P「ポケモンのダブルバトル」(51)

何番煎じネタだけど
非常に読みにくい文章ですが、良ければお付き合いお願いします

ある日の夕方
本日はアイドルの送迎を音無さんと社長がやってくれると珍しく言ってくれたのやったぜと喜んだが、音無さんに事務仕事を押し付けられてしまった。
ぬか喜びではあるが、たまには事務の仕事をするのも悪くはない。音無さんから説明を聞いてやり始めて午後2時には電話対応以外の仕事が終わってしまった。
普段からどんだけだらだらやっているのか。これは帰ってきたらガツンと言ってやらないといけないのかもしれない。
もうすぐ最初に帰ってくるのが真美と音無さん。そのまま音無さんはすぐに次のアイドルの迎えに行く予定だ。本来ならばその予定なのだが、雲行きが怪しい。
いや、実際にまだ彼女たちは帰ってきてないのだが、なんか嫌な予感が起こると俺の第六感が告げているようだ。

その予感が当たった。真美が泣きながら帰って来たのだ。音無さんが必死に宥めているようだが、お手上げに近い。さて、何があったのか泣き止んでからゆっくり聞くとしよう。
音無さんは真美を俺に任せて他のアイドルの迎えに行った。
泣いている真美に理由を聞くには難しいので、まず原因となる真美の本日のスケジュールを確認する。今日はポケモンの番組にゲスト出演のはずだ。それだけしか予定はないし、朝に本人からも笑顔で勝つとか言ってた。
ということはこの番組で問題が起こった。ということになる。

パッとその番組について資料を読んでおさらいする。ゲスト出演で出演者とバトル。
つまり、負けた。またはそれいじょうに嫌なことが起きたということになる。俺はパパッとネットでその番組の詳細を調べる。
どうやら、負けたらポケモンを勝った人にあげないといけないらしい。

謎が一瞬で解けた。
真美は負けてポケモンを取られたのだ。たかがデータに涙を出すとか真美も子供だな。
そう思ったが、真美にとっては大事なポケモンだったのだろう。
悪魔でも仮説なので丁度話せるくらいに泣き止んだ真美に聞いてみることにするか。

「えーと、その……何があった?」

「……あ、あのね。真美の……ポケモン取られた」

「それは勝敗の結果だな」

「…………うん」

「じゃあしょうがないだろ」

「でも……あの…ポケモンは真美のお気に入りだったんだよ!!」

「……と、言われてもなぁ」

「でね……収録終わった後に返してって言ったけど返してくれなくて……」

「あー……でもさ、仕方がないだろ」

「兄ちゃんだってさ!! 自分のものが急に取られたら悔しいっしょ!!!」

「そうだけど……」

PLULULU

「あ、すまん」

「はい、765事務所です……はい。今日はうちの真美が迷惑をかけてすみません」

この電話は出演者で対戦した芸能人であり、どうやらその人も過去に大事なポケモンを取られてしまったようである。俺はなんとかならないかと交渉をしてみると意外とあっさり返してくれるとのことだ。ただし、勝ったらという条件付きで。
時間はこちらの向こうの都合が合い次第か、またゲストで来てもらったときに勝負をすることで俺は話を進めた。
受話器を置いた頃には真美は泣き止んでいた。


「……聞いたか? 勝てば返してくれるってさ」

「……うん」

「なんだ? 嬉しくないのか?」

「だって……何もできなかった」

「何もできなかった?」

「あっちのほうがポケモン強かった」

「……う~む。ちょい見せてくれ」

俺も一応ランダムマッチで潜ってる方である。だから、少なくともパーティを見れば何が原因かわかるかもしれない。
真美からDSを受け取り俺は真美のパーティを見た。
ああ、これは仕方がない

ダイケンキ@おまもりこばん レベル85
フライゴン@ドラゴンジュエル レベル72
ワルビアル@がくしゅうそうち レベル71
テラキオン@なし レベル76
メタモン@かわらずのいし レベル100
ウルガモス@なし レベル78

これを見ただけでわかるやつはちょっとポケモンの闇に飲まれていると思う。
このパーティは旅パだ。しかも面白いくらい水に弱い。そして格闘にもキツい。これは下手したら真美がルギアやミュウツー使ってきても勝てる自信がある。
そしてメタモンのいるところのポケモンが真美のお気に入りのポケモンだと思う。わざわざ厳選用に石までつけてくれるとは対戦相手は優しい人だ。
しかし、逆に純粋にポケモンを楽しんでいるのが良く伝わってくる。むしろ俺が勝つために真美をポケモンの闇に引きずりこんでいいのか。

