【咲-Saki-】洋榎「似たもの同士」 (18)
洋榎xセーラ
微妙な大阪弁です
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―通学路―
セーラ「くそっ、何やねんあいつら……」
セーラ「クソックソックソッ……」
「おう、なんやめっちゃ荒れとるみたいやな?」
セーラ「……あ゛? なんや洋榎か」
洋榎「『あ゛?』ってなんや『あ゛?』って。せっかく関西ナンバーワン天才高校生雀士洋榎ちゃんが会いに来たっちゅうに」
セーラ「ほざけアホ」
洋榎「まぁまぁ、おねーさんが聞いたるで」
セーラ「何でお前に話さなあかんねん」
洋榎「えー? ええやん、べつに」
セーラ「……そんじゃ」
テクテク
洋榎「……」テクテク
セーラ「なに着いて来とんねん」
洋榎「……いや、話すから場所変えるのかと思って」
セーラ「はぁ……分かった、分かりました。言います――」
――――
――
セーラ「竜華、怜、遊びに行こうや」
怜「ええな~、セーラは」
竜華「うちらはセーラと違って忙しいんや。勉強せなあかん」
セーラ「は? 推薦は?」
怜「ウチがもらえんくてな。話し合ったんよ」
竜華「まだ学校までは決めてないけど、一応勉強しとこう思って」
セーラ「……そか」
竜華「なんや、セーラも付き合ってくれんのか」
セーラ「……おう」
セーラ「って、言いたいのはやまやまやけどな、オレ今日は勉強道具持っとらんねん」
怜「しゃーないな~。ウチは竜華と見るから貸したるわ」
セーラ「いや、今日は止めとくわ」
竜華「べつに遠慮はいらんよ?」
セーラ「……気分やないねん。じゃーな!」
ガラガラ、バタン!
――
――――
セーラ「――てな事があったんや」
洋榎「あー、ドンマイ?(あかん、結構ガチのヤツやった)」
セーラ「ひどいと思わん? ガキの頃からずっと3人一緒やったのに、あいつらだけで決めおってからに」
洋榎「まー、あいつらデキてるからな。しゃあないんちゃうか?」
セーラ「は?」
洋榎「いやだから男と女――いや女と女の関係やろ?」
セーラ「そりゃないやろー。確かによくベタベタしとるし膝枕なんかしとるけど、昔からやしそれに……女同士やで?」ハハハ
洋榎「いや、女同士でもあそこまでベタベタせんやろ、普通」
セーラ「いや、そうゆう意味やなくて」
洋榎「それこそ今更な話やろ。同性婚は合法やで?」
セーラ「せやけどなぁ……」
洋榎「それとも認めたくない理由でもあるんか?」
セーラ「……なんでやろ?」
洋榎「はぁ(マジなんか”フリ”なんか……)」
セーラ「?」
洋榎「いや、なんでも?」
セーラ「ずっとオレと竜華で引っ張ってきたのに、薄情だと思わん? 高校受験だって麻雀の練習だって……」ブツブツ
洋榎(また始まった)
セーラ「そりゃーオレの膝枕は竜華より固いかもしれんけどさ、いっつもベタベタベタベタ。ずっと親友や言うたのに、ふたりだけでいっつもいっつも……」
セーラ「オレの気ぃなんて気にせんと……ヒック、手ぇ繋いだり抱き合ったり……ヒック」
洋榎(あ、これあかんな)
セーラ「~~っ」ポロポロ
洋榎「あーはいはい、つらかったなー、頑張ったなー」ポフポフ
…
洋榎「……」
セーラ「最悪や。なんでこんな……」
洋榎「……で、どっちが好きなん?」キラン
セーラ「やっぱサイアクやー!」
洋榎「ええやん。胸貸してやったお礼やと思て」
セーラ「しゃーないなー……」
洋榎「……」ゴクリ
セーラ「……」
洋榎「……」
セーラ「……どっちやろ?」
洋榎「」コケ
セーラ「あかん、分からん。オレはどっちや……」
洋榎「アホかい!」
セーラ「な、なんやこれ。自覚した瞬間フラレてて、なのにどっちが好きかも分からん。それどころかホントかも分からん」
セーラ「それなのにオレ、ふたりにアタって……サイアクや……」
洋榎「まぁそんな気にせんでええやん? うちも人に当たることくらいあるで? 恭子もよく漫イジってるし」
セーラ「モヤモヤする、キモチワルイ……こんなん最悪や……っ」
洋榎「どんだけ純情やねん……」
セーラ「ぐ……」
洋榎「まぁ、ひとつ大人になったっちゅうことやな」
セーラ「……こんなんが大人でたまるか」
洋榎「アホ、やっと高校入学や」
…
洋榎「なぁ……東京行かん?」
セーラ「……東京」
洋榎「おう、なんやかんや言うても、関東の方が数段上やしな。レベルも、機会も」
セーラ「……せやな。オレ、東京からひとつも推薦貰っとらんもん」
洋榎「そんなんうちもや!」
セーラ「それ、アカンやろ」
洋榎「せやから一緒に殴り込める仲間を見つけに来た」
セーラ「仲間……他は?」
洋榎「おらん」
セーラ「……」
洋榎「いわゆる相棒やな!」
セーラ「……得意教科は」
洋榎「体育」
セーラ「試験科目でや!」
洋榎「現文です」
セーラ「同じや。他には」
洋榎「ない」
セーラ「頭痛うなってきたわ……」
洋榎「ちなみに現文も平均位な」
セーラ「オレは上の下や」
洋榎「あ?何水増ししとんねん」
セーラ「しとらんわ! ついでに他も平均ぐらいや!」
洋榎「なんやうちら、似たもの同士やな」
セーラ「なに? キモチワルイ。つーか俺の方が上やろ。なに50:50にしようとしとんねん」
洋榎「ええねん、何も言わんで…」
セーラ「……」
洋榎「……」
セーラ「そぉい!」
洋榎「イタッ」
セーラ「意味分からんわ! 何『いいこと言った』みたいな間作っとんねん!」
洋榎「ええやろ? 相棒」
セーラ「おんぶに抱っこの分際で」
洋榎「さっき相談のってやったやろ」
セーラ「……さぁ帰ろ」
洋榎「ちょ、ちょ待てよ!」
セーラ「ツッコまんで」
テクテクテク
洋榎「うちな、うちのこと好きやねん」
セーラ「ひくわー……」
洋榎「……」
セーラ「……」
洋榎「……」
セーラ「……ハァ!?///」
洋榎「……」
セーラ「オレは自分が嫌いや」ボソ
洋榎「うちは自分が好きや」ニッ
かん
ありがとうございました
関西弁は「自分」が一人称なのか二人称なのか分かりづらいです
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