真「一夜限りの」貴音「共同生活です」 (59)
P「そんなわけで、第6回ですか」
小鳥「そんなによく続いたもんですね~」
P「ほんとに、これが200人弱の事務所だったら、どうなることやら」
小鳥「絶対に途中で企画倒れになってましたよね」
P「ええ。某ラジオのSSを書いてる作者さんはすごいですよね」
小鳥「次回で1年を迎えるとか、この場をかりてお祝い申し上げます」
P「ぶっちゃけ、あれに絵をつけたら、マンガくらい作れそうなのに」
小鳥「まぁ、VIPの良SSをマンガとしてまとめた同人でもつくれば」
小鳥「それなりに売れそうな気がするんですが」
小鳥「実際はどうなんですかね~?」
小鳥「うーん……」
P「とりあえず、雑談は置いといて、本題を進めましょう」
小鳥「そうですね」
P「今回の組み合わせは……」
小鳥「お姫様っぽいコと、お姫様になりたいコの組み合わせですね」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398256114
~~~~ マンション ~~~~
真「そんなわけで、ボクが女の子らしくなるために」
真「今日は、貴音の生活を参考にしていきたいと思うんだ」
真「だから、今日は貴音の普段の一日を過ごすように生活していってほしいかな」
貴音「わかりました。真がそれでよろしければ、今日は私の思うように行動いたしましょう」
真「うん、よろしくね!」
~~~~ モニタールーム ~~~~
P「と、いうわけで」
小鳥「密着、貴音姫と真王子24時が始まるわけですね」
P「正確には、昼スタートですけどね」
小鳥「話の流れを聞いてると、ラーメン食べ歩きで終わったりしないんですかね~」アハハ
P「オフの日に、同人ショップをハシゴする音無さんとは違うと思いますよ?」ニヤリ
小鳥「な、なぜそれを……」タラリ
P「たまたま、やよいと仕事で近くを通る機会があったんですが」
P「ニヤニヤした音無さんを見つけてしまったんですよね」
P「やよいは気づいてませんでしたけど」
P「あの顔は、やよいに見せなくて良かったですよ」
小鳥「ま、マジっすか……」
P「どこに知り合いがいるかわからないんですから」
P「あまりみっともない事は止めましょうね」
小鳥「ふぁい」orz
~~~~ 某劇場 ~~~~
真「あれ、ラーメン屋に連れてこられるのかと思ってた」
貴音「ふふっ、確かに食べるのは好きですが」
貴音「わたしとて、食べてるばかりではないのですよ」
真「そうだよね!けど、なんで舞台?」
貴音「わたくしの趣味の一つだからですよ」
真「ええっ、そうなの!?」
貴音「はい、やはり知らなかったようですね」
真「うん、そういえば、貴音の事ってあんまり知らないかも」
貴音「わたくしも、自分の事を話すのはあまりしませんので」
貴音「仕方のないことだと思いますよ」
貴音「しかし、今日一日、共に生活することで」
貴音「理解してもらえることも、あると思います」ニコッ
真「う、うん……(さすが、銀色の王女。笑顔に吸い込まれそう)」
貴音「では、行きましょう」
真「チケット料金は……い、一万超えるんだ」タラリ
貴音「あ、今回はいただいているものがあるので」
貴音「お金の心配はしなくても大丈夫ですよ」
真「そうなんだ!って、結構高いチケットだけど、どうしたの?」
貴音「それは……」
貴音「とっぷしーくれっと、ですよ」フフッ
真(こういう、自分のことをペラペラと話さないのも)
真(貴音の魅力の一つなんだろうなぁ……)
貴音「さて、行きましょう」
~~~~ モニタールーム ~~~~
P「やっぱり、まずはここだったけど……」
P「ちょっと、貴音の選ぶものじゃなかった気がする」
小鳥「へぇ~っ、舞台ですか」
P「趣味と勉強を兼ねて、良く行ってるみたいなんですが」
P「もうちょっと、物静かな舞台を選んでいる気が……」
小鳥「そこは、貴音ちゃんなりの気遣いだと思いますよ」
P「やっぱり、そうですよね」ハハハ
小鳥「ええ、いきなり重い話とか、考える話だと」
小鳥「真ちゃん、寝ちゃいそうだし」アハハ
P「ですよね」ハハハ
小鳥「どんな表情で出てくるか、楽しみですね」
~~~~ 劇場前 ~~~~
真「あの役者さんの殺陣、すごかったね~!」キラキラ
