スティクス神父「」グビッ
スティクス神父「」グビグビグビグビ
同僚「・・・」
スティクス神父「」グビグビグビグビ ゴブゴブゴブ
スティクス神父「フー・・・」ドン!
スティクス神父「・・・」ゲプ
同僚「お前、もう少し態度よくできねーのか?」
スティクス神父「無理だね」ヒック
スティクス神父「なんで神父が酒飲んじゃあいけねーんだ?国民全員がやっていいことをよォォー、神父はやっちゃあいけねェのかよォォオオオ」
同僚「そーゆーきまりだ」
同僚「お前は昔からそうだよな。ガキの頃から頭はいいのに、暴力沙汰を・・・」
スティクス神父「文武両道ってヤツだよ」ウィ
同僚「そーゆー性格を直すために神父になったんじゃあなかったか!」
スティクス神父「職に就かねーと生きてけねーだろ。生きていけるなら神父なんざやってねー」ゴロリ
同僚「ハア・・・」
スティクス神父「神は俺をくせーところにやるのがお好きなようだ」
同僚「お前の不祥事をもみ消す俺の身にもなってくれよ」
スティクス神父「それよりよー、最近切り裂きジャックってヤツが」
同僚「お前が時事ネタに興味を持つなんて天地がひっくり返りそうなことだが、話題をずらすんじゃあない」
スティクス神父「チッ」
スティクス神父「じゃあーよ、そーだな・・・」
同僚「無理に話題ひねり出さなくていいぞ」
同僚「お前、自分が良ければすべてよしって考えだからな。新聞なんか読まんだろ」
スティクス神父「競馬の欄とかは見てるぜー」
同僚「・・・やっぱな」
スティクス神父「ヘヘヘ」
ドカドカドカ
同僚「・・・ん?」ドカドカドカドカ
スティクス神父「・・・誰か走ってんな」ドカドカドカドカ
同僚「おい、こっちに来るぞ!!」ドカドカドカドカ
ドカドカドカドカドカドカドカドカ
同僚「おい、酒瓶隠せ!!」
スティクス神父「お、おう」ガバッ ガサガサ バッサアーーーー
ドカドカドカ
ガチャッ
司祭「スティクス神父ッ!」バン!!!
スティクス神父「は、はいッ!」バッ
司祭「大変なことが起きたぞ・・・君に頼みがある」ゼェ ゼェ
スティクス神父「は・・・はい・・・」
同僚「『頼み』・・・とは一体?」
司祭「実はな・・・切り裂きジャックが突如犯行を止め、姿を消した」ゼェ ゼェ
同僚「そうですね・・・それが何か?」
司祭「しかし、切り裂きジャックが消えてからというもの、次々に!失踪事件が増えている」ハァ ハァ ハァ ハァ
同僚「それがジャックの仕業だと?」
司祭「いや・・・」ハァ ハァ
司祭「実を言うとな。私の教会によく来る子がね・・・朝焼けを見るために毎朝外に出ているんだが」ハァーー…
司祭「夜明けに不審人物を見たそうだ」
スティクス神父「それがジャックの代わりに犯行をしていると・・・?」
司祭「近いな。・・・うん?君、少し顔が赤くないか」
スティクス神父「え、ああッ」
スティクス神父「え、ええーーっとですね・・・」キョロキョロ
スティクス神父「ゴ、ゴキブリが出てきて驚いてしまったんですよ・・・それでちょっと走り回ってしまいまして」オドオド
司祭「なるほど、ゴキブリか」
スティクス神父「ええ。驚いた拍子に書類の山にぶつかって倒してしまいまして・・・ほら、これです」
司祭「後で直しておきなさい」
スティクス神父「は、はい」
司祭「さて・・・どこまで話したかね」ポリポリ
同僚「『ジャックの代わりに犯行』・・・のところまでです」
司祭「ああ、そうかそうか」
同僚「不審人物というのは?」
司祭「ああ・・・20代くらいの男2人が喧嘩をしていたらしい」
同僚「喧嘩?」
スティクス神父「喧嘩・・・ですか?」
司祭「ああ。銀髪の男が金髪の男の首を片手で絞めていたらしい」
