ケロロ「巨人の惑星を侵略であります!」(229)
850
エレン「アルミン、まだ起きてるのか」
アルミン「あ、ごめんエレン。もうじき寝るよ」
エレン「そんなところで何してんだ」
アルミン「星を見てたんだ」
エレン「星?」
アルミン「あの星の向こうには何があるんだろうって…そんなことを考えてたんだ」
エレン「…ほどほどにしとけよ。明日は固定砲の演習があるんだからな」
アルミン「うん…そうだね。じゃあお休み」
エレン「あぁ」
アルミン「…」
アルミン(…エレン、最近壁の外の話をしなくなったな…)
アルミン(…)
アルミン(…僕も寝よう…)
20XX 地球
冬樹「うーん…」カチカチ
ケロロ「冬樹殿ー!ちょっとお願いがあるんだけどー!」ピョコピョコッ
冬樹「うんー何ー?」カチカチ
ケロロ「あのねー!今週末、新しいガンプラが発売されるんだけど一緒に買いに行ってくれないー?」
冬樹「うんー」カチカチ
ケロロ「しかもしかも!限定生産の超レア物!これを逃したら次は無いであります!」
冬樹「うんー」カチカチ
ケロロ「ペコポン人スーツは今メンテ中だし、お願いであります!」
冬樹「うんー」カチカチ
ケロロ「ゲロ…」
ケロロ「もうっ!冬樹殿さっきからパソコンばっかりいじって吾輩の話聞いてるでありますか!?」ピョイーン
冬樹「わぁ!軍曹?何?」
ケロロ「ゲロ…やっぱり聞いてなかったでありますな…さっきから何を熱心に見てるでありますかー?」
冬樹「うん。巨人伝説について調べてたんだ」
ケロロ「巨人?」
冬樹「アフリカやメキシコなんかで昔から目撃情報はあるんだけど、実際にいたという明確な証拠はないんだ」
ケロロ「大方ちょっと大きい人か動を見間違えただけでありましょー?よくある話であります」
冬樹「うん…他にも巨人の骨や写真なんかはほとんど捏造されたもので信憑性はないんだ」
ケロロ「ちょっと大きいだけでUMA扱いされるなんて気の毒でありますなー」
冬樹「あはは…でももしいたら会ってみたいなぁ」
ケロロ「そうでありますか?凶暴な性格だったら恐ろしいだけであります」
冬樹「でも友好的な性格の巨人もいるかもしれないよ」
ケロロ「巨人なんて日向家の夏美巨人だけで十分でありますよー」
冬樹「ちょ…軍曹…」
ケロロ「夏美の巨人のおかげで吾輩は毎日毎日労働の日々…まるで家畜であります」ヤレヤレ
冬樹「軍曹…後ろ…」
ケロロ「えー?何ー?」クルッ
夏美「…だーれが巨人ですって?」ガシッ
ケロロ「ゲロォ!?」
夏美「あんた、今日掃除当番でしょ?こんなところでサボってないでさっさとやりなさい!」ギリギリギリギリ
ゲロォー!!
冬樹「はは…」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
地下基地
ケロロ「ゲロ…全くひどい目にあったであります…」ピョコピョコ
ケロロ「さぁーて、気を取り直して今日も侵略作戦でも考えるでありますかなぁ」
扉<プシューン
ケロロ「皆ーおまたせー…ってあれ?」ガラーン
ケロロ「なんだよー誰も来てないジャン。今日は侵略会議って言ってあったのにぃ」
モア「あの…おじさま…」
ケロロ「あ!モア殿ー!悪いんだけどさぁ、小隊の皆に召集かけてくれない?忘れてるらしくってさぁー」
モア「あのー…それがおじさま…みなさん、今日は欠席するそうで…」
ケロロ「えぇ!?なんでぇ!?」
モア「こちらにメッセージが…」
ケロロ「どれどれー」
ギロロ:最近のお前の弛みっぷりには反吐が出る。しばらく反省しろ。
タママ:ぶっちゃけ変な作戦ばっかりで着いていけないのでしばらくお休みするですぅ。
ドロロ:ケロロ君。またこの間の作戦で僕を仲間外れにしたね…
クルル:横須賀に行ってきます。
ケロロ「キィァァ…」
モア「それとー…本部からペコポン侵略の催促メールが大量に…てゆーか四面楚歌?」
ケロロ「ひぃぃ!」
モア「侵略の進行、もしくはなにかしらケロン軍への得点稼ぎをしないとケロロ小隊はペコポン侵略権限を剥奪!他の小隊に引き継ぎされてしまうようです」
モア「…てゆーか最終通告?」
ケロロ「わぁぁぁ!どうしようー!小隊メンバーはいないしー!侵略は進まないしー!吾輩一体どうすればー!」オロオロオロ
モア「おじさま…」
ケロロ「ゲロォォォ!吾輩、もうおしまいでありま…」ハッ
ナレーター「その時!軍曹の灰色の脳みそに一つのひらめきが!」
ケロロ「ゲーロゲロゲロリ…吾輩、思いついたであります…」
モア「本当ですか!?おじさま!」
ケロロ「そうだ…ペコポン侵略が進まないなら、先に他の惑星を侵略してしまえばいいのであります!」
ナレーター「また突拍子のないことを言い出しましたね」
ケロロ「吾輩一人で一つの星を侵略することでケロン軍へのアピールはバッチリ!さらに隊長としての威厳も回復!完璧であります!」
ナレーター「いや、どうでしょう」
ケロロ「モア殿!早速手頃な惑星をサーチするであります!」
モア「はい!おじさま!」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
モア「おじさま、ここなんていかがでしょう」
ケロロ「ふんふん…少し原始的だけど、この辺りが手頃でありますかな」
モア「それじゃあ、決定ですね」
冬樹「軍曹ー、姉ちゃんが…ってわぁ!何それ!?」
ケロロ「あ、冬樹殿!これはー…そのー…」ワタワタ
冬樹「どっかの惑星?わぁ!すごいなぁー!それにその荷物!もしかして…!」
ケロロ「え、えーっと…そう!ちょっと最近疲れ気味だし、旅行でも行ってリフレッシュしようかなーって思ったんであります!」
冬樹「わぁ!いいなぁー!」キラキラ
ケロロ「…そうだ!冬樹殿もよかったらどうでありますか?」
冬樹「え!?いいの!?」
ケロロ「もちろんであります!」
冬樹「やったぁ!ありがとう!軍曹」
ケロロ(ゲロゲロリ…侵略する惑星はデータによるとペコポン人そっくりの種族が暮らしているようであります…)
ケロロ(冬樹殿を連れて行くことで警戒心を解くことができるっていう寸法であります!)
ナレーター「いやぁ、相変わらずせこいですねぇ」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
ケロロ「それじゃあモア殿!行ってくるであります!」
モア「はい!いってらっしゃい、おじさま!」
冬樹「姉ちゃんたちには内緒にね!」
モア「はい!てゆーか合点承知?」
ケロロ「それじゃあ…ケロロ、いっきまーす!」
ゴォォォォ
モア「おじさまー!フッキーさーん!気を付けてくださいねー!」
ケロロ「まずは無事大気圏突破であります」
冬樹「わぁぁ、すごいや軍曹!宇宙に出たよ!」
ケロロ「あとは自動操縦に切りかえってっと…さぁ後は到着を待つだけであります」
冬樹「なんだかイースター島に行った時のことを思い出すね」
ケロロ「ゲロ…あれは散々だったであります」
冬樹「あはは…でもあれはあれで楽しかったよ」
ケロロ「そうでありますな。ま、今回はそんなトラブルとは無縁の穏やかな旅であります」
ケロロ(さくっと侵略して帰ってくるだけでありますからな…ゲロリ)
冬樹「どれくらいで着くの?」
ケロロ「まぁ次元ワープなんかを使って3時間ぐらいでありますかな。それまでのんびり宇宙の旅を楽しむであります」
冬樹「あれ?軍曹?向こうで光ってるのは何?」
ケロロ「あぁー宇宙嵐の一種でありますよ。次元ワープの切れ端がどこか遠い星の景色を映し出してるんであります」
冬樹「それじゃあの中に入ればそこへ行けるの?」
ケロロ「正直おすすめはしないでありますな…時空が歪んだものだからどこにワープするのか分からないのであります」
冬樹「へぇー…それにしてもここ、変な物がたくさん浮いてるね…」
ケロロ「不法投棄でありますよ。最近はマナーが悪くて問題になってるであります。しかも時空を超えて飛んでくる物もあるから厄介であります」
冬樹「そっか…宇宙でもゴミ問題はあるんだね…」
ケロロ「最近ではケロン製の兵器も不法投棄されているらしいでありますからなー…ケロン人として他人事じゃないであります」
ドン
ケロロ「ゲロッ!?」
冬樹「わわ!?な、何?」
ケロロ「ゲロ…どうやらゴミの一つがかすったみたいであります。でも大したことはなさそうでありますな」カチカチ
冬樹「よかったぁ」
ケロロ「さぁて、それじゃあ着くまでに持ってきたガンプラでも組み立てるでありますかなぁー!」
冬樹(持ってきたんだ…)
ケロロ「ケロッケロッケロッ♪ふふふふんふーん♪」パチンパチン
『×キルルシステム・作動開始』
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
冬樹「軍曹ーまだー?」
ケロロ「もうそろそろでありますよー。ここからまた手動に切り替えっと…」
冬樹「どの星?」ワクワク
ケロロ「あそこに見えてる次元ワープを使えばすぐであります!」
冬樹「楽しみだなぁー」
ケロロ「それじゃGO!…ってあれぇ?」カチカチ
冬樹「どうしたの軍曹?」
ケロロ「ゲ、ゲロ!?操縦が効かない!?」カチカチカチ
冬樹「えぇ!?」
ケロロ「な、なにかに引っ張られてるみたいであります!」
冬樹「ど、どうすんの!?軍曹!?」
ケロロ「どうしようもないでありまーす!!」カチカチカチカチ
ガタガタガタガタ
ケロロ「ゲロォ!!」
冬樹「軍曹!」
ケロロ「だ、大丈夫であります!このままワープにつっこめば…!」
冬樹「う、うん!」
ケロロ「冬樹殿!しっかりつかまるであります!」
ピカッ バチバチバチ
ケロロ「ゲロォォォォォ!?」
冬樹「軍曹!!」
冬樹(!?周りの景色が歪んで…?)
グニャァァァ
ケロロ「ゲ、ゲロ…無事ワープ完了であります…」
冬樹(さっきのは一体…?)
