女「復讐」(11)

「こんなはずじゃなかったのに・・・」

汚い部屋 薄暗い明かり

私はその中に、何年いたんだろうか。
長すぎて、もう忘れた。

あれから、私の中の時間は止まってる。

あれは私が高校生になる春。

中学では少し地味だった私でも、高校ではおしゃれになろうと

そう密かに決心してた。

バラ色の、楽しい高校生活が待ってると思ってた。

でも・・・・・

担任「それでは、時間が来るまで教室で待機していてください」

ちょっとした休憩となったけど、まだ馴染んでないクラスは誰が喋るわけでもなく
hrと変わらない雰囲気だった。

私はここで思った。
こういう時間に話しかけて、友達をどんどん作ろうと。
私は、隣の席の子に話しかけた。

今思うと、それがすべての始まりだった。

女「あ、あの・・私、女っていうの。よろしく」

ヤン女1「あ、よろしく・・・」

彼女はヤン女1って名前らしい。
長身で、ロングヘアが映えるとても綺麗な子だった。

軽い話をしたあと、体育館に移動となった。
この時点で私は、いいスタートが切れたな、なんて愚かなことを思っていた。

入学式が終わるとそのまま下校となった。

一人で帰るとき、ヤン女1ちゃんが可愛い女の子と話してるのが見えた。
ヤン女1ちゃん、もう友達作ったんだ。
すごいな。私も出遅れないようにしなくちゃ。

家に着いたあと、夜まで勉強してから夕飯を作った。
私はお母さんと二人暮らし。
父は物心ついたときはいなかった。

そんなお母さんは、私を育てるために頑張って働いてくれてる。
食事は、お母さんがいつも忙しいので私がよく一人で作ってる。

高校二日目。

教室に入るとヤン女1ちゃんがいたので挨拶をした。

女「お、おはよう」

ヤン女1「・・・おはよう」

やった。挨拶を返してもらった。
高校生活、楽しくなりそうだ。

ヤン女1「そうそうあの子・・・ウザイんだよね・・」

ヤン女2「そんなん適当に流しとけばいいじゃーん」

ヤン男2「そーそ、女2の言うとおり!」

ヤン女2「いやでもどーもウザくてさ・・・」

ヤン男1「なんだったらさ・・・・」

ヤン男1「そいつでちょっと遊ばね?」

ヤン男2「え?どうやって?」

コソコソ

ヤン女2「うっわー、男1くんマジ鬼畜ー!!」

ヤン男2「それさいっこう!」

ヤン女1「・・・いいね、それ」

ヤン男1「じゃ、決定な」

高校生活も一ヶ月がたって、そろそろ慣れてきた。

しかもしかも、女友ちゃんっていう気が合う友達もできたし、
高校生活は早くもバラ色だった。

女「あ、女友ちゃーん、お弁当食べよ!」

女友「うん!今行くねー」

ヤン女1「あ、女ちゃん・・・」

女「あ、ヤン女1ちゃん・・・・。どうしたの?」

最近気づいたけど、ヤン女1ちゃんはちょっと怖い人たちのグループにいた。
まあそういうわけでだんだん互に話さなくなってたけど、
久しぶりに話しかけられてびっくりした。

ヤン女1「ごめん、五百円貸してくれないかな・・・?」

女「・・・え?」

ヤン女1「学食食べようと思ったんだけどさ、財布忘れちゃって・・・」

女「ああうん・・・いいよ、はい」ガサゴソ

ヤン女1「ごめん、ありがとう。明日返すね」

女「うん、いつでもいいよ」

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