女「ただいまぁ」 男「アッーーー!」 (147)


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赤枠使いです

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女「ただいまぁ、男。今日の晩御飯はあんたの好物のエビチリよ」ガチャッ

男「アッーーー!」ビクンッビクンッ










女「え?」

男「…ぁ、女。おかえり」

女「え?」

男「…どうしたの、女? 部屋の入り口で立ち止まっちゃって」

女「いやいやいやいやいやいや」

男「…ほえ?」

女「あんたさ、私の彼氏だよね」

男「…うん。彼氏だよ」

女「私達、相思相愛の関係だよね」

男「…うん。好きだよ、女」

女「ちゃんとした彼氏彼女の関係だよね?」

男「…もちろん、そうだよ」

女「じゃあ、それを踏まえた上で聞くけどさ」

男「…ほい。どうしたの?」

女「何で、ホモセックスしてるんですか?」

ホモ「うぃっす、どうも」

女「喋るな。ホモ。くせえ」

ホモ「ひでぇ…」

女「正座しろ、男」

男「…はぃ」

女「服着ろ、ソードをしまえ」

男「…了解」イソイソ

ホモ「ねぇねぇ、オレも正座した方がいーい?」キョシュ!

女「黙れ。喋るなホモ」

ホモ「つめてぇどころの話じゃねぇ」

女「おい、男」

男「…何でしょうか、女様」

女「てめぇ、自分が何やったか分かってんだろうな?」

男「…すいません。本当に、ごめんなさい」

女「おら、言ってみろよ」

男「…浮気、してしまいました」

女「ちげぇっっ!!!」バキッ

ホモ「なぜオレが殴られrーー」ドンガラガッシャーン

女「正座しろ、男」

男「…はぃ」

女「服着ろ、ソードをしまえ」

男「…了解」イソイソ

ホモ「ねぇねぇ、オレも正座した方がいーい?」キョシュ!

女「黙れ喋るなホモ」

ホモ「つめてぇどころの話じゃねぇ」

すいません
6と7の順番間違えました

許せ、朋よ

…なにも言うな

男「…浮気の件じゃないのか?」

女「浮気したのは事実だ」

男「…悪かった」

女「だが今怒ってるのは、浮気に対してじゃない」

男「…なんでしょうか?」

女「てめぇ、私に隠してることがあるだろ? おい」

男「…えっと、なんだろ? うーん…」

女「思い出せよ、先ほどのとんでもねー光景のことをよ」

男「…隠してたこと、…隠してたこと」

女「ほら、言ってみろよ」

男「…わかったっ。実は、俺が受けもイケるってことか?」

女「………」シーン

男「…えっと、黙られると怖いんですが…」

女「それについては、いつもと違って思わぬギャップだったので少し萌えてしまいました」

男「…あ、どうも」

女「男。あんた、ホモなの?」

男「…いや、ホモじゃないんだけど…」

ホモ「女ちゃーん、ホモはオレだぞ☆」

女「あんたに聞いてねーよ、ゲイ」

ホモ「ゲイなんてヤダっ。褒めてんの?」

女「あんたは、何? 死にたいの?」

ホモ「辛辣すぎるよ」

男「…女はさ。怒るとこの通り、辛口なんだ」

ホモ「女ちゃん、こわーい」

女「ホモ。てめぇは一回死んで来い」

ホモ「直球しか投げてこないよ…、心が痛いよ」

男「…女。ほら、怖い顔してないでさ。笑って笑って」

女「私はこの状況下で、笑顔にしようとするアンタの神経が分からないよ。むしろ尊敬する心が湧いてきたよ。不思議!」

男「…ごめん」

女「ハァーっ、自分の彼氏がゲイだなんて信じられない」

男「…女」

女「なによ」

男「…俺は、…バイだっ」

女「…なんて日だ、今日はなんて日だ!!!」

ホモ「ねぇ、女ちゃーん。俺、海老料理食べたーい」

女「お前にいつ発言権が認められたですか?」

ホモ「ひどいなぁ、女ちゃんは」

女「永久差別だよ、人種差別、それでも夜は明ける」

ホモ「もう少し優しくしてくれてもいいじゃん。今日から一緒に住む仲なんだし」

女「帰れ、ホモ野郎」バキッ

ホモ「Mawashi-Geri!」ドンガラガッシャーン

女「ほんッッと、ありえないっ! これから一緒に暮らすとかっっ!」

男「…ふぁ~」アクビ

女「ん?」

男「ん?」

女「いや、いやいやいやいや、ホモが一緒に暮らすだってっっ?」

男「…どうしたの?」

女「おいぃぃぃぃいい! 男オオォォォ!」ガシッ

男「…な、なに?」

女「なに? …じゃねぇえええよ!」ユッサユッサ

男「…ふわわぁっ」ユサブラレ

女「何でこのホモを家に泊めるのよ!?」

男「…だって、あいつ、家ないらしいし」

女「あ"ぁ?」

男「…それにさ。俺、ホモのこと好き、だし」

女「顔を赤らめるな、上目遣いでこっちを見るな、何だテメェ早く死ね」

女「おい、男」

男「…はい、なんでしょうか」

女「このホモと私、どっちが大事なの?」

ホモ「あー! それオレも聞きたーい!」キョシュ!

