大和田「オレのダチは全員天使だクソがあああああ//」 (89)


概要
・ダンガンロンパss
・大和田くんの友達が全員天使な話


注意点
・ダンガンロンパシリーズ全部を通してネタバレあるかもしれないから気をつけてね
・色々とオリジナル
・色々と捏造
・ゆっくり更新

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石丸「私服で出かけるなんて……幼少の頃以来だ……」


不二咲「制服じゃない石丸くんって新鮮だなぁ」


大和田「今日のためにわざわざ買いに行ったんだとよ」


不二咲「えええー!?」


石丸「うむ、僕は制服以外持ち合わせていなくてな……。古着だが、今日のために購入したぞ!」


石丸「休日とは、友人と私服を着て出かけるものだったのだな。
友人がいなかった僕はそんなことも知らなくて……」


大和田「おう。知れてよかったじゃねーか」ワシワシ


石丸「うむ!そしてどうだろう、似合っているかね?」キラキラ


大和田(……私服なのにカッチリしてんなぁ)


不二咲「石丸くんらしくて似合ってると思うよぉ」ニッコリ



大和田「そろそろ飯時だなぁ」


不二咲「そうだねぇ、どっかお店入ろっかぁ」


大和田「おう、テメェら何食いてぇんだ?」


石丸「外食だと!?お金が勿体無いではないか!」


大和田「あぁ……?お前昼抜くつもりか?」


石丸「いいや、食事は毎日三食、規則正しく頂くべきだ」


不二咲「えっと……じゃあ一回家に帰るってことぉ……?」


石丸「ふっふっふっ……」


大和田(なんだこいつ)


石丸「こんなこともあろうかと、準備は万端だ」ニヤリ


不二咲「準備?」







石丸「お弁当を作ってきたぞ!!勿論君たちの分もだ!!」ババーン


不二咲「ちょwwwwwwwww」

大和田「ぶはwwwwww兄弟wwwwwwさすがwwwwwww」



石丸「そ、そんなに喜んでもらえるとは思わなかった……」


大和田「どこでwwww食うんだwwwww都会でピクニックかよwwwwwww」


石丸「なっっ!そ、そこまで考えていなかった……!」


不二咲「ぶひゃwwwwwも、もーお腹痛いよぉwwwwww」


大和田「ひーwwwwひぃぃーwwwwwww」


石丸「君たち!笑いすぎだぞ!!」ブシャ



不二咲「ごめ……っ……ぶはwwwwwwwww」



不二咲「そうだ。一回学園に戻ろうよ。ここから近いし、グラウンドでお弁当食べよぉ」


石丸「なるほど!さすが不二咲くんだな!」キラキラ


大和田(ダチと遊びに出かけて学校行くってどういうことだ……)




~希望ヶ峰学園~


不二咲「あれぇ、野球の試合してるねぇ」


大和田「おー、LL学園かぁ」


石丸「桑田くんもいるな」ガサゴソ


不二咲「えっ、どこどこ?」モグモグ


石丸「四番をつけているぞ」モグモグ


大和田「ほら、あそこだ。あの目立ってる奴」モグモグ



不二咲「あ!本当だぁ!一人だけ髪が明るいねぇ」


石丸「あのスタイルも……彼らしいと今は思える。僕はすっかり変わってしまったな」


大和田「……嫌か?」


石丸「いいや、嬉しいんだ、心の底から」ニコッ


不二咲「えへへぇ」ニコッ




大和田(天使すぎる……クソがああああああああ!!)

また来ます



メンバーA「紋土さん……また振られたらしいぜ」ヒソヒソ


メンバーB「マジかよぉ……なんでだろうな、あんなに漢なのによ」ヒソヒソ


メンバーA「女っつーのはよくわかんねぇ生き物だからなぁ」ヒソヒソ


メンバーC「……」


メンバーB「んだよ、C。なんか言いたいことあんなら言えよ」


メンバーC「いや、別に……」


メンバーA「テメェはモテるもんなぁー。あーあー、モテ男はいいよなぁーモテ男はよぉー」


メンバーB「スカしてんじゃねーぞコラ」



メンバーC「スカしてるつもりはねーけどよぉ……追いかけすぎると逃げてくんじゃねーか?」


メンバーA「紋土さーん!Cが紋土さんのこと、女慣れしてねーとか言ってまーす!」


メンバーB「言ってまーす!」


メンバーC「バッ!?テメェら!何を……!?」


大和田「おう……いい度胸だな」ニッコリ


メンバーC「言ってません言ってません言ってません言ってませんギャアアアアアアアア!!」




メンバーA「ふはwwwwざまぁみろwwww」

メンバーB「振られちまえwwww」




メンバーC「テメェら覚えてろよ」


メンバーA「あー笑った笑った」


メンバーB「最高だな」






メンバーC「で、どうするよ」ヒソヒソ


メンバーA「あー……今回はどうやって慰めるか」


メンバーB「やっぱ暴走るのが一番いいだろ?」


メンバーC「いっつもそれじゃねーか」



大和田(丸聞こえだアホども)



メンバーA「んー……犬、とか」


メンバーB「は?犬?」


メンバーA「お前知らねーの?紋土さん、かなりの犬好きなんだよ」


メンバーB「マジかよ!?」


メンバーC「犬かぁ……いや、いくらなんでも高すぎだろ」


メンバーA「そういや、ドンキに犬耳売ってたぜ」


メンバーB「……犬耳買ってどうすんだよ馬鹿野郎」


メンバーC「お前がつけてワンワン吠えて犬芸するなら大いに賛成だ」


メンバーA「ぶふぉwwww……いや、それで紋土さんが元気になるなら、やってもいいけど」


メンバーB「……」

メンバーC「……」


メンバーB・C「まぁ、オレも、それならいいけどよぉ」



大和田(もうこいつら本当天使だ、クソが)