スティクス神父「へえ・・・」
司祭「ところがだ。銀髪の男は日光を浴びると服だけを残し綺麗に消滅してしまったらしい」
2人「ええッ!?」
司祭「おそらく銀髪の男は・・・」
司祭「『吸血鬼』だと思われる」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
2人「・・・」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父「そんなわけがないでしょう」
同僚「!」
司祭「・・・そうか?」
スティクス神父「子供の証言ですよ?アテになりません」
司祭「あの子は嘘をつくような子じゃあない」
スティクス神父「いじめられて、嘘をつくように強要されたんでしょう」
スティクス神父「いまどき吸血鬼だなんて・・・ハハ」
司祭「切り裂きジャックがピタリと犯行を止めたのも、吸血鬼の仕業だとすれば?」
スティクス神父「え・・・」
司祭「吸血鬼が切り裂きジャックを殺害したのでは?」
スティクス神父「そ・・・」
スティクス神父「そ、そんなバカな話が」
司祭「・・・」
司祭「切り裂きジャックが犯行を止めたのは、その喧嘩から数日後だ。吸血鬼に襲われた金髪の男が、実は吸血鬼化していたのかも知れない・・・」
司祭「それに、喧嘩があった翌日には、ジョースター邸が炎上した」
同僚「ああ・・・あの火元不明の火事ですか」
司祭「ジョースター邸の火事と、喧嘩、そして切り裂きジャックの失踪・・・」
司祭「私は疑り深い性格だ。この3つに何か繋がりがあるのかもしれないと思っている」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
2人「・・・!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父「しかし・・・仮に繋がっていたとして、それを操作するのは警察!我々は一切――」
司祭「吸血鬼が暴れているのだとすれば・・・」
司祭「対処するのは我々ではないかね?」ドン!!!
スティクス神父「で、ですが」
司祭「我々で討伐隊を組む。『魔女狩り』のようにはならないよう・・・かといって吸血鬼は殲滅しなくてはならない」
司祭「君は腕っぷしが強い。調査を頼みたい」
スティクス神父「・・・」
司祭「君以外にも何人か調査を依頼したが・・・その中でも君に頑張ってもらいたい」
司祭「武器は貸すよ。引き受けてくれるか?」
スティクス神父「・・・」
夜・・・
ホウ ホウ ホウ
スティクス神父(まさか引き受けることになるとは・・・)ボリボリボリ
スティクス神父(魔女狩りなんかもうないだろ・・・さっさと終わらせて帰るか)シャキン
ガリッ
スティクス神父「・・・あ?」
ガリッ ゴリゴリッ
スティクス神父「剣が木の根っこに引っ掛かったか・・・」グググ
スティクス神父「チッ、いらねーよこんな剣」ポイッ
カシャァアーーーーーン
スティクス神父「ッたく・・・司祭もどーかしてんじゃあねーの」ペッ
ガサ…
スティクス神父「!」
ガサ… ガサ…
ガサガサ ガサガサガサ
スティクス神父「・・・誰かいるのか?」
ガサガサガサガサ ガサガサガサガサッ!
スティクス神父「・・・」ゴソゴソ
スティクス神父「・・・あった」ゴソッ
ナイフ「」チャッ!
スティクス神父「」スチャ…
ガサガサガサッ
ワンチェン「」バッ!!
スティクス神父「!!」
ワンチェン「」タタタタタタタ…
スティクス神父「あ、あれは・・・」
タタタタタ…
スティクス神父「ウィンド・ナイツ・ロットの方へ・・・」
スティクス神父「・・・!」グッ
スティクス神父「」ダッ!