女「チョークスリーパー…」ガシッ

ホモ「し、死ぬ。しっーーー」ブクブク

男「…ホモか、女か、…うーん」

女「ねぇ、そこ悩むところじゃないよね?」

男「…両方、かな?」

女「もっかい言って?」

男「…ホモも、女も、大好きで、とっても大事な人達だよ」

女「別れよう、そうしよう」

男「…俺は自由と書いてバイだから。自由(バイ)を勝ち取った国byアメリカ」

女「わけがわからないよ」

男「…悪かった、俺が悪かったよ」

女「他に誰が悪いんだよ…」

男「…ごめん」

女「今さら謝られたって、許すわけないじゃない」

男「…ほんと、ごめん」

女「ちょっ、顔近付けないで」

男「…ごめんな、俺が不器用だからさ」

女「っち、ちょっと// 顔近いのよ!」

男「…いつもいつも女に迷惑ばっか掛けてるよな」

女「そ、そうよっ! ほんといっつも、いつもっ!」

男「…わりぃ…」ナデナデ

女「ひゃぅ// な、撫でるなバカぁ//」

男「…ごめん…」スッ

女「ひ、額同士をくっ付けようとしないのっ!/// 私、怒ってるんだからね!?///」

男「…ぁっ、ごめん女。嫌だったか?」ショボン

女「ぅぅう"っ// そんな顔すんなバカ!///」

男「…ごめん…」

女「ちょ、ちょっとだけなら、//……」

男「…ちょっとだけなら?」

女「ぃ、嫌じゃないっ、から…///」エンダァアアア イヤァアアア

ホモ「………ちょろい…」

女「…んん、ふぅ…。…男?」

男「…z…z…z…」

女「あれ? 私いつの間に寝てたんだろう」

男「…z…z…z…」

女「昨日何があったんだっけ…、うーん」

男「…z…z…z…」

女「うあ、化粧も落としてないし…」

男「…z…z…z…」

女「とりあえず、顔洗いにいこう」ガチャッ

ホモ「おっはよー! もうっ、起きるの遅いんだからぁ! ほら、ダーリンのために美味しい朝食を…って、なんだ。女ちゃんか」

女「………」

ホモ「どうしたの?」

女「お前さ、」

ホモ「はいな」

女「なんでキッチンで裸エプロンしてるの?」

ホモ「え? 裸エプロン、定番じゃん」

女「いやいやいやいや、それ私のエプロンだしっ!」

ホモ「あ、そうだったの? ごめんごめん、今脱ぐから」ヌギヌギ

女「脱ぐなぁ! ここで脱ぐなぁ!」

ホモ「分かったよ。風呂場で脱ぐよ」

女「あんたにモラルって言葉はないんですか?」

ホモ「イチモツならあるけど…」

女「めくるんじゃねぇっ! 見せようとするんじゃねぇ! しねぇえええ!」バキッボコッドカッ

ホモ「真空三段蹴り!?」」ドンガラガッシャーン

女「…これ、ホモが作った料理?」

ホモ「そうだよ、男のために作ったんだっ」

女「なんでこんなに本格的なの? ムカつくんですけど」

ホモ「味は保証するよ、食べてみる?」

女「………ペロッ」

ホモ「どう?」

女「これはっ!?」

ホモ「はい」

女「オニオングラタンスープ…」

ホモ「美味しいでしょ?」

女「うん。腹立つくらいに」

ホモ「腹は立てないでよ」

女「ホモなのに何で私より料理が上手いのよ、ちっくしょう!」

ホモ「ふっふっふ、何たって隠し味が入ってるからね!」

女「なに?」

ホモ「俺のエキス!」

女「」

ホモ「どうしたの? 女ちゃん、固まっちゃって」

女「」オェーッ

男「………」ムシャムシャ

女「………」パクパク

ホモ「………」モキュモキュ

男「…女、醤油とって」

女「ん、はい」ススッ

ホモ「ねぇ、女ちゃん」

女「んだよ、ゲイ野郎」

ホモ「扱いがひでえ」

女「文句あるんだったら、私の作った卵かけ御飯はやらん」

ホモ「許してください」

女「だったらなんだよ」

ホモ「オレのオニオングラタンスープは…?」

女「お前のエキスが入ったやつなんて食えるかよ汚ねぇ」

ホモ「ちょっと精液混ぜただk」

女「もっかい吐いてくる」オェーッ

男「………」ムシャムシャ

女「………」パクパク

ホモ「………」モキュモキュ

女「なんか平然とホモが混じってることについては、今さら言及しないわ」

男「…どうしたの?」

女「あんた、どこでこのゲイと知り合ったのよ?」

男「…えっと、職場、」

女「職場恋愛かよ、発展してんじゃねぇよ」

男「職場の、トイレ…」

女「ファッ!?」

ホモ「オレ達、トイレで出会ったんだよねー、ダーリンっ」キャピ

男「…うん」

女「ガチホモじゃねーか」

ホモ「オレからこうやってダーリンにさ、ヤらないか?って」

男「…否定は、しない」

女「ガチホモだなっ。あと、男同士でつつき合うなきめえ」

ホモ「抱きしめ合い、熱いベーゼを交わし、きしむベッドの上で優しさを持ちより」

女「謝れ。尾崎さんに謝れ」

ホモ「ごめん。言葉だけじゃ伝わりづらいから、実際に再現するね?」

男「…ぁ、ホモ…//」

女「ちょちょちょちょちょぉおおお! 押し倒すなぁ! おっぱじめんなぁ! 男!あんたも満更でもない顔すんなぁ!」

ホモ「分かったよ…。女ちゃん、ちょっと外してくれる?」

女「何も分かってねーよ!!」

男「…俺は別に、三人一緒にでも構わないよ///」

ホモ「3Pなんて、オレがヤダよ」

女「それは私のセリフだよ!!!」

ホモ「じゃあ、男、いくぜ!」

男「…キて…///」

女「チャックを下ろすんじゃねぇええええ!!!」バキッ

ホモ「ガゼルパンチッ!?」ドンガラガッシャーン

仕事場にて


女「はぁ」

女友「どうしたの? らしくない溜息なんか吐いちゃって、彼氏と喧嘩でもしたの?」

女「違うのよ、まぁ喧嘩っちゃあ喧嘩なんだけどさ」

女友「話なら聞いてあげるわ、言ってみなさいよ」

女「ありがと」

女友「仕事で慣れてますから」

女「お手柔らかに」

女友「ほーい。で、どうしたの?」

女「実はね、彼氏がバイセクシャルだったの」

女友「いきなり爆弾級のが来たわね。驚いたわ」

女「かくかくしかじかあって、そのゲイが家に住み着くことになったのよ」

女友「へぇー、何それ楽しそうっ」

女「やめてよね…」

女友「ねぇねぇ、そのゲイはイケメンなの?」

女「そこそこ。腹立つくらいに…」

女友「いいなぁ」

女「良くないわよ」

女友「どうして? イケメン二人に囲まれて、両手に花じゃないっ?」

女「ヤダよ。私、一夫一妻制が正しいと思ってるもの」

女友「でも贅沢に3P出来るいいチャンスじゃない?」

女「はぁ?」

女友「イケメン二人に両穴を交互に突かれなさいよっ? ホント意識飛んじゃうくらい気持ちいいんだからっ」

女「…あんたがヤリマンだってことを忘れてたわ」

女友「三度の飯よりセックスよ、気持ちいいが正義っ」

女「ビッチの鏡ね」

女友「男達にとっては女神よ」

女「はいはい」

女友ちゃーん! いつものお客様がご指名だよー! 三番テーブル行ってきてー!