大和田(……走馬灯って、やつか)


大和田(そうか……なんでこんなに、大切なことを、忘れてたんだ。
オレは……)




大和田「眩しい……?ここは?」


仁「やぁ、大和田くん」


大和田「は!?学園長?」


仁「そうか、君にも僕が学園長に見えるんだね」


大和田「はぁ?」


仁「僕は、あの世とこの世の仲介役だよ。ここは天国と地獄と現世の交差点。
僕は現世の人間があの世へ行くのを見届ける存在さ」


大和田「……」



仁「僕の姿は、人間には『漠然とした得体の知れない尊大な存在』だと認識されるんだ」


大和田「そういうこと普通自分で言うか?」


仁「僕は人間じゃないからね。謙遜する、ということの意義はよく分からないんだよ」


大和田「そぉかよ」


仁「君達にとっての学園長とは、得てして化け物のような存在だったのかな。
僕の姿が実在した人間に被さって見えることは、酷く珍しいからね」クスッ


大和田「君達……?」


仁「あぁ、先にここを通っていった、君のクラスメイト達だよ。
全員が僕のことを学園長と呼んでいたからね」


大和田「!!」



仁「さてと、それで、君はどうしたい?」


大和田「は……?」


仁「天国へ行くか、地獄へ行くか、君に選ばせてあげるよ。こんな特例、滅多にないよ?」


大和田「……」


仁「ちなみにね、君の友達の不二咲くんと石丸くんは、二人仲良く天国にいるよ」


大和田「はっ……?不二咲は、不二咲はオレが殺しちまった……。
けどよぉ、石丸は?あいつがなんで天国にいんだよ!!」


仁「君が死んだあと、結構すぐに石丸くんは殺されてしまったんだよ」


大和田「嘘……だろ、おい……。誰だ。誰が殺ったんだ……」


仁「知っても意味ないよ。結局犯人も死んだからね」


大和田「……マジかよ」


仁「それでも知りたいなら、別に教えてもいいけど」


大和田「いいや、やめとく……」



大和田「つーか、なんで、オレの方が先に死んだのに、あいつが先にここを通ってんだ?」


仁「それも、どうでもいいことだと思うけど。
まぁ、あえて答えるとするなら彼は真っ白だったからね」


大和田「はぁ……?」


仁「彼は比喩でもなんでもなく、赤信号すら渡ったことがないんだ。それほど、真っ白な男だったよ」


大和田「嘘だろ……」


仁「本当さ。だからね、天国行きが即決まったんだ。だからここを通るのも、物凄く早かったよ」


大和田「すっげぇ。あいつらしいな」


仁「ふふっ……面白い人間だよね、彼。あれだけ行き先が早く決まった人間は久々だったよ」

仁「まぁ、僕は彼に罪がないとは思わないけどね」


大和田「あ?」



仁「真っ白なだけの、潔癖なだけの人間は、穢れることを知らない。
君のような人間とは対照的にね」


大和田「んなもん、知る必要ねーだろ」


仁「知らなければ、真の正しさも知ることなんてできないよ。
確かに、白くあり続けることは難しい。しかし、楽ではある。

穢れを知らず、正しくあり続ける。
嘘をつく苦さも、間違いを犯す苦しさも知らず、正しいことだけが正しいのだと、進み続ける。

だから彼は、己の世界で生きることができた。
穢れる辛さを知らないから、簡単に他者の感情を踏みにじることができた。

倫理を強調することで無意識に自己弁護し、罪を罪と知らず実行する白さは、クロよりもタチが悪い」


大和田「……うるせぇよ」


仁「そう、タチが悪いよ。罪深き人間であるにもかかわらず、天国へ行ってしまうほどにね。
彼は神すら、その白さで欺いたのさ」


大和田「うっせぇ……ブチ転がすぞ!!テメェが石丸の何を知ってるっつーんだゴルァ!!
それ以上意味不明なこと言うなら、今すぐ殺す!!」



仁「ふっ……僕に死の概念はないから、その言葉は脅しにすらならないけれど、まぁ、やめておくよ」


仁「確かに、僕は彼のことを何一つ知らない。理解できない。
でも、理解できないからこそ、言えることもある」


仁「結局、正しいだけの人間なんて、この世にはいないのかもしれないね。
清廉潔白な石丸くんでさえ、そうであったように」


大和田「テメェはもう黙ってろ」






大和田「……オレは、地獄へ行く」



仁「いいのかい?不二咲くんと石丸くんは、天国に君が来ることを今か今かと待ちわびているんだよ?」


大和田「いいんだ」


仁「彼らだけじゃない。君のお兄さんだって、ずっと待ってる」


大和田「……そっちに行けそうにねぇって伝えてくれや」


仁「それから、暮威慈畏大亜紋土のメンバーもチョコチョコいるよ」


大和田「あいつら……死んじまったのか……クソッタレ共……」


仁「生きてる人もいるけどね。
でも君が死んでからの荒れようは結構酷いものがあるよ」



大和田「クソがぁ……」





大和田「クソがあああああああああああああああああ!!!」



仁「……」


大和田「クッソォ……っ」



大和田「守れなかった……兄貴との約束も、不二咲との約束も」


大和田「ダチも、チームも、メンバーも、全部、」



大和田「全部、守れなかった……」


仁「それどころか、ね」


大和田「オレが……全部殺した。壊した。オレが、自分の意思で、この手で」



大和田「……全部」


仁「……」



仁「人間は面白いね。どうして壊してしまうんだろう。
君にとって、彼らはあんなに大切だったのに」


大和田「オレが……弱いからだ」


仁「そっか。やっぱり、自分が一番大切だからってことなのかな」


大和田「……違う。オレが弱いからだ」


仁「……へぇ」






大和田「そろそろいいだろ……。オレを、地獄へ連れてってくれや」


仁「うん」



大和田「なぁ、地獄って何すんだ?オレは悪魔になんのか?」


仁「違うよ。君が地獄へ行くから悪魔になるんじゃない」




仁「君が悪魔だから地獄へ行くのさ」


大和田「ハッ……そりゃそうだな」




大和田(じゃあ、あいつらは……本当に天使だったんだな)


大和田(それだけは、よかった)


大和田(それだけは、誇れる)




大和田(オレのダチは、全員天使だ)

くぅ疲れました

一応は完結。
でも続く予定です。



石丸(眩しい……そして、暖かい……)


