男「魁!辱めバトル塾!!」(57)
ここは敵を辱め屈服させ勝利を得る
そんな技を磨く塾である!!
男「厳しい修行を積んだこの塾からも、この最終試練さえ突破すれば卒業なんだな」
女「ええ…」
男「だが、ここでまさかお前と向き合う事になるとは予想しなかったぜ」
女「…そうかしら、私は分かっていた気がする」
男「ほう…?」
女「貴方はこの塾の門下生の中で、抜きん出た存在だったから」
男「そうか…お前も俺を、そう評してくれていたとはな」
女「お前『も』…?」
男「皆までは言うまいよ、俺は全力をもって女…お前を倒す」
女「…そうね、続きは床に這いつくばった貴方の口から聞くのも、悪くはないわ」
師匠「二人とも、心の準備は良いか」
男「はい」
女「…いつでも」
師匠「良い目だ…貴様らを育てた甲斐があったというものだ」
女「勿体無きお言葉です、師匠…しかし」
男「その言葉の続きは、この戦いの勝者にこそ与えられるべきもの」
師匠「…そうであったな。この勝負、勝ち残った方を免許皆伝とし、当塾を卒業したものと認める」
師匠「片方には求めるのもこれが最後になる。当塾の誓い、述べてみよ」
男「『辱める』とは身体を蹂躙する事にあらず!」
女「『辱める』とは相手の心に傷を残す事にあらず!」
男「『見栄』・『理性』・『打算』を奪い!」
女「相手のその意思により、望んで行為を『懇願』させる!」
男&女「『乞わせる』事、すなわち『辱める』事なり!」
師匠「その通りだ…ワシはこの数年間、貴様らにその技を教え込んできた」
師匠「すなわち、女性を辱めるとは『お願い!挿れて、なんでもするからぁっ!』と言わせる事…」
師匠「男性を辱めるとは『先っぽだけ!先っぽだけでもイケるから!』と言わせる事だ」
師匠「それを成す事により、その後の二人の主従関係は明確なものとなる」
師匠「そしてそれは、愛撫などの前戯を経ての事ではならない」
師匠「前戯を始めた時点で、既にその行為は相互のものとなってしまうからだ」
師匠「あくまで一方的に相手自身の性欲に屈させ、『もう我慢できないっ!』状態にして初めて『辱めた』と言える」
師匠「そのためには守るべき点は三つ──」
男「触れるなかれ!」
女「露骨な隠語を口にするなかれ!」
師匠「──そうだ、触れてしまっては前戯と変わらぬ。露骨な隠語など発した時点で己の性欲を晒したのと同義」
師匠「…して、三つ目は?」
男「相手を…」
女「…急かすなかれ」
師匠「その通り…あくまで自身は『別に今夜しなくてもいいけど?』というスタンスを貫かねばならん!」
師匠「さあ、我が誇るべき弟子達よ……イこうか」
男「はっ…!」
女「…勝負」
男妹「とうとう始まるんですね…」
男友「ああ…どっちが勝つか、予想もつかない」
女姉「予想など意味をなさないわ……見届けるのよ、私達が」
後輩「男先輩…勝って…!」
女友「しっ…静かに」
師匠「最終試練、一本勝負…はじめっ!」
女「…容赦はしないわ」ファサッ…
男「なにっ…!」
男友「女さんが道着を脱いだ…!?局部を見せたら反則負けのはずっ!」
女姉「よく見なさい!」
後輩「道着の下に高校の夏服ブラウス…!」
男「くっ…露骨にノーブラじゃなく、透けやすい白地にピンクの刺繍入りブラか…」
女友「そう…そうきたのね……男君はウチの高校の夏服に透けるブラ線が大好物だったわ」
女姉「我が妹ながら、恐ろしい娘…っ」ブルッ…
男友「しかも女さん、下の紺色のスカートは履いてない…!」
男妹「ブラとコーディネートしつつも刺繍の無い白パンツ…あれはお兄ちゃんのストライクど真ん中のはずです…っ」ギリッ
女姉「いいえ、あれはパンツじゃない」
後輩「えっ…?」
女友「ああ…あれはパンツ状に巻いた…トイレットペーパーッ…!?」