ガサ… ガサガサガサ
ガサガサガサガサッ
ガサァアッ
スティクス神父「」バッ
スタッ
スティクス神父「フー・・・」パタパタパタ
スティクス神父「駄目だ。道が分からなくなった・・・帰れねーなこりゃあ」ハァ…
パァァァァァ…
スティクス神父「・・・お」
スティクス神父「夜明けか・・・」パァァァァァァ
スティクス神父「綺麗だな・・・」
スティクス神父「」トッ
ズルズルズル
ストン
スティクス神父(吸血鬼どもはこれを見れないんだな・・・)
スティクス神父「・・・」グッ
スティクス神父「ウィンド・ナイツ・ロットに行くとするか。そこの人に道を聞けば帰れるしな」
スティクス神父「日の沈まない内に帰れるよう急がねーと」チャッ
ダッ
タタタタタタタ…
夕方・・・
カァ カァ カァ
スティクス神父「・・・」カァ カァ カァ
スティクス神父「無理だった・・・」ガクッ
スティクス神父「我ながら無謀すぎたな・・・どっか宿に行かねーと」グググ コキコキ
太陽「」スゥゥウウウ…
フッ
スティクス神父「!」
スティクス神父(太陽が沈んだ・・・!)
スティクス神父「」チャッ!!
十字架「」ギリ…
スティクス神父「早く宿を・・・ええい、この際民家でもいいッ!泊まらなくては・・・」タッ
男「あのー」
スティクス神父「!」ビクッ
スティクス神父「はい、何でしょう・・・」
男「神父様ですね?この町の教会ですか?」
スティクス神父「あ・・・いえ、もっと向こうの町です」
男「そうですか・・・もしかして、宿をお探しに?」
スティクス神父「あ・・・はい、実を言いますと」
男「なるほど・・・では、私の家に来られてはいかがです?」
スティクス神父「・・・え」
男「駄目でしょうか」
スティクス神父「いえ、そんなことは・・・」
男「こちらです」タッ
スティクス神父「・・・」
男「最近ハリーさんの娘が家出して行方不明になったりと・・・失踪した人が多いのが心配ですね」
スティクス神父「・・・この町でも」
男「ええ・・・全く。近頃の若い人は・・・夜になっても出歩いたりなんかして」
スティクス神父「・・・貴方も夜は出歩かない方がいいです。危険です」
男「え?」
男「・・・ハハッ」
男「ハハハハハハッハハハハハハッ」
スティクス神父「・・・どうしました?」
男「ヒャハハハハハハハハハ!!ギャハハハハハハハハハハ」
スティクス神父「・・・!?」ズザッ
男「ハハハハハハ!ハハハハハハハハハ・・・フフフッ」
男「クク・・・フフッ、クッ」
男「あー、失礼。お心づかいありがとうございます」
スティクス神父「・・・」
男「ですが心配はいりません。私は昔から夜によく働いていたもので・・・」
スティクス神父「・・・そうですか」
男「 そ れ に 」
男「 危 険 な の は 貴 方 の 方 で す よ ? 神 父 」
スティクス神父「え・・・」
ヒュッ
ズバァアアッ!!!!
スティクス神父「うおおおッ!?」ビリィイッ
ブシュッ!!
スティクス神父「うくッ・・・」ドクドクドクドク
男「チッ!」ペッ
男「肩を切っただけか・・・面白くねェエッ!!!」ゴキゴキゴキィィ バキバキバキ
スティクス神父「・・・!?」
メキメキメキ メリメリメリメリ
屍生人「KUAAAAA・・・」ゴキッ! ゴキッ!
ズンッ!!
ダンッ!!
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父「・・・!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父(な・・・何かッ!何か何か何かァァッ!!)ゴソッ ゴソゴソ
屍生人「URRYYYYYYYYYYYYY・・・」ダンッ!! ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父「・・・!!!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父(これが吸血鬼・・・!?いや、吸血鬼と言うよりは・・・屍生人ッ)┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
屍生人「テメェエエの血をチューチュー吸ってやるぜェェェェエエエエエエ」ダッ!!
スティクス神父「うおおおッ」バッ
屍生人「KUUA!!」ギュアッ!!