女「エロじじいがお呼びよ、No.1嬢」

女友「フフフッ。あのオジサマ、テクニシャンなのよっ」

女「きもい…、はよ行け」

女友「はいはーい! 女友今行きまーす!」タッタッタッ

女「はぁっ」

女「え?」

ホモ「あっ! 女ちゃん、おかえりー」

女「え?」

ホモ「どうしたの? 部屋の入り口で立ち止まっちゃってさ?」

女「いやいやいやいや、え?」

ホモ「あっ、男なら、まだ帰ってきてないよ。今日ちょっと遅くなるってさ」

女「あっ、そう」

ホモ「うん」

女「それはいいんだけどさ、」

ホモ「どったの?」

女「あんたさ、人の家のリビングで何してるの?」

ホモ「キュウリで開発!」ドヤァッ

女「何で全裸で這いつくばってんの? 何でドヤ顔してんの? 何で入れたキュウリ出したの? バカなの? 死ぬの?」

ホモ「えっと、キュウリ食べる?」

女「てめぇ、それどっから出したか分かってんの?」

ホモ「アナr」

女「死ねぇえええぇぇ!!!」バキッ

ホモ「ウエスタンラリアットぉお!?」ドンガラガッシャーン

女「はぁ、最悪最悪最悪。ゲイの開発現場を目撃してしまうわ、買ってきた豆腐はグチャグチャにしてしまうわ、ホントに最悪よっ」

ホモ「大丈夫? 生理?」

女「お前のせいだよ!」

ホモ「豆腐買ってきたの? 女ちゃん、何か作るの?」

女「…うっさい」

ホモ「それくらい教えてくれたっていいじゃない」

女「……麻婆豆腐…」

ホモ「へぇ、食べたい」

女「あんたのせいで豆腐はグチャグチャよ、買い直すわ」

ホモ「グチャグチャになったやつは? 捨てるの?」

女「明日の朝の味噌汁に入れる…」

ホモ「ふーん、家庭的だね女ちゃん」シャキーンッ

女「…てめぇは何で全裸のままなんだ?」

ホモ「気になるの?」シャキーンッ

女「不愉快だ。おったてんな」

ホモ「大きいでしょ? ゾクゾクする?」シャキーンッ

女「しないわよ」

ホモ「本当に?」シャキーンッ

女「…切られたいようね…」

ホモ「勘弁して下さい」シャキーンッ



ホモ「服は着ました」

女「当たり前です」

ホモ「さぁ、さっそく料理に取り掛かろうか」テキパキ

女「料理慣れしてるのね」

ホモ「まぁねー」テキパキ

女「ムカつく…」

ホモ「いーい? 麻婆豆腐なんてのは、このくらいグチャグチャで丁度いいんだよ、女ちゃん」

女「そうなの?」

ホモ「うん。人にもよるけどね」

女「へぇ…」

ホモ「じゃあ教えてあげるよ、オレ料理得意だからさ」

女「私でも上手くなるかしら?」

ホモ「もちろんだよ」

女「うん…」

ホモ「さ、始めよっか」

女「…あんた手洗った?」

ホモ「あ」

女「あんたさっき自分のイチモツ触ってたよね?」

ホモ「うんっ」

女「洗って来い!!!」





ホモ「女ちゃん。ひき肉と、ニンニク少量、あと生姜、炒めて」テキパキ

女「分かってるわよっ、こうでしょ!?」アセクセ

ホモ「わっ、手荒! 性格が料理に出てる!」

女「ぶん殴るわよっ!」

ホモ「危ない危ない」

女「もうっ」ボゥッ

ホモ「女ちゃん! 燃えてる! 燃えてる!!」

女「え? どこ?」

ホモ「エプロン!」

女「きゃあっ」

ホモ「ちょっ、オレんとこ来ないでっ!燃える!」

女「あんた男でしょ!!なんとかしてよ!!」

ホモ「残念でした!俺は男だけど、ゲイだから」

女「しねっ!!!」

ホモ「水!水!水!」

女「きゃぁあ、それ油!!!」

ホモ「あっぶねぇ!」

女「服でいいから、服を、覆い被せて、鎮火!」

ホモ「オレ、大家さんに追い出されたっばかりで持ってる服少ないんだ…。ごめんね」

女「私の使っていいからぁ!!!」






ホモ「さてと、仕切り直しです」

女「もう疲れた…。あんたが作ってるの見てるわ」

ホモ「女ちゃん。料理は優しく作らなきゃ。必死になっちゃダメだよ」

女「悪かったわね、粗雑で」

ホモ「粗雑すぎると、彼氏出来ないぞ?」

女「居るわよ! あんたが寝取ったけどっ」

ホモ「でも男は、俺はバイだ、両方イケる…!って言ってたぜ?」

女「いいのよ? あんたを煮てやっても…」

ホモ「勘弁して下さい」






ホモ「…調味料とスープを加えて、」テキパキ

女「………」

ホモ「…ネギやら片栗粉やら、ラー油やらを投入」グツグツ

女「おいしそう…」

ホモ「はい、完成」

女「おぉ」




ホモ「あとは、これを皿によそって」

女「……あっつ!」

ホモ「ぁっ、ごめん! 汁飛んだ?」

女「大丈夫よ、ちょっとかかっただけだから」

ホモ「手にかかったの?」

女「うん、でも平気よ」

ホモ「見してみ?」

女「ん、」スッ

ホモ「赤くなってるじゃんっ」

女「そう?」





ホモ「…調味料とスープを加えて、」テキパキ

女「………」

ホモ「…ネギやら片栗粉やら、ラー油やらを投入」グツグツ

女「おいしそう…」

ホモ「はい、完成」

女「おぉ」


ホモ「あとは、これを皿によそって」

女「……あっつ!」

ホモ「ぁっ、ごめん! 汁飛んだ?」

女「大丈夫よ、ちょっとかかっただけだから」

ホモ「手にかかったの?」

女「うん、でも平気よ」

ホモ「見してみ?」

女「ん、」スッ

ホモ「赤くなってるじゃんっ」

女「そう?」


ホモ「ダメだよっ」ガシッ

女「ちょっ、手掴まないでよっ」

ホモ「冷やさなきゃダメだよ。ほら冷水出して…」ギュッ

女「じ、自分で出来るわ//」

ホモ「火傷なんてしちゃったら持ったいないぜ。女ちゃん、いい肌してんのにさ」

女「うっさいっ//」

ホモ「なに? 怒ってるの?」

女「黙れって言ったでしょっ、もう平気だからっ」バッ

ホモ「そんなに必死になって手を振り払うくらい嫌だった?」

女「そうじゃ、ないけど…」

ホモ「…もしかして、オレが男だから照れてる?」

女「ち、違うわよっ。私は、そのっ」

ホモ「でも、」

女「?」

ホモ「オレ、女の子に興味ないんだよね。ホモだからさっ」

女「しねぇえええ!!!」バキッドカッ

ホモ「ボルトライナー!?」ドンガラガッシャーン




男「………」ムシャムシャ

女「………」パクパク

ホモ「………」モキュモキュ

男「…今日の晩御飯のメインは麻婆豆腐か…、女が作ったの?」

女「うん、そうよ。美味しい?」

男「…美味しいよ」

ホモ「一割も手伝ってないくせに…」

女「何か言いましたか?」

ホモ「いいえ、なにも言ってません女様」

男「………」ムシャムシャ

女「………」パクパク

ホモ「…女ちゃんってさ、小さいよね」ボソッ

女「はぁ? 何が?」

ホモ「おっぱい」

女「コークスクリュー!!!」バキッ

ホモ「ほげぇえ」ドンガラガッシャーン



男「…気にしてたのか? 小さいの?」

女「うっさい」

男「…別に気にするほどでもないと思うけど…」

女「そりゃあ、私だって女の子だし。ちょっとは気にするわよ…」

男「…そういうもんか…」

女「うん」

ホモ「まったく、ダーリンは女ちゃんの“あって、やっぱりないようなもの"の何処が好きんだよ、むぅ」

女「あんたはもう、ないじゃない! ただの板じゃない!」

ホモ「ない方がスッキリしてて、いいだろ?」

女「あったら、ちょっとお得じゃない!」

ホモ「女ちゃんのは、あっても5%オフくらいの、お得さだよ…」

男「…否定はしない」

女「ちょっとは否定しろよっ」

男「…でも俺は、その“あって、やっぱりない"くらいが好きだ」

女「貧乳好きかよっ」

ホモ「それ結局は自分が貧乳だってこと認めてるけど?」

女「…うるせぇええ!!!」

男「…女。俺、貧乳好きだ」

女「否定しろぉおお!!!」



男「…ごちそうさまでした」

女「お粗末様でした」

ホモ「完全に自分の手柄にしちゃうあたりに女ちゃんのジャイアリズムを感じるよ」

女「何か文句でも?」

ホモ「言ってませんよ、貧乳先生。貧乳は希少価値、ステータスです」

女「張り倒すぞ…」

ホモ「目がマジだよ…」

女「…てか、ホモは何でそんなに料理が上手いのよ。ムカつくんだけど」

ホモ「懐石料理店で働いてたんだ。すごいっしょ」

女「へぇ、なるほどね。美味しいわけだ」

ホモ「ドヤァッ」

女「腹立つわ…」スチャッ

ホモ「もうやめるんで拳握らないで下さい」


女「…店はもうやめちゃったの?」

ホモ「いろいろあってね。独り立ちしたかったのもある」

女「ふーん。で、独立できずに、人の家に居候と」

ホモ「ちがうよっ、駆け落ちだよ! 男と!」

女「いやいや、何も落ちてねーよ!」

ホモ「なぁに? 女ちゃん、オレ達の駆け落ちにジェラシーでも感じてるの?」

女「帰って下さい、土に」

ホモ「ひでぇ」




女「…でも、あんたがここにいて良いことないわよ」

ホモ「なんでさ?」

女「ここ最下層だし、扱い酷いし、上には上がれないし、生活大変だし」

ホモ「うん…」

女「何より、あんたが開こうとしてる懐石料理店なんて、ここじゃ無理よ」

ホモ「そうかな?」

女「治安悪いからね」

ホモ「…じゃあさ、女ちゃんは何で最下層に住んでるの?」

女「うーん、何でだろう」



女「男がいるからかな」

ホモ「男がいるから?」