ケロロ「冬樹殿、大丈夫でありますか?」
冬樹「あ、うん…」
ケロロ「なんとかなったみたいでありますな…さぁ、あれが目的地であります」
冬樹「わぁ!なんだか地球にそっくりだね」
ケロロ「そのようでありますな。さぁ!いよいよ着陸であります!」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
冬樹「わぁ、ちゃんと空気もあるし、気候も地球と似てるね」
ケロロ「文明は未発達のようでありますが、なかなか恵まれた自然環境であります」
冬樹「ここにはどんな宇宙人が暮らしてるんだろう…」
ケロロ「ケロケロリ。冬樹殿、ここの住民方からしたら冬樹殿の方が宇宙人でありますよ」
冬樹「あはは、そうだね」
ケロロ(さて…ここらで住民の様子を探らなくては…)
ケロロ「さ!冬樹殿!これを!」つ★バッジ
冬樹「あ!ありがとう!軍曹!」
バッジ:スイッチを入れると翻訳機能が使える
ケロロ「さぁ!出発であります!ちょっと狭いけどフライングボードで移動であります」
冬樹「空から探索するんだね!」
ケロロ「そうであります。じゃあ、しっかりつかまってるでありますよー」
冬樹「うん!」
ピュロロロロロロ
冬樹「風が気持ちいいやー」
ケロロ「ほとんど人の手は入っていないし、文明らしい文明はなさそうでありますな…」
冬樹「本当だねー…うん?ねぇ軍曹、あれ」
ケロロ「ゲロ?なんでありますか?」
冬樹「ほら、あの遠くに城壁みたいのが見えない?」
ケロロ「本当でありますな…数十メートルはありそうであります」
冬樹「行ってみようよ」
ケロロ「了解であります!」ピュロロロロ
ケロロ「あ!第一村人発見!」
冬樹「え!?どこどこ!?」
ケロロ「あの樹の陰であります!」
冬樹「わ!わ!裸じゃないか!」
ケロロ「見た目はペコポン人そっくりだけどそういった文化はないんでありましょうな…そうだ!あの壁のことを聞いてみるであります!」
冬樹「え?大丈夫かなぁ…」
ケロロ「翻訳機能があるから大丈夫でありますよー」フュロロロロ
ケロロ「じゃ、冬樹殿、よろしく頼んだであります」
冬樹「え?僕が聞くの?」
ケロロ「姿が似てる冬樹殿が聞くのが一番でありますよ」
冬樹「うーん…そうかなぁ…」
ケロロ「心配しなくても、アンチバリアで近くにいるから安心するであります」
冬樹「それなら…あのー!すいませんー!そこの方ー!お聞きしたいことがあるんですけどー!」
アンチバリア:相手から姿を見えなくする。見える/見えない相手の選択もできる
ケロロ「お!来た来た!」
冬樹「あ!突然すいませーん!僕、ちょっと遠いところから来たんですけど、あの壁って一体なんなんですか?」
2m級「…」ノソノソ
ケロロ「…返事がないでありますな…?」
冬樹「あれ?翻訳できてるよね?」
ケロロ「正常に作動してるであります」
2m級「…」ジリジリ
冬樹「…どんどん近づいてくるけど…」
ケロロ「き、きっと無口な人なんでありますよー」ジリジリ
冬樹「そ、そうだよねー」ジリジリ
2m級「…」
ケロロ「と、ところで冬樹殿ー…この人、ちょっとでっかくね…?」
冬樹「う、うん…」
2m級「…」
ケロロ「…」
冬樹「…」
2m級「!」バッ
ケロロ「キィャア!」
冬樹「うわぁ!」
ドドドドドド
ケロロ「ひぃぃぃ!なんで追いかけてくるでありますかぁぁ!?」
冬樹「と、とにかくフライングボードのところまで走るんだ!」
ケロロ「うぉぉぉぉ!到着!冬樹殿早く!」
冬樹「うん!」バッ
2m級「!」バッ
ケロロ「やらせはせん!やらせはせんぞぉぉぉぉ!」ピュロロロロ
2m級「!」ガチン
冬樹「あ、危なかったぁ…!あと少しで噛み千切られる所だった…」
ケロロ「撤退!撤退でありまーす!」ピュロロロロ
ケロロ「あー…死ぬかと思ったぁ…」
冬樹「言葉が通じないなんて…もしかして知力を持たない種族なのかな…」
ケロロ「まったく野蛮でありますなぁ…それにしても…」
冬樹「よくみるとあちらこちらにいるみたいだね…」
ケロロ「ゲロッ!?あそこの人は樹よりも大きいであります」
冬樹「わ!本当だ!ここって巨人の惑星なのかな…」
ケロロ「友好的な巨人はいそうでありますかー?」
冬樹「あはは…正直よく分かんないよ…」
ケロロ「ゲロ…どうやら侵略方法を練り直す必要がありそうであります…」
冬樹「え?侵略?」
ケロロ「あ!こっちの話ー!」ワタワタ
冬樹「…そう考えるとこの壁はますます妙だ…」
ケロロ「といいますと?」
冬樹「あの巨人達にこんな城壁を築く知力があるとは思えないし…」
ケロロ「確かに…しっかし、いやぁー…近くで見ると壮大でありますなぁ…」
冬樹「もう少し上まで昇れない?」
ケロロ「了解であります!…ってゲロォ!?」
冬樹「か、壁の中に街がある!?」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
コニー「全く訓練兵に固定砲の整備なんて押し付けんなって感じだよなー」
アルミン「しょうがないよ。これも大事な訓練の内なんだから」
コニー「どうせだったら思いっきりぶっ放したいよなぁ…せっかくこの間教わったんだしさ」
エレン「コニー、くだらないこと言ってないで手を動かせよ。これだって巨人を殺す道具の一つなんだからよ」
コニー「はいはい」
…ゲロォ!
エレン「…ん?」
コニー「どうした?エレン」
エレン「いや…なんか今変な声聞こえなかったか?」
コニー「いや?オレにはなにも…」
アルミン「僕も聞こえたよ。なんかカエルの鳴き声みたいな…」
コニー「うぅーん…?そんなことより小便行ってきていいか?さっきからヤバいんだ」
エレン「さっさと行って来いよ。教官に見つかんなよ」
コニー「おう!」タタッ
エレン「なんだったんだろうな」
アルミン「この辺りでカエルなんて珍しいよね」
エレン「だよな…うん?」
アルミン「うん?なに?」
エレン「おい…アルミン…あそこ、変なもの見えないか?」
アルミン「…!」
ケロロ「ゲロォォォ!こんな時に不具合!?」ブゥゥゥゥン↑
冬樹「軍曹!タイミングが悪すぎるよ!」ビュゥゥゥン↓
ケロロ「申し訳ないでありまーす!」ブゥゥゥゥン↑
冬樹「急降下と急上昇繰り返してるから気持ち悪いよぉ!」ビュゥゥゥン↓
ケロロ「しかもさっきの巨人さんたちが追いかけて来てるしぃ!」ブゥゥゥゥン↑
冬樹「なんとかしてよ!軍曹!」ビュゥゥゥン↓
ケロロ「そんなこと吾輩に言われたってぇ!!」ブゥゥゥゥン↑
冬樹「!!こ、このままだと巨人の群れに突っ込む…!!」ブゥゥゥン
ケロロ「ゲロォォォ!もうおしまいでありまーす!」
ドンドンドン
ケロロ「ゲロォォォ!?大砲!?」ピョーン
冬樹「軍曹!?ってうわぁぁぁ!?」ブゥゥゥゥゥ
ドサッ
冬樹「痛っ!」
エレン「カブウョジイダ!?」
冬樹「えっ?えっ?何を言ってるのか…あ!翻訳機!!」ポチッ
エレン「おい!?大丈夫か!?」
アルミン「君は一体何者なんだ!?空を飛んでたじゃないか!?」
冬樹「え!?(なんで?アンチバリアを使ってたはずなのに…)」
エレン「名前はなんだ?」
冬樹「あ…僕の名前は日向冬樹です…(この子たちは普通の人間みたいだ…)」
アルミン「フユキ?珍しい名前だね…」
冬樹「あの…二人が助けてくれたんだよね…?ありがとう」
エレン「そりゃ巨人に追いかけられてたらな…」
冬樹「でも本当に助かった…そうだ!軍曹は!?」
アルミン「軍曹?」
ケロロ「ふ、冬樹殿の下であります…」
冬樹「わ!?ごめん!軍曹!」
エレン「!?なんだこいつ!?」
アルミン「デカいカエル!?」
ケロロ「ゲロ!?吾輩の姿が見えるでありますか!?」
冬樹「なぜだかこの子たちにはアンチバリアが効かないみたいなんだよ」
ケロロ「故障はしてないはずでありますが…」
エレン「おい、お前ら!そろそろ何者か言えよ!変な服に変なカエル!怪しいぞ!」
ケロロ「カエル!?カエルとは失敬な!吾輩はガマ星雲第58番惑星宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊隊長ケロロ軍曹であります!」
アルミン「ケロロ軍曹?」
冬樹「信じてもらえないだろうけど…僕ら、遠い星からやってきたんだ」
エレン「はぁ?星って…あの空にある星のことか?」
ケロロ「そうであります!遥か彼方、宇宙の向こうからやってきたんであります!」
アルミン「宇宙?」
エレン「さっぱり分からん…」
冬樹「空のさらに向こう側っていえばいいのかな…」
アルミン「うーん…にわかには信じられないけど…」
エレン「そもそもどうやってここまで…」
コニー「おい!なんか大きい音がしたけどなんかあったのか?」
冬樹「!!」
ケロロ「!!」
ケロロ(ゲ、ゲロまずぅ!)ボソボソ
冬樹(アンチバリアは効いてないみたいだし…!)ボソボソ
ケロロ(このままだと目撃者がどんどん増えてややこしいことにぃ!)ボソボソ
冬樹(僕はともかく軍曹は見つかったら完全アウトだよ!)ボソボソ
ケロロ(解剖はイヤァァァァ!!)ボソボソ
アルミン「あぁ、なんかこの子と…変な生き物が巨人に追いかけられてたから固定砲を撃ったんだ」
コニー「はぁ?」
エレン「なぁ、こいつら空の向こうから来たっていうんだけどどう思う?変なカッコだし…」
コニー「助けたって誰を?どこにいるんだ?」キョロキョロ
ケロロ(あり?)
冬樹(見えてない?)
エレン「すぐ目の前にいるだろ」
コニー「お前さぁ…いくらオレが馬鹿だからってからかうんじゃねーよ。なんだかんだでエレンも固定砲撃ってみたかったんだな」
アルミン「え?コニー?本当に見えないの?」
コニー「アルミンまでそんなこと言うのかよ?…まぁ固定砲撃ったことは内緒にしといてやるからさ、今日のパンくれよな」
エレン「お、おい!ふざけんなコニー!何を…」
ケロロ(お願い!内緒にしてぇ!)ピョイーン
エレン「うぉっ!?肩に乗るなよ気持ち悪い…」
冬樹(どうやら君たち以外には僕らの姿は見えないみたいだ)ボソボソ
アルミン「え?どういうこと?」
冬樹(詳しいことは後で話すから…とりあえずここは誤魔化してくれないかな…?)ボソボソ
エレン「は?なんだってそんなことを…」
冬樹(お願い!この通り!)ボソボソ
エレン「は、はぁ…?」
アルミン「本当に困ってるみたいだし…とりあえず言う通りにする?」
エレン「アルミンがそう言うなら…」
コニー「二人とも誰としゃべってんだ?」
アルミン「な、なんでもないよ!さ、そろそろ演習時間も終わりだし片付けしようか!」
エレン「はぁ…変なカエルのせいで貴重な夕飯が…」
ケロロ(カエルじゃないっつってんでしょうがっ)
冬樹(まぁまぁ…)
コニー「…ん?」チャキ
エレン「どうしたコニー?ナイフなんか出して」
コニー「…そこかっ!」ヒュッ
ケロロ「ひぃ!」サクッ
冬樹(軍曹!?)