貴音「あの殺陣を演じてたのは、女形でも有名だった俳優さんですよ」
真「へぇ~っ、なんだか全然イメージが違うよね」
真「あそこまでできるようになるなんて、よっぽど練習したんだろうなぁ」
貴音「私たちと一緒ですよ」
貴音「とっぷあいどるになる為に、日々のレッスンをかかさず行うことで」
貴音「素晴らしい演技が披露できるということです」
貴音「舞台を見ると、演技の勉強になりますので」
貴音「真も機会があれば、見ることを薦めます」
真「ちなみに、貴音はどんな人に注目してたの?」
貴音「今回の主役の方ですね」
真「あの歌劇団出身の?」
貴音「ええ。立ち振る舞いや存在感、どうすれば出せるのか」
貴音「女性らしい凛々しさを出すための所作はどうあるものか……」
貴音「画面越しで見るより、直接見る方が感じられるものが大きいですから」
真「やっぱり、見るところが全然違うね」アハハ
貴音「人が十人いれば、見かたは十通りありますから」フフッ
真「けど、話を聞いて思ったけど」
真「やっぱり、ボクは目が行く点が男っぽいのかな」
貴音「そんなことは無いと思いますよ?」
時期的に新感線かな
真「そうかな?」
貴音「慣れない環境だと、どうしても派手なものに目がいくものです」
貴音「今回の舞台では、確かにあの殺陣は評判がよかったですから」
貴音「一番印象に残るのも、当然だと思いますよ」
真「貴音はやさしいなぁ。フォローありがとう」
貴音「いえ」ニコッ
貴音「では、ちょっと早いですが、お待ちかねの食事に行きましょう」
~~~~ 料亭 ~~~~
真「……えっ?」タラリ
貴音「どうかしましたか?」キョトン
真「あれ、ラーメン二十郎じゃないの?」
貴音「確かに、あのすぅぷと麺は毎日食べても飽きませんが」
貴音「今回は、女性らしさに重きを置きたいようでしたので」
貴音「せっかくですから、こちらを夕食の場として考えました」
真「けど、すっごく高そうだよ? 正直、お金そんなに持ってきてないよ?」
貴音「お金の事は、心配不要ですよ」
真「そ、そうなの?」
貴音「ええ。心配事があるとせっかくの料理の味も落ちますから」
貴音「気にせず行きましょう」
~~~~~~~~~~~~~~~~
女将「四条様、お待ちしておりました」
女将「こちらへどうぞ」
貴音「ご無沙汰ですが、本日はお世話になります」ペコリ
女将「こちらこそ、本日はありがとうございます」
真「……」カチコチ
貴音「真、大丈夫ですか」
真「う、うん」
女将「では、こちらへどうぞ」
~~~~ 個室 ~~~~
女将「では、お飲み物を先に伺います」
貴音「わたくしは、ほうじ茶をお願い致します」
真「ぼ、ボク、いや、わたしも、お、同じものを」
女将「かしこまりました。では、ゆっくりとおくつろぎください」
カラカラ
真「なんだか、頭が混乱しすぎだよ」
貴音「ふふっ、気を楽にしてもらっていいのですよ」
真「だって、料亭なんて初めて入ったよ?」
真「リラックスするほうが難しいよ……」
貴音「人生、何事も経験ですよ」フフッ
貴音「それに、働いている人々の動きを気にしてみていると」
貴音「女性らしい動きや気遣いが見えてくると思います」
真「緊張して、そこまで気が回るかなぁ」
<シツレイイタシマス
貴音「どうぞ」
若女将「お飲み物とおしながきをお持ちいたしました」
スッ
貴音「ありがとうございます」
スッ
真「あ、ありがとうございまふっ、あっ」
若女将「お気になさらず」ニコッ
真「は、はいっ///」カァッ
若女将「では、失礼いたします」ペコリ
カラカラ
真「あんな気遣いと笑顔に」
真「男の人は惚れるんだろうなぁ……」
真「しかも、すっごい美人だし」
貴音「所作は仕方ありませんが」
貴音「見た目、と言う点では真も負けてはいないと思いますよ?」
真「そ、そうかな?」
貴音「ええ、普段の印象が男っぽくさせているだけであって」
貴音「髪形や服装を変えれば美人になると思いますし」
貴音「いつもは、雪歩と買い物には出るのですか?」
真「うん、けっこうオフが重なるときもあるからね」
貴音「でしたら、たまには違う人と動くことを勧めます」
貴音「年が近く、女の子らしいと言えば、春香……でしょうか」
真「確かに、春香はカジュアルな女の子って感じだし」
真「今度、オフが重なったときには、お願いしてみようかな」