女「うん。男がここに居るから、私もここに居たい。私は男の側に居たいわ」

ホモ「ロマンチストだね」

女「そうかしら? 私は男の彼女だし、彼女として当然のことを言ってるだけだよ」

男「…女、照れる//」

女「な、何だお前っっ。いきなり顔、赤らめちゃってっ」

男「…女が言ってくれたことが、その…嬉しくて///」

女「可愛いな…。可愛いなっ、このやろうっ!」ダキッ

男「…女、腰に抱き付かないでくれ//」

女「だーめ、もうちょいこのまま」ギューッ

ホモ「ぁ、いいなぁ。イチャイチャしてて…」

女「なぁに? あんた、ジェラシーでも感じてるの?」ギューッ

ホモ「はは、ちょっとね…」

女「…ホモ…?」





ホモ「よしっ、決めた!」

女「何を?」

ホモ「ここにいる理由だよ」

女「はぁ、どんな?」

ホモ「男がいるから、オレもここにいようっと」

女「ぇ? な"っっ!」

ホモ「いいでしょ?」

女「い、いいわけないでしょ!」

男「…ホモ、照れる//」

女「照れんな!!!」

ホモ「あぁんっ、照れてる男かわいいっ」ダキッ

女「抱きつくなぁあ!!!」

ホモ「あ、女ちゃん、ジェラシー?」

女「うっさい! バカっ!」バキッ

ホモ「なぜ、殴r」ドンガラガッシャーン




女「おい、ゲイ」

ホモ「なぁに、女ちゃん」

女「はたらけ!」

ホモ「えー」

女「働かざるもの食うべからず!」

ホモ「オレ、家事してるじゃん」

女「それについては助かってます。 しかしっ!」

ホモ「しかし?」

女「うちは共働きして精一杯なのよ! そんな状態なのに食が一人分増えたから、今月カツカツです!!!」

ホモ「そうなんですか」




女「働けニート」

ホモ「わかったよ、バイトでも探すよ」

女「………」

ホモ「どうしたの? 女ちゃん?」

女「いや、あんたにしてはずいぶんあっさりしてんなーって…」

ホモ「それゲイに対する偏見じゃない? オレだって居候させてもらってるんだから、それなりのことはやらないとって思ってるよ」

女「意外としっかりしてんのね」

ホモ「どうも」

女「………」





女「あっさりゲイね」

ホモ「…逆に、こってりゲイとか、ちょっと気持ち悪いわ」





ホモ「そういえば、女ちゃんは何の仕事してるの?」

女「水商売」

ホモ「ヘルス? セックスでもしてんの?」

女「してないわよ」

ホモ「お話して、お酒飲むだけ?」

女「そんな感じ。たまにお呼ばれされると、その人の家に行ったりもするわ」




ホモ「デリヘル?」

女「本番はなし。口でしたことならある」

ホモ「へぇー」

女「基本的に本番はなしだけど、する人もいるわ。人それぞれよ」

ホモ「強引にされたりしないの?」

女「されたら、殴る」

ホモ「なんだかドライだね」

女「仕事だからね」





ホモ「…今度、お店に行ってみてもいい?」

女「女性だらけよ? あんた、女性には興味ないんじゃなかったの?」

ホモ「いや、女ちゃんをからかいたくて」

女「うん。門前払いするわね」ニコッ

ホモ「すげぇイイ笑顔」





女「ただいまぁ」

男「…おかえり」カキカキ

ホモ「おかえりー」

女「男、何描いてるの?」

男「…新しい図面」カキカキ

女「また図面作成?」

男「…うん。なかなか上からOKが出ないんだ」

女「そっか。あんま無理しちゃダメだよ」

男「…ん。分かってる」





ホモ「あれ? 女ちゃん、また外出るの?」

女「ご飯買いに行くわ。冷蔵庫、空だし。ついでに買い足す」

男「…中華?」

女「うん。中華にしよう」

男「…ロイヤルデリがいい」

女「いつもの店ね」

男「…女、エビチリ食べたい…」

女「知ってる」

男「…杏仁豆腐は…」

女「今日は特別。付けたげる」

男「…特製春雨…」

女「ゴマ油増し増し」






ホモ「以心伝心」

女「オレンジレンジ」






男「…女が帰ってくるまで、ちょっと寝てる…」

女「ちゃんと毛布使いなさいよ。コタツの中で寝ないように」

男「…ん…」

女「…、ホモ」

ホモ「ほい」

女「あんたも買い物手伝いなさい」

ホモ「男手が必要?」

女「それもある、けど。男、ゆっくり寝かしてあげたいからさ」

ホモ「ラブラブだね」

女「ラブラブでしょ?」







ホモ「まだー?」

女「もうすぐで着くわ」

ホモ「ほーい」

女「そういえば、あんた達、職場で出会ったって言ってたわよね」

ホモ「うん、そうだよ。厳密には男の職場のトイレだけど」

女「細かいことは、置いておくわ」

ホモ「ほいほい」

女「男の仕事は造船業です」

ホモ「そうだね。さっき図面描いてたね」

女「じゃあ何で、懐石料理店で働いてたホモとバッタリ出会わなきゃいけないのよ」

ホモ「まぁ、いろいろあったんだよ」

女「いろいろって何よ」

ホモ「ひみつ」

女「ふーん…」







ホモ「………」

女「………」

ホモ「あれ、聞きたくないの?」

女「聞きたいわよ。でも、何か事情があるんでしょ」

ホモ「何で事情がありそうだって思ったのさ?」

女「んー、男を信じてるからかな」

ホモ「信じてる?」

女「うん。私が好きになった男だもの。全部とは大層なこと言えないけど、彼のことを良く知っているつもりだわ」

ホモ「へぇ…」

女「あいつは何処か抜けているように見えて、仕事には一生懸命だし、困った人を見かけたら助けずにはいられない世話焼きだし、優しいし、喧嘩は強くないんだけどさ、自分が正しいと感じたら平然とバカなことをしちゃう…、そういうやつ」

ホモ「うん…」

女「だから、突然あんたを家に連れ込んだのも何か事情があるんじゃないかなって思ってるわ」





女「私の許可なしだったしね」

ホモ「絶対王制」




ホモ「でも、女ちゃんが知らない男の一面があるかもしれないよ?」

女「そうね、バイだとは知らなかったわ」

ホモ「じゃあ、もしかしたら、女ちゃんは知らないけど、男が実は悪いヤツでさ。極悪非道なオレと連んでるって可能性もあるかもよ?」

女「ないわね」

ホモ「即答かよ」

女「うん」

ホモ「オレ、殺人鬼かもしれないよ?」

女「ないわね」





ホモ「…クックック」

女「なに、いきなり笑い出して」

ホモ「くはっはぁ!! 女ちゃんは、もっと人を疑うことを覚えるべきだったなぁ!!! そうすれば死なずに済んだものをよぉおお!!!」

女「………」

ホモ「………」

女「なにそれ」

ホモ「ごめん。そんな冷ややかな目で見ないで…」orz






女「第一ね、あんたが悪い奴に見えないのよ」

ホモ「そう、かな?」

女「殺人鬼? バカじゃないの?」

ホモ「すいません」

女「変態で、ゲイで、キモくて、非常識で、ムカつくけど。悪い奴じゃなさそうってことは確かだわ」

ホモ「飴と鞭の、鞭の量が多すぎるよ…」

女「事実じゃない」

ホモ「ひでぇ…」





ホモ「てかさ、何で悪い奴じゃないって分かるの? オレは男と違って長いこと女ちゃんと一緒にいたわけじゃないだろ」

女「そうね」

ホモ「それなら、どうして分かるのさ」

女「女の勘よ」

ホモ「勘かよ」

女「あんたは悪い奴じゃなさそう。私がそう思ったから、それでいいの」

ホモ「裏切るかもしれないよ?」

女「その時は、その時」

ホモ「不安じゃない?」

女「ぜんぜん」

ホモ「女ちゃんは強いね…」

女「…何、あんた、今日めんどくさいわね」

ホモ「ぇー、ひでぇ」





ホモ「そうだ。女ちゃんと男は何処で出会ったの?」

女「私が働いてるお店で、男が客として来たの」

ホモ「へぇ、男もそういうお店入るんだね」

女「上司に連れられて来たって言ってたわ」

ホモ「そうなんだ」

女「うん」




ホモ「女ちゃんの一目惚れ?」

女「いいや」

ホモ「違うの?」

女「一目惚れがないと言ったら嘘かもしれないけど、私は何回も一緒に話す内に好きになったんだと思う」

ホモ「何回も来てくれたんだ?」

女「えぇ。お呼ばれもしたわ」

ホモ「家に?」

女「うん」

ホモ「何したの?」

女「一緒に映画見たわ、タイタニック」

ホモ「へぇー。セックスした?」

女「死ね」

ホモ「気持ち良かった?」

女「死にたい?」

ホモ「許して下さい」orz






女「着いたわ。中華専門店ロイヤルデリよ」

ホモ「何か、屋台みたいな感じなんだね」

女「一端のレストランだとでも思った?」

ホモ「ロイヤルって付いてるから、豪華そうだと思っていた時期がオレにもありました」

女「汚いでしょ?」

ホモ「寂れたネオンとか、脂ぎった看板とかがイイ味出してる」

女「苦し紛れのフォローね。むしろゴキブリとか出そう」

ホモ「」





女「なに、あんたゴキブリ苦手なの?」

ホモ「当たり前じゃん!」

女「それ、一人の男性としてどうなの?」

ホモ「オレは男である前にゲイだから特別枠です。女ちゃんこそ、平気なの!?」

女「むり、死ねばいい」

ホモ「すごい真顔、ありがとうございました」



女「チンジャオロース、エビチリ、中華春雨ごま油増し増し、杏仁豆腐、あとチャーハン三つ」

アイヨー!