仁「やぁ、お目覚めかな?」


石丸「学園長!?」


仁「いや、違うんだけどね。僕はこの世とあの世の仲介人だよ。看板みたいなものさ」


石丸「……は、はぁ」


仁「僕が学園長に見えるってことは、君達は学園長を尊敬している……ということなのかな」


石丸「無論です!」


仁「んー……微妙に違う気もするけれど、まぁいっか。
それで、石丸くん。君は今の状況を理解しているのかな」


石丸「……僕は、死んだのですね」


石田「そうみたいだな」


石丸「!?」



仁「フフッ……珍しいこともあるもんだね。人格の実体化かぁ……。

といっても、精神世界と等しいこの場での具現化を、実体化と呼んでいいのかは微妙なところだけど」




石丸「君は……僕なのか?」


石田「あぁ?違ぇーよ。どこのどいつだテメェ。オレはオレだ」


石丸「??」


石田「オレは、石丸の体に兄弟の魂が染み込んだ存在。だから、石田だ」


石丸「兄弟の、魂……?」



石丸「そうだ、兄弟は!?大和田くんはどこにいるんですか!?」


仁「彼はまだ、ここへは来ていないね。彼が遅いというよりは、君が来るのが早すぎるんだけどさ」


石丸「どうすれば兄弟に会えますか!?僕は、彼に謝らなければならないんです!!
彼を止められなかった……それが僕の罪なんです!!」


仁「さぁて、どうだろうね」


石丸「はぐらかすのはやめて下さい!!」


仁「いやいや、僕にも本当に分からないんだよ。
君の行き先はもう決まっている。

けれど、大和田くんの行き先はまだ決まっていないからね。
一概に、会えるとも会えないとも言い切れないんだ」


石丸「……そんな」



仁「それとね、君は履き違えているよ。いや、無意識に目を逸らしているのかな」


石丸「なにが、ですか」


仁「大和田くんと不二咲くんが死んだ責任は、君にはないよ」


石丸「……僕が、止められなかった」


仁「あの殺人の罪も、責任も、君とは全く関係のないところにあるんだよ。君は完全なる部外者だ」


石丸「……違……違う」


仁「不二咲千尋を殺したのは誰だ?君なのか?」


石丸「……」



仁「白さしか知らない君は、クロいものを受け入れることができないんだね」


石丸「ちがいます……あれは、モノクマが……」


仁「絶対悪に全ての責任を投げるのは非常に分かりやすい。そして楽だ。子供向けアニメのように」


石丸「なにが……」


仁「不二咲千尋を殺したのは、大和田紋土だ。君の親友だよ」




石丸「う、あ」



石丸「う、あああああああああああああああああああああああああああああああああああ……あ、ぁ……」



仁「友情なんてなかったかのように、さっくりとね」


石丸「嫌だ……そんなの、知らない……僕は認めない」


仁「……そっか」


石丸「兄弟が……不二咲くんを殺す訳がないんだ。
兄弟は、いつも過保護で、強くて、優しかった……」


仁「それは君の理想なのかな」


石丸「……」


仁「君は、自分の世界に生きているんだね。
周りがクロいことに目を背けて、ただ白さだけを辿って、辿って、苦しさから逃れて生きたんだね」



石丸「僕は……怖い。僕以外の人間が、悪であることが……怖い。
世界で僕だけが、異端児であるような気がして、しかし、僕自身がクロく染まることなんて、出来ない」


仁「でも、その通りなんだよ。まさに君が恐れた通り。君の白さは異端だ。誰もが、罪を犯して生きているんだよ。大和田くんのようにね」


石丸「いやだ……嘘だ……僕は、そんな世界、もう嫌だ……。
何故なんだ……何故皆、罪を犯すんだ……何故、何故なんだ、兄弟」


仁「君の罪はきっと、その答えが分からない、というところにあるのだろうね」


石丸「……」


仁「でもね、彼が君達のことを大切に思っていたのは多分本当さ。
今は君達との夢を見ているようだしね」


石丸「えっ……?」



仁「人間っていうのは、矛盾した生き物なんだよ。
君が、大嫌いな祖父を尊敬しているように」




石丸「……兄弟は」

石丸「兄弟は、不二咲くんを殺した」


仁「あれ、認めるの?」


石丸「……それが、真実なのでしょう。それを認めなければ、彼の罪を理解してあげることは、できないから」


仁「理解……ね」


石丸「それなら僕は、彼が悪人であることを認めましょう。

僕は彼の、親友ですから」



