P「春香の誕生日…?」 (21)
P「…いつだっけ?」
千早「…今日です」
P「…」
千早「まさか…」
P「…」
千早「…プロデューサー、春香には」
P「…」
千早「…お花見でお祝いしようって言ってたのに」
P「…それは今週の土曜日」
千早「…だとしても、当日にはおめでとうの一言くらい言う物です」
P「…」
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春香「…」ツーン
春香「忘れるなんてひどいです」
P「…」
春香「…別に、お仕事優先なのは分かってますけど」
P「…春香、仕事だ、行くぞ…そんな顔をするな」
春香「…ごめんなさい」
P「…行くぞ」
小鳥「…何ですかプロデューサーさん、あれじゃ春香ちゃんがかわいそうです!」
千早「本当にプロデューサー、春香の誕生日、忘れていたのかしら…」
律子「どういう事?」
千早「いえ…」
律子「…まあ、年度末に年始が重なる時期だからね」
小鳥「だとしても、あの言い方は無いんじゃないですか?」
律子「まぁ、あの人らしいと言えばあの人らしいですけど」
小鳥「可愛そうな春香ちゃん…」
春香(そうだよね…私の誕生日なんかより、お仕事だよね…そうだよね、私は、アイドルなんだから!)
P「春香、聞いてるか?」
春香「はっ、はい?!」
P「今から、CDのスチール撮り、その後雑誌の取材。その後はファッション誌のモデルで春物ファッションのコーデの―――」
春香(プロデューサーさん…結構ドライな人なんだなぁ…)
P「とりあえず、そう言う予定だ。大丈夫か?」
春香「あっ…はい」
P「スタジオ着いたぞ。さ、行くぞ」
春香「はい…」
P「…あ、もしもし千早か?うん、そういえばさ―――」
スタジオ・ファルマン
春香「はぁ…」
カメラマン「どうしたの春香ちゃん、ちょっと表情暗いよ?」
春香「あっ、す、すみません」
カメラマン「らしくないねぇ」
春香「あ、あははは、ちょっと寝不足で」
カメラマン「そりゃあ大変だ、お肌荒れちゃわない?」
ディレクター「春香ちゃんまだぴっちぴちの高校生だよ?」
カメラマン「そうか、なら大丈夫だな、行くよー」
春香「はいっ、よろしくお願いします!」
P「…」
春香「終わりました、プロデューサーさん」
P「よし、次だ、急ぐぞ」
春香「あ…はい」
P「…あ、もしもし千早か?うん、そういえばさ―――」
スタジオ・ファルマン
春香「はぁ…」
カメラマン「どうしたの春香ちゃん、ちょっと表情暗いよ?」
春香「あっ、す、すみません」
カメラマン「らしくないねぇ」
春香「あ、あははは、ちょっと寝不足で」
カメラマン「そりゃあ大変だ、お肌荒れちゃわない?」
ディレクター「春香ちゃんまだぴっちぴちの高校生だよ?」
カメラマン「そうか、なら大丈夫だな、行くよー」
春香「はいっ、よろしくお願いします!」
P「…」
春香「終わりました、プロデューサーさん」
P「よし、次だ、急ぐぞ」
春香「あ…はい」
春香(どうしたんだろうプロデューサーさん、何だか急いでるみたいで…もしかして、私が撮影で時間を取り過ぎたのがまずかったのかな…)
P「…」
丸川出版
記者「―――で、天海さん、今後は」
春香「えっ?」
記者「あっ、すいません、今後のアイドル活動のご予定について」
春香「ああ、すいませんっ。えーと、今後も、765プロ一丸となって、皆さんに楽しんでもらえるようなアイドルとして頑張っていきたいと思います」
記者「はい、ありがとうございます…お疲れですか?」
春香「あ、あははは、ちょっと、眠れなくって」
記者「そうですか…身体には気を付けてくださいね、応援してますよ!」
春香「はいっ、ありがとうございます!」
春香「あ、あの、プロデューサーさん」
P「次はファッション誌の撮影だな」
春香「…はい」
春香(怒ってるのかな…プロデューサーさん)
春香「あ、あの、プロデューサーさん?」
P「何だ?」
春香「…いえ、何でも無いです」
フォトスタジオ・フォルセティ
カメラマン「天海さん、笑顔硬いよー、どうしたの?」