「……どう?」

「はっきり言うぞ」

「うん」

「もし、勝ちたいのなら今までの楽しかった思い出が消えてしまうことになるけど……いいか?」

「えっ」

「……これ俺のポケモンブラック2なんだけど」

「兄ちゃんもやってたの?」

「やってたから真美のパーティ見てわかったのよ」

「まあ、事務所にゲーム持ってきてる時点であれなんだけど、今日は帰りにマクドでランフリやろうとしてから……」

「???」

「まあそうだよな。バトルボックスのパーティを見てくれ」

「……うわ」

バトルボックスのパーティはランフリ用であるが、舐めてかかるとおそらく勝つのは難しい。今日もフリーで10人くらい仕留める予定だ。
切断は辞めて欲しい。とはいえ真美にこのパーティが理解できるのだろうか。

バンギラス@ヨプのみ レベル55
ブルンゲル@みずのジュエル レベル60
モロバレル@くろいヘドロ レベル50
ココドラ@かいがらのすず レベル1
トリトドン@リンドのみ レベル85
ドサイドン@いわのジュエル レベル75

レベルにバラつきはあるが、どうせレベル50以上は強制50になるのだし気にしていない。
当然真美にはこのパーティがどういう仕組みなのかわからなかった。
旅パの真美なら仕方がないのだが。さて、ここからどうやって純粋なポケモン大好き真美を廃人真美にするか。

「えーっとじゃあまずは今日の収録で対戦した時のダブルバトルってわかるか?」

「ポケモンを二体出すんでしょ。それくらい真美でもわかるよ」

「まあそうだな」



ダブルバトル
公式が一番押しているバトル形式。お互いパーティを見せ合い(見せない場合もある)、6体の中から先発と控え、合わせて4体を選ぶ。
選出方法は相手のパーティから有利なポケモンを選んだり、相手関係なくこちらの有利な環境で戦うために選出したり、奥が深い。
また、『特性』によっては先発に出して、技を出す前からバトルを有利に進めたりできる。逆にその『特性』で相手に有利にしてしまうこともある。
ダブルバトルは公式の大会で勝ち上がると世界大会に出場できる。
4体だけで組むこともできるが、大体のパーティが旅パの方々が迷いこんでしまった感じなので、楽勝時はものすごく申し訳ない。

「んじゃあ、次にポケモンの技について考えてみるか」

「技って強ければいいんでしょ?」

「違うんだな」


俺はホワイトボードに技について書いていく。ざっとみた真美の技構成はまんま旅パである。
しっかりとしてことを教えてやらないと勝つ見込みがないのだ。



ポケモンが覚える技は最大4つ。そこからさまざま技を覚えさせて使用する。
攻撃する技。雨やあられなどの天候を変えたり、やけどやマヒと言った相手の変化を起こす技などがある。
もちろん、全てのポケモンが全ての技を覚えるわけはないが、一体だけほぼ可能。
ちなみ、ポケモンのタイプと技のタイプが一緒ならタイプ一致という恩恵により技の威力が1.5倍強くなる。
ダメージを与えることで時々『急所』に当たることがある。この場合は通常の威力の2倍の威力でダメージを与える。なお、XYでは2倍から1.5倍になった。
また、物理技と特殊技があり、それもポケモンによって覚えさせる技が変わってくるので、『ぎゅうた』のように強い技で組めばいいと言う時代は終わった。
ダブルバトルでは全体技が重要になる。しかし、全体技は通常よりも0.75倍の威力に落ちてしまう。そのため、本来倒せるはずのポケモンを倒せずに負けてしまうこともあるから注意が必要である。

