遊び人「はあ? つか何がそんなヤベぇの?」
勇者「俺さ、昨日の夜、神から勇者に選ばれたっぽい? みたいな?」
遊び人「おいマジかよ、それ!? マジトゥルー!?」
勇者「おお、マジトゥルーだって。略してマルー。よくわかんねーけど、昨日、偉いおっさんが俺の家来て、そんな事言ってたからよー。オヤジに聞いてもらってもいいから。超ヤベェっしょ?」
遊び人「うっわ、それ。超マルーだわ。ヤベェわ。激ヤベェわ」
勇者「もう俺の人生、こっからスーパーエクストラで激ヤバロックなもんに変わっから。マジクールに。略してマルー? マジマルーで」
遊び人「イカしてんなー。つかイカれてる、みたいな? 超ドリーミングじゃね? ヤベェな、おい。それマジヤベェわ」
勇者「だろ? ヤベェっしょ? 時代が俺に来てる、みたいな? つか、こっからはむしろ俺の独占ステージ? みたいな?」ピシッ
遊び人「うっわー、超クールだわー。略してチョルーだわ。お前、マジチョルーだわー。ヤベェわ、超ヤベェわー」
勇者「だろ? マジヤベェだろ? こう見えて、俺、超チョルーでマジマルーだから」ドヤッ
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遊び人「え、じゃあなに、お前。これからあれか。魔王とか倒しに行っちゃう系?」
勇者「じゃね? 俺もよく知らねーけど、やっぱ倒しちゃうんじゃね?」
遊び人「ヤベェわ、超ヤベェわ。魔王倒しに行くとかマジデンジャラスじゃね? 略してマデだわ。お前、マジマデだって」
勇者「つーか、俺にかかりゃ魔王とかどうせワンパンっしょ。むしろ余裕じゃね?」
遊び人「ワンパンなん? マジでワンパン?」
勇者「いや、俺、勇者だし。よく知んねーけどワンパンじゃねーの?」
遊び人「うわ、マジかよ。ヤベェわ、超ヤベェわー。お前、マルーだわー。ぶっ飛ぶわー、マジでヤベェわ」
勇者「サンキュー、ベイべー」キリッ
勇者「あ、つかさ。今思ったんだけど、俺、バイトあっから魔王とか倒しに行けなくね? つか、そんな暇なくね?」
遊び人「いや、やっぱそこはバイト休んでいいんじゃねーの? 魔王とかちょっとキルキルしに行きたいんでーとか、言えば休みもらえるんじゃね?」
勇者「マジで? 俺のとこの店長、結構キビシーんだけど、そんなんでイケる?」
遊び人「多分、イケるんじゃね? つか、イケって。そこはいったれって。バイトだから別に怒られやしねーって」
勇者「いや、確かにそーかもしんねーけどさー。でも、一応、俺、社会人だし? みたいな? そこんとこはやっぱきちんとしとかなきゃダメっしょ?」
遊び人「はあ? お前、アホ? 社会人ならともかく、たかがバイトで何マジになっちゃんてんの?」
勇者「いや、つーか、俺、あそこの店長に結構気に入られってからさー。ほら、あんま印象とか悪くしたくねーしー」
遊び人「うっわ、お前、それ超マジメじゃね? ヤバくね?」
勇者「俺、ヤベェ? マジで? マジでヤベェ?」
遊び人「マジマジ。ちょい引くレベル。所詮、バイトなんだしさ、つか、もーちょい肩の力抜いた方が良くね?」
勇者「うわ、マジかよ……。俺、マジメかー……。オーケイ、ベイべー。ちょい考え直すわ」
遊び人「おう。そうしろって。バイトごときでハードモードに入ったら負けだっつーの。社員ならともかくよー」
勇者「サンキュー、ベイべー。マジ目え覚めたわ。危うく社畜になるとこだったっつーの」
遊び人「ギリギリセーフ的な? てか、マジヤバかったんじゃねぇの?」
勇者「おう。マジデンジャラスだったわ。マデだな、マデ危なかったわ」
遊び人「ロックに生きなきゃつまんねーぜ、アミーゴ。ハートフルな人生を送ろうぜい♪」
勇者「おおよ。だな。マジリスペクトだわ、お前。やっぱソウルフルだわ。イカしてるわ。超マルーだわ」
遊び人「ヘイ、ヨー♪」ズンチャチャ
勇者「セイ、ホー♪」ズンチャチャ
【教会】
神父「……そうですか、あの子が勇者に」
神官「そう。神託が下ったのでね……。ただ……少し……」ハァ
神父「ああ、昨日会われたんですよね? となると、大体の事情は察しがつきますが……」
神官「ええ。……正直、酷いものだった」ハァ
神父「」ハハッ……
神官「今でも夢か間違いではないかとは思っているのだが……。しかし、あの青年が昨日、封印された勇者の剣を、鞘から何の苦もなく抜き放ってしまったのだから認めざるを得なかった……」
神父「……そこまで悪い子ではないのです。見た目ほどは」
神官「とてもそうは思えなかったが……見た目通りとしか」
神父「……まあ、最近の子ですから」
神官「嘆かわしい限りだよ」ハァ
神官「ところで……」
神父「はい」
神官「これからあの青年の家まで行く予定だが、すまないが付き合ってもらってもいいかね。一人だと自制心がなかなか持たなくてね」フゥ……
神父「わかりました。お付き合いしましょう」
神官「助かるよ」
神父「いえ、私もあの子に久々に会っておきたいところでしたし。特に勇者に選ばれた今となっては」
神官「何故、あの青年が勇者なのか、全く理解に苦しむがね……。主の御心をはかろうとしてはいけないというのはわかっているのだが……」ハァ
神父「……試練なのでしょう、きっと。あの子にとっても、私達にとっても……」
神官「かもしれぬな……」ハァ
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