苗木「超高校級の・・・」狛枝「合同研修?」 (91)

仁「そう、78期生の苗木君のクラスと77期生の狛枝君のクラスに合同研修をしてきてもらおうと思うんだ
  まあこれも授業の一環と思ってさ・・・駄目かな?」

苗木「い、いえ、学園長が決めたことに反対はない・・・けど」

狛枝「いったいどこで研修をするんですか?」

仁「ああ・・・ジャバウォック島だよ
  君たちにより良い環境であるためすでに貸し切ってあるんだ」

苗木「えっ!?あのジャバウォック島を!?」

狛枝「あはっ!流石希望の象徴である希望ヶ峰学園だっ!」

仁「どうやら気に入ってもらえたようだね・・・
  あ、そうだ、この研修には新たな試みとして予備学科の生徒を1人君たちと同じ環境で生活させようと思うんだ」

苗木「予備学科の生徒を?」

仁「うん・・・日向君・・入って」

日向「・・・・どうも」

狛枝「あっ!日向君じゃないかっ!」

苗木「知り合いなんですか?」

狛枝「日向君には僕を含んだクラスの14人全員が良く相談に乗ってもらっているんだよ」

仁「そうだったか・・なら日向君、君は狛枝君たちのクラスで活動してくれ」

日向「あ、はい」

仁「あ、そうだ引率にはある者を選んだから・・・
  まあ・・・皆楽しんできてね」

苗木 日向 狛枝「はい!」

苗木「引率の先生って誰だろう?」

狛枝「ハハッ……苗木クン、そんなの誰だっていいじゃないか」

狛枝「ボクとキミの幸運の能力があれば、楽しい合宿になるに違いないさ」

日向「幸運の能力はいいけど引率の教師は気にしろよ」

狛枝「気にしたところでどうするんだい?気に入らなかったらリコールでもするとか?」

狛枝「ハハハハハ、日向クンの言う事は非現実的だなぁ」

日向「何故オレはコイツのクラスに組み込まれたんだ……」ゲッソリ

苗木「アハハ、日向クン落ち着いて落ち着いて。じゃあとりあえず、78期生と77期生、みんなで集まってお互いを紹介し合わないか?」

狛枝「それこそ引率の先生がしてくれるんじゃないのかい?」

苗木「」

苗木「そ、そうだね、アハハハハ」

日向(苗木は忍耐力あるよな……)

校内放送『ピンポンパンポーン』

校内放送『77期生と78期生の皆さんー、体育館に集まってくだちゃい!』

校内放送『とーっても楽しい事が待ってまちゅよー!』

狛枝「どう考えても何か事件が起こるフラグだね」

日向「その発言自体がフラグだろ!!何も言わなきゃただの集合放送だろうが!!」

苗木「と、とりあえず行ってみようか」

■■■体育館■■■

モノミ「みなちゃん!よく集まってくだちゃいまちた!アチシは、77期生、78期生の合同合宿の引率の、ウサミ先生でちゅ!」

桑田「は?……え、ヌイグルミじゃね?」

澪田「ぷっはははは、ぎゃははははは、どう見てもウサギのヌイグルミっす!!」

舞園「可愛いじゃないですかー!どうやって動いてるんでしょうか?」

西園寺「な、なんか薄気味わるぅー……」

小泉「きっと仕掛けがあるんじゃない?」カメラパシャッパシャッ

霧切「……」

十神「まあ、誰かがヌイグルミを操ってマイクで話しているんだろうが……何の為にわざわざそんな事をするんだかな」

セレス「端的に考えますと、この合宿自体に何かある、という事ですわね」

弐大「ふむ!顔を隠して企みを悟られないようにしとるって事かのう!」

終里「すっげ!弐大もしかして頭いいな!?」

田中「フッ……貴様のような、筋肉と言う名の鎧に身を包んだ男にしては冴えているな」

ソニア「企みはともかく、あのウサギさんは可愛いです!」キリッ

ウサミ「あ、あの、アチシの話を聞いてくだちゃいー……」

ウサミ「だ、だって最初は16人紹介しなきゃならないでちゅち、

ウサミ「」何も事件が起こらない段階でつまらんって言われてめ仕方ないじゃないじゃないでちゅかー!!」

大神「何の話をしておるのだ」

狛枝「まるで事件が起こったら面白くなるかのような言い草だね!」

七海「眠たいから早く話進めようよー……」

ウサミ「わ、わかりまちた。あなた達にはこれから一ヶ月、超高校級の研修合宿を受けていただきまちゅ」

ウサミ「面白いとか面白くないとかつまんねとかそんな苦情は受け付けまちぇん!」

石丸「そうだ!研修につまるつまらないは関係ないのだ、君達!!」

葉隠「飽きたから帰りてーべ……」

ウサミ「各クラス16人、の間違いでちゅ!」

ウサミ「一ヶ月の合宿で交流して、互いに超高校級の能力を育てていただきまちゅ」

左右田「それをやるとどうなるんだ?」

ウサミ「今以上に才能が開花できまちゅよ!」

朝日奈「そうなんだ!さくらちゃん、頑張ろね!」

大神「うむ……我々に取って、才能を伸ばすというのは最も重要な授業」

大神「これは理に適った研修であろう」

戦刃「これは……つまり戦いの一種、ね」

江ノ島「またまたぁ。おねーちゃんはもうちっと女子高生らしくしなよー」

狛枝「ボクを含んだら、77期生は15人じゃないか!ボクはバカだ!クズだ!日向クン、ボクを殴ってくれ!!」

日向「お、落ち着け狛枝……」

山田「ふむ……ではボクの超高校級の同人の能力も、この合宿で更なる発展を遂げるのですな!」

大和田「オレの拳が真っ赤に燃えるぜ……この戦い、生き抜いてやらぁ!!」

辺古山「望むところだ……この剣術、合宿で発揮してみせる!」

九頭龍「ふん、こんな茶番くだらねぇ。俺が合宿全〆てやらぁ」

罪木「あああの、怪我しないように皆さん、気を付けてくださいね……?」

不二咲「ボ、ボクも、頑張るね」

花村「こーんな可愛い娘達と夢のようなアイランドライフを生きられるなんて、ボカァ幸せだなあ!」

豚神「ふん……だがお前ら、無事に過ごしたいならば優れた者の指示に従うべきだな」

十神「待て……貴様、誰だ」

豚神「俺か?俺は十神財閥の御曹司、十神白夜だ!」

十神「ふざけるな!それは俺だ!!」

豚神「ふん……貴様が十神財閥の者なら、知っているはずの事があるだろう?」

十神「何?」

豚神「十神家は、数々の妾の子を争わせ、最も優秀な人間を跡継ぎとする……すなわち、俺もお前も十神の御曹司なのだ!」

十神「なっ……そうだったのか!」

腐川「す、すごいわ……ど、どど、どちらが本当の白夜様か、わからなくなってきたわ……」

葉隠「いやわかれって」

支援ありです
出先なんで続きは深夜

澪田「キャッハハハハ、痩せた白夜ちゃんと太った白夜ちゃんがいるっすー!」

澪田「まるで双子みたいっすよ二人とも!」

十神「なっ……こ、この見目麗しき十神の者である俺が、こ、こんな豚と?そっくり?だと?」

豚神「ふん……他人を外見で判断するなど、他者の上に立つ者の発言とは思えんな」

桑田「なんかこっちのデブの方が威厳ねーか?」

十神「貴様、今なんと言った?」

桑田「デブの方が威厳あるって言ったけど」

豚神「貴様、今なんと言った!」

桑田「お前が怒るのかよ!」

セレス「ひとまず区別が付かなくなりそうですし……こちらのふくよかな十神君は」

セレス「『じゅう』ではなく『ぶた』という字を当て、『豚神君』と呼ばせて頂いてはいかがでしょう?」

西園寺「さりげなーく毒あるよねアンタって。まあ賛成しちゃうけどねー!」

豚神「む……まあいいだろう、区別がつかんのでは仕方がない……」

澪田「じゃあこっちの二人のおデブちゃんはどう呼ぶんっすか?」

山田「私の体はデブなのではない!この身体には、無限なる夢と可能性が秘められているのだ!」ビシッ

花村「ボクは『みんなのダーリン、輝様』って呼んで貰えたらいいかな」キラリーン

苗木「こ、この二人は別に紛らわしくないからあだ名はいらないんじゃないかな……」

ウサミ「皆さんの紹介を人数分やってるとスレが半分埋まりまちゅから、サクサク飛ばしまちゅよー」

ソニア「そうですね、それが合理的です」

ウサミ「それでは研修についての説明でちゅ」

ウサミ「ここにはあの極悪白黒グマはいないでちゅから、コロシアイとかはありませーん、安心してくだちゃい!」

ジェノサイダー「チッ」

ウサミ「腐川さん、何か言いまちたか?」

ジェノサイダー「べっつにぃ?なんにもぉ?」

朝日奈「腐川、いつの間にかジェノサイダーになってるよー」

大神「恐らく二人の十神の存在に頭がついて行かなくなり、腐川が気絶したのであろう」

ウサミ「皆さんには、一ヶ月の間に希望のカケラを集めていただきまちゅ」

ウサミ「そのカケラが集まれば集まるほど、皆さんの才能が伸びていくんでちゅよ!」

狛枝「それはどういう原理で?」

ウサミ「へ?」

狛枝「だから、どういう原理で?ゲームじゃないんだからその良くわからないカケラとか言うの集めても、才能と関係ないよね?」

ウサミ「そ、そそ、それはぁ……」

七海「うーん……ゲームみたいなものじゃない?きっと、そのカケラを貰ったら、学園長からご褒美がある?とか?」

ウサミ「そ、そんな感じでちゅよ、大体そんな感じでちゅ」

狛枝「あからさまに怪しいけど……ま、いっか!気にしてたらキリがないしね!」

ウサミ「ふーっ」

葉隠「今、すっげー怪しいため息ついてたべ!!」

ウサミ「ドキぃ!」

ウサミ「皆さんが過ごす島には皆さんそれぞれの個室がありまちゅし、買い物するお店や遊園地、映画館など」

ウサミ「様々な娯楽施設が全無料で利用出来るようになっていまちゅ」

ウサミ「何か不便な事があったらこのウサミ先生に相談してくだちゃい!以上、説明終わりでちゅ!」

日向「……物凄く大ざっぱな説明だったな」

舞園「でもそれなら退屈もしなさそうですし、有意義に過ごせそうですね。ね!苗木君!」

苗木「そうだね。みんなで遊園地で遊べたら楽しそうだなあ」

舞園「もー、苗木君ってばおニブさんですね。……そこがいいんですけど」

苗木「何かいった?」

舞園「何でもありませーん!」

桑田「な、何いちゃついてんのかなぁ?二人とも」ピキピキ

大和田「うらぁ!テメェら、色恋沙汰にうつつ抜かしてるヒマあったら、島での過ごし方でも考えやがれ!」

苗木「あ、いや、だからそれを話し合ってたというか……はは」

霧切「……」ウーン

小泉「どうしたの?霧切さん」

霧切「いえ……頭に何か引っ掛かってるんだけど、その正体がわからなくて……」

不二咲「霧切さんがそういうなら何かあるのかな……」

霧切「不二咲さん、あなたに少し頼みたい事があるんだけど……」ゴニョゴニョ

不二咲「え?うん、わかった……やってみるね」

小泉「それって私も何か手伝った方がいい?」

霧切「いえ、まだ確証がない事だから……何か掴めたら説明するわ」

小泉「そ、そっか。じゃあ何かあったら、すぐ言ってね!」

西園寺「なぁにこの冷徹女ー?せっかく小泉おねぇが手伝うって言ってくれてるのに」

小泉「いいからいいから、彼女なりの考えがあるんだよきっと」

西園寺「むぅー、小泉おねぇは優しいんだからぁ」




そんなこんなで、ボクらのジャバウォック島研修生活が
何やら唐突に始まったのだった……

葉隠「苗木っち、これな、ミキプルーンの苗木」

苗木「意味がわからないよ」

■■■ウサミハウス■■■

ウサミ「ふーっ…。今日は危うくバレるとこだったでちゅ」

七海「そうだね」

ウサミ「七海さんのフォローが無かったら、一体どうなっていたかわからないでちゅ!」

狛枝「本当だよね。せっかくあれだけの才能を持ったみんなを集めたというのに、」

狛枝「しょっぱなからで事の全容がわかったら興ざめもいいところだよ」フーッ

ウサミ「まったくでちゅね~」

七海「ところで、今日のことも日記に書いた方がいいのかな?」

ウサミ「あっ、お願いしまちゅ。いつもいつも悪いでちゅね」

狛枝「良かったらボクも手伝おうか?」

ウサミ「それは七海さんに任せてあるからいいでちゅよ~」

狛枝「そっか…。ボクみたいなクズに手伝われても、迷惑なだけだよね。出しゃばったりして本当にごめん」

狛枝「クズはクズらしく大人しくして、君たちの話を黙って聞くことにするよ」

ウサミ「ほわわ!そ、そういう意味で言ったんじゃありまちぇんよ?過剰に卑屈でちゅ!」

七海「……ところで、この話って狛枝クンに聞かれてもいいのかな?」

ウサミ「駄目に決まってるでちゅ!」

七海「でも、さっきからずっとそこに居るよ?」

ウサミ「ほわわわあ~!いつの間にそこに居たんでちゅかあああぁぁ!!」

狛枝「はは、嫌だなぁ。さっきから普通に会話してたじゃないか」

ウサミ「どうりで花澤香菜、時々、緒方恵美って感じがしたでちゅー!」

狛枝「はなざわさんって?」

七海「イソノく~んってやつじゃないかな?」

ウサミ「そんなことはどうでもいいから、出て行ってくだちゃーい!」プンスカ

狛枝「つれないなあ…。わかったよ、今日はひとまず退散しよう」

■■■遊園地(ウサミハウスの前)■■■

日向「お前、こんな所に入って何やってたんだ?」

狛枝「ちょっと、ウサミ先生と個人事業をね…」

日向「ゲッ。お前どういう趣味してんだよ」

葉隠「おーい、二人ともー!」

日向「えーと、コイツは確か…」

葉隠「日向っち!オレのこと、もう覚えてくれたべか?」

日向「あ、ああ勿論だ。お前はアレ、アレだよな」

葉隠「アレ…?ちゃんと名前で呼んで欲しいべ~」

狛枝「もしかして日向クン…」

日向「な、なんだよ?」

狛枝「彼は君の名前を覚えてくれたというのに、君は彼の名前を覚えていない…とか?」

狛枝「ハハ。いくら予備学科だからって、まさかそこまで重症なわけじゃないよね。予備学科だからって!」

日向「クッ!馬鹿にするのも大概にしろよ!な、名前くらい覚えてるぜ。全員分な」

葉隠「そうだべ!伊達に大金を積んで希望ヶ峰高校に入ったわけじゃねぇ!日向っちの財力を舐めない方がいいべ!」

日向「テメエ。後でぶっ殺す」

狛枝「だったらそこの、ドレッドヘアーの彼の名前も言えるよね?」

日向「あ、当たり前だろ!コイツの名前は…」

日向(マズイ、正直覚えてねえ。大体、あんな一瞬で覚えられるわけねえだろ)

日向(同学年の狛枝達ならともかく、別の学年で、しかも初対面の奴らの名前を覚えてる方がおかしいんじゃないか?)

日向(だがこの口ぶりだと、狛枝はコイツの名前を覚えていそうだな…)

日向(でも狛枝は希望マニアだから、AKBのメンバーを全員言えるようなもんで、覚えているのは当たり前なんだよな!)

日向(だからオレがコイツの名前を覚えていなくても、誰も責められないはずだ!いや、でも向こうはオレの名前をおぼてくれてるし…)

狛枝「どうしたの日向クン?」

葉隠「もしかして覚えてねえべ?」

日向「それは違うぞ!ちゃんと覚えてる!こ、こいつの名前は…っ!」

セレス「佐村河内ですわよ」コソッ

日向「そうだ!コイツは佐村河内だ!!!」

狛枝「」

葉隠「」

セレス「まあ、本当に言ってしまうとは思いませんでしたわ」

日向「違うのか!?」

狛枝「」

日向「何とか言えよ狛枝!」

狛枝「やめてくれ…。君の予備学科ボケに、ボクまで巻き込まないでくれ…」ブルブル

日向「予備学科ボケってなんだよ!」

セレス「佐村河内ネタでガチに笑いが取れると思っているところが、浅ましい上にセンスを疑いますわね」

日向「お前が言ったんだろ!!」

葉隠「そういえばセレスっちは、いつからそこに居たんだべ?」

セレス「ついさっきですわ。そうそう、苗木君があなたを探していらっしゃいましたわよ?」

葉隠「苗木っちが?ミキプルーンの件だべか」

セレス「違うと思いますわ」

そのままは家具れとセレスは、二人でどこかへ行ってしまった。

日向(結局アイツの名前がわからなかった…。名前が判明するまでは、仮にヤツの事を佐村河内と呼ぶ事にしよう…)

ウサミ「家具れ→葉隠でちゅ!」

>>35
ウサミ「個人事業→個人授業でちゅ!」

■■■ビーチ■■■

葉隠「よぉー、苗木っち~」

苗木「あ、葉隠クン!ずっと探してたんだよ!どこに居たの?」

セレス「遊園地にいらっしゃいましたわよ。わたくしが見つけて来て差し上げましたわ」

苗木「ありがとうセレスさん」

セレス「では、わたくしはコレで…」

苗木「またね!」

葉隠「それで、苗木っちはオレに何の用だべ?」

苗木「正確に言うとボクじゃなくて、霧切さんが用があるんだけど…」

葉隠「霧切っちが?それこそ何の用だべ。オレ、何かしたべか?」

苗木「いや、そういうのじゃないんだ。調べ物に付き合って欲しいって言ってたんだけど」

葉隠「オレに?霧切っちがオレを頼るなんて珍しいべ!」

苗木「いや、葉隠クンだけじゃなくて…」

セレス「わたくしもお手伝いしましょうか?」

苗木「あ、セレスさんまだ居たんだ!セ、セレスさんはいいんだよ」

セレス「失礼ですわね。わたくしじゃ役に立たないとでもおっしゃりたいのかしら?」

苗木「そ、そういう事じゃないんだけど…」

その時、突如砂浜が盛り上がった。

ズゴオォォォッ!!!

セレス「キャアアアッ!」

苗木「うわっ!」

葉隠「な、なんだべ!?」

山田「セレス殿がビーチに居ると聞いて!この山田、参上仕りましたぞ!!!」

苗木「だからって、砂浜から出てくる事ないよね…」

山田「わかっておりませんな~。こういうのはインパクトが大事なのですぞ?」

葉隠「『こういうの』ってのがどういうのかよくわかんねーが、確かにその通りだべ!今のはインパクト大だったべ~」

山田「わかっていただけますか、葉隠殿!」

苗木「はあ…」

山田「で、セレス殿は一体どのような水着を…」ハァハァ

セレス「はあ?冗談はおよしなって下さりません?」

山田「NOOOOO!!!いつも通りの服装でござる!!!!」

セレス「当たり前ですわ。こんな日差しの強いところで肌を晒し、わざわざ紫外線を全身に受ける意味がわかりませんわ」

山田「期待させておいて、これはあんまりでござる…」シクシク

セレス「勝手に期待したのは貴方でしてよ?なんだか頭が痛くなってきましたわ…。コテージに戻らせていただきますわね」

苗木「う、うん。気をつけてねー!」

山田「待つでござる!この山田も同行いたしましょうとも!」

セレス「どうぞご勝手に」

ヤシの木の影から霧切が姿を見せた。

霧切「やっと行ったわね」

苗木「あれ、霧切さん?いつからそこに?」

霧切「山田クンとほぼ同時に来たわ」

葉隠「もしかして山田っちに、セレスっちがビーチに居るって教えたのは霧切っちだべか?」

霧切「ええ。ああでもしないとセレスさんを追い払う事はできなかったから」

葉隠「追い払うなんて、あんまりだべ~」

苗木「違うんだよ葉隠クン。霧切さんは、セレスさんを仲間外れにしようとしているわけじゃないんだ」

葉隠「どういう事だべ??」

霧切「ここだと誰かに聞かれるかもしれないわ。とりあえず場所を移しましょう」

苗木「そうだね!」



三人の後ろ姿を、影から見守る者たちが居た。

狛枝「彼ら…一体何をやっているんだろうね?」

日向「そうだな…。ひょっとしてアイツらにとって、佐村河内がキーマンだったりするのか?」

狛枝「佐村河内…………」

■■■小泉のコテージ■■■■

モニター・ウサミ『ピンポンパンポーン』

西園寺「あ、小泉おねぇ。モニターにさっきの能無しウサギが映ったよ?」

小泉「能無しウサギじゃなくて、ウサミでしょ?」

西園寺「キャハッ☆ごめーん」

モニター・ウサミ『はーいみなさん!希望のカケラは順調に集まっていまちゅか~?』

モニター・ウサミ『って!全然!集まっていないじゃないでちゅかああああ!ブフウウゥゥーッ!!!』

西園寺「きったないなぁ。なんか吹き出したよ~?」

モニター・ウサミ『みなさん…先生はとっても悲しいでちゅ…。しくしく』

モニター・ウサミ『仲の良いお友達だけと遊ぶのではなく、今まで遊んだ事のない人たちにも話しかけてくだちゃいね?』

モニター・ウサミ『カケラを集めた生徒には、素敵なご褒美が待っていまちゅよ!それでは~』

西園寺「きゃはははっ!素敵なご褒美だって、ダサダサ~」

小泉「うーん…。でも一応、モノミは学園長が決めた引率なわけだし…。指示に従っておかないとまずいんじゃない?」

西園寺「だってえ。私は小泉おねぇと一緒に居られれば、それでいーもん!他はショボイのしか居ないしね」クスクス

小泉「だってこれは合同研修なんだよ?77期生と溝を作るのは良くないよ!」

西園寺「ええ~っ。小泉おねぇがそう言うなら、アイツらと話してやってもいいけど…」

小泉「うんっ、そうしよ!今から77期生のみんなと話に行こうよ!」

西園寺「は~い…」シブシブ

カタカタカタッカタカタッ ピピッ
戦刃「……盾子ちゃん、どう?」

江ノ島「あっは、やっぱりこのわたくし様に不可能はないっつーの!プロテクト簡単に破れちゃったぁ、どーしよー?」

戦刃「さすが盾子ちゃんだね……」

江ノ島「ったくアイツらもくだらねー事考えんのな。だから甘ちゃんなんだっつーの」

戦刃「じぇじぇじぇってやつ?」

江ノ島「はい、遅れた流行語口にしちゃうのサイコーにざんねーん!まあそれは置いといて、まだアタシが侵入したの気づいてないっぽいね」

江ノ島「みんなで仲良し理論唱えてるバカの絶望する顔想像すると、ほんとゾクゾクするわぁー!」

戦刃(盾子ちゃん、生き生きしてるなぁ)

戦刃(私も盾子ちゃんの為に何か出来ないかな)

石丸「では、ここに77期と78期生の合同学級会、兼交流会の開会を宣言する!」

大和田「うっしテメェら、しまって行くぜ!」

西園寺「わー(棒)」パチパチ

九頭龍「わー(棒)」パチパチ

辺古山(坊っちゃんが……棒読みとは言えあんな声を上げた!!しかもやる気が無いとは言え、拍手まで!)

舞園「そんなに珍しいんですか?」

辺古山「ああ、彼があのように、他人と関わろうとすることなど滅多に……」

辺古山「っ!?な、なんの話をしている!?」

辺古山(ま、まさか私は声に出してしまったのか?)

舞園「いいえ、違いますよ。私、エスパーなんです」

辺古山「何!?」

舞園「うふふ、冗談ですよっ☆」

辺古山「なんだ、冗談か……」

舞園「だから辺古山さんが九頭龍君とそういう関係だって事はみんなには内緒にしておきますね?」

辺古山「待て、ちょっと待て、冗談じゃないんだろう!?エスパーなんだな!?」

舞園「それは秘密です」

終里「いよっしゃ!来た来た、メシメシ!!」

石丸「せっかく花村君が腕を振るってくれているから食べるのは構わんが……皆と仲良くするのは忘れないでくれたまえ」

終里「はが、ふんふがふが、もぐもぐ」

石丸「何を言っているかわからんっ!」

澪田…「トン白夜ちゃん、キョロキョロしてどうしたっすか?」

豚神「いや……妙なデジャヴを感じてな……。こういったパーティの最中に、何か起こるような気がしてならない」ガツガツムシャムシャ

小泉「せっかくの交流会なんだから変な事気にしないで楽しもうよ!後でみんなで集合写真撮りたいな」

苗木「狛枝クン、テーブルの下なんか覗いて何してるんだい?」

狛枝「いや……ボクが仕掛けたナイフが無くなってるなあって……」

霧切「そのナイフならさっき私が処分させてもらったわ」

狛枝「あれ、そうなんだ残念ー。せっかくコロシアイを始めよう思ったのに」

苗木「待って!!コロシアイってなんだよ!何で霧切さんはナイフがあるってわかったんだわよ!ツッコミが追いつかないよ!」

日向「狛枝!!お前会場から出てけ!つか島から出てけ!」

狛枝「冗談に決まってるじゃないか、やだなぁ……それに予備学科ごときに命令される筋合いないんだけど?」

日向「コイツさ、オレが殺しても構わないよな?」

苗木「構うよ!なんでコロシアイ強要されてない場でコロシアイ起きそうになってるんだよ!」

腐川「なな、苗木だって、誰かを憎んだり、恨んだりした事、あるんでしょ?ふん、とんだ偽善者ね……」

苗木「そ、そりゃ人間だし怒ったりすることはあるよ、でも……」

腐川「ほーらみなさい、偽善者」

狛枝「そこ行くとボクは予備学科クンにははっきり現実を見せてあげる、真善者だね?」

日向「やかましい!!お前は黙ってろ!!」

江ノ島「あっはは、からはなんだかカオスな会場だねーっ」

桑田「江ノ島遅かったじゃん、どこ行ってたんだよ。飲もーぜ飲もーぜ!」

ウサミ「ダメでちゅよ!!未成年はお酒はダメでちゅ!」

桑田「コーラだよ、アッホだなぁ」

ウサミ「ほわぁ……」

葉隠「俺なら飲めるべな、ウサミっち」

ウサミ「年齢はクリアしてまちゅが高校生の身分のうちはあなたもダメでちゅよ」

左右田「いやっはー、噂には聞いてたけどカリスマモデルの江ノ島さん!ナイススタイルでめっちゃ可愛い!」

江ノ島「やだー、わかってんじゃーん。アンタの名前なんだっけ?」

左右田「左右田です!左右田和一です!超高校級のエンジニア、やってます!」

日向「出会い系のパーティかよ」

ソニア「楽しそうですね、皆さん」

左右田「あっ、ソッ、ソソソソソニアさん、これは浮気とかじゃなくてですねっ!」

ソニア「田中さんも破壊神暗黒四天王達とあんなに楽しそうに……」

桑田「あれはぼっちになってるだけなんじゃねーのか……」

???「いやいやいや、皆さん、楽しそうで何よりですねー」

一同「え?」

苗木「支援ありがとう」

葉隠「これなんだかわかるか?これな、苗木っちのミキプルーン」

苗木「いやだから意味わかんないって」

ウサミ『ピンポンパンポーン、ここで皆さんにお詫びのお知らせがありまちゅ』

ウサミ『左右田クンの才能でちゅが、超高校級のエンジニアじゃなくて超高校級のメカニックでちた!』

ウサミ『お詫びして訂正申し上げまちゅ』

ウサミ『ピンポンパンポーン』

左右田「酒に酔ってたせいで……自分の才能名間違えちまったよ……」サメザメ

ウサミ「やっぱり呑んでたんでちゅかー!!」

十神「聞き覚えのない声だ……誰だ!」

モノクマ「やだなぁ、十神クン。ボクのこと、忘れちゃったのー?」

モノクマ「ボクだよ!この学園の学園長であり、みんなの担任でもある、モノクマ先生だよー!うぷぷぷぷ!」

苗木「モノクマ……?」

日向「……ってなんだ?」

モノクマ「もーっ!みんな、ボクのプリチーフェイスを忘れちゃったの?悲しいなあ……」オーイオイオイ

弐大「な、なんだかわからんが」

朝日奈「この白黒のクマ、見てると何故か物凄くムカムカしてくる……!」

舞園「わ、私も……なんだか怖いです」

大神「落ち着け……相手の空気に飲まれては不利になるぞ」

ウサミ「ギャーン!!極悪白黒グマの野郎がきちゃったじゃないでちゅかー!!」

ウサミ「ど、どど、どうなってるんでちゅか!?だってアイツは絶対来るはずないでちゅのに!!」

腐川「な、何よ……アンタ、あれと知り合いなの?そ、そういえば形もそっくりじゃない……」

田中「あからさまな怪しさ、この俺の邪眼からは逃れられんぞ!さあ、その罪をここで告白するがいい!」

ウサミ「ちち、違うんでちゅ、あれは……」

霧切「待って、みんな」

一同「!?」

霧切「……まだこのモノクマ、というヌイグルミは何もしていないわ。少し様子を見ましょう」

西園寺「そんな事いって、アンタまさかあのクマの仲間で、何か企んでんじゃないのー?」

朝日奈「何言ってんの!霧切ちゃんはそんな子じゃないよ!」

苗木「そうだよ、霧切さんは確かな人物だ、それは間違いない!」

モノクマ「なんだかボクが置いてきぼり気味ですねぇ……」ショボーン

モノクマ「まあ、今回は顔見せに来ただけですからねぇ。次に会う時は皆さんに素敵なお土産を用意しておきますよ!」

モノクマ「それでは、さよなら、さよなら、さよなら」スポン

辺古山「……何だったのだ、アイツは」

罪木「な、なんだか震えが止まりません……」

日向「くそっ。楽しい気分が台無しだ……」

狛枝「なんだか正体不明なヌイグルミだったね。ウサミの0.25倍くらい怪しかったよ」

ウサミ「アチシはそんなに怪しまれてるんでちゅか」

江ノ島「とりあえず気を付けてた方がいいかもね……アタシ達のこと知ってるっぽい発言、キモかったし」

花村「みんな、ボクの料理食べてくれて……あれっ?なんか空気変だけど、どうしたの?」

七海「……ねぇ、気を取り直して再開しよ。今日はあのクマ、もう来ない気がするし」

セレス「そうですわね……そうしましょうか」

山田「では拙者の妙技で場を和ませて見せましょう、ハイ!ボクのお腹になんと、もちもちプリンセスが降臨いたし……」

セレス「腹芸は見苦しいからおやめなさい」

山田「ハイ……」



突如現れた変なクマのヌイグルミのせいで、なんだか奇妙な不安感に襲われながら……
ボク達はパーティをそれでも何とか楽しみ、その日は解散したのだった。

江ノ島「おねーちゃん、おっつかれー。さっきのモノクマは悪くなかったよー。モノクマ感バッチリ出てた!」

戦刃「ほ、本当?盾子ちゃんがそう言ってくれるなら嬉しい……」

戦刃(モノクマ操ってる最中に、こっちのシステムにアクセスされそうになった形跡があったんだけど……)

戦刃(結局入られなかったし、別に言わなくてもいいよね……)

■■■女子のコテージの前■■■

終里「はあー、食った食った♪」

江ノ島「今日のパーティ、超楽しかったね~!」

舞園「そうですね。途中で変なクマが出てきたこと以外は…」

罪木「ア、アレはなんだったんでしょうね?今でも震えが止まりません…」プルプル

西園寺「はあー、まだビクビクしてんの?ウザイからそろそろ自重してよねゲロブタ」

罪木「ひいいぃっ!許してください~」

小泉「ま、まあまあ」

ソニア「ああ!良いことを思いつきました!聞いてください、みなさん」

腐川「と、とと突然何なのよ」

ソニア「明日は女の子だけでお出かけをするのはどうでしょうか?」

朝日奈「それいいね!希望のカケラってやつも集まるし、一石二鳥じゃない?」

セレス「話の繋がりがまったく見えませんが、どうせする事もありませんし付き合ってもよろしいですわよ」

朝日奈「セレスちゃんはいつも一言多いんだよ~。ねっ?さくらちゃんも行くよね?」

大神「ああ…我は構わぬ」

西園寺「えっ…そいつって女だったんだ。てっきり女装したオッサンかと思…」

小泉「シッ!!!」

ソニア「他の方々はどうでしょうか?みなさんで女子会をしてガールズトークに花を咲かせませんか?」

澪田「オオーッ、ソニアちゃんが今風の言葉を使ってる!」

ソニア「はい!わたくし、ナウなヤングにバカウケな流行語の数々を勉強しました!」

腐川「こ、ここ、こいつの言ってる事のどこが今風なのよ…」

澪田「さっきはいい感じだったんすけどね~?」

小泉「ねえねえ。それで、他のみんなはどうなの?」

終里「オレはうまいもん食えるならついて行ってもいいぜ」

西園寺「小泉おねぇはどうするの?」

小泉「アタシはもちろん行くに決まってるじゃない。みんなと仲良くなれるチャンスだし」

西園寺「じゃあわたしも行こうかなー」

江ノ島「あたしもモッチロン行くよー!」

罪木「あの…じゃあ、私もご一緒させていただいていいでしょうか?」

西園寺「はあー?さっき自重しろって言ったよね?ねえ?ちゃんと聞いてなかったのかなあ?」

罪木「ご、ごめんなさい!!」

小泉「ほらそこ、ケンカしなーい」

舞園(ケンカというよりも、一方的にいじめられているように見えるのは気のせいでしょうか…)

ソニア「えーと…。参加表明をされた方をメモしますね」

ソニア「まずルーデンベルグさんと…」

セレス「セレスでよろしいですわよ」

ソニア「まあ、高貴な装いなのに気さくな方ですね。では、これからはセレスさんと呼ばせていただきますわね」

終里「高貴な装いっつーか、それって単なるコスプレじゃねーのか?」

セレス「このクソブタビッチが!コスプレとゴシックロリータを一緒にしてんじゃねーよ!!!」ナカユビビシッ

終里「あ?え?お前、キャラが急に変わってねえ?」

セレス「あら?何の事でしょうか」ニコッ

ソニア「えーと、参加表明をされた方は…」

ソニア「朝日奈さん、セレスさん、大神さん、終里さん、小泉さん、西園寺さん、江ノ島さん、罪木さん…ですね!」

終里「おいおい、コイツの豹変っぷりを無視かよ」

小泉「ペコちゃんはどうなの?」

辺古山「私は、ぼっちゃんをお守りする役目があるから…」

朝日奈「ぼっちゃん?」

辺古山「い、いやなんでもない。ともかく、私は用があるので遠慮させていただく」

ソニア「そうなんですか?残念…」

舞園「あ、私は参加します」

澪田「さっすが超高校級のアイドルっす!人付き合いがいいっすね~」

舞園「そんなことないですよ」

澪田「照れちゃって超カワイーッス!クーッ、唯吹が男だったら!!!」

江ノ島「男だったらなに?舞園には、苗木っていうラブラブな彼氏がいるんだけど~?」

澪田「マジっすか!!!ふたりはデキてるんすか!?っていうか、アイドルが恋愛しちゃってもいいんすかー!!!??」

舞園「な、苗木クンはそういうのじゃないですよ」

戦刃「……」

江ノ島「…んで。そこで辛気臭い顔してる軍事オタはどうするわけ?」

戦刃「それって私のこと?」

江ノ島「お姉ちゃん以外にいるわけないじゃん。だからさ~、明日はみんなと遊ぶの?遊ばないの?」

戦刃「私は…別にいい」

江ノ島「ふうーん?まあ、理由は特に聞いてあげないけど」

小泉「なんでよ。聞いてあげようよ」

江ノ島「聞いたってどうせ答えないじゃん?はい、次々!」

小泉「どういう姉妹なのよ…。あ、腐川さんは行く?」

腐川「わわ私は行かないに決まってるじゃない。なんであんた達と行動しなくちゃなんないのよ」

澪田「そう言うと思ったっす…」

腐川「悪い?」

澪田「個性的でいいと思うっすよ!」オヤユビビシッ

腐川「へ…変な奴ね」

ソニア「では、七海さんは…」

七海「ぐう…すやすや…」

大神「七海なら、さっきからずっと眠っておるぞ」

澪田「立ったまま熟睡してるんかーい!」ビシッ

小泉「じゃ、明日起きたら聞いてみよ」

ソニア「そういえば、不二咲さんの姿が見当たりませんが…」

西園寺「あの媚び媚びのボクっ子属性の女だったら、男子側のコテージに行くの見たよ~?」

小泉「えっ…。どうして男子の方に?」

西園寺「さあね~?男子の部屋に潜り込んで、人気でも集めようとしてるんじゃないの?」クスクス

七海「部屋数の関係じゃないかな」

西園寺「いつの間に起きたの!?」

小泉「それより、部屋数の関係って?」

七海「女子の人数に対して、女子側のコテージは一部屋足りないんだよ」

七海「だから、不二咲さんの部屋は男子側のコテージになったんじゃないかな?」

小泉「そっかあ、なるほど」

ソニア「なるほど・ザ・ワールドです!」

江ノ島「……へえー、そうなんだ」ニヤニヤ

七海「…むぅ。どうして笑ってるの?」

江ノ島「んーん?べっつにぃー?」

終里「つーかよぉ、もう部屋に戻っていいだろ?腹一杯なせいで、眠くなっちまったぜ」

朝日奈「私も~…ふわぁ」

大神「うむ。ならば、参加する者は明日の朝食時に、ソニアの元に集合する事にしよう」

参加者全員「りょうかーい」

西園寺「勝手に決めないでよ!なんで小泉おねぇの所に集合じゃないの?」

大神「発案者はソニアであろう」

小泉「そうだね。ソニアちゃんの方がリーダーとして適任かもね?」

西園寺「うう…」

腐川「いいいつまでこんな事でグダグタ話してるの?あ、あたしはもう帰るわよ」

罪木「みなさん、待って下さ~い!」

腐川「まだ何かあるの…?」

罪木「霧切さんが居ません!霧切りさんは、明日の女子会のこと知らないじゃないですかぁ~」

小泉「本当だ!っていうか、こんな時間まで出歩いてるのって危険じゃない?みんなで探そうよ!」

セレス「あら。霧切さんなら、苗木君とどこかへコソコソ行くのを見ましたわよ?」

セレス「それをわざわざ追いかけるのは、野暮というものですわ」

舞園「霧切さんが…苗木君と…?」ドキッ

小泉「よ、よくわからないけどそっとしておいた方がいいみたいね」

ソニア「それでは皆さん、解散です!」

腐川「ややややっと終わったわ…。なんだったのよ、無意味に拘束されただけじゃない…」

江ノ島「フフッ!みんなおやすみ~!」

澪田「あ!明日は澪田も行くっすからね!誰にも聞かれませんでしたけど!」

小泉「すごく話に入ってきてるから、聞くまでもなく行くものだと思ってたから」

澪田「そうっすかあ?まあ、いいんすけど…」

小泉「そういえば千秋ちゃんにはちゃんと返事してもらってなかったよね」

七海「えーと…」

澪田「もちろん行くっすよね?みんなで歌って踊りまくるっすー!!!」

七海「私は…いいかな」

澪田「ガーン!!」

小泉「どうして?希望のカケラは集めなくていいの?」

七海「うん…。明日は積みゲーを消化しようかなっと思ってるんだ」

澪田「そうっすか…。なら仕方ないっすね」

小泉「もうっ。あんまり部屋に閉じこもってゲームばっかりしてちゃ駄目だよ?それじゃおやすみ」

七海「うん…おやすみ」

■■■女子のコテージ…の陰■■■

花村(聞いてしまったぞ…。明日は『ドキッ!女の子だらけの水泳大会。ポロリあり』だって?)

花村(ぼくが盗み聞きをしながらメモにまとめたところによると、参加者はこうなっているはずだ)

【参加】
78期生:朝日奈・セレス・大神・江ノ島・舞園・澪田
77期生:ソニア・終里・小泉・西園寺・罪木

【不参加】
78期生:戦刃・腐川
77期生:辺古山・七海

【無回答】
78期生:霧切

花村(う~ん、迷うなあ…。料理を作るという名目で女子会に潜入するのもアリだけど)

花村(単独で行動するっぽい不参加の子たちを狙い撃ちするっていう手もあるなあ)

花村「ハッハッハッ!明日はどの娘を攻略しようかな!!!」

豚神「夜中に何を騒いでいる。不審者かと思って、危うくボウガンで仕留めるところだったぞ」

花村「ひええ~!ごめんなさ~い!」

──翌日

■■■花村のコテージ■■■

花村「うーん、ムャムニャ…。おかーちゃあ~ん…」

花村「……ハッ!」ガバッ

花村「もう12時過ぎてるじゃないか!朝食をつくり忘れるなんて、ボクとした事がああああ!!!」

花村「そうだ!せめて昼食を!!今ならまだ間に合うかも知れない!!!!」ズダダダダッ

■■■ホテルレストラン■■■

ウサミ「花村クン。おはようございま…ああ、もうこんにちはでちゅね~」

花村「なんで起こしてくれないんだよ!起床時間にアナウンスくらい流してくれたっていいだろおおぉ!」

ウサミ「ほわわ、ごめんなさいでちゅ~!だって、だって、豚神クンがあ~」ビクビク

花村「と、豚神クンが何をしたんだよ」

ウサミ「本来は起床のアナウンスを流すんでちゅけど…。豚神クンから、花村クンのコテージだけに聞こえないようにしろって…」

ウサミ「『何やら怪しい事をたくらんでいる様子だから、女子が出発するまでは眠らせておけ』…って言われたんでちゅ」

花村(見抜かれてるじゃないか!こ、これ以上はこの話題を広げないほうがよさそうだなあ~)

ウサミ「なんにしても、ゆっくりと眠れて良かったじゃないでちゅか」

花村「ま、まあ許してあげてもいいんだけどね。でも、朝食は一体どうしたの?ぼく以外に作れる一って居るのかなあ?」

ウサミ「キッチンから自動で出る仕組みになっているから、大丈夫なんでちゅよ」

花村「それはさぞかし味気ない朝食だっただろうね…。よし、昼食はぼくが腕を振るって…」

ウサミ「あっ。みなさん、それぞれ別の場所で食べるか、お店で買うって言ってまちたよ?」

花村「NO!!!!ぼくの最大の見せ場がああああああ!!!」

ウサミ「花村クンのセリフを訂正しまちゅね」

ウサミ「ボク→ぼく…でちゅ!」

ウサミ「ぼく以外に作れる一→ぼく以外に作れる人…でちゅ!」

■■■ホテル外庭■■■

トボトボ…

花村「はあ…。ぼくって、実は誰からも必要とされていないのかなあ…」

桑田「よう!なにしけたツラしてんだよ?」

花村「あ、キミは確か…超高校級の野球選手の桑田くんじゃないか」

桑田「あー、やっぱりほんの数分間の自己紹介だけで覚えてた?不本意ながら、オレって野球選手として有名だからな~」

花村「あー、いやいや。もちろんその事もあるんだけど、キミのおヒゲがプリチーで興味があったからさ…」ハァハァ

桑田「おい、なんか気持ち悪りぃぞお前」

花村「ま、キミの攻略はまた今度にするけどさ」

桑田「攻略って何の話だ!!!」

花村「ぼくは女子のみんなを探すのに忙しいから、また今度ゆっくり話そうよ」

桑田「お前とはゆっくり話したくねえ…っつか、女子のみんなを探すって何だ?」

花村「フフフ、これは流行に敏感なぼくだけが知っているインフォルマーティオーだよ」

桑田「いんふぉ…なんじゃそりゃ」

花村「知らないの?インフォルマーティオーは、ラテン語で情報って意味だよ」

桑田「普通に言えよ普通に」

桑田「んで、お前はなんの情報を知ってるって?」

花村「実は女子の皆さんだけで、秘密の花園へ行くらしいんだ。その中に潜入しようと思ってね」ハァハァ

桑田「なんか朝食の時に騒がしいと思ったら、遊びに行く予定だったのか」

花村「知っていたのかい!?」ビクーンッ

桑田「知ってたっつーか、何の話だろうな~とは思ってたけど」

桑田「せっかく舞園ちゃんを誘おうと思ってたのに、みんなと一緒にさっさとどっかに行っちまうんだもんな~」

花村「超高校級のアイドルの、舞園さやかさんの事だね?」

花村「彼女はいいよねえ…。なんというか、清楚な雰囲気の中にもフェロモンが漂っていて…」ハァハァ

桑田「だろぉ~?案外、話がわかる奴だなお前!よし、今日はついて行ってやるよ!」

花村「はい?」

桑田「だからさー、女子の花園に潜入捜査ってやつに、オレも付き合ってやるよ!」

花村「い、いや、人数が増えると隠密行動の妨げになるから、別にいいんだけど…」

桑田「遠慮すんなって!ほら、行くぞ!!」ガシッ

花村「あああ~」

■■■ライブハウス内■■■

舞園「……」ゾクッ

舞園「なんだか寒気がします…」

罪木「大丈夫ですか?風邪の前兆かもしれませんね。何か温かいものを取ってきましょうか?」

舞園「いえ、大丈夫ですよ。そういうのとは違う気がしますから」

罪木「そうなんですかぁ?」キョトン

舞園「それにしても、澪田さん…ステージで乗りまくってますね。お経のようにも聞こえますけど」

罪木「澪田さんは超高校級の軽音楽部ですからねぇ」

罪木「…あ、舞園さんも超高校級の歌手でしたよね?ステージに上がらないんですか?」

舞園「わ、私は歌手じゃなくてアイドルですから。澪田さんみたいにノリノリにはなれませんよ」

罪木「そうですかぁ?テレビで拝見した時は、かなりノリノリだったように見えましたけどぉ」

舞園「わぁ、見られてたんですか。なんか恥ずかしいですね…」

澪田「Hey! Hey! Hey! そこの二人!ズバリ言っちゃうとさやかちゃんと蜜柑ちゃん!」

舞園「わ、名指しされちゃいました」

罪木「ひえええ…ごめんなさい~」

澪田「ふたりとも全然のってないね~!なんならステージに上がっちゃう~?」

西園寺「キャハハハハッ!それサイコー!スーテジで盆踊りでも踊っちゃいなよ~!」

朝日奈「あはは、盆踊りって…。舞園ちゃんはアイドルだから、ダンスも得意だよ」

西園寺「はぁ?万年ジャージ女は黙っててくんない?」

朝日奈「ま、万年ジャージ女ぁ~?どうして私がいつもジャージ着てるって知ってるの!?」

西園寺「冗談で言ったのに当たっちゃった?まさかジャージ以外、服を持ってなかったりして」クスクス

朝日奈「許せない!ジャージはとっても着心地が良くて、機能性だって抜群なんだから!それに下はジャージじゃないし!」

大神「朝比奈よ…落ち着け。子供相手にムキになってどうする」

西園寺「こ、子供じゃないもん!!!!」

澪田「なんか唯吹を無視して盛り上がってるっすね…」

江ノ島(はぁ…。みんなで仲良しゴッコをする目的で来たけど、もう飽きちゃったし…)

江ノ島(そろそろ仕掛けちゃってもいいけど、お姉ちゃんと連絡が取れないんだよね。どこ行っちゃったんだろ)

江ノ島(まったく…。肝心な時に電話にでないしメールの返信もよこさないし、ほーんと残念なお姉ちゃんだよね~)

江ノ島(管理がもう少し甘かったら、電話やメールなんてまどろっこしい手段は使わないんだけどな)

パシャッ!パシャッ!

江ノ島「キャッ!何!?」

小泉「あ、ごめんね。物思いに耽っている姿が画になってたから、つい撮っちゃった。さすが読者モデルだよね」

江ノ島「……」

小泉「あ…許可をとらないで撮影するなんて、マナー違反だったね…。気分悪くしたならゴメン」

江ノ島「別にいいけどー。頼んでくれたら、水着でもヌードでも撮らせてあげるよ?」

小泉「え…。そ、そこまではいいかな?」

江ノ島「そっ?」

江ノ島「あーあ、なぁーんか飽きちゃった。別んとこ行かない?」

ソニア「では、そろそろ別の場所に移動しましょうか?」

澪田「えーっ、もう終わりっすか?」

終里「やっと飯を食いに行くのか!」

ソニア「ご飯は先ほど食べたばかりじゃないですか、おじいちゃん」

終里「オレはボケてねえ!自慢じゃねえが、常に飯の事しか考えていないだけだ!」

朝日奈「確かに自慢じゃないね…」

ソニア「次は映画館に行こうと思うのですが、皆さんいかがですか?」

セレス「映画館と言っても、上映している内容によりますわね。どうせこの島じゃ、ろくな映画は上映していないんじゃありません?」

江ノ島「!」ピーン

江ノ島「なんか~、コンピニあった雑誌で見たんだけどぉ。今日はとーっても面白い映画やってるらしいよ?」

セレス「例えばどのような?」

江ノ島「笑いあり!涙あり!お色気あり!濡れ場あり!セクシーシーンあり!の、スペクタクル大ロマンらしいよ♪」

朝日奈「ずいぶんエロスに偏った映画だね…。それって高校生が見ても大丈夫なの?」

舞園「この島にあるものは全て学園長が管理しているはずですから、大丈夫なんじゃないでしょうか?」

江ノ島「そそそ、舞園の言う通り!絶対に楽しいはずだから、早く行こ!」

澪田「まだ歌い足りないっす~…」

■■■ライブハウス…のドアの前■■■

花村「聞いたかい、桑田くん!」

桑田「澪田の歌がショッキングすぎて、全然聞こえなかったぜ…」

花村「ダメだなあ君は!せっかく女子の群れを見つけたというのに!」

桑田「そういうお前はなんか聞こえたのかよ?」

花村「もちろんさ。これから彼女たちは、映画館へ行くらしいよ。暗がりと女の子という組みアホせは、それだけで興奮するね」ハァハァ

桑田「お前どういう聴覚してんだよ。つうかさあ、オレの予想言ってみてもいい?」

花村「なんだい?なんなりと言ってくれたまえ」

桑田「オレらは女子の尻を追っかけ回すだけで、結局何もできねえで終わるんじゃねえ?」

花村「な、な、な、何を不吉な事を言っているんだねチミはー!!」

ウサミ「アホせは→合わせは…でちゅ!」

ウサミ「花村クンは言い間違いが多いでちゅね。今度先生が叱っておきまちゅ!」プンプン

ウサミ「それに比べて豚神クンは有能と評価されてまちゅね」

ウサミ「期待あげもとっても励みになりまちゅよ!次回も頑張りまちゅ」

■■■映画館■■■

全員が着席すると、館内の照明が落とされた

朝日奈「どんな映画なんだろうね?ちょっとワクワクしてきちゃった」

大神「うむ…。映画を観るのは久しぶりだ…」

ボリボリボリボリッ

朝日奈「な…何?この不気味な音!これって映画の音?」

罪木「ひょっとしてホラー映画でしょうか?アルミホイル音でしょうかぁ?」

朝日奈「それを言うならラップ音でしょ!」

澪田「YO! YO! ヘイYO! 今から映画が始まるYO!」

朝日奈「そのラップじゃなーい!」

罪木「では、これでしょうか?スマホの画面を指先で軽く押して…」

朝日奈「それはタップ!」

澪田「いい音がする靴を履いて踊るっす!」タンタンスタタン!タン!スタタン!

朝日奈「それはタップダンス!もう原型から離れてるでしょ~!!!」

大神「朝比奈よ…。いちいちツッコミを入れるから、皆が安心してボケるのではないか?」

朝日奈「え、そうなの?」

ボリボリボリボリッボリボリボリボリッ

朝日奈「またこの音!?まだ映画は始まってないのに、なんなの~!?」

終里「映画というばポップコーンしかねーよな~」ボリボリボリボリッ

朝日奈「えっ…。引っ張っておいてこのオチ?」

ブゥーッ…

小泉「映画が始まるよ!みんな静かに!」

スクリーンにはひょこひょこと歩く、小さなぬいぐるみのシルエットが映し出された。

舞園「え…?これって……」

モノクマ『お前ら!ボクの大作の為にわざわざ団体でお越しいただき、誠に有難うございます」

モノクマ『今日はお前らの為に、スペシャルな映画を用意しました~!』

モノクマ『楽しみ楽しみ、うぷぷぷぷ…』

ソニア「ぬいぐるみの人形劇でも始まるでしょうか?ワクワクしますね!」

スクリーンは切り替わり、監視カメラのような映像が映し出された

セレス「いえ…。人形劇とは少し違うようですわね」

監視カメラの映像には、コテージの一室が映されている

朝日奈「何これ?もしかして誰かの部屋なの?」

大神「待て。部屋に何者かが入って来たぞ」

舞園「霧切さんと…なえ、ぎ…くん…?」

朝日奈「ちょっと!ヤダッ!確かエッチい映画だって誰かが言ってたよね?これってまさか!!!」

終里「なんだかワクワクしてきたな!」

朝日奈「どういう神経してんのよ!」

罪木「ま、待ってくださぁ~い。他にも誰か入ってきましたよ?」

霧切と苗木に続き、葉隠、不二咲、そして十神と腐川が入ってきた

朝日奈「なんなの…コレ?どういう組み合わせ?」

セレス「そういえば昨日…苗木君が葉隠君を呼んで、何かコソコソと話していましたわね」

小泉「みんな、静かにして。この6人…何か話してるみたいだよ」

映像では6人の唇が動いているが、音声は全く流れていない

澪田「ひょっとして、6人でコッソリ撮影していた無声映画かもしれないっすよ!」

大神「この流れで、ストーリーがあるとは思えぬが…」

西園寺「なんかよくわかんないけど、気持ち悪い…。ねえ、なんなのコレ?」

監視カメラの映像はそのままに、モノクマのものと思われる音声が流れた

モノクマ『ヨヨヨ…。映画の途中ですが、みなさんに悲しいお知らせがあります』

モノクマ『すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この6人は…そう。あなた方を裏切ったのです!』

一同「!?」

モノクマ『この合同合宿について、改めて考えてください。何か違和感がありますよね?あるったらある。絶対あります!』

モノクマ『十分な説明も無いままに、半ば誘拐のようにジャバウォック島に連れて来られ…』

モノクマ『引率として現れたのは、誰が操っているのかもわからない奇妙なウサギのぬいぐるみ』

西園寺「確かにダザイデザインであんまりむ可愛くなかったけど…」

モノクマ『そして“合宿”という名目でありながら、“何の合宿であるのか?”という目的が、はっきりとしていません』

モノクマ『真の目的を隠すために、黒幕である彼らは考えたのです』

モノクマ『“希望のカケラ”という正体不明のものでお茶を濁せば、余計な詮索をされないのではないかと!』

小泉「なにそれ…。真面目に集めたら馬鹿を見るってこと?」

モノクマ『残念ながら、ボクの調査により突き止められたのはココまでです』

モノクマ『あとは裏切り者の6人組に聞き出せば良いのでしょうが…。果たして、彼らが易易と口を割るのでしょうか?』

モノクマ『ただひとつだけボクの口から言えることは、裏切り者はあなた方をなんらかの実験に利用しようとしているのです!』

舞園「そんな、まさか…。苗木君たちが、そんな事するわけありません…!」

モノクマ『皆さんのみに迫っている危険を教えるために映画を製作するなんて、ボクってなんて親切なんでしょう』

モノクマ『それではみなさん。裏切り者によって残り僅かになってしまった人生を、有意義にお過ごしください』

モノクマ『じゃあねえ~♪』

スクリーンは唐突に暗くなり、中央に“THE・END”の文字が映し出された

モノクマ『皆さんのみに→皆さんの身に』

スクリーンの幕が下りると、館内の照明が明るくなった

朝日奈「なんなのよコレ!こんなの映画じゃないじゃん!!」

大神「朝比奈よ、落ち着くのだ。あの奇怪なクマに惑わされてはならぬ」

舞園「そ、そうですよ!苗木君と霧切さん達が、私達を裏切ったりするはずがありません!」

朝日奈「私はそういう事で怒ってるんじゃないの!なんでこんなのが映画館に流れるの!?」

澪田「モノクマの話してる内容は別にしても、駄作だったすね…」

小泉「えーと…よく単館上映にあるような、ドキュメンタリーのつもりだったのかな?」

セレス「いずれにしても。モノクマは単なるイレギュラーの存在ではなく、ある程度の権力は持っているようですわね」

ソニア「そうかもしれません…。監視カメラの映像を公開できて、勝手に映画まで流してしまえるんですから…」

セレス「だとしたら、モノクマが言っている事もあながち嘘ではないかもしれませんわよ?」

澪田「何言い出すんすか!気は確かっすか!?」

セレス「あら?わたくしは一つの推論を言ったまでですわ」

セレス「大体にして、仮にあの6人が裏切り者でなかったとしても…わたくし達に内緒でコソコソしている態度が許せませんわ」

罪木「や、やめましょうよぉ、みなさん。人を疑うのは良くないですよ…」

西園寺「ゲロブタは黙っててくんない?あいつらを追求するべきだよ!私たちの命が懸かってるかもしんないし!」

罪木「でもぉ~…」

終里「考えすぎじゃねーか?あの6人が仲良しグループってだけかもしんねーじゃん」

朝日奈「それは無いよ…」

終里「あん?なんでだよ」

朝日奈「腐川ちゃんが十神の後について行くのはいつもの事だけど、葉隠と不二咲ちゃんと苗木と霧切ちゃんなんて…」

朝日奈「今まで、そんな組み合わせで行動してるの見たことない…」

終里「ついさっき仲良くなったのかもしんねーじゃねーか」

江ノ島「あー、無い無い。それは無いわ~!」

ソニア「江ノ島さん!今までどこに行かれていたのですか?」

江ノ島「は?あたしは一番後ろの席にずっと居たけど?」

ソニア「そうですか…?」

西園寺「そんな事よりもさ~。なんで仲良くなったわけじゃないって言い切れるの?ちゃんと根拠あんの?」

江ノ島「十神は他人と馴れ合うような奴じゃないし、霧切は葉隠みたいなアホとは話が合わないだろうし」

江ノ島「何よりさ…。単なる仲良しグループだっていうなら、苗木が舞園を仲間に入れないわけ無いじゃん」

舞園「……」

澪田「そーっすねえ…。ふたりは付き合ってるんすよね…」

舞園「違います。付き合ってません…」

澪田「あ、アイドルだからナイショなんすね」

舞園「違うんです!本当に…付き合ってないんです…」

江ノ島「お互い両思いだってのが見え見えなのに、どっちからも告ろうとしないんだよね。古い少女漫画かっての」

舞園「え、江ノ島さん!」

西園寺「ちょっと待ってよ…。もしそれが本当なら、舞園おねぇもアイツらと繋がってるかもしんないじゃん」

舞園「な、何を言うんですか!」

終里「そうだぞ!後輩に向かっておねぇはおかしいんじゃねえのか!」

朝日奈「おかしいのはソッチじゃないよね、うん」

西園寺「もっと言っちゃうと、78期生のやつらみんな信じらんな~い!誰と誰が繋がってるかわかんないもん!」

小泉「駄目だよ、そんなこと言っちゃ…」

西園寺「なんで?わたしは小泉おねぇのこと信じてるよ?」

西園寺「それともおねぇは、まだ78期生の奴らと一緒に希望のカケラなんて集めるつもりでいるの?」

小泉「だって…」

セレス「わたくしだって、あなた方を信用に足ると思った事はありませんわ」

西園寺「何コイツ~!ムカツク!」

セレス「これ以上はここに居ても時間を無駄にするだけですから、失礼いたしますわね」

朝日奈「あ!待ってよセレスちゃん!」

セレスは映画館を出て行ってしまった

終里「オレも腹減ったから帰るぞ~」

西園寺「小泉おねぇ、わたし達も帰ろうよ!」

小泉「うん…。コテージでゆっくり考えようか…」

舞園「私も…ちょっと気分が悪くなってきました…」

罪木「ふえぇ、大丈夫ですかぁ?コテージまで送りますぅ」

舞園「一人で帰れるから、大丈夫です…」

罪木「えっ…」

セレスに続き、終里・西園寺・小泉・舞園もその場を後にした

ソニア「皆さん、いなくなってしまいましたね…。なんでこんな事に…」

罪木「何もできなくてごめんなさい…。許してください…」

澪田「ま、ますます暗い雰囲気になってきたっすね」

江ノ島「ここに残ってても仕方ないしさ、あたしらも帰ろうよ」

大神「うむ…」

朝日奈「こんなの…納得できないよ…。ここに来るまでは、楽しかったのに…」

ソニア「……」

それぞれが少し距離を置き、重い足取りでコテージへと戻った

─その頃の花村と桑田

花村「ぬわあああ!彼女たちに気づかれないように後をつけていたら、道に迷ってしまったあああ!」

桑田「どーすんだよ。お前が自信満々だったからついて行ったのによお」

花村「君にも責任があるんじゃないのかい?」

桑田「どういう意味だよ」

花村「ボクに任せっきりで、女の子たちの匂いを探そうとしなかったじゃないか!」

桑田「に、匂い?何言ってんだお前?」

花村「自慢じゃないけど、ぼくは女子全員分の匂いを嗅ぎ分けることができるのさ」

桑田「おいおい、その内通報されっぞ」

花村「…ん?クンクン、この匂いは…!」ピクッ

桑田「マジかよ。誰の匂いだ?舞園ちゃんか!?」

花村「これは…彼女の匂いだ!行くよ、桑田くん!」

桑田「ラジャー!」

■■■遺跡■■■

戦刃(苗木くんが誰を好きかって事くらい、薄々気づいていたけど…)

戦刃(盾子ちゃん…私に当てつけるような言い方しなくてもいいのに…)

花村「やあ、戦刃むくろさん。こんな所に一人でどうしたんだい?」キラキラ

桑田(舞園ちゃんじゃなくて戦刃かよ…)

戦刃「え?あなたは確か、超高校級の料理人の…花村輝々くん?」

花村「ぼくの名前を覚えていてくれたのかい!?嬉しいな~!」

戦刃「変な名前だなと思って覚えてたの」

花村「カーチャンにもらった名前を変って言うなあああああ!!!」

戦刃「えっ?ご、ごめんなさい」ビクッ

桑田「おい、落ち着けよ花村」

花村「…ハッ!ぼくとした事が、レディの前でつい取り乱してしまったよ。ハッハッハッ」

桑田「んで。戦刃はこんな所で、しかも一人で何やってたんだ?女子の集まりには行かなくていいのか?」

戦刃「……」

桑田「ノーコメントかよ。ま、別に答えたくないならいいけどさ~」

花村「女性が物憂げな顔をしているというのに、その態度は感心しないなあ」

桑田「ハア?」

花村「戦刃さん。なにか悩み事があるなら、ぼくに話してくれないか?ぼくで良ければ相談に乗るよ!」

桑田「ついでに上に乗る気なんじゃねーのか?」

花村「やめてくれ!」

花村「下ネタっていうのは遠回しに言って女の子の反応を密かに楽しみのがいいのであって、君のはただ下品なだけだ!」

桑田「お前の言ってることもかなり下品だぞ」

戦刃(はあ…。この人達うるさい…。一人になりたいからここに来たのに、これじゃ意味が無いよ…)

ダッ!シュタタタッ…

花村「おや?戦刃さんはどこへ?」

桑田「なんかすっげー速足でどっか行ったぞ」

花村「この一瞬の内に!?さすが超高校級の軍人…」ゴクリ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2019年05月18日 (土) 09:15:07   ID: 2h1ciRz_

なんか微妙。

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