春香「えっ、そ、そうですか?」
カメラマン「疲れてるの?最近忙しいもんねー」
春香「えへへっ、す、すいません」
春香(…何だかプロデューサーさんイライラしてるのかな)
P「…」
カメラマン「はーいオッケーです!」
春香「ありがとうございました!」
P「春香」
春香「あっ…あの…今日は、その、すみませんでした!」
P「…行くぞ」
春香「あっ…はい…」
春香(はぁ…今日は、ダメダメだなぁ)
P「…春香、今日の予定、この後ダンスレッスンだったが、予定変更だ」
春香「はい?」
P「寄り道するぞ」
春香「は、はい…」
春香(何だろう…)
P「春香」
春香「…はい」
P「…ごめん」
春香「…えっ?」
P「…誕生日」
春香「あ…」
P「…忘れてた、訳じゃないんだ…でも、仕事忙しくって、何も準備できなくて」
春香「い、良いんですよ、そんな」
P「…」
春香「…プロデューサーさんが、覚えて居てくれた、それだけで」
P「…もうすぐ着くぞ」
春香「…どこ、ですか?」
春香「うわぁ…!」
P「桜…綺麗だろう?ここを見せてあげたかった」
春香「…それで、あんなにソワソワしてたんですか?」
P「節電の影響で、20時過ぎるとライトアップも終わっちゃうんだ」
春香「…夜の桜って、綺麗ですね」
P「散り始めてるから、もう少し遅いと見に行けなかったかもしれない…」
春香「…ありがとうございます、プロデューサーさん」
P「…桜って、一週間くらいで咲いて散って…ちょっと悲しいな」
春香「…でも、また来年、綺麗に咲きますよ?」
P「えっ?…そうだな…アイドルみたいだなって思ってさ」
春香「えっ?」
P「…春香達が、アイドルをしている時間は、春香達が生きてる時間の、ほんの一瞬かも知れない…桜が散る様に、わっと咲いて、散っていく…」
春香「…散っても、また葉が茂って、来年には花が咲きます。私達も、きっと、アイドルじゃない、他の形で花咲くんですよ、きっと…どうしちゃったんですか?らしくないですよ」
P「…ははっ、そうかな?」
春香「はい、ほら、プロデューサーさん、笑って笑って」
P「あ、あはははっ、こうか?」
春香「はい、ポーズ」カシャッ
P「あっ!」
春香「プロデューサーさんの写真ゲットー!千早ちゃん達に送っちゃおーっと」
P「は、春香待てって、こら!」
春香「車まで競争ですよー!」
P「こらー!」
小鳥「あっ、プロデューサーさんと春香ちゃん帰ってきました!」
律子「…」
P「ただいま戻りました」
小鳥「プロデューサーさん!」
P「はい」
春香「ただいま戻りましたー!って…どうしたんですか?小鳥さん、そんな怖い顔をして」
小鳥「え?」
春香「えへへっ、プロデューサーさん、今日はどうもありがとうございました」
P「駅まで送らなくてよかったのか?」
春香「今日は千早ちゃんの家で晩御飯をご馳走しようと思って」
P「そうか、千早が帰ってきたら送るよ」
春香「すいません、お願いします」
小鳥「…何があったんでしょうか?」
律子「さあ…?」
春香「プロデューサーさん、素敵な誕生日、ありがとうございました!」
P「…これからも、よろしくな、春香」
春香「…はいっ!」
小鳥「何貰ったんですかね?」
律子「さあ…?」
千早「ただいま戻りました」
春香「あっ、お帰り、千早ちゃん」
千早「…そう、うまくいったのね、プロデューサー」
春香「えっ?」
千早「何でも無いわ…さ、帰りましょう、春香」
春香「う、うん、プロデューサーさん」
P「ああ…千早、ありがとな」
千早「ふふっ、いえ…私は偶然、あそこを通った事があるだけですから」
春香「ねえねえ、2人とも何コソコソ話してるの?」
千早「ふふっ、別に」
P「うん、何でも無い」
春香「あっ、ずるい!」
P「あっ、そうだ、春香」
春香「へっ?」
P「…誕生日、おめでとう」
春香「…ありがとうございます、プロデューサーさん!」
終
ぎりぎり間に合った…春香、誕生日おめでとう!(遅
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