ケロロ(ナイフゥゥゥ!ナイフが我輩の顔をかすったであります!)ガタガタガタガタ
コニー「…あれ、なんか獲物がいた気がするんだけどな…?」
エレン「ば、馬鹿だなコニー!こんなところに動物なんている訳ないだろ?」
コニー「そうだよな?うーん…じゃあやっぱり気のせいか…?」ジー
ケロロ(『狩る者』の目をしているッッ!)ヒィィィィ
アルミン「さ、さぁ!片付け片付け!」
コニー「おう…?」
エレン(狩猟民族の勘ってスゲーな…)
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
倉庫裏・説明中
冬樹「…という訳なんだ」
アルミン「正直どこまで信じていいのやら…」
エレン「子供の作り話より突拍子もないぞ…」
冬樹「うん…信じてもらうのは難しいと思うけど…」
アルミン「でもさっきの空飛ぶ円盤といい…見たことない技術を持ってるのは確かみたいだし…」
エレン「下手したら憲兵に連れていかれて尋問されるかもな」
ケロロ「尋問!?」
エレン「まぁフユキはともかく…そっちのカエルは確実に解剖だろ」
ケロロ「解剖!?」
アルミン「調査兵団の実験体にされるかも」
ケロロ「実験体!?」
冬樹「ちょ、ちょっと止めてよ!軍曹は僕の大事な友達なんだ!」
ケロロ「冬樹殿ぉ!」
アルミン「そうは言っても正体がハッキリしないし、君達を信頼して助けることはできないよ」
エレン「オレ達が危険をおかしてまでよく分からないお前らを庇う理由もないし…」
ケロロ「ゲ、ゲロ…その通りであります…」
エレン「…」
アルミン「…でも」
ケロロ「ゲロ?」
アルミン「正直、かなり興味があるんだ!フユキと軍曹の話に!」
冬樹「えぇ!?」
アルミン「今まで星に他の生物がいるなんて考えたこともなかった!もっともっと話が聞きたい!」
ケロロ「ゲ、ゲロォ?」
エレン「こういう奴なんだ。しょうがないな…黙っててやるよ」
冬樹「本当に!?」
ケロロ「か、感謝感激であります!!」
アルミン「そのかわり、もっといろんなことを教えてよ!」
冬樹「僕の話でよかったらよろこんで!」
ケロロ「助かるなら安いもんであります!」
冬樹「そういえばまだ名前聞いてなかったね」
アルミン「うん。僕の名前はアルミン・アルレルト。よろしくね」
エレン「オレはエレン・イェーガー。アルミンの幼馴染みだ。よろしく」
ケロロ「アルミン殿にエレン殿でありますな!こちらこそお世話になるであります!」
エレン「ところでこれからどうするんだ?このまま隠し続けるのにも限界があるぞ…」
アルミン「フユキの服はなんとかなるとしても…軍曹がなぁ…」
冬樹「しばらくは僕のリュックに入っててもらうしかないかなぁ…」
ケロロ「ゲーロゲロゲロリ!心配無用であります!」
冬樹「え?」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
エレン「…」
アルミン「…」
冬樹「えーと…軍曹…」
ケロロ「いやぁー!予備のペコポン人スーツがあることすっかり忘れててさぁー!転送できてよかったぁー!」
エレン「いや、無理だろこれ」
アルミン「体は人間だけど首から上がそのまんまじゃないか…」
エレン「ていうかアンバランスで気持ち悪い…」
冬樹「ま、まぁ…いつもこれでなんとかなってるから…」
エレン「こんなんで誤魔化せるフユキの星ってすごいな…」
冬樹「うん…僕もそう思う…」
アルミン「あ…フユキ…僕の服持ってきたから着替えなよ…」
冬樹「あ、どうも…」ゴソゴソ
冬樹「それで軍曹、これからどうする?」
ケロロ「う~ん…フライングボードが直れば宇宙船まで戻れるでありますが…」チラ
フライングボード「」ボロ
エレン「悪かったよ…あの距離だとどうしても巻き込んじまって…」
冬樹「ううん。エレン君は悪くないよ」
ケロロ「なんてったって二人は命の恩人でありますからな!…でも修理に数日は必要そうであります…」
アルミン「僕らの所に…って言いたいところだけど兵舎だからなぁ…」
ケロロ「兵舎?エレン殿とアルミン殿も軍人でありますか?」
エレン「といってもまだ訓練兵だけどな。そろそろ卒団だけど」
ケロロ「エレン殿もどこか侵略するんでありますか?」
アルミン「あはは、違うよ。巨人からこの壁の中を守るために兵団が組織されてるんだよ」
ケロロ「ゲロ…」
ケロロ(こんな未開の惑星に軍事組織があろうとは…想定外であります…)
ケロロ(文明の発達から見て大したことはなさそうでありますが…敵の軍事力を探るのは侵略の基本であります)
ケロロ(ここはなんとか潜り込んで情報を探る必要がありそうでありますな…ゲロリ)
冬樹「どうしたの?軍曹?」
ケロロ「ゲ~ロゲロゲロリ!なんでもないでありますよ~!それよりエレン殿達がいる訓練所を見学してみたいであります!」
アルミン「見学?そんなに面白いものではないと思うけど…」
エレン「それに部外者が入るのはいろいろ面倒だぞ」
ケロロ「我輩、考えたでありますがーやっぱりエレン殿達の近くに匿ってもらった方がいいと思うんであります!」
冬樹「だ、駄目だよ軍曹!二人の迷惑になっちゃう!」
アルミン「う~ん…でも下手に他の人に知られると大変だし…事情を知ってる僕らが近くにいた方がいいのかも…」
ケロロ「さっすがアルミン殿!話が分かる~!」
冬樹「でも…」
エレン「いいんじゃないか?数日ならなんとか…」
ケロロ「ヤフ~!じゃあ決まりでありますな!」
冬樹「もう…」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
訓練所
エレン「で、あいつらは大丈夫なのか?上手く忍び込めるのか?」
アルミン「軍曹は任せておけって言ってたけど…」
エレン「先に戻ってきちゃったけど…オレ達がフォローしなくていいのか?」
アルミン「うーん…」
マルコ「あ、いたいた。二人とも帰ってくるの遅かったね」
アルミン「マルコ。どうしたの?」
マルコ「教官が食堂に集まれだってさ。なんか連絡があるみたい」
エレン「訓練関係か?」
マルコ「よく分からないけど…新聞記者がどうとかって…」
アルミン「?」
食堂
ザワザワ
訓練兵「なにあれ…?マスク…?」
訓練兵「顔が緑だぜ…?」
訓練兵「気持ち悪い…」
キース「集まったか!これからこの訓練所を取材しにやってきた記者の方を紹介する!」
ケロロ「どうも~!ケロ山ケロ蔵と申しまぁ~す!」
冬樹「じょ…助手の日向冬樹です…」
ケロロ「皆さんの訓練の様子を取材してぇ~兵士ってこんなに素晴らしいんだぁ~ってことを広めたいと思いまぁ~す!よろしくお願いしまぁ~す!」
エレン「」
アルミン「」
キース「今日から数日間、お前達クズ共の生活に密着して記事にするそうだ!くれぐれも迷惑のないように!」
訓練兵「やっぱりキモい…」
訓練兵「緑…」
マルコ「な、なんか珍しい顔立ちの人だね…」
アルミン「あれを珍しいで片付けられるマルコが凄いと思うよ…」
アルミン(なんで教官はあんな怪しい二人組を通したんだ…)
ナレーター「まったくです!」
エレン(フユキがとてもいたたまれない表情をしている…)
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
キース「こちらが客室です。狭いところですが」
ケロロ「いえいえ~お構いなく~」
キース「何か取材でお困りのことがあったらなんでも聞いてください。では」
冬樹「ありがとうございます」
バタン
ケロロ「…」
冬樹「…」
ケロロ「ぷはぁ~!とりあえず潜入成功であります!」ドサ
冬樹「もうっ軍曹!あんな嘘ついて大丈夫なの!?」
ケロロ「ダイジョブダイジョブ~要はバレばきゃいいんでありますよ~」
冬樹「大丈夫かなぁ…」
ケロロ「適当に取材してるフリをして、その合間にフライングボードを直せばオッケーでありますよ」
冬樹「うん…」
ケロロ「もう部屋から出ないしスーツ脱いじゃおーっと」ヌギヌギ
コンコン
アルミン「フユキ、軍曹…いる?」
ケロロ「お!アルミン殿!」タタタッ
ガチャ
エレン「よっ、大丈夫だったか?」
ケロロ「おかげさまで怪しまれることなくここまで潜入できたであります!」
ナレーター「いや、怪しまれてましたけど」
アルミン「さっきは肝が冷えたよ…」
ケロロ「ゲロ…それはすまなんだであります」
冬樹「そういえばさっきキースさんに聞いたんだけど二人とも年上だったんだね。タメ口きいちゃってた…」
エレン「今更気にしねーよ。そのままでいいって」
アルミン「僕たちも年上の同期にはそのままで話してるしね」
冬樹「そうなんだ…ありがとう」
グギュルルルル…
ケロロ「ゲロ?」
アルミン「あ…ごめん…お腹空いちゃって…」
冬樹「あ…そういえばあの時坊主頭の人に…」
エレン「そうそう。馬鹿な癖にちゃっかり覚えてやがって…はぁ…腹減った…」
ケロロ「ゲロ…我輩達のせいで…」
アルミン「ううん!気にしないで!一日我慢すればいいだけだから」
エレン「まぁ…何かとパンを賭けたりで食わないこともあるし慣れたもんだよ」
冬樹「…そうだ!たしかリュックに!」ゴソゴソ
ケロロ「あ!そういえば!」
エレン「うん?なんだ?」
冬樹「はい!これよかったら食べて!」
ケロロ「お昼に食べ損ねたまま忘れていたでありますな~」
アルミン「なにこれ?」
冬樹「あ、この星にはないのかな?おにぎりっていうんだよ」
エレン「おにぎり?」
ケロロ「ほら!パクッと!」
アルミン「あ、ありがとう…?」
エレン「いただきます…」パクッ
エレン「!」
アルミン「!」
ケロロ「ゲロゲロリ!どうでありますか?」
エレン「なんだこれ!すげー美味い!」ガツガツ
アルミン「あ!中になにか入ってる!」
冬樹「それはシャケだね」
アルミン「シャケ?魚みたいだけど…ピンク色で見たことないな。それに塩気があって美味しい!」
エレン「軍曹!オレのはなんだ?なんかツブツブしてるけど」
ケロロ「たらこでありますな。あ!アルミン殿!海苔ははがさなくても食べれるであります!」
アルミン「ノリ?この黒い紙のこと?」
冬樹「海藻からできてるんだよ」
エレン「カイソウ?」
ケロロ「ゲロ?海苔といい、シャケといい、たらこといい…エレン殿とアルミン殿はどれも知らないでありますか?」
冬樹「どれも海から採れるものなんだよ」
アルミン「海!?」ガタッ
ケロロ「ゲロ?」
エレン「フユキ達、海を見たことがあるのか!?」
冬樹「あ、そうか…軍曹、ここは壁に囲まれてるから海に出れないんだ」
ケロロ「なるほど…そういうことでありましたか。海はいいでありますよ~二人にも我輩得意の泳ぎを見せてあげたいであります!」
エレン「塩だけじゃなくこんな美味いものまで採れるのか…海ってすごいんだな…」
アルミン「ね!ね!それじゃあ氷の大地に燃える水!砂の海とかも、もしかして知ってる!?」
冬樹「この星ではどうか分からないけど、僕らの星では似たようなものはあるよ」
アルミン「本当!?聞かせて!」
ケロロ「ちょっとちょっと~!我輩達のことばかりじゃなく、アルミン殿達の話も聞きたいであります!」
冬樹「あはは、じゃあゆっくり食べながら皆で話そうか」
ワイワイ
翌朝・食堂
アルミン「でね、そのときエレンが…」
エレン「おい!その話は言わない約束だったじゃないか!」
冬樹「あはははっ!エレン君って結構うっかりしてるんだね!」
エレン「ちげーよ!そもそもあれは…!」
ケロロ「ゲーロゲロゲロリ!エレン殿!もう何を言っても無駄であります!」
冬樹「あれ?でも軍曹だってこの間…」
ケロロ「ゲロォー!?冬樹殿ぉ!!」
ワイワイ
コニー「おい…あいつらあの変な二人組ともう打ち解けてるぞ…」
ライナー「あいつら、昨日も遅くまで客室に行ってたみたいだしな」
ジャン「変わり者同士気が合うんじゃねーの?」
ミカサ「エレン、アルミンおはよう」
アルミン「あ、おはよう」
ケロロ「ゲロォ?こちらさんは?」
エレン「ミカサ・アッカーマン。こいつもオレの幼馴染だ」
ケロロ「これはこれは…よろしくであります!ミカサ殿!」
ミカサ「…貴方たちはケロ蔵さんと…フユキさん?」
冬樹「冬樹でいいですよ。数日間お世話になります」
ミカサ「よろしく、フユキ」
エレン「あ、そろそろ時間だな。急いで食っていこうぜ」
ケロロ「了解であります!」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
ケロロ「これは一体なんの訓練でありますか?」
エレン「立体機動だ。これで宙を飛び回って巨人を倒すんだ」
冬樹「この装置でそんなことができるの?」
アルミン「まぁ見た方が早いよ。これから僕らは訓練で森の奥の方まで行かなきゃいけないからしばらくここで待っててね」
キース「準備はいいか!?前半グループ始め!」
ミカサ「…」ヒュッ
エレン(今日こそミカサに負けない!)ヒュッ
アルミン(わわ、やっぱり早いなぁ)ヒュ
ケロロ「ゲロ!?スゲー!かっけぇー!!」
冬樹「一瞬であんな遠くに!」
ケロロ「うぉー!男の子心をくすぐるでありますなぁー!」
ジャン(いい歳したおっさんがはしゃいでやがる…)
訓練後
ケロロ「いやー!見事だったであります!」
冬樹「ミカサさんってすごく運動神経いいんだね!びっくりしちゃった」
ミカサ「ありがとう」
アルミン「ミカサは一番成績がいいんだ。今日もトップの記録だったし」
ケロロ「ひぇ~…もしかしたらミカサ殿はあの夏美殿をも超える身体能力なのでは…」
ケロロ「ところでところでぇ…エレン殿~…お願いがあるんだけど…」