貴音「ええ、それがいいでしょう」
<シツレイイタシマス
~~~~ モニタールーム ~~~~
P「こんな料亭、社長とブーブーエスの重役さんのお供でしか、行ったことありませんよ」
小鳥「やっぱり、貴音ちゃんってお嬢様なんですかね」
P「けど、1人暮らしって点以外は、さっぱり謎なんですよね」
小鳥「まぁ、謎が多いのも彼女の魅力の一つですから」
P「たしかに、けど、結婚とかどうするんでしょうね?」
小鳥「まったくイメージ付きませんね」
小鳥「けど、あのような立ち振る舞いを見てると」
小鳥「女性としての素養はありそうですから」
小鳥「いいお母さんにはなりそうですよね」
P「うちのアイドルは、だれが母親になってもいい母親ですよ」ハハハ
小鳥「たしかに」
P「まだまだ、先の話でしょうからそんなことは考えたくもないですけどね」
小鳥「どうしますか? やよいちゃんが16歳になったとたんに結婚する P「別れさせます、水瀬財閥の総力結集して」
小鳥「ひどっ」
~~~~ 料亭 ~~~~
若女将「本日、最後の料理になります、あわぜんざいです」
若女将「では、ごゆっくりお過ごしください」
カラカラ
真「やっぱり、貴音はすごいよね」
貴音「?」
真「こんな高そうな料亭でも、違和感なく過ごせるんだもの」
真「食べ方もすごい綺麗だし」
真「姿勢っていうか、雰囲気が女性って感じがするよ」
貴音「わたくしは、幼少のころからこのような環境でしたから」
真「ボクとは正反対だよね」
貴音「生まれる先は、決めることができません」
貴音「しかし、お互い10代ですから」
貴音「所作の勉強をはじめて遅すぎる事は無いと思います」
貴音「所作で言えば、雪歩もなかなかのものです」
貴音「お茶の席に呼ばれてみても、良いと思いますよ」
真「うん、今まで断ってきてたんだけど」
真「今度はお願いしてみるよ」
貴音「それがいいでしょう」
<シツレイイタシマス
貴音「どうぞ」
女将「四条様、本日はお越しいただき、ありがとうございます」
貴音「いえ、今日の料理、どれも美味だったと料理長にお伝えください」
女将「ありがとうございます」
真「あの、少しいいですか」
女将「はい、なんでしょう?」
真「女将さんや若女将さんの動きは、とても女性らしいと思うんですけど」
真「どうやって勉強されたんですか?」
女将「私は生まれてきたときから、このお店にいたのであまり意識はしませんでしたが」
女将「そういう面では、若女将の方が為になるかもしれません」
女将「今、お呼びしますので、少々お待ちいただけますか」
真「はいっ」
女将「では、四条様、菊地様、またのお越しをお待ちしております」
女将「失礼いたします」
カラカラ
真「急にあんなこと聞いて、ごめんね、貴音」
貴音「いえ、かまいませんよ」
貴音「今日は、真の為の場所ですから」ニコッ
真「ありがとう」
<シツレイイタシマス
貴音「どうぞ」
若女将「四条様、菊地様、本日はお越しいただきありがとうございます」
若女将「あの、菊地様の質問に答えてきなさいと言われてきたのですが」
真「はい、どうしたらそんな女性らしくなれるのかなぁと思って……」
若女将「実は……」
若女将「結婚してこの家に入るまでは、女性らしさとは縁のない人間でした」
真「えっ、そうなんですか!?」
若女将「ええ、女子高でしたが、同性からのファンレターやラブレターも貰いましたし」
若女将「ファンクラブもあったらしいです、女性の」フフッ
真「ぼ、ボクとおんなじだ!」
若女将「ええ、たまに見るテレビで菊地様の事は存じてましたが、」
若女将「自分の若い日を見ているようで、とても楽しませていただいております」フフッ
真「じゃあ、今の自分になる為に、努力もされたんですよね」
若女将「結婚するまでは、身体を動かすことに時間を割いてたんですが」
若女将「結婚して、家に入ってからは華道や茶道、習字に時間を割きましたね」
真「そうなんですか」
若女将「女性らしさを勉強するのに、遅い時期はありません」
若女将「今から始めていけば、成人をむかえたときには
若女将「きっと素敵な女性になっていますよ」ニコッ
真「ありがとうございます! 参考になりました」ペコッ
若女将「これからも、がんばってくださいね」
真「はいっ」
