週間ストーリーランド「イヌガミ」 (29)

27時…1人の男が、人気のない深夜の住宅街を歩いていた。

「ふぅ~寒い寒い…」
山田次郎(21歳)学生

山田「まさか延長になるとはな……タクシーは捕まらないし、散々だ」

山田はホールスタッフの仕事を終えて、帰宅途中だった。

山田「早く帰って熱燗が飲み……ん?」

犬「………」

山田が見た物は、電信柱の前で姿勢良く座る、一匹の犬だった。

山田「何だってこんな所に?首輪がないって事は…まさか、野良犬かよ」

犬「………」

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山田「しかし…野良犬の割に小綺麗と言うか何というか……」

犬「……」

山田「静かな野良犬だな……おっ、そうだ。犬ってコレ食うのかな」

山田は手に持ったコンビニの袋から、レジ前で売られている、簡易惣菜の唐揚げを取り出した。

山田「一応、肉だし…平気か。ほら!遠慮せず食え、あったかいぞ~」

そうして、唐揚げを犬の前に1つ放ると…

犬「がうっがうっ」

山田「ははっ…美味しいか?もう1つ食うか」

犬「がうっがうっ」

山田「本当に美味そうに食うな……」

結局、山田は買ってきた唐揚げを全て犬に与えてしまった

犬「……」

山田「悪いな、もう唐揚げは無いんだよ」

犬「………」

山田「愛想がないな……そういう訳だから、じゃあな」

山田は犬に別れを告げて、帰宅の途に就いた。

翌日…26時

山田「はぁ……」

帰宅途中
山田は、仕事で凡ミスをしでかし、4つ上のエリアマネージャーに散々詰られ落ち込んでいた

山田「そういや、あの犬は居るかなぁ。一応唐揚げ買ってきたけど…でも昨日と時間違うんだよな~」

犬「………」

山田「おっ…いたいた!出勤時は居なかったから、もう会えないんじゃと思ってたよ」

犬「………」

山田は早速唐揚げを犬に食べさせる。

犬「がうっがうっ」

山田「ははっ……本当、幸せそうに食べるなぁ」

犬「がうっがうっ」

山田「お前が羨ましいよ。おれ以外の奴からも餌を貰ってるんだろ?…誰に叱られる事もなく、座ってるだけで生きていける。本当……俺も犬になりたいよ」

犬「そうか……なら願いを叶えよう。優しくして貰った礼だ」

突如、犬が山田に話しかけてきた。

山田「え?え?」

困惑する山田を余所に、犬は山田の右手に噛みついた。

山田「痛っ…!何する……あれ?」

犬「がうっがうっ」

噛まれた右手には、噛み痕が無く。更に噛みついてきた筈の犬は無心で唐揚げを頬張っていた。

山田「なんだよ……今のは幻覚?…でも、確かに……」

犬「がうっがうっ」

不気味になった山田は、その場を後にした…

玄関

山田「なんだったんだ……あれっ?……意識が」

山田はその場に倒れ込んだ

翌朝

山田(う…朝…?…俺…玄関で倒れたんだっけ)

明朝、意識を失っていた山田が目を覚ました

山田(本当---散々だったな…それにしても朝っぱらから犬が五月蝿いな)

(ん?…立ち上がったのに変だな?目線が低い…それに---服も着てない?---なんだよ!この手)

山田が見たものは…

山田(か、鏡だ!机の上の鏡を見ないと……ああっ!!なんだよ……なんだよぉこれはぁぁ!?)

机の上に置いた鏡を覗くと、そこに映ったのは……一匹の白い犬だった

山田(俺が犬…!?夢…そうだ!これは夢なんだ!有り得ないだろ)

山田(いつになったら醒めるんだ…早く醒めてくれよ……!)

鳴り響く携帯の着信音が、山田を現実へと引き戻した。

山田(母さん!?くそっ…ボタンが押しづらいな…押せた!!)

山田の母「やっと出た。あのね、次郎。来週、お姉ちゃんが家に帰って……」

山田(母さん!母さん!)