スティクス神父「!うッ・・・」
ビリィイイッ ジャギィイ
スティクス神父(かわせたッ!!)グオッ
スティクス神父「うぷッ」ダンッ ガンッ
ゴロゴロゴロゴロ ザザザザザ
スティクス神父「く・・・ッ」グググググ
屍生人「・・・」キリキリ
屍生人「服をかすっただけかァ・・・あ?」
ポタッ ポタタッ
屍生人「・・・」
ポタ ポタ ポタ
屍生人「・・・あ?」
屍生人「」チラ…
ダラダラダラダラ
屍生人「・・・」
ドクドクドクドク
屍生人「・・・!?」
ブシュッ ブシュッ ドクドクドクドク
屍生人「こッ・・・これはァアッ!!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
屍生人「十字架かァーーーーーーッ!!!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父「・・・え!?」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父「」パン パン パタパタパタ ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父(十字架がないッ!)┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
屍生人「俺の腕に十字架がァアーーーーーーーーーーッ!!!」バァアーーーーーーン
十字架「」ドォオーーーーーーーーン
屍生人「UUUUUUURRRRRRRRRRRRRRRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!」ブジュッ ガクガクガク グラグラグラ
屍生人「KUAAAAAAA・・・」ドサッ
屍生人「」ビクンッ ビクンッ ビクンッ ビクンッ
屍生人「」ビクン ビクン
屍生人「」ビクン… ビク…
屍生人「」ピタ…
スティクス神父「・・・」
屍生人「」ドク… ドク…
スティクス神父「や・・・」ヘタッ
スティクス神父「・・・やったのか?」ヘナヘナ
スティクス神父(偶然構えた十字架が奴の腕に刺さったのか・・・凄い幸運だな)ウーム
スティクス神父「・・・やっぱり屍生人や吸血鬼ってのは・・・十字架に弱いのか?」スック
スティクス神父(・・・吸血鬼が屍生人を作り出しているのか?)
スティクス神父「こいつが切り裂きジャックをやった犯人だと思いたいが・・・人生そー上手くはいかねー」ホジホジ
ピンッ
スティクス神父「こんなのが他にもいたら厄介だな――」
屍生人「」ピク…
スティクス神父「」ハッ
屍生人「」パキ ポキポキポキ パキ
スティクス神父「え・・・」
屍生人「URRRRRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!」ガッバァァアアアアア
スティクス神父「生き返ったッ!?」バァアーーーーーーーーーン
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
屍生人「こンのウスバカがァアアアアッ!!十字架ァ!?十字架ァァ!?」ズン!
屍生人「ンなモンで死ぬかよォォォォオオオオ、ディオ様に力を頂いたこのオレ様がよォォオオオオオオ」
スティクス神父「・・・ディオ?」ピクッ
屍生人「とっととあの世に・・・」グッ!!
屍生人「逝きやがれェェェエーーーーーーーーーーーーッ!!!」ブンッ!!
スティクス神父「」シャァッ!!
ワイアー「」ピン!
屍生人「!」
スティクス神父「残念だが・・・あの世に逝くのはお前1人で十分だ」
スティクス神父「」グイッ!!
ワイアー「」ギチィイッ…
屍生人「な・・・」
ワイアー「」ギチギチギチギチ
スティクス神父「俺が懐に手を突っ込んだとき・・・取り出したのは十字架だけだと思ったか?」シャラン
スティクス神父「お前の脚には!既にワイアーが巻きついていたんだぜェッ!!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
屍生人「何だとォォオオオオオ!!」
スティクス神父「」グイッ!!
ワイアー「」ビンッ!!!
屍生人「グウオオオオオオオオオッ」ズルゥウウッ
屍生人「GYA!」ビダァアーーーン
スティクス神父「」ガッ!
グググ…
十字架「」ズボォォオッ
スティクス神父「くッ」ポタ ポタ
屍生人「NUUUUUUUUAAAAAAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!貴様ァアッ」
スティクス神父「心臓を貫いたらどうだァアーーーーーーーッ!!」ブンッ!