~~~~ 外 ~~~~
貴音「どうでしたか?」
真「うん、女性らしさがなんだか見えてきた気がするよ」
貴音「真のためになったようで、よかったです」
真「うん、ありがとう」
貴音「お腹の方に、余裕はありますか?」
真「うん、美味しかったけど、量は足りなかったかも」
貴音「では、もう少しおつきあいいただきましょうか」
真「え、今度はどこに行くの!?」
貴音「単純な私の欲を満たすためですよ」
真「まさか?」
~~~~ ラーメン二十郎 ~~~~
真「やっぱり!?」
貴音「ええ、わたくしのお腹が物足りないと叫んでおりまして」
貴音「思い返せば、今日はらぁめんを一度も食していません」
貴音「このままでは、わたくしの生命活動に支障をきたすと思い」
貴音「恥をしのんで、誘ってしまいました」
真「ラーメンで生命活動って」
真「しかも、恥をしのんだ割には、かなり早歩きできたよ!?」
貴音「細かいことを申しては、女性らしくなれませんよ?」
真「それ、逆だから!」
真「……」
真「けど、なんか最後にいつもの貴音を見れて安心したよ」
貴音「そうでしょうか?」
真「うん、なんだか、今日の貴音はいつもの貴音とちょっと違う雰囲気だったからさ」
貴音「女性たるもの、いくつもの顔を持つとより魅力的になりますよ」ニコッ
貴音「ただ、どちらもわたくしであることは間違いありません」
真「うん、どっちの貴音もとっても魅力的だと思うよ」
真「今日のお礼も兼ねて、ここはボクがだすよ」
貴音「ほ、本当ですかっ!?」
真「お、おかわりは2杯までにしてね」
貴音「ええ、今日はそれで十分ですよ」
貴音「では、戦場にいざゆかん!」
真(貴音って、ホントに不思議だよなぁ)
真(古風で落ち着いた雰囲気もあれば、かわいらしい面もあって)
真(きっと、これが貴音の魅力なんだろうなぁ)
~~~~ モニタールーム ~~~~
P「最後の最後に、いつもの貴音らしさが出ましたね」
小鳥「ラーメン食べてる貴音ちゃんを見てると、安心しますね」
P「ええ、料亭での貴音は、女性らしい感じでしたが」
P「親しみやすさと言う点では、今の貴音でしょうね」
小鳥「しかし、あの量、いつ見てもすごいですね」
P「あれをあっさり平らげますからね」
P「あの食欲に、何度泣かされたことか……」
P「けど、食べ終わった後のあの笑顔を見ると」
P「金払った甲斐あったかもって、思っちゃうんですよね」
小鳥「ある意味、魔性の女ですね」
P「確かに」
小鳥「そして、それを横目に同じ量を食べる真ちゃん」
P「アイドルが並んで食べて良い量じゃないですよね」
小鳥「まぁ、真ちゃんも食欲はある方ですから、貴音ちゃんに合わせたんでしょう」
P「そうあってほしいんですが」
~~~~ ラーメン二十郎 ~~~~
真「貴音のラーメンを食べる早さは、異常だよね」
貴音「早く食べなくては、麺の味がぼやけてしまいますから」
真「ちなみにさ、ラーメンって週にどれくらい食べてるの?」
貴音「どうでしょう……」
貴音「あまり意識したことはありませんが」
貴音「三食らぁめんでも良いとは思っています」
真「さすが、ラーメンコーナーを持つだけあるよね」
貴音「らぁめんには、店の数だけ夢があり、メニューの数だけ幸せがあります」
貴音「そんならぁめんと出会えたことが、人生最大の幸せでしょう」
真「そんな、大げさな……」アハハ
貴音「さぁ、ろっとを乱さないように、早く食しましょう」
真「う、うん」
~~~~ マンション ~~~~
真「ただいまーって、だれもいないんだった」ハハハ
真「ふーっ、さすがに、お腹一杯だよ~」
貴音「ええ、わたくしも満足致しました」
真「しかし、あれだけ食べてもほとんどスタイルの変わらない貴音の身体って」
真「けっこう凄いよね」
貴音「春香からも言われました」
真「たしかに、春香は体重管理にけっこう苦労してるみたいだしね」
真「さーってと」
真「もういい時間だし、お風呂沸かして寝ちゃおうよ」
貴音「ええ、そうしましょう」
真「一緒に入ってもいい?」
貴音「ええ、かまいませんよ?」
~~~~ バスルーム ~~~~
真「けっこう広いバスルームだね」
貴音「ええ、二人で入っても、苦労はしなさそうですね」
真「それにしても」ゴクッ
貴音「どうしました?」