山田母「なに…あんた、犬飼ったの?うるさくて聞こえないよ。少し黙らせられないの?」

山田(俺だよ!母さん!)

山田母「後で、また電話ちょうだい…ブツッ-ツ-ツ-」

山田(母さん…気づいて貰えなかった)

山田(どうして…こんなことに……まさか!あの時、あの犬に噛まれたのが原因なんじゃ…!?)

山田(あれは幻覚なんかじゃなく、実際に起こった事だったんだ!犬が喋ったのも、噛み付いた事も…でも、どうしてだ!?どうして…俺を犬にしたんだ!?いや、まてよ…確か、あの時)

『犬「そうか……なら願いを叶えよう。優しくして貰った礼だ」』

山田(犬は『願いを叶えよう』と言っていた……俺が犬になりたいわけ!!)

『山田「本当……俺も犬になりたいよ」』

山田(は…!?ま、まさか!?あの一言が原因で…)

山田(じゃあ、もしかしたら…あの犬に会えば人間に戻れるかも……きっとそうだ!犬に変えたんだ!あの犬なら人間に戻せる筈だ!!)

山田は自分にそう言い聞かせた

山田(なら、善は急げだ!早速あの犬の所へ……)

山田が犬の下へ行こうとしたが……

山田(くそっ!この体だと、ドアが開け辛い…でも諦めるもんか!幸い直ぐ倒れたお陰で鍵がかかってない…ノブを回して押すだけなんだ…回れ…回れっ!ガチャ)

山田の執念が扉を開かせた

山田(やっ…やった!待ってろよ…犬。直ぐに行くからな!)

山田(居ない…どこにも居ないぞ!なんでだよ!何時もいるじゃないか!あの時間に……)

山田(もしかして、あの犬は、深夜の時間にしか現れないのか?くそっ…出直しか!)

山田は一先ず自宅へ戻ることにした。

山田(あれ?…あれ…?そうだった!俺は犬だから、ドアは押せるけど引けないじゃないか!くそっ!)

山田(腹減ったな…でも、何より喉が渇いた。今朝から何も食べてないし、何も飲んでない…いや、仕事帰りからか…)

渇きがピークを迎えた山田の目に映ったのは、道の隅にある、四日前に降った大雪の残りだった

山田(あんなもの……あんなもの……くそっ…くそぉぉぉ)

山田(俺は…俺は一体、何をしてるんだ…うっ、うっ…母さん…父さん)

山田は、薄汚れた雪を舐めて、喉の渇きを潤した。

山田(やっと…この時間まで耐えたぞ。頼む…居てくれ!頼む!!)