ドズゥウウッ
屍生人「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!」ブジュウウウウウウウウウウウウウウウウウ
屍生人「お・・・おのれェエッ!!」ブンッ
スティクス神父「うぐおおッ!?」ドギャァアッ!!
スティクス神父「」ドガッ ガイン ドゴッ
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
スティクス神父「うぐううッ」ギャギャギャ
屍生人「お・・・おのれえええええよくも!よくもこんなァアアアアア」バタバタ ブシュウウウ
屍生人「ぐうおおお~~~~ッ!!人間ごときがよくも!よくもォォオオオオオオオオ」グググググッ
屍生人「こんな十字架ァアアアッ!!」ガッ!!
屍生人「フウウウウウウオオオオオオオオオオオオオオオオ」ググググググッ
十字架「」ボギョォオオオオッ
スティクス神父「!!!」
屍生人「・・・」ハァー ハァー ハァー ハァー
屍生人「・・・」フゥー フゥー フゥー
屍生人「・・・ケッ」
屍生人「」ブンッ!!
スティクス神父「ヒイイッ!」バッ
地面「」ズガァアアッ!!
シュウウウウウウウウウウ…
スティクス神父「・・・!!地面に十字架がッ」
スティクス神父「」チラッ
屍生人「」ダラダラダラダラ
スティクス神父(胸の肉が十字架を抜いたときにこそげ落ちたのに・・・まだ生きていられるのかッ!!)
スティクス神父(さすがはアンデッドと言ったところか・・・)ガシッ
十字架「」ズボッ
スティクス神父(心臓を破壊しても死なない・・・となると!!)ジャッ
スティクス神父(残るは脳だッ!脳を破壊するしかないッ!!!)
屍生人「UKAKAKA・・・」ググググ
スティクス神父(ヤツはまだ!立ち上がれていないィイッ!!!)
スティクス神父「」ダンッ!!!
屍生人「!!!」
スティクス神父「うううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ダダダダダダダ
屍生人「き、きさッ」サ…
スティクス神父「せいやァアアッ!!!」ブンッ!!
ドズゥウウウウウウウッ!!!!!
屍生人「・・・」
ブジュッ
ブジュュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!
屍生人「ギ・・・」ブシュウウウウウウウウウウ
屍生人「ギヤヤヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」ブシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ
屍生人「うおおおッうおおおおおお~~~ッ!うあああああ・・・!!!」ダッ フラフラフラ ヨタヨタヨタ
スティクス神父「・・・」
屍生人「うあああああ・・・」ヨロヨロヨロ
屍生人「U・・・KA・・・KA・・・KA・・・KA・・・・・・」グラッァアッ
ドザア!!!
シィイイーーーーーーーーーーーーーーン…
スティクス神父「・・・」
スティクス神父「や・・・やったのか?今度こそ・・・」
スティクス神父「やったのかァアーーーーーーーーーッ!?」スクッ!!
スティクス神父「やったぞォォ!!やってやったッ!!やってやったァアーーーーッ!勝った!勝ったんだッ!俺は!!」
スティクス神父「うは・・・ははは・・・ははははは・・・」
スティクス神父「やったぞォオオーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」グッ!!!!!
女「フー・・・今日の作業も終わったわね」
コンコンコンコン
女「はーいただいま」タタタ…
ガチャッ
女「!?血だらけ・・・」
スティクス神父「す・・・すみません、助けていただけないでしょうか」
女「え・・・?」
スティクス神父「襲われたんです・・・この血は全て私の血です。一晩泊めていただくわけには・・・」
女「え、ええ、いいですよ。入ってください・・・事情も話してくださいね」
スティクス神父「はい・・・失礼します」ギィイ… バタン
女「それで・・・何があったんですか?」
スティクス神父「実は・・・亡者に襲われまして」
女「亡者?」
スティクス神父「ええ・・・信じてはもらえないでしょうが」
女「いいえ、信じますよ神父様」
スティクス神父「えッ・・・本当ですか」
女「はい」ニコ
女「 だ っ て 私 も 屍 生 人 で す か ら 」
スティクス神父「・・・」
スティクス神父「」ハァ…
スティクス神父「・・・またかい」
女「あまり驚かないのねェェ?」ゴキッ! ビキビキビキ
スティクス神父「さっきも同じような手で・・・」
スティクス神父「やられたからなああッ!!!」ジャキッ!!!
