さやか「まどかーっ！」

まどか「あ、さやかちゃん」

ほむら「美樹さやか…」

さやか「ごめん！ちょっとテスト範囲教えてもらっていい？さっきメモし忘れちゃってさー」

まどか「もう、さやかちゃんったら。はい」

さやか「ありがと！ホント助かるよ、流石はあたしの嫁ー！」ｷﾞｭｰ

まどか「ﾃｨﾋﾋ、嫁だなんて大袈裟だよぉ。それを言うなら親友でしょ？」

ほむら(ほむ…っ！？)ｶﾞｰﾝｯ

ほむら(さっきと全然様子が違うじゃない…！)

さやか「まどかみたいに可愛くて優しい女の子を親友のままにしておくなんて勿体なーい！って話じゃない」ﾍﾞﾀﾍﾞﾀ

まどか「そりゃさやかちゃんみたいにカッコよくて素敵な男の子がいたら好きになっちゃうと思うけど、さやかちゃんは女の子でしょ？」ﾍﾞﾀﾍﾞﾀ

ほむら(なに？なんなの美樹さやか…！？私の目の前でまどかとイチャイチャイチャイチャ…)

ほむら「美樹さやか、離れ…！」
杏子「おーい、さやかー」

ほむら「！」

さやか「あ、杏子。どうしたの？」

杏子「ちょっと宿題見せてくんない？昨日帰ってすぐ寝ちまってさー」ｹﾀｹﾀ

ほむら(杏さや…きたわ杏さや。これでまどかは解放される。GJ杏子)

さやか「だーめ！自分でやんなさい。まどかなんか昨夜は寝る時間削って終わらせたってのに」

まどか「ﾃｨﾋﾋ、早くできれば良かったんだけどちょっと難しくて時間かかっちゃった」

さやか「でもまどかは最後まで諦めないもん。努力家だよね、いい子いい子」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

まどか「えへへ//」

杏子「お、おい…」

ほむら「……」

ほむら(そんな…)

マミ「…それで私の家に？」

杏子「今は泣かせてやってくれ。ずっとこんな調子なんだ」

ほむら「うっ、うっ…まろかぁ…」

マミ「涙を拭いて、暁美さん」

ほむら「間違いない、これはさやまどssよ！それじゃあ私は、私のこの想いの行き場はどうなるの！？」ｼｸｼｸ

マミ「暁美さん…」

ほむら「貴女には分からないわ！マミまどマミと騒がれたのも最初の内だけ、それ以降は徐々に衰退し、先輩後輩の関係をふわふわと続けていた貴女には！」

ほむら「私はね、原作創作問わずまどか一筋で生きてきた。王道！本命！なのに何故、何故こんな目に…うぅぅ…」ﾏﾛｶｧｰ!

マミ「重症ね…」

杏子「……」

マミ「………佐倉さん、貴女にも思うところがあるんじゃない？王道は、何もほむまどだけではないもの」

杏子「…別に。外側からもてはやされてるだけで、あたしとさやかはそんな大層な関係じゃないこと、分かってるし」

マミ「強がりね」

杏子「そんなんじゃないよ。たまたまウマが合っただけで親友とか、唯一とか括りたくない。第一さやかとまどかはずっと一緒に居たんだ。あたしらに割り込む余地がないことぐらい、分かってる」

マミ「佐倉さん…」

ほむら「そんな元も子もないこと言わないで」ｳｯｳｯ…

マミ「…でも、」ｽｯ

杏子「ま、マミ？」

マミ「長い間の知り合い同士の絆が絶対だとするなら…私達もそう言えるんじゃないかしら」ｼﾞｯ

杏子「おい、ちょっと…」

ほむら「巴マミ。自分がぼっちだからといってマイナーに走るつもり？」ｶﾞﾀｯ

マミ「マイナー？私と佐倉さんは古株の元師弟コンビよ。裏設定だし、通には堪らない組み合わせだと知らないの？」ｷﾞｭｯ

杏子「引っ付くな」

ほむら「杏子を取られる事に不服はないけれど、さやまど、マミあんと組合せが決まれば必然的に私はどこぞの淫獣とコンビを組まされることになる！グッズが出るたびアイツとポーズを取るのはごめんだわ！」ｸﾞｲｰ

