まゆ「OVERMANウサミンロボ」 (32)
【モバマスSS】です
クロスじゃないです
池袋晶葉によって作り出されたウサちゃんロボは、
安部菜々のバックダンサーを務め、さらにはお団子を作って配るという高性能ロボットである。
そして超科学、ウサミン科学による近代化改修を受けた一部のウサちゃんロボは、
自律行動も可能なウサミンロボとして活躍するのである。
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──とある昼下がりのシンデレラプロ事務所
「おはようございます」
「うふふ、本当は今日含めて数日オフなんですけど」
「プロデューサーが事務所にいる時間を見計らって来ちゃいました」
「プロデューサー?」
「……いませんね」
「急なお仕事でしょうか? それにしても、誰もいないなんて不用心ですねぇ」
うさ!
「ロボちゃん? ウサミン竹槍を構えないでください。私ですよ、佐久間まゆですよ」
「他に誰もいないんですか?」
「……ロボちゃんしかいませんねぇ」
うさ、うさ
「なんですか、これは……メモ帳?」
「えっと……」
【急に留守にしなければならなくなったので、ウサミンロボにお留守番をお願いしました】
【知っている人が来たらこのメモを渡すようにロボには言ってあります】
【プロデューサーは急な大阪出張でいません。私は夕方には戻ります】
【by千川ちひろ】
うさ
「うふふ、そうですねぇ、ロボちゃんなら、軍隊でも来ない限り事務所には指一本触れさせませんね」
うさ~
「だけど、ロボちゃんはお話しできませんよね? アイドルじゃない人が来たらどうするんですか?」
うさ
「また、メモ帳……?」
「……なるほど、あらかじめ受け答えが書いてあるんですね」
「これは……」
【今は留守にしていますので、後ほどお越しいただくか、携帯電話に連絡してください】
【ご苦労様です。届け物はロボに渡してください。ハンコもロボが持っています】
【by千川ちひろ】
「なるほど」
うさ、うさ
「他にもいっぱいあるんですね」
【しつこい訪問販売は、後から警察の知り合いに連絡してシメるわよ】
「……これはやっぱり」
【byお姉さん】
「早苗さん」
【スタドリ、エナドリはいかがですか? 今なら特別定価ですよ】
【by千川ちひろ】
「誰に売るつもりだったんでしょうか?」
【そう…。そのまま飲みこんで。僕のウサミン竹槍】
「なんですか、これ」
【byユリユリ】
「……」
うさうさ
「ロボちゃん、このページは絶対に使っちゃ駄目ですよぉ?」
うさ!?
「それにしても、まともなメモが少なすぎて、役に立っていないような気が」
うさ~
「ロボちゃんは悪くないですよ? 皆さんがちょっと調子に乗りすぎただけです」
「仕方ないですね、まゆも一緒にお留守番してあげますね」
うさ、うさ
「……」
……
「そういえば、ロボちゃんにはすべてのアイドルのデータがインプットされているとか」
うさ
「いったいどんなデータが」
『ヤミニノマレヨ!』
「!?」
「今のは、蘭子ちゃんの熊本弁ですね」
『ニョワ!』
「なるほど、音声データが入っているんですね」
『コレガぷろでゅーさーノニオイ』
「うふふ……誰ですか、今のは」
『ジブンカンペキダカラナ』
「違う事務所の人ですよ?」
『アンズ』
『ショウコ』
『コウメノ』
『しんでれらじおー』
「そんなデータまで……」
「でもそれって、音声データを記録して再生しているだけですよね」
うさ!?
「珍しい機能と言うほどではないですよねぇ」
うさ……うさ……
「アイドルのデータが音声データだけというのは寂しいと思います」
うさ……
きゅらきゅら
「ロボちゃん? どこへ」
「あ、机の下なんかに潜り込んだら……」
うさ
『ムーリィ』
「!!……乃々ちゃんの真似ですね?」
うさ!!
「音声データだけではなく、行動も真似をしていると言うことですか」
うさうさ
「だけど、今のは音声データがなければ、輝子ちゃんと間違えていたかもしれませんねぇ」
うさ!?
「行動だけで、乃々ちゃんとわかったわけではありませんよねぇ……」
うさうさ
きゅらきゅら
よじよじ
「どうしたんですか? 机の下から出てきて……」
「どうして、プロデューサーの椅子によじ登っているんですかぁ?」
「そんなところに座って……」
「プロデューサーの椅子で遊んでいると、怒りま……」
「!?」
「」
「い、今……ロボちゃんが椅子に座って振り向いた動き……」
うさ
「細かい動き……まゆでなくては見逃していました」
「振り向いて、まゆに気づいて左手がぴくりと動いたところ」
「その直後、まゆに向かって右手の指が二本、かすかに揺れたこと」
「まゆに気づいてから、まゆを確認するまでの時間、小数点以下二桁秒の精度」
「なによりも、振り向いたときの椅子の回転する角度とスピード」
「……すべてが、プロデューサーと同じ……」
うさ
「そっくりです。素晴らしい、見事な物まねです」
うさぁ♪
「納得しました。ロボちゃんには、素晴らしいデータがあるんですねぇ」
うっさぁ♪
「ところでロボちゃん。プロデューサーさんの真似をもう少ししてみませんか?」
うさ?