仁「怖くないの?」


石丸「怖い……そして、悲しくて、辛い。それでも、僕は彼の友でありたい」


仁「でも、もう会えないかも」


石丸「それでもいい。たとえ二度と会えなくとも、僕と彼が友であるという事実は変わらない」


仁「無茶苦茶だなぁ」


石丸「何とでも言ってくれ。
僕は彼の罪を知った上で、彼の苦しみを知った上で、それでも彼を……大和田くんを受け入れたい」


仁「……与太話がすぎたね。そろそろ行こうか。
そうそう、言い忘れていたけど、君の行き先には不二咲くんがいるよ。よかったね」


石丸「不二咲くん……!彼には、頭が上がらないな」


仁「ん?」


石丸「みんなに、希望を遺してくれたのだからな」


仁「……」



石丸(みんな……どうか生きてくれと、もう願うことしか叶わないけれど)


石丸(またいつか、出会うことができたのなら、そのときは君達の罪にちゃんと向き合える僕でいたい)


石丸(そうだな、風紀委員として、またお説教をしようじゃないか)


石丸(そして、少し汚れてしまった僕を、叱ってくれ)






石丸(……たとえ君が悪魔でも、友情は確かにあるのだと、僕は信じているよ)


石丸(やはり、僕は僕でしかないのだな。この後に及んで、まだ信じることしかできないようだ)


石丸(僕は愚かだろうか。けれど、君もそうだろう?兄弟)



石田「……」


仁「あぁ、君、まだいたの」


石田「オレは、ずっとここにいる」


仁「駄目だよ。石丸くんはもう行っちゃったんだから、君も早くついて行ってくれなきゃ」


石田「嫌だ。オレは兄弟が来るまでずっとここにいるぜ」


仁「……ハァ。いいかい、君は石丸くんなんだ」


石田「うっせぇ!オレはオレだ!石丸じゃねーっつってんだろ!!」


仁「そうして待っていても、大和田くんとは会えないよ」


石田「ハァ!?」



仁「そういう仕組みなんだ。ここはただの交差点。溜まり場じゃない」


石田「なんでだよぉ……」


仁「そもそも、君は個として存在していないからね。
あんまり石丸くんと離れると、そのうち消えるよ」



石田「消えるのか、オレ……」





仁「うん。でもまぁ……石丸くんは天国へ行ったからね。
石丸くんが幸せな世界には、君はきっといないだろうから、どの道消えるね」


石田「オレがいない世界が、幸せな世界なのか……?」


仁「うん」



石田「幸せな世界に、オレはいないのか?」


仁「うん、そうだよ」



石田「……なんでだよぉ」


仁「仕方が無いよ。君は石丸清多夏の一角にすぎないんだから」


石田「オレだって……オレだって兄弟のダチなのによぉぉおおおおお」


仁「……」


石田「うわああああああああああん!!
うわああああああああああああん!!
うわあああああああああああああああああああああああああん!!」



石田「オレだって兄弟と遊びたいのに……兄弟のダチなのに、兄弟のこと分かってやれるのに」


石田「オレだって、幸せになりたいのに……」



石田「うわあああああああああああああああああん!!
きょおだああああああああああい!!
うわああああああああああああああああああああん!!」



石田「オレは……いないほうがいいのか……」

石田「そうなんだな」


仁「さぁ、それは分からないよ」


石田「オレがいない世界が、石丸と兄弟にとって幸せな世界なら」


石田「オレはいないほうが、いいだろ……」



仁「だけど、不幸せな世界には、君は必要だったんだ」


石田「だけど、幸せな方がいいだろ」



仁「君がそう思うなら、そうなのかな」


石田「……そう思う。風紀が乱れねぇに越したことはねぇからな」


石田「だからオレは……嫌々消えるんじゃねーぞ。
オレはオレの意思で、兄弟を守るために消えるんだ」


仁「大和田くんと石丸くんを、守るためにね」


石田「石丸なんていう根性なしは知らねー……」


仁「うん、君はやっぱり石丸くんだね」





仁「だけど、そう悲観することもないよ。君は消えるけど、君は石丸くんだ」


石田「……」


仁「石丸くんは消えない。だから、またいつか」



石田(またいつかなんて、ねぇよ)




石田(でも、もしも、もしもまたいつかがあったとしたら)


石田(そのときはもう、間違えないから。石丸を殺さないから、だから)