杏子「ひっぱるな！」

マミ「本当に鹿目さんに一途だと言うならさやまどに←を飛ばしていれば良いじゃない！その手を離して」ｸﾞｲｸﾞｲ

ほむら「テレビシリーズで一度も絡んだ事ない癖に、冗談も程々になさい！杏子と組んでさやまどを引き離すのはこの私」ｸﾞｲｸﾞｲ

杏子「いででで、避ける！」

マミ「ラチがあかないわね…こうなれば…」ｼﾞｬｷｯ

ほむら「実力行使…！」ｼﾞｬｷｯ

杏子「お、おい！やめろ！」

ほむマミ「いざ！」

なぎさ「マミぃ…」

マミ「え？」

なぎさ「マミが杏子とくっついたら、なぎさはどうなるのです？」

杏子「…呆気なかったな」

ほむら「分かったでしょう？その目に焼き付けておきなさい。巴マミという女は、そういう奴よ」

マミ「ごめんなさいね、べべ。私はあなたに寂しい思いをさせてしまうところだったわ」ｲﾁｬｲﾁｬ

なぎさ「わたしを1人ぼっちにしちゃ嫌なのですマミーっ」ｲﾁｬｲﾁｬ


杏子「単純っつーか…尻軽」

ほむら「いかにも」

ほむら「まさか本当に佐倉杏子と私ががペアになる日が来るなんて」

杏子「ペアっつーか…単にあぶれただけだろ」

ほむら「そうね。班決めのとき、相手が見付からなかった者同士で組まされるときと同じ感覚だわ」

杏子「さっきまで取り合っといてよく言うぜ」

ほむら「まどか…ねぇ、さやまどを引き離す手立てを…」

杏子「断る。人様のことなんざ放っとけよそんなもん」

ほむら「…強情」

杏子「……」

まどか「さやかちゃーん、見て。緑がすごく綺麗だよ」

さやか「もう初夏か。いや春？でも桜散っちゃったし…お花見したかったな～」

まどか「ねっ。最近忙しかったら、時期を逃しちゃった感じ」

さやか「杏子呼んで、マミさん誘って、転校生は…まどかの手前呼んだほうが良さげか、な」

まどか「もう、さやかちゃんったら。みんな集まったほうが楽しいに決まってるよ」

さやか「だって転校生感じ悪いし、あたしの事嫌いっぽいし…」

まどか「そんな事ないよ！ほむらちゃんはすごく優しいし、クールなだけで人の好き嫌いする子じゃないと思うな」

さやか「うーん…まどかがそう言うなら夏休み転校生も誘って皆で遊びに行くかなぁ…」

まどか「うん！」ﾋﾟﾄｯ

さやか「わっ、このぉ…引っ付くなよ～」

まどか「えへへ…わっ」

さやか「はわ、風強…まどか大丈夫？」

まどか「う、うん」ﾌﾙﾘ

さやか「寒い？」

まどか「ちょっとだけ…やっぱり風が拭くとちょっと肌寒いね、んっくちゅん！」

さやか「まーったく、仕方ないなーまどかは」ｿｯ

まどか「カーディガン？ダメだよ！これがないとさやかちゃんのほうが…」

さやか「あたしは大丈夫。寒いのなんて慣れっこだ、し…くっしゅん！！」

まどか「…ぷふっ」

さやか「…あ//」

まどか「てぃひひ、ありがとうさやかちゃん。だーい好き」ｷﾞｭｳｰ

さやか「お、おぅ///」

なぎさ「行くのです！やぁあっ！」ﾀﾀﾀｯ

マミ「！　危ない！」ｼｭﾙｯ

なぎさ「わあっ」ﾋｭｯ

マミ「間一髪、ってところね」

なぎさ「うぐぐ…この魔女すばしっこいのです」

マミ「大丈夫、落ち着いて。使い魔のほとんどは幻影よ、その隙間を縫って伸びてくる触手だけを狙って」

なぎさ「はい！」

マミ「援護射撃は任せて！」

なぎさ「ん、やぁ！いくぞー！」

マミ「その調子！今よ！」

なぎさ「えい！あーん、ぱくっ」

マミ「お見事！」

なぎさ「やったのですー」ｷﾞｭｰ

マミ「ふふ。とてもかっこ良かったわ、流石ねべべ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

さやか「マミさーん！なぎさー！」ﾀﾀﾀｯ

なぎさ「さやか、まどかっ」