「つまり、真美のパーティの技の組み合わせじゃ味方にも被害が出るってことだ」

「ええええ!!!」

「例えば、ダイケンキの波乗り」

「うん」

「こいつは味方にもダメージを与える。水タイプの技が良く効くのは何タイプ?」

「地面、炎、岩」


タイプ
ポケモンにはタイプがある。多くの人が名前だけ知っているであろうピカチュウには電気タイプである。ミュウツーはエスパータイプ。リザードンは炎タイプと飛行タイプの複合であり、複合タイプと呼ぶ。
タイプには相性があり、炎タイプは水タイプに弱い。しかし、水タイプは草タイプに弱い。草タイプは炎タイプに弱い。炎タイプのポケモンに水タイプの技を与え弱点を突くと技の威力が2倍になるのだ。
逆に水タイプのポケモンに炎タイプの技を与えると効果はいま一つとなり技の威力が半減する。効果今一つの事を耐性があると言うこともある。
エスパータイプが炎タイプにダメージを与えた時は特に弱点や効果今一つの相性はないので、そのままの技の威力分のダメージを与える。これを等倍という。
タイプの組み合わせによってポケモンが強かったり弱点が多かったり色々ある。XYが出るまでは弱点がないタイプもあったのだが、弱点がないよりはいかに耐性を多く持つかが重要である。

「よくわかんないYO!」

「まあな。最初はそんなもんだって」

「じゃあさ、真美のヒヒダルマにオーバーヒート覚えさせていいの?」

「やめとけ」

「ええええ!!」

「種族値的に威力が出ないから」


種族値
ポケモンに隠されたステータスの一つ。
種族によって決められたステータスであり、ピカチュウならばどのピカチュウでもピカチュウも決まった種族値を持つ。
これをベースにどのポケモンはどこが伸びているからそこをもっと伸ばそうと考えたり、ここが足りないから補ったりすることが出来る。

「……ということで、ヒヒダルマの種族値をググると」

ヒヒダルマ
ほのおタイプ
HP 105
こうげき 140
ぼうぎょ 55
とくこう 30
とくぼう 55
すばやさ 95

「とくこうが低いからオーバーヒートやっても真美のパーティのドリュウズも倒せないぞ」

「でもでも威力あるじゃん!!」

「音無さんにリポDとか上げても仕事しないだろ。そういうことだ」

「あー」

「んじゃ次に努力値についてなんだけど」

「あ、真美それ知ってる」

「言ってみ?」

「基礎ポイントのことっしょ→」

「そうそう。わかってるなら話は早いな」

努力値
正式名は『きそポイント』
ポケモンにはただレベルを上げるだけでなく経験値とは別にステータスに換算されるポイントがある。そのポイントが一定になるとステータスが上昇する。
ポケモンによってもらえる努力値、努力値のポイントは違うので、振り分けに間違えてリセットすることはよくある。
努力値の振りによってポケモンをより素早くさせたり攻撃の威力やHPを上げたいする。
振ることのできる努力値のポイントはHP・攻撃・防御・特攻・特防・素早さ全部合わせて510までであり、各ステータスでは255まで振ることが出来る。


「ヒヒダルマならHPと攻撃っしょ→」

「……いや、普通にASだろ」


HABCDS
能力値の略称
H→HP A→攻撃 B→防御 C→特攻 D→特防 S→素早さ

「そろそろバトルしたいんだけど」

「わかった。持ち物と技だけ変えてこい。俺もパーティ組むから」

「兄ちゃん強そうだから持ち物なしにしてよ」


持ち物
ポケモンには一体に一つ持ち物を持たせることが出来る。ポケモンの攻撃を強くしたり、HPを回復する持ち物を持たせたり、様々なものを持たせることもできる。


ということで、俺は持ち物なしで挑むことになった。どうしようかと悩んでいるが、真美のことだからさっきのパーティで挑んでくるだろう。
適当に選ぶか。俺は持ち物を持たせないで真美がバカにしてそうなポケモンをチョイスした。正確にはほぼ野生で捕まえたてのポケモンばっかで努力値も振っていない。
真美のパーティは変わらなかった。

「兄ちゃんなにそのパーティ?」

「う~ん? これそこそこ強いんだぞ」

エルフーン@なし
コジョンド@なし
ジャローダ@なし
スワンナ@なし
クリムガン@なし
タブンネ@なし

「負けたら兄ちゃんのポケモンなんか頂戴」

「真美も負けたらくれよ」

「負けないもんね」

10分後
俺は竜宮が戻ってくるまで真美と会話できなかった。
律子が事務所に入ってきたところで、膠着状態が解除された。とはいえ、まだ真美は拗ねていた。やはり、急な付け焼刃では無理があったのかもしれない。
しかし、勝つには絶対避けて通れないことなのである。
やはり諦めて純粋なポケモンをやらせるべきなのか。そう思い始めた時に、意外な人物からポケモンの言葉を聞いた。