エレン「どうした軍曹?」
ケロロ「あのね~…我輩も立体機動なるものをやってみたいなぁ~…なんて…」チラッチラッ
アルミン「軍曹、いきなりは無理だよ」
ケロロ「ゲロッ!?」
ミカサ「立体機動はかなり危ない技術。ちゃんと訓練しないと命に関わる」
ケロロ「ゲ、ゲロ…」
エレン「まぁ…あれならやってもいいんじゃないか?」
アルミン「あぁ…まぁあれなら」
ケロロ「え!?なになに!?できるの!?」
エレン「よし、着いてこい」
ケロロ「ヤフ~!」ピョイーン
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
ケロロ「…あの~エレン殿…こりは…」プラーン
エレン「適正テストで最初に皆やるんだ。上げるぞー」キュルキュルキュル
アルミン「気を付けてねー」キュルキュルキュル
ケロロ「ちょ、ちょっと…」プラーン
冬樹(なんだかデジャヴュを感じる…)
ミカサ「何故か捕獲されているように見える」
ケロロ「…もうっ!こんぐらい誰だってできるでありますよ!」プンプン
アルミン「ちょ、ちょっと暴れたら…!」
エレン「おい!危な…!」
ケロロ「ゲ、ゲロォォォォ!?」ブンッ
ケロロ「」ゴチンッ
エレン「言わんこっちゃない…」
冬樹「軍曹…」
ミカサ「フユキ、あなたもやってみる?」
冬樹「え!?ぼ、僕はいいよ…」
エレン「遠慮すんなって。物は試しだ」
冬樹「だ、大丈夫かなぁ…」カチャカチャ
ミカサ「大体の人はできる」
アルミン「上げるよー」キュルキュルキュル
冬樹「」ブンッ ゴチンッ
エレン「」
アルミン「」
ミカサ「」
冬樹「イタタタタ…」
アルミン「き、きっとベルトが壊れてたんだよ!」
エレン「そうだな。オレの時もそうだったし」
ミカサ「上げた瞬間ひっくり返るのはそうとしか考えられない」
エレン「ほら、フユキ、オレのベルト貸すよ」カチャカチャ
冬樹「えぇ…もういいよ…僕は…」
エレン「そういうなって…よし、いいぞ!」
アルミン「上げるよー」キュルキュルキュル
冬樹「」ブンッ ゴチンッ
エレン「」
アルミン「」
ミカサ「」
ヨイセ ヨイセ
クリスタ「わぁ!?なにがあったの!?」
アルミン「やぁ…クリスタ…ユミル…」
ユミル「記者の二人組じゃねぇか…なんで気絶してんだ?」
エレン「ちょっといろいろあって…」ヨイセ ヨイセ
ミカサ「悪いことをした…」ヨイセ ヨイセ
ケロロ「」
冬樹「」
クリスタ(一体なにが…)
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
地球
夏美「ねぇ~!ギロロ~!冬樹とボケガエル知らない?」
ギロロ「いや…見てないが…」
夏美「全くもうっ!家事当番放り出してどこ行ったのかしら…」
ギロロ「あいつらのことだ。適当にどこか遊び歩いてんだろう」
夏美「はぁ…帰ってきたらよく言っておかなきゃ!」スタスタ
ギロロ「ったく…反省するどころか遊び回っているとは呆れてモノも言えん…隊長としての自覚はないのかあいつは…」
クルル『ク~クックックックック~…先輩~緊急事態だぜェ~』
ギロロ「なんだ?クルルか?どうした?」
クルル『取りあえず地下基地に集合~そこでゆっくり話すぜェ~結構厄介な問題なんでねェ…』
ギロロ「分かった。すぐ行く」
地下基地
タママ「あ!伍長さん遅いですぅ~!」
ギロロ「すまん。さっき聞いたばかりでな」
ドロロ「…それで緊急事態とは?」
クルル「これを見な」ピッ
『×』
ドロロ「こ、これは!」
ギロロ「キルルのマークじゃないか?これがどうしたんだ?」
クルル「さっき本部から連絡があってなァ…どうやらこいつが起動した痕跡をキャッチしたらしい」
ドロロ「なんと!」
タママ「ひぇ~!こんなのがまた暴れだしたらえらいこっちゃですぅ~!」
キルル:古代ケロン人によって作られた兵器。惑星全ての生物を死滅させるほどの破壊力を持つ。ケロンの負の遺産。
クルル「幸いまだ起動しただけで暴れては無いみたいだけどな」
ギロロ「しかしなぜこんなタイミングで…」
クルル「遠い昔に不法投棄したものが時空ゲートを超えて現代まで流れてきたんだろうな」
タママ「うへぇ…とんだとばっちりですぅ…」
クルル「それで何かの拍子に起動し、今に至るって訳さ…ク~クックックックック~」
ドロロ「それで本部はなんと?」
ギロロ「大方暴れる前に止めてこいってことだろ。まったくなんで俺たちがそんな尻拭いみたいなことを…」
クルル「クックック~…キルルは負の遺産だからなァ…公にしたくないんだろ」
タママ「こんな時に軍曹さんは一体何してるですかぁ~?」
ドロロ「ここ何日か姿が見えないようでござるが…」
ギロロ「ふんっ!こんな時にいない隊長など知らん!呆れてものも言えんわっ!」
タママ「あ~…」
ドロロ「ところでそのキルルは今どこに?」
クルル「それが調べてみると面白いことが分かってなァ…隊長も近くにいるみたいだぜェ」
ギロロ「は!?どういうことだ!?」
クルル「まだ正確な位置を割り出してねェが時空ゲートを超えた先にいるらしい。キルル起動の時に起きた電磁波でいつも違う時空へワープしちまったみたいだな」
ドロロ「そ、それじゃあ隊長殿は!?」
クルル「安心しな。さっき言った通りまだ起動しただけで暴走はしてない。隊長の位置を割り出してそこへ行けばキルルにも追いつくだろ」
タママ「でもなんで軍曹さんが…」
クルル「さぁな~…ま、隊長は仕事を増やすことに関しては天才的だからなァ…今回もなんかやらかしたんジャネ?」
タママ「違うと言い切れないのが軍曹さんのすごいところですぅ…」
ギロロ「とにかく!事態は一刻も争うようだ!総員、出撃準備だ!」
ドロロ「心得た!」
タママ「了解ですぅ~!」
クルル「ちっ…メンドくせぇなぁ…」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
ケロロ「全くひどい目にあったであります…」
冬樹「まだ腫れてる…」
アルミン「ごめんね」
エレン「無理に勧めて悪かったよ」
冬樹「う、ううん。気にしないで」
ミカサ「そろそろ時間になる…また後で。お大事に…」
アルミン「あ、僕も相手探さなきゃ…じゃあ」
ケロロ「了解であります」
ケロロ「ところで次はどんな訓練でありますか?」
エレン「見ての通りだよ。対人格闘の訓練だ」
ケロロ「対人?ここは巨人と戦うために訓練しているのでは?」
ライナー「記者さんよ、そうは言うがこういう訓練も兵士としての役目を果たすうえで重要だと思うがな」
ケロロ「ゲロ?こ、こりはまた大柄な方で…」
エレン「こいつはライナーだ」
ライナー「よろしく。実は一度あんた達と少し話がしてみたかったんだ」
冬樹「僕たちと?」
ライナー「いまお二方は訓練兵中の注目の的だ」
ケロロ「えぇ!?マジで!いや~照れるでありますなぁ~」
ナレーター「そんな珍妙な顔してればそりゃそうでしょう!」
冬樹「軍曹…」
ライナー「フユキ、と言ったか。細い身体だな。いっちょ訓練に参加してみるか?」
冬樹「えぇ!?いいですいいです!さっきも散々な目にあったし…」
エレン「そうだよライナー。フユキは一般市民なんだから…」
ライナー「なーにちょっとぐらいなら平気だろ。折角だし護身術ぐらい覚えていけ。そうだな…お、ちょうどいいところに」
アニ「…」スタスタ
ライナー「おい!アニ!こっちへ来い!」
アニ「…なに」
冬樹(え…?女の子?)
エレン「お、おいライナー!よりによってアニかよ!」
ライナー「またサボりか。アニ」
アニ「…」
ライナー「サボってるくらいなら少しは兵団の広報に協力してみないか?」
アニ「あぁ…そこの二人は記者の…」
冬樹「ど、どうも…」
ケロロ「こんにちわ…」
アニ「で、どうしろって?あんたのひっくり返る様子でも見せればいいの?」
ケロロ「ゲ、ゲロ…?」
ライナー「お前の足技をこいつらに教えてやってくれないか?折角取材に来たんだしよ」
エレン「おい…」
アニ「ふーん…別に構わないけど…」
冬樹「い、いやぁ…僕はちょっと…」
ケロロ「ゲロゲロリ。大丈夫でありますよ、冬樹殿。相手は小さなお嬢さんであります」
アニ「」ピク
エレン(あ…)
ライナー(あーあー…)
ケロロ「恐れることはないでありますよ。少し組み手をすればOKであります」
冬樹「そうかなぁ…」
アニ「…それじゃあいい?フユキと言ったね。かかってきな」
冬樹「え…いいのかな…じゃあいくよ」
冬樹「や、やぁぁぁ…!」タタタ
アニ「」ヒュッ
冬樹「えぇっ!」バシッ ドサ
ケロロ「ゲロォ!冬樹殿ぉ!?」
エレン「や…さすがだな」
冬樹「いたた…一瞬だった…」
アニ「遅い。あんた喧嘩すらしたことないんじゃないの?」
冬樹「あはは…」
アニ「さて…」チラ
ケロロ「ゲロ?」
アニ「次はあんたの番だね」
ケロロ「えっ!い、いやぁ~我輩は別にぃ~…」
アニ「小さなお嬢さんなんだから平気でしょ」スッ
エレン(あ~やっぱり怒ってたのか…)
ケロロ「ちょ、ちょっと…?アニ殿~…?おじさん、ちょっと困っちゃう…な~んて…」ジリジリ
アニ「目ぇ食いしばりなよ」ヒュッ!!
ケロロ「非ッ常にキビシィィィィィィ!!」クルクルクル
ドサッ
ケロロ「」
ライナー(ぜ、全力でやりやがった!)
エレン「大丈夫か!?軍曹!」
アニ「で、どうする?よかったら教えてやってもいいけど」
冬樹「え?えぇ~っと…」
アニ「…」ジー
冬樹「えっと…」
アニ「…」
冬樹「…お願いします…(断れない…)」
アニ「分かった」
ライナー(嬉しそうだなあいつ)
ジャン「うわっ!なんだそれ!」
エレン「軍曹!しっかりしろ!」
アルミン「白目むいてる!」
ジャン「急げ救護ぉ!!」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
ケロロ「ゲロ…我輩、もうダメかも…」ボロ
冬樹「体中が痛い…」ボロ
アルミン「だ、大丈夫…今日はもう実技訓練ないから…」
ミカサ「あとは技巧だけ…頑張ろう」
冬樹「技巧って何をするの?」
エレン「まぁ立体機動装置の整備だったり…武器や機械の組み立てとかだな」
ケロロ「武器の整備とかどっかの赤ダルマさんが好きそうでありますなぁ…」
カチャカチャ
ケロロ「ほほーう…これが部品でありますか…」
冬樹「軍曹もこういうの組み立てるの好きそうじゃない」
ケロロ「確かにガンプラの組み立てに通じるものはありますなぁ…ふむ…この惑星の文明レベルにしてはなかなかレベルが高いであります」
冬樹「へぇ~そうなんだ」
ケロロ「ま、でもケロン星のものと比べたらおもちゃみたいなものでありますよ~」
エレン「そのおもちゃでさっきひっくり返ってたのは誰だよ…」
ケロロ「ゲロ…」
ミカサ「アルミン、惑星とかケロン星ってなんのこと?」
アルミン「あ、あはは…なんだろうね~…それより集中集中!」
エレン「ん…?あれ?おっかしいな…」カチャカチャ
冬樹「エレン君どうしたの?」
エレン「いや、なんか上手くいかなくてよ…」
ケロロ「どれ、ちょっと貸してみるであります!」カチャカチャ
冬樹「勝手にいじって大丈夫なの?」
ケロロ「えっとぉ~?これがこうで~…こうでありますか?」カチャカチャ カチャン
エレン「おぉ!すごいぞ軍曹!」
ケロロ「ゲ~ロゲロゲロリ!伊達にガンプラで鍛えてないであります!」
エレン「そのさっきから言ってるガンプラってなんだ?」
ケロロ「ガンプラとはペコポン人の夢と技術の結晶!我輩の命といっても過言でないであります!」
冬樹「えーっと…兵器の形したおもちゃみたいなものだよ」
エレン「そうなのか?」
ケロロ「エレン殿!ガンプラをただのおもちゃと思うなかれ!ガンプラは一日にしてならず!であります!」
エレン「なにを言ってるかよくわかんねぇけど…そのガンプラとやらを極めれば技巧を軍曹みたいに上手くできるようになるのか?」
ケロロ「もちろんであります!そうだ!後で実物をみせてあげるであります!」
エレン「本当か!軍曹がそこまでいうんだからどんなものか知りたい!」
ケロロ「ゲロゲロリ…楽しみにしてるであります!」
エレン「な、な!とりあえずどんなものなのか先に詳しく教えてくれよ!」
ケロロ「え?いいの?そ…そうでありますな、うん、今の話じゃ省略した部分も多かったし…もっと詳細に話すであります。ちょっと長くなるけど…」
カーンカーン
冬樹「あ、アルミン君、ミカサさん。鐘がなったし行こうか」
アルミン「え?でもまだエレン達が…」
冬樹「まぁまぁ…」グイグイ
ミカサ「?」
ケロロ「まずガンプラの歴史から話すと一番始めに発売されたのはRX-78-2でありまして…」ペラペラ
エレン「ふんふん…」
数時間後
冬樹「あ、二人ともどこにもいないと思ったら先に部屋に戻って来てたんだね…」
ケロロ「あ!お疲れ様であります!」パチンパチン
エレン「…」モクモク
冬樹「あー…えーっと…エレン君?」
アルミン「な、何やってるの…?」
エレン「…できたー!軍曹!どうだこれ!」
ケロロ「おぉ!エレン殿!初めてとは思えない出来栄えであります!」
エレン「こうやって完成品見るとカッケ*?*ありがとな軍曹!」
ケロロ「HGジェノアスは初心者にオススメの一品であります!喜んで貰えたようで何よりであります!」
エレン「いや、軍曹の指導があったおかげだ!」
ケロロ「ゲ~ロゲロゲロゲロ!それほどでもあるであります!」
エレン「軍曹の作ってるやつはなんだ?」
ケロロ「よくぞ訊いてくれた!これはでありますな…」
ワイワイ
冬樹「…アルミン君…ちょっと外出てようか…」