ヒュ!
屍生人「ううッ」ズバッ
屍生人「AAAAAAAAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!」ブシュウウウウウウ
スティクス神父「チッ・・・だが目は潰せたか!」チャッ!
屍生人「ウオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ダンッ!!!
スティクス神父「」バッ!
スティクス神父「フッ・・・」ガシィイイッ
スティクス神父「タンスくらえッ!!!」グイッ!
屍生人「!」
グラァァアアアアア…
バダァァァァァァアアアアアアアン!!!
屍生人「U・・・URRRRRRRRRRRRRRRYYYYYYY・・・!!」ギギギギ
スティクス神父「このまま・・・」ダッ
子ども「」バッ!
スティクス神父「!?」
子ども「お・・・おじさん誰!?」
スティクス神父「え・・・ッ」
子ども「知らない人がこの家にィィイーーーーーーーーーーーーッ!!」
スティクス神父「ぼ、坊や!君はこの家に住んでいるのかッ!?」
爺「何じゃ何じゃどうしたんじゃッ!!」バッ
スティクス神父「ううッ」
爺「だ、誰だ君はッ!?泥棒・・・」
スティクス神父「違いますッ!私は――」
爺「か、母さんはどこだッ!?」
子ども「ママーーーーーーーーーーーッ!!!」
スティクス神父「く・・・2人とも!ここにいるのは危険・・・」
ドガァアアアッ!!!
スティクス神父「!!!」バッ
バラバラ バラバラバラ…
屍生人「・・・」シュウウウウウウウウ…
屍生人「URRRRRRRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!」
屍生人「」ズン!
ズン ズン ズン ズン
スティクス神父「・・・!!!」ズン ズン ズン ズン
スティクス神父「貴方達も早く・・・ッ」バッ
スティクス神父「ッ!?」
子ども「KUUWAAAAAAAAAAAAAAAA・・・!!」ビキビキ ビシシッ バギ
爺「USHHHAAAAAAAAAAAAAAA!!!」ゴキゴキッ ミシミシミシ ピキピキ
スティクス神父「こ・・・」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父「これは・・・ッ!!!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
屍生人2「URRRYYYYYYYYYYYYYYYY!!!」バァアーーーーーーーン
屍生人3「KUOOOOOOOOOOOHHHHHHHHAAAAAAAAAAAAA」ドジャァアーーーーーン
屍生人「WOOOOOOOOOOOOOO」ズン ズン
スティクス神父「ま・・・まずいィイッ!!」
屍生人「」ブンッ!!
スティクス神父「ぐおああッ!!」ズバッ!!
スティクス神父「チイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!」ドクドクドクドク
屍生人3「あったけェ~~血ィィイ~~~ッ!!!!」ダッ!!
スティクス神父「ううぐおおおッ!!!」バッ!!
十字架「」ギャン!!
屍生人3「ああ~~ッ?十字架ァァアア~~~~ッ!?」グオオオオオオオ
屍生人3「馬鹿がァアッ!十字架なんぞォォオオオオオオオオオオオ何の役にも立たねえのによォォオオオオオ」グオオオオオオオ!!
スティクス神父「それはどーかな」
屍生人3「何ィィイイイイイイ?」
十字架「」スアアアアアアア
スティクス神父「気づいたことがあるぜッ!その腐り水のよーな臭いッ!てめーらの体は生きながらにして腐ってやがんだッ」
スティクス神父「だったらァアアアッ!!!」
十字架「」ザクウウッ
ズバァァアーーーーーーーーーーーーーッ
屍生人3「おお・・・腕がァアッ!!」
スティクス神父「そしてェッ!!」グンッ!!