ホモ「注文してから作るシステムなんだね」

女「出来たて食べられるから、私的には高ポイント」



ホモ「出来上がるまで暇だね」

女「そうね」

ホモ「暇だし、野球拳でもしようよ」

女「私、買い物して来る」

ホモ「華麗にスルーですか、はい」

女「出来上がったら整理券番号で呼ばれるから」

ホモ「…これ手書きなんだけど、大丈夫ですか?」

女「時々成りすましとかあるから気を付けてね」

ホモ「なんやて…」

女「いい? もし頼んだ料理を手に入れることが出来なかったら…、その時は分かるよな?」スチャッ

ホモ「分かったんで、その握り拳は解いて下さい」

女「じゃ、行ってくるから、あとお願いね」

ホモ「りょーかーい」




ヘイ、オマチドーサン

ホモ「ありがとー」

マタ、オコシクダサイマセー

ホモ「はいはーい」

ホモ「…よし、頼んだ料理は受け取った」

ホモ「チンジャオロース、エビチリ、中華春雨、杏仁豆腐、チャーハン三つっと」

ホモ「うん。帰るか」

ホモ「そういえば、女ちゃん、買い物行くって言ってたけど、先に帰ったのかな?」

ホモ「それとも一緒に帰るから、ロイヤルデリで待ってた方が良かったかな…」

ホモ「うーん…」

ホモ「ま、ご飯冷めちゃ美味しくないし、」

ホモ「先に帰るか」




ホモ「かえりたーい、かえりたーい、」

ホモ「あったかい我が家が待っていr」

DQN「ハプキっ!?」ドンガラガッシャーン

ホモ「……ファッ!?」


ホモ「…あ、ありのまま今起こったことを話すぜ。鼻歌交じりに帰路についていたオレの目の前を、DQNと思わしき人物が、人間とは思えないほどの軽さで、10メートルほど吹き飛んでいったぜ。何を言ってるのか分からねぇと思う。間近で見た俺も何が起こったのか分からなかった」