アルミン「うん…」
ケロロ「でね!でね!やっぱり我輩が思うにありますな~」ペラペラ
エレン「…」
ケロロ「あり?エレン殿どうしたでありますか?」
エレン「いや…もしこんな兵器があったら簡単に巨人が殺せると思ってな…」
ケロロ「ゲロ?」
エレン「まだ軍曹には話してなかったな。オレの住んでた街は、巨人に壊されたんだ」
ケロロ「あ…もしかして途中で我輩達が通ってきた…」
エレン「ここより外の壁には誰も住んでいない。母さんも目の前で殺された」
ケロロ「ゲロ…」
エレン「オレは、調査兵団にはいって、巨人を駆逐すると決めたんだ。そのためにはどんなことだって耐える」
ケロロ「エレン殿…」
エレン「そして、巨人を全て駆逐したら壁の外の世界を旅するんだ…と言っても皆馬鹿にするけどな…」
ケロロ「アルミン殿やミカサ殿は?」
エレン「あいつらまで危険な目に合わせる訳にはいかない。こんな子どもの頃からの夢、まだ持っているなんて思ってないだろうしな」
ケロロ「そうでありますか…?」
エレン「…軍曹、今の話、内緒だぞ?」
ケロロ「ゲロゲロリ。もちろんであります。男と男の約束でありますよ」
エレン「おう!…それでさ、軍曹はオレの夢、どう思う?」
ケロロ「結構結構!夢は大きく持つものでありますよ!我輩もいつかペコポン侵略を達成するであります!」
エレン「おいおい…」
ケロロ「夢は持ち続ければいつか必ず叶うであります」
エレン「…そうだよな」
…………
冬樹「へぇ~図書室まであるんだ」
アルミン「もう遅いから誰もいないみたい」
冬樹「読みたいところだけど…この星の文字は分からないからなぁ…」
アルミン「よかったら僕が読んであげるよ」
冬樹「本当?ありがとう!」
ペラ…ペラ…
アルミン「…で…人類は…壁を…」
冬樹「ふんふん…」
アルミン「…こうは書いてあるけど僕はちょっと思うところがあるんだ」
冬樹「え、なになに?」
アルミン「まずここの記述なんだけど…」ペラペラ
冬樹「…へぇ~」
アルミン「…それで…他の文献から察するに…」ペラペラ
冬樹「…それは違うと思うよ。だってさっきこっちの方に…」
アルミン「!!そうか…盲点だったなぁ」
冬樹「…アルミン君ってすごく頭がいいんだね」
アルミン「そんなことないさ…ちょっと本が好きなだけだよ。それにフユキだってとても鋭い指摘をする」
冬樹「いや、僕はただのオカルトマニアだから…学校の勉強は得意じゃないし」
アルミン「そうなの?…でも僕の取り柄ってこれくらいなんだ」
冬樹「え?」
アルミン「僕はもともと運動が得意じゃないし、兵士に向いてないんだ。座学だけ人より少し得意ってだけで…」
冬樹「でも立体機動もできてたし…」
アルミン「あんなの他の人達と比べたら全然だよ…」
冬樹(僕は即頭打ったんだけどなぁ…)
アルミン「…昔からそうなんだ。エレンとミカサと比べると僕はとても劣っている」
冬樹「そんなこと…」
アルミン「ううん。そうなんだよ。困っている僕を助けてくれるのはいつもあの二人。今も昔もね」
冬樹「…」
アルミン「…でも守ってもらってばかりで僕は二人に何もしてあげられない。僕は、なにもできないんだ」
アルミン「…エレンはいつのまにか、外の世界の話をしなくなった」
冬樹「…」
アルミン「きっと…」
冬樹「きっと?」
アルミン「…ううん。ごめん、なんでもないよ」
冬樹「…ねぇ、アルミン君。君たちにはアンチバリアが何故か効かなかった。僕が思うにそれは多分…」
カーン…カーン…
アルミン「あぁ、もう消灯時間だ。戻ろう、フユキ」
冬樹「あ、うん」
客室
アルミン「エレーン!部屋に戻らないと…っと」
冬樹「あらら…」
エレン「…」zzz
ケロロ「…」zzz
冬樹「ずっとガンプラ作ってて疲れちゃったんだね」
アルミン「まったくもう…しょうがないなぁ…僕、エレンおぶってくよ」ヨイショ
冬樹「うん。お願い」
アルミン「それじゃあまた明日」
冬樹「おやすみ」
ケロロ「…」zzz
エレン「…」zzz
前あったケロロ×エヴァと同じ人かな?今度は完走して欲しいな…
>>105
別人
翌朝
エレン「えぇ!?もう軍曹達行っちゃうのか!?」
冬樹「フライングボードも直ったし…一回宇宙船に戻らないと…」
アルミン「残念だなぁ…せっかく仲良くなれたのに」
ケロロ「大丈夫でありますよー。宇宙船に戻ったらまたこの壁の近くまで来るつもりでありますからな!」
ケロロ(そしてこの壁周辺を拠点として本格的な侵略活動をスタートであります…ゲ~ロゲロゲロリ…)
冬樹「宇宙船を持って来ればもう少し僕らも動きやすくなるから…それまでちょっと待っててね」
エレン「いつ発つんだ?」
ケロロ「最後の調整をしたいから…昼過ぎでありますかな~」
アルミン「それじゃあ午前中はまだいるんだね」
ケロロ「折角でありますし、冬樹殿は午前中はアルミン殿達と一緒に行動するといいでありますよ」
冬樹「本当!?ありがとう軍曹!」
エレン「それじゃ朝飯食って訓練行こうぜ。フユキ」
冬樹「うん!それじゃあ軍曹お願いね」
ケロロ「了解であります!」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
壁上
冬樹「今日は固定砲の訓練かぁ」
アルミン「て言ってもほぼ掃除みたいなものだけどね」
ミカサ「…」
サシャ「…」ジー
冬樹「…?えーっと…なにか…?」
サシャ「…あなた、美味しいもの隠し持ってません?」
冬樹「えぇ?なにも持ってないですよ」
サシャ「でもとーっても美味しそうな匂いが…」クンクン
冬樹「ちょ、ちょっと…(東谷さんみたいな人だ…)」
アルミン「サシャ!やめなって…」
サシャ「そういえばケロ蔵さんもとってもいい匂いがするんですよねぇ…美味しそうな…」ジュルリ
冬樹(軍曹ってなんでよく食料と間違えられるんだろ…)
ガラガラガラ
冬樹「あ、あれ!?壁の外に人が出ていくよ!」
アルミン「あぁ。あれは調査兵団だよ。あそこにいるのがリヴァイ兵長だ」
冬樹「あの人類最強っていう…?」
アルミン「あそこにいる人たちは巨人殺しのプロだ。今日は壁外調査の日だったんだね」
冬樹「へぇー…」
サシャ「アルミ~ン…まだお昼になりませんかぁ~…」
アルミン「もう少しだから頑張ろう…」
サシャ「今日一日固定砲とか退屈で仕方ありませんよう…」
ミカサ「サシャ、とにかく手を動かさなきゃ終わらない」
サシャ「はぁ~い…」
…………
ユミル「おーおー今日も巨人様が元気なことで」ヒョイ
エレン「おい、覗き込むと落ちるぞユミル」
ユミル「そんなおマヌケなことしないさ。毎日壁にへばりついて懲りないねェ、こいつらは」
巨人「…」ガシガシ
巨人「…」ガシガシ
エレン「サボってないでさっさとやれよ。少しはベルトルトを見習え」
ベルトルト「…」モクモク
ユミル「はいはい…上位組は真面目だねえ…」
エレン「まったく…」
ユミル「ねぇー少し休憩しない?見回りもこないしさ」
エレン「お前全然働いてないだろ…」
ユミル「ここで巨人の馬鹿面を眺めるのも意外と楽しいって。休もうぜ…な?ベルトルさん?」
ベルトルト「え?…うん…」
ユミル「はい!2対1!」
エレン「ベルトルト・・・・お前もう少し自分の意思ってもんを…」
ベルトルト「ごめん…」
エレン「はぁ…分かったよ!休憩休憩!ただし5分な!」ドカ
ユミル「さっすが話が分かるなぁ~エレンよ」
エレン「はぁ…」
巨人「…」ガシガシ
巨人「…」ガシガシ
エレン「…」ジー
ベルトルト「…」ジー
ユミル「…」ジー
エレン「ベルトルト…これ、楽しいか?」
ベルトルト「…楽しくは、無いかな…」
エレン「殺意しか沸かないわ…」
ユミル「お前はそうだろうな」
ベルトルト「…」
エレン「…ん?」
ユミル「どうした?」
エレン「いや…なんかあそこに白っぽい…」
ベルトルト「白?どれ?」
ユミル「動物でもいたか?」
エレン「あ…やっぱりなんでもねぇよ…」
エレン(二人には見えてないのか…)ジー
キルル「…」
エレン(…あれは…軍曹の仲間か?体系が似てるが…)
エレン(なんであんなところに…危ないな…軍曹の仲間ならなんとかこっちに引き上げなきゃいけないが…)
エレン(…!)
ユミル「お、もう一体走ってきたな」
エレン(まずい!このままだとあいつ踏みつぶされちまう!!)
キルル「…」
エレン(なんで逃げない!?動けよ!逃げろ!)
エレン(固定砲…の弾は午後から搬入か!!糞っ!!)
エレン(ここから攻撃できないってなると…)
エレン「…っち!!!」シャキン
ベルトルト「!?エレン!!何をしてるんだ!!」
エレン「巨人をぶっ殺してくるんだよ!!」
ユミル「お前正気か?前からおかしい奴とは思ってたが…今ここで飛び込む意味が分からん」
エレン「オレしかできないんだよ!行かせろ!!」
ベルトルト「なにを言ってるんだ!!自殺行為そのものだぞ!!」
エレン「うるせぇ!退け!!」ダダッ バッ
ベルトルト「エレン!!」
ユミル「あいつ…馬鹿か…!?」
エレン「なにやってんだお前!来い!」ガシッ
キルル「…」
巨人「!」バッ
エレン「やらせるか!」パシュッ ザッ
巨人「…!」
エレン「ちっ…止めは刺せなかったが…今は足止めになれば十分だ!壁上にもど…!」バシッ
巨人「…」
巨人「…」
エレン「しまった…!ワイヤーを…!」
巨人「…」
巨人「…」
エレン「あ…」
ゴクン
ケロロ「ケロッケロッケロ♪ふふふふんふ~ん♪」ピュロロロロ
ケロロ「エンジン良好!すっかり本調子でありますな!」ロロロロ
ケロロ「ペコポン人スーツも先に転送したし、身も軽やかであります!」ロロロロ
ケロロ「これで冬樹殿を迎えに行って、エレン殿とアルミン殿に挨拶してから戻るでありますかな」ロロロロ
ケロロ「侵略達成も目の前でありま~す!」ロロロロロ
……………
エレン「…っく…ここは…巨人の胃の中か…?」バシャ
エレン「…立体機動装置はもう駄目か…」
エレン「…」
エレン「…糞!糞!糞!オレはこんなところで死ぬわけにはいかねぇのに!」
エレン「どいつもこいつもぶっ殺してやる!糞!糞!」
エレン「絶対にぶっ潰してやる…!巨人も…!」
エレン「一匹…残らず…!駆逐してやる…!」
キルル「…」
エレン「殺す…!殺す…!」
エレン「この手で必ズ殺す!皆殺しだ…!」
エレン「全部殺してやル…!」
エレン「オレは…この世の全テヲ…」
エレン「ハカイスル」
ドクン
『登録完了』
『キルミランシステム実行開始』
ゴォォッ
アルミン「っ!なんだこの突風は!」
冬樹「う、うわぁ!」グラッ
ミカサ「フユキ!」ガシッ
冬樹「あ、ありがとう…!」
サシャ「立ってるのがやっとです…!一体何が…!?」
ミカサ「これは突風というより衝撃波に近い…!」
アルミン「…!!あれは…!?」
キルル「…」
サシャ「な、なんですか!?アレ!?きょ、巨人ですか!?50…60m…いや!それよりももっと大きいです!」
ミカサ「こんな化け物見たことない…!巨人とは形状がかけ離れている…!」
冬樹「こ…これはもしかして…!」
アルミン「フユキ!これがなにか分かるの!?」
冬樹「何度かみたことがある…!これはきっと…!」ダッ
アルミン「フユキ!どこへ行くの!?」
冬樹「僕、軍曹に知らせてくる!とにかく人間が勝てる相手じゃない!皆も避難するんだ!」ダダダ
サシャ「ちょ!ちょっとぉ!」
ベルトルト「大変だ!エレンが…!」タッタッタ
ミカサ「!!エレンがどうかしたの!?」
ベルトルト「エレンが巨人に食われた…!」
ミカサ「っ!なんで!?固定砲の訓練なのにどうして巨人に食べられるの!?」
ベルトルト「なにかを見つけたみたいで…そしたら自分から壁の外の巨人に向かって行ったんだ!」
アルミン「それで…!それでエレンはどうなったの!?」
ベルトルト「巨人に囲まれて…それで…」
ミカサ「…なんで…なんで止めなかったの!?」ガシッ
ベルトルト「…っ」
サシャ「ミ、ミカサ!やめてください!」
ユミル「そうだ。ミカサ。この話にはまだ続きがあるんだ」
アルミン「ユミル!」
ユミル「エレンを食った巨人だがな、その後どうなったと思う?信じられねーかも知れないが…」
ベルトルト「…あそこにいる化け物…あいつがエレンを食った巨人を食い破って出てきたんだ…」
サシャ「へぇ!?一体どういうことですか!?」
ユミル「そのあとみるみる大きくなって今の大きさだ」
サシャ「何が…何が起こってるんでしょう…ってミカサ!?」
ミカサ「…」シャキン
アルミン「ミカサ!なにをしようって言うんだ!?」
ミカサ「…あいつを何とかしなければ人類は終わり。戦わなければ」
ユミル「おいおい、無茶言うなよ…調査兵団もいないし、私達訓練兵に何ができるって言うんだよ」
ミカサ「私ならできる…いやならあなたたちはそこで見ていればいい」
サシャ「ミカサ!エレンの敵を取りたいのは分かりますが…!駄目です!」
アルミン「そうだ!今の君は冷静じゃない…僕たちが今やることは何?得体のしれない化け物に突っ込むことなのかい?」
ミカサ「…でも!」
アルミン「…ショックを受けている場合じゃない…今は…感情に流されてむやみに行動する時じゃないだろ…?」
ミカサ「…っ」ス
ベルトルト「…」
アルミン「…皆、ショックだろうけど…訓練通りに冷静に対処するんだ…僕たちでできることをやろう…まずは報告を!」タタッ
サシャ「は…はい!」タタッ
ミカサ「…」タタッ
ユミル「…」タタッ
ベルトルト「…」タタッ
ユミル(しかし…あいつは一体何者なんだ…)
ユミル(大きさも超大型を超えてやがる…あれだけの戦力を持った勢力はどこだ…?)
