妹子「心配だなぁ…そうだ、近くの学校に、麻雀が強い女の子がいるらしいですよ。」

太子「私よりもか？」

妹子「初心者の太子と比べるなんて「ふざけやがって…たかが学生の分際で私よりドンジャラが強いだと？」」

妹子「だから、ドンジャラじゃなく麻雀ですって…あああ！！もういない！」

妹子「書置き？」

『妹子へ　

ちょっとその学生たちを懲らしめてきます。』

妹子「ああもう、臭い太子がいきなり学校に行ったら…あ、まだ続いてた」

PS. 今日のおやつはせんべいが良い』

妹子「むかつく…あ、シカせんべいで良いか。すいませーん！」

・・・
・・
・

妹子「きっとここだな。すみませーん」

初瀬「あんた誰？ジャージにノースリーブ？ださっ」

妹子「正論で言い返せない…あ、あの実は人を探していて、ここに臭くて変な男が来ませんでしたか？」

初瀬「来てないし、変なのはあんたの恰好でしょ？とりあえず通報したから。」

妹子「ちくしょー！」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～

太子「ここがドンジャラの強い学校だな。わっくわく」

太子「はぁ…緊張してきた。」　

太子「ドンジャラをやっている部屋を周りの人に聞こうにも、私が近づくと皆離れて行くんだよなぁ。なんでだろ」

太子「よし、ここは道場破りらしく大声で」

憧「あの、部外者は立ち入り禁止なんですけど」

太子「部外者だなんて失礼だなぁ…私はドンジャラをやりに来たんだよ」

憧「ど、ドンジャラ？」

太子「ここにすごく強いドンジャラ少女がいると聞いてきたんだが、もしかして君？」

憧「麻雀ならある程度は…」

太子「じゃあ麻雀で良いや」

憧「むかっ…」

太子「そうそう。手ぶらで来るのもなんだから、手土産持ってきたぞ」

憧「手土産ですか？」

太子「私がプロデュースした和菓子だ。」

憧「あ、ありがとうございます。（臭いけど良い人なのかな？）」

太子「ほれ、さっさと案内せんか。この芋虫が」

憧「この人やっぱり嫌いかも…」

・・・
・・
・

憧「ここが麻雀部の部室ですけど」

太子「へーい、いる？」

憧「ちょ、勝手に入られたら」

玄「どちら様ですか？」

太子「太子様だ。」

宥（臭い…）

穏乃「憧、この人だれ？」ﾋｿﾋｿ

憧「私もわからないのよ。」ﾋｿﾋｿ

太子「それよりほれドンジャラだドンジャラ」

憧「だからドンジャラじゃ」

太子「じゃあ一体なにするのよ！」

憧「麻雀だよ！このバカが！！」

穏乃「ちょ、初対面の人にそんな暴言は」

太子「そうだぞ。そこのジャージの子の言うとおりだ。ところで君、そのジャージいいなぁ」

穏乃「え？そうですか？」

太子「通気性もよさそうだし、ノーパン主義の私にもピッタリな」

玄「の、ノーパン！？」

太子「あ、しまった。ノーパンって言うのは…その、」

憧「不審者なら警察呼びますよ。」

太子「警察がなんぼのもんじゃい！こちとらそれより何倍も偉いんじゃー！」

憧「な、何倍も？」

玄「そ、それはすごいのです!」

宥「それより…要件」

太子「そうだった。実は私はカクカクシカジカ」

憧「そうだったんですか。」

穏乃「すっごい大役じゃないですか！」

宥「本当に偉い人だったんだ…」

太子「偉いもん」

玄「じゃあ、私がお相手するのです！」

穏乃「私も！」

太子「そうしてくれ」

穏乃「隋まで…じゃあ凄い実力者かもしれないよ。憧！」

憧（ドンジャラと麻雀の違いが理解できないのに？）

穏乃「憧？」

憧「あ、ううん、なんでもないよ。じゃあやろっか。」

宥「私は見てるね…（この臭いおやつどうしよう…捨てていいのかなぁ）」

・・・
・・
・

憧「こ、これは…」

玄「予想以上なのです…」

太子「え、そう？褒められても塩しか出んぞ？ホリャッパァー！！」

ｼﾞﾜｯ

憧「やめてください。（ああもう…この人の隣最悪）」

太子「冷たいなぁ…まるで妹子みたいだ。」

穏乃「そ、それより…続けます？」

太子「続けるよ！」

玄「でも、太子の点棒はもうないのです。」

太子「なに？あ、本当だ…もうこの日の丸弁当みたいなのしかないなぁ」

憧（ルールを知らないからか反則ばっかり…でも、これでもうちょっと真剣に麻雀をする気にはなったんじゃ…）

太子「ま、なんとかなるだろう。次だ次」

ジャラジャラ

憧「まさかのポジティブ！？」

穏乃「でもこのままいくと太子さん、飛んじゃいますよ？」

太子「まだ私の技を見せてないしな～」

玄「わ、技！？」

憧「まさか…さっきまでのは演技で実はものすごいオカルトが？」

太子「あ、揃った。ドンジャラ、間違えたロン！」

ﾊﾟﾗﾗﾗﾗ

玄「そ、それは…」

穏乃「？？？」

憧「これ、和了ってないですよ？」

太子「え、嘘でしょ？」

麻雀牌の表記

萬子　一～九
筒子　①～⑨
索子　鳥～９
後は文字

憧「だって…ねぇ」

太子「もっとよく見んかい」

太子の麻雀牌

一一一　③③　鳥鳥鳥　五五　白白　東東　　

宥「……」

憧「コレがどうして和了りになるんですか？」

太子「え、だってこの白いのってオールマイティでしょ？」

穏乃「……」

憧「……」

玄「……」

太子「見たか！コレが私のドンジャラだ！とりあえず、この和了り方を聖徳ビューティフルドンジャラと名付けよう。点数は１人８万点くらいかな？ほれ、ほれ！」

憧「麻雀をバカにするなぁ！！」

ﾊﾞｷｯ

太子「カバーーー」

穏乃「憧が殴った！？」

宥「憧ちゃん…お茶でも飲んで」

太子「私にもくれ。茶をくれーー！！」

穏乃「もう復活！？」

太子「伊達に妹子に殴られ続けてないからな」

穏乃「太子本当に偉いの！？」

憧「はぁ、はぁ…ｺﾞｸｺﾞｸ…」

宥「どう…落ち着いた？」

憧「少しは…ありがと、宥姉」

宥「よかった」ﾆｺｯ

玄「そうだ、お茶には和菓子なのです！」

憧「うちに和菓子なんて…あ、それは！」

玄「とりあえず開けてみるのです！！」

ｶﾞｻｺﾞｿ

玄「厳重なのです…では、開けるのは松実玄におまかせあ…」

ﾊﾞﾀﾝ

玄「れ…」

憧「玄が死んだ―！！」

宥「臭い…窓…寒い…あったかくな…い…」

ﾊﾞﾀﾝｯ

憧「宥姉も！？窓開けなよ！」

穏乃「えへへ…憧…」

憧「しず！？」

穏乃「窓…開けたよ…」ｶﾞｸｯ

憧「しずー！！」

太子「え、なにこれ…え？」

憧「あんたのせいで…あんたのせいで」

太子「むっちゃむっちゃ、まず！」

憧「お菓子食べてる場合！？」

太子「うるさいなぁもう…あ、これでも聞く？私の作った歌なんだけど」

憧「聞くか！」

太子「やっぱりねー」

憧「さっきからふざけてばっかり…」

太子「さっきからうるさいなぁ。これでも食べなさい！」

憧「むぐうっ！！」

太子「私がプロデュースしたお菓子だ。変な匂いするけど栄養たっぷりだぞ」

憧「ﾓｸﾞ…む…無念…」

太子「まったく…感想ぐらい言って欲しいものだな。むっちゃむっちゃ」

妹子「太子！」

太子「あ、妹子、お菓子いる？」

妹子「いりませんよ。まったく、勝手にこんなことをして…」

憧「……」

穏乃「……」

玄「……」

宥「……」

妹子「何やってるんですか太子！女の子を気絶させて…犯罪ですよ犯罪！」

太子「お菓子あげただけで！？」

妹子「あんたのお菓子はあんたの顔並みに危険なんですよ！」

太子「まじで？…待て、どういう意味だ」

妹子「臭いから近寄らないでください。急いで救急車呼ばないと…この費用は太子のお小遣いから引いておきますからね」

太子「くそう…妹子めぇ…」

妹子「大丈夫ですか？おーい…だめだ、太子の匂いでみんな気絶してる」

太子「妹子の背中…チャンス！」

太子「ジャンピングゴリラステーション！」

ﾄﾞﾋﾞｭｯ

妹子「窓は開けているから大丈…ぐはー！！」

太子「当たった！コレで妹子を亡きものに」

妹子「いたた…」

太子「馬鹿な…４８のボディアタックの中で最強の技なのに」

妹子「今ふざけてる場合じゃないでしょー！」

ﾎﾞﾃﾞｭﾝ！

太子「ウッホホホーオッ！」

晴絵「あの…うちの部員たちはどうなって…」

妹子「うちの太子が御迷惑をおかけしました。」

晴絵「え、ご迷惑って…クサっ！？」

妹子「大丈夫です。悪は滅ぼしました」

晴絵「悪は滅ぼしたって言っても…」

妹子「治療費、慰謝料、必ず後日、この臭男の金でお詫びします。」

晴絵「え、それは助かるけど…」