大好き、大嫌い (27)

*アイマスSSです
*いおみき百合風味なので苦手な方はそっ閉じを
*短編です

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―事務所―

美希「おはようなの、あふぅ…。」ガチャッ

伊織「あら、美希。今日は早いのね?」

美希「朝からグラビアのお仕事なの。だから早く来ないとプロデューサーに怒られるの。」

伊織「あっそう。ま、美希にしては殊勝な心がけじゃない?」

美希「えへへ、褒めてなの。デコちゃん♪」

伊織「デコちゃんって呼ぶな!!いい?私には水瀬伊織って言う名前があるの!」

美希「えー、でもデコちゃんはデコちゃんだよ?」

伊織「だから!デコちゃんって呼ばれるのが気にくわないのよ!」

美希「デコちゃん、って呼びやすくていい名前って思うな。」

伊織「全然話聞かないのね…美希がその気なら、こっちにも考えがあるわ。」

美希「なーに?」

伊織「ちゃんと名前で呼ぶまでアンタの呼びかけには反応しない事にするわ。」

美希「それはヤなの。でもデコちゃんはデコちゃんだし…。」

伊織「ほらすぐデコちゃんって呼ぶ。そう言う所が嫌いなのよ!」

美希「キライ…?デコちゃん、ミキの事キライになっちゃうの?」

伊織「ええ、アンタの一向に反省しない所が大っ嫌いだわ。」

美希「デコちゃんに嫌われちゃうの…。ヤなの…。」

伊織「だったらさっさと呼び方を改める事ね。」

律子「伊織ー、準備出来たー?」

伊織「今行くわ!…じゃあね。」バタン

美希「デコちゃん!あ…行っちゃったの…。」

美希「………名前で呼ぶの、難しいの。デコちゃんはデコちゃんなの。」

―撮影スタジオ―

カメラマン「はい、オッケーです!お疲れ様でしたー!」

美希「ありがとうございました、なの。…あふぅ。」

P「コラ美希、欠伸してる暇なんか無いぞ。次はフェアリーと竜宮で番組の収録だ。」

美希「竜宮………。」

P「ん?どうした?」

美希「な、なんでもないの!」

P「そうか。響と貴音が事務所で待ってるから、一旦事務所に寄ってからスタジオ入りだ。昼飯は済まんが車の中で食べてくれ。」

美希「そしたら、途中でコンビニ寄ってなの。おにぎり沢山買うの。」

P「俺が誰のプロデューサーだと思ってる?車の中に積んであるから好きなの食っていいぞ。」

美希「やった!流石プロデューサーなの!」

―車内―

美希「あーん、んぐ、んぐ。美味しいのー!」

P「そりゃ何より。」

美希「やっぱりおにぎりは最高なのー!デコちゃんにも分けて―――」

美希「………。」

P「どうした?」

美希「な、なんでもないの。あむっ、むぐ、むぐ。」







P「お待たせ、二人とも。」

響「丁度ラーメン食べ終わった所さー。」

貴音「真、美味ならぁめんでした。では、参りましょう。」

美希「相変わらず貴音はぶれないの。」

貴音「美希こそ、何時もと変わらずおにぎりではないですか。お互い様ですよ。」

美希「確かにそうだったの!アハッ☆」

P「よーし、いくぞー。」

響「出発さー!」ブロロロ…

美希「………。」

貴音「…?美希、何かありましたか?」

美希「!だ、大丈夫なの!」

貴音「……美希が大丈夫と言うなら、これ以上は何も言いませんが、辛くなったら私たちに打ち明けてください。」