ベルトルト(何が目的なんだ…?そもそも巨人なのか…?)
ベルトルト(僕らが計画していたウォールローゼ突破前に人類を滅亡させるつもりなのか…)
ベルトルト(…とにかくライナー達にも知らせなくては…)
キルル「…」
キャー!
ナンダアレハ!
コチラ ニ ヒナンヲー!
ケロロ「ゲロォ?なんだか騒がしいでありますな?」
ケロロ「薔薇のマークだからぁー…駐屯兵?が避難指示を出しているんでありますな」
ケロロ「火事でもあったんかなー?」
ケロロ「…あり?あそこにいるには冬樹殿?おーい!冬樹殿ー!」フュロロロロ
冬樹「あ!ぐ、軍曹!」ハァハァ
ケロロ「なんの騒ぎでありますかー?冬樹殿もそんなに慌てて…」
冬樹「あ、あれ…!とにかく…!上へ…!」ハァハァ
ケロロ「上?」ピュロロロロ
…ゲロォー!?
フュロロロロ
冬樹「軍曹…!あれは…!」
ケロロ「ま、間違いなく奴であります…」ガタガタガタ
冬樹「どうしよう!軍曹!」
ケロロ「なななななんでこんなところにキルルがぁー!」ガタガタガタ
冬樹「このままじゃ皆が危ない!なんとかしなくっちゃ!」
ケロロ「そ、そういわれましてもぉ…」
冬樹「いままでは鍵で封印したりしたけど…」
ケロロ「キルルっていってもいろんな種類がいるでありますから…どうしたらよいか我輩にもよく…」
冬樹「でも…キルルのことが分かるのは僕達しかいないんだ!軍曹!」
ケロロ「…そうでありますな。とりあえず近くに行かないと何も分からない!乗るであります!冬樹殿!」
冬樹「うん!」
ケロロ「出力全開!!」ドドドド ビューン
ミカサ「…?今のは何?」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
駐屯兵「くっそー…なんで俺たちがこんな目に…こういうのは調査兵の役目だろうがぁ!」
リコ「そこ!私語をするな!位置についたか!」
駐屯兵「は、はい!」
リコ「人手が足りないから訓練兵!お前達にも手伝ってもらうぞ!卒団間近なら少しは使えるだろう?」
アルミン「は、はい!」
リコ「固定砲準備!撃て!」
ドドドドド
キルル「…」
アルミン「ま、まるで効いてない…!」
駐屯兵「げ!人が壁の上に集まってるから巨人もよって来たな!」
キルル「…」キラン
アルミン(…なにか光った?)
キルル「」ピカッ!
駐屯兵「!?なんだ!?」
リコ「!!伏せろ!」バッ
駐屯兵「ひ、ひぃぃ!」バッ
ゴォォォォ!
アルミン(眩しい!なんだこの光は!)
リコ「…止んだか?」
駐屯兵「あ、あいつ一体何を…ってうわぁ!なんだこりゃあ!」
アルミン「さ、さっきまで巨人がいたところが消し炭に…!」
駐屯兵「おいおいおいおい!爆弾百発撃ち込んでもこうならねぇよ!これ、あいつがやったのか…?」ゾ
リコ「馬鹿ども!それよりあれを見ろ!今の衝撃で…!」
アルミン「!!」
駐屯兵「あ…あぁ…あぁぁぁぁ…!」
アルミン「か、壁に穴が…」
駐屯兵「巨人が入ってくるぞー!」
リコ「…っ!至急緊急配置に着け!訓練兵は一時撤退!次の指示を待て!」
アルミン「は、はい!」
訓練兵「糞…!こんな時に限ってなんで調査兵はいねーんだよ…!」タタッ
リコ「私は報告をしてから行く!お前も早く行け!」
アルミン「はい!」タタッ
アルミン(…にしても…)
アルミン(アイツ…さっきまで大人しかったのに何で突然…?)
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
ケロロ「ゲロォ!壁にでっかい穴が!!」
冬樹「巨人が入ってきてる…!このままじゃ…!」
ケロロ「こ、これもキルルの仕業でありますか…?」
冬樹「兵士の人達が集まってきてる…きっと戦うつもりなんだ」
ケロロ「勝てるんでありますか…?だってあんなに大きんでありますよ?そんな無茶な…」
冬樹「…あれ…?あそこにいるのはアルミン君…?」
ナック「う、うわぁぁ…巨人が来た…!」
ミリウス「オレ達訓練兵が敵うのか…!?」
ミーナ「み、皆とにかく落ち着こう…訓練通りにや、やればきっと…大丈夫…」
トーマス「本当ならエレンが班長だったはずなのに…上位生じゃないオレに班長なんか務まるのか…?」
アルミン「…トーマス、やるしかないよ…班長、指示を」
トーマス「お、おう…!34班!前方の巨人に目標!仕留めるぞ!」ダッ
ナック「りょ、了解!」ダッ
ミリウス「やればできるんだオレだって…!」ダッ
ミーナ「すーはー…よし!」ダッ
アルミン「…」ダッ
トーマス(訓練通り…訓練通りやればいいんだ…)
トーマス(目標まで一気に近づいて…皆で周りから攻めれば…!)ダッ
トーマス「今だ!皆!」
アルミン「……!!待つんだ!トーマス!!!」
トーマス「え?」
奇行種「…」グワッ
トーマス(…え?いつの間にこんな近くに…)
トーマス(あ、巨人の口が目の前に…)
トーマス(まさか…オレは…ここで死ぬのか…?)
トーマス(あ…他の皆は…?)チラ
巨人「…」
巨人「…」
巨人「…」
ミーナ「いや…!やめて…!」
ナック「離せ!離せよ!この!!」
ミリウス「うわ!うわぁぁぁ!」
アルミン「あ、あぁぁ…!」
トーマス(!!オ、オレのせいで…!)
トーマス(あぁ…巨人の口が閉じる…)
トーマス(もう終わりだ…皆、すまない…)スッ
ケロロ「うおぉぉぉりゃあぁぁぁぁ!!!」ヒューン
奇行種「!!」
冬樹「こっちだ!」
奇行種「!!」ダダッ
トーマス「…?な、なんだ…?」
ケロロ「ほらほらー!鬼さんこちらー!」ヒュンヒュンヒュン
巨人「!」
巨人「!」
巨人「!」
ナック「離せ!離せ…ってうぉ!?」ドサ
ミーナ「え…?何…?」
ミリウス「あいつら突然どうしたんだ…?何かを追いかけてるように見えるが…?」
アルミン(!!あれは軍曹とフユキ!?)ダッ
ナック「!?馬鹿!アルミン!どこへ行くんだ!」
アルミン「ごめん!説明は後だ!!」パシュッ
ミリウス「おい!死ぬ気か!?」
ケロロ「さて…引き付けたはいいものの…どこまで逃げればいいのやら…」
冬樹「!!軍曹!後ろ!」
ケロロ「ゲロ?」
奇行種「!!」グワッ
ガチーン
ケロロ「ひぃぃぃぃ!!かすった!一体だけやけに素早いであります!」
冬樹「あ!あ!前にも!」
ケロロ「ゲロォォ!?数が多すぎであります!」
巨人「!」グワッ
冬樹「挟み討ちだ!」
ケロロ「ゲロォォォォ!もうおしまいであります!」
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」ドンドンドンドン
奇行種「!」
冬樹「わ!爆風!?」
「ふんぬ~!!この露出狂共がぁ~!僕の軍曹さんに手出してんじゃねぇ~!!」ドォウ
巨人「!」
ケロロ「ゲロッ!?」
「御免ッ!」斬ッ 斬ッ
巨人「!」
巨人「!」
『クックック~…あと一体…ミサイル発射だぜェ~…ポチッとぉ!』ドォン
巨人「!」
ケロロ「こ、こりはもしかして…!」
モア『おじさま~!ご無事ですか~!?宇宙船からの通信聞こえますか~!?』
冬樹「この声は…モアちゃん!」
モア『おじさまごめんなさい…おじさま達が出かけたのしゃべっちゃいました…」
ケロロ「ゲロ…それは別に…なんにせよ助かったであります!」
ギロロ「そんなこと言っとる場合かっ!どうしてキルルがもう作動しとるんだ!貴様の仕業かっ!?」ガシ
ケロロ「ちょ、ちょっと待ってよぉ~!我輩だってなにがなんだか…ていうか皆はなぜここに?」
タママ「軍曹さん、それはこっちの台詞ですぅ~…上からキルル処分の指令があったのに軍曹さん留守だったんですよぉ」
ドロロ「冬樹殿まで巻き込んで関心しないでござるな」
ケロロ「ゲ、ゲロォ~…」
クルル『そんなことより隊長~、こいつはかなりヤバいぜぇ~』
ケロロ「ゲ、ゲロ?」
クルル『今は比較的静かだがいつ本格的に動き出すか分からねェ。旧式だから思わぬ動作もするかもな』
冬樹「そんな…なんとかやっつける方法はないの?」
タママ「あんなでっかいのとても敵わないですぅ…」
クルル『アイツは負の感情エネルギーを吸収して巨大化するタイプみてぇだからな…そのエネルギーの供給を止めちまえばいい』
ドロロ「負の感情?しかしその供給源はどこから?」
ギロロ「いつぞやのようにその辺の住民から吸収してる様子はないぞ?」
クルル『そいつが妙なんだが…』カタカタ
モア『!!キルル中心部より強いエネルギー&生体反応あり!!てゆーか解析完了?』
クルル『ククッ…?なんだこりゃぁ…?』
ケロロ「え!?なになに?」
クルル『奴さん…随分大勢の人間でも飲み込んでるかと思ったらたった一人ガキがいるだけだぜェ~』
タママ「タマ?つまりどういうことです?」
ギロロ「子ども一人の負の感情だけであそこまで巨大化したという事か…?」
クルル『そういうこったぁ~…ま、人一人が持つ憎しみのエネルギー量にしては規格外だがな…クークックック…』
冬樹「でも…子どもって一体…」
ケロロ「だれか食べれられちゃったでありますか?」
アルミン「…今の話本当…?」
ドロロ「!!」
アルミン「ねぇ軍曹!それはきっとエレンだ!!」
ケロロ「へ?エレン殿?」
アルミン「さっき同期から聞いたんだ!エレンを食べた巨人の中からあいつが出てきたって!!」
冬樹「えぇ!?エレン君が巨人に!?」
アルミン「うん…でも今の話が本当なら、エレンはきっと生きてる!あの化け物の中にエレンがいるんだ!」
タママ「ちょ、ちょっと…軍曹さん?知り合いですかぁ~?」
ドロロ「拙者たちの姿が見えているようでござるが…」
クルル『アンチバリアは強い好奇心を持つ奴には効かねェからな~…そいつもそのようだぜ~』
アルミン「強い好奇心…?」
冬樹「いろいろあって…アルミン君は僕ら命の恩人なんだ」
ケロロ「エレン殿もそうであります!」
アルミン「君たち、軍曹の仲間だよね?話したいことはいろいろあるけど…お願いだ!僕の友達を…エレンを助けてくれ!」
ギロロ「ふん…ケロロの知り合いだかなんだか知らないが…最初からそのつもりだ」
タママ「軍曹さんの命の恩人からのお願いなら放ってはおけないですぅ~!」
ドロロ「友人を思うその気持ち哉善し!拙者たちに任せるでござる!」
クルル『クーックックック…しょうがねぇなぁ…』
ケロロ「よーし!ケロロ小隊!エレン殿救出とキルル討伐のために進撃であります!」
ケロロ「…つーことで、アレ、やっとく?」
ケロロ「ゲロゲロゲロゲロゲロゲロゲロゲロ…」
タママ「タマタマタマタマタマタマタマタマ…」
ギロロ「ギロギロギロギロギロギロギロギロ…」
クルル『クルクルクルクルクルクルクルクル…』
ドロロ「ドロドロドロドロドロドロドロドロ…」
ナレーター「共鳴×5!!」
アルミン「なにこれ」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
フュロロロ
ケロロ「ふぅ…なんとか何事もなくここまで近づけたであります…」
キルル「…」
冬樹「今はじっとしてるみたいだけど…」
クルル『中にいるガキを救助するなら急いだ方がいいぜェ~。壁内に侵入してる巨人もなんとかしなきゃいけねェみたいだしな』
ドロロ「ある程度の足止めは拙者たちが引き受けるでござる」
アルミン「ありがとう…」
タママ「あの大きい×マークからキルルの中に入れるんですよね?」
ギロロ「よし。救助開始だ!」バッ
タママ「了解ですぅ!」バッ
バチィッ!!
