響「不透明な会話」 (30)

ラーメンズのコント、『不透明な会話』をPと響で置き換えただけのssです

http://www.nicovideo.jp/watch/sm15902215

動画を見てから読んだ方がわかりやすくていいと思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395911273

P「青は進めだな」

響「そうだぞ」

P「赤は?」

響「止まれだぞ、当たり前さー」

P「はたしてそうかな?」

響「えっ?」

P「今から、信号の常識を言葉の上でくつがえす」

P「赤は進め、青は止まれ、にしてみせる」

響「えぇ!?やってみてよ!絶対無理だぞ」

P「まず、赤と青を平等に扱うために、中立の状態から話を始める」

響「うん?」

P「つまり、今、響は交差点の真ん中にいます」

響「ふむふむ」

P「その時、信号が青だったら?」

響「進めだぞ」

P「赤だったら?」

響「止まれだぞ」

P「ほー」

響「んん?…あっ、あぶない!進まなきゃ、あぶない!」

P「はい、赤は進め!」

響「ほんとだぁ……」

P「その信号に交差してる車は?青だけど?」

響「と、止まれ!」

P「…青は止まれ」

響「ほんとだぁ……」

P「つまりだ、赤だから止まるんじゃない。赤の時は危ないから止まるなんだ」

P「青だから進むんじゃない。青でも危ないなら進んじゃダメなんだ」

響「うんうん……」

P「路上駐車をしないのは、駐禁のマークがあるからじゃない。迷惑だからだ」

P「酒飲んだら運転しないのは、検問をやってるからじゃない。危ないからだ」

P「ルールを守ると言うことは、その言葉の表面にだけ従うと言う意味ではない」

P「大事なことは、そのルールがもってる、意味を!!理解するってことなんですよっっ!!!!」

響「ひゃあっ!?どうしたんだいきなり…」

響「なるほどなぁ…」

P「だろ?」

響「赤は進め、青は止まれってことだったんだね!」

P「……?……ふっ、いや、おまっ………違うぞ!?」

響「へっ?」

P「違う違う違う、青は進め、赤は止まれだよ」

響「なに言ってるんだよー、交差点の真ん中で赤になったらどうするんだ?」

P「ああ、それは進まなきゃな」

響「車は?」

P「止まれっ」

響「ほら」

P「…ほんとだぁ………」

響「ふっふっふ」

P「赤は進め、青は止まれだったのかぁ、とはならないからな」

響「えっ?」

P「響ってさ、どんな理不尽な条例が出ても、あっさり従っちゃうタイプな」

響「なんだ、理不尽な条例って」

P「……たんか条例とかだよ」

響「救急車で運ばれるのか?」

P「違うよ、日常会話を五七五で喋んなきゃいけないんだよ」

響「そっち?出るわけないだろー!そんな条例!」

響「んもーなんなの、赤と青の話一つで随分じゃないか」

P「響を論破するには、色すらいらないかもな」

響「どういう意味だよー!」

響「自分を操るのを面白がって、透明人間はいる!とか言いださないでねっ!」

P「……お前、何言ってんだ?いるだろ、透明人間は」

響「いや、いないでしょ!?」

P「いるさ!透明人間」

響「いないぞ!さすがにこれは説得されないぞ!いるわけないだろー透明人間なんて」

P「なんで決めつけるんだよ」

響「見たことないからだぞ!」

P「…そりゃ透明人間だもん、誰も見たことねえよ?透明なんだからよ」

響「だって、おかしいぞ!そんなの、常識的に考えて」

P「ふっ、常識…!お前みたいなやつがな、ハリウッド条例とかが出たら、あっさりウィットに飛んじゃうんだよ」

響「…そんなこと言われても、見えない透明人間、信じろって方が難しいだろー」

P「お前はなんだ、見えないものは信じないのか?」

響「どういうこと?」

P「んー例えば、昼間、星は見えないけど、お前は存在を疑うか?」

