ガウディ「公園の砂場にサグラダ・ファミリアだと?」(5)


俺「そうだ」

ガウディ「ばかな。なぜわざわざ地盤の悪い所で建設する必要があるんだ」

俺「ふっ」

ガウディ「貴様……何を考えている」

俺「一般的な公園の砂場の深さは、30~40センチだ」

ガウディ「な……」

ガウディ「意外と浅いだと……?」

俺「そうだ。これがこの国の現状だ。40センチ程度の砂地など、建設の障害たり得ない。つまり」

ガウディ「つまり、公園の砂場での建設は可能……?」

俺「然り」

ガウディ「だ、だが資金はどうするのだ。あれほどの巨大な建造物を建てるとなると、我々の手に余るぞ」

俺「くっくっくっ」

ガウディ「なにがおかしい!」

俺「おかしいとも。これを笑わずにしてどうするというのだ」

ガウディ「くっ……なにか手があるとでもいうのか」

俺「なぁ、ガウディ。なぜ巨大な建造物なのだ?」

ガウディ「……なに?」

俺「俺の提案をよく思い出せ」

ガウディ「貴様の提案は公園の砂場に……はっ!」

俺「くくくっ。そう『公園の砂場』だ。敷地面積は最初から限られている」

ガウディ「公園の砂場程度の広さに建てれる大きさとなると大幅な費用節約になる……か」

俺「偉大なるガウディと言えど、先入観から抜け出すことは難しいようだな」

ガウディ「ふっ。負けたよ貴様には」

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