ギロロ「うぉぉぉ!?」
タママ「タマァァァァ!?」
ケロロ「ゲロ!?ギロロ!タママ!」
クルル『ちっ!障壁だ。入れさせねぇ気みたいだな…』
冬樹「二人とも大丈夫!?」
ギロロ「この程度かすり傷にもならん!しかし…」
ドロロ「これでは救助が…」
アルミン「そんな…エレン!」バッ
タママ「タマッ!近づくと危ないですぅ!」
ゴポ
アルミン「…え?」
アルミン「わ、わぁぁぁぁぁぁ!!」ヒュゥゥン
冬樹「アルミン君!!」
クルル『今度は受け入れたのか…?ククッ…なんてヤローだ…』
ケロロ「アルミン殿ーー!!!!」
…………………………
………………………
……………………
…………………
……………
…………
………
……
…
アルミン(…ここは?)
アルミン「!!!」ハッ
ガヤガヤ ワイワイ
ネェ オカアサン ナアニ?
ソコノ オニイサン チョット ミテイカナイ?
キョウノ ゴハン ハ…
ガヤガヤ
アルミン「…嘘だろ…」
アルミン「…ここは…シガンシナ…?」
カルラ「 」
グリシャ「 」
ミカサ「 」
エレン(…ん、寝てたか…)
エレン(…母さんたちが何か話してる…眠たくてよく聞き取れないや…)
エレン(なんか…ずっと長い夢を見てたような…)
エレン(…やることがあったような…)
エレン(…まぁいいや…もう一眠りしよう…)
エレン(…)
エレン(…なんか、母さんも父さんもミカサもいるのって幸せだな…)
エレン(…どうしたんだオレ…そんなのいつものことじゃないか…)
エレン(…眠)
カルラ「 」
グリシャ「 」
ミカサ「 」
…………
エレン(…?)
アルミン「エレン!!聞こえる!?ここにいたんだね!」
エレン(アルミン…?)
アルミン「エレン!早くここから出よう!ここは本当の僕たちの故郷じゃない!君の記憶の街だ!」
エレン(何を言ってるんだ?)
アルミン「化け物が君を飲み込んで養分にしてるんだ!壁を壊して巨人が侵入してる!早く戻ろう!」
エレン「…はぁ」
エレン「アルミン…何言ってるんだよ…壁も壊れてなんかないし…化け物ってなんのことだよ…」
アルミン「ここは偽物の世界なんだ!早く出ないと現実の皆が…!」
エレン「現実?現実はここだろ?アルミン…」
アルミン「…エレン?」
エレン「ここにいれば何も嫌なことはない…母さんも父さんもミカサもいる…」
アルミン「…」
エレン「暖かいんだ…ここから…出たくない…」
エレン「外の世界に行きたいなんて…そんなの子どもの夢だ…」
アルミン「…」
アルミン「…ねぇ、エレン」
エレン「…?」
アルミン「君はいつからか壁の外の話なんかしなくなったよね」
エレン「…」
アルミン「僕は…それが寂しかった。いつまでも外の世界にあこがれてるのは僕だけなのかって」
エレン「…」
アルミン「氷の大地に砂の海。たくさん想像したよね」
エレン「…」
アルミン「…軍曹の仲間が言ってたんだ。なぜ僕らには軍曹達が見えたのか」
エレン「…」
アルミン「エレン。君も、軍曹とフユキの話にワクワクしなかった?」
アルミン「オニギリを食べながら聞いた海の話。フユキの住んでる星の話」
アルミン「この世界は、僕らの想像を絶するものが存在しているんだ」
アルミン「ずっとこんなところで眠っているのはもったいないと思わないかい?」
エレン「…」
エレン「…」
カルラ「 」
グリシャ「 」
ミカサ「 」
アルミン「…エレン」
エレン「…」
エレン「…アルミン、すまない」
アルミン「…!」
エレン「オレ、ちょっと寝ぼけてたみたいだな」
アルミン「!」
エレン「まだ海も見てない。軍曹からガンプラもちゃんと教えてもらってない。オレにはまだやり残したことがある」
アルミン「エレン…!」
エレン「オレは…外の世界に行くんだ!」
ピカッ
アルミン「!!!」
ゴォォォォォォォォ
ギロロ「なっ…!?キルルが崩れ始めたぞ!!」
クルル『ククーッ…あの金髪の坊ちゃん、なかなかやるじゃねぇか…』
ケロロ「アルミン殿は!?エレン殿は無事でありますか!?」
モア『生体反応二つ確認!どうやら無事のようです!おじさま!』
冬樹「よかった…!」
ケロロ「お!アルミン殿発見!速攻救助であります!冬樹殿はここで待ってるであります」ヒュン
冬樹「うん!お願い!軍曹!」
タママ「はぁ…ふぅ…流石に巨人の数が多すぎるですぅ…」
ドロロ「拙者たちを攻撃はしてこないがキリがないでござるな…!」
タママ「壁の穴ふさがないことにはいくら倒しても意味が無いですよぉ」
ギロロ「おい!クルル!どうにかできんのか!?」
クルル「まぁそう慌てなさんな…ちゃんと方法はあるからよ…問題は…」
ケロロ「ゲロォォォォォォォォ!?た、たしけてー!」
ギロロ「!?なんだ!?」
クルル「ク?」
ケロロ「さっきので終わりじゃないの!?キルル、小さくなっただけでまだ動いてんじゃん!?」
キルル「…」ブンッ
ケロロ「ゲロォ!!」ヒュッ
アルミン「軍曹!」
ケロロ「アルミン殿!はやく!エレン殿も連れて!」
アルミン「待って!気を失ってるんだ!」
エレン「…」
ケロロ「はやく!はやく!飛び乗るであります!」
アルミン「うん!」タッ
ケロロ「よっしゃあ!即離脱であります!」ピュロロロロ
駐屯兵「な、なにが起こってるんだ…?」
駐屯兵「巨人は勝手に倒れていくし、化け物の姿も変わるし…」
冬樹「あ、人が集まってきた…」
クルル『ちっ…面倒だな…お前ら全員眠っちまいなァ』ユンユンユン
駐屯兵「ん?あ…?…zzz」
駐屯兵「zzz」
ギロロ「おい!クルル!どういうことだ!話が違うじゃないか!?」
クルル『うっせーな…今やってる!本部の連中…適当なデータ渡しやがって…!』カタカタカタカタ
ケロロ「冬樹殿ー!!」
アルミン「フユキ!」
冬樹「皆!無事でよかった…!エレン君は?」
アルミン「気を失ってるみたいだ…大丈夫だといいんだけど…」
タママ「タマァァァ!?」ヒューン ドサ
ケロロ「ゲロッ?タママ!?」
タママ「イテテですぅ…」
冬樹「大丈夫!?」
タママ「あいつ…小さくなったけどスピードも活動量も増えてるですぅ…さっきのはデカいだけでほとんど動かなかったのに…」
クルル『そのことだがな…』カタカタカタ
ケロロ「クルル!」
クルル『さっきまでは壁内の住民であるガキの意思があったからキルルの破壊行動を抑制できてたみたいだな』
アルミン「エレンが?」
クルル『結果はどうあれ、壁を壊さないようにはしてたみてぇだな。もしそいつがいなかったらこの辺一帯焼野原だぜぇ』
アルミン「じゃあ…巨人が集まった時に攻撃したのもエレンの意思が反映されたから…」
クルル『そういうこった。キルルを抑制するなんて大した精神力だ…』
冬樹「でも、エネルギー源がなくなったのになんであいつは…」
クルル『充電みたいな感じだな。エネルギー源がなくてもしばらくは動ける』
ケロロ「それじゃあ充電切れを待ては万事解決じゃん?」
冬樹「待って…そうあいつが大人しくしてるとは思えない…きっとエレン君を取り返しに…わぁ!?」ドォン
ケロロ「ゲロッ!?」ドォン
クルル『その通りだ!早速来たぜェ…!」
ドロロ「冬樹殿!アルミン殿!ここは我々に任せてエレン殿を連れ、壁内へ逃げるでござる!」シュタ
冬樹「で、でも…」
ドロロ「これは我々の領分!さぁ!早く!」
冬樹「う、うん…!ありがとう!」タタッ
アルミン「フユキ、僕についてきて!こっちから降りるんだ!」タタッ
ケロロ「ぼ、僕はどうしよ…」オロオロ
ギロロ「くらえー!!」ドンドンドン
タママ「僕もいつまでも寝てられないですぅ!ふんぬぅー!!」ダッ
ドロロ「隊長殿はここで待機でござる!」シュッ
ケロロ「あ、うん…」
クルル『とにかくひたすら叩いてぶっ壊すしかねぇみたいだ…先輩方頼みますよォ?』
ギロロ「言われなくとも!」
タママ「でも巨人の侵入阻みながらキルルと戦うなんて無茶ですぅ!わわ!」ヒュッ
キルル「…」ブンッ
ドロロ「クルル殿は壁の方を!」
クルル『今やってるぜぇ…モア、解析の補助よろ』
モア『了解です!』カタカタカタ
ケロロ「へへ…皆頑張ってるなぁ…隊長なのにオレ、やることねぇや…」
…………
アルミン「ここを降りれば壁内だ」
冬樹「うん…」
エレン「…ん?」
冬樹「!エレン君!」
アルミン「あ!目が覚めたんだね!」
エレン「オレは…なにを…?」
冬樹「詳しいことは後だ!とにかく避難しなきゃ…」
エレン「…!そうだ!オレは…!」
アルミン「エレン?」
エレン「アルミン、降ろしてくれ!オレは戻らなくちゃいけない!」
アルミン「何言ってるの?」
エレン「あいつの中にいたから覚えてるんだ…壁を壊したことも、皆が必死で戦ってることも!」
冬樹「!」
アルミン「でも!僕らが行って何ができるんだ?あんな化け物、敵いっこない!」
エレン「いいから!頼む!アルミン!」
冬樹「エレン君…!」
アルミン「でも…!」
ドォン
エレン「!!」
タママ「わぁぁぁぁぁ!!」ドン
ケロロ「タ、タママ!」
ボン ボン ドサ
タママ「」
ケロロ「し、しっかりするであります!タママ二等!」
タママ「ぐ、軍曹さん…」
ケロロ「タママ!意識をしっかり!」
タママ「は、はやく人工呼吸を…」
ドォン
モア『きゃぁぁぁぁぁ!!』
クルル『クッー!!!』
ケロロ「ゲロ!?モア殿!?クルルー!?」バッ
タママ「あ、あの女ァ…」ガク
ケロロ「あぁ!?タママも!わ、我輩どうしたらぁー!!」ワタワタ
ギロロ「タママは再起不能か…」
ドロロ「鋭い斬撃にエネルギー砲…加えて素早い動き…手ごわい…!」
ギロロ「それでもやるしかなかろう!おりゃぁぁ!」バンバンバン
ドロロ「忍ッ!」斬ッ斬ッ
キルル「…」バッ
ドロロ「なっ…!しまった!」
ギロロ「ドロロ!」
ドロロ「うあぁぁぁ!」ドン
ケロロ「ゲロ!?ドロロまで!?不味くね!?」
ケロロ「こ、こうなったらギロロに託すしか…」ソー
ギロロ「ぐぁあぁぁぁ!?」ヒューン
ケロロ「ゲロ?」
ゴチーン!!