山田は縋る思いで、あの電信柱へ向かった。

犬「………」

山田(いた!居たぞ!!やった!)
「お~い!」

犬「ん?」

山田「俺だ!?わかるか!?夜中お前に噛まれた」

犬「ああ、勿論。どうしたんだ?」

山田「どうしたもこうしたも…人間に戻して貰いに来たんだよ!」

犬「なに?犬になりたいと言っていたではないか」

山田「あれは言葉のあやだよ!本気で犬になりたいなんて思ってない!早く戻してくれ!」

犬「随分と勝手だな…」

山田「人間なんてそんなもんだ…そもそも事前承諾なく、いきなり犬にするお前も勝手だろ!?」

犬「ふむ、そう言われれば確かにな」

山田「そうだろ?だから早く人間に戻してくれ!」

犬「わかった。人間に戻そう…」

山田「ほ、本当か!?」

犬「ああ、但し人間に戻るには条件がある」

山田「条件?」

犬「そうだ…ある場所で、お前を一時的に人間に戻す」

山田「ある場所?それより一時的だと…!?ふざけるな!直ぐに戻せ!」

犬「最後まで話を聞け。犬から人間に戻るには犬神様の力が必要なのだ」

山田「犬神だと?」

犬「そう、例え本位ではないにしろ、お前は犬になりたいと願い犬になった」

山田「う…」

犬「叶った願いを破棄するには、私の力だけでは無理なのだ」

山田「無理だと!?」

犬「だから話を最後まで聞け。私の力では足りない…そこで、犬神様の力を借りるのだ」

犬「その為に、私達は、犬神様の住む聖地。犬尋山へ向かう」

山田「犬尋山って、あの登山で人気の?」

犬「今ではそうだが…元々は犬達の霊峰だった場所だ。そこでお前を一時的に人間に戻す」

山田「その場所でないと元に戻れないって事はわかったが…なんで一時的なんだよ?」

犬「それは………お前に、犬神様の試練を受けて貰うからだ」

山田「試練?」

山田「試練ってなんだよ!?」

犬「……犬尋山へ行けばわかる」

山田「なに!?」

犬「直ぐに戻りたいんだろう?急ぐぞ」

山田「くそっ…」

犬に重要な事をはぐらかされながらも、犬の言葉通り、直ぐに戻りたかった山田は追及せず、犬尋山へと急いだ

犬尋山 正午過ぎ

山田「やっと着いたな…肝心の犬神はどこに居るんだ?」

犬「犬神様は犬尋山そのもの…我々のような存在ではない」

山田「なんだと!?じゃあ俺は…」

犬「慌てるな…既に犬神様から力を借りている。今、人間に戻してやろう」

山田「本当か!?じゃあ早速…」

犬「だが、その前に、犬神様の試練について説明させて貰う」

山田「そうだったな…」

犬「今からお前は人間に戻る。が、それから24時間の間…この犬尋山で、一度も人間に見つかってはならない」

山田「24時間…一度も人間に…?」

犬「そうだ。人が沢山来る山になってしまったからな、一見難しいと思うが、ここは広い山だ…試練と言っても簡単なモノだ」

山田「た、確かに…でも、そんな簡単な試練なら必要ないんじゃ…」

犬「この試練は、犬神様に、欲や情に振り回されず、約束を守り抜く誠実さを見せる事が重要なのだ」

山田「そ…そうか。じゃあ、仮に失敗…もし約束を破った場合はどうなるんだ?」

犬「まあ、あり得んだろうが、その時は……そいつは二度と人間に戻れない。……つまりは、死ぬ迄、犬の姿でいる事になる」

山田「!!」

山田「そうか…まあ大丈夫だな」

犬「ああ、心配する必要はない」

山田「じゃあ…やってくれ!」

犬「いくぞ…これから、お前に噛みつく…そして直ぐ人間戻る」

犬が山田の右前足にに噛み付いた。

山田「痛っ……!あっ…ああ!!」

山田の体が、元の人間に戻っていた

山田「やった…やっと…やっと!戻れた…長かった…」

犬「長かったな…犬になって2日も経ってないじゃないか……それに、まだ完全に戻った訳ではないんだぞ」

山田「あ、ああ…そうだったな」

犬「その辺りに隠れていろ。そうすれば無難に終わるさ」

山田「わかったよ。そう言えば服はどうなるんだ?裸じゃ帰れないぞ…それに寒い。24時間耐える前に死んでしまう」

犬「ふむ。仕方ないな…私がなにか衣服を探して来てやる」

山田「頼んだぞ…なるべく早く帰ってきてくれよ」

犬「わかった」

犬は衣服をとりに山を降りていった