女「合気。超人の武術よ」

ホモ「女ちゃん!」

女「ホモ、料理ちゃんと受け取ったんでしょうね?」

ホモ「も、もちろんだよ」

女「そう。よかった」

ホモ「よかったよ、うん。ほんとに…。ほんとに、よかった」

女「…何で震えてんのよ?」



ホモ「山道のコスプレしてよ」

女「露出多い」




ホモ「ところでさ、」

女「なに?」

ホモ「女ちゃんの周りに積み重なってる人達は誰ですか?」

DQN2「」

DQN3「」

DQN4「」

女「あぁ、こいつら?」

ホモ「はい。みんな何処かしらに殴られた跡とかあるんですけど…」

女「私が殴ったのよ」

ホモ「予想通りです」

女「いきなりさ。ねぇ、お姉ちゃん暇でしょ? 俺らと一緒に遊ばなーい? とか言って、無理矢理掴んできたから…」

ホモ「…掴んできたから、ボコボコにしたの?」

女「うん」

ホモ「そっか」





女「…ちょっと、やりすぎちゃったかしら」

ホモ「うん。オレは何も言わない…」





女「帰ろっか」

ホモ「そうだね」

DQN5「隙ありだぁあ、仲間の仇ぃいい!!!」バッ

ホモ「まだ生き残りが隠れてたのか!? 女ちゃん! 危ない!!!」

女「うるせぇえっ」バキッ

DQN5「鍛針功!?」ドンガラガッシャーン

ホモ「………」

女「………」

ホモ「………」

女「何、引いてんのよ…」

ホモ「オレ、散々殴られてよく生きてるねって思って」

女「ギャグパートじゃ死なないのよ」

ホモ「格言いただきました」





ホモ「女ちゃん、」

女「なによ」

ホモ「女ちゃん、誰に対してもそんな感じなんだね」

女「どんな感じよ」

ホモ「ふっざけんじゃないわよー、とか。しねぇぇええ、とか。うっせぇっ、とか」

女「…若干、声が似てて腹立つんだけど」

ホモ「腹立てないでよ」

女「努力するわ」





ホモ「…もうちょっと女の子らしく振る舞えばいいのに、可愛いんだからさ」

女「こういう性格なのよ、仕方ないでしょ?」

ホモ「可愛いは否定しないんだ…」

女「ふふん、可愛いでしょ?」

ホモ「可愛いと思うよ」

女「うっ…」

ホモ「どしたん?」

女「真顔で言わないでよ...。恥ずかしい」

ホモ「いや、本気で言ってるんだよ。男相手に照れてる時とかさ、可愛いよ」

女「っ、うっさいっ//」

ホモ「ほら、それ」

女「ば、馬鹿じゃないの?//」

ホモ「あはは」

女「あんたに可愛いとか言われても全然嬉しくないわよっ」

ホモ「そっか」

女「そうよ」

ホモ「………」

女「…ホモ…?」

ホモ「でも女ちゃんが可愛くても、オレはゲイだからさ。女の子に興味ないんだ」

女「…はいはい。それはもう何回も聞いたわよ」

ホモ「あれ、殴らないんだね」

女「すぐ手が出るほど暴力的な女じゃないわ」

ホモ「人を殴り飛ばしてる時点で大分逸脱してる気がするけどね」


ホモ「てか、何でそんなに強いのさ」

女「知らないわよ」

ホモ「お父さんが格闘家とか?」

女「営業マンよ」

ホモ「そうなんだ…。じゃあ、お母さん?」

女「製菓業してるわ」

ホモ「…素で、そのポテンシャルかよ」

女「そういうことになるわね」

ホモ「…格闘家とか目指した方がいいと思うよ」

女「いやよ」

ホモ「そぉ? 世界狙えると思うけど」

女「いやよ。私、女の子だもの」

ホモ「男の子みたいに胸ないのに?」

女「おいっ、誰が幼児体型だって!?」

ホモ「誰もそんなこと言ってな――」

女「問答無用っ、一撃クラァーッシュ!!!」バキッ

ホモ「ほげえ!?」ドンガラガッシャーン

女「あ、美味しそう」

男「…スクランブルエッグだよ、普通の」

女「男が作ってくれたのは何でも美味しそうに見えるよ」

男「…褒めても何も出ませんよ」

女「美味しい朝ご飯は出て来たわ」

男「…どうぞ、召し上がれ」

女「いただきます」



女「……ん、ふぅ…」

男「…おはよ」

女「…ん、…」ゴシゴシ

男「…眠そう」

女「…うん…」

男「…昨日も遅かったね」

女「お客さん帰らなくて…」

男「…そっか。二度寝する?」

女「今何時?」

男「…十時」

女「おきるー」

男「…なら、顔洗ってきなよ。ご飯作るから…」

女「はーい」

女「あ、美味しそう」

男「…スクランブルエッグだよ、普通の」

女「男が作ってくれたのは何でも美味しそうに見えるよ」

男「…褒めても何も出ませんよ」

女「美味しい朝ご飯は出て来たわ」

男「…どうぞ、召し上がれ」

女「いただきます」

女「ごちそうさまでした」

男「…お粗末でした」

女「おいしかったです」

男「…よかったです」

女「お皿洗ってくる」

男「…今日は俺が洗うよ」

女「いいの?」

男「…今日、仕事休みでしょ?」

女「うん、お休みです」

男「…ゆっくりしなさい」

女「ありがと。でも、自分で使った皿くらい自分で洗」

男「…命令です」

女「…じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます」

男「…よろしい」

女「あれ?」

男「…どうしたの?」

女「何か静かだなと思ったら、ホモがいないのね」

男「…うん」

女「どこ行ったか知ってる?」

男「…知らない。…朝早く出かけていった」

女「ふーん」

男「…ちょっと、寂しいね」

女「……うん…」

女「あれ?」

男「…どうしたの?」

女「何か静かだなと思ったら、ホモがいないのね」

男「…うん」

女「どこ行ったか知ってる?」

男「…知らない。…朝早く出かけていった」

女「ふーん」

男「…ちょっと、寂しいね」

女「……うん…」

女「ねぇ」

男「…なんでしょう」

女「デートしよっか」

男「…なんか、改まって言われると恥ずかしい」

女「聞いた私の方が恥ずかしいから、早く返事して下さい」

男「…いこっか」

女「うん、行こう」

男「…どこか行きたい場所あるの?」

女「んーん。別に」

男「…?」

女「男と一緒に散歩しながら話したいって思ったの、それだけ」

男「…女…」

女「そうと決まれば支度しますよ!」

男「…外に来ましたね」

女「はい、来ました」

男「…いい天気だね」

女「そうね、今週は晴れ続きみたいね」

男「…次の雨、いつだっけ?」

女「来週」

男「…雨、ヤダなぁ…」

女「男は、雨嫌いだったね」

男「…うん。嫌い。寒いから」

女「雨はいやだけど、雪は好きよ、私」

男「…雪なんて見たことないけどね」

女「そうね」

男「…降らないかな、雪…」

女「雪が降る時は、雨の時より寒くなるらしいわ」

男「…寒いのはイヤだな」

女「やーい、寒がり」

女「髪伸びてきた気がする…」

男「…そう?」

女「うん。結構伸びた」

男「…ツインテールできる?」

女「なに、して欲しいの?」

男「…可愛いと思うよ」

女「可愛くない」

男「…個人的にはハーフアップが好き」

女「むぅ」

男「……チラッ…」

女「うっさいっ、こっち向くなっ」

男「…ハーフアップにしてくれるんだ」

女「今日は特別です」

男「…ありがとうございます」


女「仕事、どう? 捗ってる?」

男「…ぼちぼちかな」

女「最近休み少ないよね、男」

男「…忙しいね」

女「また新しい船、設計してるの?」

男「…まぁ、そんなとこ」

女「体壊さないようにね 」

男「…はい」

女「よろしい」

男「…女こそ、最近帰りが遅いよね」

女「はい」

男「…忙しいの?」

女「ぼちぼちね」

男「…心配になる」

女「新店舗をオープンするから人事移動があってさ。人、少ないんだよ」

男「…それで忙しいのは分かるけど、無理しちゃダメだよ?」

女「お互いにね」

女「あ、にゃんこだ」

男「…ほんとだ」

女「このにゃんこ、男に似てるー」

男「…そう?」

女「目細いとことか、まつ毛長いとことか」

男「…そうかな?」

女「そうだよ、可愛いなぁ」ナデナデ

男「………」

女「飼おう…」

男「…ダメです」

女「えー」

男「…ペット禁止のアパートだもん、大家さんに怒られちゃうよ」

女「むぅ…」

男「…残念」

女「にゃーにゃー、えへへ」

男「…可愛いな、」

女「でしょ? このにゃんk」

男「…女が」ナデナデ

女「なっ// ちょっ、ばっ」

男「……にゃー…」

女「…うぅっ」

女「今日は一日楽しかったです」

男「…こちらこそ楽しかったです」

女「また休日が重なったら一緒にデートです」

男「…決定ですか」

女「決定です」

男「…今度は俺から誘うよ」

女「は、恥ずい…//」

男「…ふふ」

女「ほ、ほらっ早く寝る寝る! あんた明日仕事でしょ?」

男「…うん」

女「じゃあ、早めに寝ちゃいなよ」

男「…女はどうする?」

女「もうちょっと起きて、洗濯物とか畳んでる」

男「…りょーかい、おやすみ」

女「はいはい、おやすみ」

女「今日は一日楽しかったです」

男「…こちらこそ楽しかったです」

女「また休日が重なったら一緒にデートです」

男「…決定ですか」

女「決定です」

男「…今度は俺から誘うよ」

女「は、恥ずい…//」

男「…ふふ」

女「ほ、ほらっ早く寝る寝る! あんた明日仕事でしょ?」

男「…うん」


女「………」

女「…まだ帰って来ない」

女「………」

女「もう十二時だし…」

女「………」

女「……はぁ…」


ホモ「ただいまぁ…」

女「おっそいっ!」

ホモ「うわっ」

女「…何よ、驚いた顔して」

ホモ「いや、こんなに遅いのに起きてるとは思わなくて…」

女「家事してたのよ」

ホモ「それにしても遅すぎじゃない?」

女「うっさいわねっ、何か文句あんの?」スチャッ

ホモ「ないっす。ないから殴ろうとしないで下さい」


ホモ「ただいまぁ…」

女「おっそいっ!」

ホモ「うわっ」

女「…何よ、驚いた顔して」

ホモ「いや、こんなに遅いのに起きてるとは思わなくて…」

女「家事してたのよ」

ホモ「それにしても遅すぎじゃない?」

女「うっさいわねっ、何か文句あんの?」スチャッ

ホモ「ないっす。ないから殴ろうとしないで下さい」

女「で、どこ行ってたの?」

ホモ「アルバイトだよ」

女「いつ始めたのよ」

ホモ「女ちゃんに言われてから」

女「あっそ」

ホモ「えらいっしょ?」

女「…どこで働いてんの?」

ホモ「コンビニ」

女「コンビニ?」

ホモ「うん」


女「レストランとかで働けばいいのに」

ホモ「えー、コンビニの方が楽じゃん」

女「自分で店開くんでしょ。だったら、レストランとかの方が」

ホモ「そういうの考えてくれるんだ」

女「なっ」

ホモ「優しいね、女ちゃんは」

女「うっさい」

ホモ「いい女性だよ。男が好きになるのも納得する」