ケロロ「」フラッ ドサ
ギロロ「」ドサッ
ナレーター「ケロロ小隊!全滅!」
冬樹「そ、そんな…皆が…」
アルミン「あ…あ…」
エレン「…オレが、行く」
冬樹「そ、そんなの無茶だよ…生身の人間があいつを止めるなんて…」
アルミン「小さくなったといっても15mはあるんだ…とても僕らだけじゃ…」
エレン「いいから。大丈夫だ」
アルミン「でも…立体機動なんかじゃとても…」
エレン「…アルミン、フユキ。オレを信じろ!」
アルミン「え…?」
エレン「なんだか分からないが、オレならあいつと戦える気がするんだ!」
冬樹「だから…人間じゃとても…!」
エレン「巨人だったら?」
アルミン「へ?」
エレン「巨人だったらあいつと戦えると思うか?」
冬樹「そりゃ…大きさが同じぐらいだったら勝算は…でもどうやって…」
エレン「頼む、アルミン」
アルミン「…」
アルミン「…」スッ
冬樹「アルミン君…?」
エレン「…」スタッ
アルミン「…いいよ。君にどんな考えがあるのか分からないけど、僕はエレンを信じるよ」
冬樹「…アルミン君」
アルミン「…でも、一つ約束してくれ」
エレン「なんだ?」
アルミン「…必ず生きて戻ってくるんだ」
エレン「そんなの言われなくても分かってる」
アルミン「死に急ぎ野郎が何言ってるんだか…絶対だよ」
エレン「おう」
冬樹「…僕からもお願いだ。絶対に無事に帰ってきてね」
エレン「おう」
エレン「…よしっ!!」ダッ
冬樹「!!そっちは!」
エレン「よっ!」バッ
アルミン「飛び降りた!?」
エレン「…!!」ガリッ
ピカッ バリバリバリバリ
巨人「…」ズゥゥゥン
冬樹「あ、あれは…?」
アルミン「エレン…?なのか…?」
巨人「!!」ダダダダダッ
キルル「…?」
巨人「!!」ゴッ
キルル「!!」ドン
ズザザザザザ
アルミン「あ、あの巨人が化け物を突き飛ばした…?」
冬樹「すごいパワーだ…」
巨人「アァァァァァァァ!!!」
バキ バキ ボキ
キルル「…!…!」
冬樹「な、なんて攻撃だ…キルルが押されてる!」
アルミン「いや…ちょっと待て…!!」
キルル「…」キラン
アルミン「…あれは!!」
アルミン「エレン!!よけろ!!」
巨人「!?」バッ
キルル「」ピカッ!
冬樹「眩しい!!」
アルミン「エレン!」
巨人「アァ!?アァァァァァァァァ!!!!」シュウシュウ
アルミン「あ…!片腕が…!」
巨人「グァァァァ!アァァァァ!」バキ バキ
キルル「……」バシ バシ
冬樹「だ、駄目だ!さっきよりも攻撃力が…!」
アルミン「多分修復はされるだろうけど…それまでにもう一度さっきのが来たら…!」
キルル「…!」ドン ドン
巨人「!」
冬樹「エレン君!一度下がるんだ!ごり押ししても体力が削られるだけだ!!」
キルル「!」バッ
アルミン「な…!?」
巨人「!?」グルン ドサ
冬樹「あ…押し倒された…」
アルミン「いや…でもあいつは何をしようと…?」
キルル「…」ガバ
冬樹「口を開いたけど…」
巨人「…!!」
エレン(こいつ…!!オレがここにいる事が分かってやがる!!)
エレン(糞!またこいつのエサになって溜まるか!!)
エレン(こいつから抜け出せれば…)バタバタ
エレン(ちっ!がっちり押さえつけてやがる…!)
エレン(少しでいい…少しでも隙ができれば…!)グググ
…………
タママ「」
ギロロ「」
ドロロ「ぐ…」
クルル『クッ…復旧に時間がかかり過ぎだな…これじゃあ動けねぇ…外部認識機能も全遮断かよ…ちっ』
モア『…おじさま…みなさん…』
…………
アルミン「…あいつ!項に噛みつこうと…!」
冬樹「えぇ!?ということは…」
アルミン「巨人の急所を知ってるんだ…!」
冬樹「それじゃあエレン君が…!」
アルミン「僕は…僕は親友がやられるのを見ていることしかできないのか…!」
キルル「…」ズ
エレン(やめろ!糞!やめろ!)バタバタ
エレン(止まれ!離せ!この野郎!)バタバタ
エレン(お前なんかに…!オレは…!)バタバタ
ケロロ「…」ムクリ
ケロロ「…」ピョコピョコ
ケロロ「…」
ケロロ「 」
☆
止
メ
゚
キルル「!?」ピタッ
冬樹「…?」
アルミン「動きが止まった…?」
エレン(今だ!!)バッ
キルル「…!」
巨人「アァァァァァァァァァァァ!!!!」ゴシャア
キルル「!!!」ピキ
ピキピキピキピキ
ボロ
キルル「」ボロ ボロ ボロ
アルミン「や、やった!?」
冬樹「キルルが崩れていく!!」
ドロロ「な、なんと…」
ギロロ「ぐ…気を失っていたか…ドロロ今の戦況は!?」
タママ「あ、あれを見てくださいですぅ!キルルが…」
ギロロ「な…終わったのか…?」
タママ「一体何がどうなったんですかねえ…?」
ケロロ「ゲ、ゲロ~…」
ギロロ「ったく…こいつはまだ気を失っているのか…さっさと起きんか!!」ゲシッ
ケロロ「ゲロ!何事何事!?」ワタワタ
タママ「軍曹さん…」
ドロロ「…」
エレン「…ぷはぁ!!」バッ
アルミン「エレン!やっぱりエレンだったんだ!」
冬樹「エレン君!!大丈夫!!」
エレン「あぁ…少し疲れたが…」
アルミン「でも…なんでエレンが巨人に…」
クルル『クークックックック…とりあえずそれは後回しで壁の方をなんとかした方がいいぜェ…』
冬樹「クルル!」
モア『ケロロ小隊が再起不能な間、多数巨人が入り込んでしまった模様です!てゆーか絶体絶命!?』
クルル『ここまでプログラムを修復するのにかなり時間がかかっちまった。急ぐに越したことねぇぜ!』
冬樹「どうすれば壁をふさげるの?」
クルル『巨人も入り込んじまったし一刻も争うからな…最終手段だ。この惑星を若返らせる』
アルミン「若返らせる?」
クルル『簡単に言えば時間を巻き戻すんだ…が、問題がある』
エレン「問題?」
ケロロ「冬樹殿ー!エレン殿ー!アルミン殿ー!無事でありましたか!!」ピョコピョコ
エレン「軍曹!」
ケロロ「クルル曹長!至急壁の修復と侵入した巨人の排除をしなきゃであります!」
クルル『ちょうどやろうとしてたとことだぜぇ~時間を巻き戻せば万事解決だ』
ケロロ「おぉ!それは良かった!では頼むであります!」
クルル『ククッ…でもいいのかい隊長…時間を巻き戻すってことは隊長たちがこの星に来る前まで戻さなきゃいけないんだぜェ?』
エレン「え?ということは…」
クルル『ケロン星関係の痕跡も一緒に消す必要がある。もちろんお前たちの記憶も含まれるぜェ』
アルミン「それじゃあ…軍曹とフユキのことも忘れちゃうの?」
エレン「…」
冬樹「折角友達になれたのに…」
ケロロ「かまわないであります…クルル曹長、頼んだであります」
エレン「…軍曹?」
ケロロ「壁をはやく戻さないと、犠牲が増えるばかりでありますよ」
アルミン「うん…その通りだ…」
エレン「…」
ケロロ「…それに」
エレン「?」
ケロロ「我輩達はもう友達であります。エレン殿とアルミン殿が忘れても我輩と冬樹殿が覚えてるでありますよ」
エレン「…!そうだよな…」
アルミン「…うん!」
冬樹「そうだね…軍曹の言うとおりだ」
クルル『いいかい?もう準備はできてるぜぇ…』
ケロロ「頼むであります!
モア『3!』
エレン「軍曹、ガンプラ楽しかったぞ。また教えてくれよな」
ケロロ「ゲロゲロリ。もちろんであります!」
モア『2!』
冬樹「おかげですごく楽しかった。貴重な体験がたくさんできたよ」
アルミン「僕も、二人の話が聞けて良かった。本当にありがとう」
モア『1!』
エレン「それじゃあな」
アルミン「お元気で」
冬樹「二人もね」
ケロロ「また会おうであります!」
クルル『0…ポチッと!』
ケロン星本部
「ケロロ小隊、キルルの処理遂行完了した模様です!」
「そうか…本当にやり遂げるとは…」
「と、なると地球侵略は引き続きケロロ小隊に一任という形でよろしいでしょうか?」
「あぁ…そう伝えてくれ」
「はっ!失礼します!」ピョコピョコ
「…」
「…ケロロ軍曹…超☆隊長命令を使ったか…」
「…まったく…掴みどころのない男だ…」
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
地球
ケロロ「ふぅ~キルル退治したおかげで無事本部への得点稼ぎもできたし、一件落着であります!」
ケロロ「やっぱり我が家が一番でありますなぁ~」
ケロロ「…しかしあの立体機動装置という代物…なかなかのものでありましたなぁ…」
ケロロ「ゲ~ロゲロゲロリ…これは侵略に使えるであります!」
…………
エレン「アルミン、まだ起きてるのか」
アルミン「あ、ごめんエレン。もうじき寝るよ」
エレン「そんなところで何してんだ」
アルミン「星を見てたんだ」
エレン「星?」
アルミン「あの星の向こうには何があるんだろうって…そんなことを考えてたんだ」
エレン「…」
エレン「…オレも一緒に見てもいいか?」
アルミン「え…?」
エレン「…なんだよ」
アルミン「いや…珍しいなと思って」
エレン「…そうか?」
アルミン「…」
エレン「なぁ、アルミン」
アルミン「なに?」
エレン「この世界には、オレ達が想像できないようなものがたくさんあるんだろうな」
アルミン「…」
エレン「あの星にももしかしたら、オレ達みたいに暮らしてる生き物がいるのかもしれないな」
アルミン「…驚いた。僕もいま全く同じことを考えてたんだ」
エレン「本当か?」
アルミン「うん」
エレン「…」
アルミン「…」
エレン「…アルミン、いつか必ず、壁の向こうに行こうな」
アルミン「…うん!」
エレン「さ、もう寝ようぜ。明日は固定砲の訓練だ」
アルミン「そうだね。行こう、エレン」
ゲロッ
エレン「ん?」ピタ
アルミン「どうしたの?」
ゲロゲロッ ゲロッ
エレン「…いや、カエルが鳴いただけだ」タタッ
二☆二☆二☆二☆
二☆二☆二☆二☆
夏美「さーて、お掃除も終わったしお部屋でゆっくりしようかな…」
バタン
ケロロ「うぉぉぉ!赤毛の巨人!覚悟するであります!」ビューン
夏美「きゃ!?な、なに!?」
ケロロ「ケロン製立体機動装置を身に着けた我輩の機動力は通常の三倍!地球人など一匹残らず駆逐してやr」パシッ
夏美「…」ギリギリギリ
ケロロ「ゲ、ゲロォ!?」
夏美「…これは持論だけど、躾に一番効くのは痛みだと思うの…」ギリギリギリ
ケロロ「や、それはー…そのー…」ダラダラ
夏美「そんなことよりボケガエル?ここ何日、いなかった間の家事当番は誰だったかしら?」ギリギリギリ
ケロロ「え、へへ…」ダラダラダラダラ
夏美「…」
ケロロ(普通に考えれば簡単にわかる、こんなでけぇヤツには勝てねぇってことぐらい…)
ケロロ「キィィィヤァァァァァ!!!」
ナレーター「巨人より、キルルより、夏美ちゃんが一番怖いケロロ軍曹でありました」
終
このSSまとめへのコメント
夏美がリヴァイ兵長見たい。