「あらあら、真美ちゃんもポケモンやってるの?」

「あずさお姉ちゃん……」

「ちょっと見せて……うふふ…良いパーティね」

「ほんと?」

「好きなポケモン組むことが本来の楽しみ方だと思うの」

真美のポケモン心をあっさり掴んだあずささんは俺のような廃人への道ではなくポケモンごとの詳細を解説していた。真美向きの解説だが、使ってないポケモンであるので、思わず耳を傾けてしまう。
というか、なんであずささんがポケモンやってるのか凄い疑問に思えた。

あずさささんあずさささん……そう言えばポケモンのアニメの仕事をしていたと思いだした。なるほど。だから愛があるのか。
話に盛り上がっていた2人だが真美が重い顔になり、本日の出来事をあずささんに話した。
あずささんは真剣にその話を聞き、宥めた。しかし、話が思わぬ展開を迎えた。


「じゃあ私とバトルしてみないかしら?」

「あずさお姉ちゃんと?」

「ええ」

「でも強そう。真美でも勝てるかな?」

「と言いながらやる気まんまんね」

「んじゃあ審判は兄ちゃんやってよ」

「俺か」

「あらあら、プロデューサーさんなら公平な判断が出来そうですね」

「わかりました」

ぶっちゃけ審判なんかいなくてもいいのだが、見物人として見ることにする。
あずささんはどういうパーティなのか。気になるがそれよりも真美が勝てるかの方が心配だった。
寧ろなんであずささんのバッグの中にDSが入ってるのか。

キングドラ@なし
コイキング@なし
ニドキング@なし
キングラー@なし
ヤドキング@なし
ケッキング@なし


……うん。キングパだ。あずささんはキングパである。一体だけネタであるが、他は厳しい気がするが、果たして真美は勝てるのか。


統一パ
パーティを組む際に何か統一させているパーティ。代表例としては各ジムリーダーがタイプ統一で編成されている。
今回のあずささんの場合は名前に『キング』が付いているポケモンで組んだパーティに当たる。
また、ブイズパやカエルパと言ったパーティと組もうと思えば今からでも新しく組める。

「うあうあ~あずさお姉ちゃんコイキングなんか入れて大丈夫なの→??」

「あらー? 名前にキングが入っているから合わせたんだけど」

「あ、ほんとだ」

「そうでしょう? あ、そうそう真美ちゃん」

「何?」


次の言葉で俺はあずささんと出会って初めてヤバいと思った。


「でも……このパーティに勝てないようじゃあの人に勝つことはまずないわ」

「えっ」

「じゃあバトルスタート♪」

「あの、あずささん?」

「なんですか? プロデューサーさん?」

「さっきのは……? その……」


言いかけて俺は辞めた。あずささんの目が何も言うなと訴えた感じだったからである。
おそらく本気のあずささんには俺は勝てない。そう思ったときでもあった。

あずさが勝負を仕掛けてきた
あずさはキングラーとケッキングを繰り出した
ドンッキラーンキラーン

あっ…俺は察してしまった。
バトルの結果は真美が勝った。が、あずささんの選択があまりにもお粗末だったのもある。
しょっぱなからコイキングに交替してきたり、効果今一つの技を仕掛け返り討ちにあうケッキング。
しかし、そんな情けにかけられたにも関わらず真美は喜んでいた。
ビデオを保存してもう一度見せてくれた。ただ、真美のプレイングをよく見ると技はしっかりとしていた。
ワルビアルは味方を倒してしまったがしっかりとタイプ一致である地震を放ったり、タイプが不一致でもちゃんと弱点を付いたりと小一時間前よりも進歩していた。
同時に闇に入り込んでしまったのだが、俺はどうでも良かった。

真美の廃人への道は始まったばかりである。

俺よりもあずささんの方が真美の懐き度と教え方が上手いのであずささんに真美のポケモン指導を任せることにした。俺も仕事があるので、付きっきりは出来ないし、真美も学校がある。
だからあずささんが午前中の間にざっと覚えて欲しいことをノートにまとめ、あとは厳選していた。
そのお陰か、ここ最近あずささんは迷子にならないで事務所に来ている。
これは嬉しいことだが、音無さんにとっては迷惑なのだろう。