石田「オレとも遊んでくれよ……兄弟」

以上。
また来ます。

続きいきます。


注意点
・これより下は全て蛇足です。
・無駄に長くてダレます。
・捏造が加速していきます。
・つまりは自己満足です。
・電波。



桑田「舞園ちゃん……オレ」


舞園「はい」


桑田「舞園ちゃんのこと好きなんだよね」


舞園「……嬉しい。私もです」


桑田「……どうして?」


舞園「??」


桑田「どうして、そんな嘘つくの?」


舞園「……」



舞園「何を言ってるんですか?
こんな嘘ついたって意味無いじゃないですか」


桑田「オレも意味わかんねーよ。でも、嘘だろ」


舞園「……」


桑田「舞園ちゃん、オレのことなんか全然好きじゃないだろ」


舞園「……」


桑田「むしろ嫌いだろ?」


舞園「違います」


桑田「嘘だ。舞園ちゃん、オレといるとき、いっつも具合悪そう」


舞園「……」


桑田「今だって。お腹痛いんだろ?」


舞園「桑田くん」


桑田「ねぇ、なのになんで、オレに優しくすんの?」


舞園「……ごめんなさい」



桑田「分かんねー……」


舞園「ごめんなさい。でも、これだけは分かってください。
私が桑田くんのこと、嫌いなわけがありません」


桑田「……」


舞園「私、生まれつきお腹が弱いんですよ」


桑田「……そっか」


舞園「私、生まれつき、桑田くんに優しくしなきゃいけないんです」


桑田「なんだそれ」


舞園「生まれる前に、そう決めたんです」


桑田「ハハ……そっか。じゃあ、さ、舞園ちゃん」


舞園「はい」



桑田「本当の気持ち、聞かせて」


舞園「……はいっ」


桑田「泣かないで」


舞園「ごめんなさい」


桑田「好きだ」


舞園「ごめん、なさい……」



葉隠「よぉ、桑田っち!
振wwらwwれwwたwwかwwwwww」


桑田「うっせぇー……グスッ」


葉隠「あーあー、何も泣くことねーべ、失恋くらいで」


桑田「オレだって、なんで、泣いてんのか、わかんねーよぉ……
答えなんて知ってたのに、なんでか涙止まんねーんだよぉ、アホォ……」


葉隠「うん、ヨシヨシ」


桑田「うぅぅ、はがくれぇ……ひぐぅ……」



葉隠「桑田っちは馬鹿だべ」


桑田「分かんねぇ……分かんねぇけどぉ、舞園ちゃんに、ずっと言いたかった……好きだって……ずっとぉ……」


葉隠「うん、頑張ったな」


桑田「うん、うん……オレ、ちゃんと言ったからぁ……」


葉隠「そうだな」


桑田「オレ……なんでか分かんねー、ほんと分かんねぇんだけどぉ……なんか」


葉隠「ん」


桑田「なんか、嬉しいんだ……」


葉隠「……うん」



セレス「山田くん、男性がレディをエスコートしなくてどうしますの?」


山田「ふひぃ……ひぃ、しかし、セレス殿ぉ……」


セレス「なんでしょう」


山田「山田一二三、この量の、荷物はぁ……さすがにぃ、キツいですぅ……ひぃ、ひぃ」


セレス「わたくしの買い物について行きたいと申し出たのはあなたですわよね?」


山田「そ、そうですがぁ……」


セレス「まぁいいですわ。そこのカフェで休憩いたしましょう」



山田「またロイヤルミルクティーですかぁ」


セレス「なにか文句でも?」


山田「いえいえ。ただ、飽きないのかなーと」


セレス「飽きませんわ。わたくしはずっとコレが好きなのです。
おそらく、ドイツ人とフランス人のハーフだったであろう、前世の影響ですわぁ」


山田「……うっとりしているところ申し訳ないですがぁ、ロイヤルミルクティーは和製英語で、」


セレス「あぁん?」


山田「い、いえ……しかし、前世の影響だなんて、意外にもロマンチストなのですね」


セレス「うふふ、きっと西洋のお城でイケメンに囲まれ、美味しいミルクティーを淹れる執事を控えて暮らしていたに違いありませんわ」


山田「あ、はい」


セレス「文句あんのか」


山田「いえ!全く!!」



山田「そういえばセレス殿、最近石丸清多夏殿となにやら怪しい雰囲気ではありませんかなー?」ニヤニヤ


セレス「はぁ……何を勘違いしてやがりますの?」


山田「およよ?」


セレス「わたくし、石丸くんのことが大嫌いなのです。ええ、それはもう心の底から」


山田「ひ、酷い言いようだ……」


セレス「ですから、『正直すぎることは罪だ』ということを教えて差し上げたのですわ」


山田「は、はぁ……」


セレス「するとどうでしょう。『嘘をつくことだって罪だ!』と。反論しやがったのです」


山田「……」



セレス「それだけでは飽き足らず、
『僕に正しい嘘のつき方を教えてくれ!かわりに君には正直である術を伝授しようではないか!』と、まぁ……」


山田「はい……」


セレス「殺意が湧きますわ」ニッコリ


山田「し、仕方が無いのでは……?彼は空気が壊滅的に読めないのですしおすし」


セレス「ハァ……毎日毎日付き合わされる身にもなってくださいな」


山田(毎日って……、セレス殿、実は満更でもない?いや、口が裂けても言えないけど)



セレス「さて、そろそろ行きましょうか」


山田「えっ?まだ半分以上残ってますが」


セレス「口に合いませんの」


山田「……僕の淹れたのは、不味いだなんだと言いながらも全部飲んでますよね」


セレス「……勘違いも甚だしいですわ」


山田「ツンデレwwwwキタコレwwwwwwww」


セレス「黙ってろこの豚がああああああ!!」


山田「ふひひひひwwww」



セレス「山田くん」


山田「なんでしょう」


セレス「少し、石丸くんの『正直者講座』の成果を披露して差し上げようと思います」


山田「また、えらく急な……」


セレス「わたくし、これから言うことはもう生涯二度と言いませんから、耳の穴かっぽじってよく聞いてくださいね」


山田「は、はい……」


セレス「わたくし、こう見えてお金はかなり持っていますのよ」


山田「はぁ、知ってますけど……」


セレス「……チッ」


山田「えぇ!?」



セレス「で、ですから……、もし山田くんが死ぬほどの問題を抱えてしまい、
そしてわたくしに対して地に頭をつけて乞うのなら、
お金で解決して差し上げても、別にいいんですのよ。
その程度の感謝はあるということです」