美希「貴音…ありがとうなの。」







P「よし、到着。頑張ってこいよ!俺はこれからやよいを迎えに行くから、お前ら三人に任せるぞ。」

貴音「了解致しました。プロデューサー、お気を付けて。」

響「んじゃ、楽屋に行くぞー。」

美希「うん…楽屋って、竜宮と別だよね?」

響「確か別々の筈だぞ。」

美希「ならいいの。」

貴音「………。」

―スタジオ―

司会者「さあ!今週も始まりましたアイドルバトル!」

司会者「今週のアイドル達は、今も快進撃を続ける気鋭のアイドルユニット!」

司会者「なんと!番組史上初、同じ事務所に所属しているユニット同士の対決です!」

司会者「それでは登場して頂きましょう、まずは竜宮小町の三人です!!」

伊織「スタジオのみんなー!テレビの前のみんなー!スーパーアイドル水瀬伊織ちゃんでーす!」

亜美「兄ちゃん姉ちゃん!見てるかーい!?亜美だよ→!」

あずさ「三浦あずさです?、今日は、よろしくお願いしますね?。」

司会者「続いて、フェアリーの三人です!!」

美希「フェアリーの美希なの!よろしくなの!アハッ☆」

響「我那覇響だぞ!今日は頑張るさー!」

貴音「四条貴音と申します。本日は、宜しくお願い致します。」

司会者「さあ!このアイドルバトル、どちらに軍配があがるのでしょうか!」

司会者「まずはルール説明!このバトルはボーカル、ダンス、ビジュアル三部門での対決!」

司会者「勝利する事でもらえるポイントが多い方の勝ちという単純明快なバトル!」

司会者「まずはボーカル対決から参りましょう!ボーカル部門で対決するアイドルは…三浦あずささんと、四条貴音さんです!」







貴音『???♪』

美希「デコちゃん。」

伊織「あんた、わざとでしょ。」

美希「デコちゃんって呼ぶの慣れちゃったから、直せないの。」

伊織「努力しなさいよ!」

亜美「おやぁ??いおりんとミキミキ、痴話喧嘩かね?」

伊織「なんで痴話喧嘩なのよ!きぃぃ!!」

美希「デコちゃんとなら痴話喧嘩してもいいって思うな!」

伊織「ふざけないでちょうだい!不快だから話しかけないで。」

美希「あ…。ご、ごめんなさいなの。」

亜美「…いおりん、ちょっと言い過ぎじゃない?」

伊織「いいのよ。あんな奴。」







司会者「さあ、ここまで一進一退の両ユニット!最終バトルはビジュアル対決!リーダー同士の対決です!」

司会者「水瀬伊織さんと、星井美希さんです!」

伊織「みんなのアイドル伊織ちゃんです!今日は伊織ちゃんの魅力にめろめろになっていってね?」

美希「ミキのキラキラした所、見ていってほしいな!」

司会者「さあ、スタート!」

美希(ダンスを組みあわせながらデコちゃんに差を付けていくの。)キュッキュッ

美希(…!デコちゃん、キラキラしてるの。ミキも頑張ってキラキラするの。)タンッ

美希「アハッ☆こんな感じなの!次はグラビアのポーズしちゃうの!」

伊織「やるわね、美希。じゃあ次は………!!」

伊織「み、美希!!」

美希「え?」

美希(あっ………上からライトが落ちてきてるの、逃げないと…。)

美希(…!か、身体が動かないの!このままだと潰されちゃう、ヤなの!)

伊織「美希!!危ない!!」ガシャン

美希(……あれ?ミキ、助かっ―――)