響「…う、それとこれとは完全に違う話だぞ!自分は星の存在を信じる!だって見たことあるし!」

響「でも、透明人間は見たことないぞ」

P「そりゃ透明人間だもん、誰も見たことねえよ?透明なんだから」

響「じゃあ、なんでいるって言いきれるんだ?」

P「…いないって言いきれないからだよ」

響「……なんなのさ!その理論」

P「…フェスな、765プロ対961プロ、961プロが負けたことがわかりました。それでもお前は765プロが勝ったとは限らないって言うのか?」

響「……?………んん?……うがーっ!もう、例えが遠すぎてわかんないぞ!」

響「うううー…じゃあ、証明してみてよ」

P「ん?」

響「だから、その透明人間が見えないことはわかりました。見ること以外に、その存在を証明する方法はないのか?」

P「んんー………、よし、じゃあこう聞こう」

P「響は、透明か?不透明か?」

響「…自分は不透明だぞ」

P「不透明人間か?」

響「…んまぁ、言うなればそうだなっ」

P「もっかい、あなたは不透明人間ですか?」

響「はい」

P「よしっ、今俺は透明人間の存在を証明しました」

響「えぇっ!?」

P「だって、不透明人間って言うのは、透明人間の存在を肯定したうえでの、表現だろ?」

響「……?………まってまってまってまってよー………えーと、だから、…認めたのは…概念としての透明人間であって!」

響「実際にいるかどうかは、また別の話さー」

P「じゃあお前は、不透明人間ってことを認めないのか?」

響「認めないぞ!」

P「不透明人間ということを認めない、ということは……?お前は透明人間だな」

響「………ああ~っ!」

P「どやぁ」

響「な、なにプロデューサー!」

P「どうだぁっ!」

響「見事に証明されたぞ!しかも自分が透明人間!」

P「……お前って、うやうや条例とかが出ても、あっさりしたがっちゃうタイプな」

響「なんだ?うやうや条例って」

P「日常会話をうやうやしく丁重にお喋りになられるんだよ」

響「いやー、でも意外だなぁ……そっかぁ、自分は透明人間だったんだなっ!!」

P「……違うよ?」

響「へっ?」

P「お前は透明人間ではないよ?」

響「え、だって、証明されたじゃないか!自分は透明人間なんでしょ!?」

P「見えてるよ?」

響「あっ違った……っ!……ええ…がっかりだぁ…………でっ、でも、いるはいるんだよねっ!?」

P「なにが?」

響「透明人間!」

P「…ふっ……お前何言ってんだ?いるわけないだろ透明人間なんて」

響「なんで決めつけるんだよ」

P「見たことねえもん!」

響「そりゃ透明人間だもん、誰も見たことないぞ。透明なんだから」

P「だって、おかしいだろそんなの、常識的に考えて」

響「でた…っ!常識っ!」

響「プロデューサーみたいなやつが、ミュージカル条例とかが出たら、あっさり歌っちゃうんだぞ」

P「なんだよそりゃ」

P「そんなこと言われても、見えない透明人間信じろって方が難しいだろ」

響「む、じゃあ、プロデューサーは見えないものは信じないって言うのか?」

響「……たとえば、今、自分の裏側は見えないけど、プロデューサーは存在を疑うのか?」

P「……?…………なんだって?」

響「んもー!いまプロデューサーが見てるのは、自分の表側でしょ?」

P「うん?」

響「プロデューサーは、見えないから裏側はないって言ってるんだぞ?」

P「……言ってないよ?」

P「それとこれとは完全に違う話だ。だって、俺は響の体が両面あるのを見たことあるもん」

P「でも、透明人間は見たことないもん」

響「透明人間だもの、誰も見たことないよ?透明なんだから」

P「じゃあ、なんでいるって言いきれるんだよ」

響「………ふっふっふー…………感じるんだぞ!」

P「………………あ゛ぁっ!?」

響「プロデューサーは、この目と目の間に人差し指を近づけると、なんかモヤっと感じるでしょ?」スッ

P「……か、感じないね!」

響「…………」ジー