ドズウウウッ
屍生人3「・・・」ブシュッ ブジュブジュ
屍生人3「・・・デェケケケケーーーーーーーッ!!腕を裂かれてよろめいたところで脇腹に十字架を刺したァア?無駄だ無駄ァァアアアッ」
スティクス神父「腐っているということは・・・」
屍生人3「・・・あん?」
スティクス神父「体内に腐敗ガスが少しでもある!ってことだよなァアァ~~~」
屍生人3「・・・?」
スティクス神父「つまりッ!!!」グッ!
十字架「」ミチ…
十字架「」ビッ!
屍生人3「UOOOOOOOOOOOOOOOOOO!?」ズバァアアアアアアッ!!!
ガッバァアアーーーーーーーーーーーーッ
屍生人3「ギイイイイ・・・ガシャァァアア・・・!!!」ブシュウウウウウウウ…
スティクス神父「」ガシィイッ!
スティクス神父「3人まとめてあの世に送ってやるぜェエーーーーーーーッ!!!」ブンッ!!
屍生人3「!」
屍生人3(ラ・・・)
屍生人3(ランプゥゥゥウウッ!!!)
ランプ「」ドガッ!
ランプ「」バリン!!
屍生人3「うああッ」
ランプ「」ガシャァァアア パリパリ
屍生人3「イ・・・ッ」
ボッ!!
屍生人3「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」ドグァアアアアッ!!!!
家「」バグォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン
スティクス神父「うぐおおッあ」ドギュオ
バギィイーーーーン
スティクス神父「うッが」ドガッ!!
スティクス神父「」ダンッ ガイン ドゴンッ
ズガガガガガガガガガガガガガガガ…
スティクス神父「ぁ・・・」ピク ピク
スティクス神父「う・・・おお・・・」ググググ
スティクス神父「」フラフラ ガクガクガク
スティクス神父「う・・・く・・・」グググググ
メラメラメラ パキパキ パチパチ ボウボウ
スティクス神父「くううう・・・」ガクガクガク
家「」メラメラメラ ボウボウ
スティクス神父「フ・・・」
スティクス神父「フウウーーーーーーーッ・・・」ドサアッ
スティクス神父「ああー・・・疲れた・・・」
スティクス神父「あの屍生人は全部・・・爆発で・・・吹き飛んだのか・・・?」
スティクス神父「ああ・・・ま・・・まぶた・・・が・・・」
スティクス神父「さ・・・がっ・・・・・・て・・・」
スティクス神父「き・・・・・・・・・」グラッ
ゴトッ
スティクス神父「」ピク…
スティクス神父「」ガバァアッ!!
スティクス神父「・・・!?」
スティクス神父(ここは・・・ベッド!?)
スティクス神父(何が起こった!?俺は・・・)ペタペタ
同僚「」ガララ
スティクス神父「!!」
同僚「お!目が覚めたのか!!」
スティクス神父「お前・・・」
スティクス神父「」キョロキョロ
スティクス神父「ここは・・・?」
同僚「病院。あんまり戻ってこないからかなり捜索したんだぜ?ウィンド・ナイツ・ロットでお前を発見した」
スティクス神父「そうか・・・」
同僚「森の中に剣が捨ててあったらしいな。よくそんなので闘えたな」
スティクス神父「邪魔だったから捨てただけだ。それに・・・屍生人も4匹しか倒せちゃあいない」
同僚「え・・・ッ?」
スティクス神父「?」
同僚「ウィンド・ナイツ・ロットでは70人以上が行方不明になっている・・・それは屍生人になったから、と俺たちは考えている」
同僚「お前がやったんじゃあないなら・・・誰が70匹以上の屍生人共と、始祖である吸血鬼を倒したんだ?」
スティクス神父「・・・」
同僚「・・・もしかすると倒せていないのかも知れないな」
スティクス神父「・・・!」
同僚「それよりスティクス。実は――」
司祭「起きたかスティクス神父」ガララ
スティクス神父「あ、はい!」
司祭「火傷も治ってきている・・・あまり骨折はしていないようだね」
スティクス神父「ハハ・・・」
司祭「で・・・スティクス神父」
スティクス神父「はい」
同僚「・・・」
司祭「実はね――」
数日後・・・
ボーーーッ ボーーーッ
船「」ボーーーッ ボーーーッ
スティクス神父「・・・」ボーーーッ ボーーーッ
司祭「スティクス神父。メキシコでの宣教活動、期待しとるよ」
スティクス神父「・・・微力を尽くします」
スティクス神父「」クル
スティクス神父「・・・」カツ カツ カツ カツ
スティクス神父(メキシコに異動・・・くうッ!屍生人と戦ったというのに・・・!!!)