女「茶化すんなら、もう知らんっ」

ホモ「ごめんごめん」

女「飯は?」

ホモ「まだ食べてない」

女「冷蔵庫に余り物ある」

ホモ「ほーい」

女「あと、風呂沸かしといたから早く入れ」

ホモ「ほーい」

女「私、もう寝るわ」

ホモ「おやすみー」

女「…おやすみ」

ホモ「女ちゃん」

女「…なによ」

ホモ「ありがと」

女「…うっさいばか」

女「飯は?」

ホモ「まだ食べてない」

女「冷蔵庫に余り物ある」

ホモ「ほーい」

女「あと、風呂沸かしといたから早く入れ」

ホモ「ほーい」

女「私、もう寝るわ」

ホモ「おやすみー」

女「…おやすみ」

ホモ「女ちゃん」

女「…なによ」

ホモ「ありがと」

女「…うっさいばか」

仕事場にて


女友「やっほー、女」

女「ん」

女友「何か進展あった?」

女「なんの話よ」

女友「ホモ君の話だよ」

女「その話かよ」

女友「もう3Pした?」

女「してないっ」

女友「あはは、ウブだね女は」

女「淫乱より需要はあるわ」

女友「淫乱って言わないでよ。自分の欲望にダイレクトなだけ」

女「ダイレクト過ぎるわよ」

女友「てへっ」

仕事場にて


女友「やっほー、女」

女「ん」

女友「何か進展あった?」

女「なんの話よ」

女友「ホモ君の話だよ」

女「その話かよ」

女友「もう3Pした?」

女「してないっ」

女友「あはは、ウブだね女は」

女「淫乱より需要はあるわ」

女友「淫乱って言わないでよ。自分の欲望にダイレクトなだけ」

女「ダイレクト過ぎるわよ」

女友「てへっ」

女友「うまくいってんの?」

女「なにがっ」

女友「ホモ君と男君との共同生活」

女「いってないわよっ」

女友「あらあら」

女「この前だって私が風呂入ってる時に、男と間違えちゃった!とか言いながら勝手に入ってくるし」

女友「うはー」

女「最近はアルバイトかなんか知らんけど帰り遅くなるし」

女友「うんうん」

女「着替えてても遠慮なく覗いてくるし」

女友「あちゃー」

女「もうイヤ! ほんと最悪!」

女友「うん」

女友「でも、そんなにイヤじゃないでしょ?」

女「はぁ?」

女友「ホモ君のこと、言ってるほど嫌いじゃないよね」

女「嫌いよ! イヤに決まって」

女友「決まってないよね?」

女「なっ」

女友「だって、女ったらホモ君が居候してから、ホモ君の話ばっかり」

女「そ、それはアイツが色々やらかすから」

女友「それに本気でイヤだったら、女は声もかけないもんね」

女「うっ」

女友「ずっと見てれば、そのくらい分かるよ。イヤなことされた客は見向きしないもん、女」

女「そ、それとこれとは話が違うわっ」

女友「ほんとは気になってるんじゃない? ホモ君のこと」

女「なってないわよっ」

女友「ほんとに?」

女「ほんとに!」

女友「ほんとに、ほんと?」

女「しつこい!」

女友「はいはい」

女ちゃん、女友ちゃん、今日は上がりでいいよー

女友「はーいっ、お疲れ様でーす」

女「お疲れ様です」

女友「うあはー、今日も疲れたね」

女「あのオヤジ、まじムカつく」

女友「二番テーブルで、しつこく触ってきた人?」

女「そう」

女友「触られてたね、女」

女「思い出すだけ吐き気するわ」

女友「でも金持ちだったね、あのオジサマ。お酒バンバン注文してたし」

女「上級階層で金を持ってるからって何なのよ」

女友「はじまったー」

女「金にモノを言わせて、好き勝手していいって訳じゃないのよ!?」

女友「うんうん。分かった分かった」

女「腹立つわ」

女友「立てないでよ」

女「今度来たら、殴り返す」

女友「暴力にモノを言わせてる…」

女「うわぁ、雨だ」

女友「予報見てなかったの?」

女「忘れてた…」

女友「あーぁ、お馬鹿さん」

女「うぅぅ」

女友「男に迎えに来てもらえばいいじゃん」

女「今、仕事中だもん。傘持ってくるためだけに呼び出せないよ」

女友「変なとこで律儀だね」

女「うっさい」


女友「私、先行くよ」

女「傘あるなら入れてってよ」

女友「ごめーん、今から彼氏とデートなんです」

女「じゃあいい」

女友「止むまで待てば?」

女「あと何時間でやむの?」

女友「あと二時間十分くらいかな」

女「…待つわ。私待つわ」

女友「いつまでもまーつーわ」

女「え?」

女友「え?」



女友「じゃあ、風邪ひかないようにね。バイバーイ」

女「んー」


女「…はぁ。後、二時間か…」

女「………」

女「…ホモのこと気になってんのかな、私」

女「………」

女「…自分でも良くわかんない」

女「………」

女「…あいつは、ただの変態で、はた迷惑な居候で、男のことが好きで…、ゲイで…」

女「………」

女「…ダメだ、よくわかんない」

ホモ「何が分かんないの?」

女「ひゃっ」

女「ほほほ、ホモ!?」

ホモ「どうしたの、そんなに慌てて」

女「な、何で」

ホモ「?」

女「何でここにいるのよ!」

ホモ「いや、雨降ってるから傘を届けに行こうと思って」

女「ど、どうして私が働いてる店の場所が分かったのよっ!?」

ホモ「男に教えてもらったー」

女「教えてもらったって」

ホモ「なに、嫌だったの?」

女「イヤっ、」

女友『ほんとは気になってるんじゃない? ホモ君のこと』

女「じゃない…わよ」

ホモ「そ。よかった」

女「…イヤじゃないわよ、バカ」

ホモ「バカは余計です」

女「うっさい」



ホモ「あ、やべ」

女「どうしたの?」

ホモ「傘一本しかない」

女「はぁ? バカじゃないの?」

ホモ「ごめんなさい」

女「もう、最悪」

ホモ「ひぃ、殴らないで」

女「殴らないわよ」

ホモ「殴らないの?」

女「殴って欲しいの?」

ホモ「殴らないで下さい」



ホモ「え、相合い傘すんの?」

女「相合い傘って言うな気持ち悪い」

ホモ「え、入っていいの?」

女「いいわよ、別に」

ホモ「女ちゃんのことだから、オレと相合い傘なんて絶対しないと思ったのに」

女「相合い傘って言うなキメェ」

ホモ「すみません」


女「で、入るの? 入らないの?」

ホモ「入るー」

女「女様、が抜けてるわよ」

ホモ「オレが持って来た傘なのに、なんて仕打ちですか」

女「びしょ濡れで帰りたいようね…」

ホモ「傘に入らせて下さい、女様」

女「よろしい」


ホモ「いやぁ、それにしても凄い雨だね」

女「そうね」

ホモ「季節変わりの雨かなぁ」

女「うん」

ホモ「ここも雨、降るんだね」

女「人工雨だけど、ね」

ホモ「人工雨なの?」

女「そうよ。知らないの?」

ホモ「うん」

女「気温調節の排熱水よ」

ホモ「へぇ」

女「排熱水を捨てちゃえばいいのに、雨にしてるのは、雨という形を人類が忘れないためなんだってさ」

ホモ「ふーん、物知りなんだね」

女「……。常識よ」

ホモ「女ちゃん」

女「なに?」

ホモ「傘、オレが持とうか?」

女「はぁ? なんでよ」

ホモ「女ちゃん身長低いからさ、一緒に相合い傘するとオレが屈まなきゃいけなくなるんだよね」

女「それで?」

ホモ「腰痛いっす」

女「知らん」

ホモ「ひでぇ」


ホモ「女ちゃんは雨好き?」

女「嫌いよ」

ホモ「なんで?」

女「濡れるから」

ホモ「ストレートだね」

女「でも、雨を見るのは嫌いじゃないわよ」

ホモ「見るの?」

女「うん。公園とかで、たまに一人で」

ホモ「変なの」

女「なんか落ち着く」

ホモ「詩人だね」

女「感性豊かなのよ」


女「あんたは雨、好きなの?」

ホモ「嫌いだよ」

女「濡れるから?」

ホモ「寂しくなるから」

女「ゲイも寂しさを感じるのね」

ホモ「人間だもの みつを」

女「ねぇ」

ホモ「なんでしょうか」

女「疲れた、傘持って」

ホモ「………」

女「ほら、持ちなさいよ」

ホモ「素直じゃないの」

女「…うっせ、ばーか」

女「ただいまぁ、男。今日の晩御飯はあんたの好物のチンジャオロースよ」ガチャッ

ホモ「あ、女ちゃん、おかえりー」

女「…ホモだけしかいないの? 男は? 買い物にでも行った?」

ホモ「急な出張だってさ、留守電入ってたよ」

女「ぇ、うそ…」

男『…女、ごめん。今週はちょっと帰れそうにない。上がうるさくてさ、もう少しで宇宙船のエンジンが完成するんだ。完成したら、女にも見せてあげたいなぁ』

男『…重力祭、今年も一緒に回れなくてごめん。また、電話する』

女「………」

ホモ「………」

女「今年もダメか…」

ホモ「女ちゃん、もしかして寂しいの?」

女「うっさい」

ホモ「寂しいなら電話すりゃあいいのに」

女「…いい。しない」

ホモ「電話がダメなら、留守電とか入れてもいいし」

女「…いいの」

ホモ「やせ我慢しちゃって」

女「ほっとけ」

ホモ「男は、仕事中に電話しただけで怒るようなやつじゃないぜ?」

女「知ってる」

ホモ「じゃあ、なに? 心配かけたくないとか」

女「…違う」

ホモ「違うの?」

女「…いや、ちょっとそう」

ホモ「心配かけたくないんでしょ」

女「うん」


ホモ「寂しいなら寂しいって言えばいいのに」

女「うっさい」

ホモ「男も絶対、そうして欲しいって思ってるって」

女「うっさい、知ったような口聞かないでよ」

ホモ「ごめんごめん」

女「あんたに何が分かるのよ」

ホモ「まぁ、そんくらい分かるよ。同じ男だもん」

女「…ゲイだけどね」

ホモ「そうだった」

女「………」

ホモ「でも、寂しいなら寂しいって言わなきゃ」

女「………」

ホモ「言葉にしなきゃ伝わんないことだってあるぜ?」

女「………」

ホモ「だからさ、女ちゃんの気持ち、ちゃんと」

女「あんたはっ」

ホモ「…!」


女「あんたは、私の何が分かるよっ」

ホモ「………」

女「知ったような口聞かないでっ」

ホモ「女ちゃん…」

女「私のこと知ろうともしないくせに、都合のいい時だけそんな言葉ならべて」

ホモ「………」

女「私の気持ちだって? あんたに分かってたまるもんか!」

ホモ「………」

女「ごめん、言いすぎた…」

ホモ「女ちゃん…、泣いてるの?」

女「泣いてないわよバカ!」ゴシゴシ


ホモ「女ちゃん…」

女「ちょっと頭冷やしてくる」ガチャッ

ホモ「ぁ、待って、女ちゃんっ」

公園にて


女「………」

女「はぁ…」

女「………」

女「何してんだろ、私」

女「………」

女「ホモは全然悪くないのに、私ってばバカみたいに八つ当たりして…」

女「………」

女「やっぱ、寂しいのかな」

女「………」

女「ホモに言われたこと、ほとんど図星だったし」

女「………」

女「ダメだなぁ、私」

女「………」

女「はぁ、」

女「………」


女ちゃーん、女ちゃんっ、女ー!!


女「ホモ…?」


ホモ「はぁはぁっ、出て行ったのを、追いかけたまでは良かったものの」

ホモ「女ちゃん、足速すぎだろ…」

ホモ「たぶん、この辺りだと思うんだけど」

ホモ「女ちゃーん、女ちゃんっ、女ー!!」

ホモ「………」

ホモ「ここにもいないのか?」

ホモ「どこ行ったんだ、女ちゃん」

ホモ「女ちゃーん、女ちゃんっ」

ホモ「女ちゃ」

女「うっせぇよ、ボケ」バキッ

ホモ「タイキック!?」ドンガラガッシャーン



女「近所迷惑よ!」

ホモ「女…ちゃん?」

女「まったくもうっ、呼ばれる側の身にもなってみなさいよ!」

ホモ「………」

女「あんな大声で叫ばれたら、ご近所一帯に私の名前が広がっちゃうじゃないっ」

ホモ「………」

女「?」

ホモ「………」

女「ホモ?」


ホモ「よかった…」

女「な、なによ、」

ホモ「よかった…」ギュッ

女「ちょっ、手握らないでよ」

ホモ「ホントは、」

女「……」

ホモ「ほんとは、抱きしめたかったんだ」

女「やめてよ、気持ち悪い」

ホモ「…ごめん」

女「………」

ホモ「ごめんね…」ボロボロ

女「…泣かないでよ、私がいじめてるみたいじゃない」

ホモ「…ごめんね…」

女「………」

ホモ「………」

女「そろそろ、重力祭ね」

ホモ「重力祭?」

女「うん。重力の神様を祭るの」

ホモ「……へんなの…」

女「みんなやっぱり地球の重力が懐かしいのよ」

ホモ「火星育ちのオレには分からないな」

女「私も正直よく分からないわ」

ホモ「そうなの?」

女「地球の重力を知っているのは、ごくひと握りの高齢者だけ、私たちみたいな子供は重力祭という大きなお祭りをイベントとして楽しむことしか出来ないわ」

ホモ「………」



女「…ホモ、あんた昔からゲイだったの?」

ホモ「…いいや、昔は女の子も好きだったよ」

女「女の子も、ね」

ホモ「彼女がいたこともあった…」

女「へぇ、彼女がね」

ホモ「うん」

女「想像付かないわ」

ホモ「あはは…」

女「彼女とは、別れたの?」

ホモ「死んだんだ」

女「………」

ホモ「自殺だったよ。オレの彼女、オレの目に前で飛び降りたんだ」

女「………」

ホモ「オレのせいで死んだ、オレが悪かったんだ」

女「………」

ホモ「彼女が抱えてる悩みを理解しようとしなかった。もっと彼女のことを知ればよかった。抱きしめて離さなければよかった」

女「…同情なんかしないわよ?」

ホモ「あはは、女ちゃんらしいや」

ホモ「…今でも怖いんだ」

女「………」

ホモ「思い出す度に震えるよ」

女「………」

ホモ「オレのこと恨んでるんじゃないかって、恨まれても仕方ないことしたのに」

女「………」

ホモ「オレは彼女の目が、彼女の姿が、最後にオレに伸ばされたアノ手が、脳裏に焼き付いて忘れられなくて、」

女「………」

ホモ「だから、たぶんオレは、女の子のことを好きになれない」

女「………」

ホモ「恨んでるかなぁ、彼女…」

女「恨んでないよ、きっと」

ホモ「…ぇ?」

女「恨んでないよ」

ホモ「どうして」

女「女の私が言うんだから、間違いないに決まってるじゃん」

ホモ「女ちゃん…?」

女「ずっと見てたもん、あんたのこと。あんたは悪い奴じゃない」

ホモ「でも」

女「あんたは、きっと、あんたなりに一生懸命だったはずだわ。そういう人だもん、ホモは」

ホモ「なんで、そんなこと分かるんだよ。オレは」

女「女の勘よ、文句ある?」

ホモ「―――ちゃん…?」

女「恨んでないよ、ホモ」

ホモ「………」

女「知ってる? 重力祭はね、いらなくなった家具や使わなくなったモノを大きな矢倉みたいに組んで、それをお祭りの時に燃やすの」

ホモ「燃やすの?」

女「うん。燃やした煙が空まで届く時、天までの道が出来て、その道を経て亡くなった人とも会話できるっていう話があるの」

ホモ「………」

女「…元々は、地球の重力が半減した時に起きた大事故に対する追悼の意なんだけどね」

ホモ「…見てみたい」

女「綺麗だよ。みんなでお酒飲みながらさ、楽しいよ」

ホモ「うん…」

女「人工移住区に空なんてないんだけどね」



ホモ「ねぇ」

女「んー、なぁに」

ホモ「オレ、彼女のこと好きだったんだ」

女「うん」

ホモ「大好きだった」

女「うん」

ホモ「笑顔が可愛くて、強気なところも何だか素敵で、」

女「うん」

ホモ「言いだしたらキリがないや…」

女「いい彼女だったんだね」

ホモ「そうさ」

女「うん」

ホモ「素敵な人だった」

ホモ「…オレさ、」

女「うん」

ホモ「別の女の人を好きになってもいいかな?」

女「それ、私に聞く?」







ホモ「女ちゃん、キスしていい?」

女「それ、聞く?」






――――――――――



女「どう?」

ホモ「なんか、変な感じ」

女「どんな感じ?」

ホモ「妹と、してるみたい」

女「あはは、なにそれ」


ホモ「…帰ろっか」

女「うん」



ホモ「お腹すいたね」

女「今日の晩御飯は私が作ってあげるよ、何がいい?」

ホモ「カルボナーラ」

女「てめぇの得意料理じゃねぇか」

ホモ「残念でした! カルボナーラはイタリア料理。オレが得意なのは懐石料理でーす」

女「腹立つわ。なんだてめぇ」

ホモ「まぁまぁ、女ちゃんは粗雑なんだから何作っても変わらないし」

女「石破天驚拳!!!」驚

ホモ「東方不敗!?」ドンガラガッシャーン


この後、めちゃくちゃセックスした。

完。

おまけ





覚えていーますーか、目と目があった時を



男「…重力祭の開催歌だ」

ホモ「へぇ、誰が歌ってるの?」

女「ご存知、ないのですか!? 彼女こそ代役からチャンスを掴み、スターの座を駆け上がっている超時空シンデレラ、」

男・女「「ランカちゃんです!」」

ホモ「!?」


>>29


女「ただいまぁ、男。今日の晩御飯はあんたの好物の麻婆豆腐よっ」ガチャッ

ホモ「アッーーー!」ビクンッビクンッ










女「え?」

ホモ「あっ! 女ちゃん、おかえりー」

女「え?」

ホモ「どうしたの? 部屋の入り口で立ち止まっちゃってさ?」

女「いやいやいやいや、え?」

ホモ「あっ、男なら、まだ帰ってきてないよ。今日ちょっと遅くなるってさ」

女「あっ、そう」

ホモ「うん」

女「それはいいんだけどさ、」

ホモ「どったの?」

女「あんたさ、人の家のリビングで何してるの?」

ホモ「キュウリで開発!」ドヤァッ

女「何で全裸で這いつくばってんの? 何でドヤ顔してんの? 何で入れたキュウリ出したの? バカなの? 死ぬの?」

ホモ「えっと、キュウリ食べる?」

女「てめぇ、それどっから出したか分かってんの?」

ホモ「アナr」

女「死ねぇえええぇぇ!!!」バキッ

ホモ「ウエスタンラリアットぉお!?」ドンガラガッシャーン

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