真「ボクから見ても、貴音の裸ってきれいだなぁと思って……」
貴音「そうでしょうか?」
貴音「それを言えば、真の身体は、とても健康的に見えますよ」
真「なんだか、貴音から褒められると、自信がわくよ」ヘヘッ
貴音「真には真の魅力があります」
貴音「良いところを取り入れるのは、非常に良いことですが」
貴音「自分を見失っては、いけませんよ?」
真「うん、わかってるよ」
真「今日は色々と、ボクの為に考えて動いてくれてありがとう」
貴音「ばれてましたか」フフッ
真「うん、舞台も料亭も、行くんだろうけど」
真「より、ボクの目的に合いそうなプランを考えてくれたんでしょ?」
貴音「表には出さないようにしてたつもりですが、わたくしもまだまだですね」ニコッ
真「女の子らしくなりたいって思う心で、見た目ばかり気にしてたけど」
真「振る舞いや気づかいなんかも、もっと考えてみるよ」
貴音「ええ、わたくしで教えられることがあれば、聞いてください」
真「うん、ありがとう!」
~~~~ モニタールーム ~~~~
P「貴音って、できるコですね~」
小鳥「年上の私が言うのもあれですが、あの年で大人の女性のオーラをもってますよね」
P「真と一つしか違わないんですけどね」
小鳥「育ってきた環境が、そうさせてきたんでしょうね」
P「過去の事は、ほとんど話したがりませんがね」
小鳥「プロデューサーさんが、貴音ちゃんと結婚すれば」
小鳥「色々とわかるかもしれませんよ?」
P「いやいや、自分に貴音はもったいないでしょ」
真も食べる割にはかなり細身のような……
小鳥「貴音ちゃんの未来って、想像できませんよね」
P「まぁ、トップアイドルになった先はイメージできませんが」
P「どんな貴音であれ、色々と力になってやることは」
P「これから先変わりませんよ」
小鳥「さすが! プロデューサーの鏡っ!」
P「ありがとうございますって、出てきましたね」
小鳥「貴音ちゃん、浴衣ですね~」
P「いいもの見れましたね」
小鳥「あの白い肌、これから真王子とのくんずほぐれつが……」
P「起きた時の為に、オート録画モードで、そろそろ帰りましょう」
P(まぁ、あり得ないでしょうけど)
小鳥「ぐふふ、ぴよよよよ」
P「ほら、腐鳥さん帰りますよ」
~~~~ マンション ~~~~
真「貴音って、浴衣で寝るんだね~」
貴音「わたくしの故郷では、これが寝巻ですよ?」
真「なんだか、色っぽさが強調されるね」
貴音「ふふっ、ありがとうございます」
貴音「では、そろそろ電気を消しましょうか」
真「うん」
カチッ
貴音「おやすみなさいませ」
真「おやすみ、貴音」
~~~~~~~~~~~~~~~
貴音「……」パチッ
スタスタ
カチャッパタン
真「……?」
~~~~ 居間 ~~~~
貴音(こういった時間でも人が近くにいると、とても安らいだ気持ちになりますね)
貴音(気の許せる仲間だと、なおさら強く思います)
貴音(故郷の皆もゆっくりと休めているのでしょうか)
貴音(わたくしは、皆が喜ぶようにできているのでしょうか)
貴音(いつか、帰ったときに……)
真「たか……ね?」
貴音「起こしてしまいましたか?」
真「気にしなくていいよ」
真「けど、こんな時間にどうしたの?」
貴音「月を見ていました」
真「月?」
貴音「ええ、月はどこへ行っても眺めることができます」
貴音「月を眺めていると、故郷の事を思い出すのです」
貴音「故郷の皆と同じ月を眺めていると思えば、寂しさも和らぐものだ……と」
真「もし、寂しいと思う時があれば、いつでも呼んでよ」
貴音「真?」
真「だってさ、ボクたちは仲間でしょ?」
真「ボクだけじゃない、事務所のみんなだって」
真「貴音が寂しいと思うなら、力になりたいって」
真「きっと思ってくれるから」
真「寂しい時は、いつだって頼ってほしいな」ニコッ
貴音「ふふっ、ありがとうございます」
貴音「では、ひとつお願いがあります」
真「何かな?」
貴音「枕を並べて寝てもらえませんか」
真「うん、って、ええっ!?」
貴音「人が寝る時までいるのは珍しいので」
貴音「嫌でなければ、お願いします」
真「うん、わかったよ」ドキドキ
~~~~ 寝室 ~~~~
真「じゃ、改めておやすみ」
貴音「ええ、おやすみなさい」
貴音「……」スースー
真(も、もう寝ちゃった?)