山田「えー……要約するとつまり、命を助けてくれる程度の感謝をしているというわけですかぁ」


セレス「……」


山田「……セ、セレス殿」


セレス「……」





山田「一日にそう何度もデレると世界のバランスが崩れてしまいますぞ」


セレス「だからテメェはいつまでたってもFランクなんだよ豚ああああああああああああ!!」



~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~









セレス「あら、学園長じゃありませんか」


仁「んー……もうそろそろ説明が面倒になってきたよ」


セレス「うふふ、冗談ですわ。状況把握能力はそこそこありますから」


仁「うん、さすがだね」


セレス「無駄な話は好きではありません。
早くわたくしをエスコートしてくださいませんか?」


仁「いや、実はまだ君の行き先は決まっていないんだよ。
天国か地獄か、君が決めていいよ」


セレス「あら……意外ですわ。随分とザラですのね。
わたくしのような人間に決定権を与えるだなんて」


仁「んー、まぁ確かに」



セレス「……ちなみに、石丸くんと山田の豚はどちらに?」


仁「石丸くんは天国、山田くんは地獄さ」


セレス「あら?山田くんが地獄……それもまた意外ですわ」


仁「うん。本来なら天国行きだったんだよ。彼は罪を犯したけれど、それ以前に愛情深くて優しい人間であったからね。
ただ、山田くんは泣いて願ったんだ。地獄へ行きたい、とね」


セレス「まぁ、相変わらず頭に蛆が湧いているようですわね」


仁「泣いて泣いて酷かったよ」




セレス「……それはそうと、願っただけで、決められた行き先を変えられるものなのですか?」


仁「いや、無理だね。でも、彼の場合は『人を殺した』という罪があったから、特別に願いを叶えてあげたんだよ」


セレス「……そうですか」



仁「人間とは不思議な生き物だね。フフ、彼のような人間はね、実は多いんだ」


セレス「地獄を自ら選ぶ人間が……ですか?」


仁「いや、それは珍しいんだけどね。
そっちじゃなくて、彼のように本来穏やかな人間が、大罪を犯すことは、結構よくあることなんだ」


セレス「……」


仁「何故だろうね。人間って分からないな」


セレス「馬鹿馬鹿しい。……そんなもの、ただの自己満足ですわ」


仁「自己満足、ね」



セレス「えぇ、そうですわ。何かを守るために、罪を犯す。
ダークヒーロー気取りなのでしょう?……本当、馬鹿馬鹿しい」


仁「へぇ、君は人の感情がよく分かるんだね」


セレス「えぇ、自負しています」


仁「そっか、何かを守りたくて罪を犯すのか」


セレス「そうです。それは例えば、自身の倫理観であったり、信念であったり、プライドであったり……そう、結局は自己満足なのです」


仁「へぇ……よく分かっているんだね」



仁「ねぇ、それじゃあ、人の感情がよく分かる君に、聞きたいことがあるんだけど」


セレス「はい、何でもどうぞ」


仁「山田くんは、何を守りたくて罪を犯したのかな」


セレス「……」


仁「……」


セレス「……それは、」


仁「それは?」


セレス「……」



セレス「……」


仁「君は、嘘つきだ」


セレス「……心得ていますわ」


仁「治す気はないのかな」


セレス「はい、全く。何を言われようとも、わたくしは嘘つきです。
わたくし、前世から、そして後世でも、ずっと嘘つきであるという自信がありますから」


仁「嘘は、罪だよ」


セレス「うふ、それならそれで構いません。
嘘が罪なのだとしたら、わたくしはずっと罪人なのでしょうね」



仁「……君は欲深いんだね」


セレス「えぇ、わたくしは、わたくしの欲を満たす為にある存在ですから。それ以上でもそれ以下でもありません」


仁「君は君の欲を満たす為の存在……。そっか。じゃあ、君以外の人間は、君にとってどういう存在なのかな」


セレス「ゴミ、駒、飾り。……そのいずれか意外に、何か選択肢がありまして?」


仁「……そう。じゃあ察するに、石丸くんや山田くんは、ゴミだね」


セレス「……えぇ、ごみ、ですわ。計画は失敗しましたし、駒ですらありませんわね」


仁「ただただ白くてまっすぐであることしか知らない彼も、深い愛情故に道を踏み違えた彼も」


仁「ただの、ゴミ」




セレス「……ただの、」



仁「それで、そろそろ決めてくれないかな。さて、欲深い君は、天国を望むよね?」


セレス「……何も分かっていませんわね」


仁「ん?」


セレス「わたくし、天使の輪っかもフワフワした羽根も、趣味じゃありませんの」


仁「……」


セレス「天国、だなんて……なんて怠惰な響きなのでしょう」


仁「お気に召さないかな?」


セレス「えぇ。それに対して、地獄……嗚呼、俄然興味を惹かれますわ」


仁「楽しそうだね」


セレス「えぇ、楽しみですから」


仁「そう、それじゃあ行こうか」


セレス「はい」



セレス(自分の心に嘘をつくことすら、わたくしにとっては容易いこと)


セレス(……本当に、そうなのでしょうか)


セレス(今となってはもう、何が真実だったのかも分からなくなってしまいました)


セレス(そう、自身の嘘に飲まれてしまったのです)


セレス(わたくしと真逆な、真っ白な彼なら、嘘をつかずに生きる術を知っているのでしょう)


セレス(その術を唯一知る彼を消してしまった)


セレス(だから、やはりわたくしが嘘をつかずにいることなど、どう足掻いても無理なことなのです)





セレス(ただ、もしも、その術を知ることが、わたくしにもできたのなら)


セレス(できたの、なら……恐怖を訴えることも、できたのでしょうか)


セレス(涙を流すことも、できたのでしょうか)