10時間

山田「まだかよ…あいつ…何やってるんだ?」

耐えきれなくなった山田は少し離れた穴蔵へと避難していた…
更に5時間

山田「何やってやがる!もう深夜だぞ!くそっ、死んじまう…こうなったら」

山田は意を決し、山を降り、閉店後の土産物屋に侵入した。

山田「人は…居ない…スイマセン…借ります。後で必ず返しますので」

山田は衣服と、少量の水と食料をとり山をへと戻った

山田「戻ったはいいが…さっきの場所はどこだ?くそっ!あいつが早く戻ってればこんな事には…」

更に8時間五十分後

山田「結局あいつは戻ってこなかったな……いや、待ち合わせ場所に居なかったから戻ってきたのかな…」

山田「まあ、いいや。ここは登山路に近いが、日が沈むまでは安全に隠れていられるだろ」

運命の時まで、後僅かだが、時計を持たず、犬ともはぐれた山田には知る由も無かった

少女「ふんふふん」

山田「ん?あれは女の子?登山客だな…然し、家族と離れて歩いているのか…不用心な親だ」

山田が見下ろす登山路に1人の少女が鼻歌を歌いながら歩いていた

山田「気楽なもんだな……って…おい!」
山田の目前で少女が崖から滑り落ちた

山田「おいおい…マジかよ…」

山田が唖然としている、その時…

少女「たっ、助けてぇ~!誰か~!」

助けを求める少女の叫びが聞こえてきた。

山田「落ちてなかったのか!?」

少女が必死に崖にしがみついていた…

山田「待ってろ!今助けに……待てよ…今、見られたら、もしかして俺…どうなるんだ」

助けに行こうとした山田だったが、山田は躊躇してしまう。

少女「助けて~!お父さーん!お母さーん!」

山田「くっ!」

泣き叫ぶ少女の声

山田「俺は…俺は…」

『人に見られたら、二度と人間には戻れない』

山田「くそぉぉっ!」

山田は…少女の下へ走った…

山田「掴まれ!今、助けてやるからな!」

少女「えっ!はっ…はい!」

山田は少女を引き上げ、無事助け出した。

少女「あ、有難う!お兄ちゃん……?」

少女の目の前に、山田の姿は無かった…

少女「お兄ちゃんは…あれ?」

少女の目の前に居たのは…助けてくれた『お兄ちゃん』が着ていた衣服に包まれた……真っ白な犬だった

少女「わんちゃん?お兄ちゃんは?」

父「おーい!りーん!」

母「いたいた。凜!ダメでしょ!勝手に先に行ったら…あら?その犬は」

凜「あ、あのね!お父さん!お母さん!今ね……」

母「ふざけた事いわないの!そんな事あるわけないでしょ!」

凜「本当だよ!嘘じゃないもん!」

山田「………」

父「……本当かも知れないな」

母「あなた?」

父「だって、こんな場所で大人の服を着た犬なんて変だろ?」

母「それは…」

父「この犬は犬神様かも知れないな」

山田「………」

凜「イヌガミ様?」

父「ああ、この山に昔から伝わる、犬の神様のことさ」

凜「わんちゃんが神様なの?」

父「うん。凜が事故にあったのを見かねて助けてくれたのかも知れないね」

凜「本当!有難う!わんちゃん!」

父「でも、神様は何時も助けてくれる訳じゃないからね。今度から勝手な行動はしちゃだめだよ?凜」

凜「うん!」

父「よし、偉いね。」

凜「うふふ、あっ!」

山田は、その場を走り去っていった……

凜「お父さん!わんちゃん、どこにいったの?」

父「どこだろうね?山に帰ったのかもしれないね。凜。ちゃんとお礼を言いなさい」

凜「うん!!どうも有難うー!イヌガミさまぁぁ!ばいばーい!」

山田(これで…良かったんだよな)

時が流れ

山田「あの後、行方不明になった俺を、家族が必死に探し続けてる…」

山田「どうして知ってるかって?俺は実家に帰ったからさ…」

山田の母「あの犬、この時間になると、必ず家の前に来るわね」

山田の父「ああ、そうだな。もしかして次郎の生まれ変わりなのかもな…」

山田の母「そうね…神様が遣わしてくれたのかもね」


山田『然し、『犬に噛まれた俺が犬神様か』とんだ皮肉だな』



山田『そして、今日も俺は、父さんと母さんを見守り続けた……もしかして…あいつも……イヌガミだったのかな』


他のも何かやってくれるのかい?