しかし、さすがに俺を含めて3人でぐるぐるバトルするのはバリエーションや戦法もわかってきてしまい、同じ問題集をやるのと同じで解法よりも解答を覚えてしまい。
数字が変わっただけで解けなくなるようなことの危険性を防ぐためにあずささんと更なる廃人の闇に引きずり込むことにした。
ターゲットは暇人であろう貴音である。ラーメンを餌にあっさり釣れた。ただ、DSとソフトを自腹で用意するのは俺の懐に4倍ダメージを与えた。

「……むむむ」

「ゆっくり覚えていけばいいのよ。真美ちゃんも最初はちんぷんかんぷんだったから」

「では、優先度が高いと素早さに関係なく技を出せるのですね」

「そうなの♪ だからでんこうせっかとか重要なのよ」


優先度
基本的に技を出す順番は素早さの早い順からであるが、優先度の高い技を繰り出すと素早さが関係なく、技を先に出すことが出来る。優先度は+5~-7まであり、+大きいほど早く出せる。もし、優先度が同じ技を出した場合は素早さで決まる。
レベル1のポケモンでレベル100のミュウツーも倒せるというのは優先度と持ち物が関わっている。

「あずささん、このパーティどうですか?」

「……えっと、ローブシンの特性はなんですか?」

「徹子ですね」


特性
ポケモンの要素の一つである。1種類から3種類の特性が定められている。
ポケモンによっては強い特性であったり、また、ポケモンによってはマイナス要素の特性であったり、色々ある。
強い特性でも進化すると特性が変わったりすることがあるので注意が必要。
現在のXYダブルバトルに置いてよく見かける特性は悪戯心・威嚇・疾風の翼・親子愛・力持ち・日照り・雨乞い・フェアリースキンなどがある。
また、通常では入手することのできない特性を隠れ特性と呼ぶ。
なお、Pの言っている徹子とは『鉄のこぶし』のことで、パンチ系の技の威力が1.2倍上がる補正が付く特性である。


ローブシン 格闘タイプ
種族値
HP 105
こうげき 140
ぼうぎょ 95
とくこう 55
とくぼう 65
すばやさ 45
見た目的に使用者が限られる格闘単タイプのポケモン。攻撃が高いため物理技の殴り合いには強く、BWの格闘ポケモンの中でも使用率が高い。
そのため、中途半端なステータスのポケモンが挑むとドレインパンチによるHP吸収で長く居座り、逆に全滅もあり得る。
また、優先度+1のタイプ一致先制技を持っており死に際の悪あがきにも注意がいる。
XYでは焼き鳥と新タイプのおかげでBW時代に比べてみる回数は減ったがそれでも見かけることはある。

「パーティ的にお荷物になってる気がします。違う格闘タイプの方が良いと思いますよ」

「HEY! あずさお姉ちゃん! 一戦やろ→YO!」

「ちょっと待っててね」


現在はあずささんにパーティを見てもらいながら地道に厳選を進めている。貴音はまだストーリーなのだが、あずささんの教育により、早くも厳選したいらしくうずうずしている。
わかった事と言えばあずささんは結構なガチ勢であったこと。貴音はエスパータイプを中心としたパーティであるが、少し偏り過ぎていてきつい気がする。それも今のうちだがな
これから真美とあずささんがバトルすると言うので俺と貴音は見物させてもらうことにした。
俺はのんびり完全見物だが、貴音はDS片手にジムを進めている。ちょっとよそ見をすれば何が起きたかわからなくなるかもしれないため、目が左右に動いて忙しそうである。


あずささんのパーティ
カメックス@?
ピカチュウ@?
オニドリル@?
スターミー@?
カビゴン@?
ラフレシア@?

真美のパーティ
バンギラス@?
ガブリアス@?
ドリュウズ@?
メタグロス@?
ボーマンダ@?
テラキオン@?