仁「そうだ、最後に一つ、思い出したことがあるから言っておくよ」


セレス「??」


仁「いや、本来僕にこんな義務はないんだけどね、たまたま今思い出したから」


セレス「なんでしょう」


仁「山田くんからの伝言さ。『地獄で待ってる』って」


セレス「……」






セレス「……すぐ行く」


セレス「走って、行く」




仁「ん、何か言った?」


セレス「いえ、戯言です」


セレス(こんな馬鹿のような真似を、笑ってしてしまうような未来を、描けたのでしょうか)



苗木「あの二人って……」

葉隠「危ない関係だべ」

苗木「……」



山田「ふひひww」

セレス「キメェんだよこの豚がああああ!!」

山田「セレス殿、ツンデレがすぎますぞ。本当は構って欲しいくせに」


セレス「あぁん?もっぺん言ってみろビチグソがああああ!!」ゲシゲシ

山田「ああ~んっ」



苗木「あ、あはは」

葉隠「仲良しはいいことだべ」

苗木「うん、そうだよね……」



石丸「安広くん!山田くんをいじめるのはやめたまえ!!」


セレス「よぉーし、表にでやがれ」

山田「安広多恵子殿、キャラがブレてます」


セレス「うっせぇー!わたくしの名前はなぁ!セレスティア・ルーデンベルクなんだよぉぉお!!」ゲシッ

山田「うっふぅ~んっ」


石丸「やめたまえ!山田くんを足蹴りにするのは即刻やめたまえ!」



不二咲「石丸くん……たぶん、だけど、いじめてる訳じゃ、ないと思うんだぁ」

石丸「な、なんだと!?」


不二咲「えっと、山田くん喜んでるし……そういう世界もあるっていうかぁ……」ゴニョゴニョ


石丸「そ、そうなのか……!まだまだ僕の知らないことが沢山あるということなのだな!
不二咲くん、彼らのしていることについて、是非詳しく教えてくれたまえ!」


腐川「ふ、ふふふ、不潔よ!不潔!!あんた、どさくさに紛れて不二咲を口説こうっていうの!?優等生に見せかけて狼ってわけね!不潔よぉお!!」


石丸「な、な、なな、僕は、僕は不二咲くんを口説いていたのかああああ!?」



不二咲「い、石丸くん、落ち着いて。大丈夫だよぉ」


腐川「な、なによ……あんたも満更でもないってわけね。山田とセレスみたいな穢れた世界に突入するのね!」


不二咲「ま、待ってぇぇ……僕、男の子だからぁ……」


石丸「ふ、ふむ……?山田くんとセレスくんは穢れた世界にいるのか!?
こうしてはいられない、今すぐ僕が救い出してみせる!!」


腐川「な、なななんてマニアックなの……SショタのM優等生ですって……!?
あ、あたしにそんな趣向ないわよ!!
純愛物しか認めてないんだからぁああ!!」



十神「おい、今すぐその気色悪い言葉を垂れ流す口を閉じろ」

腐川「は、はいぃ、白夜様ぁ……!」



十神「全くお前らは……俺の貴重な読書の時間を削るつもりか」


朝日奈「じゃあ十神だけ一人で静かなとこに行けばいいんじゃない?」


十神「……」


朝日奈「アハハー、それは寂しいんだー!」


十神「黙れ。俺はここの光加減が好きなだけだ」


朝日奈「ふーん、変なの」


十神「貴様のようなガサツな女に、俺の繊細な感性が理解出来るはずもないな」


朝日奈「ガサツ!?ちょっとぉ!」



大神「フッ……朝日奈よ。今のは照れ隠しだ」


十神「違う」


大神「今のも照れ隠しだ」


十神「……」




霧切「フフッ……さすが大神さんだわ。あの十神くんを手玉にとるだなんて」

大神「そうであろうか。十神は分かりやすいと思うのだが」


霧切「分かりやすいかもしれないけれど、ムカつくじゃない?」

大神「フッ……」



桑田「分かってんなぁー、霧切。そうなんだよ、あいつ分かりやすいけどムカつくんだって!」



霧切「あら、あなたと考えが合うだなんて……少しショックだわ」

桑田「ハァ!?酷くね!?」


舞園「うふふっ、桑田くんはお馬鹿さんですけど、以外と人を見てるんですよ」


桑田「舞園ちゃん、それフォローになってねーから。むしろ性格も悪いってことじゃねーか!?」

舞園「そんなことありません!空気が読めるってことです!」


桑田「そ、そっか」


舞園「そうですよ!じゃないと、私も性格悪いってことになっちゃいます!」プゥ


大和田「いやお前は性格悪ぃだろ……」

舞園「むぅ」



大和田「ハハッ」

舞園「どうかしたんですか?」


大和田「いや、オレのダチって全員天使だなって思ってよぉ」

舞園「ふふ」


大和田「でもなぁ、なんか変な気が……」

舞園「え?」


大和田「たまによぉ、ここにいていいのかっていう気になっちまうんだ。なんなんだろーな……」



舞園「居て、いいんですよ」

大和田「……おう」



舞園「逃げないことが、あなたの贖罪ですから」ボソボソ


大和田「は?」

舞園「いいえ、なんでもありません」



大和田「あと……なんか、分かんねーんだけど」


舞園「はい」




大和田「二人くらい、足りなくねーか?」


舞園「……」


大和田「……いや、悪ぃ、んなわきゃねーな。
今日はだれも欠席してねーし。変なこと言ったわ」


舞園「……いいえ」ニコッ



~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~




舞園「私は、どこへ行くんですか?」


仁「天国だよ」


舞園「……私、地獄へ行きます」


仁「んー……まぁ、君が罪人であることは確かだし、それは構わないけど」