まどか「本当にすごいです。2人とも素敵です！」

マミ「ありがとう。今回はこの子のお手柄なの、褒めてあげて」

さやか「かっこ良かったぞーなぎさ」

まどか「なぎさちゃんは偉いね、年下には見えないよ」

なぎさ「ち、違うのです2人とも！なぎさは、マミがアドバイスしてくれたから…」

マミ「何を言うの？前線で戦ったあなたの勝利じゃない」

なぎさ「でも、」

マミ「私のパートナーとして、もっと自信を持って」ｷﾞｭ

なぎさ「マミ…//」

さやまど「ふふっ」見合せ

さやか「せっかくだからどっか寄ってきませんか？あたし達奢りますよ！」

マミ「え？どうしたの急に？」

まどか「いつも街を守ってくれるせめてものお礼です。なにか食べたいものがあったら言ってください」

マミ「そんな…悪いわ」

なぎさ「なぎさは、チーズケーキが食べたいのです！」挙手

マミ「こーら。チーズケーキならいつでも私が作ってあげるから」

さやか「もう！マミさん！たまには休んで休んでー」ｸﾞｲｰ

マミ「あ、ちょっと…」

まどか「私達にもおもてなしさせてくださいっ」ｸﾞｲｰ

なぎさ「チーズケーキなのです！わーいわーい♪」

？？？「……」

まどか「スイパラなんて久しぶりだなぁ」

マミ「なんだか気を遣わせちゃったみたいね。でも、ありがとう」

さやか「そんな、お礼なんていいっすよ！」

マミ「スイーツパラダイスなんて来た事がないからすごく嬉しいの。ありがとう、今日はいっぱい食べちゃおうかな」

なぎさ「チーズフォンデュも食べたいのですー♪」ｷｬｯｷｬｯ

？？？「……」

マミ「あ、ちょっとべべ。服にチーズが垂れてるわ」

なぎさ「うぇ？」

マミ「あらあら、口にも…」ｺﾞｼｺﾞｼ

さやか「まどか、あーん！」

まどか「わぁ、美味しそう！ぱくっ…う～んほっぺたが落ちそうだよぉ。さやかちゃんも、はいあ～ん」

さやか「あーん、うーっチョコレートめちゃうまっ！もうサイッコー♪」

？？？「……」

なぎさ「……」

マミ「べべ？急に動きを止めてどうしたの？」

なぎさ「気になったのです」

さやか「何を？」

なぎさ「どうして杏子とほむらはさっきからず～っと黙ってるのです？」

ほむあん「……」

まどか「あ、そう言えば2人共いたんだね。静かだからビックリしちゃったよ」ﾃｨﾋﾋ

さやか「確かに今日の魔女退治はあまり活躍できなかったみたいだけど、いつも街を守ってくれてるんだから気にしないで。アンタ達の分もちゃんと奢るからさ」

マミ「たまにはお言葉に甘えましょう？二人とも。彼女達がこう言ってくれてるのだから過剰に遠慮することないと思うわ」

ほむあん「……」

ほむら「…私達、邪魔ね」

杏子「蚊帳の外ってやつだな」



……。。。


まどか「さやかちゃーん！帰ろー」

さやか「うん、CD屋寄っても良い？」

ほむら「……」

杏子「ようやく受け入れる気になったか？」

ほむら「…元々私は彼女の傍に居たいと、そう願ったわけではない」

ほむら「まどかを救う、それが私の最初の気持ち。ワルプルギスの夜も撃破した今、これ以上何も望むものはない」

杏子「ふーん？」

ほむら「あの子の幸せを目で追えるだけ幸せよ」

杏子「ほんっと急に物分かりが良くなったね」

ほむら「初心を思い出しただけ」ﾌｧｻｯ

ほむら「貴女こそ複雑な心中に整理は付いたの？」

杏子「だーかーらーそんなんじゃないっての」

ほむら「じゃあその表情はなに？」

杏子「……考えてたんだよ」

杏子「さやかもまどかも、あたし達とは決定的になにかが違うって。あんな風に普通に笑って、遊んで、ああ魔法少女でもない普通の女の子ってこういう事なんだなって」

杏子「二人が一緒にいるとこ見ると痛感させられるんだ。使い魔に魔力を裂いてでも護らなきゃいけないもの、あるのかもしれないって」