P「……」

響「……」ジー

P「……………っうぁ、感じる…っ!あぁー…っつー……」

響「それでも、プロデューサーは、自分の指は遠いって言いはるのか?」

P「……いやぁ、指は近いけど、例えが遠すぎてわかんないよ」

P「だったら証明してみろよ」

響「…どういうこと?」

P「…ふっ…だいたいわかるだろぉ!話の流れで!」

P「だからぁ、透明人間が見えないことはわかりました。その見ることと、感じること以外に存在を証明する方法はないのかって言ってるんだよ」

響「……んん?証明する必要なんてないぞ」

P「…えっ、なんで?」

響「…………いるからだぞ!」

P「…?、いや、お前にとってはそうかもしれないけど、俺は……ほら、………まだ、だから、な?」

P「俺はってか……お前以外、全員まだだからな?」

P「証明が必要だろ!証明が!」

響「プロデューサーは、しょうめい人間なのか?」

P「なんだよ証明人間って!」

響「照明さんだぞ」

P「………また、話が見えなくなってきたぞぉ!?」

響「よしっ!じゃあこう聞こう、プロデューサーは透明か?不透明か?」

P「んん…俺は、不透明だな?」

響「ってことは…不透明人間なんだな?」

P「おっ、来たな……ん、ただし、透明人間の存在を肯定したうえでの、不透明人間という意味ではないからな」

響「じゃあ、非不透明人間ってことだな?」

P「………ん……んん?………ただし、めぐりめぐって透明人間という意味での非不透明人間ではないからな」

響「じゃあ、逆非不透明人間か?」

P「………っ……ん、ん?……こっちでこっちで……?…」

響「違うのか?」

響「じゃあ、逆非不透明人間以外ってことだな?」

P「……逆、……非……ん、ん、いまどっちだ!?……っ…ちょと、一回話を整理しよう」

P「その、逆非不透明人間以外ってのは一旦置いといて」

響「おっ、脱逆非不透明人間以外ってことだな」

P「もーお前の話が不透明になってきたよ!なんなんだそれは」

響「なんだー?脱逆非不透明人間以外に否定的じゃないか」

P「…なにがなんだかわかんないよ」

P「お前もわかってないだろ?」

響「えっへへへへ………」

P「やっぱりか…」

響「だったらさ!逆に証明してみてよ!」

P「逆に証明とはどういうことだよ」

響「だから、透明人間はいないってことを、証明してみてって言ってるんだぞ」

P「………………なぜだろう、登ってもいない山を下山させられてる気がする……」

響「……できないんだな?」

P「んー……」

響「できないんだなっ!いるっ!透明人間は絶対いるさーっ!」

P「ちょっと待てよ、だってさ、透明人間の存在は、ついさっき俺から知ったんだぞ?」

響「ついさっきより前から透明人間はいるんだぞ!」

P「じゃあなんでお前がそれを知ってんだよ」

響「……っ、み、見たからなっ!」

P「嘘つけぇっ!!!」

響「ぅ嘘じゃないぞっ!!!見てないなんて証明できないだろー!!」

P「透明な透明人間どうやってみたんだよ!」

響「透明っていったって、ちょっとは見えるんだぞ」

P「おまっ!?都合のいい事、言ってんじゃねーぞ!?」

響「どやぁ」

P「いやいやちょっとまてっ!」

P「じゃあなに?お前が言ってる透明人間ってのは、…その、どのくらいの透明人間なの?」

響「……それは、なに?身長?」

P「違うわっ!」

響「…音域?」

P「違う!……透明人間の歌唱力には興味ないよ」

P「…んーと…その、透明度だよ」

響「……ん?え」

P「だからさ……えーと、ペットボトルってさ、あれ透明じゃん?」

響「うん、透明だな」

P「でも…見えるじゃん」

響「うん」

P「ってことはだ、こういう素材でできてる人間がいたら、これは透明人間って言えるわけだ」

響「…それは違うぞ、それはペットボトル人間だぞ」

P「…………?………ん?……ペットボトル人間ってなんだよっ!」