カツ カツ カツ カツ
スティクス神父「酒ッ!飲まずにはいられないッ!!」ガパ
グビグビグビグビ
ブハーーーッ
スティクス神父「イエスッ!イエスッ!!」
スティクス神父「かァァーーーーッ!!やってらんねーぜッ!!」ゴトッ
十字架「」チリ…
スティクス神父「」ハッ
十字架「」ポロッ
ヒュウウウウウウウウ…
カツーーン
スティクス神父「あー・・・下まで落ちちまった」
ヒョイ
スティクス神父「下は機関室か・・・」
スティクス神父「あーあ。ダーティなところに落としちまったぜェェ・・・」
スティクス神父「売っちゃってもいいが・・・大事な商売道具だしなァア」ギリギリ
スティクス神父「チッ」
スック
ゴクゴクゴクッ
スティクス神父「神よ・・・あんたは本当に俺をくせーところにやるのがお好きなよーだ」ザッ
スタ スタ スタ
スティクス神父「っと」スタッ
スティクス神父「フー・・・」ス
十字架「」ヒョイッ
スティクス神父「・・・」ゴソゴソ ストン
スティクス神父「・・・おや」
スティクス神父「何だ・・・荷物の・・・錠が開いているぞ」ク…
スティクス神父「それに奇妙だ。フタの隙間から見える留め金が光って見えるぞ・・・」
スティクス神父「つ・・・つまりこの箱!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父「内側からカギがかかっているッ!!!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
スティクス神父(この箱の中身は・・・まさかァッ!!!)┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
宝石「」バチンッ
スティクス神父「ッ!!」ドギャァアアアッ!!!
スティクス神父「ぐあばああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」ブシュウウウウウウウウウウウウウウ!!!」
ドガァアアアアアアアアン!!!
シュウウウウウウウウウウウウウ…
スティクス神父「――――!――!」コヒュー… コヒュー…
スティクス神父(やべ・・・・・・・)ドクドクドクドク
スティクス神父(もう・・・駄目だあ・・・)ドクドクドクドク パラパラ
ワンチェン「」シバッ
スティクス神父「!」
スティクス神父(あれは・・・あの時・・・の・・・)
ワンチェン「」ガチャッ
バンッ!!!
スティクス神父(箱の・・・中身・・・は)
ジョナサン「待てェェッ!!!」バァン!!
スティクス神父「!!!」
スティクス神父(だ・・・駄目だ!一般人が・・・手を出すんじゃあ・・・)グググ
スティクス神父(クソが・・・体に力が入らねえ・・・穴の開いた容器に水を入れてるみてーだ・・・)
ジョナサン「お前は・・・ッ!!」
スティクス神父「」ハッ
スティクス神父(まさか・・・屍生人のことを知っているのか!?)
スティクス神父(と・・・いうことはッ!!いうことはァアッ!!!)
屍 生 人 を す べ て 倒 し た の は こ の 男 か ッ ! !
スティクス神父(そうか・・・なら・・・)
スティクス神父(後は・・・)
スティクス神父(まか・・・・・・せ・・・・・・・・・)
…ガクッ
スティクス神父・・・人知れず屍生人と闘い、数十年の人生に人知れず幕を下ろす――
完
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