美希「で、デコちゃん!?」

司会者「お…おい、救急車!!カメラ止めて!!」

―病院―

P「………峠は越したそうだ。後は、伊織の頑張り次第と言う所か。今は回復を祈るしかない。」

やよい「い゛おり゛ちゃぁん、えぐっ、起きてよぉ、ひっく、うううう…。」

春香「やよい、伊織はきっと大丈夫だから、すぐに起きるから、ね。」

美希「ミキが、すぐ気づいてればデコちゃんは怪我しなくて済んだの……。」

美希「ミキの、ミキのせいでデコちゃんは………。」

響「…美希。そんなに思い詰めるな。」

美希「ミキが動けなかったから!!デコちゃんがこうなっちゃったんだよ!!」

響「落ち着け、美希!…自分を責める暇があったら、伊織に呼びかけてあげて。」

美希「響………。」

響「伊織は、一生懸命戦ってるんだ。伊織に救われたんだから、伊織が早く戻ってくるように応援しないと。」

美希「うん、分かったの…。ありがとう、響。」

P「………そろそろ帰るぞ、みんな。」

亜美「うん…。早く起きてよ、いおりん。」

あずさ「伊織ちゃん……。」

―三日後・病室―

美希「デコちゃん、今日も来たの。」ガラガラ

美希「まだ起きないの?ミキでもそんなに寝られないの。」

美希「外、こんなに良い天気だよ。見て見て。」シャーッ

美希「雲一つない綺麗な青空だよ。」

美希「………ねえ。」

美希「みんな待ってるの。帰ってくるの。」

美希「お願いだから、目を覚ましてほしいの。」

美希「このままお別れするなんて、ヤなの………」ポロポロ

美希「起きてなの、伊織………。」

美希「わあああああああん!!いおりいいいいい!!!」









伊織「……そんなに、叫ばなくても…聞こえてるわよ……。」

美希「伊織っ!?」

伊織「美希が無事で、良かったわ…。」

美希「いおり、いおりいいっ!!」

伊織「はいはい、心配かけて悪かったわね。」

美希「ごめんなさい、ごめんなさいなの!!」

伊織「…ていっ。」ビシッ

美希「!でこぴん……痛いの。」

伊織「アンタが言うべきは、ありがとう、でしょ?」

美希「!!…伊織、ありがとうなの。」

伊織「良くできました。………それにしても、アンタに伊織って呼ばれるの、なんかむず痒いわね。」

美希「で、でも、名前で呼んでって…。」

伊織「良いわよ、デコちゃんでも。」

美希「……デコちゃん…。」

伊織「私ね、夢見てたのよ。ピクニックに行く夢。アンタと二人でね。」

伊織「それで気づいた。竜宮も大事だけど、美希、アンタも私を彩るかけがえのないピースなのよ。」

美希「でこ、ちゃん……嬉しいの、とっても嬉しいの。デコちゃん大好きなの!」

伊織「私も、私も好きよ。………友人として、じゃなくてね。」

美希「………デコちゃん?」

伊織「なんでもないわ、忘れて。」

美希「うん……あっ!!事務所にデコちゃん起きたって電話するの忘れてたの!!」

伊織「ちょっと!早く電話しなさいよ!このスーパーアイドル伊織ちゃんが目を覚ましたって一大ニュースを伝え忘れるなんて!」

美希「わ、分かったの!えっと、えっと…。」ポパピプペ

美希「もしもし律子!?デコちゃんが起きたの!!」

―後日・事務所―

美希「でーこちゃん♪」

伊織「はいはい、なーに?」

美希「今度ピクニックに行くの!ミキ、デコちゃんの為におにぎり沢山作っちゃうの!」

伊織「それは楽しそうね。…けど、映画の収録で忙しいんじゃなかった?」

美希「うっ……お、終わったらなの!」

伊織「はいはい。分かったわ、スケジュールが空いている時にね。」

美希「やった♪デコちゃん大好きなの!デコちゃんデコちゃん!」

伊織「デコちゃん呼びは許可したけど連呼までは許可してないわよ!!」

美希「えー。デコちゃんなんだもん。」

伊織「そう言う所嫌いだわ…。」

美希「えええっ!きらっちゃヤなの!」

伊織「…冗談よ、だからそんな目で見るのやめなさい、恥ずかしいでしょ!」

美希「デコちゃんは優しいの!」

伊織「優しくなんかないわよ!」

ヤイノヤイノ


やよい「美希さん、羨ましいです…。私も伊織ちゃんとピクニックしたいなぁ。」

おわり

でこちゃんのでこにでこちゃんって書きたい
事情によりしばらくお蔵入りするものを投下しました
いおみきは守備範囲外だと思ってたけど意外といけた
でこちゃんかわいい


見てくれてありがとう。

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