女姉「これが最終試練…この方式で行うというの…」
男友「知っているのか!?女姉…!」
女姉「ええ…聞いた事がある──」
【我慢汁貞操帯】
──古来、辱めあう二人の勝敗を決するために用いられた秘法。
どんなに誘惑を受けても決して『ヤリたい』と言わない猛者の争いに決着をつけるための手段。
それぞれの陰部に水溶性の紙を巻き、先に分泌液によって濡れ、破れ、局部を露出してしまった方の負けとなる。
つまり相手を濡らした者勝ちという勝敗の明確な対決方法である──
民明書房刊『辱悦死合大全』より
男友「じゃあ、男もトイレットペーパーを…!?」
女姉「見て、脱ぐわ…!」ゴクリ…
男「…フッ、俺は逃げも隠れも隠しもせん…!」バサァッ
女「なっ…!?」
後輩「局部にペーパーだけ…!?」
女友「なんて事…!道着の下は薄紙一枚だったなんて…!」ジュルリ
男妹「すごい…数年前に一緒にお風呂に入った時とは全然違います…あれが…大人になったお兄…ちゃん…」…ペタンッ
女姉「男妹ちゃん、目を逸らしちゃだめ。彼はまだ本当の大人じゃないわ…そう、童貞だもの」
女姉「さあ…それぞれがどんな体勢をとるか、すでに駆け引きは始まっているわ」
後輩(すごい緊張感…見てる方の乳首が勃っちゃいそう…)
男「…動かないなら、こっちからイカせてもらうぞっ!」バッ…
男友「なっ…!?たったあれだけの動作でいいのか…?あれじゃ棒立ちだ!」
男妹「いいえ」
女友「あれを棒立ちだなんて表現してるから、貴方は早漏なのよ」
女姉「そう…あれは仁王立ち、不動たる煩悩の現れ…全く隙が無いわ」
男妹「…それだけじゃありません」ボソッ
後輩「どういう事…男妹ちゃん?」
男妹「お兄ちゃんは腕を組み、少し後ろに仰け反って仁王立ちしています。…普段のお兄ちゃんの得物の勃ち具合はおよそ上方50度、でもあの体勢をとる事により──」
女姉「──その角度は70度を超えてる」
女友「つまり先走った我慢汁は限りなく零れ落ちにくい…!」
男友「なんて…奴だ…」ガクッ
女「…さすがね」
男「お前相手に小細工など通じまいからな」
女「でも、貴方が持つ策なら──」フワッ
女友「座った…!?」
女姉(思い切ったわね…)
女「──私にも、あるわ」スゥッ…
男(M字開脚…だと…!?)
後輩「でも、ああして開いちゃったら分泌液が溢れやすくなってしまうんじゃ…」
女姉「いいのよ、あれで」
男友「どういう事だ、女姉」
女姉「どれだけ蜜を溢れさせようと、勝敗を決するのは『局部を隠す』ペーパーが破れた時…」
女友「わかった…あの体勢なら、溢れた分泌液はお尻の方へ伝っていくわ!」
男妹「くっ…そして見た目にもお兄ちゃんの煩悩を激しく刺激する…!まさに攻守ともに優れた構えです!」
師匠(互いがとった体勢はどちらも完璧に近い…あとはそれを活かしきれるか)
男「…女」
女(何か…くるっ──!)ゾクッ
男「──しゃぶれよ」ドンッ!
女姉「なんて…ストレート!味利きは必要無いというの…」
男友「でも、あれは露骨な発言にはならないのか!?」
男妹「お兄ちゃんは決してしゃぶる『対象』を口にしてはいません。言葉をどう捉えようと、それは相手の勝手な解釈です」
女友「そんなの…想像するなって方が無理だよ…!」
女「うっ…あぁ…っ」ゴクッ
女(いけない…!あんなに男らしく言われたら、イメージしてしまうっ…!)
女(…だめ…考えちゃ……咥え…こんで……舌をつけて…上下…に…息苦しいほど…頬張って…)クラッ…
師匠(なんと…仁王立ちの男らしさを最大限に活かした初撃を繰り出しおった)
後輩「だめだ…私なら今のでもう喜んで咥えてる…」
男友「無理もねえ…俺ですら危ういぜ」ヒューゥ
女姉(さあ、女…貴女はどう返すの)
女「……」ウルッ
男(上目遣い…!)
女「このポーズ…頑張ったのに──」ボソッ
男「……?」
女「──見てもくれないの…?」グスッ
男「…ぐっ……!」キュンッ
男友「なんて恥じらい…!『恥ずかしいけど頑張った』を存分にアピールしてやがるっ…!くそっ、襲いかかりてえっ!」
男妹「でも、あれは相手を急かしてるんじゃ…!?」
女姉「いいえ…あの台詞は例えば、新しい服を彼氏に見せる時でも普通に使えるものよ」
後輩「そう考えれば全く露骨でも急かしてもない、ただの萌え台詞…すごい!」
俺のたてにげスレからなんか始まってた
いいぞ頑張れ
師匠(…見事だ。男のストレートな攻撃に対し、それがさも酷い事だったかのような錯覚を感じさせる切り返し)
師匠(今、男は己の『しゃぶれよ』という強引な台詞に罪悪感を抱いているだろう)
師匠(そして彼の目に『可哀想』な女は、更に可憐に──)
男「うっ…くぅっ…!」ヒクッ
男(だめだ…あの潤んだ瞳を見ちゃいけない!くそっ…)
師匠(──壊したい、穢してしまいたいほどに無垢な少女として映っているはずだ)
女「…男…ぉ…」グスンッ
男(めちゃくちゃに乱してやりてぇ…!)
男「があああぁあぁぁっ!」ギュウッ!
男友「あいつ…!陰毛を引っ張って堪えやがった…!」
師匠(そうだ、男よ…まるでズボンのジッパーに毛を挟んで引っ張ったかのような痛み!)
師匠(その玉ヒュン級の刺激なら、真顔に戻れるはずだ…!)
男「はぁっ…はぁっ…」
女「…よく耐えたわ」
男「まだまだ…イベントはこれからだろ」
女「強がるのね、痛みを与えてなおそそり勃たせたままで」
男「なあ、女…これは下ネタかもしれないけどよ」
女「……?」
男「さっき俺が自分に与えた痛みは、ズボンの構造上起こりうる悲劇に似せたものだ」
女「何を言う気?」
男「だが、そういった偶然の産物はなにも痛みを伴う悲劇ばかりじゃない」
女姉(違う…これはただの雑談じゃない、彼の攻撃だわ)
男「例えばよ…夏場、家で下着もつけずにTシャツ一枚でいる時。暑さにシャツの胸元を掴んでパタパタ換気する事とか…あるよな?」
女「…ええ、男女問わずね」
男「その時、シャツの布地が先っぽに擦れて、気持ち良くなる事とか…無いか?」ニヤッ
女「!!」
男「男性にはあまり無いんだよ…そもそも擦れないし、感度も女性ほどじゃない」
女友「上手い…!日常に潜む予想外のエロ、誰にでも経験のある『ちょっとHな思い出』を引きずり出そうとしてる!」
後輩「しかもそのシチュエーションは、家に誰もいない時なら『あ、このままオナッちゃおうかな』って流れになるパターン……条件反射的に濡れてしまいかねない」
男妹(おかしい…私の胸はシャツに擦れた事なんかない…)ペターン
男「別に露骨に卑猥な事を言ってるつもりじゃないんだ……でも男女問わず、そういう些細な下ネタって盛り上がるだろ?」
女「うっ…!」モジモジッ
女(やばい…言われた通りのシチュエーションももちろんだけど)
『マッサージクッションの揉み玉って、当ててたらどうなんだろう』
『携帯のバイブって、気持ちいいのかな』
『あれ、ガタガタ道で自転車のサドルが…なんか…擦れて──』
女(連鎖的に…日常のエロシチュが再生されて…!)
女「あぅ…う……」ジワッ…
男(効いてる…!)ニヤリ
女(そうだ…お姉ちゃん…)チラッ
女姉(こっちをチラ見した…!)
女「…ふふっ……あはははっ!そうね、そんな事もあるかもね…!やだぁ、男ったらエッチなんだから──!」
男「…なにっ」
師匠(肉親の顔を見て我を取り戻したか…そういうシチュエーションの際、隣室に肉親がいるというのは冷めるものだからな)
女「そういう男はどうなの…?」クスッ
男「!?」
女「やっぱり、男の人にとっても…日常でヤラシイ事に遭遇する場合って、あるんでしょ…?」
女姉(反撃…!さっきの男の攻撃は、多少なりとも男性の煩悩をも刺激した。独りで情事に耽る女の姿を、連想せずにはいられなかったはず。女はその隙を逃さない…!)
女「満員電車で隣の娘と密着して、思いがけず下半身に柔らかさを感じちゃったり…?」
男「うっ…」
女「スーパー銭湯の泡風呂で、焦れったい刺激に気付いてみたり」
男友「あれは意識すればするほど、浴槽から出られない状態になる…!」
女「それとも…やっぱり──」スッ…
男「よ…よせっ!」
女「──座った女の子のパンツが見えちゃったり…?」グイッ
後輩「逆にブラウスでパンツ…いや、ペーパーを隠した…!?」
男友「スカートを履かず、ブラウスを無理に伸ばしそれでも隠し切れてないパンツ…!あの見た目はヤバイぜ…!」
男「うぐっ…!」ピクン
──ジワッ…
男友「男を包むペーパーの先端部分が…!」
後輩「……濡れた…」
男(くそっ…!カウンターだ、攻めなきゃ…!)
女(させないっ…!)
男「そ、そりゃ見えたら嬉し…」
女「何色が?」
男妹(容赦ない…!お願い、お兄ちゃんを休ませてあげてっ!)
女「男は何色が好きなの?どんなデザイン?」
男「…くっ……」ハァハァ
女「ふーん、答えないんだ…もしかして思い浮かべちゃってる?」
女「答えなくても、考えちゃうよね。やっぱり男の人って白が好きなのかな?」
男「どう…だろう…な…」
女「ピンク?水色?大人っぽく黒とか、紫?」
男友「あんなの、ただ色を想像するだけで済むわけがない…どうしたって履いたとこをイメージしちまうっ」
女姉「今、男の視界に見え隠れする女のパンツ…もといペーパーは、その脳裏で着せ替えエロアプリ状態になってるはずよ」
男妹(大丈夫…確かにお兄ちゃんは白や水色みたいなパステルカラー系が好きだけど、最も好むものは今列挙された中には──)
女「──あはっ、もしかして『縞パン』かな…?」
男「うわあぁあぁぁっ!」ビクゥッ!
男妹「お…お兄ちゃんっ!」
女「そっかぁ…縞々のパンツが好きなんだあ…」
男「ちが…うっ…!」ジワァ…
女「私、持ってるよ?男の好きそうな縞々のパンツ」ニコッ
男(なん…だと…っ!?)ドクンッ
後輩「あの無邪気な微笑み…!好きなパンツを訊いておいて、それを自分が所持してる…さもすれば露骨な誘惑とさえ捉えられる発言をしておきながらっ!」
女姉「これで男が理性を崩壊させて行為に及んだとしても、女は『そんなつもりじゃなかった』って言うんでしょうね」
女友「それじゃ完全に男君の先走りになっちゃう…。なんて恐ろしい…」
男(やばい…今、僅かに前立腺がヒクついた…!このままじゃ、やられる…)
女「どうしたの…息が荒いよ…?」クスクス
男「女物のパンツって…布地が少ないよな」
女「……そうね…?」
男友「なんだ…?ただの苦し紛れの話題逸らしか…?」
男妹「お兄ちゃんに限ってそんな事ありません…っ」
男「男物は、あれじゃ足りない」
女「!!」
男「…収まりきらないからな」
師匠(大きさアピールか…!しかし、それは諸刃の剣だぞ…男よ!)
女姉(これは男の失策…その点について見栄を張ったら、女性は冷めてしまうわ)
女「あはっ、そこまで大きいとは思えないけど──?」
男「──ナニがだ?」
師匠(なんと…フェイントをかけたかっ!)
女「えっ…!?な、ナニが…って…!」ドキッ
男「俺はナニが収まりきらないとも言ってないぜ?…女、ナニを想像したんだ?」ニヤ…
男妹(これは失策に見せかけて女さんを油断させた罠…!女さんは今、自分がした卑猥な解釈に対する羞恥心に襲われているはず!)
女姉「見せかけでない本当の恥じらいは、時に性的興奮を増幅するわ…」
女「わ、私は…ナニもっ!」
男「ははっ…悪い、意地悪したな。ただの下ネタ話だ、許せよ」
女「もう…からかわないでよ」ホッ…
男友「えっ…なんで男はあそこで手を緩めたんだ…?」
男妹「決まってます──」
男「…で、そのご想像通りの『ナニ』なんだけどさ」ニヤリ
女「……っ…!!」ドキッ
男妹「──二度目の、前よりも強い恥じらいの衝動を与えるためですよ」
男「男物にも、色んなタイプのパンツがあるよな?ボクサー、ブリーフ、そして俺は…」
女(知ってる…だって貴方、いつもこの塾で…私の目の前で普通に着替えてたもの。貴方は──)ドキドキ…
男「──トランクス派なんだよ」
女(解ってる…そして私はいつもそれを見て思ってた…)
男「女の人ってトランクスが不思議なんだってな?…あんなホールド性の無い下着の中で、普段はいったいどうなってるのか。落ち着かないんじゃないか…って」
女「や…やめ…て…っ」フルフルフル
男「その落ち着かなさがいいんだわ、開放感があってさ…!『自由に動ける』方が気持ちいいんだよ、俺は!」
女「自由…動け…る…」ドクンッ
女姉(女は今、完全に想像してる…!普段の柔らかい状態のモノがトランクスの中で揺れ動く様を、そして目の前のそそり勃つモノが三角テントを張る様を!)
女友「まずいわ…静止画ならともかく、揺れ動く男性器の動画を脳内再生して、変な気持ちにならないわけがないっ」
女「ああ…ぁ…あ…」ピクンッ
男友「あっ…!」
男妹「女さんの紙のパンツが…!」
女「…はぁっ…はぁっ」…ジワァッ
後輩「お尻の方から湿り気が昇ってゆくっ」
女友「毛細管現象…」
女姉(女…貴女、とっくに濡れてたのね…)
男(いける…このまま押し切って──)
女「──ねえ…男、知ってる?」
男(くっ…不覚!タイミングを逸したか…!)
女「女の人も、動かせるのよ…?」
男「なに…っ!?」
男「う…!嘘だっ!動かせるモノなんて──」
女「──あら、どんなモノを想像したの?」クスッ
男妹「策を返された!」
男友「男妹ちゃん、大丈夫だ。男は焦ったフリをしただけだよ」
男妹「えっ…?」
男「……どんなって言われても、女の人にはモノが無いだろ…?」ニヤッ
女「!!」
男友「世の男性は常にエロい事を考えてる……それを指摘されたところで、あいつはビビッたりしないよ」
男妹「お兄ちゃん…!」
女「……そうね、確かに貴方の言うモノは、女性には無い」
男「じゃあ、さっきのはハッタリ──」
女「──外見上はね」
男「何…っ!」
女姉「いいわ、一度はやり過ごした気になった男が動揺してる」
女友「女ちゃん…がんばって…」
女「動かせるのは『中』よ」
男「中が…動くだと…」
女「ふふっ…どこを想像した?…って、これは効かないんだったわね」
男(くそっ…本当の事なのか…!?童貞の俺には興味津々だ…!)
女「ねえ…男って、虫は嫌い?」
男「虫…?別に…なんとも」
女「そう、よかった」クスッ
後輩「急に虫の話なんて…どうして」
女姉「まさか…!女、それはギリギリよ…!」
女「みんなじゃないけど、女の人の『中』には『ミミズ』が千匹いる事があるの」
男「……!!」ヒクンッ
女「その空間が動いて……いいえ、蠢いて絡みつくんだよ…?」
男(ミミズ千匹…!聞いた事はあったが…まさか──)
女「もちろん形状を例えた比喩だけどね?…指で確認しただけだけど、私には『それ』があるの…!」
男(──実在するっていうのか…!)ドクンッ
男妹「師匠っ!今の表現はあまりに露骨です!女さんは自らの『器』を餌に、直接的な表現をしているのでは…!?」
師匠「……ふむ…」
女姉(だからギリギリだと言ったのよ…!)
女(……反則を取られれば、私の負け…)
男(確かに…あまりにもダメージが大きい、挿れた感触まで想像しちまうっ)
女友「師匠……」
師匠「…よい、女が口にしたのはあくまで『ミミズ』という単語のみ。双方共に下ネタ雑談を繰り返した、その流れが盛り上がっているに過ぎん!」
男「!!」
女(もらった…!)
師匠「しかしまさか女が、かの名器『ミミズ千匹』の持ち主じゃったとはな…うっふぅ…」ピクンッ
女「でもね、男…それは自在に蠢くというわけじゃないの」
男「…はぁ…はぁ…っ」ビクッ
女「そう聞いたら、ちょっと残念でしょ…?」
後輩「…なぜ、ハッタリでも『自在に動かせる』と言った方がインパクトは強いのに」
男妹「嘘をつきたくない…この真剣勝負で、女さんは虚構を演じたりしたくないんです」
女友「女ちゃん…」
女(そう…それもある……でも)
女「その蠢きは言わば──」
男「……?」
女「──意思とは無関係、本能なの」
男「ぐっ…!」ビクビクッ
聞いたことがある……
ミミズ千匹……………
江戸時代、吉原遊郭で最高花魁と謳われたお鶴…彼女の蜜壺は
どんな屈強な男も一寸で絶頂に導いた…
それはまるで千匹のミミズが蠢いているようだった
という…現代でも極一部の女性にのみ確認されている
民明書房刊『「喰うか喰われるか!!世界蜜壺事情』より
女姉「…男の反応が増した!」
男友「あれは相当な効き目だぜ…」
女友「どういう事なの?」
男友「意思とは無関係、つまりその蠢きは予測不可能……しかも男性も女性も、自ら『そうしたい』と思ってるわけじゃないのに、勝手に蠢くって事だ」
女姉「なるほど…『悔しいのに感じちゃう』に近いエロティシズムがあるというわけね」
男妹「お兄ちゃんの大好きなシチュエーションです…!」
女「その無数のミミズを模したかのような『中』は、まるで触手のように相手を絡め取るの。這い回るように、締めつけるように…!」
男(くぅっ…!なんて気持ちよさそうなんだ!)ビクッビクッ…ドロォ…
>>36
補足サンクス、誰もいないっぽいけど勢いで書くぜ
女「時にその蠢きは規則的になる事もあるの、螺旋状に…絞り上げるみたいに」
男「絞り上げる…うぅ…」ガクガク
女「理容室の前にある、トリコロール配色の看板…解るよね?あんな風に、相手の周りを永遠に舐め上げながら…!」
後輩「怒涛の攻め…男先輩は耐えられるの…?」
男友「あ…俺、今ちょっとイッたわ」
女(男…貴方の好みは知ってる。本当は好きなパンツのタイプも、色も、そして『身体が勝手に動いちゃう』系のシチュエーションが好きな事も…)
男「ああ…あ…ぁ…」ドクンドクンッ
女(…なぜなら、私は貴方の事が──)
女姉(…男が、動く!)
男「──うっ、はぁ…はぁ…ダメだろ…千匹じゃ…!」ビクンッビクンッ
女「…なにがダメなの」
男「考えてもみろよ…その空間ってのは、細身なコップほどしかないはずだろ」ハァ…ハァ…
女「狭い方がいいはずよ」
男「そりゃそうさ…だけどその中、ましてや側壁だけに千ものミミズがいるって事は、それは糸ミミズに近いほど細くなきゃあり得ない」
女友「どういう事…?多い方がいいの…それとも少ない方が…?」
女姉「何を言おうとしてるのか、私にさえ解らない……その器を詳細に想像する事は男の煩悩にも強く訴えかける行為のはず。これは半ば捨て身の攻撃だわ」
男妹「私は…お兄ちゃんを信じる」ギュッ…
女「その形状が気に入らないって言うの?」
男「そうじゃない…!」ググッ…
男「考えてみろよ…!より刺激が強いのはどっちか──」
女「…!?」
男「──細い絹糸を巻いたニンジンと、直径5mmはあろうかという縄跳び用のロープを巻いてイボイボになったニンジン…どっちが効くだろうな…!?」
女「うぅっ…!」ビクンッ!ジワァッ…
女友「これは…露骨…!」
女姉「いいえ…彼は『ロープ』という単語や野菜の名前しか言っていない。ましてや『挿入』という言葉さえ使わずに『ニンジン』のイメージからそれを表現している…!」
男妹「さっきの女さんの発言を反則としなかった師匠は、これを咎める事はできません」
女(ああ…ロープを巻かれた…ニンジンを……挿れ…る…っ?)ゾクゾクッ
男「それも綺麗に巻くんじゃない…ところどころ重なり合うように…!できる限り乱雑にだっ!」
女「あああぁあぁっ…!」ビクビクンッ!
師匠(二人とも限界にきている…そして既にその昂りは歯止めがきくまい)
師匠(独りで部屋にいるなら幾らでも気を紛らわせ、平静を取り戻す事は可能だ)
師匠(だが眼前には自分と同じく、崩壊しようとする理性を繋ぎとめようと自らに抗う者がいる)
師匠(行為において絶頂を迎える寸前、イクのを堪えようと唇を噛む様に似たこの状況)
師匠(恍惚とも苦悶ともとれる官能的な表情で、あられもない姿を晒す異性が目の前にいるのだ…感情の昂りを抑える事など、もはや不可能)
師匠(男の先端も女の奥底も、その湿潤具合の加速は止めようがない)
師匠(あとはどちらの秘部を隠す紙が、先に溶け落ちるか──)
男「くっ…あぁ……くそっ…止まれっ!止まれよっ…!」ヒクンッ…ヒクッ
男(ちくしょう…愚息の脈動がやまない…!律動を繰り返す度に我慢汁がドクドク出てきやがる!)
男(意思とは無関係に蠢く…女の…蜜壺…)クラッ…
男(そこにブチ込んだら…どれだけ気持ちいいんだろう…)
男(だめだっ…!考えるな!)
男(くそっ…でも──)
男「うっ…うぅ……っ…」ドクンッ…
男(──今にも『挿れさせてくれ』という言葉が口を突いてしまいそうだ…!)
後輩「男先輩…苦しそう…」
男友「もう得物を隠すペーパーが、ほぼ全体に水気を帯びちまってる」
男妹「お願い…破れないでっ」
女「はぁっ…はぁ…ぁっ…」ブルブルッ…
女(男の…痙攣してる……はち切れそうになってる…)
女(私の今までの攻撃…そして今の私の卑猥な姿を見て…性衝動に駆られてるんだね)
女(男…挿れたい…?私の中、味わってみたいでしょ…?)
女(私…も……挿れて欲し…い……)グチュッ…ツツーーッ
女「ううぅうっ…違うっ…!」
女(私は…勝ち残るの…!)
女(なのに…もう入り口さえヒクついて……口を開けようとしてる──)トロッ…
女姉「ああ…もうペーパーが濡れ過ぎて、ほとんど透けてしまってるわ…」
女友「でも、まだ破れてないっ…勝負はついてないよ、女ちゃんっ!」
男「うっ……女…っ…」ビクンッ
女「…はぁっ……男ぉ…っ」ヒクッ…ピクンッ
男(うぁ…っ!だめだ…大きな波がくる……止められねえっ!)ゾクゾクッ
女(あ…ああっ…何、なんか…変っ……)ブルルッ
女姉(ついに決着が…理性がはじける──!)
男「あっ…あぁああぁっ…!」
女「やだっ…止まってぇっ……!」
──ビクッ!
ビクビクビクッ…ヒクンッ…!
後輩「二人とも、今までに無い大きな脈動…!」
女友「ペーパーは…無事なのっ…!?」
男「うっ…」ヨロッ…
男友「男のペーパーは…びしょ濡れで、ほとんど透明になってるけど…!」
男妹「破れてませんっ!」
後輩「女先輩は…!?」
女「はぁっ…はぁーっ…」ビクビク…
──トロッ、ジュワァ…
…ペロンッ
女友「そんな…破れ……た…」
女姉「最後に二人とも、まるでイッたかのように腰が痙攣した。でも男は仁王立ち…彼の秘部は脈動するだけで、形状的な変化は無かった…」
男妹「女さんはM字開脚の体勢……腰のヒクつきで、僅かに足が閉じ開きした。それにつられて、濡れたペーパーが張り付いた秘部が口を開けたんです」
後輩「そして濡れたペーパーは、音もなく裂かれたんだね…」
男友「じゃあ…!」
男妹「お兄ちゃんっ…!」
師匠「この勝負、勝ったのは…男だっ!」ドンッ
女「…くっ……」
女(言い訳のしようもない…勝敗はこの濡れて破れ落ちた紙が物語ってる)
女(私は…私の身体は、男のモノを求め屈服したんだ…)
女(だから…言わないと──)
師匠「──女、解っているな…?」
女「…は…ぃ……」
女姉「女…悔しいだろうけど…」
女友「…負けた以上、それは定め…解ってる、でもっ…!」ググッ…
女「…お願い…します」
男「…女……」
女「もう…我慢できません…」ギュウッ
女「早く…挿れ──」
男「──女、挿れさせてくれ」
男妹「えっ…!」
後輩「なんで…!なんで、男先輩が乞うの…!?」
男友「…男…お前……」
師匠(…これは……)
女「情けならやめてっ!私は負けたの!」
男「違うっ!」
女「……っ…!!」