真美の急成長は嬉しいが強いのを寄せ集めた感が凄い。一方、あずささんは初代統一パ。これは勝つ見込みはあるのだろうか。
隣で半分見物の貴音は真美のパーティを見て難しい顔をしていた。タイプ相性上彼女のパーティに勝利は難しいからである。逆にあずささんのパーティは勝てそうな感じだった。
俺でも勝てると思うが、何に警戒すればいいか悩むのが問題だった。


「あずささんのパーティって初代統一パですか?」

「ええ、まあそうですけど……一番は……」


耳打ちでこっそり教えてくれた。確かにこれは耳打ちでないといけない。
「接待パです」と。


接待パ
強い人が弱い人とバトルする時、強い人がハンデとして弱いポケモンや普段使わないポケモン、または野生のポケモン捕まえた状態で組んだパーティの事。
しかし、コイキング6体などのあまりにもお粗末な接待パーティでは対戦相手が調子に乗ったり、怒るので、『接待』という言葉を忘れてはいけない。
親戚の子供に勝負を挑まれてボコり、子供のモンペが登場し、最終的に強いポケモンを奪われる話があるが、大体の原因はすぐにイラッとくる現代社会に対する疲れからくるストレスだと思う。

接待パとは言えあずささんは真美の行動がわかるかのように先読みをしていた。とは言え、やはり接待パであり、ストレートとはいかないが、0-1の真美の辛勝で終わった。
本気のあずささんはどんなパーティなのか……恐ろしい。
逆に言うと真美の足りないものは立ち回りかもしれない。
あと、ガブリアスがピカチュウに抜かれていたので、個体値の厳選も始める必要があるのだろう。努力値と性格の場合もあるだろうけど。


「強くなったわね~真美ちゃん」

「あずさお姉ちゃんと兄ちゃんのおかげだYO!」

「でもまだまだあの人に勝つには難しいから頑張ろうね」

「うん!」


立ち回り
バトルにおいて自分が有利になる場を作り上げること。いかに相手にバトルの主導権を握らせないが重要となる。
最初に見せ合いをする時が相手の情報を知る最大の情報なので、強い人は一戦一戦メモる人もいる。


個体値
各ポケモンに与えられた能力値のこと。同じポケモンでも若干ステータスが違うのは個体値によるもの。
個体値は0~31までの範囲で割り振られており、31はVで30はUともいうことがある。VとUは32進数表記から取られており、6Vとは各ステータス全ての個体値が31ということである。
ちなみにABDVとは攻撃・防御・特防の個体値が31ということで3Vともいう。

性格
25種類の性格からランダムに決められる。
性格によって能力の上がりやすいまた上がりにくい補正が入る。
ストーリーにおいて、性格は気にしなくても良いのだが、バトルにおいてはとても重要になり、性格と個体値の厳選、努力値配分は誰もが通る。

一旦ここまでで失礼します

>>19
あずさささんあずさささん……

あずささんあずささん……に変換お願いします。

また、推敲しましたが、ミスがあると思うのでその時はすみませんが脳内変換お願いします。

真美と貴音がポケモンの闇に飲み込まれて一カ月が経った。この頃になるとあずささんも接待ではなく、そこそこのパーティで戦っていた。俺も負けることがあった。
しかし、問題も発生する。他のアイドルとのトラブルも起き始めたのである。
あずささんはともかく、貴音と真美はレッスンでSが足りないとか言ってメンバーを困らせたりしていた。そして、レッスンが終わるとすぐに厳選をしていた。
このままでは色々とヤバい。特に真美なんかは将来があるし、学校の勉強がおろそかになっていないか心配だった。
まあ、ヤバくなっても何となるだろう。そこんとこ頼むぞ。

「あずさお姉ちゃんのポケモンって色が違うよね」

「あら? 真美ちゃんも色違いに興味があるの?」

「なんか真美のポケモンってぜ→んぶ同じでお姫ちんや兄ちゃんと被ってるじゃん!」

「じゃあ真美ちゃんは何のポケモンの色違いが欲しいのかしら?」

「わ、わたくしもいいですか!?」

「良いわよ。乱数調整で出してあげるわ」

「おい! あずささん」

「はい?」

「イカンでしょ」

「ふふふ。プロデューサーさん、勝つためには手段を選んじゃいけませんよ」


色違い
通常のポケモンと色が違うポケモンの事。
ポケットモンスター金銀かHGSSをやったことある人なら、赤いギャラドスを見たことがあるのでは。そいつが色違いのギャラドスである。
種族値は全く同じだが、珍しい。バトルに出すとキラーンと光る。
ポケモンによっては色違いの方がカッコいい、美しいとなったり。
中には本当に色違いなのかと疑いたくなる色違いのポケモン、挙句には通常の色の方が綺麗なポケモンまで様々である。