響「えっ、いないぞ!!そんなのっ!!」

P「……っ…透明人間もいねぇんだよっ!!」

響「いるって言ってるだろーっ!!」

P「どこにいんだよ!」

響「…そこかしこに」

P「どんだけいんだよ」

響「まあ、普通の人間の倍くらいだなっ」

P「多い多いっ!そんなんだと、普通の人間とぶつかって危ないじゃん」

響「ぶつかんないよ、すり抜けられるから」

響「ほぼ空気だからなっ」

P「まてまて……」

P「ほぼ空気っつったお前今」

響「うん」

P「…ほぼ空気つったお前今」

響「うんっ」

P「……ほぼ空気つったお前今」

P「ほぼ空気つったらさ、それはもう、もはや…イコールいないってことなんじゃないの?」

響「いや、イコールじゃないぞ、いる大なりいないだよ」

P「…?………いやいや、だいなりってことは!かたや、ちょっといないかもしれないってことだぞ!?」

響「いやいやいや、大なりイコールじゃないんだよ?大なり!なんだよ」

響「えっと、透明人間いる>いないかもしれなくないなり、だぞ」

P「………………はぁっ?」

響「だから、イコールじゃなくて……イールだぞ」

P「…は???」

響「いるから、いーるだぞ」

P「………………もうわかんねえよ……」

響「プロデューサー、バカだもんなぁ」

P「っはははははっ!」ゴツン

響「痛っ!」

P「ここにだけ、言葉禁止条例がおりますように!」

P「わかったよ、いるいる、いるでいいよ」

響「認めるんだなっ!」

P「ああ、透明人間は」

響「いーるね?」

P「うんうん、いるいるっ!」

響「いーるね?」

P「いるっ」

響「いーる」

P「いるっ!」

響「いーるって言って!」

P「いるいるっ!」

響「いーるって言って!」

P「……いーるっ」

響「ふふん」

P「…透明人間は存在するよ」

響「……まあ、どうしてもそうなっちゃうなぁ」

P「だって見たんだろ?」

響「バッチリ見たぞ!」

P「……んーもうねぇ、その時点で、もうパラドックスは発生してるんだからな?」

P「まあ、結論としてはだ、透明人間ってのは…不透明ってことだな?」

響「…まあ、どうしてもそうなっちゃうなぁ」

P「……はぁ」

響「……ただね、これだけは覚えておいてほしいんだ」

P「ん?」

響「透明人間っていうのは、いる、とか、いない、とか…見える、とか、見えない、とか、そういうもんじゃないんだ」

P「……」

響「………透明人間ってのは…みんなの心の中にいるんだぞっ!!」

P「……」スパアン!!

響「い、痛いってぇ!」

響「誰も私たちから、透明人間を奪うことはできないんだっ!」

P「……それは、なに?サンタクロースみたいなものってこと?」

響「そぉー!そうそうそうさー!」

響「……何にも、くれないけどね」

P「…いねえからな」

響「……まあ、どうしてもそうなっちゃうなぁ」

P「こいつ…」

響「でもさぁ…最近時々、思うんだよね…」

P「ん?」

響「……透明人間なんて、本当はいないんじゃないかって」

P「…………っ…………………」ブルッ

P「だからさぁっ」

響「でもいいんだっ!!もしも透明人間がいなかったとしても、自分の人生には何の影響もないっ!」

P「…それはな心配に及ばない、なぜなら透明人間なんていないからねっ!」

響「……まあ、どうしてもそうなっちゃうなぁ」

P「えー、これは満場一致ということで、よろしいですか?」

響「……まあ、どうしてもそうなっちゃうなぁ」






おわり

SSだと限界がありますね…
実際のコントはもっともっと面白いのでぜひ動画も見てみてください

条例ってのはこれの複線みたいです
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15902985
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