王子「従者、少し外の様子が見たい」 (14)

従者「城の外にございますか?」

王子「ああ、準備をしてくれるか?」

従者「かしこまりました・・・ 者共! 王子がご視察にあられるぞ! 準備をしろ!」



**数刻後**

王子「そうだな、今日は東の門から出てみよう」

従者「かしこまりました」




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パカラ・・・ パカラ・・・

道中で王子はあるものに目が留まった

今にも風に吹かれそうな老人だった


老人「・・・」 ヨボヨボ

王子「む、あれは・・・」

従者「王子、あれは老人にございます 生けるもの全ては必ず老いてゆきます」

王子「ああ、ありがとう (生きるものは必ず老いる・・・ か)」


その日王子は『老い』という苦しみについて一日中考えることとなった

王子「今日は東はやめだ、南の門から行こう」

従者「かしこまりました」


**数刻後**

パカラ・・・  パカラ・・・

先日と同様、王子は出先であるものに目がついた


病人「うう・・あああ・・・・」

病人B「苦しい・・・誰か・・・」

王子「従者! 彼らは・・・!!」

従者「王子、彼らは病人にございます 生き物ならば逃れられぬ苦しみなのです・・・」

王子「何かしてやれる事は無いのか!?」

従者「お気持ちはお察し致します、ですが・・・」

王子「・・・」

その後すぐに、王子は王宮へ帰って行った


王子「今日は・・・西から出よう」

従者「かしこまりました」


**数刻後**

またもや王子の目にある物が留まった


女「うう・・・」シクシク

子供「とうちゃーーん!! やだーー!!」

市民A「ああ、また死人が出たのか」

市民B「これは祟りなのか? ああ神様どうか助けておくれ・・・」


王子「従者・・・」

従者「王子、あれは死人にございます 生き物である以上死の苦しみを免れるものは、ございません」



王子「(・・・)」

王子「(生きるものは皆 老いて 病み そして死ぬ苦しみを味わう)」

王子「(ならば何故人は生きるのだ・・・)」

王子は一晩中考えたが遂に答えは見つからなかった

後日 王子は北の門から視察をした

修行僧「・・・」

王子「(あれは・・・修行僧か)」


王子は修行僧に問いかけた


王子「そこのお方、尋ねたいことがあります」

修行僧「何でございましょうか」

王子「私はこの数日で生きる意味を考えさせられました、人は病に苦しみ、老いに苦しみ、そして死んでゆくというのなら」

王子「何故人は生きるのでしょうか」

修行僧「・・・私もかつてあなたと同じように老・病・死の人生の大きな問題で悩み続けました」

王子「!」

修行僧「老・病・死の苦悩の解決は他に求めて得られるものではなくて、また瞑想して観念的に解決のつくものでもありませんでした
自分を正しく支配できるように厳しい苦行をし、努力を重ねる以外に方法はなかったのです・・・」

王子「・・・ありがとうございました」


王子の心にある考えが浮かんだ 

王位を棄て、自分もこの修行僧のようになろうと決心したのだ



**その日の夜**

ゴソゴソ・・・

従者「王子・・・なにをしておられるのです」

王子「修行に出る、止めないでくれ」

従者「なりませぬ、王子にはお父上の跡を継ぐ義務がございます」

王子「他の者に任せればいい」

従者「王子!! なりませぬぞ!!」

王子「(当分、ダメか・・・)」


数年後王子に子供が出来た、すると彼はその子供に王位を継がせ消えていったのだった・・・

一旦終わり

元ネタ分かる人は多分わかっちゃうよねこの話

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