真(貴音の寝顔、可愛いなぁ……って)
真(ボクは女の子だから、そっちの趣味は無いぞっ)
貴音「……」グスッ
真(泣いてる?怖い夢でも見てるのかな?)
真(手、握っててあげようかな)ギュッ
貴音「……」グスッ
貴音「……」スースー
真(あ、泣きやんだ)
真(けど、一人で縁遠い土地で生活してるんだもん)
真(寂しくもなるよね……)
真(あんまり踏み込まれるのは嫌だろうけど)
真(踏み込める範囲で、貴音の力にはなってあげたいな)
真(今日は一日ありがとう、貴音)
~~~~ 翌朝 事務所 ~~~~
真「おはようございまーす!」
貴音「おはようございます」
雪歩「おはよう真ちゃん、四条さん」
真「おはよう、雪歩! そういえば、お願いがあるんだけど」
雪歩「なにかなぁ?」
真「これからは、ボクもお茶会にお邪魔させてよ」
雪歩「う、うん! いいよっ」
雪歩「真ちゃんにぴったりの袴があるからっ」
雪歩「こ、今度のオフはいつかなぁ」ハァハァ
真「雪歩、お、落ち着いて」
美希「貴音は、昨日はどうだったの?」
貴音「ええ、年上の威厳を見せられたと思ってましたが」
貴音「最後の最後に真に甘えさせてもらいました」
雪歩「はうっ!?」
雪歩「真ちゃんと四条さんが……」
雪歩「その場を…見た……かったですぅ」バタン
真美「た、大変、ゆきぴょんが鼻血出して、良い笑顔で倒れた~」バタバタ
美希「真クン、貴音とそんな関係だったなんて」ガーン
真「そんな、怪しい関係じゃないよっ」
貴音「昨日、やさしくしてくれるって言ったのは、嘘だったのですか?」グスッ
あずさ「あらあら、私は応援するわよ~」
真「貴音もあずささんも乗っからないでください」アセッ
P「おはよう、真、貴音」
P「朝から元気だなぁ」
真「あ、おはよう! プロデューサー」
貴音「おはようございます、あなた様」
P「どうだった、銀色の王女との一日は?」
真「うん、女の子らしくなるの本当の意味がわかった気がするよ」
真「今に、まっこまっこりーんが無くても、女の子らしくなったって言われるように」
真「楽しみにしててよ」
P「そうか、期待してるよ」
P(まぁ、まっこまっこりーんは、真の女の子らしさに今でも関係ないけどな)
P「貴音はどうだった」
貴音「そうですね……」
貴音「やはり、仲間と言うものは良いものです」
貴音「765プロに来て、自身が弱くなったのかと思ってましたが」
貴音「この、仲間の中では、それも悪くないと思いました」
P「アイドルだけじゃなくて、おれも頼ってくれよ?」
P「プロデューサーなんだからさ」
貴音「では、あなた様……」
貴音「私と結婚してくれますか?」
春香「!!」ガタッ
千早「!!」ガタッ
あずさ「!!」ガタッ
美希「!!」ガタッ
響「!!」ガタッ
真美「!!」ガタッ
伊織「!!」ガタッ
律子「!!」ガタッ
真「!!」ガタッ
雪歩「!!」ガタッ
小鳥「!!」ガタッ
やよい「?」ホェ
亜美「!?」フエー
P「そ、それはダメだ」
貴音「ふふっ、冗談ですよ」
P「まったく、ドキッとさせること言わないでくれよ」
貴音「今は、ですけどね」ボソッ
小鳥「さて、残りは響ちゃん1人ですか」
小鳥「どんな企画になるんですかね」
小鳥「最終回、きっちりと締めてほしいものです」
小鳥「って、おや? 響ちゃんの予定が?」
小鳥「とりあえず、また次回会いましょう」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません