とある未来の子供達(チルドレン) (33)
本編から数年経っております。
未来捏造 作品です
文章表現がおかしな点は言ってください。m(_ _)m
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十月一日 AM.七時
小鳥のさえずりが響く朝。
フワ~、と大きな欠伸を一回すると黒のストレートロングヘアー、瞳の色は赤、首から星型のネックレスを下げ、肌の色は白の少女、佐天 幸子(さてん ゆきこ)は頭を一回掻くと背伸びをしながらクローゼットの前に立つ。
クローゼットを開け、中から夏のセーラー服を取り出し、パジャマを脱ぎ捨ててそれを身に纏い、脱ぎ捨てたパジャマを綺麗に畳んでから、自室を出て階段を降り洗面所に向う。
洗面所にたどり着くと先客がいた。幸子の母親である、佐天涙子だ。幸子と同じ黒のストレートロングヘアーで今の幸子が大人になった姿にそっくりだった。
「お、幸ちゃん。おっはよー!」
涙子は抱きつき朝の挨拶をする。抱きつかれた幸子は三十後半になる人がやる事なのか、と疑問に思いながら返事を返す
幸子「おはよう、お母さん」
更新のスピードは遅い場合と早い場合があります
幸子は顔を洗い終わると居間に行き、食卓の椅子に座った。食卓の上には湯気が出ているご飯と味噌汁、塩鮭、納豆があった。涙子は自分の茶碗にご飯を注ぐと席に着く
涙子「それじゃ、お母さんも食べるとしますか」
二人でいただきます、と言ってから食べ始める。二人は学校のことなどを話しながら朝食を食べる。
幸子「お母さん、今度の修学旅行なんだけどさ」
涙子「お、もうそんな時期だっけ?色々と準備しなきゃいけないね。っで、どこに行くんだっけ?」
幸子「確か、去年の先輩が広島に行ったって話ししてたのを聞いた」
涙子「広島か~。私もいきたいな」
幸子「だったら、今回の連休を使って行けばいいじゃん。私、別に寂しくないからさ」
涙子「何言ってるのよ。この連休は中々会えない娘と一緒に過ごすために取ったものなのよ。――――」
涙子の仕事場は『学園都市』である。仕事の内容は幸子には詳しく話してはいないが幸子の友人である上条麻琴の母親、上条美琴の助手をしていることは教えてもらった。
幸子「私さ、修学旅行はさ広島じゃないところがいいんだよね」
涙子「ほうほう、我が娘は別のところがいいと、例えば?」
幸子「う~ん」
一度、鮭を口に運びよく噛んでから再び口を開く
幸子「やっぱり東京の西側にある『学園・・・・・・」
涙子「駄目。あそこは、とんでもない街なんだから!!」
涙子が思い切り食卓を叩きガチャン、と食器から音が鳴り響く。幸子の肩が一瞬震え上がる。
幸子「じょ、冗談だよ。お母さん、行きたいわけないじゃん!」
涙子「冗談でもあの街のことは言って欲しくないな」
涙子の目線が下になる。
幸子「えっと、あ、私もう行かないと!御馳走様でした。行ってくるね!」
涙子「あ、放課後は上条さん家に行ってね。今夜は2家族でバーベキューだから!」
幸子は返事をするが逃げるように居間から飛び出し自室からカバンを取ると靴を数秒で履き学校に行ってしまった。
涙子は娘が学校に行ったことを確認すると完食した朝食を片付け始める。
(私が働いててあの子を学園都市に住ませないのは理不尽だってのは理解できてる)
食器を洗い始めると同時に歯を噛み締め始める
(・・・・・・けどあの街には絶対に行かせたくない。ううん、行かせないわ。あの人との約束だもの)
(いいか、絶対にこの子を学園都市(この街)に二度と近づけるンじゃねェ。ダメな夫の最後の頼みだァ)
脳裏に夫の言葉が駆ける
左薬指の銀の輪っかを見つめながら強く誓う涙子であった。
今日の更新はここまでです。
短くてすみません。
AM.7時45分
登校してきた学生たちで賑わう、学校の正門。髪の色はシャンパンゴールドで所々ツンツンヘアーの少女、上条麻琴はそこをくぐる。彼女は呑気に大きなあくびをした。と同時に
「ま、こ、とーーーー!!」
麻琴の後ろのスカートが思い切りめくられた。周りの生徒たちが此方を見る。麻琴の顔が耳まで真っ赤になっていく。
「お、今日は白と青の綿パンか」
スカートを捲り上げた犯人は佐天幸子だった。
麻琴「幸子、アンタはそんなに私のパンツが気になるのか!!」
麻琴は右手で拳を作り、幸子の顔へ殴りかかる。幸子は体の重心を横に掛け、かわす。
幸子「はは、麻琴がしっかりとパンツを履いてるかの確認だよ。友人の気遣いってやつ!」
麻琴「公衆の面前でやるな!その前にちゃんとパンツ履いとるわ!!」
幸子「お、最初の言葉は公衆の面前じゃなかったらいいの?」
麻琴「そんなわけあるかああああああああ!!」
麻琴は闇雲に拳などを振るい始める。が、幸子は拳を簡単にかわしていく。その様子を見て呆れている、同じ顔の4人の少女がいた。4人とも肩まで届いた黒色の髪。
「全く、お姉様はムキになり過ぎなのです、と美春は姉の哀れな姿にこっそり笑います」
「・・・・・・動作を口にするのはどうかと思うけど?」
「美夏は4つごの中で唯一行動を口に出さないんだよね、と美秋は説明をします」
「ねえねえそれは誰に説明してるのかなって、美冬は美冬は美秋に質問してみたり」
AM.8時30分 坂梨中学 2年5組の教室
この時間帯は先生たちが朝の会議の時間なので生徒たちは読書をしなければならないのだが守っているのは教室の1割ほどである。
九割の生徒は自分の席を離れ、あるいは近くの仲の良い友達と喋っている。
残りの九割に当てはまる上条麻琴は窓際の一番後ろの自分の机に顔を真っ赤にして突っ伏していた。
麻琴「ワタシモウオヨメニイケナイ」
幸子「大丈夫だってその時は私が貰ってあげるから」
麻琴「主犯者が何を言うか!!」
ひとつ前の席に座っている幸子に叫ぶ麻琴。麻琴の怒りのボルテージはもうマックスだ。
麻琴「そもそも同性愛者じゃないしわ・た・し・は!」
幸子「心外だな~。私だってノーマルだよ?NLだよ?」
麻琴「アンタは絶対『G』も入ってるわ」
幸子「そんなことないって。お母さんだって中学の時はよく初春さんのスカートを捲って挨拶してたんだよ?」
麻琴「此奴は遺伝とか言いたいのか」
麻琴が言ったと同時に担任が教室へ入ってきた。喋り声で溢れかえっていた教室が静かになり、席に着く音しか聞こえなくなった。
担任「それじゃ、今日は修学旅行についての変更内容について話すぞ」
担任の言葉で教室がざわめき始める。『修学旅行中止?』や『行き先の変更じゃない?』など近くの席の人と語り始める。
担任が手を2回叩いて教室を制する。
担任「修学旅行が中止になるわけないだろう。さっきも声で上がっていたんだが変更内容は行き先だ」
麻琴「(行き先変更だってよ)」
幸子「(どこだろうな~。北海道とかかな)」
担任「上条、佐天、お前らいちいち喋るな」
担任が此方を睨んできたので二人は綺麗な姿勢になる。
担任「行き先はみんな驚くなよ。『学園都市』だ」
AM,10時30分
人口の8割が学生である学園都市。科学の機能が二、三十年先に行っている都市でもある。
学園都市第七学区『窓のないビル』
生命維持槽に入った男性にも女性にも、老人にも子供にも、聖人にも囚人に見える人物、アレイスター=クロウリーが葦城している建物である。
その建物に黒髪のツンツン頭、手には束になった資料を持ち、額には青筋を浮かべた三十代後半の男、上条当麻が来ていた。
当麻「アレイスター!話がある」
アレイスター「・・・・・・『幻想殺し』貴様が自分の意志でここに来るのは初めてだな」
当麻「そんなもんはどうでもいい。この資料はなんだ!」
手に持っている資料をアレイスターに向かって突きつけた。アレイスターは平然とした顔で資料を見ている。
アレイスター「外部の中学校を修学旅行で招き入れるのだが何か問題でもあったか?」
当麻「なんで佐天や俺の子供の通う中学校も含まれているんだ」
アレイスター「私は全国の中学校に学園都市へ修学旅行として来ないかと発信したんだ。まあ、外の世界の保護者たちは心配になり抗議するものも現れたが子供たちの意志の方が強くてな」
当麻「・・・・・・」
アレイスター「返す言葉はないのか。一人の人間のために他の子供の夢を奪い取ることなどお前には出来ないことだからな。嫌なことで『不幸』を招いてしまったな。『幻想殺し』」
当麻は一度、口を開いたが言葉が出ず、歯を噛み締めこの場を去っていった。アレイスターの口元が緩んだとは知らず。
本日はここまでです。
ひとつ質問させてください。
同時進行で作品を進めることは良いのですか?
PM.4時45分
通学路を幸子、麻琴、美春、美秋、美夏、美冬の順で歩いていた。
美冬「お姉ちゃん達は学園都市に行くことになっちゃったの?って美冬は美冬は腕を組んで聞いてみたり!」
麻琴「そうなのよね。急に行き先変更ってのが気になるけど」
美春「会議中の職員室の近くを偶然通ったら今朝、学園都市から学校へ招待状が届いていたようです。と美春は朝の時間、読書もせずに盗み聞きをしていたことを隠し、説明をします」
美夏「美春、トイレに行くとか言って盗み聞きをしていたのか!」
美秋「そんなことより、修学旅行先が『学園都市』なんですよね、と美秋は恐る恐る言います」
麻琴「それがどうかしたの?」
美秋「はい、それだと幸子さんはどうなってしまうのでしょうか、と疑問を持ちます」
幸子「・・・・・・」
幸子は朝、この話を聞いたときずっと考えていた。母親から『学園都市』へ行くことは許されていることではないからだ。
たまになぜ自分は行ってはいけないのか涙子に聞くのだがまともな回答ではなかった。
麻琴「どうにかして、涙子さんを説得するしかないわね。って、幸子?」
幸子「あ、ごめん。全然聞いてなかった。え~っと、麻琴の今日のパン・・・・・・フガッ!?」
麻琴が右手で幸子の頬を握り締める。麻琴の額には青筋が浮かび上がっていた。かなりご立腹のようだ。
幸子「ひやらな~、ふぁふぉろちゃん。ふぁうろん、ふぉうろん」
麻琴「私たちが話してたのは修学旅行について、それと、あんたの母親をどうやって説得させるか!」
美秋「お姉様、とりあえず家に入りましょうよ、と美冬は顔を赤らめながら言います」
どうやら話しているうちに上条家に着いてしまったらしい。近所の人たちにこのやり取りを見られていたこともわかった。
幸子と麻琴は苦笑いをしながら上条家へ入っていった。
美秋「ただいま帰りました、と家に帰ってきた時の挨拶を美秋はします」
麻琴「ただいま~、お祖母ちゃん」
幸子「お邪魔しまーす」
詩奈「おかえりなさい麻琴さん、美秋さん。あらあら、幸子さんも一緒だったのね」
幸子「はい。お母さんが麻琴の家に行ってくれって」
詩奈「・・・・・・ああ!そう言えば今日はバーベキューをするって美琴さんから連絡があったんだわ」
玄関で出迎えてくれたのは上条詩菜。麻琴の祖母である。麻琴はお祖母ちゃんといったが外見は三十代前半にしか見えない。
幸子(詩奈さんって、お肌の手入れをしなくて綺麗だからすごい)
麻琴「お祖母ちゃん、お母さんは?今日からしばらくはこっちにいるって聞いて昼頃には着いてるって聞いてたんだけど」
詩奈「美琴さんは今日の夜に到着するってさっきバーベキューのことと一緒に連絡があったのよ。学園都市でちょっとトラブルが発生したからって」
麻琴「・・・・・・そうなんだ」
麻琴は俯いてしまった。詩奈はそんな麻琴の頭を撫で
詩奈「あらあら、麻琴さんは美琴さんに会えなくて寂しいのね。でも、来れなくなったわけじゃないのよ。帰ってくる時間が遅くなっただけ」
麻琴「・・・・・・うん」
麻琴は笑顔を詩奈に向けるが少しだが引きつっていた。
詩奈「さあ、手を洗ってきなさい。今日のおやつはパンプキンケーキよ。」
詩奈は奥へと入っていき、麻琴、美秋、幸子は洗面台に向かった。
同時刻
涙子「ふふ~ん、今日は奮発して高いお肉を買っちゃおう!」
現在、近所の商店街にある肉屋で買い物中の涙子の姿があった。両手にはこれ以上持ちきれないほどの買い物袋を提げていた。
肉屋の亭主「はいよ。涙子さんアンタ、学園都市から帰ってきてたんだね」
涙子「そうなんですよ。有休を使って一週間くらいはいるんですよ」
亭主「幸子ちゃんも喜んでるんじゃないか?一週間も一緒に入れるんだから」
涙子「・・・・・・そうでしょうか?」
涙子の顔が暗くなる。亭主は眉を潜める。が、すぐに口元を緩めた
亭主「幸子ちゃんは遠くで働いている母親を心配する優しい娘さんだよ。羨ましいくらいに」
涙子「でもどこかで恨んでるような気がするんです」
亭主「それは涙子さんの心の問題だ。娘が恨んでいんじゃないか、憎んでいるのかと考えてしまうからそう見えてしまう。簡単な人間の心理状況さ」
涙子「どこかでそう思っている自分がいるってことですか・・・・・・」
亭主「そうなるね。ほらオマケだ」
涙子「え、いいんですか!」
亭主「それを娘さんと一緒に喰いながら楽しい話をするといい。気持ちが軽くなるはずさ」
涙子「・・・・・・ありがとうございます!本当、ご主人にはかないません」
亭主「毎度ありがとうございました」
亭主は頭を下げた。涙子はクスリ、と笑ってしまう。この動作をするのは照れ隠しと分かっているからだ。
涙子は走って肉屋を離れていった。
PM.5:00 学園都市
とある高校、上条当麻の母校にあたり、また、職場でもある。上条はここの体育の教師として働いている。
生徒たちが完全に下校したとある高校の会議室から光が漏れていた。入口に『立ち入り禁止』と赤い文字で書かれた紙が貼ってある。
コツコツ、ハイヒールの踵の音が廊下に鳴り響く。コツコツコッ、音が例の会議室の前で止まった。
肩までかかった茶色の髪、レディーススーツを見事に着こなした女性上条美琴だった。
彼女はドアに手をかけ、右にスライドさせた。
部屋には男性が四名、女性が5名と白いカブトムシ一匹いた。
長づくえが長方形を作るように置かれている。長づくえの上に腰掛けている黒髪ツンツン頭、灰色のメンズスーツを着た男性上条当麻。
背中を壁に預けて腕を組んでいるボサボサの金髪、白色のシャツの上に黒のパーカーを羽織ズボンはGパンの男性、浜面仕上。
金具の椅子に腰掛け足を組んでいる金髪にグラサンを掛けた緑色アロハのシャツを着た男性、土御門元春。
ポケットに手を突っ込んでただ立っているだけの黒色スカーフを頭に巻き全身黒色の服を着た男性、服部半蔵。
長机の上にパソコンを置き一生懸命作業をしている、頭が花畑になっておりこちらも美琴と同じレディーススーツを着た女性、初春飾利。
その隣にツインテールの女性、白井黒子。
部屋の奥の席には茶色でウェーブのかかった髪、黄色い服を着た女性、麦野沈利。
そして美琴と同じ顔の体細胞クローンである妹達の一人、検体番号10032号の御坂美陽がいた。
当麻「美琴も来たか。それじゃ話し合い始めるぞ」
上条の言葉に全員が反応し彼を見た。
同時刻 上条家
庭で詩奈がバーベキューのセッティングをし、幸子・麻琴・美春・美夏・美秋は台所で野菜を切り、それを串に刺していくという作業をしていた。
美冬はというと自室でお昼寝をしている。無論、麻琴が起こしに行ったが体を揺らしている最中に裏拳を喰らい諦めた。
作業をしている中、麻琴が口を開く
麻琴「幸子、アンタ本当にどうするのよ。修学旅行、行けなくなるかもしれないのよ?」
幸子「う~ん、本当にどうしよう。単刀直入に言うしか方法が浮かばない」
美春「一層のことそれで良いのではないでしょうか。と、美春は幸子さんの意見に賛成します」
無表情で野菜を切る姿が少し怖さを引き出してしまってる美春が言う。
美春「いくら学園都市に行かせたくないからと言っていても一生の中で数少ない一生の思い出となるのを奪うことは悪人ではない限りできないからだと思います。と、美春は補足します」
麻琴「う~ん、確かに涙子さんに限って思い出を作らせないという事はしないか」
幸子「勇気を出して言ってみるわ」
麻琴「そうしなさい。と、話しているうちに終わっちゃったわね」
どうやら話している際にも手を動かし作業をしていたため準備は終わったらしい。庭を見ると美秋が詩奈に報告に行っていた。
麻琴「もう6時過ぎか。涙子さんそろそろ来る頃だね」
麻琴が言うと同時に呼び鈴がなった。美夏が部屋を出て行った。
数秒後にお邪魔します、と涙子の声が聞こえてきた。
麻琴「(幸子、アンタいつ言うつもりなの?)」
幸子「(まだ、心の準備が出来てないからもう少し後で)」
涙子「こんにちは~。お、何だ何だ?麻琴と幸子ひそひそ話しちゃって。まさか、恋の相談!?いや~、若いっていいねえ」
涙子は手に持ってる荷物を(一部は家に)置き、二人に近づく
幸子「何、一人で盛り上がってるのよ!そんなんじゃない!」
涙子「照れるな照れるな」
涙子は幸子の頭を撫でながら言う。幸子はそんな母にもう、と言いつつもどこか楽しそうな表情だった。
麻琴はそんな二人をいいなと思った。
涙子「あれ?美琴さんはどうしたの?もう帰っている頃じゃ」
麻琴「連絡が有ったみたいで帰ってくるのが遅くなるみたいです。聞いてなかったんですか?」
涙子「ええ、本当に!?私には連絡なかったけど行かなくて良かったのかな?」
顎に手を当てながら言う。
ピルル、ピルル着信音が部屋に響き渡った。涙子の携帯からだ。
涙子「あれ、美琴さんからだ。今になって私が必要になったのかな?」
ブツブツ呟きながら電話に出た。涙子は最初のうちはいつもの口調で話をしていた。が、段々涙子の口調、表情が変わっていく。
涙子「麻琴ちゃんゴメンだけど部屋を一つ貸してくれない?できれば誰も入れないようにできる部屋」
麻琴「え、え、っと、お母さんとお父さんが帰ってきた時に使う部屋が」
涙子「それじゃ遠慮なく借りるわね」
美夏「あ、私が案内します」
涙子「ありがとう」
涙子と美夏は2階へと消えていった。その様子を見ていた麻琴、幸子は不安そうだった。
>>1です。
書きためていたものを今回全て出してしましました。
今度の話は考えていますが繋げていくのが難しくて中々、進まないのが涙です。
上条夫妻の部屋はダブルベットと化粧台、テレビとタンスが一台あるだけだった。
涙子はダブルベットに腰掛けると再び美琴と話をはじめる。
涙子「さっきの話本当なんですか?幸子たちが通う中学が『学園都市』に修学旅行の行き先を変更したって」
美琴『本当よ。多分、今日の朝には麻琴や幸子ちゃんも知ったはず』
涙子「何で急に行き先を変更したんだろう」
美琴『う~ん、麻琴から聞いた話だけどあそこの中学って『学園都市』に憧れを持ってる子が多いらしいの』
涙子「そんな中で『学園都市』から見学に来ませんか?と招待された」
美琴『そう言う事かな?あそこの学校って何かしらと生徒の願いを叶えようとするからね。まあ、繰り返していくといつかは学校崩壊にはなりかねないけどね』
美琴の辛口の言葉に涙子は乾いた笑を浮かべる。
美琴『っと、話がズレちゃったわね。佐天さん、貴方どうしようと考えてるの?』
口を噤み、目を閉じる。短い沈黙。
涙子は軽く息を吸うと美琴に伝え始める。
涙子「正直、悩んでいます。幸子にはいい思い出を作って欲しいと心の底から思ってます。だから『学園都市』に行かせたい。
でもですね、美琴さん。大切な人の最後の願いを破るのも嫌なんです。
だから行かせたくない。
はは、おかしいですよね。二人の事を考えて導いた答えなのに内容が矛盾しちゃってます」
美琴『・・・・・・ねえ、佐天さん。一層のこと幸子ちゃんの意見を聞いたらどう?
一人で悩んで答えに矛盾が出てくるんでしょ?』
涙子「・・・・・・幸子が行きたいって言ったらどうするんですか・・・・・・?」
声に怒気が隠っていた。今の涙子には二つの思いが渦を巻いている。夫との最後の約束を守りたい、娘の悲しい顔を見たくない。
しかし、どちらか一方となると天秤のように傾いてしまう。
美琴『・・・・・・白黒はっきり付けなさい、佐天さん!』
美琴『貴女はどっちを選ぶの!?一方通行との最後の約束を守りたい!?
幸子ちゃんの悲しい顔を見たくない!?一方を選ぶともう一方は叶わない。そんな答えは出てるんでしょう!
ここは重要な選択し、親としての!』
涙子は唇を噛み締める。鉄の味が広がり始めた。
涙子「幸子の意見を聞こうと思います。それから、後は決めます」
美琴『わかったわ。それともう一つ』
涙子「何ですか?」
美琴『後30分くらいでそっちに着くって伝えとしてくれない?当麻と琴菜、オティヌスも一緒って』
涙子「わっかりましたー!」
いつもの涙子に戻り、電話を切った。彼女の心には迷いはない。
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