのはどうかと思うわ」
幼馴染「からかわないでください。私は必死なんです」(がっしり)
男「四六時中ぴったりくっついてたら誰も近づかないって」
姉「外出する時も食事する時も
寝る時もトイレへ行く時も一緒というのは、
さすがにやりすぎだね」
幼馴染「それもこれも私の大事な人を守るためです!」
男「守る対象と方法がかなり間違ってます」
幼馴染「……! この先200メートル先に別の敵(美人の処女)発見!
その角を右へ曲がりましょう」
姉「こうして女を避けつつたどり着いた先にあったのは…」
男「ラーメンの山岡家!」
幼馴染「そうよ、ここには若い女性がいるはずはないわ」
男「偏見だろ、それ」
姉「仕方ないわね。中に入って話をしましょう」
姉「私たちが処女を集めるのはこいつを助けるためでもあるの」
幼馴染「護衛兵を増やすだけでしょ。私だけで十分よ」
姉「しらないのね。弟の体内には《内なる暗黒の波動》が満ちていることを」
姉「暗黒の波動が過剰になれば弟は闇の意思に飲み込まれる」
姉「そして、波動は弟に魅了された女が性行為を通じて中和することができる」
姉「でも一人で中和できる波動の量は限られているわ」
姉「だから一人でも多くの処女を弟が魅了しなければならないの」
男「おい初耳だぞ。というか、たまに不良の死体が目の前に転がったりするのも、
暗黒の波動のせいだというのか」
姉「そういうことになるわね。>>1の設定が無駄にならなくて済みそう」
幼馴染「波動なんて私一人が全部受け入れて見せます!
もうこれ以上ほかの女の人を近づけないでください!」
姉「わがままはやめなさい」
男「…ごちそうさま」
男「じゃあ先に帰るぞ」
幼馴染「私も一緒に」(がしっと腕をつかむ)
姉「幼馴染ちゃん、ちょっと待ってね」(ちちんぷいぷいと呪文?)
幼馴染「おや、野良猫が」
猫「なーご」
幼馴染「かなりの数の猫が集まったわね」
猫b,c,d「なーご」
姉「全部雄よ」
姉「私の魅了の能力だけど、弟とセックスの回数を重ねることでバージョンアップしたわ」
姉「ほかの女の人に魅了の能力を押し付けることができるようになったわ」
姉「幼馴染ちゃんにはここら辺の雄猫を魅了させる能力を渡したわ」
姉「当然あなたの意思にかかわらず発動し続けるわ」
猫a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,n,…………「なーご、なーご、ふー」
幼馴染「助けてー、さかった猫の集団に襲われる―」(にげだす)
男「あいつずいぶん遠くまで逃げて行ったな」
姉「あなたも今すぐ逃げなさい。幼馴染はしばらく戻ってこないわ」
男「逃げろと言われても家へ帰るだけなんだけど
男「おや、路地裏でかわいい眼鏡娘が不良に絡まれている」
男「助けるべきなんだけど迷惑ごとに巻き込まれそうだから通り過ぎたほうが」
眼鏡娘「そこの人助けてください」
男「やれやれ。おまえら娘さんを離してやりなさい」
不良a「お前には関係ないだろ」
不良b「それともけんかしようとでも? だったらこっちへ来い」
男「仕方ない。そっちへ行こう(殺してしまわないように気を付けなければ)」
(男路地裏の奥へ)
不良の仲間達「よし、出入り口をふさげ」
不良a「ワハハ、罠に引っかかったな」
男「わー大変だーっていうかよ。
おまえらが仕掛けた罠に引っかかっても痛くもかゆくもない」
眼鏡娘「わなを仕掛けたのは私よ」
男「なんだってー」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません