アキ（って、そんなに驚く事でもないわよね。遊星だって人の子なんだから）

アキ（だけど遊星って何時も起きてるイメージがあるのよね。良く徹夜とかもしているみたいだし）

アキ（それにしても机に突っ伏して寝てるなんて……休むならベッドが、せめてソファーで寝れば良いのに）

アキ（とりあえず何か掛けるモノを……えっと、この上着で良いか）ﾊﾟｻｯ

遊星「Ｚｚｚ……」

アキ（良く寝てるわ。余程疲れていたのかしら？）

アキ（勉強教えて欲しかったけど、さすがに起こすのは可哀想ね……仕方ない、今日の所は一先ず帰る事にしましょう）

アキ「……それにしても遊星の寝顔ってこんななのね」ﾁﾗｯ

遊星「Ｚｚｚ……」

アキ「…………」ｼﾞｨｰ

遊星「Ｚｚｚ……」

アキ「…………」ｼﾞｨｰ

遊星「Ｚｚｚ……」

アキ「…………」ｼﾞｨｰ

アキ「……はっ！？」

アキ（やだ、私ったら何遊星の寝顔を凝視してるのよ！？　何だかいつの間にか距離も近づいてるし……///）

アキ（寝顔をジロジロ見られてたなんて知ったら、遊星も良い気分しないわよね。だけど遊星の寝顔なんて早々見られるものじゃないし……）

アキ（それに遊星には私が入院した時に何度か寝顔も見られてるし……私だけ寝顔を見られているというのもそれはそれで不公平な話よね）

アキ「うん、もうちょっとだけ眺めて様かな……エヘヘ///」

遊星「Ｚｚｚ……」

アキ（そういえばこんな近くで遊星の顔を見るなんて初めてね。さすがに起きている時はここまで近くには寄れないもの）

アキ（ふ～ん、結構睫毛長いんだ。徹夜とか良くしているみたいだけど、そこまで肌も荒れてないわね）ﾏｼﾞﾏｼﾞ

アキ（髪の形はちょっと個性的だけど、目鼻立ちも整っていてやっぱりカッコイイ……って私ったらいくら何でもガン見し過ぎよ！？///）ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

アキ（何かまた距離が縮まってるし……ていうか遊星の寝顔見ていたら自然と頬が緩んじゃうし……ああ、もう！///）

アキ（やばい、何だか凄い心臓がドキドキして来た。心なしか頭もぼんやりする……///）

アキ（もうこの辺で帰ろうかしら？　だけど遊星の寝顔なんて次見られるのは何時になるか分からないし……）

アキ「…………」

アキ「…………」ｶﾞｻｺﾞｿ

っアキさんのケータイ

アキ（って、まずい！　さすがに写真はまずいわ！？）

アキ（だってこれ完全に盗撮ですもの！　下手したら牛尾さんのお世話になっちゃうわよ）

アキ（だけど遊星の写真って、前にガレージの前でみんなと撮った写真くらいしか持ってないし……やっぱり寝顔はとても貴重だし……）

アキ（でもさすがにこれは……ああ、だけど……う～ん……）

アキ「…………」

遊星「Ｚｚｚ……」

アキ「…………」ｿｰ

遊星「Ｚｚｚ……」

アキ「…………」ｶｼｬ!

遊星「……んっ」

アキ「！？」ﾋﾞｸｯ

遊星「ん……う～ん……」

アキ「…………（汗」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

遊星「んっ……Ｚｚｚ」

アキ「…………」

アキ（し、心臓が口から飛び出すかと思った……）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

アキ（やってしまった……遊星の寝顔を撮ってしまったわ、私）

アキ（ど、どうしよう？　やっぱり消した方が良いのかしら？）ｵﾛｵﾛｯﾄﾝ

アキ（でも結構綺麗に撮れているし、出来れば待ち受けに……あ、でも待ち受けだと誰かに見られる危険もあるかな……）

アキ「…………」

アキ（と、とりあえず保存してどうするかは後で考えましょう。うん、そうしましょう）ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

アキ（だけど今の音でも起きなかったって事はやっぱり熟睡しているのね）

アキ（つまりもう少し何かしても……起きないの、かしら？）

遊星「Ｚｚｚ……」

アキ「…………」

アキ（……ちょっとだけ）

アキ（ほんのちょっとだけ……触ってみようかな？）

アキ（何だか段々罪悪感が薄くなって来てる気がする。いえ、悪いのは分かってるけど衝動を止められないというか……）

アキ（頭を撫でる……のはさすがに起きるわよね）

アキ（もし触れるなら、一瞬だけ）

アキ（そして私が、もし一瞬だけ遊星に触れる事が出来るとしたら……）

アキ「…………」ｺﾞｸﾘ

アキ「…………///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

遊星「Ｚｚｚ……」

遊星とアキとの距離１５センチ

アキ「…………///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

遊星「Ｚｚｚ……」

遊星とアキとの距離１０センチ

アキ（……遊星///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

遊星「…………」

遊星とアキとの距離５センチ

龍亞「遊星、遊びに来たよー！！」ﾄﾞｱｶﾞﾁｬ!

龍可「龍亞、そんなに乱暴にドア開けないの。壊れたらどうするのよ？」

アキ「～～～！？///」ﾊﾞｯ

遊星とアキとの距離３メートル

龍亞「あれ、アキ姉ちゃん？ そんな所で何してるの？」

アキ「え？　あ、いや、あの、その……///」ｱﾀﾌﾀｷｵﾝ

龍可「あれ、もしかして遊星寝てるの？　珍しいね」

アキ「そ、その……そのね///」

遊星「んっ……騒がしいな」ｵﾒﾒｺﾞｼｺﾞｼ

アキ「！？」ﾋﾞｸｯ

龍亞「あ、遊星おはようー」

龍可「ごめんね。せっかく寝てたのに起こしちゃたみたいで……」

遊星「いや、気にするな。睡眠ならもう十分とったから」

アキ「ゆ、遊星……///」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙｰｱｲｽﾞ

遊星「ん、アキ？」

アキ（私……もし二人が来なかったら……ゆ、遊星に……///）

遊星「アキ、お前……」

アキ「ご、ごめんなさぁぁぁぁい！！！///」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀｷｵﾝ

龍亞「うわっ！？　な、何？　アキ姉ちゃん、走って出て行ったよ？」

龍可「どうしたのかしら？　あんなに慌ててるアキさん、初めて見たわ」

遊星「…………」

龍可「遊星？」

遊星「……いや、何でもない。それより貰い物のロールケーキがあるが食べるか？」

龍亞「本当？　食べる、食べる♪」

遊星「ならすぐ切ってくる。少し待っていてくれ」

龍可「ねえ、遊星」

遊星「何だ？」

龍可「何だか少し顔が赤い様な気がするけど大丈夫？　もしかして熱でもあるんじゃない？」

遊星「問題ない……少しらしくない事をしただけだ」

おわり