>>23
では短いの一本

魅力的な楽譜

俺の名前は佐村 守 46歳
売れない音楽家だ。

佐村「くそ…世間は何故、俺の音楽を理解しないんだ……ん?何だあの露天商」

老婆「………」
- - - 魅力的な楽譜

佐村「魅力的な楽譜…?婆さん、この楽譜は何が魅力的なんだい?」

老婆「それは買った人だけが知ることが出来ます」

佐村「なんだよ…幾らなんだ?」

老婆「一万円で御座います。」

佐村「一万円!?…馬鹿馬鹿しい…」
そうは言ったものの俺の心は、『魅力的』と言う言葉に揺れ動いていた…。

佐村「一万円だな…買ったよ!」

老婆「お買い上げ有難うございます。」

ひと月後

佐村「くそっ…あの婆!ふざけやがって…何が魅力的な楽譜だ!ちっとも評価されないじゃないか…」

「失礼、佐村さんですか?」

佐村「そうだけど…あんたは?」

「申し遅れました。私は、作曲家の新島と申します。」

佐村「その作曲家の新島さんが、俺になんのようだよ」

新島「あなたが今回発表した曲を聴かせて貰いましたが……ハッキリ言います。あなたには、作曲の才能はありません。こんなにも酷い音楽家が存在するのかと、驚きましたよ」

佐村「な、なんだと!」

新島「音楽の才能は皆無。このまま続けても無駄ですよ」

佐村「言わせておけば!」

新島「ただし、あなたには別の魅力がある」

佐村「なに?」

新島「佐村さんは、軽度の聴覚障害をお持ちだとか…」

佐村「別に…日常生活に支障はない。障害なんて大袈裟だ」

新島「然し、事実だ」

佐村「さっきから何が言いたい!」

新島「才能は無いが、音楽家として珍しい個性。埋もれさせるのは惜しい…そこで、私があなたのゴーストライターになって上げましょう」

佐村「馬鹿にして…!」

新島「…自分で言うのも何ですが、私には作曲の才能がある。だが、あなたのような個性がない。」

佐村「……」

新島「私はね、互いの欠けた部分を補える、佐村さんみたいな人間を探していたんですよ。」

佐村「どうして俺なんだ…」

新島「絶望的なセンスの無さ。聴覚障害と言う個性の持ち主。私の条件を全て満たしているからです。あなたが今回発表した曲がなければ巡り会えなかった…運命ですよ」

佐村(まさか!?楽譜の効果なのか…じゃあ、コイツの言うとおりにしたら、俺は)

新島「どうします?あなたも薄々気付いているでしょう」

佐村「わかった。……引き受よう」

新島「賢明な判断です」

半年後。新島の言うとおり『俺の曲』は売れて、俺は、それなりの地位を獲得した

新島「佐村さん、CD好調じゃないですか」

佐村「まあな…」

新島「この調子でいきましょう」

佐村「ちっ……」

俺は正直不服だった。好調といっても思い描いた程でもなかったからだ……

佐村「足りない…俺は……もっと賛美されたい!賞賛されたいんだ!今まで馬鹿にしてきた奴らを見返したいんだ!」

俺は気付いたら、あの老婆を探していた

佐村「はあはあ…いたっ!」

老婆「………」
- - -魅力的なサングラス

佐村「魅力的なサングラス…婆さん!幾らだ!?売ってくれ」

老婆「三十万円で御座います」

佐村「三十万…!?わかった…払うよ!」

老婆「お買い上げ有難うございます。」

佐村「このサングラスには、一体どんな効果が…」
俺は、そのサングラスをかけてみた

突然携帯が鳴りだした…マネージャーからの電話だった。

マネージャー「さ、佐村さん!大変ですよ!」

佐村「どうした。落ち着け何があった」

マネージャー「事務所に突然、佐村さんへの取材依頼の連絡がありまして」

佐村「取材?どこからだ?」

マネージャー「ニューヨークタイムズです」

佐村「そうか……このサングラスはかけた人間を魅力的にするんだな!!」


佐村「俺は瞬く間にスターの道を駆け抜けていった…。俺の曲『NAGASAKI』が五輪の舞台で流されたりと、順風満帆だった…長くは続かなかった」

佐村「サングラスの力で、俺は大勢の人間に四六時中監視されていたらしく……
新島との関係は瞬く間に世間に知れ渡る事となった…


サングラスは、もう外した…

然し、知れ渡った知名度が消える事はなく……




俺、佐村河内守は……生涯弄られ続ける事となった。


終わり

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