男「勝負は完全に互角だった…男性のモノはいくら腰が痙攣しようと、その形状や大きさがそれ以上変わる事はない」
女「…男…」
男「引き換え、女性のそれは足につられて開く動きが可能だ…単に性別の、構造の違いに過ぎない」
女「でもっ…!あの体勢を選んだのは私自身なの!だから──」
男「──それに俺は…女、お前が好きだ」
女「…えっ…」
男「だから俺は、お前との決着はつけたくない」
女「そんな…それは…!」
男「ああ…この塾で学んだ技の意義に反するかもしれない。でも俺はお前との間で、どちらが主でどちらが従かなんて決めたくない…そう気づいたんだ」
女姉(これは…師匠、どう判断するの…)
男友「男…それはまずいぜ…」
男妹「師匠っ…」
師匠「…男、それが貴様の決断なのだな」
男「はい」
師匠「女、貴様はどうだ」
女「…私も、男が好き。だから…男が望む関係でいたい、そう思いますっ!」
師匠「…よかろう、ならば貴様らは破門とする」
後輩「そんなっ…」
男友「師匠っ!どうか…二人に寛大な措置を…!」
女友「私からもお願いしますっ!」
師匠「ならんっ!!」
男妹「うっ…」
師匠「男女の主従を明確なものにする…それは秩序ある関係を築くには非常に大事な要因だ」
男「………」
師匠「それが不明瞭な場合、自分が『主』だと思い込んだ片方は、思いがけず相方が噛みついてきた時に大きな戸惑いを覚える」
女「…何度も聞きました、でも…」
師匠「だからこそ、この塾があるのだ。しかし──」
師匠「──互いに主従を入れ替え、平等な立ち位置についてそのそれぞれの『時』を愉しむ…」
男「…えっ」
女「師匠…」
師匠「そんなくだらない理想論のような関係……だが、もしかすると貴様らなら築けるのかもしれんな」フッ…
女姉(これ…は…!)
男友「どういう意味だ…二人は破門じゃ…?」
師匠「貴様らを破門とする……しかし、貴様らがここで学んだ事を活かしつつ『目指す形』の違う塾や道場を開く事は、なんら問題とはせん…!」
男「師匠っ…!」
師匠「試してみるがいい、貴様らの理想がただの綺麗事で終わるのか…また別の秩序を創り出す事ができるのか」
女友「これは…破門なの?それとも免許皆伝…」
女姉「後者よ、むしろ分家として暖簾分けを受ける許しを得たも同然…!」
男友「やったぜ、男っ…!」
男妹「おめでとう…お兄ちゃんっ、女さんっ!」グスッ
後輩(…そっちに入門しよっかなー)
男「女…俺と一緒に、歩んでくれるか」
女「……喜んで」
師匠「ふっ…修練のための手合わせなら、いつでも受けよう。女姉をはじめ、我が塾の精鋭でお相手する」
男「ありがとうございます、師匠!」
師匠「ただし、我が塾のご法度…試合後の本番行為だけは受けかねる。そして貴様らの門下でも、それだけは守って欲しい」
女「はいっ!」
…10年後
男「ただいまー」
女「おかえりなさい」
息子「パパ、おかえりー!」
男「ははっ、お前の顔を見たら塾生に稽古をつけた疲れも吹っ飛ぶな…」
女「この子もあと数年したら稽古に参加させなきゃね」
男「そうだな」
息子「僕ね、隣の幼馴染ちゃんと試合するー!」
男「試合なんてまだまだ、気が早すぎるぞ。まずは10時間耐久エロ動画視聴で切なくならないように耐性をつけるところからだ」
女「ふふっ…貴方でも半年はそれを続けたものね」
男「じゃあ、まずは風呂に入って汗を流すよ」
女「そうね、それがいいわ。ご飯の用意はできてるから…それと」
男「ん…?」
女「……今夜はこの子、早く寝かしつけるからね」
男「ふん…また俺が『主』になる事は見えてるけどな」
女「あら、そうとばかりはいかないわ。知ってるのよ…?今日は師範代の男妹ちゃんと模範試合をしたんでしょう」
男「聞き及んでたか」
女「貴方が負けたとは思わないけど、さすがにあの強者相手なら相当危うかったはず。…あはっ、たまってるでしょ?」クスッ
男「…参ったね、お手柔らかに──」
【完】
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