乱数調整
まず、乱数とはサイコロの出目のように全く規則性がなく予測できない数字並びの事。
ポケモンも乱数によって決められている。そのため、ポケモンの出現場所、個体値などにバラつきがある。
しかし、外部ツールを使用し、DSの時間を調整して故意的に指定の場所、指定のポケモン、指定の個体値等を出すことが出来る。これを乱数調整と言う。
ポケモンでは卵を受け取る際にも乱数調整が可能である。伝説ポケモンを使用する多くのトレーナーは乱数調整産が多いと思う
メリットは時間短縮や色違い、両個体値の量産が可能。反面、伝説ポケモンの色違い良個体の入手が容易のため、改造ポケモンと疑われたり論争が発生する。また、改造産でも乱数と言い張りばれにくくなってしまった。
ただ、どんなに良個体を持っていようとその時の運や相性、トレーナーのプレイング次第で勝敗は決まることを忘れないでほしいと思う。
余談ではあるが、色違いで乱数調整すると成功したことが一発でわかるので、人によっては通常色よりも色違いで乱数調整をする。


30分後
満足気味の真美と貴音の顔があった。いや、確かに色違いは嬉しいけど個体値や性格とかあるしと思っていたが、あずささんのことだから全部やってくれたんだろう。
携帯電話が好きなためか、携帯ゲームの乱数も得意なのだろうか。
乱数に突っ込んだ俺であったが本当は羨ましかったのは口が裂けてでも言えないことであった。

「ふふふ。プロデューサーさんもいかがですか?」

「~!! 俺は良いです!!」

「あらあら」

「勝負しましょう! 厳選でも強いんですよ!!」

「期待してますよ♪」


俺はバトルに負け、今日のポケモン活動をやめた。


厳選
ポケモンの理想個体が出るまで粘ること。
伝説ポケモンの厳選はともかく、孵化厳選は時間が掛かるうえ、理想個体出ないポケモンをボックスに預けたり逃がしたりする。
そのため、ポケモン界の生態系に悪影響を与えているのではないかと思う。
ブラックホワイト2でとある人がウルガモスを良く見かけると言っている。

ここ最近俺が一番弱くなっているのではないと思う。
真美も貴音も強くなっており、レーティングバトルもそこそこの成績を残しているようである。
一方の俺は中々勝てずに苦戦している。言い訳をするのは簡単なのだが、したところで勝率が変わるわけではない。
では、どうするか。パーティの構築し直しが必要となる。が、厳選やらの時間がないし、そもそも元は真美の勝つポケモンのために、続けていたので無理する必要はない。
そう思ったので、俺はパーティを変えるのをやめた。

ある日のことだ。


「プロデューサー。ちょっとよろしいですか?」

「どうした?」

「直球ですけど、事務所でゲームは禁止にします。社長から許可は出ています」

「なんだと!?」

「仕事に影響は出ていないけど、レッスンや仕事終わりですぐにゲームをしているのでちゃんとコミュニケーションを取って欲しいんです」

「ってもポケモンは遊びじゃねーんだぞ!!!」

「でも所詮ゲームじゃないですか。亜美や響を始めほとんどのアイドル達が不満を持っていますよ」

「昔の亜美真美は普通にゲームやってたじゃないか」

「とーにーかーく!!! 禁止です!」

「悪いが断る」

「……まあそう言いますよね」

「そもそもなんでゲーム禁止なんだYO!」

「真美の物真似は辞めてください。では、プロデューサーを含め不満を述べていきましょう」

ケース1 真美
被害者 AHさんとMKさんとPさん

「真美ーそろそろレッスンだよー」

「うん」

「事務所の下で待ってるからねー」

「うん」

15分後

「真美いい加減にして!」

「……あ、ごめん。今努力値振ってるから」



「俺も入っているのか」

「まあ……プロデューサーはすぐに仕方がないと納得したのがまた彼女たちの反感を買ったと」

「まあ、努力値は仕方がないですね」

「次行きますよ」

ケース2 4人
被害者 AHさん

「ふんふんふ~ん~♪っとぉ!」

『春香はズルズキンだな』

「ん?」

『確かに』

『こう揚げカツしてるのが浮かぶよね』

『真美ちゃん、それを言うならカツアゲね』

『んで、共に悪さしてるところを真とキノガッサにぶちのめされる』

『あらあら? 容易に想像出来ちゃったわ♪』


「……話はともかくズルズキンってポケモンかな?」

「ちょっと調べてみよ。ちょい悪みたいなカッコ可愛いポケモンだったりしてぇ~」

「…………」

「は?」

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