ほむら「……そんな深いとこまで追究してたの？明日はワルプルギスが再来するのかしら」深ｲｲ～

杏子「おいこらテメェ！からかうなよ！」

ほむら「でもこれで、私達も本当に結託できるわね」

ほむら「まどかの幸せの為に」

杏子「普通の幸せを送る奴らの為に」

ほむあん『今日から、パートナーに』


ほむら「本音を言えば利害の一致のほうがしっくりくるのだけど」

杏子「んなもん承知の上だろ、水を差すなよ」

さやか「おっはよーまどか。お、前髪切った？」

まどか「うんっ。長すぎると目に入るからってパパが切ってくれたの」

さやか「う～ん…」腕組み

まどか「変、かな？」

さやか「いや、ここをこうして…」ｻｯ、ｻｻｯ

まどか「んっ」

さやか「よっと、うんっいい感じ。ちょびっと横分けにしただけでほら、素敵なレディに大変身！」

まどか「ほ、ほんと？わ、どんな感じか気になるよぅ」ｿﾜｿﾜ

さやか「んじゃ、トイレに見に行こ。分け目変えただけで大分雰囲気変わったよ」ｷﾞｭｯ

まどか「てぃひひ、何だか恥ずかしいなぁ」ｷﾞｭｯ

なぎさ「暑いのです…マミー、チーズシャーベット食べたい…」

マミ「そんなものないわ」

なぎさ「このままでは干からびてしまいそうです…」ｸﾞｯﾀﾘ

マミ「もう少しの辛抱よ、業者さんが直してくれればすぐにクーラーを付けるから」

なぎさ「はぁい…ふぅふぅ、」

マミ「…べべ」

マミ「後でご褒美にと思っていたんだけどな、仕方のない子ね」ｽｯ

なぎさ「はっ！そ、それはチーズスティックアイス！」

マミ「知ってるの？なぎさの好きそうなものと思ったんだけど流石ね」

なぎさ「…マミー！」ｶﾞﾊﾞｯ

マミ「え？待って、暑い…っ」ｸﾗｯ

なぎさ「ありがとう…！なのですっ」

杏子「…花火か、まともに見たのはいつぶりだろうな」

ほむら「感傷に浸っている時間はないわ。この近くに必ず魔女はいる」ﾎﾟﾜｧｱ

杏子「あたし浴衣着たことないんだよね」

ほむら「佐倉杏子、人の話を聞いてるの？」

杏子「腹へった」

ほむら「…そっちの屋台で何か買ってきなさい」

杏子「んー…いや、いいや。さっさと終わらせてその後食う。花火も見る」

ほむら「随分余裕なのね」

杏子「あたし達2人になれば敵無しだろ」ﾁｬｷｯ

ほむら「…そうね、同感だわ」ｽﾁｬｯ

まどか「ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ日が沈むの早くなった気がするな」

さやか「言われてみれば確かに。もう9月だからね」

まどか「まだ暑いのに季節はもう秋に移る準備をしてるんだ」

さやか「なーに？しんみりしちゃって」

まどか「秋ってなんだか物悲しい気がして…なんでだろう？」

さやか「まどかの誕生日も秋なのに？」

まどか「え？あっ、そっか」

さやか「忘れてたの！？もー、しっかりしろ～！」頬ﾑｷﾞｭﾑｷﾞｭ

まどか「あうぅ、気を付けます」

マミ「ふんふん♪」

なぎさ「マミ、ずいぶん上機嫌ですね？」

マミ「だって鹿目さんの誕生日なんだもの。こんな気持ちでケーキを作るのは初めて」

なぎさ「ケーキは勿論？」

マミ「ワンホールのショートケーキ」

なぎさ「 」

マミ「どうしたの…？」

なぎさ「チーズケーキ！今すぐチーズケーキに変更するのです！」

マミ「もうべべ、今日は鹿目さんが主役のパーティーなのよ。チーズケーキはまた今度」

なぎさ「あうぅ…」

マミ「なぎさは我慢できる子だもの、次はきっと最高においしいチーズケーキを作ってあげる」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

なぎさ「…はいっ」