「あと、プロデューサーさんの音声データもありますよね」
うさ……ぶる
「うふふ、ロボちゃん、どうして震えてるんですかぁ?」
ぶるぶる
「ロボちゃん? 両手を上下に振って……どうして踊りだすんですか?」
「……そういえば、ウサちゃんロボは菜々さんのバックダンサーもこなす優れものだと聞いたことが」
「ウサミンロボにもその機能は継承されているんですねぇ」
うさっうさっ
「ダンスが激しく……これは……モンキーダンス?」
「ロボちゃん、そんなデータまで……」
「……だからどうして踊り出すのかと……」
「え、なんですか、それ。新しいメモ?」
【三時のおやつはウサミン団子】
【byおなかスイタン】
「え?」
うさ
「おなかが開きましたね……何か、出てくる?」
「これは……お団子。まだ温かい。出来たてですか?」
「三時のおやつ?」
うさ
「確か……ウサちゃんロボにはお団子を作って配る機能もあるとか」
「さっきのダンスは、もしかしてお団子を作るときの動き?」
「餅つき器がお餅をつくときに震えるような動きを、ダンスとして昇華させたもの?」
「……あ、美味しい」
うさぁ
「美味しいですね、このお団子」
うさ
『ろぼノオダンゴハオイシイナ』
「!!」
「今のが、プロデューサーさんの音声データ?」
『オダンゴオイシイナ』
「はい、美味しいですね、うふっ」
『オイシイナ』
「美味しいです」
『オダンゴ』
「うふふっ、お団子ですねぇ」
うさ
「ロボちゃん、音声データ」
う、うさ!!
『オダンゴオイシイナ』
「うふっ、本当に美味しいですねぇ」
『オイシイ』
「はい、プロデューサーさん」
うさ
「音声データ」
うさっ!!
『オダンゴ』
「うふっ……ロボちゃんは優しいですねぇ」
「プロデューサーさんはもっと優しいんですよ。ロボちゃんにも優しいですよね」
「まゆにも優しくしてくれるんですよ」
「本当に、すてきな人なんです」
「あの人に出会ってわかったんですよ」
「まゆも、一人だけはイヤだ……って」
「信じれば力になるってプロデューサーさんが」
「モデルという世界にこもるだけでは何が出来るか……って、まゆに教えてくれたんです」
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──数日後のシンデレラプロ事務所
(また、やってしまいました……)
(プロデューサーの魅力を語ってしまいました)
(ロボちゃんに……三時のおやつを食べながら)
(お茶もいただいて、お代わりもいただいて)
(気がつくと、ちひろさんが帰ってきていて、夜でした)
(はぁ……)
(もう他のアイドルの人たちにはうまく逃げられるようになっているから……)
(ロボちゃん相手に久しぶりにプロデューサーの魅力を語りきってしまいました)
(ロボちゃんに迷惑だったかも……)
(ロボちゃんにも避けられるのかなぁ)
「あ、おはよう、まゆちゃん。お久しぶりですね。オフ明けですか?」
「おはようございます、菜々さん」
「そういえば、ロボがまゆちゃんのこと待ってるみたいだけど」
「え?」
うさ
「ロボちゃん?」
うさ、うさ
きゅらきゅら
「ロボちゃん? 手を引っ張ってどこに行くんです?」
「……ロボちゃん?」
うさ、うさ
『アワオトメドリノカラアゲハオイシイナァ』
「これは……」
『クロびーるガウマイ』
「プロデューサーさんの音声データ……新録!?」
うさぁ♪
「もしかして、まゆのために、新しく録ってくれた……」
『そーせーじモリアワセクダサイ』
「ロボちゃん……ありがとう」
ウサミンロボは、まゆが喜んでくれたのでとてもうれしく思いました。
大阪までプロデューサーを追いかけて良かった、と思いました。
終われ
以上お粗末様でした
途中で勝手にネタにしたSSの人、すんませんでした、あのシリーズ好きです
大阪某店の阿波乙女鶏唐揚げの旨さは異常なのでステマ(違)したかった
ウサミンロボにゲイナー……モンキーダンスを踊らせたかった
後悔はしていない
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