舞園「そして、お願いです。私が地獄へ行く代わりに、桑田くんを天国へ行かせてください」


仁「無茶言うなぁ……」


舞園「出来るんですか、出来ないんですか?」


仁「出来ないよ。だって桑田くんはまだ、地獄行きかどうか決定していないからね」


舞園「……なんとか、できませんか」


仁「……」



仁「ハァ……どうにも今の僕という存在は、君がイメージするところの『学園長』に引きずられているみたいだ」


舞園「??」


仁「仕方が無いね。分かったよ。じゃあこうしよう。君は地獄へ行く」


舞園「はい!」


仁「そのかわり、君のクラスメイト達が地獄行きになったなら、チャンスを与えることにするよ」


舞園「……チャンス?」


仁「そう。決定権さ。天国か地獄か、選ばせてあげる」


舞園「それは、本当……ですか。全員にですか?」


仁「うん。まぁ、君達の環境が環境だからね。特例だよ、特例。満足した?」


舞園「はい!ありがとうございます!」



仁「それにしても、殺そうとした相手にどうしてそこまでするの?」


舞園「……思い出したからです」


仁「あぁ、そっか。記憶が消えてたんだっけ」


舞園「彼は……殺されていい人間じゃなかった。
意地っ張りで、軽薄で、だけど本当は優しくて……」


仁「じゃあ、記憶が消えてたときは、殺されていい人間だと思ってたんだね」





舞園「……私、私は、」


仁「うん?」


舞園「私は、悪魔です」


仁「その通りだよ」



舞園「学園長さん」


仁「やめて、そう呼ばれると引きずられるから」


舞園「私、これから独り言をいいます」


仁「……うん、勝手にどうぞ、としか」


舞園「私、償いたい」


仁「……」



舞園「もしも生まれ変わることができたのなら」

舞園「この思いを抱えたまま、みんなに出会えたのなら」

舞園「私の一生をみんなに捧げたい」



仁「無理だからね、そんなこと」


舞園「ただの独り言ですよ、学園長さん」ニコッ


仁「無理だからね」



大和田「兄弟、不二咲!次の休み空いてっか?」


石丸「うむ!」


不二咲「僕も空いてるよぉ」


大和田「おう、出かけようぜ」


石丸「いいだろう!そうだな、君たちの分までお弁当を作って持っていこうじゃないか!」


不二咲「石丸くんwwwwwwピクニックに行くの?wwwwww」


大和田「兄弟wwwwww山にww行くにはwwかなりバスをwww乗り継がなきゃならねーぜwwwww」


石丸「そ、そんなに笑うことないではないか!!」ブシャ



不二咲「えへへぇ、でも公園でお弁当食べようよ。僕、楽しみだな」


大和田(公園でダチと弁当食う総長……オレの威厳が……)ガクッ


石丸「本当かね!?では張り切って作るぞ!何かリクエストはあるかね」キラキラ


不二咲「じゃあ僕、タコさんウインナーが食べたいなぁ!」キラキラ


大和田(まぁ……変に強がってもしかたねーか)

大和田「オレはベーコンとアスパラのやつ食いてぇ」




苗木「公園でピクニックかぁ、楽しそうだね」


石丸「苗木先生も来るかね?」


苗木「えっ、いいの!?」


不二咲「勿論だよぉ!みんなで食べた方がきっと美味しいよ」



苗木「ねぇどうせなら、クラス全員よんじゃおうよ」


不二咲「わあああっ!石丸くん!僕もお弁当作り手伝うねぇ!」キラキラ



石丸「みんなで遊びに出かけるなんて……」

石田「楽しみだなァー!兄弟!!」ニコニコ



大和田「……あ?」


石丸「ん?」


大和田「いや、オレもすっげぇー楽しみだぜ、兄弟!」


大和田(オレのダチは、全員天使だ)


END

電波でごめんね。

(以下読まなくておk)
原作からのハッピーエンドにいくためには、罪を償わなきゃダメなんじゃないかとか、モノクマだけが悪いわけじゃないって認めなきゃダメなんじゃないかとか、罪を償うって一体なんぞやとか、なんで大和田の周囲はみんなバラバラになってしまったんやとか、石丸みたいな性善説唱えてそうな人間が大和田みたいなDQNに抱く感慨とはどんなもんなんやとか、セレスの夢は女の子の憧れそのものなんだから嘘の仮面の下は女の子なんじゃないのかとか、口火を切った舞園が負う責任の重さとはどの程度のものなんやとか、でもみんなあの事件なけりゃ天国いけた奴らなんじゃないんか環境のせいで罪を犯す人間と恵まれてて罪を犯してない人間の行き先が違うのだとしたら悲しいな、けどならどうしろっちゅうねん

という、ごちゃごちゃした感情をまとめきれなかった結果の跡地。



読んでくれた人がいたなら全力で謝る。
途中から下げ更新にしたが、間に合わなかった人ごめん……


依頼してきます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月03日 (土) 02:11:04   ID: 0fHCqfut

これは泣ける。切なすぎる。
ダンガンロンパはこうゆうSSがあるからもっとすきになる

2 :  SS好きの774さん   2014年07月10日 (木) 21:49:39   ID: ZmJS0zPk

もうこの作者さん同人誌出してくれないかなって毎回思うんだ。

3 :  SS好きの774さん   2015年11月27日 (金) 16:54:33   ID: TRI9tuEz

この作者さんは神

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